(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの溶媒が、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル及びエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒である請求項1又は2に記載の方法。
前記少なくとも1つの重合可能なモノマーが、メタクリル酸、アクリル酸、及びマレイン酸からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
前記少なくとも1つの光開始剤が、アントラキノン、チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、キサントン、ベンゾフェノン、及びフルオレノンからなる群から選択される少なくとも1つの光開始剤である請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
前記少なくとも1つの光開始剤が、ステップd)において、前記基材表面上で所望のパターンでの光の照射によって活性化される請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
前記少なくとも1つの光開始剤が、ステップd)において、レーザー光、集束レーザー光、及び集束光からなる群から選択される少なくとも1つのタイプの光の照射によって活性化される請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
前記少なくとも1つの光開始剤が、ステップd)において、レーザー光、及び少なくとも1つのマスクと組み合わされている光から選択される少なくとも1つの照射によって活性化される請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
請求項1におけるステップb、c、及びdの少なくとも1つが、ラジカル重合開始剤の酸素阻害を減らすために通常の大気と比較して低減された酸素濃度の環境中で実施される請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
先行技術においては、基材表面に金属を塗布する多くの様々な方法が記載されている。
【0003】
WO98/34446は、有機基材上に明瞭に区別されたパターンで導電性材料を塗布する方法を開示しており、その表面層は、前記明瞭に区別されたパターンに従って明瞭に区別された接着領域を達成するように化学的に修飾され、その後、導電性材料がこれらの領域に塗布される。
【0004】
WO2007/116056は、a)カルボキシル基及び少なくとも1つの他の金属の吸着イオンを含むポリマーを、基材の表面に生じさせるステップ、b)そのイオンを第2の金属に還元するステップ並びにc)その還元されたイオン上に第1の金属を堆積させるステップを含む、基材上に金属を塗布するための方法を開示している。その表面に塗布されるその後の溶液の濡れを改良するための最初のステップとして、そして洗浄ステップとして、プラズマ処理が記載されている。
【0005】
WO2007/116057は、紙に塗布される上記方法を開示している。
【0006】
目下の大きな問題は、製造における取扱いや生産性に関する全付加的プロセスの工業化である。現在は、湿式グラフト化学反応を有するプロセスが使用されている。これは、取扱い及びロバスト性のことで生産ラインにおける問題を引き起こす。
【0007】
そのプロセスにおける部品の取扱いやロバスト性;生産性及びラインスピード;様々なポリマー表面へのグラフトに関する要件を満たす方法はない。例えば、不活性で感応性の高い材料に金属を塗布することは最新技術における問題である。感応性の高い材料の例としては、PC−ABSが挙げられるがこれに限定されない。さらに、ハロゲンを含む物質はコーティングするのが困難であることが知られている。2D及び3Dの基材の両方をコーティングすることを可能にするプロセスを得ることも困難である。
【0008】
感応性の高い基材は、その基材が、グラフト化学物質及び/又はプロセス条件に対して感応性であり得るので、最新技術による方法を用いても常にはコーティングすることはできない。
【0009】
