(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
両方の前記把持部材が偏位部材によって偏位させられ、前記突起は他方の偏位させられた前記把持部材をその偏位部材の前記偏位と反対の方向に変位させる第2の走行面を有している、請求項5に記載のタイヤ組立機。
前記第1のくさび部と、前記第2のくさび部と、前記第3のくさび部と、前記第4のくさび部はそれぞれ、前記第1の開始位置またはその近傍、前記第1の終了位置またはその近傍、前記第2の開始位置またはその近傍、前記第2の終了位置またはその近傍に位置している、請求項1から7のいずれか1項に記載のタイヤ組立機。
前記把持部材の一方は前記エイペックスストリップを支持するためのプラットホームを備え、前記把持部材の他方は押圧部材を備え、前記押圧部材は前記プラットホームを向いて面する押圧ピンのアレイを有し、前記押圧ピンは前記プラットホームと前記プラットホーム上に支持された前記エイペックスに接触するようにされている、請求項4から7のいずれか1項に記載のタイヤ組立機。
前記押圧ピンは偏位させられて前記プラットホームに向けて動き、前記把持部材が互いの方に向けて動かされ前記エイペックスストリップに係合するときに、前記押圧ピンの少なくともいくつかは前記エイペックスストリップに接触するようにされ、かつその接触の結果、前記偏位に対して押し戻されるようにされている、請求項10に記載のタイヤ組立機。
前記押圧部材は前記押圧ピンを受け入れる複数の円筒ボアを備え、各押圧ピンは前記円筒ボア内を滑動するようにされた軸を有し、前記軸は、前記ボアと協働して前記軸と前記円筒ボアの間に間隙を形成する、部分的に非円形、多面形または平坦にされた外周部を有し、前記間隙は前記プラットホームに面する前記押圧部材の側で外部環境と開放連通している、請求項10または11に記載のタイヤ組立機。
前記軸はその外周部に少なくとも3つの部分を有し、前記部分は前記円筒ボアと滑動して接触するように配置されるようにされ、前記軸は少なくとも3つの実質的に平坦にされた面を有し、前記面は配置された状態で前記軸と前記円筒ボアの間に少なくとも3つの間隙を形成する、請求項12に記載のタイヤ組立機。
実質的に連続するある長さのエイペックスを、前記ビードに対する前端部及び/または後端部を有する後続する前記エイペックスストリップに切断する切断装置をさらに有し、前記第1の把持具と前記第2の把持具は前記エイペックスストリップのそれぞれ前記前端部と前記後端部に係合するようにされている、請求項1から16のいずれか1項に記載のタイヤ組立機。
前記切断装置は、前記運搬方向に関し上流側に位置しており、前記第1の開始位置は前記切断装置の上流に位置し、及び/または前記第2の開始位置は前記切断装置の下流に位置している、請求項17に記載のタイヤ組立機。
前記ストリップの一つの前記前端部を前記ビード保持具の前記ビード上に移送する貼り付けクランプをさらに有し、前記第1の終了位置は前記貼り付けクランプに位置し、及び/または前記第2の終了位置は前記ビード保持具に位置している、請求項17または18に記載のタイヤ組立機。
グリーンタイヤ用のエイペックスストリップを把持する把持具の押圧部材の円筒ボアに使用される押圧ピンであって、前記押圧ピンは前記円筒ボア内に滑動可能に設置されるようにされた軸を有し、前記軸は、前記円筒ボアと滑動して接触するようにされた部分的に円形の外周部と、部分的に非円形、多面形または平坦にされた外周部と、を有し、前記間隙は、使用中に前記エイペックスストリップに面する前記押圧部材の側で外部環境と開放連通している、押圧ピン。
前記軸はその外周部に少なくとも3つの部分を有し、前記部分は前記円筒ボアと滑動して接触するように配置されるようにされ、前記軸は少なくとも3つの実質的に平坦にされた面を有し、前記面は配置された状態で前記軸と前記円筒ボアの間に少なくとも3つの間隙を形成する、請求項20に記載の押圧ピン。
エイペックスストリップをビードに貼り付けグリーンタイヤ用のビードエイペックス組立体を形成する方法であって、該方法は、前記エイペックスストリップを第1の把持具と第2の把持具と係合させ、係合させられた前記エイペックスストリップを前記ビードに向けて運搬方向に動かすステップを有し、
前記第1の把持具は第1の開始位置と第1の終了位置との間を動くことができ、前記第2の把持具は第2の開始位置と第2の終了位置との間を動くことができ、
前記方法はさらに、前記把持具を前記把持具が前記エイペックスストリップに係合する閉位置に偏位させるステップと、前記把持具をそれぞれの前記開始位置とそれぞれの前記終了位置との間で前後に動かすステップと、前記把持具が前記開始位置と前記終了位置のいずれかにあるときに、前記把持具の前記偏位をくさび部で打ち消すステップと、を有する、方法。
前記くさび部は複数のサイクルで動かされ、各サイクルは、前記把持具をそれらのそれぞれの前記開始位置からそれらのそれぞれの前記終了位置まで動かすステップと、前記把持具をそれらのそれぞれの前記終了位置からそれらのそれぞれの前記開始位置まで戻すステップと、を有する、請求項25に記載の方法。
前記把持具の各サイクルにおいて、後続するエイペックスストリップが前記第1の把持具によって係合され、前記ビードに向けて搬送され、一方で、先に搬送された別のエイペックスストリップが、前記第2の把持具に係合させられている間に前記ビードに貼り付けられる、請求項26から30のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、エイペックスストリップをビードに貼り付けビードエイペックス組立体を形成するための、改良されたタイヤ組立機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、本発明はエイペックスストリップをビードに貼り付けグリーンタイヤ用のビードエイペックス組立体を形成するためのタイヤ組立機を提供する。タイヤ組立機はビードを保持するビード保持具を有し、タイヤ組立機は、エイペックスストリップに係合しエイペックスストリップをビードに向けて運搬方向に動かす第1の把持具と第2の把持具を有し、第1の把持具は第1の開始位置と第1の終了位置との間を動くことができ、第2の把持具は第2の開始位置と第2の終了位置との間を動くことができ、タイヤ組立機は第1のくさび部と、第2のくさび部と、第3のくさび部と、第4のくさび部とを備え、第1の把持具と第2の把持具はこれらの把持具がエイペックスストリップに係合するようにされた閉位置に偏位させられ、これらのくさび部は把持具が開始位置と終了位置のいずれかにあるときに把持具の偏位を打ち消すようにされている。
【0005】
くさび部は把持具の偏位を打ち消すことができ、それによって開始位置または終了位置で、把持具のエイペックスストリップとの係合が解除される。その結果、把持具自体はくさび部を備える必要がなく、従って、比較的単純な構成とすることができる。
【0006】
一実施態様では、タイヤ組立機はエイペックスストリップを第1の面内で搬送するようにされ、第1の把持具と第2の把持具は、第1の面と、第1の面の後方にある第2の面との間を動くことができ、把持具は第1の面内でそれらの開始位置からそれらの終了位置に動かされるようにされており、把持具は第2の面内でそれらの終了位置からそれらの開始位置に戻されるようにされている。把持具は後方にある第2の面を通って戻ることができ、一方、切断などの本方法の他のステップは、把持具に妨害されることなく第1の面内で行うことができる。さらに、第1の面内にあるエイペックスに把持具でダメージを与えるリスクが低減される。
【0007】
一実施態様では、把持具はそれぞれの開始位置または終了位置にあるときのみ、第1の面から第2の面に、あるいは第2の面から第1の面に動かされるようにされている。好ましくは、把持具はエイペックスストリップに対して静止した位置に停止しているときのみ、第1の面から第2の面に、あるいは第2の面から第1の面に動かされるようにされている。このようにして、把持具の運搬方向における相対移動によるエイペックスへのダメージを防止することができる。
【0008】
