特許第6186008号(P6186008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6186008位置情報発信機のメンテナンス方法、および、それに用いる位置情報発信機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186008
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】位置情報発信機のメンテナンス方法、および、それに用いる位置情報発信機
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20170814BHJP
   G01S 1/68 20060101ALI20170814BHJP
   G01S 19/11 20100101ALI20170814BHJP
【FI】
   G01S5/02 Z
   G01S1/68
   G01S19/11
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-550259(P2015-550259)
(86)(22)【出願日】2013年11月27日
(86)【国際出願番号】JP2013081960
(87)【国際公開番号】WO2015079523
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2015年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】谷川原 誠
(72)【発明者】
【氏名】柳原 徳久
【審査官】 三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−270254(JP,A)
【文献】 特開2007−218651(JP,A)
【文献】 特開2011−035804(JP,A)
【文献】 特開2011−095086(JP,A)
【文献】 特開2011−114386(JP,A)
【文献】 特開2007−043500(JP,A)
【文献】 特開平03−119838(JP,A)
【文献】 特表平09−500779(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0268321(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 19/00−19/55
G01S 5/00− 5/14
G01S 1/00− 1/68
H04B 1/00− 1/76
H04B 17/00−17/02
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報発信機のメンテナンス方法であって、
移動体端末が該位置情報発信機からの信号を受信した際の受信周波数と該移動体端末の基準周波数との差であるドップラ周波数を複数の移動体端末から収集した複数のドップラ周波数を用いて前記位置情報発信機の周波数補正値を算出し、
該周波数補正値に基づき前記位置情報発信機の中心周波数を調整することを特徴とする位置情報発信機のメンテナンス方法。
【請求項2】
請求項1に記載の位置情報発信機のメンテナンス方法であって、
さらに、前記複数の移動体端末の前記位置情報発信機からの信号を受信した取得時刻と位置情報とを収集し、該複数の取得時刻と複数の位置情報と前記複数のドップラ周波数を用いて、前記位置情報発信機の中心周波数を調整することを特徴とする位置情報発信機のメンテナンス方法。
【請求項3】
請求項2に記載の位置情報発信機のメンテナンス方法であって、
前記複数の取得時刻と複数の位置情報との関係から位置情報発信機の異常を検知することを特徴とする位置情報発信機のメンテナンス方法。
【請求項4】
請求項2に記載の位置情報発信機のメンテナンス方法であって、
前記複数の取得時刻に対する取得した複数の位置情報との関係から位置情報発信機から送信される位置情報の設定値を調整することを特徴とする位置情報発信機のメンテナンス方法。
【請求項5】
位置情報を発信する位置情報発信機であって、
可変制御可能なクロック発振器と、該クロック発振器により所定の周波数で位置情報を含む無線信号を発信する無線発信部とを有し、
移動体端末が前記無線信号を受信した際の受信周波数と該移動体端末の基準周波数との差であるドップラ周波数を複数の移動体端末から収集した複数のドップラ周波数を用いて算出した該位置情報発信機の周波数補正値を受信し、
該周波数補正値に基づき前記クロック発振器の周波数を制御して前記位置情報発信機の中心周波数を調整することを特徴とする位置情報発信機。
【請求項6】
請求項5に記載の位置情報発信機であって、
さらに、前記複数の移動体端末の前記無線信号を受信した取得時刻と位置情報とを受信し、該複数の取得時刻と複数の位置情報と前記周波数補正値に基づき前記クロック発振器の周波数を制御して該位置情報発信機の中心周波数を調整することを特徴とする位置情報発信機。
【請求項7】
請求項6に記載の位置情報発信機であって、
前記複数の取得時刻に対する取得した複数の位置情報との関係から位置情報発信機から送信される位置情報の設定値を調整することを特徴とする位置情報発信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報発信機のメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)衛星等の人工衛星から送信されてくる無線信号(以下、「衛星測位信号」と称する)を利用して測位を行うシステムは、屋内や地下街等の衛星測位信号を受信できないエリアにGPS受信機等の通信端末が入ると、測位精度が低下し、もしくは測位不能になってしまう。
