(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186007
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】冷間谷底ローリング装置
(51)【国際特許分類】
B21H 3/04 20060101AFI20170814BHJP
E21B 17/042 20060101ALI20170814BHJP
B21H 3/08 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
B21H3/04 Z
E21B17/042
B21H3/08
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-547903(P2015-547903)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2016-503727(P2016-503727A)
(43)【公表日】2016年2月8日
(86)【国際出願番号】US2012069752
(87)【国際公開番号】WO2014092724
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】508178032
【氏名又は名称】ブリンクマン プロダクツ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルパンノ、サンドロ、ジー.
(72)【発明者】
【氏名】アラート、ポール、ダブリュ.
【審査官】
石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0115293(US,A1)
【文献】
米国特許第03530743(US,A)
【文献】
米国特許第05528917(US,A)
【文献】
特開昭60−044221(JP,A)
【文献】
特開2010−279966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21H 3/04
B21H 3/08
E21B 17/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物のねじの全長に沿って制御可能な力を伴って、前記ねじに谷底ローリングを行うための装置であって、
通路を有し且つ前記通路と連通する円筒形の開口を有する本体と、
前記通路内で密封して摺動する、前記本体に取り付けられたアキュムレータ・ピストンと、
前記本体にねじで取り付けられた粗調節ねじと、
前記粗調節ねじと前記アキュムレータ・ピストンとの間で作用する弾性部材と、
前記円筒形の開口内で密封して摺動する、前記本体に取り付けられたアクチュエータ・ピストンであって、前記アキュムレータ・ピストンと前記アクチュエータ・ピストンとの間の前記通路内にチャンバが画定され、前記チャンバに面する近位端を有し、且つ遠位端を有するアクチュエータ・ピストンと、
前記遠位端に隣接して前記アクチュエータ・ピストンに回転可能に取り付けられるねじロールと、
前記チャンバと連通する第1の開口を有する前記本体と、
前記第1の開口で前記本体にねじで取り付けられる微調節ねじと
を備え、
前記チャンバが液体で完全に満たされ、
前記粗調節ねじ及び微調節ねじのうちの少なくとも1つの前記本体に対する位置を選択的に調節して、前記チャンバ内の流体圧力を制御可能に変えることができ、
前記ねじロールが、非対称な形状を有し、
前記アクチュエータ・ピストンが、前記ねじロールを受け入れるように適合されたポケットを有し、
前記ポケットが、前記ねじロールの非対称な形状に相補する非対称な形状を有して、前記ねじロールが前記アクチュエータ・ピストンに対して適正な方向にある場合にのみ、前記ねじロールが前記ポケットに挿入され、
工作機械に取り付けられることができ、且つ、前記対象物と前記装置がお互いに相対的に回転させられているときに、前記対象物のねじの全長に沿って制御可能な力を伴って、前記ねじに谷底ローリングを行うように前記対象物の方へ選択的に移動することができる、装置。
【請求項2】
前記本体が、前記通路の一部を取り囲む当接面を有して、前記粗調節ねじから離れる方向の前記アキュムレータ・ピストンの移動を制限する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記当接面に対する前記粗調節ねじの位置を調節して、前記弾性部材によってかけられる前記アキュムレータ・ピストンへの力を変えることができる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記弾性部材が、変位の関数として前記アキュムレータ・ピストンに力をかけるように、前記当接面に対する前記粗調節ねじの位置が調節される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記弾性部材が皿ばねを