特許第6186061号(P6186061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6186061指標を算出する方法、評価値を算出する方法、プログラム、および記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6186061
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】指標を算出する方法、評価値を算出する方法、プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20170814BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   A63B71/06 E
   A63B69/00 C
【請求項の数】14
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2016-170272(P2016-170272)
(22)【出願日】2016年8月31日
【審査請求日】2016年11月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】白木 広亮
(72)【発明者】
【氏名】阿部 昌利
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0103997(US,A1)
【文献】 特開2006−204420(JP,A)
【文献】 特表2005−531798(JP,A)
【文献】 特開2010−124895(JP,A)
【文献】 Matej Perse et al,Analysis of multi-agent activity using petri nets,Pattern Recognition,2010年 4月,Vol.43,No.4,1491-1501
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/06
A63B 69/00
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツの対象試合における所定時間内に、所定の事象が生じる可能性を示す指標を算出する方法であって、
前記方法は、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行され、前記コンピュータに、
前記対象試合よりも過去に実施された過去の試合において、当該過去の試合のプレーヤーの何れかがある時刻に行ったプレーに関する情報を含む過去プレーデータに基づいて算出された、前記プレーに基づいて前記事象が生じる可能性を特定するための予測モデルを前記メモリから読み出すステップと、
前記対象試合のプレーヤーの何れかが、前記対象試合におけるある時刻に行った前記プレーに関する情報を含む対象プレーデータを前記メモリから読み出すステップと、
前記対象試合中の第1の期間内において異なる時刻に生じた前記対象プレーデータと前記予測モデルに基づいて、前記対象試合中の前記第1の期間の後の第2の期間内に前記事象が生じる可能性を示す前記指標を算出するステップと、を実行させ
前記第2の期間は、前記予測モデルにおいて設定された時間幅を有する方法。
【請求項2】
スポーツの対象試合における所定時間内に、所定の事象が生じる可能性を示す指標を算出する方法であって、
前記方法は、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行され、前記コンピュータに、
前記対象試合よりも過去に実施された過去の試合において、当該過去の試合のプレーヤーの何れかがある時刻に行ったプレーに関する情報を含む過去プレーデータに基づいて算出された、前記プレーに基づいて前記事象が生じる可能性を特定するための予測モデルを前記メモリから読み出すステップと、
前記対象試合のプレーヤーの何れかが、前記対象試合におけるある時刻に行った前記プレーに関する情報を含む対象プレーデータを前記メモリから読み出すステップと、
前記対象試合中の第1の期間内において異なる時刻に生じた前記対象プレーデータと前記予測モデルに基づいて、前記対象試合中の前記第1の期間の後の第2の期間内に前記事象が生じる可能性を示す前記指標を算出するステップと、を実行させ、
前記予測モデルは、
前記過去の試合の前記過去プレーデータ、および、当該過去の試合において前記事象が生じた時刻の情報を含む結果データに基づいて作成され、
前記過去の試合中の、前記第1の期間に相当する時間幅を有する第3の期間内において異なる時刻に生じた前記過去プレーデータと、前記結果データに基づく、前記過去の試合中の前記第3の期間の後の、前記第2の期間に相当する時間幅を有する第4の期間内に前記事象が生じた頻度と、の間の相関関係を整合させる整合パラメータを含む方法。
【請求項3】
前記第1の期間に生じた前記対象プレーデータのプレー類型を識別するための識別情報に基づいて、前記第1の期間に生じた前記対象プレーデータのうち、所定の前記プレー類型として識別された前記対象プレーデータが占める割合を算出するステップをさらに前記コンピュータに実行させ
前記予測モデルの前記整合パラメータと、各前記プレー類型に識別された前記対象プレーデータが占める割合に基づいて、前記プレー類型毎に、前記第2の期間内に前記事象が生じる可能性を示す予測値を算出し、前記プレー類型毎の前記予測値に基づいて前記指標を算出する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記過去プレーデータは、前記プレーのプレー類型を識別するための識別情報をさらに含み、
前記予測モデルは、
前記第3の期間に生じた前記過去プレーデータのうち、所定の前記プレー類型として識別された前記過去プレーデータが占める割合と、前記第4の期間内に前記事象が生じた頻度と、の間の相関関係を整合させる整合パラメータを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の期間に生じた全ての前記対象プレーデータについて、前記識別情報毎に計数し、
前記識別情報毎に計数した数を、前記過去の試合において、前記第1の期間に相当する時間幅を有する第3の期間に実行された、当該識別情報に対応するプレーの平均的な実行回数に応じて補正し、
補正された前記識別情報毎に計数した数に基づいて、前記第1の期間に生じた前記対象プレーデータのうち、所定の前記プレー類型として識別された前記対象プレーデータが占める割合を算出するステップをさらに前記コンピュータに実行させる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記指標、または、前記指標に応じた所定のメッセージを、プロセッサおよびメモリを備え、前記コンピュータと通信可能に接続された端末装置へ送信するステップをさらに前記コンピュータに実行させ
前記端末装置に、前記指標または前記メッセージを、前記端末装置のユーザが知覚可能な態様で出力させるステップ、を実行させる請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記端末装置に、前記端末装置のユーザが知覚可能な態様で前記メッセージを出力させ、
前記メッセージは、前記対象試合の観戦の仕方を提案するメッセージである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記端末装置に、前記端末装置のユーザが知覚可能な態様で前記メッセージを出力させ、
前記メッセージは、前記対象試合の選手交代および戦術変更の少なくとも何れかに関するメッセージである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記指標を算出するステップを、前記第1の期間をずらしながら、前記対象試合の全期間にわたって行う請求項1から8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
スポーツの対象試合における所定時間内に、所定の事象が生じる可能性を示す指標を算出する方法であって、
前記方法は、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行され、前記コンピュータに、
前記対象試合よりも過去に実施された過去の試合において、当該過去の試合のプレーヤーの何れかがある時刻に行ったプレーに関する情報を含む過去プレーデータに基づいて算出された、前記プレーに基づいて前記事象が生じる可能性を特定するための予測モデルを前記メモリから読み出すステップと、
前記対象試合のプレーヤーの何れかが、前記対象試合におけるある時刻に行った前記プレーに関する情報を含む対象プレーデータを前記メモリから読み出すステップと、
前記対象試合中の第1の期間内において異なる時刻に生じた前記対象プレーデータと前記予測モデルに基づいて、前記対象試合中の前記第1の期間の後の第2の期間内に前記事象が生じる可能性を示す前記指標を算出するステップと、を実行させ、
前記プレーヤーのうち所定の対象プレーヤーに関連付けられた前記対象プレーデータに基づき、前記対象プレーデータから算出された前記指標における前記対象プレーヤーの持分を算出し、
前記持分に基づいて前記対象プレーヤーの評価値を算出するステップをさらに前記コンピュータに実行させる方法。
【請求項11】
前記持分は、前記対象プレーヤーの味方チームの前記指標を高めた前記プレーと、相手チームの前記指標を低下させた前記プレーに基づいて算出される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プレーヤーについて算出された前記評価値と、当該プレーヤーの報酬データを前記メモリから読み出すステップと、
前記評価値と前記報酬データとに基づいて、前記プレーヤーの報酬の適正度を評価する適正度指標を算出するステップと、をさらに前記コンピュータに実行させる請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12の何れか1項に記載の方法を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チームスポーツの試合におけるチームの優勢度を示す指標を算出する方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
チームスポーツの試合におけるチームの優勢度を判定する技術が知られている。特許文献1には、スポーツの映像におけるボール保持者が取り得る行動と、その結果をモデル化して、ボール保持者が属するチームの優勢度を判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−204420号公報(2006年8月10日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される優勢度は、プレーヤーがボールを保持した瞬間の優勢度を示すものであるため、指標としての用途が限定される。
【0005】
