特許第6186074号(P6186074)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186074
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   A24F 23/00 20060101AFI20170814BHJP
   A24F 25/00 20060101ALI20170814BHJP
   A24B 15/28 20060101ALI20170814BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20170814BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   A24F23/00
   A24F25/00
   A24B15/28
   A24B15/30
   B65D85/50 Z
【請求項の数】22
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-508229(P2016-508229)
(86)(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公表番号】特表2016-524461(P2016-524461A)
(43)【公表日】2016年8月18日
(86)【国際出願番号】GB2014051168
(87)【国際公開番号】WO2014170653
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2015年11月30日
(31)【優先権主張番号】1307028.9
(32)【優先日】2013年4月18日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュフォース、デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ソマルストレム、エヴァ
【審査官】 木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/147024(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/148702(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/131989(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 23/00
A24B 15/28
A24B 15/30
A24F 25/00
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無煙タバコ製品である消費性受容物用容器であって、この容器はある特性を容器内の受容物に付与する物質を発するように構成された供与物を含む非消費性供与物担体を含み、供与物は植物性物質を含み、供与物担体は供与物と受容物の間に配されたバリアー層を含み、これを通って前記物質が移動できる容器。
【請求項2】
前記供与物は植物を含むことを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記供与物は葉を含むことを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項4】
前記バリアー層は透過性または半透過性であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の容器。
【請求項5】
前記非消費性供与物担体は前記バリアー層を含むパウチを含み、前記パウチは前記供与物を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の容器。
【請求項6】
前記非消費性供与物担体は前記容器のチェンバー内に配置され、前記チェンバーも前記消費性受容物を含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の容器。
【請求項7】
前記容器は補助チェンバーをさらに含み、前記非消費性供与物担体は容器を最初に開ける前に前記補助チェンバーに配されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の容器。
【請求項8】
前記非消費性供与物担体は取り外し可能な密閉ラッパーを含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の容器。
【請求項9】
非消費性供与物担体は消費性受容物と視覚的に異なることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の容器。
【請求項10】
前記容器は1つ以上の受容物を含むことを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の容器。
【請求項11】