従来技術におけるもう一つの問題は、表面にポリマーを生成させることに関連して、いくらかの光開始剤を使用することであり、それは、多くの光開始剤は結晶化する傾向があるためである。例えば、ベンゾフェノンは、多くの用途において光開始剤として使用することはそれが結晶を形成するために困難又は不可能である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明が詳細に開示され、説明される前に、この発明は、本明細書に開示されている特定の化合物、形態、方法ステップ、基材、及び材料には限定されないことが、そのような化合物、形態、方法ステップ、基材、及び材料は、多少なりとも変動し得るので、理解されるべきである。本明細書で採用されている専門用語は、特定の実施形態のみを説明するために使用されており、本発明の範囲は、添付されている特許請求の範囲及びそれの同等物によってのみ限定されるので、限定しているつもりはないことも理解されるべきである。
【0018】
この明細書及び添付されている特許請求の範囲において使用されている単数形「a」、「an」及び「the」は、その文脈が別なふうにはっきりと規定していない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0019】
他に何も規定されていない場合、本明細書で使用されているどの用語及び科学的専門用語も、この発明が関係する当業者によって普通に理解されている意味を有することが意図されている。
【0020】
混合物と関連する非晶質とは、その混合物が結晶を全く含まないことを指す。
【0021】
この新しい技術は、ポリマー基材を含むがそれらに限定されない基材表面への金属メッキのために光の照射と組み合わされた乾燥グラフト段階を含む全付加的プロセスである。現在、商用の又は文献に記載されている既知の乾燥グラフトプロセスは存在せず、何故なら、固相における反応は一般に非常に遅く、ポリマー表面へのグラフトに対して低い収率を有するためである。この新規技術は、これらの欠点を解決する。
【0022】
この光化学及びグラフトプロセスは、乾燥状態において機能し、表面への金属メッキのための活性部位を生じる。これを達成するために、比較的速乾性のグラフト溶液を有すること、モノマー及び光活性化剤の溶解性が最適化されること、光化学が、グラフト部位の高い発生量と共に固体状態で機能すること及びポリマー鎖がこれらの部位から成長することが好ましい。このプロセスにおける酸素の影響は、乾燥層の厚さを最適化すること又は保護ガスの使用によって最小限に抑えることができる。
【0023】
照射のために使用されるレーザー又は光の波長は、光活性化剤の吸収スペクトルにマッチしなければならない。
【0024】
第一の態様においては、基材表面に第1の金属を塗布するための方法であって、
a)少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの重合可能なモノマー、及び少なくとも1つの光開始剤を含む混合物であって、前記少なくとも1つの光開始剤、前記少なくとも1つの重合可能なモノマー、及び前記少なくとも1つの溶媒が、結晶を全く含まない非晶質混合物を形成し、前記少なくとも1つの重合可能なモノマーが、重合して少なくとも1つのカルボキシル基を含むポリマーに重合化することができ、前記少なくとも1つの重合可能なモノマーが、前記混合物中でモノマーの形態をしている混合物を用意するステップと、
b)共有結合した水素原子を含む前記基材表面に、前記混合物を少なくとも部分的に塗布するステップと、
c)前記少なくとも1つの溶媒の少なくとも一部を蒸発させるステップと、
d)前記少なくとも1つの光開始剤が分解して少なくとも1つのフリーラジカルになるように、前記少なくとも1つのフリーラジカルが、前記少なくとも1つの重合可能なモノマーとの間で重合反応を開始し、前記基材表面上での前記共有結合した水素原子と前記少なくとも1つの重合可能なモノマーの一部分との間の反応を誘発して、前記基材表面にポリマーを調達し、前記ポリマーが少なくとも1つのカルボキシル基を含み、形成された前記ポリマーの少なくとも一部分が前記表面に共有結合するように、前記少なくとも1つの光開始剤に適合する波長の光を照射することによって、前記少なくとも1つの光開始剤を活性化させるステップと、
e)少なくとも1つの第2の金属のイオン及び少なくとも1つの第2の金属を含むナノ粒子であって、1から100nmまでの範囲の平均直径を有するナノ粒子からなる群から選択される少なくとも1つを塗布するステップと、
f)少なくとも1つの第2の金属のイオンが塗布されている場合、前記少なくとも1つの第2の金属のイオンを金属に少なくとも部分的に還元するステップと、
g)第1の金属を、前記少なくとも1つの第2の金属の還元されたイオン及び少なくとも1つの第2の金属を含むナノ粒子からなる群から選択される少なくとも1つの上に堆積させるステップと
を含む上記方法が提供される。
【0025】
ステップa〜cは、表面が、少なくとも部分的に、後で照射されて基材表面に金属コーティングを施すことができる層によって覆われる基材を生ずる。実験は、コーティングされた表面は、少なくとも数週間はその状態が保持されて、金属表面を整えるために依然として使用され得ること、即ち、ステップd〜gが実施される前に使用され得ることを示している。