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記本体が、前記チャンバと連通する第2の開口を有し、且つ、前記装置が、前記チャンバ内の圧力を検知するために前記第2の開口に動作可能に配置された圧力計を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記圧力計がデジタルで、且つ最小/最大呼び出し機能を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記圧力計が、示された圧力を遠隔場所へ送信する送信機を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記アキュムレータ・ピストンは、前記圧力ゲージがかけられた力のポンド値を示すような寸法である、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記本体が、前記チャンバと連通し、さらにプラグを備える第3の開口を有し、前記プラグが前記第3の開口を閉じるように前記本体とねじで係合される、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が、前記対象物の雌ねじ又は雄ねじに谷底ローリングを行うように用いることができる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置へ外部の流体接続がない、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記本体が、前記チャンバと連通する第2の開口を有し、且つ、前記チャンバと連通する第3の開口を有し、更に、前記第2の開口及び前記第3の開口のうちの一方を閉じるために前記本体とねじで係合されたプラグを備え、更に、前記チャンバ内の圧力を検知するために、前記第2の開口及び前記第3の開口のうちの他方に動作可能に配置された圧力計を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ねじロールが軸線を有する孔を有し、前記アクチュエータ・ピストンが軸線を有する孔を有し、前記ねじロールが前記アクチュエータ・ピストンに対して適正な方向にある場合にのみ、前記ねじロールが前記ポケットに挿入されるときに、前記ねじロールの孔が前記アクチュエータ・ピストンの孔に位置合わせされるように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ねじロールが向かい合った面を有し、前記向かい合った面の一方から1つの直径のハブが外方へ延在し、前記向かい合った面の他方から別の直径のハブが外方へ延在し、前記2つのハブが前記ねじロールの孔の軸線を中心に生成されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、(例えば、石油産業で使用されるパイプの)ねじの谷底の丸み部をバニシングするための装置に関し、より詳細には、改良された冷間谷底ローリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石油産業では、ドリルストリング(すなわち、直列に接続されたパイプ)を形成するためにパイプは互いに螺合される。しかしながら、大偏距掘削、マルチラテラル坑井、及び水平坑井への用途がますます盛んになるにつれて、ドリルストリングのねじ接続部にかかる応力及び曲げモーメントが増大する。パイプ接続部の数が増え、応力が増大すると、ドリルストリングのダウンホール損傷の危険性が増す。1つのダウンホール損傷を修理するコストは100万ドルを越えるときがある。
【0003】
冷間谷底ローリングとは、ロータリー・ショルダー・コネクションの新しく切った又は以前に切ったねじの谷底の丸み部をバニシングするプロセスである。バニシングされるねじと同様な輪郭形状の硬化ロールを、ねじの谷底の丸み部に押し当てて接触させる。圧力をかけて、硬化ロールを谷底の丸み部の切削面に押し込む。これによって、材料は変形し冷間加工され、ねじの表面仕上げが改良され、谷底の材料の粒子を圧縮し、移動させる。
【0004】
業界の経験は、冷間谷底ローリングはねじ接続部の疲労寿命を、同じ作動条件下の未処理の同様な接続部より3から5倍延ばすことができることを示唆した。いくつかの研究が、冷間谷底ローリング・プロセスによって疲労寿命を最大27倍改良することができることを示唆する実験室での結果に言及している。例えば、非特許文献1を参照のこと。これらの様々な研究は、疲労寿命の増加は以下の1つ又は複数の要因によるものとした。
【0005】
(1)冷間谷底ローリングによって、ねじの谷底領域に圧縮残留応力の薄い区域が生成される。この圧縮残留応力は、使用中に生じる引張応力を相殺して、ねじ谷底の危険応力域の全体応力を下げる。
【0006】
(2)滑らかで硬いロールのバニシング効果によって、ねじ切り作業後に残った小さな傷や隆起を平らにしてより一様な表面にする。これらの傷の先端は鋭く、大きな応力集中源になると考えられる。その結果、これらの傷は疲労損傷に対するき裂伝播点になると思われる。