前記容器は複数の供与物担体を含むことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載の容器。
【請求項12】
前記受容物はスヌースタバコ製品であることを特徴とする請求項1乃至1いずれか1項記載の容器。
【請求項13】
前記供与物によって発せられる物質は容器内の受容物に感覚刺激特性を付与する知覚物質であることを特徴とする請求項1乃至1いずれか1項記載の容器。
【請求項14】
前記供与物によって発せられる物質は容器内の受容物に水分を供する保湿物質であることを特徴とする請求項1乃至1いずれか1項記載の容器。
【請求項15】
無煙タバコ製品である受容物を保持する容器内に非消費性供与物担体を入れる工程を含む、ある特性を消費性受容物に供する方法であって、この方法は前記非消費性供与物担体は供与物担体のバリアー層を介して移動し、ある特性を前記受容物に付与する物質を発する供与物を含み、前記供与物は植物性物質を含む方法。
【請求項16】
前記供与物は植物を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記供与物は葉を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記容器内に前記非消費性供与物担体を入れる前に非消費性供与物担体に取り外し可能な密閉ラッパーを設ける工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
ある特性を近接する受容物に付与する物質を発する供与物を収容するパウチを含む非消費性供与物担体であって、前記パウチはこの物質が通過できるバリアー層を含み、前記供与物は植物性物質であり、前記受容物は無煙タバコ製品である担体。
【請求項20】
前記供与物は植物を含むことを特徴とする請求項19記載の非消費性供与パウチ。
【請求項21】
前記供与物は葉を含むことを特徴とする請求項1記載の非消費性供与パウチ。
【請求項22】
前記パウチは前記知覚物質がパウチから出られるようにミシン目を含む、または多孔性であることを特徴とする請求項19記載の非消費性供与パウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器に関し、特にしかしながら限定されるものではないが、スヌース無煙タバコ製品用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
スヌースタバコは、ばらばらの状態または透過性の袋に入れられたポーションで販売され、スヌースの水分を商品の輸送、貯蔵および展示中、維持するために再封止可能な蓋を有する携帯容器に梱包されている。通常、スヌースは上唇の下に長時間入れて消費される。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの実施態様では消費性受容物用容器が提供され、この容器は容器内の受容物にある特性を付与する物質を発するように構成された供与物を含む非消費性供与物担体も含み、供与物担体は供与物と受容物の間に配されたバリアー層を含み、これを通って物質が移動できる。
【0004】
バリアー層は透過性または半透過性であってもよい。
【0005】
非消費性供与物担体は前記バリアー層を含むパウチを含んでもよく、前記パウチは前記供与物を含む。
【0006】
非消費性供与物担体は前記容器のチェンバー内に配置されてもよく、前記チェンバーも前記消費性受容物を含む。
【0007】
本発明の容器は補助チェンバーをさらに含んでもよく、前記非消費性供与物担体は容器を最初に開ける前に前記補助チェンバーに配されている。
【0008】
非消費性供与物担体は取り外し可能な密閉ラッパーを含んでもよい。
【0009】
非消費性供与物担体は消費性受容物と視覚的に異なってもよい。
【0010】
容器は1つ以上の受容物を含んでもよい。
【0011】
容器は複数の供与物担体を含んでもよい。
【0012】
受容物は無煙タバコ製品であってもよい。
【0013】
受容物はスヌースタバコ製品であってもよい 。
【0014】
供与物によって発せられる物質は容器内の受容物に感覚刺激特性を付与する知覚物質であってもよい。
【0015】
供与物によって発せられる物質は容器内の受容物に水分を供する保湿物質であってもよい。
【0016】
本発明のいくつかの実施態様では受容物を保持する容器内に非消費性供与物担体を入れる工程を含む、ある特性を消費性受容物に供する方法が提供され、前記非消費性供与物担体は供与物担体のバリアー層を介して移動し、ある特性を前記受容物に付与する物質を発する供与物を含む。
【0017】
本発明の方法は前記容器内に前記非消費性供与物担体を入れる前に非消費性供与物担体に取り外し可能な密閉ラッパーを設ける工程を含んでもよい。
【0018】
本発明のいくつかの実施態様ではある特性を近接する受容物に付与する物質を発する供与物を含むパウチを含む非消費性供与物担体が提供され、前記パウチは物質が通過できるバリアー層を含む。
【0019】
