【実施例】
【0217】
以下に示す実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、これらはいかなる意味においても限定的に解釈されるものではない。また、本明細書において、特に記載のない試薬、溶媒及び出発材料は、市販の供給源から容易に入手可能である。
【0218】
参考例1 M30−H1−L4抗体
抗B7−H3抗体のヒト化抗体のうち、配列番号9においてアミノ酸番号20乃至471に記載のアミノ酸配列からなる重鎖及び配列番号16においてアミノ酸番号21乃至233に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖からなる抗体を公知の方法によって製造し、得られたヒト化抗B7−H3抗体をM30−H1−L4抗体(又は単に「M30−H1−L4」と記載)とした。
【0219】
参考例2 M30−H1−L4P抗体
上記で得られたM30−H1−L4抗体に結合している糖鎖修飾を公知の方法によって脱フコース化して調節し、得られた糖鎖修飾が調節されている抗体をM30−H1−L4P抗体(又は単に「M30−H1−L4P」と記載)とした。
【0220】
参考例3 抗CD30抗体
抗CD30抗体は特表2005−506035を参照して作製した。その配列を配列番号27、28に示した。
【0221】
参考例4 抗CD33抗体
抗CD33抗体は特開平8−48637号を参照して作製した。その配列を配列番号29,30示した。
【0222】
参考例5 抗CD70抗体
抗CD70抗体は特表2008−538292を参照して作製した。その配列を配列番号31,32に示した。
【0223】
実施例1 4−アミノ−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]ブタンアミド
【0224】
【化70】
【0225】
工程1:tert−ブチル(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)カーバメート
4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(0.237g、1.13mmoL)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.130g、1.13mmoL)及び、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.216g、1.13mmoL)を加え1時間撹拌した。その反応溶液を化合物(4)のメシル酸塩(0.500g、0.94mmoL)及び、トリエチルアミン(0.157mL、1.13mmoL)を加えたN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10mL)に滴下し、室温にて一日間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノ−ル=8:2(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.595g、定量的)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2Hz),1.31(9H,s),1.58(1H,t,J=7.2Hz),1.66(2H,t,J=7.2Hz),1.82−1.89(2H,m),2.12−2.21(3H,m),2.39(3H,s),2.92(2H,t,J=6.5Hz),3.17(2H,s),5.16(1H,d,J=18.8Hz),5.24(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H,s),5.59−5.55(1H,m),6.53(1H,s),6.78(1H,t,J=6.3Hz),7.30(1H,s),7.79(1H,d,J=11.0Hz),8.40(1H,d,J=8.6Hz).
MS(APCI)m/z:621(M+H)
+
【0226】
工程2:4−アミノ−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]ブタンアミド
上記工程1で得た化合物(0.388g、0.61mmoL)をジクロロメタン(9mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(9mL)を加え4時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(0.343g、定量的)を得た。抗体−薬物コンジュゲート(13)、(14)を担癌マウスに投与した際に、この化合物が腫瘍中で確認された。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2Hz),1.79−1.92(4H,m),2.10−2.17(2H,m),2.27(2H,t,J=7.0Hz),2.40(3H,s),2.80−2.86(2H,m),3.15−3.20(2H,m),5.15(1H,d,J=18.8Hz),5.26(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H,s),5.54−5.61(1H,m),6.55(1H,s),7.32(1H,s),7.72(3H,brs),7.82(1H,d,J=11.0Hz),8.54(1H,d,J=8.6Hz).
MS(APCI)m/z:521(M+H)
+
【0227】
実施例2 抗体−薬物コンジュゲート(1)
【0228】
【化71】
【0229】
工程1:N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシン(0.081g、0.19mmoL)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.021g、0.19mmoL)及び、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.036g、0.19mmoL)を加え3.5時間撹拌した。その反応溶液を実施例1の化合物(0.080g、0.15mmoL)を加えたN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1.5mL)に滴下し、室温にて4時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノ−ル=8:2(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.106g、73%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4Hz),1.36(9H,s),1.71(2H,m),1.86(2H,t,J=7.8Hz),2.15−2.19(4H,m),2.40(3H,s),2.77(1H,dd,J=12.7,8.8Hz),3.02(1H,dd,J=14.1,4.7Hz),3.08−3.11(2H,m),3.16−3.19(2H,m),3.54(2H,d,J=5.9Hz),3.57−3.77(4H,m),4.46−4.48(1H,m),5.16(1H,d,J=19.2Hz),5.25(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H,s),5.55−5.60(1H,m),6.53(1H,s),7.00(1H,t,J=6.3Hz),7.17−7.26(5H,m),7.31(1H,s),7.71(1H,t,J=5.7Hz),7.80(1H,d,J=11.0Hz),7.92(1H,t,J=5.7Hz),8.15(1H,d,J=8.2Hz),8.27(1H,t,J=5.5Hz),8.46(1H,d,J=8.2Hz).
MS(APCI)m/z:939(M+H)
+
【0230】
工程2:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミドトリフルオロ酢酸塩
上記工程1で得た化合物(1.97g、2.10mmoL)をジクロロメタン(7mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(7mL)を加え1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、トルエンを加えて共沸し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(1.97g、99%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.87(3H,t,J=7.4Hz),1.71−1.73(2H,m),1.82−1.90(2H,m),2.12−2.20(4H,m),2.40(3H,s),2.75(1H,dd,J=13.7,9.4Hz),3.03−3.09(3H,m),3.18−3.19(2H,m),3.58−3.60(2H,m),3.64(1H,d,J=5.9Hz),3.69(1H,d,J=5.9Hz),3.72(1H,d,J=5.5Hz),3.87(1H,dd,J=16.8,5.9Hz),4.50−4.56(1H,m),5.16(1H,d,J=19.2Hz),5.25(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H,s),5.55−5.60(1H,m),7.17−7.27(5H,m),7.32(1H,s),7.78−7.81(2H,m),7.95−7.97(3H,m),8.33−8.35(2H,m),8.48−8.51(2H,m).
MS(APCI)m/z:839(M+H)
+
【0231】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(337mg,0.353mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.2mL)溶液に、トリエチルアミン(44.3mL,0.318mmoL)、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジル(119.7mg,0.388mmoL)を加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=5:1(v/v)]にて精製し、標記化合物(278.0mg,76%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.3Hz),1.12−1.22(2H,m),1.40−1.51(4H,m),1.66−1.76(2H,m),1.80−1.91(2H,m),2.05−2.21(6H,m),2.39(3H,s),2.79(1H,dd,J=14.0,9.8Hz),2.98−3.21(5H,m),3.55−3.77(8H,m),4.41−4.48(1H,m),5.15(1H,d,J=18.9Hz),5.24(1H,d,J=18.9Hz),5.40(1H,d,J=17.1Hz),5.44(1H,d,J=17.1Hz),5.54−5.60(1H,m),6.53(1H,s),6.99(2H,s),7.20−7.27(5H,m),7.30(1H,s),7.70(1H,t,J=5.5Hz),7.80(1H,d,J=11.0Hz),8.03(1H,t,J=5.8Hz),8.08(1H,t,J=5.5Hz),8.14(1H,d,J=7.9Hz),8.25(1H,t,J=6.1Hz),8.46(1H,d,J=8.5Hz).
MS(APCI)m/z:1032(M+H)
+
【0232】
工程4:抗体−薬物コンジュゲート(1)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作C−1及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.025mL;抗体一分子に対して3.0当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、ジメチルスルホキシド(Sigma−Aldrich Co.LLC;0.109mL)と上記工程3で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.039mL;抗体一分子に対して4.6当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下40分間撹拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.008mL)を加え、さらに室温下20分間撹拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:13.02mg/mL,抗体収量:9.1mg(73%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.4
【0233】
実施例3 抗体−薬物コンジュゲート(2)
【0234】
【化72】
【0235】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(2)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(4.0mL)を15mLチューブに採取し、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.118mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.200mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例2の工程3で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.236mL;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.00471mL)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を17.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.80mg/mL,抗体収量:26.1mg(65%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):5.9
【0236】
実施例4 抗体−薬物コンジュゲート(3)
【0237】
【化73】
【0238】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(3)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作C−1及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液0.051mL(抗体一分子に対して6.0当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、ジメチルスルホキシド(Sigma−Aldrich Co.LLC;0.067mL)と実施例2の工程3で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.085mL;抗体一分子に対して10.0当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下60分間撹拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.013mL)を加え、さらに室温下20分間撹拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.67mg/mL,抗体収量:10.02mg(80%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.3
【0239】
実施例5 抗体−薬物コンジュゲート(4)
【0240】
【化74】
【0241】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(4)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作C−1及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.051mL;抗体一分子に対して6.0当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、ジメチルスルホキシド(Sigma−Aldrich Co.LLC;0.025mL)と実施例2の工程3で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.127mL;抗体一分子に対して15.0当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下60分間撹拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.019mL)を加え、さらに室温下20分間撹拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.19mg/mL,抗体収量:7.14mg(57%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.5
【0242】
実施例6 抗体−薬物コンジュゲート(5)
【0243】
【化75】
【0244】
実施例4と実施例5の抗体−薬物コンジュゲートのほぼ全量を混合し、共通操作Aを使用して溶液を濃縮し、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:15.37mg,抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.7
【0245】
実施例7 抗体−薬物コンジュゲート(6)
【0246】
【化76】
【0247】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(6)
抗体の還元:参考例3にて作製した抗CD30抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.75を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブに採取し、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液0.0297mL(抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例2の工程3で得た化合物10mMジメチルスルホキシド溶液(0.0593mL;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0119mL;抗体一分子に対して18.4当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=270400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.99mg/mL,抗体収量:5.94mg(59%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.3
【0248】
実施例8 抗体−薬物コンジュゲート(7)
【0249】
【化77】
【0250】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(7)
抗体の還元:参考例3にて作製した抗CD30抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.75を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブに採取し、30mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0148mL;抗体一分子に対して6.9当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例2の工程3で得た化合物30mMジメチルスルホキシド溶液(0.0297mL;抗体一分子に対して13.8当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0178mL;抗体一分子に対して27.6当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=270400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.99mg/mL,抗体収量:5.94mg(59%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.8
【0251】
実施例9 抗体−薬物コンジュゲート(8)
【0252】
【化78】
【0253】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(8)
抗体の還元:参考例4にて作製した抗CD33抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.66を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブに採取し、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0297mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例2の工程3で得た化合物10mMジメチルスルホキシド溶液(0.0593mL;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0119mL;抗体一分子に対して18.4当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=256400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.06mg/mL,抗体収量:6.36mg(64%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.4
【0254】
実施例10 抗体−薬物コンジュゲート(9)
【0255】
【化79】
【0256】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(9)
抗体の還元:参考例4にて作製した抗CD33抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.66を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブに採取し、30mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0148mL;抗体一分子に対して6.9当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例2の工程3で得た化合物30mMジメチルスルホキシド溶液(0.0297mL;抗体一分子に対して13.8当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0178mL;抗体一分子に対して27.6当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=256400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.95mg/mL,抗体収量:5.70mg(57%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.7
【0257】
実施例11 抗体−薬物コンジュゲート(10)
【0258】
【化80】
【0259】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(10)
抗体の還元:参考例5にて作製した抗CD70抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.69を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブに採取し、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0297mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例2の工程3で得た化合物10mMジメチルスルホキシド溶液(0.0593mL;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0119mL;抗体一分子に対して18.4当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=262400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.00mg/mL,抗体収量:6.00mg(60%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.2
【0260】
実施例12 抗体−薬物コンジュゲート(11)
【0261】
【化81】
【0262】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(11)
抗体の還元:参考例5にて作製した抗CD70抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.69を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブに採取し、30mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0148mL;抗体一分子に対して6.9当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例2の工程3で得た化合物30mMジメチルスルホキシド溶液(0.0297mL;抗体一分子に対して13.8当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0178mL;抗体一分子に対して27.6当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=262400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.96mg/mL,抗体収量:5.76mg(58%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.6
【0263】
実施例13 抗体−薬物コンジュゲート(12)
【0264】
【化82】
【0265】
工程1:N−[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
実施例2の工程2で得た化合物(80mg,0.084mmoL)を、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに3−マレイミドプロピオン酸N−スクシンイミジル(24.6mg,0.0924mmoL)を用いて、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(60.0mg,73%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz),1.70−1.78(2H,m),1.81−1.94(2H,m),2.12−2.23(4H,m),2.42(3H,s),2.81(1H,dd,J=13.7,9.8Hz),3.01−3.15(3H,m),3.16−3.23(2H,m),3.30−3.35(1H,m),3.58−3.71(6H,m),3.71−3.79(1H,m),4.44−4.51(1H,m),5.19(1H,d,J=19.0Hz),5.27(1H,d,J=19.0Hz),5.43(1H,d,J=17.6Hz),5.47(1H,d,J=17.6Hz),5.57−5.63(1H,m),6.56(1H,s),7.02(2H,s),7.17−7.22(1H,m),7.22−7.30(5H,m),7.34(1H,s),7.73(1H,t,J=5.6Hz),7.83(1H,d,J=10.7Hz),8.08(1H,t,J=5.6Hz),8.15(1H,d,J=7.8Hz),8.30(2H,dt,J=18.7,5.7Hz),8.49(1H,d,J=8.8Hz).
MS(APCI)m/z:990(M+H)
+
【0266】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(12)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例2の工程4と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:12.16mg/mL,抗体収量:8.5mg(68%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.4
【0267】
実施例14 抗体−薬物コンジュゲート(13)
【0268】
【化83】
【0269】
工程1:N−{3−[2−(2−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノイル}グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
実施例2の工程2で得た化合物(100mg,0.119mmoL)を、トリエチルアミンの代わりにジイソプロピルエチルアミン(20.8μL,0.119mmoL)を、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに3−(2−(2−(3−マレインイミドプロパンアミド)エトキシ)エトキシ)プロパン酸N−スクシンイミジル(50.7mg,0.119mmoL)を用いて、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(66.5mg,48%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.85(3H,t,J=7.4Hz),1.65−1.74(2H,m),1.77−1.90(2H,m),2.07−2.19(4H,m),2.30(2H,t,J=7.2Hz),2.33−2.36(2H,m),2.38(3H,s),2.76(1H,dd,J=13.7,9.8Hz),2.96−3.18(9H,m),3.42−3.44(4H,m),3.53−3.76(10H,m),4.43(1H,td,J=8.6,4.7Hz),5.14(1H,d,J=18.8Hz),5.23(1H,d,J=18.8Hz),5.38(1H,d,J=17.2Hz),5.42(1H,d,J=17.2Hz),5.52−5.58(1H,m),6.52(1H,s),6.98(2H,s),7.12−7.17(1H,m),7.18−7.25(4H,m),7.29(1H,s),7.69(1H,t,J=5.5Hz),7.78(1H,d,J=11.3Hz),7.98−8.03(2H,m),8.11(1H,d,J=7.8Hz),8.16(1H,t,J=5.7Hz),8.23(1H,t,J=5.9Hz),8.44(1H,d,J=9.0Hz).