一実施態様では、把持具はそれぞれ第1の把持部材と第2の把持部材を有し、把持部材の少なくとも一方は、把持部材の他方と協働してエイペックスストリップを2つの互いに対向する側から留めるために、偏位部材によって偏位させられ、把持部材の他方に向けて動き、くさび部はそれぞれ偏位部材の偏位を打ち消すようにされた突起を有している。少なくとも一つの偏位させられた把持部材は、その偏位がくさび部のいずれかによって打ち消されていないときは自動的にエイペックスと係合する。従って、くさび部を把持具に対して相対移動させるだけで、自動的に把持具をエイペックスと係合させ、あるいはエイペックスとの係合を解除することができる。
【0009】
一実施態様では、突起は一方の偏位させられた把持部材をその偏位と反対の方向に変位させる第1の走行面を有している。くさび形状だけで一方の偏位させられた把持部材を変位させることができるため、くさび部は比較的単純な構成とすることができる。
【0010】
一実施態様では、両方の把持部材が偏位部材によって偏位させられ、突起は他方の偏位させられた把持部材をその偏位部材の偏位と反対の方向に変位させる第2の走行面を有している。両方の把持部材を偏位させることで、エイペックスを2つの互いに反対の側から能動的に係合させることができる。くさび形状だけで両方の把持部材を変位させることができるため、くさび部は比較的単純な構成とすることができる。
【0011】
一実施態様では、把持部材はそれぞれ、くさび部のそれぞれの走行面と接触し走行面上を走行するホイールを備えている。ホイールは把持部材と走行面との間の摩耗を低減することができる。
【0012】
一実施態様では、第1のくさび部と、第2のくさび部と、第3のくさび部と、第4のくさび部はそれぞれ、第1の開始位置またはその近傍、第1の終了位置またはその近傍、第2の開始位置またはその近傍、第2の終了位置またはその近傍に位置している。こうしてくさび部は開始位置または終了位置で把持具の偏位を打ち消すことができる。
【0013】
一実施態様では、タイヤ組立機は、くさび部に連結された駆動部を備え、駆動部はくさび部を把持具に向けて動かし、または把持具から引き込む。把持具が静止している間、くさび部を把持具に向けて動かされ、または把持具から引き込まれるように能動的に制御することができる。これによって、把持具がエイペックスストリップに対し静止している間に把持具がエイペックスストリップに係合し、エイペックスストリップへのダメージを防止することが可能となる。
【0014】
一実施態様では、把持部材の一方はエイペックスストリップを支持するためのプラットホームを備え、把持部材の他方は押圧部材を備え、押圧部材はプラットホームを向いて面する押圧ピンのアレイを有し、押圧ピンはプラットホームとプラットホーム上に支持されたエイペックスに接触するようにされている。押圧ピンによって、エイペックスストリップの断面形状に拘わらず、エイペックスストリップに確実に均等な圧力を掛けることが可能となる。均等に圧力が掛かることで、エイペックスストリップが側方に押し出されることが防止される。
【0015】
一実施態様では、押圧ピンは偏位させられてプラットホームに向けて動き、把持部材が互いの方に向けて動かされエイペックスストリップに係合するときに、押圧ピンの少なくともいくつかはエイペックスストリップに接触するようにされ、かつその接触の結果、偏位に対して押し戻されるようにされている。その結果、押圧ピンの相互の位置をエイペックスの輪郭または形状と調和するように適合させることができる。そして、そのため、押圧ピンを介し、押圧部材によって均等に分布した力をエイペックスストリップに掛けることができる。このようにして、エイペックスストリップへのダメージを避けることができる。
【0016】
一実施態様では、押圧部材は押圧ピンを受け入れる複数の円筒ボアを備え、各押圧ピンは円筒ボア内を滑動するようにされた軸を有し、軸は、ボアと協働して軸と円筒ボアの間に間隙を形成する、部分的に非円形、多面形または平坦にされた外周部を有し、間隙はプラットホームに面する押圧部材の側で外部環境と開放連通している。ピンの形状は、残留物が蓄積してピンの動きを永久に阻止することを防止する。こうして、押圧ピンの不具合を防止することができ、不均一な圧力分布により押圧ピンがエイペックスにダメージを与える可能性を低減することができる。
【0017】
一実施態様では、軸はその外周部に少なくとも3つの部分を有し、部分は円筒ボアと滑動して接触するように配置されるようにされ、軸は少なくとも3つの実質的に平坦にされた面を有し、面は配置された状態で軸と円筒ボアの間に少なくとも3つの間隙を形成する。好ましくは、少なくとも3つの実質的に平坦にされた面は外周部に沿って均等に分布している。最も好ましくは、軸は実質的に正方形の断面を有している。
【0018】
一実施態様では、軸は円筒ボアの内部を回転可能にされており、好ましくは、軸の外周部の円筒ボアと滑動して接触するようにされた部分は、同じ円の、好ましくは同じ真円の一部である。回転することで、外周部の円筒ボアと滑動して接触するようにされた部分は残留物を掻き取り、残留物はその後間隙を通って円筒ボアの外部に落下することができる。
【0019】
一実施態様では、タイヤ組立機は、実質的に連続するある長さのエイペックスを、ビードに対する前端部及び/または後端部を有する後続するエイペックスストリップに切断する切断装置をさらに有し、第1の把持具と第2の把持具はエイペックスストリップのそれぞれ前端部と後端部に係合するようにされている。前端部を第1の把持具に係合させ、関連するエイペックスストリップをビードまで搬送することができる。後端部を第2の把持具に係合させ、関連するエイペックスストリップがビードに貼り付けられる間、そのエイペックスストリップを制御することができる。
【0020】
一実施態様では、切断装置は、運搬方向に関し上流側に位置しており、第1の開始位置は切断装置の上流に位置し、及び/または第2の開始位置は切断装置の下流に位置している。第1の把持具は第1の開始位置まで動かれ、切断装置のすぐ上流で形成されたストリップの前端部に係合することができる。第2の把持具は第2の開始位置まで動かれ、切断装置のすぐ下流で形成されたストリップの後端部に係合することができる。
【0021】
一実施態様では、タイヤ組立機は、ストリップの一つの前端部をビード保持具のビード上に移送する貼り付けクランプをさらに有し、第1の終了位置は貼り付けクランプに位置し、及び/または第2の終了位置はビード保持具に位置している。第1の把持具を第1の終了位置に動かして、一方のストリップの前端部を第1の把持具から貼り付けクランプ上に移送することができる。第2の把持具を第2の終了位置に動かして、一方のストリップの後端部をビード上に移送することができる。
【0022】
一実施態様では、タイヤ組立機は、好ましくは一つ以上のタイミングベルトの形態を有し、第1の把持具と第2の把持具をそれらのそれぞれの開始位置とそれらのそれぞれの終了位置との間で駆動する駆動部をさらに有する。把持具を前方部でそれらのそれぞれの開始位置からそれらのそれぞれの終了位置まで駆動して、エイペックスまたはエイペックスストリップを運ぶことができる。後方部で、エイペックスにダメージを与えることなく、把持具を元の開始位置まで戻すように駆動することができる。
【0023】
一実施態様では、第1の把持具と第2の把持具は、運搬方向と平行な方向に動けるように、ガイドに設置されている。こうして、把持具と係合したエイペックスをガイドに沿って、運搬方向と平行に動かすことができる。
【0024】
一実施態様では、タイヤ組立機は運搬方向と平行な実質的に直線状の経路に沿ってエイペックスストリップを支持するコンベアを備え、好ましくは、直線状の経路はビード保持具で保持されるビードの周囲と接している。エイペックスストリップを直線状の経路に沿ってビードに向けて搬送し、ビードに接する態様で、エイペックスストリップをビードに向けて供給し、ビード上に貼り付けることができる。
【0025】
第2の態様では、本発明はグリーンタイヤ用のエイペックスストリップを把持する把持具の押圧部材の円筒ボアに使用される押圧ピンを提供する。押圧ピンは円筒ボア内に滑動可能に設置されるようにされた軸を有し、軸は、円筒ボアと滑動して接触するようにされた部分的に円形の外周部と、部分的に非円形、多面形または平坦にされた外周部と、を有し、間隙は、使用中にエイペックスストリップに面する押圧部材の側で外部環境と開放連通している。間隙は残留物が蓄積してピンの動きを永久に阻止することを防止する。押圧ピンは摩耗を受ける可能性があり、定期的に交換すべきである。押圧ピンはスペアの部品として供給することができる。