【0026】
乾燥した層の粘度、即ち、溶媒が蒸発されたステップc後の層の粘度は、それが基材上に留まるほどのものである。
【0027】
基材表面を少なくとも部分的に金属でコーティングするために、この方法は、ステップd〜gをさらに含む。
【0028】
ナノ粒子は、100nmより小さい粒子である。
【0029】
1つの実施形態において、少なくとも1つの溶媒は、ステップc)において、重量で計算して80%を超えるまで蒸発させる。1つの実施形態において、少なくとも1つの溶媒は、重量で計算して90%を超えるまで蒸発される。1つの実施形態において、少なくとも1つの溶媒は、重量で計算して95%を超えるまで蒸発される。
【0030】
溶媒は、アルコール類、エーテル類及びエステル類を含めた様々な溶媒から選択される少なくとも1つの溶媒である。2つ以上の溶媒が使用されるとき、これは1つの相を形成し、即ち互いに溶解して2相を形成しない溶媒の混合物を指す。1つの実施形態において、少なくとも1つの溶媒は、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル及びエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒である。
【0031】
1つの実施形態において、少なくとも1つの重合可能なモノマーは、少なくとも1つのカルボン酸基を含む。1つの実施形態において、その少なくとも1つの重合可能なモノマーは、メタクリル酸、アクリル酸、及びマレイン酸からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0032】
1つの実施形態において、少なくとも1つの光開始剤は、アントラキノン、チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、キサントン、ベンゾフェノン、及びフルオレノンからなる群から選択される少なくとも1つの光開始剤である。
【0033】
1つの実施形態において、少なくとも1つの光開始剤は、ステップd)において前記基材表面上で所望のパターンでの光の照射によって活性化される。1つの実施形態において、少なくとも1つの光開始剤は、ステップd)において、レーザー光、集束レーザー光、及び集束光からなる群から選択される少なくとも1つのタイプの光の照射によって活性化される。その光は、金属コーティングを有することが望まれる基材表面の部分に集束される。1つの実施形態において、少なくとも1つの光開始剤は、ステップd)において、レーザー光、及び少なくとも1つのマスクと組み合わされている光から選択される少なくとも1つの照射によって活性化される。そのマスクは、基材表面と光源との間に位置づけられる。1つの実施形態において、そのマスクは基材表面上に直接位置づけられる。
【0034】
1つの実施形態において、請求項1におけるステップb、c、及びdの少なくとも1つは、ラジカル重合開始剤の酸素阻害を減らすために通常の大気と比較して低減された酸素レベルの環境中で実施される。
【0035】
1つの実施形態において、前記基材表面は、二次元の平面である。別の実施形態において、前記基材表面は、三次元の表面である。前記溶液を二次元の表面及び三次元の表面の両方に塗布することは容易である。これは両方とも、混合物の粘度と、反応が所望部分に集光することによって開始され得るように光開始剤が使用されるという事実による。集光は、二次元の平面上並びに殆どの三次元の物体の両方で行われ得る。
【0036】
1つの実施形態において、基材表面は、ステップb)の前にプラズマにより処理される。
【0037】
1つの実施形態において、表面に共有結合されていないポリマーの少なくとも一部分は、ステップd)の後に前記基材表面から洗い流される。別の実施形態において、表面に共有結合されていない基本的に全てのポリマーは、ステップd)の後に前記基材表面から洗い流される。
【0038】
1つの実施形態において、塗布された混合物の厚さは、5〜200μmである。この厚さは、混合物が塗布される基材の領域で測定される。その厚さは、溶媒が重量で計算して80%を超えて蒸発した時に測定される。最良の正確さのために、その厚さは溶媒が重量で計算して95%まで蒸発した時に測定されるべきである。厚さ5〜200μmは、溶媒が重量で計算して95%まで蒸発した状態を指す。
【0039】