MS(APCI)m/z:1149(M+H)
+
【0270】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(13)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例2の工程4と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:12.76mg/mL,抗体収量:8.9mg(71%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.4
【0271】
実施例15 抗体−薬物コンジュゲート(14)
【0272】
【化84】
【0273】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(14)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び実施例14の工程1で得た化合物を用いて、実施例4の工程1と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.60mg/mL,抗体収量:9.60mg(77%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.1
【0274】
実施例16 抗体−薬物コンジュゲート(15)
【0275】
【化85】
【0276】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(15)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び実施例14の工程1で得た化合物を用いて、実施例5の工程1と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.64mg/mL,抗体収量:9.84mg(79%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.1
【0277】
実施例17 抗体−薬物コンジュゲート(16)
【0278】
【化86】
【0279】
実施例15と実施例16の抗体−薬物コンジュゲートのほぼ全量を混合し、共通操作Aを使用して溶液を濃縮し、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:17.30mg,抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.5
【0280】
実施例18 抗体−薬物コンジュゲート(17)
【0281】
【化87】
【0282】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(17)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(100mL、抗体1g)を250mLフラスコに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(2.43mL;抗体一分子に対して3.6当量)を加え、さらに1M リン酸水素二カリウム水溶液(5mL)を加えた。本溶液のpHが7.4付近であることをpHメーターで確認した後、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(3.51mL;抗体一分子に対して5.2当量)及びジメチルスルホキシド(2.14mL)を室温下加え、15℃水浴中で攪拌子で130分攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.547mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液に対して、限外ろ過膜(メルク株式会社、Pellicon XL Cassette、Biomax 50KDa)、チューブポンプ(米国コールパーマー社マスターフレックスポンプ model 77521−40、ポンプヘッド model 7518−00)及びチューブ(米国コールパーマー社マスターフレックスチューブ L/S16)で構成された限外ろ過装置を用い、限外ろ過精製を行った。すなわち、反応液に精製緩衝液としてABSを滴下しながら(計800mL)、限外ろ過精製を行うことで、未結合の薬物リンカー及び他の低分子量試薬を除去するとともに緩衝液をABSへ置換し、さらに濃縮まで行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を約70mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:14.5mg/mL,抗体収量:1.0g(約100%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.5
【0283】
実施例19 抗体−薬物コンジュゲート(18)
【0284】
【化88】
【0285】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(18)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(5mL、抗体50mg)を15mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.135mL;抗体一分子に対して4当量)を加えた。本溶液のpHが7.4付近であることをpHメーターで確認した後、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.219mL;抗体一分子に対して6.5当量)及びジメチルスルホキシド(0.064mL)を加え、15℃水浴中で90分インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.033mL;抗体一分子に対して9.8当量)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を19mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:2.17mg/mL,抗体収量:41mg(82%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):5.0
【0286】
実施例20 抗体−薬物コンジュゲート(19)
【0287】
【化89】
【0288】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(19)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(4mL、抗体40mg)を15mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.140mL;抗体一分子に対して5.2当量)を加えた。本溶液のpHが7.4付近であることをpHメーターで確認した後、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.232mL;抗体一分子に対して8.6当量)を加え、15℃水浴中で90分インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.035mL;抗体一分子に対して12.9当量)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を13mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:2.36mg/mL,抗体収量:31mg(77%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):5.9
【0289】
実施例21 抗体−薬物コンジュゲート(20)
【0290】
【化90】
【0291】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(20)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.25mL、抗体12.5mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0287mL;抗体一分子に対して3.4当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0439mL;抗体一分子に対して5.2当量)及びジメチルスルホキシド(0.0267mL)を室温下加え、15℃の水浴中で1時間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0066mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:8.7mg(70%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.5
【0292】
実施例22 抗体−薬物コンジュゲート(21)
【0293】
【化91】
【0294】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(21)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.25mL、抗体12.5mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0439mL;抗体一分子に対して5.2当量)(0.0287mL;抗体一分子に対して3.4当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0726mL;抗体一分子に対して8.6当量)を室温下加え、15℃の水浴中で1時間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.011mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:8.3mg(66%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):5.5
【0295】
実施例23 抗体−薬物コンジュゲート(22)
【0296】
【化92】
【0297】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(22)
抗体の還元:参考例3にて作製した抗CD30抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.75mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0065mL;抗体一分子に対して2.5当量)を加え、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0116mL;抗体一分子に対して4.5当量)及びジメチルスルホキシド(0.0098mL)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0017mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=270400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.86mg/mL,抗体収量:2.2mg(54%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):2.5
【0298】
実施例24 抗体−薬物コンジュゲート(23)
【0299】
【化93】
【0300】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(23)
抗体の還元:参考例3にて作製した抗CD30抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.75mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.35mL、抗体3.5mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0113mL;抗体一分子に対して5当量)を加え、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0204mL;抗体一分子に対して9当量)及びプロピレングリコール(関東化学株式会社、0.18mL)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0031mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=270400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.41mg/mL,抗体収量:1.0mg(29%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.1
【0301】
実施例25 抗体−薬物コンジュゲート(24)
【0302】
【化94】
【0303】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(24)
抗体の還元:参考例4にて作製した抗CD33抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.66mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0065mL;抗体一分子に対して2.5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0058mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0116mL;抗体一分子に対して4.5当量)及びジメチルスルホキシド(0.0101mL)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0017mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=256400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.25mg/mL,抗体収量:3.1mg(78%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.7
【0304】
実施例26 抗体−薬物コンジュゲート(25)
【0305】
【化95】
【0306】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(25)
抗体の還元:参考例4にて作製した抗CD33抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.66mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0129mL;抗体一分子に対して5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.006mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0233mL;抗体一分子に対して9当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0035mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=256400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.17mg/mL,抗体収量:2.9mg(73%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.3
【0307】
実施例27 抗体−薬物コンジュゲート(26)
【0308】
【化96】
【0309】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(26)
抗体の還元:参考例5にて作製した抗CD70抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.69mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0065mL;抗体一分子に対して2.5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0058mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0116mL;抗体一分子に対して4.5当量)及びジメチルスルホキシド(0.0101mL)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0017mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=262400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.14mg/mL,抗体収量:2.9mg(71%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.8
【0310】
実施例28 抗体−薬物コンジュゲート(27)
【0311】
【化97】
【0312】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(27)
抗体の還元:参考例5にて作製した抗CD70抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.69mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0129mL;抗体一分子に対して5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.006mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例14の工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0233mL;抗体一分子に対して9当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0035mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=262400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=4964(実測値)
、ε
D,370=18982(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.13mg/mL,抗体収量:2.8mg(71%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.4
【0313】
実施例29 抗体−薬物コンジュゲート(28)
【0314】
【化98】
【0315】
工程1:N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキソ−16−アザノナデカン−1−オイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
実施例2の工程2で得た化合物(90mg,0.107mmoL)を、トリエチルアミンの代わりにジイソプロピルエチルアミン(18.7μL,0.107mmoL)を、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに1−マレインイミド−3−オキソ−7,10,13,16−テトラオキサ−4−アザノナデカン−19−酸N−スクシンイミジル(55.1mg,0.107mmoL)を用いて、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(50mg,37%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.85(3H,t,J=7.2Hz),1.64−1.74(2H,m),1.77−1.90(2H,m),2.06−2.19(4H,m),2.27−2.32(2H,m),2.33−2.37(2H,m),2.38(3H,s),2.72−2.80(3H,m),2.96−3.19(6H,m),3.39−3.48(10H,m),3.52−3.75(10H,m),4.39−4.48(1H,m),5.14(1H,d,J=18.8Hz),5.23(1H,d,J=18.8Hz),5.38(1H,d,J=17.0Hz),5.42(1H,d,J=17.0Hz),5.52−5.58(1H,m),6.52(1H,s),6.98(1H,s),7.13−7.24(5H,m),7.29(1H,s),7.69(1H,t,J=5.5Hz),7.78(1H,d,J=10.9Hz),7.98−8.03(2H,m),8.10(1H,d,J=7.8Hz),8.16(1H,t,J=5.7Hz),8.23(1H,t,J=5.7Hz),8.44(1H,d,J=8.6Hz).
MS(APCI)m/z:1237(M+H)
+
【0316】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(28)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作C−1及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.025mL;抗体一分子に対して3.0当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、ジメチルスルホキシド(Sigma−Aldrich Co.LLC;0.102mL)と上記工程1で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.047mL;抗体一分子に対して5.5当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下40分間撹拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.009)mLを加え、さらに室温下20分間撹拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:13.60mg/mL,抗体収量:9.5mg(76%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.3
【0317】
実施例30 抗体−薬物コンジュゲート(29)
【0318】
【化99】
【0319】
工程1:N−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニルグリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
実施例2の工程2で得た化合物(0.839g,1.00mmoL)を、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸の代わりにN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニンを用いて実施例1の工程1と同様に反応させ、得られた粗生成物を精製せずに次の工程に用いた。
【0320】
工程2:β−アラニルグリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
上記工程1で得た粗生成物を、実施例2の工程2と同様に反応させ、標記化合物(0.610g,67%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4Hz),1.67−1.77(2H,m),1.79−1.92(2H,m),2.09−2.22(4H,m),2.40(3H,s),2.46−2.55(2H,m),2.82−2.73(1H,m),2.95−3.13(5H,m),3.14−3.21(2H,m),3.55−3.80(6H,m),4.44−4.52(1H,m),5.20(2H,dd,J=35.0,19.0Hz),5.42(2H,s),5.53−5.60(1H,m),6.54(1H,s),7.14−7.28(5H,m),7.31(1H,s),7.67(2H,brs),7.72−7.78(1H,m),7.80(1H,d,J=11.0Hz),8.10−8.17(2H,m),8.29(1H,t,J=5.9Hz),8.42(1H,t,J=5.7Hz),8.47(1H,d,J=8.6Hz).
【0321】
工程3:N−(ブロモアセチル)−β−アラニルグリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
2−ブロモ酢酸(96.3mg,0.693mmoL)のジクロロメタン(4.5mL)溶液へ、N−ヒドロキシスクシンイミド(79.7mg,0.693mmoL)、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(0.107mL,0.693mmoL)を加え室温で撹拌した。反応溶液を、上記工程2で得た化合物(473mg,0.462mmoL)、トリエチルアミン(0.154mL,1.11mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(4.5mL)溶液へ0℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶出溶媒:クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=85:15(v/v)]にて精製し、得られた固体をクロロホルム:メタノール:ジエチルエーテル混合溶媒にて洗浄することで、標記化合物(191mg,40%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4Hz),1.67−1.77(2H,m),1.79−1.92(2H,m),2.08−2.22(4H,m),2.33(2H,t,J=7.0Hz),2.40(3H,s),2.74−2.83(1H,m),2.99−3.12(3H,m),3.14−3.21(2H,m),3.24−3.30(2H,m),3.56−3.77(6H,m),3.82(2H,s),4.41−4.51(1H,m),5.20(2H,q,J=18.9Hz),5.42(2H,s),5.54−5.60(1H,m),6.54(1H,s),7.15−7.27(5H,m),7.31(1H,s),7.69−7.74(1H,m),7.80(1H,d,J=10.9Hz),8.06(1H,t,J=5.7Hz),8.13(1H,d,J=7.8Hz),8.21−8.34(3H,m),8.46(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:1030,1032(M+H)
+
【0322】
工程4:抗体−薬物コンジュゲート(29)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作C−1及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.025mL;抗体一分子に対して3.0当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、ジメチルスルホキシド(Sigma−Aldrich Co.LLC;0.09mL)と上記工程3で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.059mL;抗体一分子に対して7.0当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下40分間撹拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.009mL)を加え、さらに室温下20分間撹拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:13.9mg/mL,抗体収量:9.7mg(78%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.2
【0323】
実施例31 抗体−薬物コンジュゲート(30)
【0324】
【化100】
【0325】
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び実施例30の工程3で得た化合物を用いて、実施例4の工程1と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.94mg/mL,抗体収量:11.64mg(93%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):5.6
【0326】
実施例32 抗体−薬物コンジュゲート(31)
【0327】
【化101】
【0328】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(31)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び実施例30の工程3で得た化合物を用いて、実施例5の工程1と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.90mg/mL,抗体収量:11.40mg(91%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.7
【0329】
実施例33 抗体−薬物コンジュゲート(32)
【0330】
【化102】
【0331】
実施例31と実施例32の抗体−薬物コンジュゲートのほぼ全量を混合し、共通操作Aを使用して溶液を濃縮し、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:21.06mg,抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.0
【0332】
実施例34 抗体−薬物コンジュゲート(33)
【0333】
【化103】
【0334】
工程1:tert−ブチル 4−({N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−N
2−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−リジル}アミノ)ブタノエート
N
ε−(tert−ブトキシカルボニル)−N
α−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−リシン(1.00g,2.14mmoL)、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.370g,3.20mmoL)、及びtert−ブチル4−アミノブタン酸エステル塩酸塩(0.830g,4.27mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(10.0mL)溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.610g,3.20mmoL)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.410ml,2.35mmol)を加え、室温にて3日間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、10%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物(1.35g,定量的)を無色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:1.14−1.42(4H,m),1.36(9H,s),1.37(9H,s),1.48−1.67(4H,m),2.18(2H,t,J=7.6Hz),2.84−2.93(2H,m),2.99−3.11(2H,m),3.84−3.94(1H,m),4.18−4.30(3H,m),6.76(1H,t,J=5.4Hz),7.33(2H,t,J=7.3Hz),7.39−7.45(3H,m),7.73(2H,dd,J=7.3,2.7Hz),7.85−7.92(3H,m).