本開示は、多様な用途に適用し得る指標を算出し得る方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本開示に係る方法は、スポーツの対象試合における所定時間内に、所定の事象が生じる可能性を示す指標を算出する方法であって、前記方法は、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行され、前記コンピュータに、前記対象試合よりも過去に実施された過去の試合において、当該過去の試合のプレーヤーの何れかがある時刻に行ったプレーに関する情報を含む過去プレーデータに基づいて算出された、前記プレーに基づいて前記事象が生じる可能性を特定するための予測モデルを前記メモリから読み出すステップと、前記対象試合のプレーヤーの何れかが、前記対象試合におけるある時刻に行った前記プレーに関する情報を含む対象プレーデータを前記メモリから読み出すステップと、前記対象試合中の第1の期間内において異なる時刻に生じた前記対象プレーデータと前記予測モデルに基づいて、前記対象試合中の前記第1の期間の後の第2の期間内に前記事象が生じる可能性を示す前記指標を算出するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、多様な用途に適用し得る指標を算出し得る方法等を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係る分析システムを構成する分析装置、プレーデータサーバ、および端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】分析装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】サッカーのある試合におけるプレーデータセットの例を示す図である。
図4】プレー類型の設定例を示す図である。
図5】予測指標の算出方法の一例を示す図である。
図6】試合中の各基準時刻におけるプレー類型シェアを円グラフで示した図である。
図7】分析システムが行う主要な処理の流れを示すフローチャートである。
図8図7に示したステップS2の処理の一例を示すフローチャートである。
図9図7に示したステップS4の処理の一例を示すフローチャートである。
図10】プレー類型シェアの補正例を示す図である。
図11】対戦チーム毎の予測指標の時間推移を表すグラフの例を示す図である。
図12】対象試合に関する予測指標を表示しているスマートフォンの表示画面例を示す図である。
図13】対象試合に関する予測指標を表示しているスマートフォンの表示画面例を示す図である。
図14】対象試合に関する予測指標を表示しているスマートフォンの表示画面例を示す図である。
図15】対象試合が終了した後のスマートフォンの表示画面例を示す図である。
図16】終了した対象試合についての予測指標の時間変動を示す折れ線グラフを、この予測指標の上昇・下降に寄与した主なプレー類型の内訳と共に示したグラフの一例である。
図17】分析システムがプレーヤーについての評価値を算出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図18】報酬の適正度を評価する指標である数式を、評価値を横軸とし、年俸額を縦軸とした座標に描画した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
本開示の実施形態に係る、指標を算出する方法、評価値を算出する方法、および、プログラムの具体例を、図1図16を参照しつつ説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本開示に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0010】
〔分析システム5について〕
本実施形態に係る分析システム5は、複数のプレーヤーが複数のチームに分かれて競技するスポーツの試合において、所定時間内に、少なくとも一方のチームにおいて所定の事象の発生を予測し得る指標を算出する。より具体的には、分析システム5は、試合中の基準時刻の直前の所定時間(第1の期間)内における異なる時刻に生じた複数のプレーデータから、基準時刻の直後の所定時間(第2の期間)内に所定の事象が生じる可能性を示す予測指標を算出する。
【0011】
基準時刻とは、予測指標を算出する時点を指す。例えば、分析システム5が進行中の試合に関する予測指標をリアルタイムに算出する場合、基準時刻は現在である。所定の事象とは、例えば、(1)いずれかのチームが得点する、(2)プレーヤーの交代、(3)審判から警告を受ける、(4)プレーヤーのポジション変更、(5)プレーヤーの負傷退場などである。
【0012】
上記予測指標は、複数のプレーヤーが複数のチームに分かれて競技する任意のスポーツの試合に適用することができる。例えば、野球、ラグビー、アメリカンフットボール、バスケットボール、水球、アイスホッケー等である。以下では、サッカーの試合において「チームが得点する」という事象が発生する期待値を予測指標として算出する分析システム5の構成を例示する。
【0013】
〔分析システムの構成〕
分析システム5を構成する分析装置1、プレーデータサーバ2、および端末装置3について、図1に基づいて説明する。分析装置1が予測モデルを決定し、決定した予測モデルを用いて予測指標を算出し、端末装置3はその予測指標を分析装置1から受信する。
【0014】
分析システム5は、予測モデルの決定と予測指標の算出とを行う分析装置1、試合において各プレーヤーによって行われた各プレーに関する情報を示すプレーデータを分析装置1に提供するプレーデータサーバ2、分析装置1が算出した予測指標を出力する複数の端末装置3を含む。分析装置1とプレーデータサーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。端末装置3は、分析装置1と通信可能である。端末装置3は、予測指標を出力可能な装置であればよく、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブル端末、およびタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってもよい。予測指標の出力態様としては、これに限定されるものではないが、表示部に表示する態様、音声により出力する態様、振動等により触覚に訴えるように出力する態様、などが挙げられる。すなわち、ユーザが知覚可能な態様であれば任意の態様が利用可能である。
【0015】
分析装置1とプレーデータサーバ2と端末装置3は、ネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは、インターネット、図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム(例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution))、所定のアクセスポイントからインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えば、WiFi(登録商標))を含んでいてもよい。
【0016】
分析装置1は、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信IF(インターフェース)13と、入出力IF14とを備える。これらの構成要素は、通信バスにより互いに電気的に接続されている。同様に、プレーデータサーバ2はプロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。また、端末装置3はプロセッサ30と、メモリ31と、ストレージ32と、通信IF33と、入出力IF34とを備える。これらの構成要素も通信バスにより互いに電気的に接続されている。
【0017】
プロセッサ10、20、30は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を含んで構成される。プロセッサ10は、分析装置1全体の動作を制御する。プロセッサ20は、プレーデータサーバ2全体の動作を制御する。プロセッサ30は、端末装置3全体の動作を制御する。メモリ11、21、31は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成され得る主記憶装置を含んで構成される。ストレージ(記録媒体)12、22、32は、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性記憶装置で構成され得る補助記憶装置を含んで構成される。メモリ11には、プロセッサ10がストレージ12からロードした各種プログラムおよびデータが一時的に記憶される。メモリ21には、プロセッサ20がストレージ22からロードした各種プログラムおよびデータが一時的に記憶される。メモリ31には、プロセッサ30がストレージ32からロードした各種プログラムおよびデータが一時的に記憶される。これにより、メモリ11は、プロセッサ10に対して作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20に対して作業領域を提供する。メモリ31は、プロセッサ30に対して作業領域を提供する。
【0018】
プレーデータサーバ2のストレージ22には、プレーデータサーバ2を動作させるプログラムが格納される。プロセッサ20は、このプログラムをメモリ21にロードして展開し、実行する。これにより、プロセッサ20は、試合中に行われた各プレーに関するプレーデータを含むプレーデータセットを試合毎に生成し、ストレージ22に格納する。同様に、プロセッサ20は、試合毎の結果データをストレージ22に格納してもよい。なお、結果データには、これに限定されるものではないが、(1)チームの勝敗、(2)得点したプレーヤーと得点した時刻、(3)プレーヤーの交代とその時刻、(4)イエローカードおよびレッドカードなどの審判によるジャッジとそのジャッジがなされた時刻、および(5)プレーヤーの負傷退場とその時刻、等の情報が含まれていてもよい。
【0019】
分析装置1のストレージ12には、分析装置1を動作させるプログラムが格納される。プロセッサ10は、プログラムをメモリ11にロードして展開し、実行する。これにより、プレーデータサーバ2からプレーデータが取得され、ストレージ12に格納される。プロセッサ10は、予測モデルを決定し、プレーデータを用いて予測指標を算出する。
【0020】
ストレージ12に格納されたプログラムは、任意の記録媒体(「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路など)に記録することができる。そして、このような記録媒体から、当該プログラムをコンピュータに読み取らせることにより、該コンピュータを分析装置1として機能させることができる。プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介してコンピュータに供給されてもよい。本開示は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。端末装置3のプログラム、およびプレーデータサーバ2のプログラムも同様である。
