(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に示される式
【化4】
の繰り返し単位を含むポリマーを含む組成物が開示され、この場合に、ポリマーは、m−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミンと、フランジカルボン酸又はその誘導体を含む芳香族二酸又はその誘導体とから得られる。
【0015】
一実施形態においては、ポリマーは、以下の一般構造
【化5】
(式中、m=2〜4000又は50〜1000又は75〜300)を有するポリ(m−フェニレン2,5−フランカルボキシルアミド)である。
【0016】
本明細書において使用される場合、用語「生物学的由来」は、「生物由来」と相互に交換して使用され、更に、植物より得られ、且つ、化石燃料系又は石油系炭素ではなく、再生可能な炭素のみを含有する、モノマー及びポリマーを含む化合物を意味する。本明細書において使用される場合、m−フェニレンジアミンは、メタ−フェニレンジアミンを意味し、且つ、p−フェニレンジアミンは、パラ−フェニレンジアミンを意味する。本明細書において使用される場合、用語「フラン系ポリマー」は、m−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミンと、フランジカルボン酸又はその誘導体を含む芳香族二酸又はその誘導体とから得られる本発明の開示されたポリマーに関して使用される。
【0017】
ポリ(m−フェニレンフランカルボキシルアミド)は、m−フェニレンジアミンと、2,5−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、3,4−フランジカルボン酸、2,3−フランジカルボン酸、又はそれらの誘導体などのフランジカルボン酸の任意の適切な異性体とから得られることができる。
【0018】
一実施形態においては、ポリ(m−フェニレンフランカルボキシルアミド)は、m−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミンと、フランジカルボン酸の誘導体とから得られる。フランジカルボン酸の誘導体は、酸の部位における置換によって形成されたエステル又はハライドを含むことができる。従って、フランジカルボン酸の誘導体としては、フラン二酸塩化物、フランジエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。或いは、2,5−フランジカルボン酸の誘導体において、フラン環における3及び/又は4位の水素は、場合によってはO、N、Si、及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有し、更に、−Cl、−Br、−F、−I、−OH、−NH
2、及び−SHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換されてもよい、−CH
3、−C
2H
5、又はC
3〜C
25の直鎖型、分岐型、又は環状のアルカン基と、必要に応じて、互いに独立して、置換可能である。
【0019】
本明細書において開示されるポリ(m−フェニレンフランカルボキシルアミド)は、500〜1000000又は12500〜250000又は19000〜75000の範囲の数平均分子量を有することができる。
【0020】
別の実施形態においては、ポリマーは、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及び二酸コモノマーから得られるコポリマー(ランダム又はブロック)である。二酸コモノマーは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、コハク酸、及び1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなる群から選択されることができる。フランジカルボン酸の二酸コモノマーに対するモル比は、任意の範囲であることができ、例えば、いずれかの成分のモル比は、1:100を超えることができる、又は或いは、1:100〜100:1又は1:9〜9:1又は1:3〜3:1又は1:1の範囲であることができる。
【0021】
フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及び二酸コモノマーから得られる例示的なコポリマーとしては、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びイソフタル酸のコポリマー、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びテレフタル酸のコポリマー、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びアジピン酸のコポリマー、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びコハク酸のコポリマー、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びアゼライン酸のコポリマー、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びセバシン酸のコポリマー、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びドデカン酸のコポリマー、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のコポリマー、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びマレイン酸のコポリマー、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及び1,3,5−ベンゼントリカルボン酸のコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