【0335】
工程2:tert−ブチル 4−{[N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジル]アミノ}ブタノエート
上記工程1で得た化合物(1.35g,2.22mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(8.00mL)溶液に、ピペリジン(2.00mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、標記化合物を含む混合物を得た。本混合物は、これ以上の精製は行わずに次の反応に用いた。
【0336】
工程3:N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−バリル−N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−N−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブチル)−L−リシンアミド
上記工程2で得た混合物(2.22mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(30.0mL)溶液に、N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−バリン(1.13g,3.32mmoL)、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.310g,2.66mmoL)、及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.550g,2.88mmoL)を加え、室温にて18時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=9:1(v/v)]にて精製し、(0.363g,23%)を無色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.84(6H,t,J=6.0Hz),1.12−1.64(8H,m),1.34(9H,s),1.38(9H,s),1.90−2.04(1H,m),2.17(2H,t,J=7.3Hz),2.79−2.90(2H,m),2.99−3.09(2H,m),3.83−3.91(1H,m),4.08−4.44(4H,m),6.71(1H,t,J=5.4Hz),7.32(2H,t,J=7.3Hz),7.42(3H,t,J=7.3Hz),7.74(2H,t,J=7.0Hz),7.85−7.91(4H,m).
MS(ESI)m/z:709(M+H)
+
【0337】
工程4:N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−バリル−N−(3−カルボキシプロピル)−L−リシンアミドギ酸塩
上記工程3で得た化合物(0.363mg,0.512mmoL)にギ酸(10.0ml)を加え、室温で4時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物を得た。本化合物は、これ以上の精製は行わずに次の反応に用いた。
【0338】
工程5:N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−バリル−N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−N−(3−カルボキシプロピル)−L−リシンアミド
上記工程4で得た化合物(0.512mmoL)の1,4−ジオキサン(5.00mL)懸濁液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20.0ml)及びジ−tert−ブチルジカルボネート(0.178ml,0.769mmoL)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、10%クエン酸水溶液及び飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物(0.295g,88%)を無色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.84(6H,t,J=6.7Hz),1.13−1.39(4H,m),1.35(9H,s),1.48−1.62(4H,m),1.91−2.04(1H,m),2.20(2H,t,J=7.3Hz),2.80−2.89(2H,m),2.99−3.11(2H,m),3.87(1H,dd,J=8.5,6.7Hz),4.06−4.35(4H,m),6.71(1H,t,J=6.0Hz),7.32(2H,t,J=7.6Hz),7.39−7.46(3H,m),7.74(2H,t,J=7.6Hz),7.83−7.94(4H,m).
MS(ESI)m/z:653(M+H)
+
【0339】
工程6:N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−バリル−N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)−L−リシンアミド
化合物(4)のメシル酸塩(0.240g、0.452mmoL)を、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸の代わりに上記工程5で得た化合物(0.295g,0.452mmoL)を用いて、実施例1の工程1と同様に反応させ、標記化合物(0.208g,43%)を淡橙色固体として得た。
MS(ESI)m/z:1071(M+H)
+
【0340】
工程7:L−バリル−N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)−L−リシンアミド
上記工程6で得た化合物(0.208g,0.194mmoL)を、上記工程2と同様に反応させ、標記化合物を含む混合物を得た。本混合物は、これ以上の精製は行わずに次の反応に用いた。
【0341】
工程8:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N
6−(tert−ブトキシカルボニル)−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)−L−リシンアミド
上記工程7で得た混合物(0.194mmoL)を、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(0.133g,56%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.77(6H,t,J=5.7Hz),0.87(3H,t,J=7.3Hz),1.14−1.71(10H,m),1.35(9H,s),1.77−1.95(3H,m),2.02−2.23(7H,m),2.40(3H,s),2.84(3H,q,J=6.4Hz),3.05(2H,d,J=6.7Hz),3.17(2H,s),3.26−3.39(3H,m),4.01−4.16(2H,m),5.15(1H,d,J=18.7Hz),5.24(1H,d,J=18.7Hz),5.36−5.48(2H,m),5.51−5.60(1H,m),6.52(1H,s),6.72(1H,t,J=6.0Hz),6.99(2H,s),7.31(1H,s),7.71−7.85(5H,m),8.41(1H,d,J=9.1Hz).
MS(ESI)m/z:1041(M+H)
+
【0342】
工程9:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)−L−リシンアミドトリフルオロ酢酸塩
上記工程8で得た化合物(0.110mg,0.106mmoL)のジクロロメタン(10.0ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(4.00ml)を加え、室温で5時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物(70.0mg,64%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.76−0.81(6H,m),0.87(3H,t,J=7.3Hz),1.12−1.31(4H,m),1.39−1.56(8H,m),1.57−1.74(3H,m),1.79−1.96(3H,m),2.06−2.18(7H,m),2.40(3H,s),2.70−2.80(2H,m),3.01−3.10(2H,m),3.13−3.22(2H,m),4.04(1H,t,J=7.6Hz),4.10−4.20(1H,m),5.15(1H,d,J=18.7Hz),5.24(1H,d,J=18.7Hz),5.36−5.47(2H,m),5.52−5.60(1H,m),6.53(1H,s),7.00(2H,s),7.32(1H,s),7.61(3H,brs),7.75−7.88(4H,m),8.43(1H,d,J=8.5Hz).
MS(ESI)m/z:941(M+H)
+
【0343】
工程10:抗体−薬物コンジュゲート(33)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び上記工程9で得た化合物を用いて、実施例29の工程2と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:12.0mg/mL,抗体収量:8.4mg(67%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.2
【0344】
実施例35 抗体−薬物コンジュゲート(34)
【0345】
【化104】
【0346】
工程1:N−(3−スルファニルプロパノイル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
実施例2の工程2で得た化合物(84.0mg,0.100mmoL)を、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに3−メルカプトプロピオン酸N−スクシンイミジルを用いて実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(61.2mg,66%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−D
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4Hz),1.77−1.66(2H,m),1.79−1.92(2H,m),2.07−2.24(4H,m),2.31−2.47(3H,m),2.40(3H,s),2.59−2.69(2H,m),2.78(1H,dd,J=13.7,9.8Hz),2.98−3.13(3H,m),3.14−3.23(2H,m),3.54−3.79(6H,m),4.40−4.50(1H,m),5.20(2H,dd,J=36.8,19.2Hz),5.36−5.47(2H,m),5.52−5.63(1H,m),6.54(1H,s),7.14−7.28(5H,m),7.31(1H,s),7.68−7.74(1H,m),7.80(1H,d,J=10.9Hz),8.03−8.09(1H,m),8.13(1H,d,J=7.8Hz),8.19−8.29(2H,m),8.46(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:927(M+H)
+
【0347】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(34)
抗体のSMCC誘導体化:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、共通操作C−2及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.5/EDTAに置換し、20mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(0.25mL)を1.5mLチューブに入れ、ここにsuccinimidyl−4−(N−maleimidomethyl)cyclohexane−1−carboxylate(SMCC, Thermo Fisher Scientific Inc.)を27.6mM含むDMSO溶液(0.0063mL;抗体一分子に対して約2.55当量相当)を室温下加え、室温で2時間反応させた。この反応液を共通操作D−2を用いた精製を行い、SMCC誘導体化された抗体を約5mg含む溶液を0.7mL得た。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(0.045mL)と上記工程1で得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.015mL;抗体一分子に対して約2.4当量相当)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103, アズワン株式会社)を用いて室温下16時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を3.5mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:3.85mg/mL,抗体収量:0.8mg(16%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):2.9
【0348】
実施例36 抗体−薬物コンジュゲート(35)
【0349】
【化105】
【0350】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(35)
抗体のSMCC誘導体化:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、共通操作C−2及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.5/EDTAに置換し、20mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(0.25mL)を1.5mLチューブに入れ、ここにsuccinimidyl−4−(N−maleimidomethyl)cyclohexane−1−carboxylate(SMCC,Thermo Fisher Scientific Inc.)を27.6mM含むDMSO溶液(0.0125mL;抗体一分子に対して約5.1当量相当)を室温下加え、室温で2時間反応させた。この反応液を共通操作D−2を用いた精製を行い、SMCC誘導体化された抗体を約5mg含む溶液を0.7mL得た。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(0.03mL)と実施例35の工程1で得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.03mL;抗体一分子に対して約4.8当量相当)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下16時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を3.5mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:2.43mg/mL,抗体収量:0.5mg(10%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):4.2
【0351】
実施例37 抗体−薬物コンジュゲート(36)
【0352】
【化106】
【0353】
工程1:N−{8−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−8−オキソオクタノイル}グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
実施例2の工程2で得た化合物(84.0mg,0.100mmoL)を、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりにスベリン酸ジ(N−スクシンイミジル)を用いて実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(77.1mg,71%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−D
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2Hz),1.21−1.38(4H,m),1.43−1.50(2H,m),1.55−1.63(2H,m),1.68−1.76(2H,m),1.80−1.91(2H,m),2.07−2.22(6H,m),2.40(3H,s),2.60−2.67(2H,m),2.76−2.84(5H,m),2.97−3.22(5H,m),3.56−3.76(6H,m),4.40−4.50(1H,m),5.20(2H,q,J=18.8Hz),5.37−5.48(2H,m),5.53−5.62(1H,m),6.54(1H,s),7.15−7.28(5H,m),7.31(1H,s),7.71(1H,t,J=5.5Hz),7.80(1H,d,J=10.9Hz),8.04(1H,t,J=5.9Hz),8.09(1H,t,J=5.9Hz),8.14(1H,d,J=7.8Hz),8.26(1H,t,J=5.9Hz),8.47(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:1092(M+H)
+
【0354】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(36)
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、共通操作C−2及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.5/EDTAに置換し、20mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(0.25mL)を1.5mLチューブに入れ、ここに、上記工程1にて得た化合物を10mM含むDMSO溶液0.025mL(抗体一分子に対して約3.7当量相当)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下16時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を3.5mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:6.25mg/mL,抗体収量:1.3mg(26%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.2
【0355】
実施例38 抗体−薬物コンジュゲート(37)
【0356】
【化107】
【0357】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(37)
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、共通操作C−2及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.5/EDTAに置換し、20mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(0.5mL)を1.5mLチューブに入れたのち、ここに、DMSO(0.025mL)と実施例37の工程1にて得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.025mL;抗体一分子に対して約7.4当量相当)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下16時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を3.5mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:4.36mg/mL, 抗体収量:0.9mg(18%), 抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):4.1
【0358】
実施例39 抗体−薬物コンジュゲート(38)
【0359】
【化108】
【0360】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(38)
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:参考例3にて作製した抗CD30抗体を、共通操作C−2及びB(280nm吸光係数として1.75mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.5/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れたのち、ここに、DMSO(0.017mL)と実施例37の工程1にて得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.023mL;抗体一分子に対して9当量相当)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下4時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=270400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=2670(実測値)
、ε
D,370=15820(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.55mg/mL, 抗体収量:1.4mg(34%), 抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):2.7
【0361】
実施例40 抗体−薬物コンジュゲート(39)
【0362】
【化109】
【0363】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(39)
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:参考例4にて作製した抗CD33抗体を、共通操作C−2及びB(280nm吸光係数として1.66mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.5/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れたのち、ここに、DMSO(0.017mL)と実施例37の工程1にて得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.023mL;抗体一分子に対して9当量相当)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下4時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=256400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=2670(実測値)
、ε
D,370=15820(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.93mg/mL, 抗体収量:2.3mg(58%), 抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):4.0
【0364】
実施例41 抗体−薬物コンジュゲート(40)
【0365】
【化110】
【0366】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(40)
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:参考例5にて作製した抗CD70抗体を、共通操作C−2及びB(280nm吸光係数として1.69mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.5/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れたのち、ここに、DMSO(0.017mL)と実施例37の工程1にて得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.023mL;抗体一分子に対して9当量相当)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下4時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=262400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=2670(実測値)
、ε
D,370=15820(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.04mg/mL, 抗体収量:2.6mg(65%), 抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):4.1
【0367】
実施例42 2−(2−アミノエトキシ)−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アセトアミド
【0368】
【化111】
【0369】
工程1:tert−ブチル[2−(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)エチル]カーバメート
化合物(4)のメシル酸塩(3.10g、5.47moL)を、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸の代わりに{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エトキシ}酢酸(J.Med.Chem.,1992年,35巻,2928項)(1.55g,6.01mmol)を用いて、実施例1の工程1と同様に反応させ、標記化合物(2.56g,73%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.3Hz),1.26(9H,s),1.81−1.91(2H,m),2.13−2.22(2H,m),2.40(3H,s),3.08−3.26(4H,m),3.43−3.53(2H,m),4.00(1H,d,J=15.1Hz),4.05(1H,d,J=15.1Hz),5.14(1H,d,J=18.7Hz),5.22(1H,d,J=18.7Hz),5.40(1H,d,J=16.6Hz),5.44(1H,d,J=16.6Hz),5.59−5.66(1H,m),6.53(1H,s),6.86(1H,t,J=5.4Hz),7.31(1H,s),7.79(1H,d,J=10.9Hz),8.49(1H,d,J=9.1Hz).
MS(APCI)m/z:637(M+H)
+
【0370】
工程2:2−(2−アミノエトキシ)−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アセトアミド
上記工程1で得た化合物(1.50g,2.36mol)を、実施例1の工程2と同様に反応させ、標記化合物のトリフルオロ塩酸塩(1.50g,定量的)を淡黄色固体として得た。抗体−薬物コンジュゲート(41)を担癌マウスに投与した際に、この化合物が腫瘍中で確認された。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.5Hz),1.81−1.92(2H,m),2.15−2.23(2H,m),2.41(3H,s),3.05(2H,t,J=5.1Hz),3.15−3.23(2H,m),3.71(2H,t,J=5.1Hz),4.10(2H,s),5.19(1H,d,J=18.7Hz),5.24(1H,d,J=18.7Hz),5.43(2H,s),5.58−5.66(1H,m),6.55(1H,s),7.33(1H,s),7.73−7.84(4H,m),8.55(1H,d,J=9.1Hz).
MS(APCI)m/z:537(M+H)
+
【0371】
実施例43 抗体−薬物コンジュゲート(41)
【0372】
【化112】
【0373】
工程1:N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[2−(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)エチル]グリシンアミド
実施例42の化合物(554mg,0.85mmol)を、実施例2の工程1と同様に反応させ、標記化合物(775mg,95%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.85(3H,t,J=7.3Hz),1.36(9H,s),1.78−1.89(2H,m),2.13−2.22(2H,m),2.39(3H,s),2.71(1H,dd,J=13.4,9.8Hz),2.95(1H,dd,J=13.4,4.3Hz),3.09−3.23(1H,m),3.23−3.32(2H,m),3.40−3.62(8H,m),3.73(1H,dd,J=16.5,5.5Hz),4.03(2H,s),4.39−4.47(1H,m),5.17(1H,d,J=18.9Hz),5.25(1H,d,J=18.9Hz),5.41(1H,d,J=16.8Hz),5.45(1H,d,J=16.8Hz),5.57−5.64(1H,m),6.54(1H,s),6.99(1H,t,J=5.8Hz),7.13−7.26(5H,m),7.31(1H,s),7.76−7.82(2H,m),7.90(1H,t,J=5.2Hz),8.13(1H,d,J=7.9Hz),8.27(1H,t,J=5.8Hz),8.49(1H,d,J=8.5Hz).