【0021】
端末装置3のストレージ32には、端末装置3を動作させるプログラムが格納される。プロセッサ30は、ストレージ32に格納されたプログラムをメモリ31にロードして展開し、実行する。これにより、分析装置1が算出した予測指標が端末装置3の入出力IF34から出力される。プログラムは、端末装置3にインストールされたアプリケーションソフトウェアであってもよい。
【0022】
通信IF13、23は、分析装置1とプレーデータサーバ2との間で各種データを送受信するための通信制御機能を備える。通信IF13、33は、分析装置1と端末装置3との間で各種データを送受信するための通信制御機能を備える。通信方式は特に限定されず、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、携帯電話回線網とインターネットを介した通信、近距離無線通信等であってもよい。
【0023】
入出力IF14、24は、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部、および、液晶ディスプレイ等の出力部を備えており、コンピュータの情報をモニタリングするために用いられる。入出力IF34は、端末装置3がデータを出力したり、ユーザの入力操作を受け付けたりするためのインターフェースであり、例えばタッチスクリーンのような表示入力装置やスピーカーのような音声出力装置を含んでいてもよい。入出力IF34は、USB(Universal Serial Bus)等を介した各種データ入出力機能を有していてもよい。
【0024】
〔分析装置の機能的な構成〕
分析装置1の機能的な構成を図2に基づいて説明する。分析装置1は、分析装置1の各部を統括して制御する制御部100、分析装置1が使用する各種データを記憶する記憶部120、および分析装置1が他の装置と通信するための通信部130を備えている。制御部100は、取得部101、寄与度算出部102、シェア算出部103、指標算出部104、出力部105、および評価部106、として機能する。記憶部120には、プレーDB(Database)121、結果DB122、寄与度DB123、指標DB124、報酬DB125、が記憶されている。分析装置1は、上述の入出力IF14に対応する機能ブロックとして、ユーザの入力操作を受け付ける入力部、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部等を備えていてもよい。記憶部120には、プロセッサ10により実行される、分析装置1のプログラム等も記憶されている。
【0025】
制御部100、記憶部120、および通信部130の機能は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働により実現可能である。すなわち、プロセッサ10が、ストレージ12に格納されているプログラムをメモリ11に展開して実行することにより、制御部100に含まれる各部の機能が実現される。
【0026】
取得部101は、過去の試合の結果データと、その過去の試合のプレーヤーの何れかが、その過去の試合におけるある時刻に行ったプレーに関する情報を含む過去試合プレーデータセットと、をプレーデータサーバ2から取得する。取得部101は、取得した過去試合プレーデータセットを、記憶部120にプレーDBとして記憶させる。取得部101は、各過去の試合に関する結果データを、記憶部120に結果DB122として記憶させる。取得部101は、通信部130を介してプレーデータをプレーデータサーバ2から取得する構成に限定されない。例えば、取得部101は、例えば、プレーDBに予め記憶されているプレーデータセットを読み出す構成であってもよい。
【0027】
取得部101は、予測指標を算出する対象となる試合(以下、対象試合と称する)においてプレーヤーによって行われた個々のプレーに関するプレーデータをプレーデータサーバ2から取得する。
【0028】
寄与度算出部102は、対象試合よりも過去に実施された過去の試合において、その試合のプレーヤーの何れかがある時刻に行ったプレーに関する情報を含む過去プレーデータに基づいて、予測モデルを作成する。
【0029】
予測モデルは、過去試合プレーデータセットに含まれる過去試合プレーデータ、および、その過去の試合において事象が生じた時刻の情報を含む結果データに基づいて作成される。予測モデルは、過去の試合中の、第1の期間に相当する時間幅を有する第3の期間内における異なる時刻に生じた過去試合プレーデータと、結果データに基づく、過去の試合中の第3の期間の後の、第2の期間に相当する時間幅を有する第4の期間内に所定の事象が生じた頻度と、の間の相関関係を整合させる整合パラメータを含んでいる。整合パラメータの一例としては、後述の得点寄与度が挙げられる。得点寄与度とは、過去の試合において、あるプレー類型が生じた場合の得点への寄与度を示すパラメータである。算出された得点寄与度は、記憶部120に寄与度DB123として格納される。ここで、第3の期間および第4の期間はそれぞれ、対象試合における第1の期間および第2の期間に相当する時間幅を有していてもよい。
【0030】
指標算出部104は、所定の予測モデルを適用することによって、対象試合における予測指標を算出する。指標算出部104が基準時刻毎に算出した予測指標は記憶部120に指標DB124として格納される。
【0031】
指標DB124には、各対象試合における基準時間毎の各チームの予測指標が含まれている。指標DB124に、その予測指標に関連するプレーとそのプレーを行ったプレーヤーを示す情報も含まれていてもよい。
【0032】
出力部105は、指標算出部104から予測指標を取得し、通信部130に予測指標を出力する。出力部105は、通信部130を介して予測指標を所定の装置に送信し、所定の装置に予測指標を出力させる。なお、図1には、所定の装置の一例として端末装置3を記載しているが、所定の装置は予測指標を所定の態様により出力することのできる装置であればよく、その種類や数は特に限定されない。
【0033】
評価部106は、プレーヤーが過去の試合において行ったプレーに対する評価値を、プレーヤー毎に算出する。評価値とは、各プレーヤーが過去の試合中に行ったプレーが、互いのチームについて算出された予測指標に対する寄与の程度を示す値である。評価部106は、試合に参加したすべてのプレーヤーに対する評価値を算出してもよいし、ある特定のプレーヤーに対する評価値のみを算出してもよい。
【0034】
報酬DB125は、各プレーヤーの報酬情報(年俸額など)を示すデータベースである。報酬DB125は、評価値に対する報酬の適正度を評価する適制度指標の算出に使用される。
【0035】
〔プレーデータセットのデータ構造の例〕
次に、プレーデータセットのデータ構造について図3を用いて説明する。図3には、サッカーのある試合におけるプレーデータセットの一例が示されており、試合開始から12分目頃から15分目頃の時間帯のプレーデータセットが示されている。この試合はチームAとチームBとの対戦であるものとする。以下の説明においては、着目するプレーヤーが所属するチームAを味方チーム、チームBを相手チームと呼称することがある。プレーデータセットは複数のプレーデータを含む。各プレーデータは、各プレーが行われた時間(例えば、試合開始からの経過時間)、当該プレーを実行したプレーヤーの名前(または、プレーヤーの背番号で代替してもよい)、当該プレーヤーが所属するチーム、各プレーのプレー名(識別情報)を示す情報を含む。
【0036】
試合開始から12分過ぎにおいて、チームAが自陣からパスを繋いで中盤まで攻め込んだが、プレーヤーP8がパスミスを犯し、チームBにボールを奪われている。中盤でボールを奪ったチームBはプレーヤーQ7がパスミスを犯し、チームAが中盤でボールを奪い返している。その後、チームAはパスを繋ぎ、15分直前にプレーヤーP8がシュートを放っている。このように、プレーデータセットには、当該試合に出場したプレーヤーによって行われたプレーについてのプレーデータが時系列順に含まれている。
【0037】
図3に示すように、プレーデータにおける各プレーは、対応するプレーの名称(以下、プレー名と称する)に対応付けて分類されている。プレーの分類については、スポーツ等の競技の種類に応じた分類態様を用いることが望ましく、プレーデータにおけるプレー分類をどのように設定するかは特に限定されない。
【0038】
本実施形態においては、同じ名称のプレーであっても、そのプレーが行われたフィールド上での位置が異なる場合には、異なる分類として規定してもよい。例えば、シュートには、相手チームのゴールに近い位置(ペナルティエリア(PA)内)で行われたシュートと、相手チームのゴールから遠い位置(ペナルティエリア外)で行われたシュートがある。「パス成功」および「パスミス」などについても、フィールド上のどこで行われたプレーであるのかが区別され得る。
【0039】
図4は、プレー類型の設定例を示す図である。図4に示すように、対象試合中において所定の事象が生じることへの寄与の度合いに基づいて、いくつかのプレーを同じ分類としてさらにまとめて取り扱っても良い。すなわち、プレーが行われたフィールド上での位置が異なる場合であっても、同じ意味合いを有するプレーについては、同じプレー類型として分類してもよい。例えば、シュート(PA内)およびシュート(PA外)はいずれも「シュート」という1つのプレー類型として扱ってもよい。
【0040】
〔リアルタイム分析〕
以下では、現在行われている対象試合に関する予測指標を、リアルタイムに提示する場合について説明する。
【0041】
(予測モデルの作成から、予測指標の算出までの処理の流れ)
図7は、分析システム5が行う主要な処理の流れを示すフローチャートである。分析システム5は、過去の試合のプレーデータセットに含まれるプレーデータおよび結果データに基づいて予測モデルを作成し、この予測モデルを対象試合に適用して、対象試合についての予測指標を算出する。
【0042】
ステップS1において、取得部101は、過去の試合の結果データと、過去試合プレーデータセットと、をプレーデータサーバ2から取得する。過去試合プレーデータセットは、その過去の試合のプレーヤーの何れかが、その過去の試合におけるある時刻に行ったプレーに関する情報を含む。過去試合プレーデータセットおよび結果データがそれぞれ、プレーDB121および結果DB122に予め格納されていてもよい。この場合、取得部101は、プレーDB121から過去試合プレーデータを、結果DB122から過去の試合の結果データを読み出す。
【0043】
ステップS1において、寄与度算出部102は、プレーDB121から過去試合プレーデータセットを読み出し、過去試合プレーデータセットに含まれるプレーデータの各々をプレー類型毎に分類してもよい。また、寄与度算出部102が読み出す過去試合プレーデータセットは1また複数の試合に関するデータセットであってもよい。
【0044】
ステップS2において、寄与度算出部102は、過去プレーデータセットに基づいて、予測モデルを作成する。
【0045】