【0007】
(3)傷は化学腐食の主要な位置になる。傷の微視的な表面は非常にぎざぎざして多孔性である。このため、大きな表面積及び多くの分子結合部位がドリルストリング環境内の液体及び気体の腐食の影響に曝される。バニシングはこの表面を滑らかにし、露出物及び介在物を減らす。これは、表面積を減らし、高密度に圧縮することに役立つ。
【0008】
(4)冷間谷底ローリングは材料表面の加工硬化の効果を有する。原子スケールでは、鋼の結晶粒構造内の結晶格子の圧縮変位によって、結晶構造は、繰り返しの及び一様な原子構造から多くの転位パターンを有する構造へ変わると考えられている。これらの転位は、結晶構造を結合させ、さらなる変形に対するより大きな抵抗になると考えられている。さらなる変形に対してこのように抵抗が増えると、き裂が始まることを防止するのに役立ち、さらに微小なき裂が、接合部の健全性を脅かしかねない構造欠陥に成長するのを阻止するのに役立つ。実験室での研究では、冷間ローリングを行った接合部で生じたき裂は、き裂アスペクト比(すなわち、き裂深さに対するき裂長さの比)がかなり小さいことが示された。この比が30%から50%下がるということは、冷間ローリングを行った接合部で生じたき裂は、長くて浅いというよりむしろ深くて短くなりやすいことを意味する。長くて浅いき裂は、接合部の突発的で完全な構造破損を導きやすい。区画壁に部分的に入った深いき裂は、循環している掘削流体の圧力が低下することによって検出可能であり、それによって、接合部が完全な構造破損する前に損傷したドリルストリングを早期に修復することが可能になる。
【0009】
前述の利点のため、冷間谷底ローリングは現在、石油産業で用いられているドリルストリング・パイプに使われている多くの新しく切った及び切り直したねじに一般的に行われている。これは費用を節約するプロセスである。これは、典型的なドリルストリングの各ロータリー・ショルダー・コネクションの疲労寿命を劇的に延ばすことができる。これによって、現場で接続部を修理する頻度、及びダウンホール損傷のために引き上げなければならない頻度を減らすことができる。
【0010】
冷間谷底ローリング製品ラインの1つは、Cutting Tools,Inc.,5050 Ashley Court,Houston,Texas 77041から入手可能である。
【0011】
したがって、対象物の新しく切った及び切り直したねじに冷間谷底ローリングを行うための改良された装置を提供することは一般的に望ましい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Knight, M.J., Brennan, F.P. and Dover, W.D., ”Fatigue Life Improvement of Threaded Connections by Cold Rolling”, Journal of Strain Analysis, vol. 40, pp.83-93(September 30, 2004)
【発明の概要】
【0013】
開示される実施例の対応する部品、部分又は表面に対する挿入参照符号は、単に説明を目的としたものであって、何ら限定するものではなく、本発明は、パイプなどの対象物(O)のねじ(T)の谷底ローリング用、より詳細には、冷間谷底ローリング用の改良された装置(20)を提供する。
【0014】
1つの形態では、改良された装置は、通路(22)を有し且つ通路と連通する円筒形の開口(23)を有する本体(21)と、通路内で密封して摺動するために本体に取り付けられたアキュムレータ・ピストン(24)と、本体にねじで取り付けられた粗調節ねじ(25)と、粗調節ねじとアキュムレータ・ピストンとの間で作用する弾性部材(26)と、円筒形の開口内で密封して摺動するために本体に取り付けられたアクチュエータ・ピストン(28A、28B)であって、アキュムレータ・ピストンとアクチュエータ・ピストンとの間の通路内にチャンバ(29)が画定され、チャンバ内に面する近位端(30)を有し、且つ遠位端(31)を有するアクチュエータ・ピストンと、前記遠位端に隣接してアクチュエータ・ピストンに回転可能に取り付けられるねじロール(32)と、チャンバと連通する第1の開口(33)を有する本体と、第1の開口で本体にねじで取り付けられる微調節ねじ(34)とを広範囲に含み、チャンバ(29)は液体で完全に満たされ、粗調節ねじ(25)及び微調節ねじ(34)のうちの少なくとも1つの本体に対する位置を選択的に調節して、チャンバの容積及びチャンバ内の流体圧力を制御可能に変えることができる。装置は、工作機械(35)に取り付けられることができ、また、対象物(O)と装置(20)がお互いに相対的に回転させられているときに、対象物のねじに谷底ローリングを行うように対象物の方へ選択的に移動することができる。
【0015】
本体は、通路(22)の一部を取り囲む当接面(44)を有して、粗調節ねじ(25)から離れる方向のアキュムレータ・ピストン(24)の移動を制限することができる。