【0026】
一実施態様では、軸はその外周部に少なくとも3つの部分を有し、部分は円筒ボアと滑動して接触するように配置されるようにされ、軸は少なくとも3つの実質的に平坦にされた面を有し、面は配置された状態で軸と円筒ボアの間に少なくとも3つの間隙を形成する。好ましくは、少なくとも3つの実質的に平坦にされた面は外周部に沿って均等に分布している。最も好ましくは、軸は実質的に正方形の断面を有している。ピンの形状は、残留物が蓄積してピンの動きを永久に阻止することを防止する。こうして、押圧ピンの不具合を防止することができ、不均一な圧力分布により押圧ピンがエイペックスにダメージを与える可能性を低減することができる。
【0027】
一実施態様では、軸は円筒ボアの内部を回転可能にされており、好ましくは、軸の外周部の円筒ボアと滑動して接触するようにされた部分は、同じ円の、好ましくは同じ真円の一部である。回転することで、外周部の円筒ボアと滑動して接触するようにされた部分は残留物を掻き取り、残留物はその後間隙を通って円筒ボアの外部に落下することができる。
【0028】
第3の態様では、本発明はエイペックスストリップをビードに貼り付けグリーンタイヤ用のビードエイペックス組立体を形成する方法を提供する。本方法は、エイペックスストリップを第1の把持具と第2の把持具と係合させ、係合させられたエイペックスストリップをビードに向けて運搬方向に動かすステップを有し、第1の把持具は第1の開始位置と第1の終了位置との間を動くことができ、第2の把持具は第2の開始位置と第2の終了位置との間を動くことができる。本方法はさらに、把持具を把持具がエイペックスストリップに係合する閉位置に偏位させるステップと、把持具をそれぞれの開始位置とそれぞれの終了位置との間で前後に動かすステップと、把持具が開始位置と終了位置のいずれかにあるときに、把持具の偏位をくさび部で打ち消すステップと、を有する。
【0029】
くさび部は把持具の偏位を打ち消すことができ、それによって開始位置または終了位置で、把持具とストリップの係合が解除される。その結果、把持具自体はくさび部を備える必要がなく、従って、比較的単純な構成とすることができる。
【0030】
一実施態様では、くさび部は複数のサイクルで動かされ、各サイクルは、把持具をそれらのそれぞれの開始位置からそれらのそれぞれの終了位置まで動かすステップと、把持具をそれらのそれぞれの終了位置からそれらのそれぞれの開始位置まで戻すステップと、を有する。サイクルは実質的に連続的なプロセスの一部として繰り返すことができき、各サイクルの終わりが次のサイクルの始めとなる。
【0031】
一実施態様では、エイペックスは第1の面内を運搬され、第1の把持具と第2の把持具は第1の面と、第1の面の後方にある第2の面との間を動くことができ、把持具は第1の面内でそれらの開始位置からそれらの終了位置に動かされ、把持具は第2の面内でそれらの終了位置からそれらの開始位置に戻される。把持具は後方にある第2の面を通って戻ることができ、一方、切断などの本方法の他のステップは、把持具に妨害されることなく第1の面内で行うことができる。さらに、第1の面内にあるエイペックスに把持具でダメージを与えるリスクが低減される。
【0032】
一実施態様では、把持具はそれぞれの開始位置または終了位置にあるときのみ、第1の面から第2の面に、あるいは第2の面から第1の面に動かされる。好ましくは、把持具はエイペックスストリップに対して静止した位置に停止しているときのみ、第1の面から第2の面に、あるいは第2の面から第1の面に動かされる。このようにして、把持具の運搬方向における相対移動によるエイペックスへのダメージを防止することができる。
【0033】
一実施態様では、くさび部は把持具がそれぞれの開始位置または終了位置で停止しているとき、把持具に挿入され、または把持具から引き込まれる。把持具が静止している間、くさび部を把持具に向けて動かされ、または把持具から引き込まれるように能動的に制御することができる。これによって、把持具がエイペックスストリップに対し静止している間に把持具がエイペックスストリップに係合し、エイペックスストリップへのダメージを防止することが可能となる。
【0034】
一実施態様では、把持具の各サイクルにおいて、後続するエイペックスストリップが第1の把持具によって係合され、ビードに向けて搬送され、一方で、先に搬送された別のエイペックスストリップが、第2の把持具に係合させられている間にビードに貼り付けられる。ある長さの新しいエイペックスと先に切断されたエイペックスストリップを1サイクルで同時に扱うことで、エイペックスを搬送しビードに貼り付けるステップを実質的に加速することができる。
【0035】
一実施態様では、把持具はそれらのそれぞれの開始位置からそれらのそれぞれの終了位置に同時に移動する。一方のストリップの前端部を第1の把持具で係合させ搬送することができ、第1の把持具は、第2の把持具に係合し先に搬送される他方のストリップの後端部に密接に追従し、あるいはその直後を動く。このようにして、続いて貼り付けられるストリップの準備時間をかなり節約することができる。こうしてサイクルの時間を10秒未満に短縮することができ、場合によっては7秒未満に短縮することができる。
【0036】
一実施態様では、把持具はそれらのそれぞれの終了位置からそれらのそれぞれの開始位置に同時に戻る。把持具は同期した態様で制御され、それによって相互の動作の複雑さが低減される。
【0037】
明細書に記載され示された様々な態様及び特徴は、個別に、可能な限りどこでも適用することができる。これらの個々の態様、特に添付された従属請求項に記載された態様及び特徴は分割出願の主題とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、本発明の例示的実施形態の把持具を備えたタイヤ組立機の正面図である。
【
図2】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の側面図である。
【
図3】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、本発明の例示的実施形態の把持具を備えたタイヤ組立機の正面図である。
【
図4】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の側面図である。
【
図5】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、本発明の例示的実施形態の把持具を備えたタイヤ組立機の正面図である。
【
図6】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、本発明の例示的実施形態の把持具を備えたタイヤ組立機の正面図である。
【
図7】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、本発明の例示的実施形態の把持具を備えたタイヤ組立機の正面図である。
【
図8】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、本発明の例示的実施形態の把持具を備えたタイヤ組立機の正面図である。
【
図9】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、本発明の例示的実施形態の把持具を備えたタイヤ組立機の正面図である。
【
図10】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、本発明の例示的実施形態の把持具を備えたタイヤ組立機の正面図である。
【
図11】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、本発明の例示的実施形態の把持具を備えたタイヤ組立機の正面図である。
【
図12A】
図2,4のタイヤ組立機の一方の把持具の側面図である。
【
図12B】
図2,4のタイヤ組立機の一方の把持具の側面図である。
【
図12D】
図12Cにおける線XIID−XIIDに沿った、把持具の詳細を示す断面図である。
【
