(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
静電容量方式で位置感知を行う場合、前記制御回路は、前記複数の第1導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御して、前記複数の第1導電性パターンのそれぞれの他端を開放するか、一端に帰還連結し、前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御して、前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの他端を開放するか、一端に帰還連結することを特徴とする請求項1に記載のタブレット。
前記制御回路は、電磁気誘導方式で位置感知を行う場合、前記複数の第1導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御して、前記複数の第1導電性パターンの他端を前記ループアンテナに連結し、前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御して、前記複数の第2導電性パターンの他端を前記ループアンテナに連結することを特徴とする請求項1に記載のタブレット。
前記電子ペンによって、前記第1ラインアンテナ及び前記第2ラインアンテナに電磁気誘導された誘導信号と前記ループアンテナとの電位差を出力するための差動増幅器をさらに含み、
前記制御回路は、電磁気誘導方式で位置感知を行う場合、前記電子ペンによって、前記第1ラインアンテナ及び前記第2ラインアンテナに電磁気誘導された誘導信号が、前記差動増幅器に提供されるように、前記複数の第1導電性パターン及び前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御することを特徴とする請求項1または4に記載のタブレット。
前記複数の第1導電性パターン及び前記複数の第2導電性パターンが形成された基板と、前記スイッチ素子を含む前記制御回路は、互いに異なる基板に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタブレット。
前記複数の第1導電性パターン及び前記複数の第2導電性パターンは、1つの基板の一面に絶縁された状態で形成されるか、1つの基板の一面と他面とにそれぞれ形成されるか、それぞれ異なる基板に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタブレット。
前記ループアンテナは第1基板及び前記第1基板とは異なる第2基板のうち何れか1つの基板または別途の第3基板に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタブレット。
前記電子ペンに対して電磁気力を放射するパワーコイルが、前記第1基板ないし前記第3基板のうち何れか1つの基板または別途の第4基板に形成されることを特徴とする請求項8に記載のタブレット。
【背景技術】
【0002】
最近、共振回路を内蔵して所定周波数の電磁波を放出する電子ペンの位置を感知するタブレットが、例えば、特許文献1に公知されている。
【0003】
図1は、特許文献1に開示された技術の概要を説明する図面である。
図1を見れば、タブレットは、閉ループを構成するループアンテナ10と、一端がループアンテナ10と電気的に連結され、ループアンテナ10を横切る方式で互いに平行に配列されたくし状の複数個のラインアンテナ20と、それぞれのラインアンテナ20でループアンテナ10と連結されていない他端が入力側に連結され、複数個の入力側のうち何れか1つを出力側として選択することができるマルチプレクサ30と、1つの入力はループアンテナ10に連結され、他の1つの入力はマルチプレクサ30の出力側に連結されて、ループアンテナ10の電位とマルチプレクサ30から選択されたラインアンテナ20での電位の差分を出力する差動増幅器40と、を含む。
【0004】
このような構成で、電磁波を放出する電子ペンが、ループアンテナ10の閉ループの内部(すなわち、仮想に設定される電子ペン感知領域)のうち、任意の位置に接近すれば、あらゆるラインアンテナ20では、電磁気誘導効果によって誘導電圧が発生する。この際、発生する誘導電圧は、ループアンテナ10の電位を基準に、各ラインアンテナで大きさ及び位相が異なるように表われるが、特許文献1は、このような現象を用いて電子ペンの位置を測定するタブレットを開示している。
【0005】
一方、指によるタッチ有無及びタッチ位置を感知するためのタッチパネルを具現する方式で、
図2に示したような技術が開示されている。まず、X軸及びY軸の格子に配列された複数のラインアンテナを構成する。この際、X軸ラインアンテナ21とY軸ラインアンテナ22は、互いに電気的に連結されないように絶縁されているか、基板の互いに異なる面に配置される。
【0006】
X軸ラインアンテナ21の一側端には、TX回路51と選択的に連結されるようにX軸アナログスイッチ37が配される。X軸ラインアンテナ21の他側端は開放されている。また、Y軸ラインアンテナ22は、一側端をY軸アナログスイッチ38を通じてRX回路52に連結する。Y軸ラインアンテナ22の他側端は開放されている。