【0016】
当接面(44)に対する粗調節ねじ(25)の位置を選択的に調節して、弾性部材(26)によってかけられるアキュムレータ・ピストン(24)への力を変えることができる。
【0017】
弾性部材(26)が、弾性部材の変位の関数としてアキュムレータ・ピストン(24)に実質的に一定の力をかけるように、当接面(44)に対する粗調節ねじ(25)の位置を調節することができる。
【0018】
弾性部材は皿ばね(41)又は皿ばね積層体を含むことができる。
【0019】
本体は、チャンバ(29)と連通する第2の開口(36)を有することができ、且つ、装置は、チャンバ内の圧力を検知するために第2の開口に動作可能に配置された圧力計(39)を含むことができる。
【0020】
本体は、チャンバ(29)と連通する第3の開口(38)を有することができ、且つ、閉止プラグ(40)は、第3の開口を閉じるために本体とねじで係合することができる。
【0021】
改良された装置は、対象物(O)の雌ねじ又は雄ねじ(T)に谷底ローリングを行うように用いることができる。
【0022】
装置(20)は、何ら外部の流体を装置に接続しないで、工作機械(35)に取り付けられることができる。
【0023】
したがって、本発明の一般的な目的は、パイプなどの対象物のねじに谷底ローリングを行うための改良された装置を提供することである。
【0024】
別の目的は、工作機械に取り付けられることができ、また、対象物と装置がお互いに相対的に回転させられているときに、対象物のねじに谷底ローリングを行うように対象物に対して移動することができる装置であって、何ら外部の流体との接続を必要としない、対象物のねじに谷底ローリングを行うための改良された装置を提供することである。
【0025】
これらの及び他の目的及び利点は、上記及び下記の明細書、図面及び添付の特許請求の範囲の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】対象物の雄ねじに冷間谷底ローリングを行うための改良された装置の第1の形態の右端面図である。
【
図2】ねじロールが対象物の雄ねじに係合しているのを示している、
図1の線2−2でおおよそ切断した、長手方向垂直部分断面図である。
【
図3】対象物の雌ねじに冷間谷底ローリングを行うための改良された装置の第2の形態の右端面図である。
【
図4】ねじロールが対象物の雌ねじに係合しているのを示している、
図3の線4−4でおおよそ切断した、長手方向垂直部分断面図である。
【
図5】分解されて本体に対して一直線状に整列した状態のアキュムレータ・ピストンと粗調節ねじを示す、本体の長手方向垂直部分断面図である。
【
図6】
図5に示した円内の本体の一部分の拡大詳細図であり、分解されて円筒形の開口に対して一直線状に整列した状態の保持リングを示している。
【
図7】
図5に示した円内の本体の別の部分の拡大詳細図であり、分解されて本体の第1の開口に対して一直線状に整列した状態の微調節ねじを示している。
【
図8】
図4に示した短いアクチュエータ・ピストンの等角図である。
【
図8A】
図8に示した短いアクチュエータ・ピストンの平面図である。
【
図8B】
図8に示した短いアクチュエータ・ピストンの左側面図である。
【
図8C】
図8に示した短いアクチュエータ・ピストンの右端面図である。
【
図9】
図2に示した長いアクチュエータ・ピストンの等角図である。
【
図9A】
図9に示した長いアクチュエータ・ピストンの平面図である。
【
図9B】
図9に示した長いアクチュエータ・ピストンの左側面図である。
【
図9C】
図9に示した長いアクチュエータ・ピストンの右端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
はじめに、いくつかの図面全体を通して、一貫して、同様な参照符号は同じ構造要素、部分又は表面を識別するように意図されていることを明確に理解すべきである。というのは、このような要素、部分又は表面は、明細書全部でさらに記載又は説明され、この詳細な説明がその一体部分となるからである。別に示されない限り、図面は(例えば、クロスハッチング、部品の配置、比率、度合などを)明細書と併せ読まれることを意図されており、本発明の記載された全説明の一部分であると考えるべきである。以下の説明で用いられるように、用語「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「上」、及び「下」、並びにこれらの形容詞的派生語及び副詞的派生語(例えば「水平に」、「右方向に」、「上方向に」など)は、単に、特定の図面が読み手に面するときの図示された構造物の向きを指している。同様に、用語「内側に」及び「外側に」は、適宜、表面のその延長軸又は回転軸に対する向きを一般的には指している。
【0028】