図12F】
図12Cにおける線XIIF−XIIFに沿った、把持具の詳細を示す断面図である。
【
図13A】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の、一方の把持具の正面図である。
【
図13B】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の、一方の把持具の正面図である。
【
図13C】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の、一方の把持具の正面図である。
【
図13D】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の、一方の把持具の正面図である。
【
図14A】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の、一方の把持具の正面図である。
【
図14B】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の、一方の把持具の正面図である。
【
図14C】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の、一方の把持具の正面図である。
【
図14D】ビードエイペックス組立体の形成方法の各ステップにおける、
図1,3,5〜11のタイヤ組立機の、一方の把持具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明を添付された概念図に示された例示的な実施形態に基づき説明する。
【0040】
図1〜11は、エイペックスストリップ91,92に切断されたエラストマまたはゴム材料からなる未加硫の所定長さのエイペックス90をビード95に貼り付け、グリーンタイヤのビードエイペックス組立体を形成するための、本発明の例示的実施形態に係るタイヤ組立機1を示している。
【0041】
図1に示すように、タイヤ組立機1はビード95を無端かつ実質的に円形の形状で保持するビード保持具2を有している。ビード保持具2は物理的外周面20、またはあたかもビード95が物理的外周面20の周りで形成されるように形成される仮想ドラム経路を有するドラムであってよい。ビード保持具2はタレット(図示せず)の一部であってよい。ビード95の構成、特にビード95の直径は、物理的外周面20の直径を変えることで、あるいはビード95が形成される仮想ドラム経路を変更することで変化しうる。物理的外周面20または仮想ドラム経路の2つの代替的な直径は参照番号21,22によって示されている。ビード保持具2は回転可能なドラム留め具、ビードエイペックス留め具、またはエイペックス留め具23を有し、これらはビード留め具2に対して同軸に回転し、エイペックス90をビード95に留めるようにされている。
【0042】
タイヤ組立機1は複数の受動ローラ11を備えたローラコンベア10を有している。ローラコンベア10の上側または搬送側に、ローラ11は、エイペックス90が実質的に直線状の経路に沿って運搬方向Pに搬送されることのできる運搬面を画定している。ローラコンベア10とビード保持具2の相対高さは、運搬面がビード95に対して、エイペックス90をビード95に向けて運搬方向Pに接線に沿って供給するように位置するように設定ないし調整されている。
【0043】
運搬面の上方を運搬方向Pと平行に、タイヤ組立機1は第1のガイドレール13と第2のガイドレール14を備えている。タイヤ組立機1は第1の把持具31と第2の把持具32を有し、これらはガイドレール13,14の長手方向に移動できるように、第1のガイドレール13と第2のガイドレール14上に設置されている。把持具31,32にかかる力をうまく分配し材料コストを低減するため、ガイドレール13,14は2つあることが好ましい。代替実施形態では、タイヤ組立機1は2つの把持具31,32が設置される単一の幅広のガイドレール(図示せず)を備えていてもよい。タイヤ組立機1は、第1の開始位置X1と第1の終了位置Y1との間の第1のガイドレール13に沿った第1の把持具31の動きと、第2の開始位置X2と第2の終了位置Y2との間の第2のガイドレール14に沿った第2の把持具32の動きと、を独立して制御する複数の駆動部(図示せず)を備えている。駆動部は把持具31,32に配置されたリニアモータ、あるいは
図2に概念的に示される、ガイドレール13,14に沿って配置されたタイミングベルト68とすることができる。
【0044】
図2には、第1の把持具31と、ガイドレール13,14と、ガイドレール13,14上への第1の把持具31の設置状況が側面図で示されている。第2の把持具32は同様にガイドレール13,14上に設置されている。第1の把持具31はフレーム29を介してガイドレール13,14上に取り付けられている。フレーム29はスライドガイド30を備え、第1の把持具31は、運搬方向Pを横切る方向にスライドガイド30上を移動することができる。第1の把持具31はガイドレール13,14と平行に延びる離隔レール67上に取り付けられている。離隔レール67は一つの駆動部あるいは一組の駆動部19に取り付けられている。一組の駆動部19は例えば複数のピストンまたは複数の押し引きアームであり、離隔レール67に沿って均等に分散配置されている。駆動部19は、運搬方向Pを横切る方向に離隔レール67を動かすようにされている。その結果、離隔レール67に取り付けられた第1の把持具31gを、エイペックス90のある前面ないし前方部FGと後面ないし後方部BGとの間で、フレーム29のスライドガイド30上で動かすことができる。後面ないし後方部BGは第1の面ないし前方部FGの後方にあり、または第1の面ないし前方部FGから離れた位置にある。
【0045】
タイヤ組立機1はさらに切断装置12を有している。切断装置12は運搬面の上方に設置された切断ナイフと、運搬面のわずか下方に設置されたアンビル17と、を有している。アンビル17は切断面18と2つの留め面86,87を有している。切断装置12の切断ナイフをアンビル17の切断面18上に動かし、ある長さのエイペックス90を前端部93と後端部94を有するエイペックスストリップ91,92に切断することができる。タイヤ組立機1は留め面86,86に向けて動くようにされた2つの留めブロック84,85を有している。留めブロック84,85は把持具31,32の経路の外に出るように上方に持ち上げることができる。アンビル17は切断面18と留め面86,87の間に、把持具31,32を受け入れる凹部88,89を備えている。
【0046】
エイペックスストリップ91,92の長さは実質的にビード95の周長に一致している。ビード95の代替的な直径21,22のいずれかが用いられた場合、切断装置12とアンビル17と把持具31,32の開始位置X1、X2は、ビード95のより短い周長に合わせるように調整する必要がある。第1の把持具31と第2の把持具32は、後述のようにしてエイペックス90及び/またはエイペックスストリップ91,92に係合するように、アンビル17の凹部88,89の中に入るようにされている。
【0047】
把持具31,32は実質的に互いに同一であり、同様に機能する。
図12A,12B,12Cには第1の把持具31だけをより詳細に示している。しかし、第1の把持具31についての以下の記載は、第2の把持具32にも同様に適用される。
【0048】
図12A,13Dに示すように、第1の把持具31はハウジング33を備えており、ハウジング33から第1の把持部材40と第2の把持部材50が吊下げられている。ハウジング33は、
図2に示すように駆動部19に連結されている。第1の把持部材40は運搬面の下方の位置まで吊下げられており、第2の把持部材50は運搬面の上方の位置まで吊下げられている。第1の把持具31は、第1の把持部材40を偏位させて第2の把持部材50に向けて上方に動かす第1のバネ36の形態の第1の偏位部材と、第2の把持部材50を偏位させて第1の把持部材40を向けて下方に動かす第2のバネ37の形態の第2の偏位部材と、を有している。第1の把持部材40と第2の把持部材50はこうして開状態から閉状態へと互いに向けて動くことができ、閉状態では相互の協働によって、エイペックス90を運搬面で2つの対向する側から留める。第1のバネ36は第2のバネ37より強いため、互いの上で閉まったとき、