パウチは前記知覚物質がパウチから出られるようにミシン目を含んでもよいまたは多孔性であってもよい。
【0020】
あくまで例示を目的として、本発明の実施態様を添付図面を参照し、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】主胴体と取り外し可能な蓋を有するスヌースタバコパウチ用容器を示す。
図2】補助チェンバーを有するスヌースタバコ製品用容器の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は主胴体3および 取り外し可能な蓋4を含むスヌースタバコパウチ2用容器1の一例を示している。図1に示した例は消費者の利便性のためポケットサイズの丸い容器であるが、当然のことながら他の形状および大きさも可能であり、それらも特許請求の範囲に記載した本発明の範囲内である。
【0023】
図1に示す容器1の主胴体3は平坦な底壁5と底壁5に対して垂直に延び、取り外し可能な蓋4によって閉じられるチェンバー7を画定する円筒状の側壁6とを含む。また蓋4も平坦な上壁9を含み、これはこれに対して垂直に延びた円筒状の側壁10を含む。チェンバー7はスヌースタバコ製品などの製品2を貯蔵するためのものである。
【0024】
図1に示すように容器1の蓋4は主胴体3に押し込み式、即ち蓋4と主胴体3との間の嵌め合いが押し込み式である手段によって取り付けられ、消費者は 容器1を閉じるために蓋4を主胴体3に押し込まなければならない。これにより確実に容器1は外部環境から充分に封止され、かつそれでも消費者が容器を開けて製品2を回収できるように取り外し可能になっている。容器を封止することによって確実にチェンバー7内の製品2は梱包の時から消費する時まで鮮度が維持される。当然のことながらこれとは別に蓋4は容器1の主胴体3に他の方法、例えば、互いに係合するように蓋と主胴体にネジエレメントを設けて蓋が主胴体にネジ止めされるような方法で取り付けるようにしてもよい。蓋4を主胴体3に取り付けられるようにするあらゆる他の好適な方法を使用してもよい。
【0025】
注目すべきことは一部の実施態様では図1に示す容器の主胴体3と蓋4は容器1の外の雰囲気からチェンバー7を密閉封止するということである。
【0026】
容器1内の製品2は梱包の時から消費する時まで新鮮に保たれることが重要である。さらに梱包前に製品に供されるあらゆる風味または他の感覚刺激特性は時間の経過と伴にゆっくりと劣化する。従って、梱包された製品が貯蔵、輸送および販売用に展示されている間これらの特性が確実に維持されるのが望ましい。容器を消費者が購入したら、これらの特性を回復できるようにすることも望ましい。
【0027】
図1に示す例では主胴体3と蓋4の間に画定されるような容器1内のチェンバー7は消費者の利便性のためにパウチ2に入れて提供されてもよい無煙スヌースタバコ製品を収容するためのものである。スヌースパウチはスヌースタバコ製品を含む透過性の袋であり、ユーザーの口に入れられ、そこで唾液が袋に染み込み、風味および他の化学品を放出する。しかしながら、当然のことながら本発明の容器1は代わりに無煙または無煙でないばらの状態のスヌースタバコ、ばらの状態の巻きタバコまたは他のタバコ製品などの他の製品用に使用してもよい。またニコチンによって供給される不活性材またはタバコ以外の植物などの非タバコ製品を使用することも可能である。
【0028】
主チェンバー7に含まれる無煙スヌースタバコ製品(またはこれとは別のもの)は受容物として知られているものであってもよい。
【0029】
図2に示すように梱包の時と容器を開ける時までの間に容器内の製品2に感覚刺激特性を供するために、供与物を含む供与パウチ8が受容物2を含むチェンバー7に入れられ、容器1はチェンバー7を封止するために閉じられる。供与パウチ8は供与物を含む透過性、半透過性、多孔性または穿孔された材料であってもよい。供与物パウチ8の中の供与物はチェンバー7内の受容物2に移行し、それに感覚刺激特性を付与する知覚物質を発する。知覚物質は感覚によって認識される特性を受容物に付与する。特に知覚物質は受容物に風味および/または香りを付与してもよい。1つの供与パウチ8だけをここでは説明したが、当然のことながら複数の供与パウチを使用することも可能である。
【0030】
供与パウチ8が半透過性材料の場合、知覚物質は供与物から受容物2へと移動するが、他の物質は受容物2から供与物へと移動できない。これは供与物の損失または受容物2によって発せられる物質によって生じる供与物の特性の変化を減少させるので有利である。
【0031】
供与パウチ8は受容物2を梱包する際にチェンバー7に入れてもよい。従って、供与パウチ8は貯蔵、輸送および販売展示の間または消費者が供与パウチ8をチェンバーから取り出さなければ最初に開けた後でも受容物2と共にチェンバー7に配される。このようにして受容物2の所望の感覚刺激特性は維持され、消費者は容器を最初に開けた際に新鮮な製品が提供され、およびチェンバー7に供与パウチ8を残すことによって消費者は確実にその後に容器1を開けた際にさらなる製品が新鮮であるようにすることができる。即ち全ての製品2はそれらが消費される際に所望の風味および/または香り特性を有する。