MS(APCI)m/z:955(M+H)
+
【0374】
工程2:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[2−(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)エチル]グリシンアミドトリフルオロ酢酸塩
上記工程1で得た化合物(630mg,0.659mmol)を、実施例2の工程2と同様に反応させ、標記化合物(588mg,92%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.3Hz),1.79−1.90(2H,m),2.13−2.22(2H,m),2.39(3H,s),2.71(1H,dd,J=13.4,10.1Hz),2.99(1H,dd,J=13.4,4.3Hz),3.09−3.23(1H,m),3.24−3.32(3H,m),3.41−3.71(7H,m),3.86(1H,dd,J=16.8,5.8Hz),4.04(2H,s),4.52(1H,td,J=9.0,4.1Hz),5.17(1H,d,J=18.9Hz),5.25(1H,d,J=18.9Hz),5.41(1H,d,J=16.5Hz),5.45(1H,d,J=16.5Hz),5.56−5.65(1H,m),6.55(1H,s),7.13−7.26(5H,m),7.32(1H,s),7.80(1H,d,J=11.0Hz),7.87−8.01(4H,m),8.29−8.36(2H,m),8.46−8.55(2H,m).
MS(APCI)m/z:855(M+H)
+
【0375】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[2−(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)エチル]グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(240mg,0.247mmol)を、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(162mg,62%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.6Hz),1.13−1.22(2H,m),1.40−1.51(4H,m),1.78−1.90(2H,m),2.09(2H,t,J=7.6Hz),2.14−2.21(2H,m),2.39(3H,s),2.74(1H,dd,J=13.6,9.7Hz),2.96(1H,dd,J=13.6,4.5Hz),3.08−3.24(1H,m),3.24−3.30(1H,m),3.33−3.40(4H,m),3.47−3.68(7H,m),3.72(1H,dd,J=16.6,5.7Hz),4.03(2H,s),4.42(1H,td,J=8.6,4.2Hz),5.17(1H,d,J=18.7Hz),5.25(1H,d,J=18.7Hz),5.40(1H,d,J=17.2Hz),5.44(1H,d,J=17.2Hz),5.57−5.64(1H,m),6.52(1H,s),6.99(2H,s),7.13−7.25(5H,m),7.31(1H,s),7.74−7.81(2H,m),7.99(1H,t,J=5.7Hz),8.03−8.11(2H,m),8.22(1H,t,J=5.7Hz),8.47(1H,d,J=9.1Hz).
MS(APCI)m/z:1048(M+H)
+
【0376】
工程4:抗体−薬物コンジュゲート(41)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び上記工程3で得た化合物を用いて、実施例29の工程2と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:12.0mg/mL,抗体収量:8.4mg(67%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.5
【0377】
実施例44 抗体−薬物コンジュゲート(42)
【0378】
【化113】
【0379】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(42)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び実施例43の工程3で得た化合物を用いて、実施例5の工程1と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:0.83mg/mL,抗体収量:4.98mg(40%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.2
【0380】
実施例45 抗体−薬物コンジュゲート(43)
【0381】
【化114】
【0382】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(43)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び実施例43の工程3で得た化合物を用いて、実施例4の工程1と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.06mg/mL,抗体収量:6.36mg(51%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.3
【0383】
実施例46 抗体−薬物コンジュゲート(44)
【0384】
【化115】
【0385】
実施例44と実施例45の抗体−薬物コンジュゲートのほぼ全量を混合し、共通操作Aを使用して溶液を濃縮し、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:10.21mg,抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.6
【0386】
実施例47 抗体−薬物コンジュゲート(45)
【0387】
【化116】
【0388】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(45)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.25mL、抗体12.5mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0287mL;抗体一分子に対して3.4当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例43の工程3で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0439mL;抗体一分子に対して5.2当量)及びジメチルスルホキシド(0.0267mL)を室温下加え、15℃の水浴中で1時間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0066mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5193(実測値)
、ε
D,370=20347(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:9.3mg(74%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.7
【0389】
実施例48 抗体−薬物コンジュゲート(46)
【0390】
【化117】
【0391】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(46)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.25mL、抗体12.5mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0439mL;抗体一分子に対して5.2当量)(0.0287mL;抗体一分子に対して3.4当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例43の工程3で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0726mL;抗体一分子に対して8.6当量)を室温下加え、15℃の水浴中で1時間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.011mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)、ε
D,280=5193(実測値)
、ε
D,370=20347(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:7.8mg(62%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):5.2
【0392】
実施例49 N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミド
【0393】
【化118】
【0394】
工程1:tert−ブチル (3−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−3−オキソプロピル)カーバメート
化合物(4)のメシル酸塩(500mg、0.941mmoL)を、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸の代わりにN−(tert−ブトキシカルボニル)−β−アラニンを用いて、実施例1の工程1と同様に反応させ、標記化合物(616mg、定量的)を黄茶色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2Hz),1.29(9H,s),1.86(2H,dt,J=15.1,7.3Hz),2.04−2.22(2H,m),2.31(2H,t,J=6.8Hz),2.40(3H,s),3.10−3.26(4H,m),5.15(1H,d,J=18.8Hz),5.26(1H,d,J=19.2Hz),5.42(2H,dd,J=18.8,16.4Hz),5.57(1H,dt,J=8.5,4.2Hz),6.53(1H,s),6.78(1H,t,J=5.5Hz),7.30(1H,s),7.80(1H,d,J=11.0Hz),8.46(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:607(M+H)
+
【0395】
工程2:N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミド
上記工程1で得た化合物を、実施例1の工程2と同様に反応させ、標記化合物(499mg、86%)のトリフルオロ酢酸塩を黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2Hz),1.86(2H,dquin,J=14.6,7.2,7.2,7.2,7.2Hz),2.06−2.27(1H,m),2.41(3H,s),2.46−2.57(2H,m),3.08(2H,t,J=6.8Hz),3.14−3.24(2H,m),5.22(1H,d,J=18.8Hz),5.29(1H,d,J=18.8Hz),5.43(2H,s),5.58(1H,dt,J=8.5,4.5Hz),6.55(1H,s),7.32(1H,s),7.74(3H,brs),7.82(1H,d,J=11.0Hz),8.67(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:507(M+H)
+
【0396】
実施例50 抗体−薬物コンジュゲート(47)
【0397】
【化119】
【0398】
工程1:N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミド
実施例49の化合物(484mg、0.780mmoL)を、実施例2の工程1と同様に反応させ、標記化合物(626mg、87%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4Hz),1.27−1.42(9H,m),1.77−1.93(2H,m),2.06−2.22(2H,m),2.36(2H,t,J=7.2Hz),2.40(3H,d,J=1.6Hz),2.44−2.54(2H,m),2.76(1H,dd,J=14.5,10.2Hz),3.02(1H,dd,J=13.9,4.5Hz),3.12−3.22(2H,m),3.52(6H,d,J=6.3Hz),4.42−4.54(1H,m),5.19(1H,d,J=19.2Hz),5.26(1H,d,J=18.4Hz),5.42(1H,dd,J=18.4,16.4Hz),5.57(1H,dt,J=8.7,4.4Hz),6.53(1H,s),6.98(1H,t,J=5.9Hz),7.14−7.28(5H,m),7.31(1H,s),7.77−7.84(1H,m),7.91(1H,t,J=5.5Hz),8.16(1H,d,J=7.8Hz),8.27(1H,t,J=5.1Hz),8.52(1H,d,J=9.0Hz).
【0399】
工程2:グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミドトリフルオロ酢酸塩
上記工程1で得た化合物(624mg、0.675mmoL)を、実施例2の工程2と同様に反応させ、標記化合物(626mg、92%)を黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4Hz),1.86(2H,tt,J=14.5,7.2Hz),2.07−2.22(2H,m),2.36(2H,t,J=7.2Hz),2.40(3H,s),2.44−2.54(2H,m),2.75(1H,dd,J=13.7,9.8Hz),3.04(1H,dd,J=13.7,4.3Hz),3.12−3.22(2H,m),3.58(2H,d,J=4.7Hz),3.69(3H,td,J=11.2,5.7Hz),3.87(1H,dd,J=17.0,5.7Hz),4.54(1H,m,J=17.8,4.5Hz),5.19(1H,d,J=19.2Hz),5.26(1H,d,J=18.8Hz),5.43(2H,s),5.51−5.60(1H,m),6.55(1H,s),7.14−7.29(5H,m),7.32(1H,s),7.81(1H,d,J=10.9Hz),7.88(1H,t,J=5.7Hz),7.97(3H,brs),8.29−8.38(2H,m),8.50(1H,t,J=5.7Hz),8.55(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:825(M+H)
+
【0400】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミド
上記工程2で得た化合物(60.0mg、0.0646mmoL)を、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(14.0mg、21%)を固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.2Hz),1.12−1.22(2H,m),1.39−1.51(4H,m),1.79−1.91(2H,m),2.02−2.20(2H,m),2.07(2H,t,J=7.4Hz),2.30−2.42(4H,m),2.40(3H,s),2.78(1H,dd,J=14.1,9.4Hz),3.02(1H,dd,J=14.7,4.9Hz),3.12−3.21(2H,m),3.26−3.42(2H,m),3.50−3.80(6H,m),4.40−4.51(1H,m),5.19(1H,d,J=19.6Hz),5.26(1H,d,J=19.2Hz),5.42(2H,brs),5.51−5.62(1H,m),6.53(1H,s),6.99(2H,s),7.13−7.28(5H,m),7.31(1H,s),7.74−7.84(2H,m),8.01(1H,t,J=5.3Hz),8.06(1H,t,J=5.7Hz),8.14(1H,d,J=8.2Hz),8.25(1H,t,J=5.7Hz),8.53(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:1018(M+H)
+
【0401】
工程4:抗体−薬物コンジュゲート(47)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び上記工程3で得た化合物を用いて、実施例2の工程4と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:12.27mg/mL,抗体収量:8.6mg(69%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.4
【0402】
実施例51 抗体−薬物コンジュゲート(48)
【0403】
【化120】
【0404】
工程1:N−[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミド
実施例50の工程2で得た化合物(60.0mg、0.0646mmoL)を、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに3−マレイミドプロピオン酸N−スクシンイミジルを用いて、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(36.0mg、57%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.4Hz),1.85(2H,dt,J=14.4,7.5Hz),2.05−2.22(2H,m),2.40(3H,s),2.30−2.44(5H,m),2.73−2.84(1H,m),3.02(1H,dd,J=13.9,4.5Hz),3.17(3H,d,J=5.1Hz),3.26−3.40(2H,m),3.41−3.81(6H,m),4.40−4.51(1H,m),5.19(1H,d,J=19.2Hz),5.26(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H,brs),5.52−5.61(1H,m),6.53(1H,s),6.99(2H,s),7.13−7.28(5H,m),7.31(1H,s),7.80(2H,d,J=10.2Hz),8.03(1H,t,J=5.5Hz),8.12(1H,d,J=8.2Hz),8.20−8.31(2H,m),8.52(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:976(M+H)
+
【0405】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(48)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例2の工程4と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:11.59mg/mL,抗体収量:8.1mg(65%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.7
【0406】
実施例52 抗体−薬物コンジュゲート(49)
【0407】
【化121】
【0408】
工程1:N−{3−[2−(2−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ})エトキシ]プロパノイル}グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミド
実施例50の工程2で得た化合物(60.0mg、0.0646mmoL)を、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに3−(2−(2−(3−マレインイミドプロパンアミド)エトキシ)エトキシ)プロパン酸N−スクシンイミジルを用いて、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(23.0mg、31%)を固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.4Hz),1.77−1.92(2H,m),2.07−2.21(2H,m),2.27−2.42(6H,m),2.40(3H,s),2.74−2.84(1H,m),2.97−3.06(1H,m),3.09−3.21(4H,m),3.25−3.39(6H,m),3.45(4H,s),3.50−3.80(8H,m),4.41−4.51(1H,m),5.19(1H,d,J=18.4Hz),5.26(1H,m,J=18.4Hz),5.42(2H,brs),5.51−5.61(1H,m),6.54(1H,s),7.00(2H,s),7.13−7.28(5H,m),7.31(1H,s),7.74−7.87(2H,m),7.93−8.07(2H,m),8.09−8.21(2H,m),8.26(1H,brs),8.54(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:1135(M+H)
+
【0409】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(49)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例29の工程2と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:14.50mg/mL,抗体収量:10.2mg(82%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.8
【0410】
実施例53 抗体−薬物コンジュゲート(50)
【0411】
【化122】
【0412】
工程1:N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナンデカン−1−オイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミド
実施例50の工程2で得た化合物(60.0mg、0.0646mmoL)を、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに1−マレインイミド−3−オキソ−7,10,13,16−テトラオキサ−4−アザノナデカン酸N−スクシンイミジルを用いて、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(23.0mg、29%)を固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.0Hz),1.85(2H,tt,J=14.6,7.1Hz),2.06−2.22(2H,m),2.40(3H,s),2.28−2.43(6H,m),2.78(1H,dd,J=13.7,9.4Hz),3.02(1H,dd,J=14.1,3.9Hz),3.09−3.22(4H,m),3.27−3.41(4H,m),3.47(12H,d,J=8.6Hz),3.53−3.81(10H,m),4.41−4.51(1H,m),5.19(1H,d,J=19.2Hz),5.26(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H,brs),5.53−5.61(1H,m),6.54(1H,s),7.00(2H,s),7.12−7.29(5H,m),7.31(1H,s),7.74−7.85(2H,m),8.03(2H,d,J=6.6Hz),8.11−8.21(2H,m),8.27(1H,t,J=5.9Hz),8.54(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:1224(M+H)
+
【0413】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(50)
参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例2の工程4と同様の方法によって、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:13.47mg/mL,抗体収量:9.4mg(75%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.1
【0414】
実施例54 抗体−薬物コンジュゲート(51)
【0415】
【化123】
【0416】
工程1:tert−ブチル (6−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−6−オキソヘキシル)カーバメート
化合物(4)のメシル酸塩(0.500g,0.882mmoL)を、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸の代わりに6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸を用いて、実施例1の工程1と同様に反応させ、標記化合物(0.620g,定量的)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:0.83(3H,t,J=7.8Hz),1.14−1.28(2H,m),1.31(9H,s),1.47−1.61(2H,m),1.75−1.89(2H,m),2.04−2.17(4H,m),2.35(3H,s),2.81−2.88(2H,m),3.09−3.16(2H,m),5.10(1H,d,J=19.4Hz),5.16(1H,d,J=19.4Hz),5.39(2H,s),5.48−5.55(1H,m),6.50(1H,s),6.73−6.78(1H,m),7.26(1H,s),7.74(1H,d,J=10.9Hz),8.39(1H,d,J=9.0Hz).