図13A,14Dに示すように、第1の把持部材40は第2の把持部材50を上に押し上げる。
【0049】
第1の把持部材40はハウジング33から鉛直方向下方に延びるレグ41と、レグ41の遠位端に位置する台部またはプラットホーム42と、を有している。プラットホーム42は、運搬方向Pを横切る方向に運搬面の下方に達し、アンビル17の凹部88,89に入り、運搬面の下方からエイペックス90に係合するようにされている。第2の把持部材50は、ハウジング33から鉛直方向下方に延びるレグ51と、レグ41の遠位端に位置する押圧部材52と、を有している。押圧部材52は第1の把持部材40のプラットホーム42の上方でまっすぐに揃えられ、運搬面の上方からエイペックス90に係合する。
【0050】
図12A,13Dに示し、
図12C〜12Fにさらに詳細に示すように、押圧部材52はプラットホーム42を向いた複数の押圧ピン53を備えている。各押圧ピン53は押圧部材52の円筒ボア62に滑動可能に取り付けられた第1の円形軸部54と、押圧部材52の円筒ボアの底部から延びる第2の軸部55と、を有している。第2の軸部55は、円筒ボア62に密着して嵌められまたは円筒ボア62に滑動可能に接触する、部分的に円形の外周部と、非円形、多面形、または平坦にされた外周部と、を有している。押圧ピン53は第2の軸部55の遠位端に、円錐形、凸状、またはわずかに丸められたエイペックス90を押圧する頭部56を有している。押圧ピン53はさらに第1の軸部54の周囲に、押圧ピン53にばね力を掛けて押圧ピン53を運搬面に向けて下方に動かすばね60を有している。ばね力によって、押圧ピン53が円筒ボア62の中でばね60の長手軸の周りをわずかに回転することもあり得る。押圧ピン53は、押圧ピン53が押圧部材52の円筒ボア62を通って落下するのを防止するロックリング61を備えている。
【0051】
押圧ピン53の軸54はばね60の力に抗して短い距離を押し戻されて、押圧部材52の円筒ボアに入ることができる。押圧ピン53は埃、塵、ゴムなどの残留物が溜まらず、ピン53の動きを永久に妨害することのないような形状を有している。特に、第2の軸部55の外周部の表面または断面が非円形、多面形または平坦にされているため、第2の軸部55が円筒ボアの円筒壁と滑動接触する面積が減少する。第2の軸部55は好ましくは、少なくとも3つの非円形または平坦にされた面を有し、さらに好ましくは
図12Fの断面図に示すような4つの等しい面を備えた実質的に正方形の断面を有し、そして選択は任意であるが4つより多い非円形または平坦にされた面を有している。第2の軸部55の平坦にされたまたは非円形の面は軸部55の表面に沿って均等に配置されている。これらの面は円筒ボア62の円筒壁と組み合わされて、第2の軸部55と円筒ボア62との間に間隙を形成する。間隙は押圧部材52のプラットホーム42を向いた側で外部環境と開放連通され、あるいは外部環境に対して開かれている。重力の影響により、蓄積する残留物だけがこの間隙の外に落下し、一方で押圧ピン53は円筒ボア62を通って上下に移動する。押圧ピン53が上下運動する間、ばね60は円筒ボア62の中で押圧ピン53をわずかに回転させ、第2の軸部55の円筒ボア62と滑動接触する部分が、残りの残留物を掻き取るスクレーパとして作動する。
【0052】
押圧ピン53は、ロックリング61を取り外し押圧ピン53の頭部56を円筒ボア59から実質的に引き出すことで、押圧部材52から容易に取り出すことができる。このことは、押圧ピン53が摩耗を受けスペアの押圧ピン53に定期的に交換する必要があることから適切である。
【0053】
図12Dに示すように、ピン53は押圧部材52の下側で行及び列をなして均等に分布し、実質的に正方形または矩形の押圧ピン53の格子またはアレイを形成している。他の実施形態では、ピン153は押圧部材152の下側で、例えば
図12Eに示すハニカム形状のように異なる態様で配置することができる。この形状は表面積当たりのピン153の密度を高め、エイペックス90にかかる力をより均等に分布させ、その結果エイペックス90上の痕跡を少なくすることができる。
【0054】
図12Bに示すように、第2の把持部材50の押圧ピン53のアレイは第1の把持部材50のプラットホーム42と協働して、エイペックス90に接触し、当接し、エイペックス90を留め、あるいは把持するようにされている。第2の把持部材50は第1の把持部材40に向けて動かされ、それによって、押圧ピン53がプラットホーム42の直上に来てプラットホーム42に支持されるエイペックス90が押圧ピン53とプラットホーム42の間で留められるまで、押圧部材52をプラットホーム42上に動かす。エイペックス90の均等でない三角形の断面形状のため、いくつかの押圧ピン53は残りの押圧ピン53よりもさらに押し戻される。このようにして、押圧ピン53のアレイはエイペックス90の形状に適合し、エイペックス90の形状全体に緩い圧力を均等に及ぼす。バネの偏位力と頭部56の形状は、押圧ピン53の頭部56がエイペックス90に接触したとき頭部56がエイペックス90上に痕跡を残さないように選択される。好ましくは、頭部56はエイペックス90の把持力を失わない範囲でできる限り平坦である。
【0055】
図12A,12Bに示すように、第1の把持部材40は軸48上に回転可能に取り付けられた第1のホイール47を備えている。軸48は第1の把持部材40のレグ41に固定的に取り付けられている。第2の把持部材50は軸58上に回転可能に取り付けられた第2のホイール57を備えている。軸58は第2の把持部材50のレグ51に固定的に取り付けられている。レグ48,58は、ホイール47,57が互いに近接して位置するようにレグ41,51に対して位置している。
【0056】
図1に示すように、タイヤ組立機1は、それぞれ第1の把持具31の第1の開始位置X1またはその近傍と、第1の終了位置Y1またはその近傍に位置する第1のくさび部71と第2のくさび部72を有している。タイヤ組立機1は、それぞれ第2の把持具32の第2の開始位置X2またはその近傍と、第2の終了位置Y2またはその近傍に位置する第3のくさび部71と第4のくさび部72を有している。タイヤ組立機1はピストンやリニアドライブなどの複数の駆動部15を有し、駆動部15はくさび部71〜74の位置を積極的に制御するようにされ、あるいはくさび部71〜74をそれぞれの位置X1,X2,Y1,Y2に向けて、あるいはそれぞれの位置X1,X2,Y1,Y2から遠ざけるように動かすようにされており、従って、把持具31,32が位置X1,X2,Y1,Y2のいずれかにあるときに、くさび部71〜74を把持具31,32に向けて、あるいは把持具31,32から遠ざけるように動かすようにされている。
【0057】
図13A〜13Dに示すように、各くさび部71〜74はそれぞれの把持具31,32に向けられた突起75を有している。
図13A〜13Dでは第1の把持具31だけを示している。偏位された状態で、第1の把持具31のホイール47,57は突起75より小さい所定の距離、互いに離れている。ガイドレール13,14の長手方向で考えると、ホイール47,57は、好ましくは第1のホイール47が先に、突起75に当接するようにされている。
図1〜11に示すように、把持具31,32はそれぞれのリニアドライブまたはタイミングベルトで制御されて、それぞれの終了位置Y1,Y2からそれぞれの開始位置X1,X2にサイクル運動をしながら再び戻る。把持具31,32が開始位置X1,X2と終了位置Y1,Y2にあるとき、それぞれのくさび部71〜74はそれぞれの駆動部15によって把持具31,32の間で駆動される。くさび部71〜74は第1の把持部材40と第2の把持部材50のホイール47,57の間に入れられ、あるいは押込まれ、それによって把持部材40,50をそれぞれの偏位部材36,37の偏位に抗して互いに遠ざける。
【0058】
図13A〜13Dにより詳細に示すように、各くさび部71〜74の突起75は第1の走行面76と第2の走行面77を有している。第1及び第2の走行面76,77は、それぞれの把持具31,32の第1のホイール47と第2のホイール57の間に挿入され、あるいは間から引き込まれるくさび形状に集束している。第1の走行面76は第1のホイール47に当接し、第1のホイール47を第1の偏位部材36の力に抗して下方向に変位させるようにされている。第2の走行面77は第2のホイール57に当接し、第2のホイール57を第2の偏位部材37の力に抗して上方向に変位させるようにされている。ホイール47,57が変位することで、それぞれの把持部材40,50は離れるように動く。