次に図面を参照すると、本発明は、対象物OのねじTに谷底ローリング、より詳細には、冷間谷底ローリングを行うための改良された装置20を提供する。対象物は、例えば、両縁端部に雌ねじと雄ねじを有するパイプであってもよい。しかしながら、これは一例である一方、本発明は、この改良された装置が同様に他の種類の対象物で用いることができることを企図する。
【0029】
改良された装置の第1の形態を
図1及び2に、装置の第2の形態を
図3及び4に示す。装置の第1の形態は、対象物の雄ねじに動作可能に谷底ローリングを行うものとして示され、装置の第2の形態は対象物の雌ねじに谷底ローリングを行うものとして示されている。
【0030】
図2に示す装置が長いアクチュエータ・ピストン28Aを用い、
図4に示す装置が短いアクチュエータ・ピストン28Bを用いることを除けば、
図2及び4に示す装置は実質的に同じである。
【0031】
図4に示された装置の本体は、
図2に示された装置の本体とは同一であるが、
図2に示された装置の本体の鏡像として配置されていることがもう1つの違いである。
【0032】
さらに別の違いは、下記のように、圧力計、微調整ねじ、及び閉止プラグが、
図2と
図4では本体の異なる開口に螺合されていることである。
【0033】
その他の点では、
図2及び4に示された装置は同じである。このため、同じ参照符号が、装置の両形態の対応する構造物を説明するために以下の説明で用いられる。
【0034】
次に
図2、4、及び5を参照すると、全体として20で示される改良された装置は、図示のように、水平方向に細長い本体21を有し、本体21は、軸方向の通路22を備え且つこの通路と連通する円筒形の開口23を有するものとして示されている。
【0035】
アキュムレータ・ピストン24は、通路の右縁端部内で密封して摺動するために本体に取り付けられる。粗調節ねじ25は本体の右縁端部にねじで取り付けられる。全体として26で示される弾性部材は、粗調節ねじとアキュムレータ・ピストンとの間で作用する。
【0036】
アクチュエータ・ピストン28は、円筒形の開口内で密封して摺動するために本体に取り付けられる。ここで、添え字「A」及び「B」はそれぞれ長いアクチュエータ・ピストン及び短いアクチュエータ・ピストンの特定の構造体をそれぞれ指す。したがって、長いアクチュエータ・ピストンは
図2において28Aで示され、短いアクチュエータ・ピストンは
図4において28Bで示される。チャンバ29は、アキュムレータ・ピストンとアクチュエータ・ピストンとの間の通路内及び円筒形の開口内に画定される。アクチュエータ・ピストンは、チャンバ29内に面する近位端30を有し、且つ遠位端31を有する。
【0037】
滑らかな工具鋼のねじバニシング・ロール32は、アクチュエータ・ピストンの遠位端に隣接してアクチュエータ・ピストンに回転可能に取り付けられる。このねじロールは、ローリングが行われるねじの輪郭形状に相補する輪郭形状を有する。本体はチャンバと連通する第1の開口33を有する。微調節ねじ34は、
図2のこの第1の開口で本体にねじで取り付けられる。チャンバ29は好適な液体で完全に満たされる。粗調節ねじ25及び微調節ねじ34のうちの少なくとも1つの本体に対する位置を選択的に調節して、チャンバの容積、したがって、その中の流体圧力を制御可能に変えることができる。
【0038】
装置は、
図2及び4に符号35で断片部が示されている工作機械に操作可能に取り付けられることができ、また、対象物と装置がお互いに相対的に回転させられているときに、対象物のねじに谷底ローリングを行うように対象物の方へ選択的に移動することができる。
【0039】
装置はさらに、チャンバと連通するように本体に設けられた第2の開口36及び第3の開口38を有するものとして示されている。第2及び第3の開口は同一であり、その結果、圧力計及び閉止プラグは、下記のように、これらの開口のどちらにも交換可能にねじで本体と係合することができる。圧力計39は、チャンバ29内の圧力を監視するために、第2及び第3の開口のうちの一方にねじで取り付けられる。閉止プラグ40は第2及び第3の開口のうちの他方に取り付けられてチャンバを密封する。
図2の実施例では、圧力計39は、本体の第2の開口36に動作可能に取り付けられているものとして示されており、閉止プラグ40は、本体の第3の開口38に動作可能に取り付けられているものとして示されている。
図4に示される本体は、
図2に示される本体の鏡像になっている。しかしながら、この配置では、圧力計39は、本体の第3の開口38に取り付けられているものとして示され、閉止プラグは、本体の第2の開口40に取り付けられているものとして示されている。
【0040】
弾性部材26は、単体では符号41で示される皿ばねを複数有する皿ばね積層体として示されている。皿ばね積層体は粗調節ねじとアキュムレータ・ピストンとの間で作用するように配置される。アキュムレータ・ピストンの左端は、本体内で当接面44に当接するように配置されて、本体に対して左方向の移動を制限する。粗調節ねじは本体の通路内にねじ込まれて、皿ばね積層体の予荷重を選択的に変えることができる。好ましい実施例では、皿ばね積層体は、その変位に対する力の特性の線形部分で作動する。任意で、皿ばね積層体は、その変位にかかわらず、実質的に変位に対する力の特性が水平になる領域で予荷重をかけることができる。これは、事実上、皿ばね積層体がそのような予荷重をかけられているとき、アキュムレータ・ピストンには実質的に一定の力がかかることを意味する。言い換えれば、アキュムレータ・ピストンは、ばね積層体の変位にかかわらず、実質的に一定の力で、皿ばね積層体の付勢に抗して右方向に変位することができる。