金属をコーティングした物体の用途は、多くの様々な分野において数多くある。ここでいくつかの用途の非限定の例を示す。1つの実施形態において、その基材は電気回路を含む。1つの実施形態において、その基材は印刷配線板である。1つの実施形態において、その基材は高周波電磁波向けのアンテナである。1つの実施形態において、その基材は遠隔通信のためのアンテナである。1つの実施形態において、その基材は燃料電池である。1つの実施形態において、その基材は太陽電池である。1つの実施形態において、その基材は反射板である。1つの実施形態において、その基材は自動車の反射板である。1つの実施形態において、その基材はプラスチックを含む。1つの実施形態において、その基材は容器である。1つの実施形態において、その基材は液体のための容器である。1つの実施形態において、その基材はボトルである。1つの実施形態において、その基材は香水向けの容器である。
【0040】
1つの実施形態において、その基材は複数の導体の層を含み、その導体は、互いに電気的に絶縁されている。導電性金属のいくつかの層に絶縁材を間に塗布することによっていくつかの層の中に回路を形成する可能性が提供される。
【0041】
プロセスは300〜500mJ/cm
2に下がるまでのエネルギーにより実証されている。
【0042】
一緒に十分に機能する、結晶のない非晶質混合物を形成するモノマー、溶媒及び開始剤の例としては、
メタクリル酸+チオキサントン+メタノール
アクリル酸+チオキサントン+メタノール
メタクリル酸+クロロチオキサントン+エタノール
メタクリル酸+クロロチオキサントン+メタノール/エタノール(重量で1:1)
メタクリル酸+イソプロピルチオキサントン+アセトン/エタノール(重量で1:1)
アクリル酸+フルオレノン+メタノール/エタノール(重量で1:1)
マレイン酸+ベンゾフェノン+酢酸エチル
が挙げられるがこれらに限定されない。
【0043】
Rzは、最高のピークと最低の谷の間の平均の間隔として定義される。それは、評価長さ範囲内の5つの基準長さIrからの5つのRzi値の平均である。それはSS−EN ISO 4287:1998に従って定義される。100μmより小さいRzに対する表面の接着力は、コーティングされた基材に適している。そのような平坦さとは異なる表面は、高い接着力で、金属でコーティングすることは困難である。
【0044】
第二の態様においては、金属でコーティングされている物体であって、前記物体がカルボキシル基を含む共有結合したポリマーで少なくとも部分的にコーティングされており、前記物体が共有結合したポリマー上で、金属でさらにコーティングされており、前記物体が、コーティング前に、SS−EN ISO 4287:1998に従って測定して100μm未満の表面粗さRzを有しており、その物体のコーティングが、ASTM D1876に従って測定して10N/cm以上の接着力を有する上記物体が提供される。
【0045】
1つの実施形態において、コーティングされる物体は、そのコーティングの適用前にポリマーを含む。
【0046】
1つの実施形態において、その物体は透明である。
【0047】
1つの実施形態において、その基材は、充填剤、顔料、及び繊維からなる群から選択される少なくとも1つをさらに含む。
【0048】
1つの実施形態において、その物体は、コーティング前に50μm未満の表面粗さRzを有している。1つの実施形態において、その物体は、コーティング前に11μm未満の表面粗さRzを有している。1つの実施形態において、その物体は、コーティング前に2μm未満の表面粗さRzを有している。
【0049】
100μmより小さいRzに対する表面の接着力は、コーティングされた基材に適している。そのような平坦さとは異なる表面は、高い接着力で金属をコーティングすることは困難である。特に、さらに滑らかな、例えば、Rzが2μm又はさらに0.5μmであるような表面は、優れた接着力でコーティングされ得る。
【0050】
1つの実施形態において、物体のコーティング膜は、ASTM D1876に従って測定して14N/cm以上の接着力を有する。
【0051】
本発明のその他の特徴及び用途並びにそれらの関連する利点は、解説及び実施例を読めば当業者には明らかであろう。
【0052】
この発明は、ここに示されている特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。以下の実施例は、例証目的のために提供されており、本発明の範囲は、添付されている特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定されるので、本発明の範囲を限定することを目的としてはいない。
【実施例】
【0053】
(例1)
メタクリル酸(1重量%)、チオキサントン(0.01重量%)及びメタノールからなるグラフト溶液が用意された。
【0054】