【0003】
その解決策として、例えば、特開2012−177629号公報(特許文献1)には、屋内や地下街等の衛星測位信号を受信できないエリア内に、位置を示す情報である位置情報を、GPSで使用している周波数(例えば、中心周波数1.57542GHz)、変調方式(具体的には、BPSK(Binary Phase-Shift Keying))、多元接続方式(具体的には、ダイレクト・スペクトラム拡散方式のCDMA(Code Division Multiple Access))などと互換性のある信号(以下、「位置情報信号」と称する)で発信する、位置情報送信機(屋内送信機)を設置し、携帯電話などの通信端末が、受信した位置情報信号から自身の現在位置を取得する技術が開示されている。
【0004】
また、準天頂衛星システムユーザインタフェース仕様書(IS―QZSS)1.5版付録 地上補完信号(IMES)(非特許文献1)には、この位置情報を発信する位置情報発信機の信号仕様が記載されており、信号の周波数精度が±0.2ppm以内という非常に高い精度が要求されている。
【0005】
そこで、周波数精度を満足するクロック、例えばOCXO(恒温槽型水晶発振器)を位置情報発信機に搭載するとコストが多大になるため、低価格で高精度周波数安定度が要求される電圧制御型温度補償水晶発振器(voltage controlled, temperature compensated crystal oscillator;VCTCXO)が搭載されることが多い。しかし、要求される周波数精度を有するVCTCXOであっても、経年劣化によって周波数変動が生じるため、位置情報発信機を長期間、安定して使用するためには、発信機のクロックの経年劣化による周波数のずれを補正する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−177629号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】準天頂衛星システムユーザインタフェース仕様書(IS―QZSS)1.5版付録 地上補完信号(IMES)Quasi-Zenith Satellite System Navigation Service. Interface Specification for QZSS(IS-QZSS) V1.5 ANNEX Indoor Messaging System (IMES)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
インフラとして設置されている位置情報発信機は移動端末のサービスを停止させないために常に安定した周波数で信号を送信しつづける必要がある。よって、長時間連続稼働している位置情報発信機は、経年劣化により故障または周波数のずれが生じることがあるため、年に数回の点検調査をするメンテナンス作業が必要である。しかし、メンテナンス作業を行う際には経年劣化による周波数の誤差を検出する高精度な検出装置が必要となり、装置の費用や作業員のコストの負担が大きかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、移動体端末が位置情報発信機からの信号を受信した際の受信周波数と該移動体端末の基準周波数との差であるドップラ周波数を複数の移動体端末から収集した複数のドップラ周波数を用いて位置情報発信機の周波数補正値を算出し、該周波数補正値に基づき位置情報発信機の中心周波数を調整する。
【発明の効果】
【0010】
位置情報発信機の経年劣化による周波数のずれをネットワーク経由で取得することができるため、位置情報発信機を点検する作業が不要と出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の位置情報発信機のメンテナンス方式を説明するシステム構成の概念図である。
図2】実施例1の位置情報発信機のメンテナンス方式を説明する詳細構成図である。
図3】実施例1の位置情報発信機の送信情報テーブルのデータ構成例である。
図4】実施例1の移動体端末の受信情報テーブルのデータ構成例である。
図5】実施例1のデータ解析部の補正値テーブルのデータ構成例である。
図6】実施例1の周波数補正値を計算する方法の説明図である。
図7】実施例2の位置情報発信機の異常を検知する方法の説明図である。
図8】実施例3の位置情報発信機の位置情報設定異常を検知する方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本実施例の位置情報発信機のメンテナンス方式を説明するシステム構成の概念図である。図1において、位置情報発信機200は自身の位置情報を発信する発信機であり、屋内に設置され、特定の周波数で連続に位置情報を発信する機能をもつ。移動体端末220は、自身の位置を把握するために位置情報発信機200からの信号を受信し、自身の位置を特定する。このようなシステムにおいては、位置情報発信機からの信号が正しく発信されていることが必要であり、位置情報発信機の異常を検知する手段が必要である。その異常検知する手段として、データ解析部250を設ける。データ解析部250は、複数の移動体端末から得られる受信情報15から解析処理部16において、位置情報発信機の経年劣化による周波数変化や故障などの異常を検知し、周波数補正値17と異常検知情報18を生成し、異常のある位置情報発信機のメンテナンスを行う。