一実施形態においては、ポリマーは、以下の一般式
【化6】
(式中、m>1及びm+n=2〜4000又は50〜1000又は75〜300)を有する、2,5−フラン二酸塩化物、m−フェニレンジアミン、及びイソフタル酸から得られるコポリマーである。
【0023】
コモノマーにおける2,5−フランジカルボン酸のイソフタル酸に対するモル比は、任意の範囲であることができ、例えば、いずれかの成分のモル比は、1:100を超えることができる、又は或いは、1:100〜100:1又は1:9〜9:1又は1:3〜3:1又は1:1の範囲であることができる。
【0024】
別の実施形態においては、ポリマーは、以下の一般式
【化7】
(式中、m>1及びm+n=2〜4000又は50〜1000又は75〜300)を有する、2,5−フラン二酸塩化物、m−フェニレンジアミン、及びテレフタル酸から得られるコポリマーである。2,5−フランジカルボン酸のテレフタル酸に対するモル比は、任意の範囲であることができ、例えば、いずれかの成分のモル比は、1:100を超えることができる、又は或いは、1:100〜100:1又は1:9〜9:1又は1:3〜3:1又は1:1の範囲であることができる。
【0025】
コポリマーが作製可能である重合モノマーの組成において、フランジカルボン酸に加えて、挙げられることができる様々なヒドロキシ酸の例としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ吉草酸、7−ヒドロキシヘプタン酸、8−ヒドロキシカプロン酸、9−ヒドロキシノナン酸、若しくは乳酸、又は、ピバロラクトン、ε−カプロラクトン、若しくはL,L、D,D、若しくはD,Lラクチドから得られるものが挙げられる。
【0026】
一実施形態においては、ポリマーは、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びジアミンコモノマーから得られるコポリマー(ランダム又はブロック)である。任意の適切なジアミンコモノマ−(H
2N−M−NH
2)が使用可能であり、この場合、Mは環式又は非環式の脂肪族基又は芳香族基である。
【0027】
主鎖に2〜12個の炭素原子を有するものなどの、任意の適切な脂肪族ジアミンコモノマー(H
2N−M−NH
2)が使用可能である。適切な脂肪族ジアミンとしては、1,2−エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメタンアミン、1,12−ドデカンジアミン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
6〜10員の環の大きさを有するものなどの、任意の適切な芳香族ジアミンコモノマー(H
2N−M−NH
2)が使用可能である。適切な芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,6−ナフチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,12−ドデカンジアミン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
一実施形態においては、ポリマーは、フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びコモノマーであるp−フェニレンジアミンから得られるコポリマー(ランダム又はブロック)であり、m−フェニレンジアミンとp−フェニレンジアミンのモル比は、任意の範囲であることができ、例えば、いずれかの成分のモル比は、1:100を超えることができる、又は或いは、1:100〜100:1又は1:9〜9:1又は1:3〜3:1又は1:1の範囲であることができる。別の実施形態においては、ポリマーは、以下の一般構造
【化8】
(式中、m>1及びm+n=2〜4000又は50〜1000又は75〜300)を有する、2,5−フランジカルボン酸、m−フェニレンジアミン、及びp−フェニレンジアミンからなるコポリマー(ランダム又はブロック)である。
【0030】
又、160℃を超える沸点を有する極性溶媒を含む反応混合物において、芳香族ジアミンをフランジカルボン酸又はその誘導体と接触させることによってポリマーを調製するプロセスが、本明細書において開示される。
【0031】