その溶液は、カーボンブラック及びガラス繊維(50重量%)を充填したPA6/PA66ポリマー製の8×8cmの大きさのパネルに空気スプレーガンにより吹付けられた。その乾燥した厚さは、10μmから50μmまで変動された。乾燥時間(試料は乾燥したグラフト層を損傷することなく扱うことができた)は、湿潤フィルムの厚さに応じて室温で10秒から40秒まで変動された。
【0055】
パネルは、355nmで発光する2Wのレーザー光により照射された。
【0056】
試料は、800mJ/cm
2のエネルギーで照射された。スポット径は、120μmであった。照射パターンは、その線(ライン)の間に400μmの間隔を有する180μmの直線であった。
【0057】
照射後試料は脱イオン水(DIW)中で洗浄された。次の段階でその試料は、パラジウム(II)イオンを含む市販の溶液中で活性化された。そのパラジウムイオンは、市販の還元媒体中にそのパネルを浸すことによってパラジウム金属に還元された。そのパネルは、次にDIW中で洗浄され、その後銅メッキのための市販の銅メッキ浴に置かれた。
【0058】
そのパネルの結果は、178から182μmの間の線幅と400μmの銅線間の間隔を有する6から8μmの膜厚を有する銅の直線であった。
【0059】
(例2)
アクリル酸(1.2重量%)、チオキサントン(0.01重量%)及びエタノールからなるグラフト溶液が用意された。
【0060】
その溶液は、カーボンブラック及びガラス繊維(50重量%)を充填したPA6ポリマー製の8×8cmの大きさのパネルに空気スプレーガンにより吹付けられた。その乾燥した厚さは、10μmから50μmまで変動された。乾燥時間(試料は乾燥したグラフト層を損傷することなく扱うことができた)は、湿潤膜厚に応じて室温で10秒から40秒まで変動された。
【0061】
パネルは、355nmで発光する2Wのレーザー光により照射された。
【0062】
試料は、900mJ/cm
2のエネルギーで照射された。スポット径は、120μmであった。照射パターンは、その線の間に400μmの間隔を有する180μmの直線であった。
【0063】
照射後試料は脱イオン水(DIW)中で洗浄された。次の段階でその試料は、パラジウム(II)イオンを含む市販の溶液中で活性化された。そのパラジウムイオンは、市販の還元媒体中にそのパネルを浸すことによってパラジウム金属に還元された。そのパネルは、次にDIW中で洗浄され、その後銅メッキのための市販の銅メッキ浴に置かれた。
【0064】
そのパネルの結果は、178から182μmの間の線幅と銅線間に400μmの間隔を有する0.8から1.2μmの膜厚を有する銅の直線であった。
【0065】
(例3)
様々な時間−レーザー照射、マルチスキャンの後
【0066】
メタクリル酸(1重量%)、クロロチオキサントン(0.01重量%)及びエタノールからなるグラフト溶液が用意された。
【0067】
その溶液は、カーボンブラック及びガラス繊維(50重量%)を充填したPA6/PA66ポリマー製の8×8cmの大きさのパネルに空気スプレーガンにより吹付けられた。その乾燥した厚さは、10μmから50μmまで変動された。乾燥時間(試料は乾燥したグラフト層を損傷することなく扱うことができた)は、湿潤フィルムの厚さに応じて室温で10秒から40秒まで変動された。
【0068】
パネルは、355nmで発光する4Wのレーザー光により照射された。
【0069】
試料は、レーザースピード及び繰り返し数に応じて様々なエネルギーで照射された。スポット径は、120μmであった。照射パターンは、その線の間に400μmの間隔を有する180μmの直線であった。
【0070】
照射後試料は脱イオン水(DIW)中で洗浄された。次の段階でその試料は、パラジウム(II)イオンを含む市販の溶液中で活性化された。そのパラジウムイオンは、市販の還元媒体中にそのパネルを浸すことによってパラジウム金属に還元された。そのパネルは、次にDIW中で洗浄され、その後銅メッキのための市販の銅メッキ浴に置かれた。
【0071】
そのパネルについての結果は、178から182μmの間の線幅と銅線間に200μmの間隔を有する銅の直線であった。
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
(例4)
様々な膜厚−銅浴中の時間
【0075】
メタクリル酸(1重量%)、クロロチオキサントン(0.01重量%)及びメタノール/エタノール(1:1)からなるグラフト溶液が用意された。
【0076】
その溶液は、カーボンブラック及びガラス繊維(50重量%)を充填したPA6/PA66ポリマー製の8×8cmの大きさのパネルに空気スプレーガンにより吹付けられた。その乾燥した厚さは、10μmから50μmまで変動された。乾燥時間(試料は乾燥したグラフト層を損傷することなく扱うことができた)は、湿潤フィルムの厚さに応じて室温で10秒から40秒まで変動された。