【0059】
走行面76,77の曲面形状は把持部材40,50の望ましい変位の挙動に基づき設計される。本例では、走行面76,77は丸められた遷移部を介して互いに交わる直線部を有する滑らかな構成となっている。また、走行面76,77は第2のホイール57が第2の走行面77に当接する前に第1のホイール47が第1の走行面76に当接するようにされている。しかし、当業者には明らかであるように、同様のまたは同等の動きをもたらす他の走行面を作ることもできる。走行面76,77は例えばより多くの区間、より少ない区間、より滑らかな若しくはより直線的な区間、またはそれらの組み合わせに分割することができる。特定の実施形態(図示せず)では、第4のくさび部74の突起75の底部における第2の走行面77の形状は、他のくさび部71〜73より高低差が小さく、第2の把持具32の第1の把持部材40はわずかしか開かない。このため、後続のエイペックスストリップ92の後端部94を、第2の終了位置Y2の近傍のビード保持具2において利用可能な限定された空間内に開放することができる。
【0060】
図13A〜13Dは、
図2に示すように第1の把持具31が後方部BGにあるときに、第1の把持具31のホイール47,57の間に第1のくさび部71を挿入するための後続する4つのステップを概念的に示している。これらのステップは第2の把持具32と第3のくさび部73も代表している。
図13Dにおいて、第1の把持具31の把持部材40,50は完全に離れるように動かされており、第1の把持具31は完全に開いた状態に動いている。変位量を説明するため、把持部材40,50の高さレベルを示す参照線が加えられている。ここで、「0」レベルは運搬面またはアンビル17の切断面18のレベルである。レベル「1」と「2」は運搬面より高い相対レベルを示し、レベル「−1」は運搬面より下方のレベルを示している。
図14A〜14Dは、第1の把持具31が
図4における前方部FGにあるときに、第1の把持具31のホイール47,57の間から第1のくさび部71を引き込むための後続する4つのステップを概念的に示している。ホイール47,57は偏位部材36,37で偏位されて、再び互いの方向に動くことができる。その結果、それぞれの把持部材40,50は互いの方向へ動き、第1の把持具31は第1の把持具31がエイペックス90に緩やかに係合する閉じた状態に動く。
【0061】
図1に示すように、タイヤ組立機1はさらに、エイペックス90を第1の把持具31から受け取りエイペックス90をエイペックス留め具23に移送する貼り付けクランプ80を有している。この目的で、貼り付けクランプ80は、エイペックス90を留めるクランプアーム81と、留められたエイペックス90を運搬面で支持するプラットホーム82と、を有している。この例では、クランプアーム81は押圧要素83を備え、押圧要素83は把持具31,32に関連して述べたのと同じ押圧ピンを有している。同様に、エイペックス留め具23は、プラットホーム24と、把持具31,32に関連して述べたのと同じ押圧ピンを有する押圧要素25を備えている点で、作動においても把持具31,32と同様であってよい。
【0062】
以下の記載では、エイペックス90をビード95に貼り付けグリーンタイヤ用のビードエイペックス組立体を形成する方法を、
図1〜11に基づき、
図12A〜12F,13A〜13D,及び14A〜14Dの詳細図を随時参照して述べる。
【0063】
図1〜11は、実質的に連続するプロセスの間の把持具31,32の1サイクルのステップを示している。連続するプロセスは全体として、把持具31,32の多数回のサイクルを含むとともに、実質的に連続するエイペックス90を後続するストリップ92に切断し、続いてこの後続するストリップ92を搬送し、ビード保持具2の位置で後続するビード95に貼り付けることを繰り返し行う。
【0064】
一般に、例示的なサイクルの開始点では、前のエイペックスストリップ91がビード95の周りに貼り付けられており、そのようにしてできたビードエイペックス組立体91,95がビード保持具2から取り除かれる準備が整っている。その間、後続の所定長さのエイペックス90が切断装置12によって、新しく押し出されたばかりのエイペックス90から、ある所定の長さの後続のストリップ92に切断される。引き続き、把持具31,32が開始位置X1、X2に戻され、残っている新たに押し出されたエイペックス90の先端部93を取り上げ、引き続いて切断されたエイペックスストリップ92の後端部94をビード95に向けて案内する。押し出されたエイペックス90の先端部93はビードに向けて動かされ、引き続き貼り付けクランプ80によってエイペックス留め具23に移送され、一方で同じ動きの中で、後続のストリップ92の後端部94がビード95に貼り付けられる。
【0065】
後続のストリップ92の後端部94を第2の把持具32によって第2の開始位置X2から第2の終了位置Y2に搬送する各回の搬送の間に、新たに押し出されたエイペックス90の先端部93は既に第1の把持具31に係合され、第1の開始位置X1からビード95に向けて第1の開始位置Y1に搬送されており、ビード95では貼り付けクランプ80によってエイペックス留め具23に移送される。このようにして、以下の各サイクルで、第1の把持具31は第2の把持具32に密接に追従し、あるいは第2の把持具32と一緒に動く。それによって、押し出されたばかりのエイペックス90を搬送し準備する。エイペックス90は後続の貼付のためにある所定の長さに切断され、先に貼り付けられたストリップ91のすぐ上流側で、後続のエイペックスストリップ92としてビード95に貼り付けられる。
【0066】
以下の記載では、把持具31,32の1サイクルだけをより詳細に説明する。
【0067】
図1は、前のストリップ91がビード保持具2上のビード95に先に貼り付けられている状態を示している。前のエイペックスストリップ91を貼り付けるステップは、後続のサイクルの後続のストリップ92に関連して後述するためここでは説明しない。くさび部72,74は、把持具31,32の把持部材40,50を、互いに離すように動かしている。第1の把持具31と第2の把持具32とエイペックス留め具23は開かれている。このときビードエイペックス組立体91,95を取り除くことができる。
【0068】
前サイクルの間、押し出されたばかりの連続するエイペックス90が押し出し機(図示せず)から生成され、矢印Aで示すようにアンビル17に向けて供給される。その先端部93は第1及び第2の把持具31,32の前サイクルの間に、第1の把持具31によって搬送されている。押し出されたばかりのエイペックス90の先端部93を搬送するステップは、後続のサイクルに関連して後述するためここでは説明しない。ここで認識すべき重要なことは、押し出されたばかりのエイペックス90が先端部93の近傍で貼り付けクランプ80に留められていることである。第1及び第2の把持具31,32はそれぞれの終了位置Y1,Y2にある。
【0069】
図1に示すように、新しいサイクルは押し出されたばかりのエイペックス90を留めブロック84,85によって切断面18の両側で留め、その先端部93で貼り付けクランプ80によってその位置に固定することによって開始される。押し出されたばかりのエイペックス90を留めることは、後述するように、前サイクルの最後のステップの間に既に実行することができる。留めた後は切断装置12のナイフが切断方向Bに動かされ、押し出されたばかりのエイペックス90をアンビル17で所望の長さの後続のエイペックスストリップ92に切断する。切断によって、アンビル17の下流で後続のエイペックスストリップ92の後端部94が形成され、これと同時にアンビル17の上流で押し出されたばかりの残ったエイペックス90の前端部93が形成される。
【0070】
図1では第1の把持具31と第2の把持具32は、それぞれの終了位置Y1,Y2で停止し、止められ、あるいはエイペックス90に対して静止している。終了位置Y1,Y2では、プラットホーム42と押圧部材52が緩やかにエイペックス90を解放するように、把持部材40,50はくさび部72,74によって互いに離れるように動かされている。このようにして、