【0417】
工程2:6−アミノ−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]ヘキサンアミドトリフルオロ酢酸塩
上記工程1で得た化合物(0.397g,0.611mmoL)を、実施例1の工程2と同様に反応させ、標記化合物(0.342g,84%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:0.88(3H,t,J=7.2Hz),1.31−1.41(2H,m),1.52−1.70(4H,m),1.80−1.94(2H,m),2.05−2.18(2H,m),2.21(2H,t,J=7.4Hz),2.40(3H,s),2.81(2H,t,J=7.4Hz),3.10−3.25(2H,m),3.33(2H,brs),5.18(1H,d,J=19.8Hz),5.22(1H,d,J=19.8Hz),5.41(2H,d,J=16.6Hz),5.45(2H,d,J=16.6Hz),5.53−5.60(1H,m),6.55(1H,s),7.32(1H,s),7.80(1H,d,J=10.9Hz),8.49(1H,d,J=9.2Hz).
【0418】
工程3:N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(6−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−6−オキソヘキシル)グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(0.170g,0.516mmoL)を、実施例2の工程1と同様に反応させ、標記化合物(0.225g,91%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:0.88(3H,t,J=7.4Hz),1.43−1.70(6H,m),1.87(2H,td,J=15.0,7.4Hz),2.10−2.22(3H,m),2.28−2.37(1H,m),2.42(3H,s),2.78−2.85(1H,m),3.01−3.10(3H,m),3.15−3.22(2H,m),3.54−3.61(5H,m),3.62−3.69(1H,m),4.44−4.53(1H,m),5.17(1H,d,J=19.2Hz),5.25(1H,d,J=19.2Hz),5.45(2H,s),5.54−5.61(1H,m),6.55(1H,s),7.02(1H,t,J=6.1Hz),7.11−7.28(5H,m),7.33(1H,s),7.63−7.69(1H,m),7.82(1H,d,J=11.0Hz),7.90−7.96(1H,m),8.17(1H,d,J=7.8Hz),8.28(1H,t,J=5.5Hz),8.46(1H,d,J=9.0Hz).
【0419】
工程4:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(6−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−6−オキソヘキシル)グリシンアミド
上記工程3で得た化合物(0.105g,0.108mmoL)を、実施例2の工程2と同様に反応させ、標記化合物(0.068mg,65%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:0.89(3H,t,J=7.4Hz),1.15−1.67(6H,m),1.79−1.97(2H,m),2.08−2.24(4H,m),2.42(3H,s),2.76−2.82(1H,m),3.00−3.10(5H,m),3.19(1H,s),3.50−3.63(2H,m),3.64−3.76(3H,m),3.84−3.92(1H,m),4.51−4.59(1H,m),5.17(1H,d,J=19.4Hz),5.24(1H,d,J=19.4Hz),5.44(2H,s),5.53−5.61(1H,m),6.55(1H,brs),7.15−7.29(5H,m),7.33(1H,s),7.72−7.78(1H,m),7.82(1H,d,J=11.0Hz),7.96−8.08(2H,m),8.30−8.38(2H,m),8.46−8.56(2H,m).
【0420】
工程5:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(6−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−6−オキソヘキシル)グリシンアミド
上記工程4で得た化合物(58mg,0.060mmoL)を、実施例2の工程3と同様に反応させ、標記化合物(39mg,62%)を得た。
1H−NMR(CD
3OD)δ:0.99(3H,t,J=7.4Hz),1.27(2H,td,J=11.6,6.1Hz),1.38−1.44(2H,m),1.50−1.63(6H,m),1.65−1.80(2H,m),1.89−1.98(2H,m),2.17−2.25(3H,m),2.26−2.36(3H,m),2.40(3H,s),2.95(1H,dd,J=14.3,9.2Hz),3.12(1H,dd,J=13.7,5.7Hz),3.15−3.25(4H,m),3.44(2H,t,J=7.2Hz),3.65(1H,d,J=17.2Hz),3.76(1H,d,J=17.2Hz),3.79−3.86(4H,m),4.43(1H,dd,J=8.9,6.0Hz),5.10(1H,d,J=18.9Hz),5.25(1H,d,J=18.9Hz),5.35(1H,d,J=16.6Hz),5.56(1H,d,J=16.0Hz),5.60−5.64(1H,m),6.76(2H,s),7.12−7.24(6H,m),7.58(1H,s),7.60(1H,d,J=10.9Hz),7.68(1H,t,J=5.7Hz).
MS(ESI)m/z:1060(M+H)
+
【0421】
工程6:抗体−薬物コンジュゲート(51)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を1.5mLチューブに採取し、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0147mL;抗体一分子に対して2.3当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に上記工程5で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0295mL;抗体一分子に対して4.6当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.00590mL;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてPBS7.4を使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.97mg/mL,抗体収量:5.82mg(58%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):1.7
【0422】
実施例55 抗体−薬物コンジュゲート(52)
【0423】
【化124】
【0424】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(52)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を1.5mLチューブに採取し、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0295mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例54の工程5で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0590mL;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0118mL;抗体一分子に対して18.4当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてPBS7.4を使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.94mg/mL,抗体収量:5.64mg(56%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.1
【0425】
実施例56 抗体−薬物コンジュゲート(53)
【0426】
【化125】
【0427】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(53)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を1.5mLチューブに採取し、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0147mL;抗体一分子に対して2.3当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例54の工程5で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0295mL;抗体一分子に対して4.6当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.00590mL;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてPBS7.4を使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.22mg/mL,抗体収量:7.32mg(73%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):1.5
【0428】
実施例57 抗体−薬物コンジュゲート(54)
【0429】
【化126】
【0430】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(54)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61を使用)及びC−1を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を1.5mLチューブに採取し、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0295mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.050mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベートした後に実施例54の工程5で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0590mL;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、22℃にて40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0118mL;抗体一分子に対して18.4当量)を加え、さらに22℃にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてPBS7.4を使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.06mg/mL,抗体収量:6.36mg(64%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.0
【0431】
実施例58 抗体−薬物コンジュゲート(55)
【0432】
【化127】
【0433】
工程1:({N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)メチルアセテート
N−9−フルオレニルメトキシカルボニルグリシルグリシン(4.33g,12.2mmol)、テトラヒドロフラン(120ml)、及びトルエン(40.0ml)からなる混合物に、ピリジン(1.16ml,14.7mmol及び四酢酸鉛(6.84g,14.7mmol)を加え、5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、不溶物をセライト濾過によって除き、減圧下濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、水及び飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ヘキサン:酢酸エチル=9:1(v/v)〜酢酸エチル]にて精製し、標記化合物(3.00g,67%)を無色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:2.07(3H,s),3.90(2H,d,J=5.1Hz),4.23(1H,t,J=7.0Hz),4.46(2H,d,J=6.6Hz),5.26(2H,d,J=7.0Hz),5.32(1H,brs),6.96(1H,brs),7.32(2H,t,J=7.3Hz),7.41(2H,t,J=7.3Hz),7.59(2H,d,J=7.3Hz),7.77(2H,d,J=7.3Hz).
【0434】
工程2:ベンジル [({N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)メトキシ]アセテート
上記工程1で得た化合物(3.68g,10.0mmoL)及びベンジルグリコレート(4.99g,30.0mmoL)のテトラヒドロフラン(40.0mL)溶液に、カリウムtert−ブトキシド(2.24g,20.0mmoL)を0℃で加え、室温にて15分間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル、水を0℃で加え、酢酸エチル、クロロホルムで抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をジオキサン(40.0mL)、水(10.0mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(1.01g,12.0mmoL)、クロロぎ酸9−フルオレニルメチル(2.59g,10.0mmoL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ヘキサン:酢酸エチル=100:0(v/v)〜0:100]にて精製し、無色油状の標記化合物(1.88g、40%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:3.84(2H,d,J=5.5Hz),4.24(3H,t,J=6.5Hz),4.49(2H,d,J=6.7Hz),4.88(2H,d,J=6.7Hz),5.15−5.27(1H,m),5.19(2H,s),6.74(1H,brs),7.31−7.39(7H,m),7.43(2H,t,J=7.4Hz),7.61(2H,d,J=7.4Hz),7.79(2H,d,J=7.4Hz).
【0435】
工程3:[({N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)メトキシ]酢酸
上記工程2で得た化合物(1.88g、3.96mmoL)をエタノール(40.0mL)、酢酸エチル(20.0ml)に溶解した。パラジウム炭素触媒(376mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて2時間撹拌した。不溶物をセライト濾過によって除き、溶媒を減圧留去し、標記化合物(1.52g、定量的)を無色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:3.62(2H,d,J=6.3Hz),3.97(2H,s),4.18−4.32(3H,m),4.60(2H,d,J=6.7Hz),7.29−7.46(4H,m),7.58(1H,t,J=5.9Hz),7.72(2H,d,J=7.4Hz),7.90(2H,d,J=7.4Hz),8.71(1H,t,J=6.5Hz).
【0436】
工程4:9H−フルオレン−9−イルメチル(2−{[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)カーバメート
氷冷下、化合物(4)のメシル酸塩(0.283g,0.533mmoL)、N−ヒドロキシスクシンイミド(61.4mg,0.533mmoL)、及び上記工程3で得た化合物(0.205g,0.533mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(10.0mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(92.9μL,0.533mmoL)及びN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.143g,0.693mmoL)を加え、室温にて3日間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(0.352g,82%)を淡茶色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.81(3H,t,J=7.4Hz),1.73−1.87(2H,m),2.06−2.20(2H,m),2.34(3H,s),3.01−3.23(2H,m),3.58(2H,d,J=6.7Hz),3.98(2H,s),4.13−4.25(3H,m),4.60(2H,d,J=6.7Hz),5.09−5.22(2H,m),5.32−5.42(2H,m),5.50−5.59(1H,m),6.49(1H,s),7.24−7.30(3H,m),7.36(2H,t,J=7.4Hz),7.53(1H,t,J=6.3Hz),7.66(2H,d,J=7.4Hz),7.75(1H,d,J=11.0Hz),7.84(2H,d,J=7.4Hz),8.47(1H,d,J=8.6Hz),8.77(1H,t,J=6.7Hz).
MS(ESI)m/z:802(M+H)
+
【0437】
工程5:N−[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程4で得た化合物(0.881g,1.10mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(11.0mL)溶液に、ピペリジン(1.1mL)を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、標記化合物を含む混合物を得た。本混合物は、これ以上の精製は行わずに次の反応に用いた。
【0438】
工程6:N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
氷冷下、上記工程5で得た混合物(0.439mmoL)、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.101g,0.878mmoL)、及びN−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニン(特開2002−60351号公報に記載された化合物)(0.440g,0.878mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(50.0mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.181g,0.878mmoL)を加え、室温にて4日間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=9:1(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.269g,58%)を淡橙色固体として得た。
MS(ESI)m/z:1063(M+H)
+
【0439】
工程7:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程6で得た化合物(0.269g,0.253mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(4.00mL)溶液に、ピペリジン(0.251mL,2.53mmoL)を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、標記化合物を含む混合物を得た。本混合物は、これ以上の精製は行わずに次の反応に用いた。
【0440】
工程8:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程7で得た化合物(0.253mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(10.0mL)溶液に、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジル(0.156g,0.506mmoL)を加え、室温で3日間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=9:1(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.100g,38%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.83(3H,t,J=7.2Hz),1.09−1.21(2H,m),1.33−1.47(4H,m),1.75−1.90(2H,m),2.00−2.23(4H,m),2.36(3H,s),2.69−2.81(1H,m),2.94−3.03(1H,m),3.06−3.22(2H,m),3.23−3.74(8H,m),3.98(2H,s),4.39−4.50(1H,m),4.60(2H,d,J=6.7Hz),5.17(2H,s),5.39(2H,s),5.53−5.61(1H,m),6.50(1H,s),6.96(2H,s),7.11−7.24(5H,m),7.28(1H,s),7.75(1H,d,J=11.0Hz),7.97(1H,t,J=5.7Hz),8.03(1H,t,J=5.9Hz),8.09(1H,d,J=7.8Hz),8.27(1H,t,J=6.5Hz),8.48(1H,d,J=9.0Hz),8.60(1H,t,J=6.5Hz).