【0041】
次に
図5〜7を参照すると、本体は、長さ方向の軸x−xを有する特別に構成された水平方向に細長い部材のものとして、より詳細に示される。通路22は、右端面43から左方向へ本体内に延在する大直径の円筒形部分42を含み、右方向内側を向く円錐台形当接面44を有し、右方向内側を向く別の円錐台形当接面45を有し、さらにそこから左方向に続く小直径の行き止まりの円筒形部分46を有するものとして示されている。
図6に最もよく示されるように、円筒形の開口23は、本体の軸x−xに対して直角より小さい約85°の夾角で、本体を貫通して開けられた比較的大直径の孔である。行き止まりの通路22は、連通通路48によって円筒形の開口23と連通する。
【0042】
円筒形の端部キャップ49は、円筒形の開口23内に配置され、止め輪50によってこの位置で保持され、止め輪50は、表面23から半径方向に本体内に延在する環状溝47の中にスナップ止めされる。環状溝51は半径方向に止め輪内に延在して、円筒形の開口の壁面に密封的に係合するOリング52を収容して受け入れる。
【0043】
図7に最もよく示されるように、第1、第2及び第3の開口33、36、38はそれぞれ本体内に延在して、チャンバ29と連通する。これらの開口のそれぞれは、内側にねじを切られて、
図2及び4に示すように、微調節ねじ、圧力計39、又は閉止プラグ40などの好適な装置を受け入れる。ねじが切られた孔53は、左端面54から右方向に本体内に延在して、止めねじ55を収容して受け入れる。止めねじ55の右方向の先端はアクチュエータ・ピストンに設けられたキー溝56に受け入れられる。止めねじ55とアクチュエータ・ピストンのキー溝96との間のキーとキー溝とのこの結合によって、円筒形の開口の軸y−yに沿う、本体に対するアクチュエータ・ピストンの動きが制限される。
【0044】
次に
図5を参照すると、アキュムレータ・ピストン24は、環状の垂直の左端面58、環状の垂直の右端面59、及び外面を有し、外面は、順番に、本体の当接面44の方に面して、それと選択的に係合するように適合される左方向外側を向く円錐台形面60と、Oリングを収容するために環状溝62が設けられた水平方向の円筒面61であって、Oリングによって、アキュムレータ・ピストンが通路の円筒部分42内を密封して摺動する、円筒面61と、右方向を向く環状の垂直面63と、右方向に続いて右端面59の外縁につながる水平方向の円筒面64とを含むものとして示されている。ねじが切られた盲穴65は、その右端面からアキュムレータ・ピストン内に延在する。
【0045】
図2及び4に最もよく示されるように、ショルダーねじ66は粗調節ねじ25とアキュムレータ・ピストン24との間で作用するように配置することができる。
【0046】
次に
図5を見ると、粗調節ねじ25は、特別に構成された水平方向に細長い部材であり、これは、環状の垂直の左端面67、環状の垂直の右端面68、及び外面を有し、外面は、順番に、左端面67の外縁から右方向に延在する水平方向の円筒面69と、左方向を向く環状の垂直面70と、水平方向の円筒面71と、本体のねじ73と噛み合うように構成された雄ねじ部72と、右方向を向く環状の垂直面74と、右方向に続いて右端面68の外縁につながる水平方向の円筒面75とを含む。段付きの孔は粗調節ねじを軸方向に貫通して延在する。この孔は、左端面67の内縁から右方向に延在する内側を向く水平方向の円筒面76と、左方向を向く環状の垂直面78と、短い円筒面79と、右方向を向く環状の垂直面80と、右方向に続いて右端面68の内縁につながる水平方向の円筒面81とによって画定されるものとして示される。
【0047】
図7に最もよく示されるように、微調節ねじ34は、下部の円形面83、上部の水平方向円形面84、及び外面を有する垂直方向に細長いプラグ状部材であり、外面は、順番に、上端面84の外縁から下方向に延在し、本体のねじ37と噛み合うように構成された雄ねじ部85と、下方向外側を向く円錐台形面86と、下方向に続いて下端面83の外縁につながる垂直方向の円筒面88とを含む。環状溝89は、微調節ねじの下端面に隣接して微調節ねじ内を延在して、Oリングを収容して受け入れ、Oリングによって、微調節ねじは適切な本体の開口で本体に密封して取り付けられる。多角形の穴は、微調節面内にその上面84から下方向に延在して、好適な回転工具(例えば、アレンレンチ)を受け入れて収容し、それによって、本体にねじ込んで本体と係合する、又は係合から外す。
【0048】
図2では、長いアクチュエータ・ピストンは符号28Aで示される。