【0077】
パネルは、355nmで発光する2Wのレーザー光により照射された。
【0078】
試料は、500mJ/cm
2のエネルギーで照射された。スポット径は、120μmであった。照射パターンは、その線の間に400μmの間隔を有する180μmの直線であった。
【0079】
照射後試料は脱イオン水(DIW)中で洗浄された。次の段階でその試料は、パラジウム(II)イオンを含む市販の溶液中で活性化された。そのパラジウムイオンは、市販の還元媒体中にそのパネルを浸すことによってパラジウム金属に還元された。そのパネルは、次にDIW中で洗浄され、その後銅メッキのための市販の銅メッキ浴に置かれた。
【0080】
そのパネルについての結果は、178から182μmの間の線幅と300μmの間隔を銅線の間に有する銅の直線であった。
【表4】
【0081】
(例5)
様々なパターンが、5μmから3cmまで範囲の線幅で作られた。
【0082】
メタクリル酸(1.4重量%)、チオキサントン(0.01重量%)及びメタノールからなるグラフト溶液が用意された。
【0083】
その溶液は、COCポリマー製の8×8cmの大きさのパネルに空気スプレーガンにより吹付けられた。その乾燥した厚さは、25μmであった。乾燥時間(試料は乾燥したグラフト層を損傷することなく扱うことができた)は、室温で40秒であった。
【0084】
パネルは、355nmで発光する2Wのレーザー光により照射された。
【0085】
試料は、800mJ/cm
2のエネルギーで照射された。スポット径は、5μmから200μmまで変動された。その照射パターンは、直線であった。その線幅は、5μmから5000μmまで変動された。
【0086】
照射後試料は脱イオン水(DIW)中で洗浄された。次の段階でその試料は、パラジウム(II)イオンを含む市販の溶液中で活性化された。そのパラジウムイオンは、市販の還元媒体中にそのパネルを浸すことによってパラジウム金属に還元された。そのパネルは、次にDIW中で洗浄され、その後銅メッキのための市販の銅メッキ浴に置かれた。
【表5】
【0087】
(例6)
様々な材料:
【0088】
アクリル酸(1.0重量%)、チオキサントン(0.01重量%)及びエタノールからなるグラフト溶液が用意された。
【0089】
その溶液は、8×8cmの大きさの様々なパネル(下の表参照)に空気スプレーガンにより吹付けられた。その乾燥した厚さは、20μmであった。乾燥時間(試料は乾燥したグラフト層を損傷することなく扱うことができた)は、室温で30秒から50秒まで変動された。
【0090】
パネルは、355nmで発光する4Wのレーザー光により照射された。
【0091】
試料は、600mJ/cm
2のエネルギーで照射された。スポット径は、120μmであった。その照射パターンは、その線の間に400μmの間隔を有する180μmの直線であった。
【0092】
照射後試料は脱イオン水(DIW)中で洗浄された。次の段階でその試料は、パラジウム(II)イオンを含む市販の溶液中で活性化された。そのパラジウムイオンは、市販の還元媒体中にそのパネルを浸すことによってパラジウム金属に還元された。そのパネルは、次にDIW中で洗浄され、その後銅メッキのための市販の銅メッキ浴に置かれた。
【0093】
そのパネルについての結果は、178から182μmの間の線幅と400μmの銅線の間の間隔を有する6から8μmの膜厚を有する銅の直線であった。
【表6】
【0094】
以下の例7〜9は、上の例1と同様に製造された。その後、ASTM D1876に従って、塗布された金属コーティングの接着力を測定するために剥離試験が実施された。コーティングされていない基材についてのRzが、SS−EN ISO 4287:1998に規定されているように測定され、以下に示されている値より低いことが見出された。SS−EN 4288及びSS−EN ISO 3274によれば、測定条件は、rtip=2μm、lr=0.25mm、ln 1.25mm、lt 1.5mmであった。
【0095】
(例7)
主成分は、PA6(Rz<0.5μm)の高光沢表面上のメタクリル酸、アセトン、エタノール及びイソプロピルチオキサントンである。接着力において14N/cmを与える。
【0096】
(例8)
主成分は、30%のガラス繊維を充填したPA6(Rz<10μm)の表面上のアクリル酸、メタノール、エタノール、及びフルオレノンである。接着力において17N/cmを与える。
【0097】
(例9)
主成分は、30%のガラス繊維を充填したPA6(谷とピークの間が<2.0μm)の光沢表面上のマレイン酸、酢酸エチル、及びベンゾフェノン誘導体である。接着力において16N/cmを与える。