一態様においては、前述の本明細書において開示されたポリマー組成物を調製するプロセスが存在する。このプロセスは、芳香族ジアミンモノマーを極性溶媒に溶解させて、不活性雰囲気下にてジアミン溶液を形成するステップを含み、この場合に、芳香族ジアミンは、m−フェニレンジアミンを含む。任意の適切な極性溶媒は、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドからなる群から選択されることができる。このプロセスは、芳香族二酸モノマー又はその誘導体を−5〜35℃又は0〜5℃の範囲の温度でジアミン溶液に加えて、反応混合物を形成するステップを更に含み、この場合に、芳香族二酸は、フランジカルボン酸又はその誘導体を含む。又、このプロセスは、温度の更なる上昇がなくなるまで、又は、反応混合物の所望の粘度が達成されるまで、反応を継続するステップと、ポリマーを反応混合物から単離するステップとを含む。一実施形態においては、プロセスは、芳香族二酸モノマーを加えるステップの前に、塩をジアミン溶液に加えるステップを更に含み、この場合に、塩は、アルカリ金属イオンの塩及びアルカリ土類金属イオンの塩を含む。適切な塩としては、塩化リチウム、酸化カルシウムを含むがこれらに限定されることはない、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の群の酸化物及び塩化物が挙げられる。別の実施形態においては、プロセスは、塩を反応混合物に加えるステップを含み、この場合に、塩は、アルカリ金属イオンの塩及びアルカリ土類金属イオンの塩を含む。
【0032】
モノマーは、前述の通りであり、且つ、溶媒は、ジメチルアセトアミド(DMAc)であることができ、更に、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウムなどの金属塩化物化合物を、場合により更に含むことができる。フランジカルボン酸(FDCA)又はエステルは、塩化オキサリル又はSOCl
2などの化合物との反応によって、その酸塩化物(FDC−Cl)に、最初に誘導化される。このプロセスは、窒素雰囲気下にて、例えばm−フェニレンジアミン(MPD)などのアミンモノマーを、無水のDMAcに加えるステップを含む。MPDが完全に溶解するまで、MPD及びDMAcの混合物は撹拌される。MPDのDMAc溶液は、約0〜5℃の範囲の温度で氷浴において収集される。次いで、FDC−Clは、十分な混合条件下、並びに、窒素下にて、この溶液にゆっくりと加えられ、反応が開始する。反応は、発熱の温度上昇を伴う。所望の粘度が達成されるまで、及び/又は、温度上昇が安定な値に達するまで、反応は行われる。その後、氷浴は取り除かれる。混合物は、通常10〜30分の固定された時間、放置され、その間、形成されたポリマーは、ゲルを形成することができる。このポリマーに、DMAcなどの更なる溶媒及びCaOなどの塩が加えられる。溶媒を加えることによって、粘度の減少を促進させて、溶媒中でポリマーと塩のスラリーを形成する。次いで、スラリーは、透明な溶液になる。又は別の方法としては、LiClなどの塩は、アミンの添加とともに反応の開始時に加えられることができる。
【0033】
糖から作製される二機能性芳香族二酸、2,5−フランジカルボン酸(FDCA)は、近年、多くの注目を集めている。本研究において、モノマーとして2,5フランジカルボン酸及びその誘導体を使用することで、一連のメタ−アラミド及びメタ−アラミドコポリマーが生成することが実証される。これらのFDCA系メタ−アラミドが、高分子量にて生成しており、且つ、望ましい特性を示している。
【0034】
一態様においては、本明細書に記載のポリマーは、フィルム、フィブリド、フロック向けの繊維、及び繊維製品への使用向けの繊維などの、付形物品に形成されることができる。ポリマーを重合溶媒又はポリマー用の別の溶媒に溶かした溶液を使用して、ポリマーは、溶液紡糸を介して繊維に紡糸されることができる。繊維の紡糸は、当技術分野において周知の通り、乾式紡糸、湿式紡糸、又は乾燥ジェット湿式紡糸(エアギャップ紡糸としても知られる)によって、多孔紡糸口金を介して実施され、マルチフィラメント糸条又はトウを生成することができる。
【0035】
一実施形態においては、本発明の繊維は、1〜100又は2〜40の範囲の繊維デニールを有する。
【0036】
本明細書に記載の付形物品としては、押し出し成形された又はブロー成形された形状品又はフィルム、成型品等が挙げられる。ドープを平面上に流し込むこと、ドープを押し出し成形機を介して押し出し成形してフィルムを形成すること、又はドープフィルムを押し出し及びブロー成形して押し出しブロー成形されたフィルムを形成することなどの任意の周知の技術によって、フィルムを作製可能である。ドープフィルムの押し出し成形に用いられる通常の技術としては、繊維に使用されるものと同様なプロセスが挙げられ、この場合に、溶液は、紡糸口金又はダイを介してエアギャップに移行し、次いで凝集浴に入る。ドープフィルムの押し出し成形及び配向についてのより詳細な記載は、Pieriniら(米国特許第5,367,042号明細書)、Chenevey(米国特許第4,898,924号明細書)、Harveyら(米国特許第4,939,235号明細書)、及びHarveyら(米国特許第4,963,428号明細書)で見られることができる。通常、調製されたドープフィルムは、好ましくは約250ミル(6.35mm)厚以下であり、より好ましくは大きくとも約100ミル(2.54mm)厚である。
【0037】