図4では、短いアクチュエータ・ピストンは符号28Bで示される。ピストン28Aはピストン28Bより長いが、これらの2つのアクチュエータ・ピストンは実質的に同じである。長いアクチュエータ・ピストンは
図9〜9Cにより詳しく示され、短いアクチュエータ・ピストンは
図8〜8Cにより詳しく示される。
【0049】
はじめに
図8〜8Cを参照すると、短いアクチュエータ・ピストンは、左方向を向く円形の垂直方向の左端面90B、及びそれぞれ2つの右方向に延在する二股の脚部91B、92Bを有するものとして示される。ピストンは、Oリングを受け入れて収容するために環状溝94Bが設けられた外側を向く水平方向の円筒面93Bを有する。一直線状に整列した孔95B、95Bは二股の脚部91B、92Bを貫通して延在し、ロールピンの軸(図示せず)を受け入れて収容する。水平方向の細長い溝96Bは、アクチュエータ・ピストンの表面97Bからその中へ延在して、ねじ55の先端を受け入れて収容する。孔98Bは、アクチュエータ脚部92Bの右端面からその中へ延在して、止めねじ(図示せず)を収容して受け入れ、ロール軸は止めねじによってアクチュエータ・ピンに固定することができる。アクチュエータ・ピストンはさらに平面99Bを有するものとして示される。
【0050】
長いアクチュエータ・ピストンは
図9〜9Cに示す。このアクチュエータ・ピストンは
図8〜8Cに示す短いピストンに対して単に細長いだけである。したがって、長いピストンは、短いピストンに関して前述した部品と同じ部品を有するが、これらの部品は添え字が「B」ではなく「A」で示される。
【0051】
したがって、本発明は、対象物(O)のねじ(T)に谷底ローリングを行うための改良された装置(20)を広範囲に提供し、この改良された装置(20)は、通路(22)を有し且つ通路と連通する円筒形の開口(23)を有する本体(21)と、通路内で密封して摺動するために本体に取り付けられたアキュムレータ・ピストン(24)と、本体にねじで取り付けられた粗調節ねじ(25)と、粗調節ねじとアキュムレータ・ピストンとの間で作用する弾性部材(26)と、円筒形の開口内で密封して摺動するために本体に取り付けられたアクチュエータ・ピストン(28A又は28B)とを含む。チャンバ(29)は、アキュムレータ・ピストンとアクチュエータ・ピストンとの間の通路内に画定される。アクチュエータ・ピストンは、チャンバ内に面する近位端(30)を有し、且つ遠位端(31)を有する。ねじロール(32)は、アクチュエータ・ピストンの遠位端に隣接してアクチュエータ・ピストンに回転可能に取り付けられる。本体はチャンバと連通する第1の開口(33)を有する。微調節ねじ(34)は、第1の開口で本体にねじで取り付けられる。チャンバは、比較的非圧縮性の液体などの好適な流体で完全に満たされる。粗調節ねじ及び微調節ねじのうちの少なくとも1つの本体に対する位置を選択的に調節して、チャンバ内の流体圧力を制御可能に変えることができる。装置は、工作機械(35)に取り付けられることができ、また、対象物と装置がお互いに相対的に回転させられているときに、対象物のねじに谷底ローリングを行うように対象物の方へ選択的に移動することができる。
【0052】
情報と信念により、本発明は従来技術を越える多くの特許性のある特徴点を有する。これらは、(1)自己内蔵型の圧力発生器及びアキュムレータの使用、(2)ロールの向きを定める独特なシステム、(3)デジタル圧力装置の使用、(4)換算不要の力の測定、を含む。
【0053】
第1の点に関しては、従来技術で、自己内蔵型の圧力発生装置、又は自己内蔵型の流体アキュムレータを使う公知の物はない。これによって、外部圧力ポンプ、外部アキュムレータ、並びに様々なホースの接続具、脱着継手、及びバルブの必要性がなくなる。これによって、取付け及び使用が簡単になり、工作機械の作業領域から多くの散らかっているものが除かれる。
【0054】
第2の点に関しては、公知の従来技術の参考文献で、被加工物の予切削したねじ山の形状に対するねじバニシング・ロールの正しい向きを保証するためのシステムを有するものはない。被加工物のねじ山の形状は、被加工物のねじの主軸に垂直な線に対して対称である。ロールホルダが85°の傾きをもっていることにより、ねじバニシング・ロールは、ロールホルダの5°の傾きを補って相殺するために、一方側に5°偏っている非対称な輪郭形状である。すべての公知の従来技術の装置では、大きな注意を払って、ロールを逆の位置に取り付けることを避けなければならない。ロールが正しい向きで取り付けられていなければ、バニシング作業は、ねじに大きな損傷を引き起こし、被加工物を再加工又は廃棄をする必要がある。公知の従来技術の装置では、この向きは目視での確認だけであり、小さな角度の傾きを識別するのは困難である。
【0055】
一方、本出願者の改良された取付具は、ロール自体の非対称なハブ形状とともに非対称のロールホルダを用いて、ロールが適正な向きにだけ取付具に取り付けられることを保証する。好ましい実施例では、ロール取付ポケットの側壁の約0.38ミリメートル(0.015インチ)のわずかな段差が用いられ、それはロール取付軸の中心線から半径方向にいくらかの距離(r)に位置する。反対側の壁にはそのような段差はない。これは、