対象試合が開始すると、プレーデータサーバ2は、対象試合のプレーデータ(以下、対象プレーデータと称する)を収集し、蓄積する。ステップS3において、取得部101は、プレーデータサーバ2から対象プレーデータを取得し、ストレージ12に記憶させ、必要に応じてストレージ12からメモリ11へ転送する。
【0046】
ステップS4において、指標算出部104は、作成した予測モデルに基づいて、予測指標を算出する。指標算出部104は、対象試合のプレーヤーの何れかが、対象試合におけるある時刻に行ったプレーに関する情報を含む対象プレーデータを取得する。そして、指標算出部104は、対象試合中の第1の期間内において異なる時刻に生じた対象プレーデータと予測モデルに基づいて、対象試合中の第1の期間の後の第2の期間内に所定の事象が生じる可能性を示す予測指標を算出する。なお、第2の期間は第1の期間の直後であることが好ましいが、第1の期間と第2の期間の間にある程度の時間間隔があっても予測は可能である。
【0047】
(予測モデルを作成する処理の流れの詳細)
図8は、図7に示したステップS2の処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、寄与度算出部102は、過去試合プレーデータセットに含まれる各プレーデータをプレー類型に分類した上で、プレー類型毎の得点寄与度(整合パラメータの一例)を算出する。なお、寄与度算出部102は、算出された得点寄与度を寄与度DB123として記憶部120に記憶させる。
【0048】
図7のステップS1の後、ステップS21において、寄与度算出部102は、過去試合プレーデータセットに含まれるプレーデータの各々をプレー類型に分類する。
【0049】
ステップS22において、寄与度算出部102は、過去の試合の基準時刻の直前の第3の期間内における異なる時間に生じた過去プレーデータと、第3の期間の後に続く第4の期間内に所定の事象が生じた頻度を示す結果データと、の間の相関関係を整合させる整合パラメータを含む予測モデルを作成する。
【0050】
具体的には、寄与度算出部102は、結果DB122から当該過去試合プレーデータセットに対応する試合の結果データを読み出して得点が入った時刻を抽出する。寄与度算出部102は、プレー類型毎に、そのプレー類型が行われた後の一定期間に得点が入った回数と、得点が入らなかった回数とを計数する。寄与度算出部102は、あるプレー類型が生じた場合の得点への寄与度(以下、得点寄与度と称する)をプレー類型毎に算出する。具体的には、寄与度算出部102は、プレー類型毎に、過去の試合において、任意の第4の期間内に得点が入った場合の、第3の期間内に生じたプレー類型の発生回数xと、任意の第4の期間に内に得点が入らなかった場合の、第3の期間内に生じたプレー類型の発生回数yとを計数する。
【0051】
ステップS23において、寄与度算出部102は、x/(x+y)によって、予測モデルの整合パラメータとしての、プレー類型毎の得点寄与度を算出する。算出された得点寄与度は、記憶部120に寄与度DB123として格納される。
【0052】
指標算出部104がより適切な予測指標を算出するためには、多くの試合に関する過去試合プレーデータに基づいて算出された得点寄与度を用いることが望ましい。寄与度算出部102は、結果DB122から当該過去試合プレーデータセットに対応する試合の結果データを読み出して得点が入った時刻を抽出する。寄与度算出部102は、プレー類型毎に、そのプレー類型が行われた後の一定期間に得点が入った回数と、得点が入らなかった回数とを計数する。寄与度算出部102は、プレー類型毎に得点寄与度を算出する。寄与度算出部102が算出した得点寄与度は、記憶部120に寄与度DB123として格納される。
【0053】
(予測指標を算出する処理の流れの詳細)
図9は、対象試合中に予測指標を算出する処理の流れを示している。
【0054】
図7のステップS3の後、ステップS41において、指標算出部104は、予測指標の算出に用いる予測モデルの整合パラメータを取得し、メモリ11に記憶させる。指標算出部104は、記憶部120に格納されている寄与度DB123から各プレー類型の得点寄与度を読み出してメモリ11に記憶させる。
【0055】
ステップS42において、シェア算出部103は、ステップS41で記憶させたプレーデータをメモリ11から読み出し、基準時刻の直前の第1期間内に行われたプレーのプレーデータに基づいて、全プレーデータに占める各プレー類型の占有率(以下、プレー類型シェアと称する)を算出する。具体的には、シェア算出部103は、予測指標の算出対象とする第1の期間における、各プレー類型に該当するプレーの回数をプレーデータから読み出し、各プレー類型のプレー類型シェアを算出する。
【0056】
ステップ43において、指標算出部104は、対象試合の第1の期間におけるプレー類型毎のプレー類型シェアと、プレー類型毎の得点寄与度とを用いて予測指標を算出する。指標算出部104による予測指標の算出方法の具体例を図5に示す。図5に示すように、指標算出部104は、プレー類型のそれぞれについて、そのプレー類型シェアと、指標DB124から読み出した該プレー類型の得点への寄与度とを積算し、積算した値を合算することによって予測指標を算出する。指標算出部104は、算出した予測指標をメモリ11に記憶させる。
【0057】
ステップS44において、出力部105は、メモリ11に記憶された予測指標を出力する。具体的には、出力部105は、予測指標を端末装置3に送信し、端末装置3は送信された予測指標を取得し、取得した予測指標を、所定の態様で出力する。例えば、端末装置3の表示部(入出力IF34)において予測指標を表示させる場合、各チームの予測指標をユーザにリアルタイムに認識させることができる。具体的には、例えば予測指標の遷移を示すグラフが表示される。
【0058】
ステップS45において、取得部101は、対象試合が終了したか否かを判定する。ステップS45においてYESの場合、指標を算出する処理は終了する。ステップS45においてNOの場合、指標を算出する処理はステップS42に戻り、ステップS42〜S44の処理を繰り返す。
【0059】
(予測モデル)
予測モデルは、例えば線形回帰、ポアソン回帰、ロジスティック回帰等に基づく線形の統計モデルであってもよいし、例えばニューラルネットワーク等の非線形の統計モデルであってもよい。
【0060】
寄与度算出部102は、線形モデルを適用する場合、学習用データと整合するように得点寄与度を算出する。学習用データは、過去の試合の第1の期間におけるプレー類型シェアとその後の第2の期間における平均得点が用いられ得る。例えば、前述のように対象試合中の3分間のプレー類型シェアからその後の3分間についての予測指標を指標算出部104が算出する場合には、寄与度算出部102は、過去の試合における3分間のプレー類型シェアと、その期間の直後の3分間の平均得点と整合する得点寄与度を用いる。
【0061】
得点寄与度の算出に用いる過去の試合は、任意に選択されてもよいが、好ましくは、対象試合と、対戦するチーム、先発する中心プレーヤー、審判、試合会場、および天候が似通った試合であることが望ましい。特に、得点が入ることへのプレー類型毎の寄与の度合いが類似している過去の試合を選択するために、対象試合と、対戦するチームが一致する試合、および、対象試合と、同じリーグに所属するチーム同士の試合、などの条件を満たす過去の試合を選択してもよい。
【0062】
(プレー類型シェアの算出)
シェア算出部103は、基準時刻の直前の第1の期間において各プレー類型に分類されたプレーデータのプレー類型シェアを算出する。例えば、シェア算出部103が、図3に示された対象試合の開始後12分から15分までの3分間を、第1の期間とした場合、味方チームのプレーヤーによって行われたプレー類型について「シュート」1回、「自陣パス回し」2回、「敵陣侵入(パス)」2回、「中盤パス回し」1回、「中盤パスミス」1回と算出する。そして、シェア算出部103は、「シュート」、「自陣パス回し」、「敵陣侵入(パス)」、「中盤パス回し」、および「中盤パスミス」のプレー類型シェアを、「シュート」1/7、「自陣パス回し」2/7、「敵陣侵入(パス)」2/7、「中盤パス回し」1/7、「中盤パスミス」1/7と算出する。
【0063】
図6は、対象試合中の各基準時刻の第1の期間におけるチームAのプレー類型シェアを円グラフで示した図である。シェア算出部103は、対象試合の開始から所定の基準時刻が到来する都度、直前の第1の期間に行われたプレーデータに基づいて各プレー類型のプレー類型シェアを以下のように算出する。
【0064】
(基準時刻におけるあるプレー類型のプレー類型シェア)=(基準時刻の直前の第1の期間におけるあるプレー類型の出現回数)/(基準時刻の直前の第1の期間における全プレーデータ数)
シェア算出部103は、試合開始から3分経過した時点から、試合が終了する90分まで、1分毎に各チームの攻防パターンシェアを算出する。具体的には、試合開始から3分経過した時点を基準時刻とするプレー類型シェアは、試合開始から0分〜3分の間の時刻に関連付けられたプレーデータセットに基づいて算出される。試合開始から4分経過した時点を基準時刻とするプレー類型シェアは、試合開始から1分〜4分経過した時点までの3分間の時刻に関連付けられたプレーデータセットに基づいて算出される。シェア算出部103は、対象試合の終了後にこの対象試合の基準時刻毎の各チームの優勢度を分析する場合には、基準時刻毎に直前の第1の期間に行われたプレーデータに基づいてプレー類型シェアを算出してもよい。
【0065】
(予測指標の算出に適用する予測モデル)
指標算出部104は、プレー類型シェアと、寄与度DB123に記録された各プレー類型の得点への寄与度と、に基づいて予測指標を算出する。このように算出される予測指標は、対象試合の基準時刻までの所定の時間的な長さを有する第1の期間のプレー類型シェアから、基準時刻以後の所定の時間的長さを有する第2の期間における得点が入る可能性を示す期待値である。
【0066】
例えば、対象試合の試合開始から3分後における各プレー類型(1)、(2)、(3)、および(5)のプレー類型シェアはそれぞれ10%、50%、10%、30%である。そして、各プレー類型(1)、(2)、(3)、および(5)の得点寄与度がそれぞれ0.2、0.02、0.01、0.005である場合、指標算出部104は、予測指標を、0.1×0.2+0.5×0.02+0.1×0.01+0.3×0.005=0.0325と算出する。この例では、指標算出部104は、予測モデルとして線形モデルを適用している。
【0067】
指標算出部104は、前述の非線形モデルを適用して予測指標を算出してもよい。この場合、学習用のデータと整合するように予測式を設定し、この予測式を用いて予測指標を算出する。学習用のデータは、過去の試合の第1の期間におけるプレー類型シェアとその後の第2の期間における平均得点などであってもよい。非線形モデルを適用した場合、線形モデルを適用した場合に比べて予測精度が高い。
【0068】
チーム毎に戦術や得点パターンは異なるため、学習用のデータはそのチームの過去の試合のデータが用いられることが好ましい。例えば、固く守り、カウンターによって得点することを得意としたチームの場合、シュート数は少なくても、ミスなく守備ができている状況であれば、その試合において劣勢であるとは言えない。このように、チームの特性および戦術に応じた予測指標を算出し得る。