【0007】
このような構成で、TX回路51で任意の電圧(または、電流)と波形を有する駆動信号を何れか1つのX軸ラインアンテナに連結し、この状態で、Y軸アナログスイッチ38によって1つずつのY軸ラインアンテナを選択し、RX回路52を通じて感知される信号(駆動信号による電圧または電流)を測定する。引き続き、さらに他のX軸ラインアンテナに駆動信号を連結し、この状態で、Y軸ラインアンテナを1つずつ選択し、各選択されたY軸ラインアンテナで表われる信号をRX回路52を通じて感知するスキャン動作を行う。このようなスキャン動作で感知される信号を用いて、指が接触または接近した地点を通るX軸ラインアンテナとY軸ラインアンテナとを探し出すことができる。このように探し出したX軸ラインアンテナとY軸ラインアンテナとを用いて、指が接触した座標を獲得させうる。
【0008】
一方、前記のようなタブレット装置またはタッチパネルは、ディスプレイ手段の前面に配され、この場合、感知領域に形成されるアンテナパターンは、可能な限り透明に設計されることが望ましい。
【0009】
また、ユーザの多様な要求が表われながら、ディスプレイ手段に対して電子ペンによる精密な操作入力と指先によるタッチ入力とを同時に行える装置が要求されている実情である。
【0010】
また、アンテナパターンが配される感知領域を取り囲む部分として、アンテナパターンを駆動させるための回路素子が配されるフレーム部分の幅を最小化しようとする要求が急増している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述した問題点を解決するために、本発明は、電子ペンの操作と指先のタッチとを同じアンテナパターンによって選択的に認識することができるタブレットを提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、感知領域のフレーム部分に形成されるアンテナパターンの形態を改善して、アンテナパターンを駆動するための回路素子の配置構造を調整することによって、感知領域の外側フレーム部分であるベゼル領域の幅を最小化させて、タブレット装置の大きさを増加させずとも、相対的にディスプレイ手段の大きさを最大化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した目的を果たすための本発明による電磁気誘導方式の位置感知と静電容量方式の位置感知とを行うタブレットは、電子ペンから放出される電磁波を感知する所定の感知領域の少なくとも一部を取り囲むループアンテナと、前記感知領域に配される複数の第1導電性パターンを有する第1ラインアンテナと、前記感知領域で前記複数の第1導電性パターンと互いに交差する複数の第2導電性パターンを有する第2ラインアンテナと、前記複数の第1導電性パターンのそれぞれの一端及び他端を制御するスイッチ素子と、前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの一端及び他端を制御するスイッチ素子と、を含み、前記スイッチ素子を制御して、前記複数の第1導電性パターン及び前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの両端に対する連結を制御することによって、電磁気誘導方式または静電容量方式で位置感知を行う制御回路と、を含む。
【0015】
また、静電容量方式で位置感知を行う場合、前記制御回路は、前記複数の第1導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御して、前記複数の第1導電性パターンのそれぞれの他端を開放するか、一端に帰還連結し、前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御して、前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの他端を開放するか、一端に帰還連結することを特徴とする。
【0016】
また、任意の波形からなる駆動信号を送信する送信回路と、前記送信回路の駆動信号によって転移された感知信号を受信する受信回路と、をさらに含み、静電容量方式で位置感知を行う場合、前記制御回路は、前記複数の第1導電性パターンのうち少なくとも1つのパターンの一端に前記送信回路の駆動信号が供給されるように、前記第1導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御し、前記受信回路が、前記送信回路の駆動信号によって、前記第2導電性パターンに転移された感知信号を受信するように、前記第2導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御することを特徴とする。
【0017】
また、前記制御回路は、電磁気誘導方式で位置感知を行う場合、前記複数の第1導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御して、前記複数の第1導電性パターンの他端を前記ループアンテナに連結し、前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御して、前記複数の第2導電性パターンの他端を前記ループアンテナに連結することを特徴とする。