MS(ESI)m/z:1034(M+H)
+
【0441】
工程9:抗体−薬物コンジュゲート(55)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作C−1及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.025mL;抗体一分子に対して3.0当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、ジメチルスルホキシド(Sigma−Aldrich Co.LLC)0.109mLと上記工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.039mL;抗体一分子に対して4.6当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下40分間撹拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.008mL)を加え、さらに室温下20分間撹拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、製造方法1に記載した共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:12.57mg/mL,抗体収量:8.8mg(70%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.2
【0442】
実施例59 抗体−薬物コンジュゲート(56)
【0443】
【化128】
【0444】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(56)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作C−1及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.051mL;抗体一分子に対して6.0当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、ジメチルスルホキシド(Sigma−Aldrich Co.LLC;0.067mL)と実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.085mL;抗体一分子に対して10.0当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下60分間撹拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.013mL)を加え、さらに室温下20分間撹拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.33mg/mL,抗体収量:7.98mg(64%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):4.9
【0445】
実施例60 抗体−薬物コンジュゲート(57)
【0446】
【化129】
【0447】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(57)
抗体の還元:参考例2にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作C−1及びB(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.051mL;抗体一分子に対して6.0当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、ジメチルスルホキシド(Sigma−Aldrich Co.LLC;0.025mL)と実施例58工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.127mL;抗体一分子に対して15.0当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下60分間撹拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.019mL)を加え、さらに室温下20分間撹拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、製造方法1に記載した共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5000(実測平均値)
、ε
D,370=19000(実測平均値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.91mg/mL,抗体収量:5.46mg(44%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.3
【0448】
実施例61 抗体−薬物コンジュゲート(58)
【0449】
【化130】
【0450】
実施例59と実施例60の抗体−薬物コンジュゲートのほぼ全量を混合し、製造方法1に記載した共通操作Aを使用して溶液を濃縮し、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:12.30mg,抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):5.4
【0451】
実施例62 抗体−薬物コンジュゲート(59)
【0452】
【化131】
【0453】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(59)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(100mL、抗体1g)を250mLフラスコに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(2.43mL;抗体一分子に対して3.6当量)を加え、さらに1M リン酸水素二カリウム水溶液(5mL)を加えた。本溶液のpHが7.4付近であることをpHメーターで確認した後、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(3.51mL;抗体一分子に対して5.2当量)及びジメチルスルホキシド(2.14mL)を室温下加え、15℃水浴中で攪拌子で130分攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.547mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液に対して、限外ろ過膜(メルク株式会社、Pellicon XL Cassette、Biomax 50KDa)、チューブポンプ(米国コールパーマー社マスターフレックスポンプ model 77521−40、ポンプヘッド model 7518−00)及びチューブ(米国コールパーマー社マスターフレックスチューブ L/S16)で構成された限外ろ過装置を用い、限外ろ過精製を行った。すなわち、反応液に精製緩衝液としてABSを滴下しながら(計800mL)、限外ろ過精製を行うことで、未結合の薬物リンカー及び他の低分子量試薬を除去するとともに緩衝液をABSへ置換し、さらに濃縮まで行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を約70mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:14.2mg/mL,抗体収量:1.0g(約100%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.2
【0454】
実施例63 抗体−薬物コンジュゲート(60)
【0455】
【化132】
【0456】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(60)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(5mL、抗体50mg)を15mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.075mL;抗体一分子に対して4当量)を加えた。本溶液のpHが7.0付近であることをpHメーターで確認した後、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.219mL;抗体一分子に対して6.5当量)及びジメチルスルホキシド(0.064mL)を加え、15℃水浴中で90分インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.033mL;抗体一分子に対して9.8当量)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を19mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:2.19mg/mL,抗体収量:42mg(83%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):4.7
【0457】
実施例64 抗体−薬物コンジュゲート(61)
【0458】
【化133】
【0459】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(61)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4P抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(4mL、抗体40mg)を15mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.14mL;抗体一分子に対して5.2当量)を加えた。本溶液のpHが7.0付近であることをpHメーターで確認した後、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.232mL;抗体一分子に対して8.6当量)を加え、15℃水浴中で60分インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.035mL;抗体一分子に対して12.9当量)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を13mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:2.03mg/mL,抗体収量:26mg(66%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):5.7
【0460】
実施例65 抗体−薬物コンジュゲート(62)
【0461】
【化134】
【0462】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(62)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.25mL、抗体12.5mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0287mL;抗体一分子に対して3.4当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0439mL;抗体一分子に対して5.2当量)及びジメチルスルホキシド(0.0267mL)を室温下加え、15℃の水浴中で1時間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0066mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:7.8mg(62%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.4
【0463】
実施例66 抗体−薬物コンジュゲート(63)
【0464】
【化135】
【0465】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(63)
抗体の還元:参考例1にて作製したM30−H1−L4抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.61mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.25mL、抗体12.5mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0439mL;抗体一分子に対して5.2当量)(0.0287mL;抗体一分子に対して3.4当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることによって、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0726mL;抗体一分子に対して8.6当量)を室温下加え、15℃の水浴中で1時間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.011mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得たのち、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=235300(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.0mg/mL,抗体収量:7.3mg(58%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):5.4
【0466】
実施例67 抗体−薬物コンジュゲート(64)
【0467】
【化136】
【0468】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(64)
抗体の還元:参考例3にて作製した抗CD30抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.75mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0065mL;抗体一分子に対して2.5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0058mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0116mL;抗体一分子に対して4.5当量)及びジメチルスルホキシド(0.0101mL)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0017mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=270400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.96mg/mL,抗体収量:2.4mg(60%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.7
【0469】
実施例68 抗体−薬物コンジュゲート(65)
【0470】
【化137】
【0471】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(65)
抗体の還元:参考例3にて作製した抗CD30抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.75mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0129mL;抗体一分子に対して5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.006mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0233mL;抗体一分子に対して9当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0035mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=270400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.39mg/mL,抗体収量:1.0mg(24%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.8
【0472】
実施例69 抗体−薬物コンジュゲート(66)
【0473】
【化138】
【0474】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(66)
抗体の還元:参考例4にて作製した抗CD33抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.66mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0065mL;抗体一分子に対して2.5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0058mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0116mL;抗体一分子に対して4.5当量)及びジメチルスルホキシド(0.0101mL)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0017mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=256400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.19mg/mL,抗体収量:3.0mg(74%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.8
【0475】
実施例70 抗体−薬物コンジュゲート(67)
【0476】
【化139】
【0477】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(67)
抗体の還元:参考例4にて作製した抗CD33抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.66mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0129mL;抗体一分子に対して5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.006mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0233mL;抗体一分子に対して9当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0035mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=256400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.24mg/mL,抗体収量:3.1mg(78%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.0
【0478】
実施例71 抗体−薬物コンジュゲート(68)
【0479】
【化140】
【0480】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(68)
抗体の還元:参考例5にて作製した抗CD70抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.69mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0065mL;抗体一分子に対して2.5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.0058mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0116mL;抗体一分子に対して4.5当量)及びジメチルスルホキシド(0.0101mL)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0017mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=262400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.10mg/mL,抗体収量:2.8mg(69%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.8
【0481】
実施例72 抗体−薬物コンジュゲート(69)
【0482】
【化141】
【0483】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(69)
抗体の還元:参考例5にて作製した抗CD70抗体を、製造方法1に記載した共通操作B(280nm吸光係数として1.69mLmg
−1cm
−1を使用)及びC−1を用いて、PBS6.5/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(0.4mL、抗体4mg)を1.5mLチューブに入れ、10mM TCEP(東京化成工業株式会社)水溶液(0.0129mL;抗体一分子に対して5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Nacalai Tesque,Inc.;0.006mL)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液に対して、実施例58の工程8で得た化合物を10mM含むジメチルスルホキシド溶液(0.0233mL;抗体一分子に対して9当量)を室温下加え、チューブ・ローテーター(MTR−103,アズワン株式会社)を用いて室温下1時間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC(Sigma−Aldrich Co.LLC)水溶液(0.0035mL)を加え、さらに室温にて20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を2.5mL得た。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作E(モル吸光係数として、ε
A,280=262400(計算推定値)
、ε
A,370=0(計算推定値)
、ε
D,280=5178(実測値)
、ε
D,370=20217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.16mg/mL,抗体収量:2.9mg(73%),抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.0
【0484】
実施例73(実施例58の工程8の化合物の別途合成法)
【0485】
【化142】
【0486】
工程1:tert−ブチル N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニネート
氷冷下、tert−ブチル N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニネート(J.Pept.Res.,1999年,53巻,393項)(0.400g,0.717mmol)のTHF(12.0ml)溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(0.400ml)を加えて室温で4日間撹拌した後、更に6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジル(0.221g,0.717mmoL)を加え、3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、10%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=9:1(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.295g,78%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:1.28−1.36(2H,m),1.41(9H,s),1.57−1.71(4H,m),2.23(2H,t,J=7.6Hz),3.09(2H,d,J=6.0Hz),3.51(2H,t,J=7.6Hz),3.85−4.02(4H,m),4.69−4.78(1H,m),6.15(1H,t,J=4.6Hz),6.33(1H,d,J=7.3Hz),6.60(1H,t,J=5.0Hz),6.68(2H,s),7.10−7.16(2H,m),7.22−7.31(3H,m).
MS(ESI)m/z:529(M+H)
+
【0487】
工程2:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニン
上記工程1で得た化合物(0.295g,0.558mmoL)のジクロロメタン(8.00ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(4.00mL)を加え、室温にて18時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、標記化合物(0.240g,91%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:1.15−1.23(2H,m),1.40−1.53(4H,m),2.10(2H,t,J=7.6Hz),2.88(1H,dd,J=13.7,8.9Hz),3.04(1H,dd,J=13.7,5.0Hz),3.35−3.43(2H,m),3.58−3.77(4H,m),4.41(1H,td,J=7.8,5.0Hz),7.00(2H,s),7.16−7.31(5H,m),8.00(1H,t,J=5.7Hz),8.06(1H,t,J=5.7Hz),8.13(1H,d,J=7.8Hz).
【0488】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(0.572g,1.21mmoL)をジクロロメタン(12.0mL)に溶解し、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.152g、1.32mmoL)及び、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.253g、1.32mmoL)を加え1時間撹拌した。その反応溶液を実施例58の工程5で得た混合物(1.10mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(22.0mL)溶液に加え、室温にて3時間撹拌した。反応溶液に10%クエン酸水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=8:2(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.351g,31%)を淡黄色固体として得た。機器データは、実施例58の工程8の化合物と同様であった。
【0489】
実施例74(実施例58の工程8の化合物の別途合成法)
【0490】
【化143】
【0491】
工程1:ベンジル[({N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル}アミノ)メトキシ]アセテート
実施例58の工程1で得た化合物(7.37g,20.0mmoL)のテトラヒドロフラン(200ml)溶液に、ベンジルグリコレート(6.65g,40.0mmoL)、およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.381g,2.00mmoL)を0℃で加え、室温にて2時間30分間撹拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ヘキサン:酢酸エチル=100:0(v/v)〜0:100]にて精製し、標記化合物(6.75g,71%)を無色固体として得た。機器データは、実施例58の工程2の化合物と同様であった。
【0492】
工程2:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニン−N−{[(2−(ベンジルオキシ)−2―オキソエトキシ]メチル}グリシンアミド
上記工程1で得た化合物(6.60g,13.9mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(140mL)溶液に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(2.22g,14.6mmoL)を0℃で加え、室温にて15分間撹拌した。反応溶液に、N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニン(6.33g、15.3mmoL)、N−ヒドロキシスクシンイミド(1.92g、16.7mmoL)および、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.20g、16.7mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(140mL)溶液を、あらかじめ室温にて、1時間撹拌したものを加え、室温にて、4時間撹拌した。反応溶液に0.1規定塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=8:2(v/v)]にて精製し、標記化合物(7.10g,79%)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−D
6)δ:2.78(1H,dd,J=13.9,9.6Hz),3.05(1H,dd,J=13.9,4.5Hz),3.56−3.80(6H,m),4.15(2H,s),4.47−4.55(1H,m),4.63(2H,d,J=6.6Hz),5.03(2H,s),5.15(2H,s),7.16−7.38(15H,m),7.52(1H,t,J=5.9Hz),8.03(1H,t,J=5.5Hz),8.17(1H,d,J=8.2Hz),8.36(1H,t,J=5.7Hz),8.61(1H,t,J=6.6Hz).
【0493】
工程3:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(カルボキシメトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(7.00g,10.8mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(216mL)溶液に、パラジウム炭素触媒(7.00g)を加え、水素雰囲気下、室温にて24時間撹拌した。不溶物をセライト濾過により除き、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を水に溶解し、不溶物をセライト濾過により除き、溶媒を減圧留去する操作を2回繰り返し、標記化合物(3.77g,82%)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−D
6)δ:2.84(1H,dd,J=13.7,9.8Hz),3.08(1H,dd,J=13.7,4.7Hz),3.50−3.72(4H,m),3.77−3.86(2H,m),3.87(2H,s),4.52−4.43(1H,m),4.61(2H,d,J=6.6Hz),7.12−7.30(5H,m),8.43(1H,t,J=5.9Hz),8.54(1H,d,J=7.8Hz),8.70(1H,t,J=6.3Hz),8.79(1H,t,J=5.5Hz).
【0494】
工程4:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(カルボキシメトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程3で得た化合物(3.59g,8.48mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(85.0mL)溶液に、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジル(2.88g,9.33mmoL)、およびトリエチルアミン(0.858g,8.48mmoL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液に0.1規定塩酸を加え、クロロホルム、およびクロロホルムとメタノールの混合溶媒[クロロホルム:メタノール=4:1(v/v)]で抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(3.70g,71%)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−D
6)δ:1.13−1.24(2H,m),1.42−1.53(4H,m),2.11(2H,t,J=7.4Hz),2.80(1H,dd,J=13.7,9.8Hz),3.06(1H,dd,J=13.9,4.5Hz),3.37(2H,t,J=7.2Hz),3.56−3.78(6H,m),3.97(2H,s),4.46−4.53(1H,m),4.61(2H,d,J=6.3Hz),7.00(2H,s),7.15−7.29(5H,m),8.03−8.20(3H,m),8.32(1H,t,J=5.9Hz),8.60(1H,t,J=6.7Hz).