図8A及び9Aに明瞭に示される。好ましい実施例では、両面に2つの異なったハブ直径のロールを用いる。一方のハブの半径は半径距離(r)よりわずかに短い。他方のハブの半径は半径距離(r)よりわずかに長い。これらの非対称のハブを有するロールを段差の付いた受入ポケット内に挿入するとき、小さい方のハブが段差に隣接する場合だけ、ロールはロールピン軸と正しく位置合わせされる。大きい方のハブが段差に隣接するようにロールピンを挿入した場合、ロール軸をロールピン孔軸と位置合わせする前に、このハブは段差に接触するので、ロールピンの外形を不適切に挿入することが防止される。
【0056】
好ましい実施例では、ロールの両面に異なる大きさの2つのハブが用いられるが、当業者であれば、他の形態も、同じ目的、すなわち、ロールを不適切にポケット内に挿入することを防ぐ目的を達成することができることを容易に理解するであろう。いくつかの代替案には、限定するものではないが、異なった半径距離で2つの段差を受入部に設けること、テーパ付きのロール軸と併せてテーパ付きのロール孔を用いること、段差付きのロール軸とともに段差付きのロール孔を用いること、ロールの非対称なねじ山形状と類似で、最小限大きくした輪郭形状を有するロールのポケット、等が含まれる。
【0057】
第3の点に関しては、従来技術で、デジタル圧力監視装置を用いる公知の物はない。すべての公知の従来技術の装置は、付属品として瞬間的な圧力を示すダイアルを有するアナログの圧力計を用いていると思われる。使用者は、計器を読むために、典型的には見通せることができる範囲内で、通常は約91センチメートル(36インチ)よりは離れないで、計器のすぐそばにいる必要がある。計器の読みは、その時の瞬間的な圧力にすぎない。したがって、石油産業で用いられるパイプに適用される規格によって要求されるように、使用者は、作業サイクル内の圧力を監視するために、大きな部品が動き、また潤滑剤が噴霧される場所のすぐそばにいる必要があり、使用者には有害な環境である。これは、安全に対するOSHA規格に違反する。
【0058】
出願人の装置は、最小/最大呼び出し機能を有するデジタル計を用い、使用者はより遠隔で安全な距離から圧力を監視することができる。使用者は、細かな目盛の間を大きく変動する小さな針の位置を確認しようとすることなしに、デジタル的にその変動を減衰させた大きなテキスト値を、機械の筐体の窓を通して、バックライト付きのディスプレイで読むことができる。改良されたデジタル圧力計は最小/最大呼び出し機能を装備する。ローリング中に到達した圧力値は記録されて、一旦、機械が動きを止めて、取付具に近づいても安全となったら、それを事後に見ることができる。オプションbの無線圧力変換器セットを用いると、圧力は、機械の筐体の外側のディスプレイ上で、或いは製造施設内の他の所にある事務所で又はインターネット経由で顧客の場所などさらに遠隔の場所でさえも、連続的に監視し、遠隔で記録することができる。圧力値はまた記録されて、加工されている構成部品のシリアル番号を追跡して、最終使用者及び規制機関にトレーサビリティを提供することができる。
【0059】
第4の点に関しては、従来技術で、示された圧力の数値をバニシング力のポンド値に変換する必要がないように構成された公知の物はない。この冷間谷底ローリング作業に適用される規格、具体的にはT.H.Hill規格DS−1は、様々なねじのサイズそれぞれに対して最小限の力を適用することを要求する。しかしながら、従来の技術の装置は力を直接測定する手段を有していないので、その代わりに通常、液圧を測定し、次いで、図表を用いて記録された圧力を力の計算値に変換する。出願人の装置では、圧力もまた記録される。しかしながら、作動ピストンの表面積は正確に約6.45cm
2(1in
2)になるような寸法にされており、圧力の数値は、倍率又は換算を必要とせずに、力のポンドの数値になる。約6.89kPa(1psi)の圧力は約4.45ニュートン(1ポンド)の力に等しい。これは操作を簡単にし、また計算間違いの潜在的な源を除く。
【0060】
修正
本発明は、多くの変更及び修正を加えることができることを明白に企図する。例えば、構成物の材料は重要とは思われない。任意の部品の長さ、並びに別の部品に対するその比率と度合は重要とは思われない。通路及びチャンバはここで示した方法とは違う方法で形成してもよい。対象物はパイプに限定されない。
【0061】
弾性部材は、皿ばね、皿ばね積層体、ダイスプリング、マシーンドスプリング、ベローズ、又は窒素などの充填ガスで満たされた気体圧装置とすることができる。
【0062】
したがって、改良された谷底ローリング装置の2つの形態が示され、説明され、またそれらのいくつかの変更や修正が述べられたが、当業者であれば、以下の特許請求の範囲によって定義され差別化されるような本発明の精神から逸脱することなく、様々な追加の変更や修正を成し得ることは容易に理解するであろう。