【0032】
別の例では供与パウチ8は、消費者が供与パウチ8を回収するために開封できる封止ラッパーに入った状態で消費者に提供されてもよい。封止ラッパーは供与物パウチ8の中の供与物から発せられる知覚物質の放出を妨げる。封止ラッパーが取り外されると、消費者は受容物2を収容している容器1のチェンバー7に供与パウチ8に入れて、知覚物質が受容物2に移行して、それに感覚刺激特性を付与してもよい。
【0033】
梱包の際、封止された供与物パウチ8を受容物2と一緒にチェンバー7内に入れてもよい。これとは別に図2に示すように封止された供与物パウチ8を、受容物を含まず補助蓋12によって閉じられる容器1の補助チェンバー11内に入れてもよい。これとは別に封止された供与物パウチ8は容器1および製品2自体とは別個に小売りして、ユーザーが受容物2の所望の感覚刺激特性に基づいて供与パウチ8を購入できるようにしてもよい。
【0034】
封止ラッパーに入った供与パウチ8を提供することによって、消費者は受容物2に感覚刺激特性を付与するか否かを選択することができる。さらに消費者はいつラッパーを開封し、供与パウチ8を放出させて製品を回復するために知覚物質の移動を開始させるかを選択することができる。従って、受容物2は容器を最初に開けた後に開封させることができる。例えば、製品2が最初に開けた際に消費者にとって充分に新鮮である場合、消費者は製品の風味および/または香りがラッパーを開封しておよび製品を回復させる前に劣化し始めるまで待つのを望む場合がある。
【0035】
供与パウチ8内の供与物は芳香性植物および/または他の風味/香り成分を含んでもよい。 供与物2を含むチェンバー7内に供与パウチ8を入れることによって、供与物から揮発性風味/香り成分を貯蔵、輸送および/または販売展示中に受容物と均質化させて、消費者に新たに感覚刺激特性が供された製品を提供してもよい。これとは別に消費者自身が上述したように容器を購入したら封止ラッパーを取り除くことによって供与物および受容物間の香り/風味揮発成分の均質化の工程を始動するようにしてもよい。従って、供与パウチ8は容器が購入され、開封されると受容物2に感覚刺激特性を供し、消費者に新鮮な製品を提供する。
【0036】
さらに 本発明の別の例では容器1が図2に示すように補助チェンバー11を含む場合、供与パウチ8を補助チェンバー11に保存し、個々の受容物2が消費者によって補助チェンバー11に移動され、消費する前に知覚物質および感覚刺激特性が充填されるようにしてもよい。即ち、例えば消費者が個々のスヌースパウチ2を消費する前にそのスヌースパウチに所望の風味または香りを供するために供与パウチ8が配されている補助チェンバー11内に移動させてもよい。
【0037】
梱包後に受容物に付与されるこれらの新鮮な特性は、貯蔵、輸送および保存可能期間中および容器を最初に開けた後供与物の強度および影響は大幅に減少しないので好ましい。さらにユーザーが活性化させる供与パウチはユーザーがいつ感覚刺激特性を製品に付与ささせたいかを選択することができ、種々の供与パウチを選択することによって望ましい特性を選択することができる。
【0038】
供与物の材料は受容物2の材料と異なってもよく、または同じであってもよい。製品に特性を付与するために使用可能な供与物の例としてハーブまたは植物などの有機知覚物質、例えばタバコ、ユーカリまたはミント葉などが挙げられる。これらの有機物質は小さくするおよび/またはそれらが発する物質の強度を増加するための処理を施してもよい。またこれらの物質は製品に知覚物質を搬送する水分および/または油分を放出するように処理してもよい。
【0039】
当然のことながら供与物は図2を参照して説明したようなパウチではない供与物担体に設けられてもよい。供与物担体は供与物を保持し、供与物と受容物の間に透過性または半透過性バリアー層を供するあらゆる種類の容器であってもよい。供与物によって発せられる物質は供与物からバリアー層を通って移動することができ、容器内の受容物に特性を付与することができる。供与物担体は知覚物質を発する供与物質、例えば植物物質を含んでもよい。これとは別に供与物担体に吸着(吸着または吸収)、注入、含浸、コーティング手段によってまたは供与物担体に知覚物質を供するあらゆる他の手段によって知覚物質を供してもよい。
【0040】
例えば供与物担体はポリマー発泡体であってもよく、これは所望の形状に形成され、その後それによって吸収される知覚物質に晒される。知覚物質は保持され、時間を掛けて徐々に放出される。放出の速度は材料を暖めることによって加速させてもよい。
【0041】
供与物担体の別の例としては知覚物質を吸収するセルロースアセテート繊維で構成された材料であってもよい。
【0042】
供与物の別の例としては木材などの植物性吸収材料であってもよい。木は天然の吸収材であり、吸着される全ての知覚物質は徐々に放出される。木は天然のまたは加工された木であってもよい。別の好適な植物性吸収材はタバコ材であってもよい。当然のことながら木またはタバコなどの植物性吸収材はそれ自体が知覚物質として機能してもよい。