【0069】
以上説明したような方法により、指標算出部104が算出した予測指標には、予測指標の算出対象のチームのプレーヤーによるプレーのみならず、相手チームのプレーヤーによるプレーからの影響も考慮してもよい。
【0070】
(プレー類型シェアの補正)
図10は、対象試合の開始後5分間におけるプレー類型シェアの補正例を示している。プレー類型シェアを用いて予測指標を算出した場合、指標算出部104は、実際の試合における優勢・劣勢の状況とは大きく乖離した予測指標を算出する可能性がある。それゆえ、プレー類型シェアを補正した上で予測指標を算出することにより、発生回数が少ないプレーのプレー類型シェアが大きく変動することに起因する、予測指標と対象試合の実態との乖離を抑制し得る。
【0071】
図10の状態(A)および(B)は、対象試合の開始後5分間におけるプレー類型シェアの例を示している。図10の状態(B)は、試合開始から1分間毎に、行われたプレーの回数をプレー類型毎に計数した結果を示している。すなわち、「1分」の欄に、試合開始から1分間に行われたプレーの回数をプレー類型ごとに計数した結果を示し、「2分」の欄に、試合開始1分後から試合開始2分後までの1分間に行われたプレーの回数をプレー類型ごとに計数した結果を示している。「3分」〜「5分」の欄も同様である。
【0072】
状態(A)は、状態(B)に示す計数結果に基づいて、各プレー類型のシェアを、帯グラフを用いて示したものである。例えば、図10の状態(B)の「1分」および「2分」の欄を参照すれば、試合開始直後の1分間に行われた10回のプレーのうち、味方チームパスが5本、相手チームパスが5本である。その直後の1分間に行われた18回のプレーのうち、味方チームパスは15本に増加し、相手チームパスは3本に減少している。すなわち、味方チームパスのシェアは、試合開始直後からの1分間において50%(=5/10)であったが、その直後の1分間において83%(=15/18)に大きく増加している。この時間帯における味方チームパスのシェアの変化R1は、状態(A)の帯グラフの「1分」および「2分」に表れている。
【0073】
図10の状態(B)の「3分」〜「5分」のデータを参照すれば、試合開始から2分間が経過した後の味方チームパスと相手チームパスの数は、「3分」において18本と14本、「4分」において20本と17本、「5分」において19本と15本である。このことから、この時間帯において、味方チームパスと相手チームパスとのプレー類型シェアは互いに拮抗していることが分かる。また、図10の状態(A)の「3分」〜「5分」を参照すれば、味方チームパスのシェアはいずれの時間帯も40〜60%の範囲にあり、大きな変動は見られない。
【0074】
それゆえ、「1分」から「2分」における味方チームパスのシェアの大きな変化R1は、「1分」から「2分」までの期間に味方チームが優勢になったから生じたのではなく、単なるアーティファクトである可能性が高い。このアーティファクトは、試合開始直後からの1分間における味方チームおよび相手チームのパスの本数が極端に少なかったことに起因している。このようなアーティファクトの発生を抑制するためにプレー類型シェアを補正することが好ましい。
【0075】
図10の状態(C)および(D)は、対象試合の開始後5分間におけるプレー類型シェアの補正例を示している。図10の状態(D)は、各時間帯に行われたプレーの回数をプレー類型毎に計数し、その値に所定の補正値を加算して補正した値を示している。図10の状態(D)に示す例では、状態(B)に示す各時間帯における味方チームパスの計数結果に等しく補正値20が加算されている。同様に、各時間帯における味方チームシュートの計数結果には補正値0.5が加算され、相手チームパスの計数結果には補正値18が加算され、相手チームシュートには補正値0.3が加算されている。ここで、所定の補正値は、味方チームと相手チームとの過去の試合において実行された各プレー類型の平均的な回数に応じた値である。各補正値は予め算出して記憶部120に格納しておき、プレー類型シェアの算出の際にメモリ11に読み出せばよい。
【0076】
状態(C)は、状態(D)に示す補正結果に基づいて、各プレー類型のシェアを、帯グラフを用いて示したものである。状態(C)を参照すると、味方チームパスのシェアは、試試合開始直後からの1分間において51%であり、その直後の1分間において62%となる。この時間帯における味方チームパスのシェアの変化R2は、状態(A)に示す変化R1よりも小さい。このように、過去の試合において実行された各プレーの回数に基づく補正値を、対象試合において実行された各プレーの回数に加算することにより、プレー類型シェアを適切に補正することができる。また、このような補正を施したプレー類型シェアの値を、指標算出部104が用いることにより、実際の対象試合における優勢・劣勢の状況により適合した予測指標を算出することができる。
【0077】
(対象試合の経過と予測指標との関係)
図11は、出力部105が端末装置3に表示させる予測指標の表示例を示す図である。この例では、チームAとチームBとが対戦する対象試合において、試合開始T1から試合終了T3までの間、所定時間(例えば1分)毎に基準時刻が設定され、各基準時刻において算出された予測指標の値をグラフとして表示している。チームAの予測指標を実線の折れ線LAで示し、チームBの予測指標は破線の折れ線LBで示している。対象試合中の基準時刻において予測指標が算出される毎に、算出された予測指標の値がグラフに追加されてゆき、試合終了時には、図示のように、試合開始から終了までの予測指標の遷移がグラフで示されることになる。なお、同図において予測指標=0.04付近の破線305は、この対象試合における全チームの予測指標の平均値である。例えば多くのチームが1つのリーグに所属してリーグ戦が行われる場合には、当該リーグにおける全チームの平均値を表示させることにより、ユーザは当該チームの得点期待値を相対的に把握することができる。
【0078】
図11に示す対象試合の試合開始T1から前半終了T2までは、チームAの予測指標を示す折れ線LAもチームBの予測指標を示す折れ線LBも、破線305より低い値のまま推移している。このことから、この対象試合の前半は硬直した試合展開であり、両チームとも得点の可能性は低い。実際、対象試合において最初のゴールG1は試合後半である55分頃に生じている。よって、端末装置3を所持して対象試合を観戦しているユーザであれば、得点シーンを見逃すことを心配することなく、試合から目を離すことができる。
【0079】
図11において、試合開始から50分から60分頃にかけて折れ線LAが大きく上昇している。これは、チームAがこの時間帯において攻勢をかけたため、予測指標が大きく上昇していることを表している。しかし、先制のゴールG1を入れたのはチームBである。
【0080】
試合開始から50分から60分頃にかけて、折れ線LAより低いものの、折れ線LBも上昇している。すなわち、チームAに攻め込まれている状況ではあっても、この時間帯におけるチームBの予測指標は上昇していることが分かる。このように味方チームの予測指標が、相手チームの予測指標よりも高い状況であっても、味方チームではなく相手チームに得点が入る可能性もある。しかし、予測指標の上昇は、少なくとも対象試合に動きがあり、どちらかのチームが得点することを予感させるような変動を示している。
【0081】
折れ線LAは、65分から70分にかけて急に低下した後、70分以降は上昇に転じる。予測指標が上昇に転じた時間帯に含まれる77分頃にチームAは同点のゴールG2を入れる。すなわち、チームAによる同点のゴールG2は、予測指標が上昇し始めて得点の期待感が高まってきたタイミングで生じている。
【0082】
折れ線LBは、65分から70分にかけて破線305より高い状態を維持している。この時間帯に含まれる78分ごろにチームBは勝ち越しのゴールG3を入れる。このように、ゴールG1〜G3はいずれもチームの予測指標が平均よりも高かったり、上昇傾向にあったりする時のゴールである。それゆえ、予測指標を表示する端末装置3を所持して対象試合を観戦しているユーザであれば、予測指標が平均より高いか、あるいは上昇傾向である時間帯に得点が動く可能性が高いことを認識することができる。よって、ゴールG1〜G3のシーンをユーザが見逃す可能性は低い。
【0083】
80分以降は、折れ線LBが下降し、一方折れ線LAは上昇する。このことは、予測指標が各チームの優勢・劣勢を如実に表している。実際、この時間帯に予測指標が大きく上昇し、予測指標が高い状態を維持したチームAが、同点のゴールG4および決勝のゴールG5を入れ、2得点を上げて、勝利した。一方、予測指標が大きく下降したチームBは、得点を奪うことができないまま対象試合が終了している。
【0084】
このように、予測指標は、対象試合における各チームの得点の可能性を反映しており、予測指標が高い状況では、低い状況と比べて得点が入るという事象が発生する可能性が高い。逆に、予測指標が低い状況では、得点が入るという事象が発生する可能性が低い。よって、予測指標をユーザに提示することにより、ユーザは、集中して試合を観戦すべき時間帯か、試合から目を離してもよい時間帯かを判断することができる。例えば、得点シーンを見逃したくないユーザは、提示された予測指標が高いか低いかを確認して、予測指標が低い場合には観戦を中断することができる。
【0085】
また、図示の試合では、84分頃にチームBのあるプレーヤーが退場になった。ここで、「プレーヤーの退場」がプレー類型に含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。このプレーヤーが退場した後、折れ線LBは急に下降に転じ、破線305よりかなり低くなっている。このチームBの予測指標の時間推移をみれば、このプレーヤーの退場は、チームBが第2の期間に得点を入れることへの期待の度合いが低下する大きな要因となったことを示している。このように、予測指標は、第2の期間に得点を入れることへの期待の度合いであるとともに、チームの優勢/劣勢の変化に影響したイベントを特定することにも利用できる。
【0086】
(予測指標の表示例)
続いて、端末装置3が備える表示部において対象試合についての予測指標をリアルタイムにユーザに提示する様子について図12図14に基づいて説明する。
【0087】
端末装置3の表示画面に予測指標を表示する場合、端末装置3が、分析装置1によって生成された表示画面データを受信して表示部に表示する構成であってもよい。あるいは、分析装置1が表示画面データを生成するのではなく、端末装置3が表示画面データを生成してもよい。この場合、分析装置1から表示画面の生成に必要なデータを受信し、受信したデータを用いて表示画面を生成すればよい。
【0088】
(対象試合に関する予測指標をリアルタイム表示)