「繊維」は、長さの、長さに垂直な断面積にわたる幅に対する高い比を有する、比較的柔軟性のある、物質の単位として定義される。本明細書においては、用語「繊維」は、用語「フィラメント」又は「エンド(end)」又は「連続フィラメント」と相互に交換して使用される。本明細書に記載のフィラメントの断面は、円形又は豆形などの、任意の形状であることができるが、通常は一般的に丸形であり、且つ、通常は実質的には中空ではなく中身が詰まっている。パッケージにおいてボビンに紡糸された繊維は、連続繊維と称される。繊維は、短繊維と呼ばれる短い長さに切断されることができる。繊維は、フロックと呼ばれる更により短い長さに切断されることができる。糸条、マルチフィラメント糸条、又はトウは、複数の繊維を含む。糸条は、絡み合わされる、及び/又はより合わされることができる。
【0038】
「乾式紡糸」は、溶液を気体雰囲気を有する加熱されたチャンバーに押し出して、溶媒を除去し、固体のフィラメントを残すことによって、フィラメントを作製するプロセスを意味する。溶液は、溶媒中に繊維を形成するポリマーを含み、1つ以上の紡糸口金孔を介して連続した流れにて押し出され、ポリマー分子を配向させる。これは、ポリマー溶液を押し出して液体の沈殿媒体又は凝集媒体にして、ポリマーフィラメントを再生する、「湿式紡糸」又は「エアギャップ紡糸」とは異なる。換言すれば、乾式紡糸では、気体が主要な溶媒抽出媒体であり、且つ、湿式紡糸では、液体が主要な溶媒抽出媒体である。乾式紡糸では、固体のフィラメントの形成の後、フィラメントを液体で処理して、フィラメントを冷却するか、又はフィラメントを洗浄して、更に残留溶媒を抽出することができる。
【0039】
次いで紡糸後に、従来の技術を使用して必要に応じて、マルチフィラメント糸条又はトウにおける繊維を処理し、繊維を中和、洗浄、乾燥、又は加熱処理して、安定且つ有用な繊維を作製することができる。本明細書に記載のポリマーから形成される繊維は、様々な用途に有用である。不純物が変色させる場合があるが、これらの繊維は、無色であるか、又は無色から白色である。
【0040】
一態様においては、繊維を調製するプロセスが存在し、このプロセスは、前述で開示された0.1〜50重量%0.1〜25重量%のポリマー組成物の繊維混合物を形成するステップと、繊維混合物を紡糸して繊維にするステップとを含む。
【0041】
一実施形態においては、繊維は、0.003”又は0.008”の直径を有する1〜50個の孔を備える紡糸口金を使用して、3〜25重量%のポリマーのDMAc溶液から紡糸されることができる。紡糸溶液の体積流速は、通常0.3〜2mL/分である。次いで、繊維は、室温の、又は高温の、又は副周囲温度の、0〜90重量%のDMAcを含有する溶液で、又は、その他の適正な凝集溶媒で満たされた凝集浴に直接押し出される。開口部の数、大きさ、形状、及び構成は、所望の繊維製品を達成するために変動されることができる。押し出されたドープは、非凝集流動層を事前に通過するかしないかにかかわらず、移送されて凝集浴に入る。非凝集流動層は、一般的に空気であるが、ドープに対して非凝集剤である任意のその他の不活性気体又は液体であることができる。
【0042】
繊維及び/又はフィルムは、紡糸溶液、ドープ、又は凝集浴に加えられる、又は、紡糸プロセスの間又は後に繊維に被覆される、染料、色素、抗酸化剤、艶消し剤、静電防止剤、及び紫外線安定剤などの通常の添加剤を含有することができる。
【0043】
本明細書において使用される場合、用語「短繊維」は、所望の長さに切断される又は牽切される繊維、又は、フィラメントと比較した際、長さの、長さに垂直な断面積の幅に対する低い比を有する天然に存在する又は作製された繊維を意味する。人工短繊維は、綿、紡毛、又は梳毛の糸条の紡績装置における加工に適切な長さに切断又は作製される。短繊維は、(a)実質的に均一な長さ、(b)可変の又はランダムな長さを有することができ、又は、(c)短繊維の一部分は、実質的に均一な長さを有し、且つ、もう一方の一部分における短繊維は、異なる長さを有し、ともに混合されたこれら一部分における短繊維は、実質的に均一な分布を形成する。
【0044】
いくつかの実施形態においては、適切な短繊維は、約0.25センチメートル(0.1インチ)〜約30センチメートル(12インチ)の長さを有する。いくつかの実施形態においては、短繊維の長さは、約1センチメートル(0.39インチ)〜約20センチメートル(8インチ)である。いくつかの好ましい実施形態においては、短繊維プロセスによって作製された短繊維は、約1センチメートル(0.39インチ)〜約6センチメートル(2.4インチ)の短繊維長を有する。
【0045】
短繊維は、いかなるプロセスによっても作製可能である。例えば、短繊維は、回転カッター又はギロチンカッターを使用して、連続したストレート繊維から切断されることができて、ストレート(即ち、波形でない)短繊維をもたらし、又は更には、好ましくはセンチメートル当たり8つ以下の波形からなる波形(又は反復する屈曲)頻度を備える、短繊維の長さに沿って鋸歯形の波形を有する波形の連続繊維から切断されることができる。
【0046】