【0043】
知覚物質は芳香性植物物質などの揮発性物質であってもよい。この例では容器のチェンバー内にある知覚物質が供与物から放出されるまたは発せられると、知覚物質が蒸発し、チェンバーに充満する。蒸発した知覚物質が受容物2に遭遇すると、知覚物質がその受容物に製品に感覚刺激特性を付与する。
【0044】
これとは別に知覚物質は供与物から徐々に放出され、接触によって受容物に移行する液体であってもよい。液体は物質を担持する油または溶液であってもよく、受容物に移行すると受容物に感覚刺激特性を付与する。
【0045】
知覚物質は受容物2に風味を供してもよい。本明細書中で使用する「知覚物質」および「風味」なる用語は各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。このような材料としては、抽出物(例えば、ユーカリ、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形態であってもよい。
【0046】
これとは別に感覚刺激特性は例えばメンソールの香りまたは他の香りなどの香りであってもよい。メンソール知覚物質はそれが注入された製品2が消費または使用されているとき、清涼感を生じ、風味および/または香りを供する。当然のことながらあらゆる組み合わせの感覚刺激特性が消費者が容器を開けた際に知覚物質の匂いを嗅げるようにチェンバー内の空気に香りを付与するように作用する知覚物質によって提供されてもよい。
【0047】
供与物を含む供与パウチ8は、受容物2と異なり、消費用ではない。このことを消費者に明らかにするために供与パウチ8を受容物2と視覚的に異なるようにしてもよい。例えば供与パウチ8は例えば明るい赤色にするなどして異なる色にしてもよく、または例えば「消費用ではない」などの警告表示を含んでもよい。これとは別に供与物担体8は受容物2とは異なる大きさおよび/または形状にしてユーザーが簡単に供与物担体8を識別できるようにしてもよい。この場合供与パウチ8は供与パウチ8内の供与物から知覚物質を容器内の受容物2に移行させるためだけに設けられている。
【0048】
図2に示した例では供与パウチ8は供与パウチ8のスリーブ材に染み込むことができる知覚物質を発する供与物を含む。供与パウチ8のスリーブ材は、供与物によって発せられる知覚物質に対して透過性でなければならない。また供与パウチ8から供与物が出るのを防ぐものであってもよい。例えば、供与パウチのスリーブ材は半透過性材料であってもよい。これとは別に供与パウチ8ミシン目を含んでもよく、これを介して知覚物質が移動できるようにしてもよいが、これらミシン目は供与物が通過するには小さすぎるものでなければならない。
【0049】
注目すべきことは一部の実施態様ではチェンバー7は受容物2および供与パウチ8の貯蔵のための任意の数のサブチェンバーに分割してもよい。これにより受容物2および供与パウチ8の種々の組み合わせを各サブチェンバーに入れることが可能になり、消費者の選択の範囲が広がる。
【0050】
図1および2を参照して上述した例では供与パウチは容器1内の受容物に感覚刺激特性を付与するために知覚物質を発する。しかしながら、当然のことながらこれとは別に供与パウチは受容物に任意の他の特性を付与するあらゆる他の物質を発してもよい。
【0051】
例えば、供与物は受容物に水分を与える保湿物質を発してもよい。供与物によって発せられる保湿物質は受容物に水分を与えるあらゆる物質、例えば水系溶液またはあらゆる他の物質であってもよい。この例で供与物によって与えられる水分は受容物が購入前または購入後の容器内での保管中に乾燥するのを防ぐので有利である。保湿物質が設けられた供与パウチは梱包の際に容器に入れて、最初に開封した際に新鮮な製品が消費者に供されるようにしてもよい。これとは別に消費者は保湿物質が供された供与パウチを容器に入れて最初に開けた後に受容物に水分を付与して容器を最初に開けた後に受容物が乾燥するのを防ぐことも可能である。
【0052】
当然のことながら供与パウチは知覚物質および保湿物質の両方を発してもよく、それは単独の物質または2つ以上の物質を組み合わせたものであってもよい。例えば、発せられる物質は水系または水系物質に担持された知覚物質であってもよく、従って感覚刺激特性および保湿特性の両方を供することができる。
【0053】
従って当然のことながら供与パウチによって発せられる物質は受容物に望ましいとされるあらゆる特性を付与してもよく、例えばその物質は風味、香り、水分、品質または寿命またはあらゆる他の有効な特性を付与してもよい。
【0054】
また当然のことながらいくつかの実施態様では任意の数の受容物2および供与パウチ8を使用してもよい。
【0055】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れたタバコ製品用容器を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2