図12の状態(A)は、端末装置3における、対象試合の予測指標をリアルタイムに表示する表示画面例を示している。図12の状態(A)に示す表示画面例には、複数の表示領域を含んでいる。そして複数の表示領域のそれぞれにおいて、対象試合に関する所定の情報およびデータが表示される。例えば、表示画面には、基本情報301が表示される領域、解析データ306が表示される領域、補足データ303が表示される領域、および、グラフ304が表示される領域などが含まれている。基本情報301は、対象試合の試合開始からの経過時間を表示する。解析データ306は、選択されたチームの予測指標に基づいて解析された各種データおよび現在のスコアを表示する。補足データ303は、解析データ306に表示されているデータを補足するデータを表示する。グラフ304は、対象試合の試合開始から現在までの予測指標の時間推移を表すグラフを表示する。
【0089】
解析データ306に表示される各種データは、例えば、その時点のチームの予測指標と、チームの平均予測指標との比を示す比予測指標であってもよい。比予測指標は、その時点のチームの予測指標と、前年の1年間に行われた過去の試合における予測指標の平均値との比であってもよい。比予測指標は、対象試合において対戦しているチームが、過去の試合でのチーム状態に比べて現在は、どのような状態にあるかを示す指標である。
【0090】
なお、指標算出部104が、比予測指標を算出する構成であってもよい。または、制御部100が、指標算出部104とは異なる指標解析部(図示せず)を備える構成であってもよい。そして、記憶部120には、対象試合中に指標算出部104によって算出された予測指標が指標DB124として格納されている。指標解析部は、指標DB124から読み出した過去の予測指標から平均予測指標を算出し、指標算出部104から現在の予測指標を取得する。指標解析部は、比予測指標を、(比予測指標)=(現在行っている対象試合におけるチームAの予測指標)/(チームAの平均予測指標)×100により算出する。
【0091】
例えば、図12の状態(A)に示す解析データ306として表示されている「+15%」は、直前に算出したチームAの比予測指標に対する現在のチームAの比予測指標が現在15%増加した状態であることを表している。さらに、図示の解析データ306には、「+15%」に加えて、矢印および「100%」が表示されている。これらは、チームAの比予測指標が「+15%」された結果、現在「100%」になっていることを表している。
【0092】
図12の状態(A)に示す補足データ303は、解析データ306に表示されている比予測指標の増減に最も寄与の大きかったプレーのプレー名「30mライン侵入成功」を含む。
【0093】
グラフ304の近傍には、対象試合における相手チーム名が表示されている。このチーム名が表示されている領域のいずれかに対するユーザ操作を受け付けた場合、端末装置3のプロセッサ30は、選択されたチームに関する各情報を示す画像を表示させる。チームAが選択された場合には、グラフ304にはチームAの予測指標を示す折れ線LAが表示され、チームBが選択された場合には、グラフ304にはチームBの予測指標を示す折れ線LBのグラフが表示される。
【0094】
グラフ304には、選択されたチームであるチームAについて、対象試合の試合開始から現在までの予測指標の時間推移を示すグラフが表示されている。
【0095】
また、図12の状態(B)のように、対象試合において対戦している両チームの予測指標を含む情報が同時に表示されるように構成されていてもよい。例えば、端末装置3は、図12の状態(A)の表示において、ユーザによってチームAとチームBとの両方が選択された場合、図12の状態(B)に示すような表示へ切り替えを行う。この例では、グラフ304において、チームAの予測指標を示す折れ線LAおよびチームBの予測指標を示す折れ線LBが表示されている。また、解析データ306において、現在、すなわち試合時間63:37における各チームの比予測指標が棒グラフを用いて表示されている。
【0096】
グラフ304に示されるグラフをユーザに提示することにより、対象試合中に得点が入る可能性の推移を、リアルタイムにユーザに知らせることができる。また、解析データ306に示される棒グラフをユーザに提示することにより、現在の各チームの比予測指標を比較した結果を確認することができる。
【0097】
(対象試合に関連するメッセージの表示)
分析装置1は、対象試合の予測指標に基づいて試合の戦況を分析し、分析結果に応じてメッセージの出力を制御してもよい。
【0098】
図13は、対象試合を観戦中のユーザに対して、対象試合の観戦の仕方を提案するメッセージの表示例である。試合の観戦の仕方を提案するメッセージは、例えば、最新の第2の期間(すなわち、予測指標の算出対象とした期間)に、試合から目を離してもよいことを示すメッセージであってもよい。状態(A)は、メッセージ308「トイレに行ってはどうですか?」を表示している表示画面例を示している。また、状態(B)は、メッセージ308「いまなら売店に行ってもよさそうです。」を表示している。
【0099】
観戦を中断してもよいことを伝えるメッセージ308を出力させるか否かを判定する条件は、少なくとも何れかのチームの予測指標が予め定めた閾値未満であることとすればよい。この閾値は任意に設定されてもよく、例えば、予測指標の平均値に設定されてもよい。ただし、予測指標の低下が一時的である場合を考慮して、予測指標が閾値未満の状況が所定時間以上継続していることを条件とすることが好ましい。プロセッサ10は、対象試合中にユーザに提示するメッセージの出力を制御してもよい。この場合、分析装置1のプロセッサ10は、図9のステップS43において予測指標を算出した後、算出した予測指標に基づき、当該メッセージを端末装置3に出力させるか否かを判定する。
【0100】
観戦を中断してもよいことを伝えるメッセージ308を出力させるか否かを判定する条件を、一方のチーム(例えば、味方チーム)の予測指標が閾値未満であることとしてもよい。味方チームを予め記憶部120に記憶させておけば、プロセッサ10は、味方チームの予測指標に基づいて判定を行うことができる。ただし、味方チームの予測指標が低く、相手チームの予測指標が高い状況では、味方チームが劣勢になっており、観戦を中断することがかえって適切ではない可能性がある。そこで、図11の試合開始T1から前半終了T2までのように、折れ線LAおよび折れ線LBが共に破線305より低い状態が続いている時間帯であることを条件とすればよい。このような時間帯においては、対象試合が膠着状態となっている。それゆえ、この時間帯においては、味方チームが特定したり、失点したりする可能性が低いと考えられるため、ユーザは観戦を中断しても問題ない。
【0101】
なお、対象試合の膠着状態は、例えば両チームの予測指標の差が予め定めた閾値未満であることによって検出することも可能である。ただし、予測指標の差が小さい場合であっても、両チームとも予測指標が高ければ、図11の55分頃のように、ゴールが入る可能性が高まった、見ごたえのある時間帯である可能性がある。
【0102】
図14は、対象試合において対戦しているチームの戦術などを決定するユーザに対して、対象試合の戦況に基づいた選手交代、戦術変更などを提案するメッセージの表示例である。
【0103】
例えば、分析装置1は、対象試合を行っているチームの優勢・劣勢の状況に応じて、選手交代のタイミングであることを示唆するメッセージや戦術変更に関するメッセージを端末装置3に出力させてもよい。図14の状態(A)には、対象試合の73分頃に、チームAについて選手交代のタイミングであることを示唆するメッセージ308「プレーヤー交代?」を表示している表示画面例を示している。
【0104】
この場合、分析装置1のプロセッサ10は、図9のステップS43において予測指標を算出した後、該算出した予測指標に基づき、第2の期間内に、メッセージ308を出力するか否かを判定する。
【0105】
この判定の条件は、メッセージ308の内容に応じて予め定めておけばよい。例えば、チームAが得点を入れる可能性を高めるための選手交代を薦めるメッセージ308については、チームAの予測指標が予め定めた閾値を下回ったときに表示すればよい。この閾値は任意に設定されてもよく、例えば、予測指標の平均値に設定されてもよい。ただし、図11の75分付近の折れ線LAのように、チームAの予測指標の低下が短期間で止まり、すぐに上昇に転じた場合には、選手交代の必要性は低いと考えられる。そこで、予測指標が閾値を下回った状態が所定時間(例えば10分間)以上継続した場合にメッセージ308を表示することが好ましい。また、例えば、対象試合におけるチームAの予測指標において、チームAが得意なプレー類型の予測指標上昇に占める割合が、所定の閾値未満である状態が所定時間以上継続した場合にメッセージ308を表示してもよい。ここで、得意なプレー類型とは、過去の試合分析結果から得点への寄与度が大きいことが分かっているプレー類型を指す。また、予測指標または得意なプレー類型の予測指標上昇に占める割合が、減少傾向にあることを当該条件としてもよい。
【0106】
選手交代を薦めるメッセージ308は、選手交代を行うことが好ましいタイミングであることをユーザに示すものであればよく、テキストメッセージであってもよいし、音声メッセージであってもよい。記憶部120に格納されているメッセージのデータをプロセッサ10が読み出して、端末装置3に送信してもよい。あるいは、プロセッサ10はメッセージのデータ(音声や画像)は送信せずに、その出力命令を端末装置3に送信し、端末装置3がメッセージのデータを生成または取得して出力するようにしてもよい。以下説明する通知についても同様である。
【0107】
また、図14の状態(B)に示すように、交代の候補となるプレーヤーについても併せて通知してもよく、この場合、プロセッサ10は、その試合で記録された予測指標を指標DB124から読み出し、その試合における予測指標の上昇への寄与が小さいプレーヤーを特定し、交代の候補としてもよい。
【0108】
また、守備の強化のための選手交代を薦めるメッセージ308の場合、当該条件は、相手チームの予測指標や相手チームの得意なプレー類型の予測指標に対する割合が閾値を超えていることとすればよい。ただし、予測指標の上昇が一時的であれば、選手交代の必要性は低いと考えられるため、相手チームの予測指標や、相手チームの得意なプレー類型の予測指標に対する割合が予め定めた閾値を超えた状態が所定時間(例えば、10分間)以上継続したことを当該条件とすることが好ましい。また、相手チームの予測指標や相手チームの得意なプレー類型の予測指標に対する割合が上昇傾向にあることを当該条件としてもよい。
【0109】
守備の強化のための選手交代を薦めるメッセージを出力させる場合、守備的なポジションのプレーヤーのうち、相手チームの予測指標の低下への貢献が少ないプレーヤーを交代の候補として端末装置3に出力させてもよい。図14の(B)には、交代を薦めるプレーヤーのプレーヤー名「プレーヤー名X」と、このプレーヤーの代わりに試合に出場する候補のプレーヤーのプレーヤー名「プレーヤー名Y」とを含むメッセージ308が表示されている例を示している。このようなプレーヤーは、プロセッサ10が、その試合で記録された予測指標を解析することで特定可能である。また、交代で出場させるプレーヤーに関する付加情報についても通知してもよい。例えば、相手チームにおいて予測指標への寄与の大きいプレーを妨害するスキルを有するプレーヤーの出場を薦める情報を端末装置3に出力させてもよい。また例えば、相手チームの予測指標においてパスの寄与が大きい場合、パスカットが得意なプレーヤーや、プッシュの強いディフェンダーの出場を薦める情報を端末装置3に通知し、出力させてもよい。なお、各プレーヤーの得意プレーを予め記憶部120等に登録しておけば、候補となるプレーヤーをプロセッサ10により自動で選択してユーザに薦めることもできる。