又、短繊維は、連続繊維を牽切することによって形成されて、波形として作用する変形部を備える短繊維をもたらすことができる。牽切短繊維は、所定の距離である切断ゾーンを1つ以上有する牽切操作において、連続フィラメントのトウ又は束を切断することによって作製され、切断ゾーンの調整によって制御された平均切断長を有する繊維のランダムな可変の部分を生成することができる。
【0047】
紡績短繊維糸条は、当技術分野において周知である従来の長短繊維リング精紡プロセスを使用して、短繊維から作製可能である。短繊維の、綿系の紡績の場合、通常、約1.9〜5.7センチメートル(0.75〜2.25インチ)の繊維長が使用される。長繊維の、梳毛又は紡毛系の紡績の場合、通常、約16.5センチメートル(6.5インチ)までの繊維が使用される。しかしながら、又、エアジェット紡績、オープンエンド紡績、及び短繊維を使用可能な糸条に変換する多くのその他の種類の紡績を使用して、糸条を紡績することができるので、これは、リング精紡に限定することを意図するものではない。
【0048】
又、紡績短繊維糸条は、牽切トウ−トップ繊維プロセスを使用して牽切することによって、直接作製可能である。通常、従来の牽切プロセスによって形成される糸条における短繊維は、約18センチメートル(7インチ)までの長さを有する。しかしながら又、牽切によって作製される紡績短繊維糸条は、例えばPCT特許出願第0077283号パンフレットに記載のプロセスを介して、約50センチメートル(20インチ)までの最大長を備える短繊維を有することができる。牽切プロセスは、ある程度の波形を与えて繊維にするので、牽切短繊維は、通常、波形を必要とすることはない。
【0049】
又、短繊維は、連続繊維を牽切することによって形成されて、波形として作用する変形部を備える短繊維をもたらすことができる。牽切短繊維は、所定の距離である切断ゾーンを1つ以上有する牽切操作において、連続フィラメントのトウ又は束を切断することによって作製され、切断ゾーンの調整によって制御された平均切断長を有する繊維のランダムな可変の部分を生成することができる。
【0050】
用語、連続フィラメントは、比較的小さい直径を有する柔軟性のある繊維を意味し、その長さは、短繊維に適用されるものより長い。連続フィラメント繊維、及び連続フィラメントのマルチフィラメント糸条は、当業者に周知のプロセスによって作製可能である。
【0051】
多くの種類の繊維が、繊維製品の短繊維として使用可能である。いくつかの実施形態においては、アラミド繊維が、繊維製品の短繊維としてブレンド物に使用可能である。いくつかの好ましい実施形態においては、メタ−アラミド繊維が、繊維製品の短繊維としてブレンド物に使用可能である。アラミドとは、アミド(−CONH−)結合の少なくとも85%が、2つの芳香環に直接結合するポリアミドを意味する。メタ−アラミドは、ポリマー鎖におけるメタ配置又はメタ配向した結合を含有するようなポリアミドである。アラミドに添加剤を使用することができ、実際、10重量パーセントの量までのその他の高分子材料を、アラミドとブレンドすることができることが見出されている。この繊維は、いかなる数のプロセスをも使用して、乾式又は湿式紡糸によって紡糸することができる。米国特許第3,063,966号明細書及び米国特許第5,667,743号明細書は、有用なプロセスを例示するものである。
【0052】
いくつかの好ましい実施形態においては、様々な種類の短繊維が、短繊維のブレンド物として存在する。繊維のブレンド物とは、任意の方式における2つ以上の短繊維種の組み合わせを意味する。好ましくは、短繊維のブレンド物は「緊密なブレンド物」であり、これはブレンド物における様々な短繊維が、これらの短繊維の比較的均一な混合物を形成することを意味する。いくつかの実施形態においては、さまざまな短繊維が短繊維糸条の束において均質に分布されるように、糸条が紡績される前又は間に、2つ以上の短繊維種はブレンドされる。
【0053】
布地は、紡績短繊維糸条から作製可能であり、且つ、製織された又は製編された布地を含むことができるが、これらに限定されるものではない。一般的な布地の設計及び構造が、当業者に周知である。「製織された」布地とは、平織、千鳥綾織、斜子織、朱子織、綾織等の任意の織布を生成するために、縦糸又は縦方向の糸条、及び、横糸又は横方向の糸条を互いに織り合わせることによって、織機にて通常形成される布地を意味する。平織及び綾織は、業界で使用される最も一般的な織り方であると考えられ、多くの実施形態において好ましい。
【0054】
「製編された」布地とは、針を使用して糸条ループを結び合わせることによって通常形成される布地を意味する。多くの例において、製編された布地を作製するために、紡績短繊維糸条は、糸条を布地に変換する編み機に送られる。必要に応じて、多数のエンド又は糸条が、撚りをかけられ又はかけられずに編み機に供給されることができる、即ち、糸条の束、又は合撚糸条の束は、編み機にともに送られ、従来の技術を使用して、製編されて布地になるか、又は手袋などの衣料品に直接なることができる。いくつかの実施形態においては、繊維の緊密なブレンド物を有する1つ以上の紡績短繊維糸条とともに、1つ以上のその他の短繊維糸条又は連続フィラメント糸条をともに送ることによって、製編された布地に機能性を付与することが望ましい。編物の締りは、いかなる特定の要求をも満たすように調整可能である。例えば、保護用衣服における特性の非常に有効な組合せは、例えば単一のジャージ編み及びテリー編み模様などで見出されている。