【0495】
工程5:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
化合物(4)のメシル酸塩(1.14g,2.00mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(40.0mL)溶液に、トリエチルアミン(0.202g,2.00mmoL)、上記工程4で得た化合物(1.48g,2.40mmoL)、および16.4%含水の4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム クロリド(0.993g,3.00mmoL)を0℃で加え、室温にて1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=8:2(v/v)]にて精製し、標記化合物(1.69g,82%)を淡黄色固体として得た。機器データは、実施例58の工程8の化合物と同様であった。
【0496】
実施例75 N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド
【0497】
【化144】
【0498】
工程1:2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエチルアセテート
氷冷下、化合物(4)のメシル酸塩(0.500g,0.941mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(20.0mL)懸濁液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.492mL,2.82mmoL)及びアセトキシアセチルクロリド(0.121ml,1.13mmoL)を加え、室温にて1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(0.505g,定量的)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4Hz),1.81−1.92(2H,m),2.08(3H,s),2.08−2.22(2H,m),2.41(3H,s),3.14−3.21(2H,m),4.51(2H,dd,J=19.4,14.7Hz),5.22(2H,dd,J=40.1,19.0Hz),5.43(2H,s),5.56−5.61(1H,m),6.53(1H,s),7.31(1H,s),7.81(1H,d,J=11.0Hz),8.67(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:536(M+H)
+
【0499】
工程2:N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド
上記工程1で得た化合物(0.504g,0.941mmoL)のメタノール(50.0mL)懸濁液に、テトラヒドロフラン(20.0ml)及び1規定水酸化ナトリウム水溶液(4.00ml,4.00mmoL)を加え、室温にて1時間撹拌した。1規定塩酸(5.00ml,5.00mmoL)を加えて反応を停止し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(0.412g,89%)を淡黄色固体として得た。抗体−薬物コンジュゲート(55)、(56)を担癌マウスに投与した際に、この化合物が腫瘍中で確認された。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.3Hz),1.78−1.95(2H,m),2.09−2.28(2H,m),2.39(3H,s),3.07−3.27(2H,m),3.96(2H,d,J=6.0Hz),5.11−5.26(2H,m),5.42(2H,s),5.46−5.54(1H,m),5.55−5.63(1H,m),6.52(1H,s),7.30(1H,s),7.78(1H,d,J=10.9Hz),8.41(1H,d,J=9.1Hz).MS(ESI)m/z:494(M+H)
+
【0500】
実施例76(実施例75の化合物の別途合成法)
【0501】
【化145】
工程1:N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド
グリコール酸(0.0201g,0.27mmoL)をN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)に溶解し、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.0302g、0.27mmoL)及び、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.0508g、0.27mmoL)を加え1時間撹拌した。その反応溶液を化合物(4)のメシル酸塩(0.1g,0.176mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)懸濁液に、トリエチルアミン(0.025mL,0.18mmoL)を加え、室温にて24時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=10:1(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.080g,92%)を淡黄色固体として得た。機器データは、実施例75の工程2で得た化合物と同様であった。
【0502】
(試験例1)全長ヒトB7−H3バリアント1発現ベクターの作製
LNCaP細胞(American Type Culture Collection:ATCC)total RNAより合成したcDNAを鋳型にプライマーセット:プライマー1:
5’−ctatagggagacccaagctggctagcatgctgcgtcggcggggcag−3’(配列番号22)
及び、プライマー2:
5’−aacgggccctctagactcgagcggccgctcaggctatttcttgtccatcatcttctttgctgtcag−3’(配列番号23)
を用いてPCR反応を行い、ヒトB7−H3バリアント1をコードするcDNAを増幅した。
次に、得られたPCR産物をMagExtractor PCR & Gel cleanup(TOYOBO社)にて精製した。更に、制限酵素(NheI/NotI)で消化した後、MagExtractor PCR&Gel cleanup(TOYOBO社)にて精製した。pcDNA3.1(+)プラスミドDNA(ライフテクノロジー社)を同じ制限酵素(NheI/NotI)で消化した後、MagExtractor PCR & Gel cleanup(TOYOBO社)にて精製した。
上記精製DNA溶液を混合し、更にLigation high(TOYOBO社)を加え、16℃で8時間インキュベートし、ライゲーションした。
上記反応物を大腸菌DH5αコンピテントセル(ライフテクノロジー社)に加え、形質転換した。
上記で得られたコロニーについて、PCRプライマーとBGH reverse PrimerでコロニーダイレクトPCRを行い、候補クローンをセレクションした。
得られた候補クローンを液体培地(LB/Amp)で培養し、MagExtractor−Plasmid−(TOYOBO社)でプラスミドDNAを抽出した。
得られたプラスミドDNAを鋳型に
プライマー3(CMV promoterプライマー):
5’−cgcaaatgggcggtaggcgtg−3’(配列番号24)
及び、プライマー4(BGH reverseプライマー):
5’−tagaaggcacagtcgagg−3’(配列番号25)
間のシーケンス解析を行い、取得クローンと提供CDS配列を比較した。
配列を確認後、得られたクローンを200mLのLB/Amp培地で培養し、VioGene社 Plasmid Midi V−100キットを使って、プラスミドDNAの抽出を行った。
本ベクターをpcDNA3.1−B7−H3と命名した。本ベクターにクローニングされたB7−H3バリアント1遺伝子のORF部分の配列は配列表の配列番号26(
図16)のヌクレオチド番号1乃至1602に示されている。また、B7−H3バリアント1のアミノ酸配列は配列表の配列番号1に示されている。
【0503】
(試験例2)B7−H3バリアント1遺伝子安定発現CCRF−CEM細胞の調製
試験例1で作製されたpcDNA3.1−B7−H3を、CCRF−CEM細胞(ATCC)にNucleofector II(ロンザ社製)を用い電気穿孔法にてトランスフェクションした。その後、10%ウシ胎児血清(FBS)含有RPMI1640培地(ライフテクノロジー社)(以降10%FBS−RPMI1640)中で37℃、5%CO
2の条件下で更に2晩培養した。
2日間培養後、pcDNA3.1−B7−H3が安定的に組み込まれたCCRF−CEM細胞を選択するため、750μg/mL G418(ライフテクノロジー社)含有10%FBS−RPMI1640にて培養を開始した。
1ヶ月間培養後、単一細胞クローンを得るため限界機釈法を用いクローニングを行った。具体的には、G418に対する耐性を持ち合わせた細胞を10cell/mLに希釈し96wellプレートに100μL/wellの濃度にて播種、培養し、個別のwellから増殖した細胞を回収した。
回収された各クローンのB7−H3発現を確認するためには、フローサイトメトリー法を用いた。具体的には、回収された各クローンを5%FBS含有PBSで2回洗浄した後、10μg/mL M30を含む5%FBS含有PBSを加え懸濁し、4℃で30分間静置した。5%FBS含有PBSで2回洗浄した後、5%FBS含有PBSで1000倍に希釈したFluorescein−conjugated goat IgG fraction to mouse IgG(Whole Molecule)(ICN Pharmaceuticals社製 #55493)を加えて懸濁し、4℃で30分間静置した。5%FBS含有PBSで2回洗浄した後、5%FBS含有PBSに再懸濁し、フローサイトメーター(FC500:BeckmanCoulter社)で検出を行った。
本操作によって得られた、B7−H3バリアント1遺伝子安定発現CCRF−CEM細胞をCEM_V1_3.1_2細胞と命名した。親株であるCCRF−CEM細胞はB7−H3非発現細胞株として使用した。
【0504】
(試験例3)抗体−薬物コンジュゲートの細胞傷害性試験(1)
試験例2で作製されたCEM_V1_3.1_2細胞、CCRF−CEM細胞(ATCC)は10%のウシ胎児血清(MOREGATE)を含むRPMI1640(GIBCO)(以下、培地)で培養した。CEM_V1_3.1_2細胞、CCRF−CEM細胞を培地で8×10
4cells/mLになるように調製し、65μLの培地を入れた96穴細胞培養用マイクロプレートに25μLずつ添加して一晩培養した。翌日、培地で1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.32nM、0.064nMに希釈したM30−H1−L4抗体、M30−H1−L4P抗体及び抗体−薬物コンジュゲートをマイクロプレートに10μLずつ添加した。被検物質非添加ウェルには培地を10μLずつ添加した。37度、5%CO
2下で3日間培養した。培養後、マイクロプレートをインキュベーターから取り出し室温で30分間静置した。培養液と等量のCellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を添加し撹拌した。室温で10分間静置後にプレートリーダー(PerkinElmer)で発光量を計測した。IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10b−LOG
10a)÷(d−c)+LOG
10b)
a:被検物質の濃度a
b:被検物質の濃度b
c:濃度aの被検物質を添加した時の生細胞率
d:濃度bの被検物質を添加した時の生細胞率
a、bは生細胞率50%をまたぐ濃度で、a>b
各濃度における細胞生存率は次式で算出した。
細胞生存率(%)=a÷b×100
a:被検物質添加ウェルの発光量の平均値(n=2)
b:被検物質非添加ウェルの発光量の平均値(n=10)
CEM_V1_3.1_2細胞に対して、抗体−薬物コンジュゲート(5)、(16)、(21)、(32)、(44)、(45)、(46)、(52)、(54)は、IC
50<0.1(nM)の細胞傷害活性を示した。抗体−薬物コンジュゲート(1)、(12)、(13)、(20)、(28)、(29)、(35)、(36)、(37)、(41)、(49)、(53)は、0.1<IC
50<1(nM)の細胞傷害活性を示した。抗体−薬物コンジュゲート(33)、(34)、(47)、(48)、(50)、(51)は、1<IC
50<100(nM)の細胞傷害活性を示した。一方、CCRF−CEM細胞に対しては上記のいずれの抗体−薬物コンジュゲートも細胞傷害活性を示さなかった(>100(nM))。M30−H1−L4抗体およびM30−H1−L4P抗体はいずれの細胞に対しても細胞傷害活性を示さなかった(>100(nM))。
【0505】
(試験例4)抗体−薬物コンジュゲートの細胞傷害性試験(2)
抗原陽性細胞のSR細胞(ATCC)、抗原陰性細胞のDaudi細胞(ATCC)は10%のウシ胎児血清(MOREGATE)を含むRPMI1640(GIBCO)(以下、培地)で培養した。SR細胞、Daudi細胞を培地で2.8×10
4cells/mLになるように調製し、96穴細胞培養用マイクロプレートに90μLずつ添加した。2時間後、培地で40nM、8nM、1.6nM、320pM、64pM、12.8pM、2.6pMに希釈した抗CD30抗体及び抗体−薬物コンジュゲート(6)、(7)をマイクロプレートに10μLずつ添加した。被検物質非添加ウェルには培地を10μLずつ添加した。37度、5%CO
2下で3日間培養した。培養後、マイクロプレートをインキュベーターから取り出し室温で30分間静置した。培養液と等量のCellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を添加し攪拌した。室温で10分間静置後にプレートリーダー(PerkinElmer)で発光量を計測した。IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10b−LOG
10a)÷(d−c)+LOG
10b)
a:被検物質の濃度a
b:被検物質の濃度b
c:濃度aの被検物質を添加した時の生細胞率
d:濃度bの被検物質を添加した時の生細胞率
a、bは生細胞率50%をまたぐ濃度で、a>b
各濃度における細胞生存率は次式で算出した。
細胞生存率(%)=a÷b×100
a:被検物質添加ウェルの発光量の平均値(n=2)
b:被検物質非添加ウェルの発光量の平均値(n=12)
抗体−薬物コンジュゲート(6)、(7)は、SR細胞に対してIC
50<0.01(nM)の細胞傷害活性を示した。一方、Daudi細胞に対しては抗体−薬物コンジュゲート(6)、(7)は細胞傷害活性を示さなかった(>4.0(nM))。また、抗CD30抗体はいずれの細胞に対しても細胞傷害活性を示さなかった(>4.0(nM))。
【0506】
(試験例5)抗体−薬物コンジュゲートの細胞傷害性試験(3)
抗原陽性細胞のSR細胞(ATCC)は10%のウシ胎児血清(MOREGATE)を含むRPMI1640(GIBCO)(以下、培地)で培養した。SR細胞を培地で2.8×10
4cells/mLになるように調製し、96穴細胞培養用マイクロプレートに90μLずつ添加した。2時間後、培地で1000nM、100nM、10nM、1nM、100pM、10pM、1pMに希釈した抗CD30抗体及び抗体−薬物コンジュゲート(22)、(23)、(38)、(64)、(65)をマイクロプレートに10μLずつ添加した。被検物質非添加ウェルには培地を10μLずつ添加した。37度、5%CO
2下で6日間培養した。培養後、マイクロプレートをインキュベーターから取り出し室温で30分間静置した。培養液と等量のCellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を添加し攪拌した。室温で10分間静置後にプレートリーダー(PerkinElmer)で発光量を計測した。IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10b−LOG
10a)÷(d−c)+LOG
10b)
a:被検物質の濃度a
b:被検物質の濃度b
c:濃度aの被検物質を添加した時の生細胞率
d:濃度bの被検物質を添加した時の生細胞率
a、bは生細胞率50%をまたぐ濃度で、a>b
各濃度における細胞生存率は次式で算出した。
細胞生存率(%)=a÷b×100
a:被検物質添加ウェルの発光量の平均値(n=2)
b:被検物質非添加ウェルの発光量の平均値(n=12)
抗体−薬物コンジュゲート(23)、(38)、(64)、(65)は、SR細胞に対してIC
50<0.01(nM)の細胞傷害活性を示した。抗体−薬物コンジュゲート(22)はSR細胞に対してIC
50<0.1(nM)の細胞傷害活性を示した。また、抗CD30抗体はSR細胞に対して細胞傷害活性を示さなかった(>4.0(nM))。
【0507】
(試験例6)抗体−薬物コンジュゲートの細胞傷害性試験(4)
抗原陽性細胞のHL−60細胞(ATCC)、抗原陰性細胞のRaji細胞(ATCC)は10%のウシ胎児血清(MOREGATE)を含むRPMI1640(GIBCO)(以下、培地)で培養した。HL−60細胞、Raji細胞を培地で8×10
4cells/mLになるように調製し、65μLの培地を入れた96穴細胞培養用マイクロプレートに25μLずつ添加した。培地で1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.32nM、0.064nMに希釈した抗CD33抗体及び抗体−薬物コンジュゲート(8)、(9)をマイクロプレートに10μLずつ添加した。被検物質非添加ウェルには培地を10μLずつ添加した。37度、5%CO