【0110】
戦術変更を薦めるメッセージも、選手交代を薦めるメッセージと同様であり、味方チームの予測指標を上昇させることが好ましいタイミングや、相手チームの予測指標を下降させることが好ましいタイミングで出力させる。また、このような状況となっていない場合に、戦術を維持することを薦めるメッセージを出力させてもよい。例えば、味方チームの予測指標が予め定めた閾値以上である状況や、味方チームの得意なプレー類型の予測指標に対する割合が予め定めた閾値以上である状況が所定時間以上維持されている場合には、戦術を維持することを薦めるメッセージを出力させてもよい。同様に、相手チームの予測指標が予め定めた閾値以下である状況や、相手チームの得意なプレー類型の予測指標に対する割合が予め定めた閾値以下である状況が所定時間以上維持されている場合には、戦術を維持することを薦めるメッセージを出力させてもよい。
【0111】
また、戦術変更を薦めるメッセージは、戦術をどのように変更すべきかを示す情報を含んでいてもよい。例えば、戦術変更を薦めるメッセージを、相手チームの予測指標上昇に占める割合が大きいプレーを妨害する戦術を薦める内容のメッセージとしてもよい。例えば、相手チームのパスの予測指標の割合が高まってきたらパスカット重視の戦術、相手チームのプレーヤーに対するアタリ(フィジカルの接触)を強くするディフェンスを行う戦術の採用を薦めるメッセージを出力させてもよい。
【0112】
〔対象試合の終了後の分析〕
以下では、終了した対象試合に関する予測指標を解析した結果を提示する場合について説明する。
【0113】
(対象試合の終了後に予測指標を表示)
図15は、スマートフォンである端末装置3において、対象試合が終了した後に、予測指標を表示する表示画面例を示している。
【0114】
端末装置3のプロセッサ30は、図15に示すように、補足データ303において、その基準時刻における各チームの予測指標と、その基準時刻に算出された予測指標に対する寄与の大きい上位複数のプレーのプレー名を表示する。指定された時点における予測指標の値や、それに対する寄与の大きいプレーを示すデータは、分析装置1に格納されている。そこで、端末装置3のプロセッサ30は、指定された時点を示す情報(例えば試合時間)を分析装置1に通知する。分析装置1からの通知を受けた端末装置3は、指定された時点に行われたプレーに関するデータを画面に表示させる。予測指標に対する寄与の大きいプレー類型の出力の制御は、分析装置1のプロセッサ10によって行われる。具体的には、プロセッサ10は、各プレー類型を、そのプレー類型に対応する予測指標の大きさで順位付けし、該順位付けに従ってプレー類型を示す情報の出力を制御する。
【0115】
図15において、対象試合のチームAの予測指標を示す折れ線LA、およびチームBの予測指標を示す折れ線LBがグラフ304として表示されている。また、グラフ304に加えて、補足データ303および解析データ306が、グラフ304の下方に表示されている。
【0116】
解析データ306は、比予測指標を囲む環状の図形として表示されており、その中心に比予測指標の値が示されている。例えば、解析データ306の環の一周が比予測指標の100%に対応しており、比予測指標が、50%であれば半周、150%であれば一周半の環の図形として表示されている。解析データ306の隣には、補足データ303が配されている。チームAについては、比予測指標は125%である。また、この補足データ303には、チームAについて、この比予測指標に最も寄与が大きかったプレー類型「シュート」、次に寄与が大きかったプレー類型「センタリング」、その次に寄与が大きかったプレー類型「敵陣侵入」が表示されている。
【0117】
チームBについては、比予測指標は105%であり、補足データ303には、この比予測指標に最も寄与が大きかったプレー類型「シュート」、次に寄与が大きかったプレー類型「中盤パス回し」、その次に寄与が大きかったプレー類型「中盤パスミス」が表示されている。
【0118】
なお、グラフ304に表示されたグラフの所望の位置をユーザがタッチ操作することによって、カーソル309を表示させる構成であってもよい。この場合、解析データ306および補足データ303には、ユーザによって選択されたカーソル309の位置に対応する時点に関する情報が表示される。
【0119】
図15に示すように、グラフ304、解析データ306、および補足データ303を一覧できるように表示することにより、対象試合の各時間帯において、各チームがどのようなプレーをして、その結果、各チームの得点の期待値がどの程度高まったかを一目でユーザに認識させることができる。
【0120】
(算出された予測指標に対する各プレー類型の寄与)
算出された予測指標に対する各プレー類型の寄与の割合を端末装置3に表示させる場合、算出した予測指標の上昇や下降に寄与した度合いを解析すればよい。
【0121】
図16は、終了した対象試合についての予測指標の時間変動を示す折れ線グラフを、この予測指標の上昇・下降に寄与した主なプレー類型の内訳と共に示したグラフの一例を示している。このようなグラフをユーザに提示すれば、予測指標の上昇においてどのようなプレー類型が大きく寄与しているかをユーザに一目で認識させることができる。なお、プレー類型の内訳は、プレー類型毎に例えば色分けで表示することが好ましい。
【0122】
図16に示す例では、図示した時間帯において予測指標が大きく2度上昇している。最初の上昇K1は試合開始から10分頃であり、2度目の上昇K2は試合開始から34分頃である。上昇K1において、プレー類型「味方チーム中盤パス回し」の寄与が一番大きい。このことから、味方チームの良いパス回しが奏功して得点する可能性が高まったことが分かる。また、34分過ぎの縦線は、ゴールG6を示している。このゴールG6は、上昇K2に対応する時間帯に含まれている。上昇K2ではプレー類型「味方チーム敵陣侵入」および「味方チームシュート」の寄与が大きい。これにより、敵陣への浸入と、良いシュートによって得点する可能性が高まり、ゴールG6が生まれたということが分かる。このように、終了した対象試合において、このチームはこれらのプレー類型からチャンスを作って得点したことが伺える。
【0123】
各プレー類型の寄与の割合は、予測指標を算出する過程において算出されるプレー類型毎の予測指標から算出できる。具体的には、上述のように、指標算出部104は、各プレー類型のシェアとそのプレー類型の得点寄与度を積算した値(プレー類型毎の予測指標)を加算して、予測指標を算出する。そして、指標算出部104は、当該プレー類型毎の予測指標を、全プレー類型の予測指標の和で割って、各プレー類型の寄与の割合を算出する。
【0124】
〔変形例〕
上述の分析装置1は、プレー類型への分類は省略してもよい。この場合、寄与度算出部102は、過去に行われた試合のプレーのプレー名毎の得点寄与度を算出すればよい。また、シェア算出部103は、対象プレーデータに示される各プレーのシェアを算出し、指標算出部104はこのシェアから予測指標を算出する。なお、この場合には、過去の試合における各プレーのプレー名毎のシェアと得点との相関関係に応じた、各プレーの得点寄与度を予め求めて寄与度DB123に格納しておく。得点寄与度とプレーのシェアとに基づいて予測指標を算出する処理は前述した通りである。
【0125】
非線形モデルを用いる場合には、第1の期間における各プレーのシェアとその後の第2の期間における平均得点との相関関係を示す予測モデルから予測指標を算出すればよい。シェアの算出も省略して、各プレーの回数から予測指標を算出することも可能である。この場合、学習用のデータとして、第1の期間における各プレーの回数とその後の第2の期間における平均得点とを用いる。この学習用のデータと整合するように予測モデルを作成し、この予測モデルを用いて予測指標を算出する。予測モデルはそのパラメータを得点寄与度と同様に記憶部120に格納しておき、予測指標の算出の際にメモリ11に読み出せばよい。
【0126】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、図17および図18を参照しつつ以下に説明する。
【0127】
〔処理の流れ(評価値算出)〕
図17は、分析システム5がプレーヤーについての評価値を算出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0128】
まず、ステップS51において、評価部106は、記憶部120の指標DB124から、評価の対象とする対象試合の予測指標を取得する。なお、指標DB124には、各予測指標に、当該予測指標の算出に用いた対象プレーデータに含まれるプレーを行ったプレーヤーを示す情報が関連付けて記憶させている。プレーヤーを示す情報としては、プレーヤー名、プレーヤーの背番号など情報が例として挙げられる。また、対象試合の予測指標が対象試合中に算出させていない場合、指標算出部104が、ステップS51において、予測指標を算出してもよい。
【0129】
ステップS52において、評価部106は、評価対象のプレーヤー(以下、対象プレーヤーと称する)毎に対象試合の評価値を算出する。評価値は、対象試合に算出された予測指標のうち、評価対象のプレーヤーが行ったプレーに基づく予測指標の値である。すなわち、評価値は、対象プレーヤーが行ったプレーが味方チームの得点の期待値に与えた影響の度合いを示す。評価部106は、算出した予測指標の各値における対象プレーヤーの持分を、対象試合の開始から終了までについて合計して、対象プレーヤーの対象試合についての評価値を算出する。対象プレーヤーの持分は、対象試合において対象プレーヤーが行ったプレーが予測指標の上昇にどの程度貢献したかを示す。ここで、対象プレーヤーの評価値は、味方チームの予測指標増加に寄与したプレー、および、相手チームの予測指標下降に寄与したプレーに基づいて算出してもよい。
【0130】
ステップS53において、評価部106は、ステップS52において算出した各対象試合の評価値の和を、対象試合の総数で除算して、一試合平均の評価値を算出する。評価部106は、算出した評価値を対応するプレーヤーと関連付けてメモリ11に記憶させる。
【0131】
ステップS54において、出力部105は、メモリ11に記憶された評価値を読み出し、該評価値に関連付けられたプレーヤーの評価値として端末装置3に出力する。端末装置3は、評価値を受信して、プレーヤーの評価として表示する。
【0132】
〔報酬の適正度評価〕
評価部106は、プレーヤーの評価を、報酬の適正度として出力してもよい。評価部106は、各プレーヤーの評価値と、報酬DB125から当該各プレーヤーの年俸等の報酬情報を読み出してメモリ11に記憶させておく。
【0133】
評価部106は、各プレーヤーの評価値と報酬情報に基づいて、適正な年俸額を示す数式を算出する。例えば、評価部106は、適正な年俸額と評価値との比例関係を仮定した評価モデルを適用してもよい。