【0055】
一実施形態においては、高分子短繊維及び繊維製品の短繊維の繊維混合物が、繊維の緊密なブレンド物を作製することによって形成される。必要に応じて、その他の短繊維は、短繊維のこの比較的均一な混合物に混ぜ合わせることができる。ブレンドすることは、当技術分野において周知のいかなる数の方法によっても達成可能であり、この方法は、連続フィラメントのいくつかのボビンをクリール(creel)し、同時に2種類以上のフィラメントを切断して切断短繊維のブレンド物を形成するプロセス、又は、様々な短繊維を開俵し、次いで開繊機、ブレンダー、カードにて、様々な繊維を開繊しブレンドすることを伴うプロセス、又は、カードにおいて繊維の混合物の細片を形成するなど、様々な短繊維の細片を形成し、次いで更に加工されて混合物を形成するプロセスを含む。様々な種類の異なる繊維が、ブレンド物の全体にわたって比較的均一に分布する限り、緊密な繊維のブレンド物を作製するその他のプロセスが可能である。糸条がブレンド物から形成される場合、糸条は又、短繊維の比較的均一な混合物を有する。一般的に、最も好ましい実施形態においては、短繊維の不十分な開繊による繊維の結び目又はスラブ、及びその他の主要な欠陥が、最終的な布地の品質を損なう量で存在することがないように、個々の短繊維は、有用な布地を作製するために繊維加工において通常である程度に、開繊されるか又は分けられる。
【0056】
好ましいプロセスにおいては、更なる官能性を得るために必要に応じて、緊密な短繊維のブレンド物は、任意のその他の短繊維とともに、開俵より得られた短繊維を最初に混ぜ合わせることによって作製される。次いで、繊維のブレンド物は、カード機を使用して細片に形成される。カード機は、繊維を分けて、配列及び供給し、カード掛けされた細片として一般的に知られる、実質的な撚りを伴わないゆるく結集した繊維の連続した房にするために、繊維産業において一般的に使用される。カード掛けされた細片は、これに限定されるものではないが、通常、2ステップの延伸プロセスによって、延伸された細片に加工される。
【0057】
次いで、紡績短繊維糸条は、オープンエンド紡績及びリング精紡などの従来の綿系又は短繊維の紡績プロセスを含む技術、又は、空気を使用して短繊維を撚り合わせて糸条にする、Murataエアジェット紡績などのより高速の空気紡績技術を使用して、延伸された細片から形成される。又、紡績糸条の形成は、従来の紡毛系のプロセス又は梳毛若しくは半梳毛のリング精紡若しくは牽切紡績などの長繊維のプロセスを使用することによって達成可能である。加工系に関わらず、リング精紡は、紡績短繊維糸条を作製する一般的な好ましい方法である。
【0058】
又、芳香族ジアミンから得られる単位と2,5−フランジカルボン酸又は誘導体から得られる単位とを含むポリマー及び溶媒から溶液を形成し、この溶液を紡糸口金を介してポンプ圧送して100未満のデニールを有する繊維を形成することによって繊維を作製する方法が、本明細書において開示される。モノマー及び溶媒は、前述の通りである。これらの繊維から作製された物品としては、メタ−アラミドと同様の様々な与えられた用途向けの、紙、織布、及び不織布が挙げられる。
【実施例】
【0059】
1H−NMR分光法
1H−NMR及び
13C−NMRスペクトルは、重水素化クロロホルム(CD
2Cl
2)において、400MHzのNMRにて記録された。プロトンの化学シフトは、内部標準である重水素化溶媒の共鳴を使用してppmで表される。ASTM D3418−08に従って実施された示差走査熱量測定(DSC)によって、ポリマーの熱転移が求められた。
【0060】
材料
以下の実施例において使用される、2,5−フランジカルボン酸(99+%純度)は、AstaTech Inc.(Bristol,PA)より入手した。塩化チオニル(>99%純度)、ペンタン(無水、>99%純度)、酸化カルシウム(99.995%、微量金属に基づく)、ジメチルアセトアミド(DMAc)(無水、99.8%純度)、及び塩化リチウム(>99%)は、Aldrichより調達した。ジメチルホルムアミド(エキストラドライ、99.8%純度)は、ACROS Organicsより調達した。メタフェニレンジアミン(MPD)(>99%純度)は、DuPont(Wilmington,DE)より入手した。特に明記しない限り、化学物質は、入荷したままの状態で使用した。塩化リチウムは、使用する前に、真空オーブンにて乾燥させた。
【0061】
実施例1.1:MPD及びFDC−Clからのフラン系ポリアミドの調製
A.フラン二酸塩化物(FDC−Cl)の調製
【化9】
ドライボックス中でオーブンにて乾燥させた器具を使用して、磁気攪拌棒及び還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、2,5−フランジカルボン酸32.712g(0.210モル)と、塩化チオニル50mL(81.55g、0.685モル)を投入した。混合物を、ドライボックスから取り除き、静的窒素下に置いた。次いで、無水DMF50μLを加え、混合物を70℃に設定した油浴の中に置いた。白色のスラリーは、透明な黄色の溶液にゆっくりと変わった。混合物を、20時間、70℃で加熱した後、ドライボックスに戻した。反応混合物を室温まで冷却するにつれて、長結晶が形成した。次いで、ペンタン約40mLを加え、混合物を2時間撹拌した。白色の固体を濾過し、無水ペンタン20mLで3回洗浄した。固体を、高真空下にて、室温で乾燥させた。固体は、LCMS技術を使用して、酸塩化物であることが確認された。