【0014】
図2は、位置情報発信機のメンテナンス方式を説明する詳細構成図である。図2において、位置情報発信機200は、衛星測位信号が受信できない屋内などに設置され、必要な測位精度に応じた間隔で多数の位置情報発信機200が設置される。
【0015】
VCTCXO214は、アナログ電圧で振動周波数を制御する能力を持つTCXO(temperature compensated crystal oscillator)であり、CPU210に対して、クロック信号を発振するクロック発振器として働き、CPU210から振動周波数を制御するための、アナログ電圧が入力される。CPU210と記憶部211とはシリアルインタフェースやバスなどで接続されており、CPU210は、記憶部211に記憶された送信情報テーブル212、補正値テーブル213を読み込んで発信すべき位置情報メッセージを生成し、無線発信部215から衛星測位信号と互換性がある位置情報信号を発信する。
【0016】
位置情報発信機から発信される位置情報信号は、PRN(Pseudo Random Noise)番号の符号パターンによってスペクトラム拡散され、所定周波数帯域の搬送波に変調されて発信される。
【0017】
移動体端末220は、携帯電話などの人が持つ端末であり、位置情報発信機200からの信号を無線受信部230で受信し、CPU231でメッセージをデコードして記憶部233で受信情報テーブル234を記憶する。また、CPU231は、位置情報発信機200からの信号を受信した際の中心周波数(受信周波数)と移動体端末の基準周波数との差をドップラ周波数として受信情報テーブル234に設定する。
【0018】
ネットワーク部240は、複数の移動体端末220と無線通信部235を介して接続し、データ解析部250と接続するものである。
【0019】
データ解析部250は、複数の移動体端末から受信情報テーブル234を受信し、記憶部260に保存後、解析処理261で周波数補正値と異常検知を算出する。算出された周波数補正値と異常検知情報は、それぞれ補正値テーブル262と異常検知テーブル263に格納される。補正値テーブル262は位置情報発信機200に送信され、通信部216を介して位置情報発信機200の補正値テーブル213を更新する。すなわち、位置情報発信機はソフトウェアで中心周波数を調整する機能を持ち、ネットワークを経由して周波数の補正値を入力して中心周波数を調整することができる。
【0020】
図3は、位置情報発信機200の送信情報テーブル212のデータ構成例である。図3に示すように、送信情報テーブル212には、位置情報30、PRN31、基準周波数32、送信出力33が登録されている。位置情報30には位置情報発信機200が発信する位置データを構成する緯度、経度、フロアの値が設定される。PRN31には無線発信部215に割り当てるPRN番号が設定される。例えば、非特許文献1に記載されているIMES(Indoor Messaging System)では173〜182の10個の番号(チャンネル)が利用可能となっている。基準周波数32には、位置情報発信機200が発信する信号の基準となる周波数が設定される。非特許文献1に記載されているIMES(Indoor Messaging System)では1575.4282[MHZ]または1575.4118が利用可能となっている。送信出力33には、位置情報発信機200が発信する信号の出力レベルが設定される。
【0021】
図4は、移動体端末220の受信情報テーブル234のデータ構成例である。図4に示すように、受信情報テーブル234には、機種名40、受信時刻41、位置情報42、PRN43、ドップラ周波数44、受信強度45が登録されている。機種名40には、移動体端末の種別を示すIDが設定される。受信時刻41には、位置情報発信機200からの信号を受信した時刻が設定される。位置情報42には、位置情報発信機200からの信号を受信した際の位置データが設定される。PRN43には、位置情報発信機200からの信号に割り当てられたPRN番号が設定される。ドップラ周波数44には、衛星測位信号の基準周波数である1575.42[MHZ]からの周波数の偏差が設定される。受信強度45には、位置情報発信機200からの信号を受信した際の信号強度が設定される。
【0022】
図5は、データ解析部250の補正値テーブル262のデータ構成例である。図5に示すように、補正値テーブル262には、位置情報50、PRN51、周波数補正値52、送信出力補正値53、位置情報補正値54が登録されている。位置情報50には、移動体端末220で受信した際の位置データが設定される。PRN51には、移動体端末220で受信した際のPRN番号が設定される。周波数補正値52には、解析処理261で計算された移動体端末220の周波数の補正値が設定される。送信出力補正値53と位置情報補正値54も同様に、解析処理261で計算された移動体端末220の周波数の補正値が設定される。位置情報50とPRN51を紐付けることによって、補正を実施したい位置情報発信機200を特定する。
【0023】