2下で3日間培養した。培養後、マイクロプレートをインキュベーターから取り出し室温で30分間静置した。培養液と等量のCellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を添加し撹拌した。室温で10分間静置後にプレートリーダー(PerkinElmer)で発光量を計測した。IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10b−LOG
10a)÷(d−c)+LOG
10b)
a:被検物質の濃度a
b:被検物質の濃度b
c:濃度aの被検物質を添加した時の生細胞率
d:濃度bの被検物質を添加した時の生細胞率
a、bは生細胞率50%をまたぐ濃度で、a>b
各濃度における細胞生存率は次式で算出した。
細胞生存率(%)=a÷b×100
a:被検物質添加ウェルの発光量の平均値(n=2)
b:被検物質非添加ウェルの発光量の平均値(n=5)
抗体−薬物コンジュゲート(8)、(9)は、HL−60細胞に対してはIC
50<0.1(nM)の細胞傷害活性を示した。一方、Raji細胞に対しては抗体−薬物コンジュゲート(8)、(9)は細胞傷害活性を示さなかった(>100(nM))。また、抗CD33抗体は、いずれの細胞に対しても細胞傷害活性を示さなかった(>100(nM))。
【0508】
(試験例7)抗体−薬物コンジュゲートの細胞傷害性試験(5)
抗原陽性細胞のNOMO−1細胞(HSRRB)は10%のウシ胎児血清(MOREGATE)を含むRPMI1640(GIBCO)(以下、培地)で培養した。NOMO−1細胞を培地で2.8×10
4cells/mLになるように調製し、96穴細胞培養用マイクロプレートに90μLずつ添加した。2時間後、培地で1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.32nM、0.064nMに希釈した抗CD33抗体及び抗体−薬物コンジュゲート(24)、(25)、(67)をマイクロプレートに10μLずつ添加した。被検物質非添加ウェルには培地を10μLずつ添加した。37度、5%CO
2下で6日間培養した。培養後、マイクロプレートをインキュベーターから取り出し室温で30分間静置した。培養液と等量のCellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を添加し撹拌した。室温で10分間静置後にプレートリーダー(PerkinElmer)で発光量を計測した。IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10b−LOG
10a)÷(d−c)+LOG
10b)
a:被検物質の濃度a
b:被検物質の濃度b
c:濃度aの被検物質を添加した時の生細胞率
d:濃度bの被検物質を添加した時の生細胞率
a、bは生細胞率50%をまたぐ濃度で、a>b
各濃度における細胞生存率は次式で算出した。
細胞生存率(%)=a÷b×100
a:被検物質添加ウェルの発光量の平均値(n=2)
b:被検物質非添加ウェルの発光量の平均値(n=5)
NOMO−1細胞に対して、抗体−薬物コンジュゲート(25)は、IC
50<0.1(nM)の細胞傷害活性を示した。抗体−薬物コンジュゲート(24)、(67)は、1<IC
50<100(nM)の細胞傷害活性を示した。また、抗CD33抗体は、NOMO−1細胞に対して細胞傷害活性を示さなかった(>100(nM))。
【0509】
(試験例8)抗体−薬物コンジュゲートの細胞傷害性試験(6)
抗原陽性細胞のU251細胞(ATCC)、抗原陰性細胞のMCF−7細胞(ATCC)は10%のウシ胎児血清(MOREGATE)を含むRPMI1640(GIBCO)(以下、培地)で培養した。U251細胞、MCF−7細胞を培地で2.8×10
4cells/mLになるように調製し、96穴細胞培養用マイクロプレートに90μLずつ添加して一晩培養した。翌日、各培地で1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.32nM、0.064nMに希釈した抗CD70抗体及び抗体−薬物コンジュゲート(10)、(11)をマイクロプレートに10μLずつ添加した。被検物質非添加ウェルには培地を10μLずつ添加した。37度、5%CO
2下で6日間培養した。培養後、マイクロプレートをインキュベーターから取り出し室温で30分間静置した。培養液と等量のCellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を添加し攪拌した。室温で10分間静置後にプレートリーダー(PerkinElmer)で発光量を計測した。IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10b−LOG
10a)÷(d−c)+LOG
10b)
a:被検物質の濃度a
b:被検物質の濃度b
c:濃度aの被検物質を添加した時の生細胞率
d:濃度bの被検物質を添加した時の生細胞率
a、bは生細胞率50%をまたぐ濃度で、a>b
各濃度における細胞生存率は次式で算出した。
細胞生存率(%)=a÷b×100
a:被検物質添加ウェルの発光量の平均値(n=2)
b:被検物質非添加ウェルの発光量の平均値(n=12)
抗体−薬物コンジュゲート(10)、(11)は、U251細胞に対してIC
50<1(nM)の細胞傷害活性を示した。一方、MCF−7細胞に対しては抗体−薬物コンジュゲート(10)、(11)は細胞傷害活性を示さなかった(≧90(nM))。また、抗CD70抗体は、いずれの細胞に対しても細胞傷害活性を示さなかった(>100(nM))。
【0510】
(試験例9)抗体−薬物コンジュゲートの細胞傷害性試験(7)
抗原陽性細胞のU251細胞(ATCC)は10%のウシ胎児血清(MOREGATE)を含むRPMI1640(GIBCO)(以下、培地)で培養した。U251細胞を培地で2.8×10
4cells/mLになるように調製し、96穴細胞培養用マイクロプレートに90μLずつ添加した。2時間後、培地で1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.32nM、0.064nMに希釈した抗CD70抗体及び抗体−薬物コンジュゲート(26)、(27)、(40)、(68)、(69)をマイクロプレートに10μLずつ添加した。被検物質非添加ウェルには培地を10μLずつ添加した。37度、5%CO
2下で6日間培養した。培養後、マイクロプレートをインキュベーターから取り出し室温で30分間静置した。培養液と等量のCellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を添加し攪拌した。室温で10分間静置後にプレートリーダー(PerkinElmer)で発光量を計測した。IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10b−LOG
10a)÷(d−c)+LOG
10b)
a:被検物質の濃度a
b:被検物質の濃度b
c:濃度aの被検物質を添加した時の生細胞率
d:濃度bの被検物質を添加した時の生細胞率
a、bは生細胞率50%をまたぐ濃度で、a>b
各濃度における細胞生存率は次式で算出した。
細胞生存率(%)=a÷b×100
a:被検物質添加ウェルの発光量の平均値(n=2)
b:被検物質非添加ウェルの発光量の平均値(n=12)
抗体−薬物コンジュゲート(26)、(27)、(40)、(69)はU251細胞に対して1<IC
50<10(nM)の細胞傷害活性を示した。抗体−薬物コンジュゲート(68)は10<IC
50<100(nM)の細胞傷害活性を示した。また、抗CD70抗体は、U251細胞に対して細胞傷害活性を示さなかった(>100(nM))。
【0511】
(試験例10)遊離薬物の細胞傷害性試験(8)
A375細胞(ATCC)は10%のウシ胎児血清(MOREGATE)を含むDMEM(GIBCO)(以下、培地)で培養した。A375細胞を培地で4×10
4cells/mLになるように調製し、65μLの培地を入れた96穴細胞培養用マイクロプレート(CORNING)に25μLずつ添加して一晩培養した。翌日、DMSOで1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.32nM、0.064nMに希釈した被検物質をマイクロプレートに0.5μLずつ添加した。被検物質非添加ウェルにはDMSOを0.5μLずつ添加した。すべてのウェルに培地を10μLずつ添加して培地の液量を100μLとし、37度、5%CO
2下で6日間培養した。培養後、マイクロプレートをインキュベーターから取り出し室温で30分間静置した。培養液と等量のCellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を添加し攪拌した。室温で10分間静置後にプレートリーダーで発光量を計測した。IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10b−LOG
10a)÷(d−c)+LOG
10b)
a:被検物質の濃度a
b:被検物質の濃度b
c:濃度aの被検物質を添加したときの生細胞率
d:濃度bの被検物質を添加したときの生細胞率
a、bは生細胞率50%をまたぐ濃度で、a>b
細胞生存率は次式で算出した。
細胞生存率(%)=a÷b×100
a:被検物質添加ウェルの発光量の平均値(n=2)
b:被検物質非添加ウェルの発光量の平均値(n=10)
実施例(75)の化合物、およびエキサテカンはA375細胞に対して0.1<IC
50<1(nM)の細胞傷害活性を示した。実施例(42)の化合物は1<IC
50<10(nM)の細胞傷害活性を示した。実施例(1)の化合物は10<IC
50<100(nM)の細胞傷害活性を示した。
【0512】
(試験例11)抗腫瘍試験(1)
マウス:5−6週齢の雌BALB/c ヌードマウス(日本チャールス・リバー社)を実験使用前にSPF条件化で4−7日間馴化した。マウスには滅菌した固形飼料(FR−2,Funabashi Farms Co.,Ltd)を給餌し、滅菌した水道水(5−15ppm次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加して調製)を与えた。
測定、計算式:全ての研究において、腫瘍の長径および短径を電子式デジタルキャリパー(CD−15C,Mitutoyo Corp.)で1週間に2回測定し、腫瘍体積(mm
3)を計算した。計算式は以下に示すとおり。
腫瘍体積(mm
3)=1/2×長径(mm)×[短径(mm)]
2
抗体−薬物コンジュゲートは全て生理食塩水(大塚製薬工場)で希釈し、10mL/kgの液量を尾静脈内投与した。ヒトメラノーマ株A375細胞をATCC(American Type Culture Collection)から購入した。生理食塩水に懸濁した8×10
6cellsを雌ヌードマウスの右側腹部に皮下移植し(Day0)、Day11に無作為に群分けを実施した。M30−H1−L4P抗体および抗体−薬物コンジュゲート(2)をDay11、18、25に全て10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。
結果を
図17に示す。図中の白ひし形線は無処置の腫瘍、白三角線はM30−H1−L4P抗体、白丸線は抗体−薬物コンジュゲート(2)の効果を示す。
抗体−薬物コンジュゲート(2)の投与によって腫瘍体積が著しく減少し、最終投与後は更なる腫瘍増殖が見られなかったことを示す。一方、M30−H1−L4P抗体投与では腫瘍の増殖が進行した。
また、抗体−薬物コンジュゲート(2)を投与されたマウスでは、体重減少などの特に目立った所見も無く、抗体−薬物コンジュゲート(2)は毒性的にも弱く、安全性も高いと考えられる。
【0513】
(試験例12)抗腫瘍試験(2)
ヒトメラノーマ株A375細胞をATCC(American Type Culture Collection)から購入した。生理食塩水に懸濁した6×10
6cellsを雌ヌードマウスの右側腹部に皮下移植し(Day0)、Day18に無作為に群分けを実施した。抗体−薬物コンジュゲート(2)(0.1,0.3,1,3mg/kg)をDay18、25、32に各用量qw×3のスケジュールで尾静脈内投与した。
結果を
図18に示す。図中の白ひし形線は無処置の腫瘍、黒四角線は抗体−薬物コンジュゲート(2)0.1mg/kg投与時、線−X−は0.3mg/kg投与時、黒三角線は1mg/kg投与時、白丸線は3mg/kg投与時の効果を示す。抗体−薬物コンジュゲート(2)は用量依存的に腫瘍の縮小効果を発揮した。
【0514】
(試験例13)抗腫瘍試験(3)
ヒト非小細胞肺癌株Calu−6細胞をATCC(American Type Culture Collection)から購入した。生理食塩水に懸濁した5×10
6cellsを雌ヌードマウスの右側腹部に皮下移植し(Day0)、Day11に無作為に群分けを実施した。M30−H1−L4P抗体および抗体−薬物コンジュゲート(2)をDay11、18、25にqw×3のスケジュールで全て10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。
結果を
図19に示す。図中の白ひし形線は無処置の腫瘍、白三角線はM30−H1−L4P抗体、白丸線は抗体−薬物コンジュゲート(2)の効果を示す。抗体−薬物コンジュゲート(2)の投与によって腫瘍体積が著しく減少し、最終投与後は更なる腫瘍増殖が見られなかった。一方、M30−H1−L4P抗体投与では腫瘍の増殖が進行した。
また、抗体−薬物コンジュゲート(2)を投与されたマウスでは、体重減少などの特に目立った所見も無く、抗体−薬物コンジュゲート(2)は毒性的にも弱く、安全性も高いと考えられる。
【0515】
(試験例14)抗腫瘍試験(4)
ヒトメラノーマ株A375細胞をATCC(American Type Culture Collection)から購入した。生理食塩水に懸濁した8×10
6cellsを雌ヌードマウスの右側腹部に皮下移植し(Day0)、Day21に無作為に群分けを実施した。抗体−薬物コンジュゲート(1)、(13)、(41)、(55)をDay21に全て10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。
結果を
図20に示す。図中の白ひし形線は無処置の腫瘍、白丸線は抗体−薬物コンジュゲート(1)投与時、白三角線は抗体−薬物コンジュゲート(13)投与時、線−X−は抗体−薬物コンジュゲート(41)投与時、白四角線は抗体−薬物コンジュゲート(55)投与時の効果を示す。抗体−薬物コンジュゲート(1)、(13)、(41)、(55)の投与によって腫瘍体積が著しく減少し、いずれも腫瘍増殖抑制効果を発揮した。
また、抗体−薬物コンジュゲート(1)、(13)、(41)、(55)を投与されたマウスでは、体重減少などの特に目立った所見も無く、抗体−薬物コンジュゲート(1)、(13)、(41)、(55)は毒性的にも弱く、安全性も高いと考えられる。
【0516】
(試験例15)抗腫瘍試験(5)
ヒト非小細胞肺癌株Calu−6細胞をATCC(American Type Culture Collection)から購入した。生理食塩水に懸濁した5×10
6cellsを雌ヌードマウスの右側腹部に皮下移植し(Day0)、Day12に無作為に群分けを実施した。抗体−薬物コンジュゲート(13)、(41)、(55)をDay12に全て10 mg/kgの用量で尾静脈内投与した。また比較対照としてDE−310をDay12に0.1 mg/kgの用量で尾静脈内投与した。ここで、投与量の表記は抗体−薬物コンジュゲートでは抗体の投与量に基づく値であり、DE−310では含有薬物の投与量に基づく値であるので、抗体−薬物コンジュゲートとDE−310の含有薬物量はおよそ1:100であり、上記投与により同等量の含有薬剤を投与したことになる。
結果を
図21に示す。図中の白ひし形線は無処置の腫瘍、白丸線はDE-310、白三角線は抗体−薬物コンジュゲート(13)、線−X−は抗体−薬物コンジュゲート(41)、白四角線は抗体−薬物コンジュゲート(55)の効果を示す。抗体−薬物コンジュゲート(13)、(41)、(55)の投与によって腫瘍体積が著しく減少した一方、DE−310の投与では腫瘍体積の減少は認められなかった。
また、抗体−薬物コンジュゲート(13)、(41)、(55)を投与されたマウスでは、体重減少などの特に目立った所見も無く、これらの抗体−薬物コンジュゲートは毒性的にも弱く、安全性も高いと考えられる。
【0517】
(試験例16)抗腫瘍試験(6)
ヒトメラノーマ株A375細胞をATCC(American Type Culture Collection)から購入した。生理食塩水に懸濁した1×10
7cellsを雌ヌードマウスの右側腹部に皮下移植し(Day0)、Day11に無作為に群分けを実施した。抗体−薬物コンジュゲート(17)、(18)、(19)、(59)、(60)、(61)をDay11、18にqw×2のスケジュールで全て3mg/kgの用量で尾静脈内投与した。
結果を
図22に示す。図中の黒ひし形線は無処置の腫瘍、黒四角線は抗体−薬物コンジュゲート(17)投与時、白三角線は抗体−薬物コンジュゲート(18)投与時、白丸線は抗体−薬物コンジュゲート(19)投与時、黒三角線は抗体−薬物コンジュゲート(59)投与時、白四角線は抗体−薬物コンジュゲート(60)投与時、線−X−は抗体−薬物コンジュゲート(61)投与時の効果を示す。
抗体−薬物コンジュゲート(17)、(18)、(19)、(59)、(60)、(61)の投与によって腫瘍体積が著しく減少し、いずれも腫瘍増殖抑制効果を発揮した。
また、抗体−薬物コンジュゲート(17)、(18)、(19)、(59)、(60)、(61)を投与されたマウスでは、体重減少などの特に目立った所見も無く、これらの抗体−薬物コンジュゲートは毒性的にも弱く、安全性も高いと考えられる。