1H−NMR(CH
2Cl
2−d)δ:7.49(s、2H)、
13C−NMR(CH
2Cl
2−d)δ:124.04(−CH)、149.71(−C−)、156.36(C=O)。
【0062】
B.MPD及びFDC−Clからのフラン系ポリアミドの調製
【表1】
【0063】
固体のMPD及びDMAc(無水、0.005%)を、機械的撹拌器、窒素注入口、及び試薬添加口を備えた、乾燥させた250mL三つ口丸底フラスコに加えた。MPDが完全に溶解するまで、成分を窒素下にて完全に混ぜ合わせた。次いで、溶液を5℃まで冷却した(氷浴)。この溶液にFDC−Clを加え、溶液を5℃で撹拌し、反応は最大60.2℃まで発熱した。約10分間、氷浴にて反応した後、氷浴を取り除いた。透明な黄色の粘性のある溶液の反応温度は、26.7℃であると分かった。もう約10分後に、混合物はゲル化して撹拌棒に付着し、これ以上混合することはなかった。試料1.685gを取り除き、熱したDMAc1.681gに溶解させ、透明な黄色の非常に粘度の低い溶液になった。オフホワイトのゲルに、CaO3.365gと、更なるDMAc31.094gを加えた。反応物がスラリーになり始めるにつれ、発熱もし始めた。スラリーは、透明な黄色の粘度の低い溶液にゆっくりとなった。ポリマーの重量平均分子量M
wは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められ、37000g/モルであった。T
gは、およそ294℃(DSC、10℃/分、第2加熱)であった。
【0064】
実施例1.2塩を使用するMPD及びFDC−Clからのフラン系ポリアミドの調製
【表2】
【0065】
機械的撹拌器、窒素注入口、及び試薬添加口を備えた、乾燥させた250mL三つ口丸底フラスコに、固体のMPD、LiCl、及びDMAc(無水、0.005%)を加える。MPD及びLiClが完全に溶解するまで、成分を窒素下にて完全に混ぜ合わせた。次いで、溶液を5℃まで冷却した(氷浴)。この溶液にFDC−Clを加え、溶液を5℃で撹拌し、反応は最大59.9℃まで発熱した。反応溶液は、黄色に、その後不透明になった。粘性の混合物を、内部温度が36℃まで減少した時、氷浴から取り除いた。更に120分間撹拌した後、固体の酸化カルシウムを加え、混合物は49℃まで発熱した。次いで、混合物を更に60分間撹拌した。反応混合物は、多くの捕捉された気泡を含有し、最後の30分の混合の際、撹拌速度を低下させることによって、外観はかなり不透明ではなくなり、基本的に気泡を伴う透明な黄色になった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められたポリマーの重量平均分子量は、38000g/モルであった。T
gは、およそ293℃(DSC、10℃/分、第2加熱)であった。
【0066】
実施例2:塩を使用するMPD、塩化イソフタロイル(IPL)、及びFDC−Clからのフラン系コポリマーの調製
FDC−Cl、塩化イソフタロイル(IPL)、及びメタフェニレンジアミンからなるコポリマー組成物を、FDC−Clの50%をIPLで置き換えることによって、実施例1.2の手順によって合成した。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められたポリマーの重量平均分子量は、100994g/モルであった。T
gは、およそ279.1℃(DSC、10℃/分、第2加熱)であった。
【0067】
比較例A:IPL及びMPDのポリアラミド
実施例1.2と同一の手順を使用して、ポリアラミドを、イソフタル酸及びm−フェニレンジアミンのみから作製した。
【0068】
実施例3:FDC−Cl、MPD、及びIPLのフラン系コポリマーの繊維の紡糸及び繊維の特性
本明細書における繊維を紡糸する特定の方法の一つは、10〜15重量%のポリマーを含有するDMAc/LiCl/CaCl2溶液から紡糸するものである。これらの実施において使用するポリマーは、実施例2に従って作製される。繊維を紡糸するのに使用されるセットアップを
図1に概略的に示す。溶液は、ギアポンプ1によって供給されることができ、溶液が0.005”の直径を有する1つの孔を備える紡糸口金3を介して出る前に、スピンセル2に滞留する。紡糸溶液のジェット速度の範囲は、100〜300ft/分であることができる。繊維は、押し出されて室温の脱イオン水で満たされた凝集浴4に直接入ることができる。凝集浴の繊維の滞留時間は、15〜60秒であることができる。繊維は、セラミックガイドを介して凝集浴から取り出されることができる。繊維は、60〜250ft/分の速度で、ポリエチレンテレフタレートのボビン5に、巻き付けられることができる。次いで、巻き付けられた繊維のボビンは、洗浄され脱イオン水に浸漬され、一連のバッチステップにおいて室温で空気乾燥される。
【0069】
本明細書において前述されるように、15重量%の固体(ポリマー及び塩を含む)、0.005の孔径,100fpmのジェット速度、1.00インチのエアギャップの長さ、4.5フィートの室温の水浴の長さである方法によって、繊維をポリマーから紡糸した。その他の条件及び繊維の特性を以下の表3に示す。