図2に矢印で示すように、把持具31,32をエイペックス90にダメージを与えることなく前方部FGから後方部BGに安全に引き込むことができる。
【0071】
図1に示す状態では、開始位置X1,X2にあるくさび部71,73はそれぞれの駆動部15によって、矢印Q,Zで示される方向へ制御された態様で動かされ、開始位置X1,X2で把持具31,32の到着に備える。
【0072】
図3は、先に組み立てられたビードエイペックス組立体91,95がビード保持具2から取り除かれ、新しいビード95がビード保持具2に設置された状態を示している。押し出されたばかりのエイペックス90を後続のエイペックスストリップ92に切断する間あるいはその直後に、把持具31,32のタイミングベルトまたはリニアドライブが起動させられ、引き込み方向の矢印R,Sで示すように、後方部BGにある把持具31,32をガイドレール13,14に沿ってそれぞれの開始位置X1,X2に動かす。把持具31,32がそれらの第1の終了位置Y1,Y2を出た後、終了位置Y1,Y2にあるくさび部72,74はそれぞれの駆動部15によって、矢印J,Nで示す方向に引き込まれ、終了位置Y1,Y2で把持具31,32の次の到着に備える。
【0073】
両方の把持具31,32はそれぞれの開始位置X1,X2に到着すると、ただちにそれぞれのくさび部71,73上に完全に来るように駆動される。これによってサイクルの時間が節約されるが、それは本質的なことではない。把持具31,32が開始位置X1,X2に到着し、その後くさび部71,73を制御してずれを打ち消すこともできる。くさび部71,73はともにそれぞれの駆動部15によって把持具31,32に向けて突き出され、把持部材40,50を離すように駆動し開状態にする。
図13A〜13Dは、第1の把持具31を開く後続のステップを詳細に示している。第2の把持具32は同様にして開かれる。
【0074】
図13Aは、第1の把持具31の把持部材40,50が互いに向けて動かされ、それぞれ閉状態に偏位させられた状態を示している。第1の把持部材40に作用する第1のバネ36の力は第2の把持部材50に作用する第2のバネ37の力より大きい。その結果、把持部材40,50は共に、線「1」に示すように運搬面より僅かに上方の持ち上げられた位置に移動させられる。
【0075】
図13Bは、第1の把持具31が戻り方向Rへさらに動いた状態を示している。第1の把持部材40の第1のホイール47が当接し、第1のくさび部71の第1の走行面76の下側に沿って動いている。第1の走行面76は第1の把持部材40を変位させ、下方に「0」レベルへ動かす。再び、偏位力の比率により第2の把持部材50が第1の把持部材40とともに「0」レベルに動く。
【0076】
図13Cは、第1の把持具31が戻り方向Rへさらに動いた状態を示している。第1のホイール47は第1の走行面76の下側に沿ってさらに動いているが、さらに下側にはまだ変位させられていない。第2のホイール57は第2の走行面77に当接し、このとき上方向へ変位させられる。その結果、第2の把持部材50が前方部においてエイペックス90より十分に上方の「2」レベルへ動く。
【0077】
図13Dは、第1の把持具31が第1の開始位置X1に到着した状態を示している。このとき第1の把持具31は完全に第1のくさび部71のところに来るように駆動される。第1の把持部材40は第1の走行面76によって最大量変位させられ、前方部においてエイペックス90よりわずかに下方の「−1」レベルに来る。
【0078】
図3に示す状態では、第1の把持具31と第2の把持具32は、それぞれの終了位置Y1,Y2で停止し、止められ、あるいはエイペックス90に対して静止しており、共に
図13Dに示す開状態にある。こうして、
図4に矢印で示すように、エイペックス90にダメージを与えることなく、把持具31,32を後方部BGから前方部FGに安全に移動させることができる。
【0079】
図5は、把持具31,32をアンビル17の凹部88,89の中に動かした状態を示している。アンビル17の第1の凹部89にある第1の把持具31は直下で第1の把持部材40と揃えられ、第2の把持具32はアンビル17の上流側で切断後に残存した押し出されたばかりのエイペックス90の先端部93の直上にある。アンビル17の第2の凹部88にある第2の把持具32は直下の第1の把持部材40と揃えられ、第2の把持部材50はアンビル17の下流側で後続のストリップ92の後端部94の直上にある。このとき、くさび部71,73を矢印T,Uで示す方向に徐々に引き込み、把持部材40,50をその偏位に応じて互いの方向へ動かすことができる。
図14A〜14Dは第1の把持具31を閉じる後続のステップを示している。第2の把持具32は同様にして閉じられる。
【0080】
図14Aは、第1の把持具31の把持部材40,50が第1のくさび部71によって最大量変位させられた状態を示している。この状態は、このとき第1の把持具31が前方部に動かされている点を除き、
図13Dの状態と同じである。こうして、このとき第1の把持部材40のプラットホーム42と第2の把持部材50の押圧部材52がエイペックス90のそれぞれ直下と直上に位置している。緩やかにエイペックス90と係合させるため、第1のくさび部71は矢印Tで示す引き込み方向に能動的に引き込まれる。
【0081】
図14Bは、第1のくさび部71が引き込み方向Tに部分的に引き込まれた状態を示している。第1の把持部材40の第1のホイール47は第1の走行面76に沿って移動しており、徐々に上方に移動することができる。その結果、第1の把持部材40はその偏位に応じた「0」レベルまで上方に動くことができる。第1の把持部材40のプラットホーム42は下方からエイペックス90に係合する。第2の把持部材50の第2のホイール57は第2の走行面77の上を動いているが、まだ下方に動くことはできない。
【0082】
図14Cは、第1のくさび部71が引き込み方向Tにさらに引き込まれた状態を示している。第2のホイール57は第2の走行面77の曲面の下降部に達し、こうして下方に動くことができる。その結果、第2の把持部材50はこのときその偏位に応じた「0」レベルまで下方に動くことができる。押圧部材52はこのとき上方から緩やかにエイペックス90に当接する。エイペックス90はこうして「0」レベルで、把持部材40,50によって両側から留められる。
【0083】
このとき第1の把持具31は閉じた状態にある。第1の把持具31は切断面18の上流側で、押し出されたばかりのエイペックス90の先端部93に係合し、一方第2の把持具32は、後続のエイペックスストリップ92の後端部94に緩やかに係合している。
【0084】
図6は、留めブロック84,85が、把持具31,32の押圧部材52が下方を通過できるレベルまで持ち上げられた状態を示している。
図5に示す前の状態でエイペックス90の先端部93と後続のエイペックスストリップ92の後端部94が把持具31,32で既にしっかりと保持されているため、これは安全に行うことができる。留めブロック84,85が持ち上げられた後、くさび部71,73が矢印T,Uで示す方向に完全に引き込まれる。
【0085】
図14Dに示すように、第1のくさび部71を引き込み方向Tに完全に引き込むことで、第1の把持具31の把持部材40,50をそれらの偏位した位置に動かすことができる。把持部材40,50は依然静止しており、「+1」レベルまで一緒に持ち上げられる。このとき、把持具31,32の下側の把持部材40はアンビル17から離れており、エイペックス90あるいは後続のエイペックスストリップ92にダメージを与えることなく、アンビル17の上方をビード95に向かって動かすことができる。
【0086】
図7は、矢印Cで示すように、第1のレール13のタイミングベルトあるいはリニアドライブが、第1の把持具31を第1の開始位置X1から離すように動かすように制御されている状態を示している。同時に、矢印Dで示すように、第2のレール14のタイミングベルトが、第2の把持具32を第2の開始位置X2から離すように動かすように制御される。第1の把持具31は押し出されたばかりのエイペックス90の先端部93を、アンビル17の切断面18を通って引っ張る。第2の把持具32は後続のエイペックスストリップ92の後端部94を案内し、一方で後続のエイペックスストリップ92の先端部93は貼り付けクランプ80に係合し、貼付方向Eに引っ張られる。貼り付けクランプ80と第2の把持具32は同期された態様で動かされ、後続のエイペックスストリップ92を制御された態様でビード95に向けて移送する。