【0134】
図18は、評価値と、年俸額の関係を示すグラフである。図18には、各プレーヤーの評価値と年俸額と、適正な報酬額を示すグラフLが示されている。
【0135】
グラフLより上側にプロットされたプレーヤーP1およびP4は、評価値に比して年俸額が高い、割高なプレーヤーであると言える。グラフLより下側にプロットされたプレーヤーP3およびP5は、評価値に比して年俸額が低い、割安なプレーヤーであると言える。グラフL上にプロットされたプレーヤーP2は、評価値に比して適正な年俸額のプレーヤーであるといえる。プレーヤーのプロットとグラフLとの縦軸方向における距離は、そのプレーヤーの報酬の割高度、または割安度を示している。
【0136】
このような画像は評価部106が生成して端末装置3に送信してもよいし、評価部106は画像の生成に必要な情報を端末装置3に送信し、端末装置3が画像を生成してもよい。
【0137】
〔システム構成の変形例〕
これまでに説明した実施形態では、分析装置1、プレーデータサーバ2、および端末装置3を含む分析システム5を例示したが、本開示に係る分析システム5はこのような構成例に限られない。例えば、プレーデータサーバ2の機能を分析装置1に持たせてもよく、この場合にはシステムの構成要素からプレーデータサーバ2を省略することができる。また、プレー類型シェアを算出する処理や、画像を生成する処理や、プレーヤーの評価値を算出する処理を、分析装置1とは別のサーバに実行させてもよい。
【0138】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0139】
〔付記事項〕
本開示の内容を列記すると以下の通りである。
【0140】
(項目1)スポーツの対象試合における所定時間内に、所定の事象が生じる可能性を示す指標を算出する方法であって、前記方法は、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行され、前記コンピュータに、前記対象試合よりも過去に実施された過去の試合において、当該過去の試合のプレーヤーの何れかがある時刻に行ったプレーに関する情報を含む過去プレーデータに基づいて算出された、前記プレーに基づいて前記事象が生じる可能性を特定するための予測モデルを前記メモリから読み出すステップと、前記対象試合のプレーヤーの何れかが、前記対象試合におけるある時刻に行った前記プレーに関する情報を含む対象プレーデータを前記メモリから読み出すステップと、前記対象試合中の第1の期間内において異なる時刻に生じた前記対象プレーデータと前記予測モデルに基づいて、前記対象試合中の前記第1の期間の後の第2の期間内に前記事象が生じる可能性を示す前記指標を算出するステップと、を実行させる方法。前記の構成によれば、対象試合中の第1の期間内における異なる時刻に生じた対象プレーデータに基づいて、第1の期間の後の第2の期間において所定の事象が生じる可能性を示す指標を算出することができる。
【0141】
(項目2)前記予測モデルは、前記過去の試合の前記過去プレーデータ、および、当該過去の試合において前記事象が生じた時刻の情報を含む結果データに基づいて作成され、前記過去の試合中の、前記第1の期間に相当する時間幅を有する第3の期間内において異なる時刻に生じた前記過去プレーデータと、前記結果データに基づく、前記過去の試合中の前記第3の期間の後の、前記第2の期間に相当する時間幅を有する第4の期間内に前記事象が生じた頻度と、の間の相関関係を整合させる整合パラメータを含む、項目1に記載の方法。本願の発明者らの検討の結果、第1の期間のプレー内容とその後の第2の期間に所定の事象が生じる可能性には相関関係があることが分かっているので、前記の構成によれば、信頼するに足る指標を算出することができる。
【0142】
(項目3)前記第1の期間に生じた前記対象プレーデータのプレー類型を識別するための識別情報に基づいて、前記第1の期間に生じた前記対象プレーデータのうち、所定の前記プレー類型として識別された前記対象プレーデータが占める割合を算出するステップをさらに含み、前記予測モデルの前記整合パラメータと、各前記プレー類型に識別された前記対象プレーデータが占める割合に基づいて、前記プレー類型毎に、前記第2の期間内に前記事象が生じる可能性を示す予測値を算出し、前記プレー類型毎の前記予測値に基づいて前記指標を算出する、項目2に記載の方法。本願の発明者らの検討の結果、プレーを複数のプレー類型に分類した場合、第1の期間に生じた対象プレーデータのうち、1つのプレー類型に識別された対象プレーデータが占める割合(シェア)と、その後の第2の期間に所定の事象が生じる可能性とには相関関係があることが分かっている。よって、前記の構成によれば、信頼するに足る指標を算出することができる。
【0143】
(項目4)前記過去プレーデータは、前記プレーのプレー類型を識別するための識別情報をさらに含み、前記予測モデルは、前記第3の期間に生じた前記過去プレーデータのうち、所定の前記プレー類型として識別された前記過去プレーデータが占める割合と、前記第4の期間内に前記事象が生じた頻度と、の間の相関関係を整合させる整合パラメータを含む、項目3に記載の方法。前記の構成によれば、前記のような整合パラメータを含む予測モデルを使うことにより、信頼するに足る指標を算出することができる。
【0144】
(項目5)前記第1の期間に生じた全ての前記対象プレーデータについて、前記識別情報毎に計数し、前記識別情報毎に計数した数を、前記過去の試合において、前記第1の期間に相当する時間幅を有する第3の期間に実行された、当該識別情報に対応するプレーの平均的な実行回数に応じて補正し、補正された前記識別情報毎に計数した数に基づいて、前記第1の期間に生じた前記対象プレーデータのうち、所定の前記プレー類型としてされた前記対象プレーデータが占める割合を算出する、項目4に記載の方法。前記の構成によれば、第1の期間において、一部のプレーの回数が他のプレーの回数に対して突出した状態となった場合にも、算出される指標は、前記一部のプレーの回数の影響が過剰に反映されたものとはならず、実際の試合の状況に応じた適切なものとなる。
【0145】
(項目6)前記指標、または、前記指標に応じた所定のメッセージを、プロセッサおよびメモリを備え、前記コンピュータと通信可能に接続された端末装置へ送信するステップをさらに含み、前記端末装置に、前記指標または前記メッセージを、前記端末装置のユーザが知覚可能な態様で出力させるステップ、を実行させる項目1から5の何れかに記載の方法。前記の構成によれば、分析装置において算出された前記指標に基づいて、端末装置において、前記指標または前記メッセージを表示、音声、振動等のようなユーザが知覚可能な形態で出力することができる。
【0146】
(項目7)前記コンピュータは、前記端末装置に、前記端末装置のユーザが知覚可能な態様で前記メッセージを出力させ、前記メッセージは、前記対象試合の観戦の仕方を提案するメッセージである、項目6に記載の方法。前記の構成によれば、前記指標は、第2の期間内に所定の事象が生じる可能性を示すものであるから、この可能性に応じた適切な観戦の仕方をメッセージによりユーザに提案することが可能になる。例えば、第2の期間に得点の可能性が低い場合に、対象試合から目を離してよいことを示すメッセージを出力させてもよい。これにより、ユーザは、この期間に試合観戦を一時中断して、トイレや買い物等の用事を済ませることも可能になる。また、例えば、第2の期間に得点の可能性が高い場合には、目を離さない方がよいことを示すメッセージを出力させて、ユーザが得点シーンを見逃さないようにサポートすることもできる。
【0147】
(項目8)前記コンピュータは、前記端末装置に、前記端末装置のユーザが知覚可能な態様で前記メッセージを出力させ、前記メッセージは、前記対象試合の選手交代および戦術変更の少なくとも何れかに関するメッセージである、項目6に記載の方法。前記の構成によれば、前記指標は、第2の期間内に所定の事象が生じる可能性を示すものであるから、この可能性に応じた適切な観戦の仕方をメッセージによりユーザに提案することが可能になる。例えば、得点の可能性が低下しているチームについて、選手交代や戦術変更を薦めるメッセージを出力させてもよい。また、得点の可能性が上昇しているチームについて、選手交代や戦術変更を行わないことを薦めるメッセージを出力させてもよい。
【0148】
(項目9)前記指標を算出するステップを、前記第1の期間をずらしながら、前記対象試合の全期間にわたって行う項目1から8の何れかに記載の方法。前記の構成によれば、1試合全体について前記指標を算出できる。
【0149】
(項目10)前記プレーヤーのうち所定の対象プレーヤーに関連付けられた前記対象プレーデータに基づき、前記対象プレーデータから算出された前記指標における前記対象プレーヤーの持分を算出し、前記持分に基づいて前記対象プレーヤーの評価値を算出する、項目1から9の何れかに記載の方法。前記の構成によれば、前記指標を用いてプレーヤーの評価値を算出する。この方法は、コンピュータにより実行されるので、人の主観が入る余地がなく、公正な評価が可能である。
【0150】
(項目11)前記持分は、前記対象プレーヤーの味方チームの前記指標を高めた前記プレーと、相手チームの前記指標を低下させた前記プレーに基づいて算出される、項目10に記載の方法。前記の構成によれば、チームの指標を高めたプレーと、相手チームの指標を低下させたプレーの両方を考慮した評価値が算出される。これにより、例えば、味方チームの得点の可能性を高めたプレー、および、相手チームの得点の可能性を低下させたプレーを肯定的に評価できる。よって、前記評価値によれば、貢献が目立たない地味なプレーを行っているプレーヤーを公正に評価して、発掘することが可能になる。
【0151】
(項目12)前記プレーヤーについて算出された前記評価値と、当該プレーヤーの報酬データを前記メモリから読み出すステップと、前記評価値と前記報酬データとに基づいて、前記プレーヤーの報酬の適正度を評価する適正度指標を算出するステップと、をさらに含む項目10または11に記載の方法。前記の構成によれば、算出した適正度指標を用いて、プレーヤーの報酬が適正であるかを客観的に判断できる。
【0152】
(項目13)項目1から12の何れかに記載の方法を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【0153】
(項目14)項目13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0154】
1 分析装置(コンピュータ)、10 プロセッサ、11 メモリ、2 プレーデータサーバ、3 端末装置、5 分析システム
【要約】
【課題】時間的に幅のある期間における得点の可能性を示す指標を算出する。
【解決手段】プロセッサ(10)は、過去試合のプレーデータから算出された得点の予測モデルと、対象試合のプレーデータをメモリ(11)から読み出し、前記対象試合における第1の期間のプレーデータと前記予測モデルに基づいて、前記対象試合における第2の期間における予測指標を算出する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18