【0070】
比較例B:IPL及びMPDのポリアラミドの繊維の紡糸及び繊維の特性
繊維を、比較例Aのポリアラミドを使用して実施例3と同一の手順を使用して紡糸した。条件及び繊維の特性を、以下の表3に示す。
【0071】
【表3】
表3から、FDC−Cl、MPD、及びIPLから作製されたコポリマーは、上手く繊維に紡糸することができることは明らかである。フランコポリマーから作製された繊維(実施例3.1〜3.4)は、様々な巻き取り速度において、比較用の非フラン系ポリアラミド(比較例B.1〜B.4)と同様のデニール及び機械的特性を有する。
【0072】
以上、本発明を要約すると下記のとおりである。
1.ポリマーを含む組成物であって、前記ポリマーは、以下に示される式
【化10】
の繰り返し単位を含み、
前記ポリマーは、
a.m−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミンと、
b.フランジカルボン酸又はその誘導体を含む芳香族二酸又はその誘導体と、
から得られる、組成物。
2.前記ポリマーは、以下の式
【化11】
を有するポリ(m−フェニレン2,5−フランカルボキシルアミド)である、上記1に記載の組成物。
3.前記芳香族ジアミンは、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,6−ナフチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメタンアミン、1,12−ドデカンジアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるジアミンコモノマーを更に含む、上記1に記載の組成物。
4.前記芳香族二酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、コハク酸、及び1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなる群から選択される二酸コモノマーを更に含む、上記1に記載の組成物。
5.前記ポリマーは、2,5−フラン二酸塩化物、m−フェニレンジアミン、及びイソフタル酸から得られるコポリマーである、上記1に記載の組成物。
6.e)芳香族ジアミンモノマーを極性溶媒に溶解させて不活性雰囲気下にてジアミン溶液を形成するステップであって、前記極性溶媒はジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドからなる群から選択され、且つ、前記芳香族ジアミンは、m−フェニレンジアミンを含むステップと、
f)芳香族二酸モノマー又はその誘導体を−5〜35℃の範囲の温度で前記ジアミン溶液に加えて反応混合物を形成するステップであって、前記芳香族二酸はフランジカルボン酸又はその誘導体を含むステップと、
g)温度の更なる上昇がなくなるまで、又は前記反応混合物の所望の粘度が達成されるまで、前記反応を継続するステップと、
h)前記ポリマーを前記反応混合物から単離するステップと、
を含む、上記1に記載のポリマー組成物を調製するプロセス。
7.芳香族二酸モノマーを加えるステップの前に、塩を前記ジアミン溶液に加えるステップを更に含み、前記塩はアルカリ金属イオンの塩と、アルカリ土類金属イオンの塩とを含む、上記6に記載のプロセス。
8.塩を前記反応混合物に加えるステップを更に含み、前記塩は、アルカリ金属イオンの塩と、アルカリ土類金属イオンの塩とを含む、上記6に記載のプロセス。
9.以下の式
【化12】
の繰り返し単位を含むポリマーを含み、
前記ポリマーは、
a.m−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミンと、
b.フランジカルボン酸又はその誘導体を含む芳香族二酸又はその誘導体と、
から得られる、付形物品。
10.前記ポリマーは、以下の一般構造
【化13】
を有するポリ(メタ−フェニレン2,5−フランカルボキシルアミド)である、上記9に記載の付形物品。
11.前記芳香族ジアミンは、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,6−ナフチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメタンアミン、1,12−ドデカンジアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるコモノマーを更に含む、上記9に記載の付形物品。
12.前記芳香族二酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、コハク酸、及び1,3,5−ベンゼントリカルボン酸からなる群から選択されるコモノマーを更に含む、上記9に記載の付形物品。
13.繊維である上記9に記載の付形物品。
14.上記13に記載の繊維を含む紡績糸条。
15.上記14に記載の糸条を含む織布。
16.上記14に記載の糸条を含む衣類。
17.上記13に記載の繊維を含む不織のウェブ。
18.前記プロセスは、
a)0.1〜50重量%の上記1に記載のポリマー組成物の繊維混合物を形成するステップと、
b)前記繊維混合物を紡糸して繊維にするステップと、
を含む、繊維を調製するプロセス。