図6は、解析処理261において、周波数補正値52を計算する方法の説明図である。すなわち、位置情報発信機200の送信クロック誤差601を求めるために、多数の移動体端末220から得られる多数のドップラ周波数602、すなわち位置情報発信機からの信号を受信した際の中心周波数(受信周波数)と移動体端末の基準周波数との差、を利用して周波数補正値52を計算する。例えば、図6に示す、多数の移動体端末220から得られる多数のドップラ周波数1、2、…Nの平均値から位置情報発信機の実際の送信周波数を推定し、それを位置情報発信機200の設定周波数から差し引くことで求めることが出来る。下記、式(1)参照。
周波数補正値=位置情報発信機の設定周波数−AVERAGE(ドップラ周波数1,ドップラ周波数2,…,ドップラ周波数N) …(1)
なお、実際の送信周波数の推定方法として、多数のドップラ周波数1、2…Nの分布が正規分布と仮定して最適な値を選ぶような、統計処理で推定しても良い。
【0024】
以上のように、本実施例によれば、移動体端末が位置情報発信機からの信号を受信した際の受信周波数と該移動体端末の基準周波数との差であるドップラ周波数を複数の移動体端末から収集した複数のドップラ周波数を用いて位置情報発信機の周波数補正値を算出し、該周波数補正値に基づき前記位置情報発信機の中心周波数を調整する。また、複数の移動体端末の位置情報発信機からの信号を受信した取得時刻と位置情報とを収集し、該複数の取得時刻と複数の位置情報と前記複数のドップラ周波数を用いて、位置情報発信機の中心周波数を調整する。すなわち、複数の移動体端末から収集した位置情報と時刻とドップラ周波数を用いて、統計処理にて位置情報発信機に搭載されているクロックの経年劣化誤差を推定することで、周波数補正値が得られ、ネットワークを経由して位置情報発信機の周波数を補正することができる。
【0025】
よって、位置情報発信機の経年劣化による周波数のずれをネットワーク経由で取得することができるため、位置情報発信機を点検する作業が不要になる。また、発信機からの位置情報と時刻、ドップラ周波数をネットワークで監視することで、機器の故障やメンテナンスの回数を削減することができる。
【0026】
また、位置情報発信機としては、可変制御可能なクロック発振器と、該クロック発振器により所定の周波数で位置情報を含む無線信号を発信する無線発信部とを有し、移動体端末が前記無線信号を受信した際の受信周波数と該移動体端末の基準周波数との差であるドップラ周波数を複数の移動体端末から収集した複数のドップラ周波数を用いて算出した該位置情報発信機の周波数補正値を受信し、該周波数補正値に基づき前記クロック発振器の周波数を制御して前記位置情報発信機の中心周波数を調整することが出来る。また、複数の移動体端末の前記無線信号を受信した取得時刻と位置情報とを受信し、該複数の取得時刻と複数の位置情報と前記周波数補正値に基づき前記クロック発振器の周波数を制御して該位置情報発信機の中心周波数を調整することが出来る。
【実施例2】
【0027】
本実施例は、経過時間に伴う位置情報発信機の異常を判断する例について説明する。
【0028】
図7は、解析処理261において、位置情報発信機200の異常を検知する方法の説明図である。連続に配置されている位置情報発信機200からの信号を多数の移動体端末220が位置情報発信機200からの信号を配置順に続けて受信する箇所において、経過時間とともにある特定の位置情報発信機200からの信号が続けて受信できていないことを検知し、位置情報発信機200の異常を検出する。すなわち、図7において、位置情報発信機2からの信号を移動体端末3…Nが、ある時点から未受信となった場合、位置情報発信機2が経過時間に伴う異常が発生したと判断する。
【0029】
以上のように、本実施例によれば、複数の取得時刻と複数の位置情報との関係から位置情報発信機の異常を検知することが出来る。すなわち、発信機からの位置情報と時刻をネットワークで監視することで、機器の故障やメンテナンスの回数を削減することができる。
【実施例3】
【0030】
本実施例は、位置情報発信機の位置情報設定異常を検出する例について説明する。
【0031】
図8は、解析処理261において、位置情報発信機200の位置情報設定異常を検知する方法の説明図である。連続に配置されている位置情報発信機200からの信号を多数の移動体端末220が位置情報発信機200からの信号を配置順に続けて受信する箇所において、ある特定の位置情報発信機200からの送信される位置情報が異なった座標を送信していることを検知し、位置情報発信機200の位置情報設定異常を検出する。すなわち、図8において、位置情報発信機2からの信号を移動体端末1…Nが、特定の受信時間に異なる位置情報を受信した場合、位置情報発信機の位置情報設定異常として検出する。
【0032】
以上のように、本実施例によれば、複数の取得時刻に対する取得した複数の位置情報との関係から位置情報発信機から送信される位置情報の設定値を調整することが出来る。すなわち、発信機からの位置情報と時刻をネットワークで監視することで、機器の故障やメンテナンスの回数を削減することができる。
【0033】
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0034】
200 位置情報発信機
212 送信情報テーブル
213 補正値テーブル
214 VCTCXO
220 移動体端末
234 受信情報テーブル
240 ネットワーク部
250 データ解析部
261 解析処理
262 補正値テーブル
263 異常検知テーブル
601 送信クロック誤差
602 ドップラ周波数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8