【0087】
図7は、後続のエイペックスストリップ92の先端部93が、あるいはエイペックスストリップ92の少なくとも貼り付けクランプ80を通過した部分が、エイペックス留め具23に挿入される状態を示している。
【0088】
図8は、エイペックス留め具23が後続のエイペックスストリップ92の先端部93をビード95上に留めるように制御された状態を示している。後続のエイペックスストリップ92の先端部93はこのとき貼り付けクランプ80からエイペックス留め具23に移送されている。貼り付けクランプ80は、最初は鉛直に、その後回転して開かれ、後続のエイペックスストリップ92を開放する。引き続き、エイペックス留め具23がビード保持具2の周りを回転方向Hに同心に回転させられ、ドラムの物理的外周面20または仮想ドラム経路に追従する。エイペックス留め具23が回転方向Hに回転している間、後続のエイペックスストリップ92はビード95の周りをまたはビード95に沿って引っ張られ、後続のエイペックスストリップ92をビード95に接合させる。後続のエイペックスストリップ92はビード95が延びる面と垂直に、ビード95の外側に貼り付けられる。
【0089】
第2のガイドレール14のタイミングベルトまたはリニアドライブは、第2の把持具32を、エイペックス留め具23の回転Hと同期して、運搬方向Pと平行な第2の搬送方向Gに、第2の終了位置Y2から少し離れた位置まで動かすように制御されている。このようにして、後続のエイペックスストリップ92を両端93,94が留められた状態で、制御された態様でビードに貼り付けることができる。
【0090】
同時に、第1のガイドレール13のタイミングベルトまたはリニアドライブは、第1の把持具31を、運搬方向Pと平行な第1の搬送方向Fにさらに動かすように制御されている。第1の把持具31は押し出されたばかりのエイペックス90の先端部93を引っ張り、それによって押し出されたばかりのエイペックス90をローラコンベア10上で運搬方向Pに搬送する。既に述べたように、貼り付けクランプ80は回転して開かれている。これによって、第1の把持具31を押し出されたばかりのエイペックス90とともに、貼り付けクランプ80を通って、貼り付けクランプ80の位置またはその近傍まで動かすことができる。この位置では、第1の把持具31はその第1の終了位置Y1から少し離れたところにある。
【0091】
図9は、エイペックス留め具23がさらに回転方向Mに回転させられ、ビード保持具2の物理的外周面20または仮想ドラム経路の周りをほぼ一周した状態を示している。ガイドレール13,14のタイミングベルトまたはリニアドライブは、矢印K,Lで示すように、把持具31,32をそのそれぞれの終了位置Y1,Y2に動かすように制御されている。後続するエイペックスストリップ92の先端部93は上方でまっすぐに引かれているが、同じストリップ92の後端部94と近い位置にある。この時点から
図14A〜14D及び
図13A〜13Dのステップと同様のステップが行われるが、その順番は逆であり、終了位置Y1,Y2と関連している。このステップを、
図14A〜14D及び
図13A〜13Dを随時参照して以下に述べる。
【0092】
図9に示す状態では、把持具31,32は停止し、あるいはそれぞれの終了位置Y1,Y2で静止状態に保たれ、一方終了位置Y1,Y2にあるくさび部72,74は、それぞれの駆動部15によって、把持具31,32に向けて制御された態様で動かすことができる。
【0093】
図10において、くさび部72,74は把持具31,32の把持部材40,50の間に一部しか挿入されていない。これによって、
図14Cに示すように、両方の把持具31,32を「0」レベルまで緩やかに下げることができる。その結果、押し出されたばかりのエイペックス90の先端部93は緩やかに貼り付けクランプ80のプラットホーム82上に置かれる。その後まもなく、貼り付けクランプ80が閉じられる。クランプアーム81の端部の押圧部材83はプラットホーム82と協働して、第1の把持具31が押し出されたばかりのエイペックス90と先端部94で係合している場所から上流側に少し離れたところで、押し出されたばかりのエイペックス90に緩やかに係合する。この際、押し出されたばかりのエイペックス90は第1の把持具31と貼り付けクランプ80の両者によって保持されている。
【0094】
押し出されたばかりのエイペックス90の先端部93が貼り付けクランプ80で留められるのと同時に、またはその直後に、留めブロック84,85がアンビル17の両側の留め面86,87で、押し出されたばかりのエイペックス90に再び当接し、エイペックス90を留める。このとき、押し出されたばかりのエイペックス90は完全に制御されており、
図1を参照して述べたステップに従って切断することができる。こうして、次の後続するエイペックスストリップ92に対してサイクルが繰り返される。
【0095】
また、
図10において、後続するエイペックスストリップ92の後端部94が第2の把持具32によって、同じ後続するエイペックスストリップ92の後端部94と重なるように接触または当接した状態に緩やかに置かれ、同じストリップ92の先端部93を備えたスプライスを形成する。後続するエイペックスストリップ92の先端部93がエイペックス留め具23と係合し、後続するエイペックスストリップ92の後端部94が第2の把持具32と係合しながら、縫合ローラ28が先端部93と後端部94の間でスプライスに対して押し付けられ、スプライスを縫合し、ビード95の周りにまたはビード95に沿って後続するエイペックスストリップ92を形成し、無端の実質的に円形のビードエイペックス組立体を形成する。
【0096】
図11は、終了位置Y1,Y2にあるくさび部72,74が、制御された態様で、それぞれの駆動部15によって、矢印V,Wの方向に引き続き動いた状態を示している。このとき、くさび部72,74は把持具31,32の把持部材40,50の間に完全に挿入されている。その結果、把持具31,32の把持部材40,50は
図14Aに示すように、完全に離されるように動かされ、
図14Aに示す開状態となる。その結果、把持具31,32の把持部材40,50は離れるように動き、それぞれ、押し出されたばかりのエイペックス90の先端部93と後続するエイペックスストリップ92の後端部94にもはや係合することはない
図11に示す状態から始まって、
図1〜10のサイクルを何度も繰り返すことができる。特に
図11に示す状態から始まるため、引き続いて貼られるエイペックスストリップ92または次のサイクルのエイペックス92の次の後続するストリップにダメージを与えることなく、
図2に示すように把持具31,32を前方部FGから後方部BGへ再び動かすことが安全である。貼りつけられた後続のエイペックスストリップ92は次のサイクルにとって先に貼りつけられたストリップ91と考えることができる。前サイクルでできたビードエイペックス組立体92,95を取り除くことができ、
図1の新しい後続のエイペックスストリップ92に切断される押し出されたばかりのエイペックス90に対して、既述のサイクルを繰り返すことができる。
【0097】
まとめると、本発明はエイペックスをビードに貼り付けグリーンタイヤ用のビードエイペックス組立体を形成するためのタイヤ組立機に関する。タイヤ組立機は第1の把持具と第2の把持具を有し、第1の把持具は第1の開始位置と第1の終了位置との間を動くことができ、第2の把持具は第2の開始位置と第2の終了位置との間を動くことができる。第1の把持具と第2の把持具は偏位させられ、エイペックスに係合する。タイヤ組立機は把持具の偏位を打ち消すようにされたくさび部を備えている。
【0098】
上述の記載は好ましい実施形態の作動を説明するために含まれており、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。上記の説明より、多くの変形例が当業者には明らかであろうが、それらは本発明の趣旨及び範囲に包含されるものである。