【0018】
また、前記電子ペンによって、前記第1ラインアンテナ及び前記第2ラインアンテナに電磁気誘導された誘導信号と前記ループアンテナとの電位差を出力するための差動増幅器をさらに含み、前記制御回路は、電磁気誘導方式で位置感知を行う場合、前記電子ペンによって、前記第1ラインアンテナ及び前記第2ラインアンテナに電磁気誘導された誘導信号が、前記差動増幅器に提供されるように、前記複数の第1導電性パターン及び前記複数の第2導電性パターンのそれぞれの一端と他端とに連結された前記スイッチ素子を制御することを特徴とする。
【0019】
また、電磁気誘導方式で位置感知を行う場合に、前記ループアンテナを接地または共通電位に連結するか、前記ループアンテナの閉ループを開放させるための選択器をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
また、前記複数の第1導電性パターン及び前記複数の第2導電性パターンが形成された基板と、前記スイッチ素子を含む前記制御回路は、互いに異なる基板に形成されることを特徴とする。
【0021】
また、前記複数の第1導電性パターン及び前記複数の第2導電性パターンは、1つの基板の一面に絶縁された状態で形成されるか、1つの基板の一面と他面とにそれぞれ形成されるか、それぞれ異なる基板に形成されることを特徴とする。
【0022】
また、前記ループアンテナは、前記第1基板及び前記第2基板のうち何れか1つの基板または別途の第3基板に形成されることを特徴とする。
【0023】
また、前記電子ペンに対して電磁気力を放射するパワーコイルが、前記第1ないし第3基板のうち何れか1つの基板または別途の第4基板に形成されることを特徴とする。
【0024】
また、前記パワーコイルは、横方向または縦方向、または横及び縦方向に所定の区間を分けて配された複数のコイルパターンからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
前述した構成によって、本発明は、電子ペンの操作と指先のタッチとを同じアンテナパターンによって選択的に認識することができるタブレットを具現させうる。
【0026】
また、本発明は、1つのアンテナパターンで複数の機能を行うことができて、アンテナパターンを多層に形成しなくてもよいために、アンテナパターンの透明度を向上させうる。
【0027】
また、本発明は、感知領域のフレーム部分に形成されるアンテナパターンの形態を改善して、アンテナパターンを駆動するための回路素子の配置構造を調整することによって、感知領域の外側フレーム部分であるベゼル領域の幅を最小化させ、これにより、タブレット装置の大きさを増加させずとも、制限された装置の大きさ内でディスプレイの大きさを最大化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による電磁気誘導方式の位置感知と静電容量方式の位置感知とを同じアンテナパターン構造で行えるタブレットをさらに詳細に説明する。
【0030】
まず、本発明の基本原理となる共振回路を搭載した電子ペンの操作と指先のタッチとを同時に感知することができるタブレット装置の構成について説明する。
【0031】
図3は、感知領域内で互いに交差するラインアンテナパターンを用いて、電子ペンと指との位置をいずれも測定することができる本発明によるタブレットの構成原理を簡略に図示した図面である。本実施形態で、電子ペンの位置を感知する原理は、
図1に示された原理を利用し、指先のタッチ位置を感知する原理は、
図2に示された原理を利用する。
【0032】
図3を参照すれば、感知領域Aを取り囲むように閉ループ状にループアンテナ10が構成されている。この際、ループアンテナ10は、共通電位または接地電位であり得る。ループアンテナ10の内部(すなわち、感知領域Aを含む部分)には、格子にX軸ラインアンテナ21(または、第1ラインアンテナ)及びY軸ラインアンテナ22(または、第2ラインアンテナ)が配列されている。
【0033】
X軸ラインアンテナ21の一側端は、第1アナログスイッチ31の一側に連結されている。第1アナログスイッチ31は、制御回路70の制御によって、一回に1個ずつまたは同時にあらゆる一側を選択して他側に連結することができる。第1アナログスイッチ31の他側は、指先による静電容量の感知のための駆動信号を出力することができるTX回路51に連結されうる。TX回路51は、第1アナログスイッチ31の他側と制御回路70との間に配され、差動増幅器61と択一的に動作するように構成される。
【0034】
図3では、第1アナログスイッチ31が4個の一側と2個の他側とを備えて、他側がTX回路51と差動増幅器61への連結を選択できると図示したが、このような構造は、別途のスイッチを追加するなどの多様な方式で具現されうる。
【0035】
一方、X軸ラインアンテナ21の他側端は、第2アナログスイッチ32の各入力側に連結されうるが、第2アナログスイッチ32は、あらゆる入力側を同時に出力側と連結させるか、同時に連結を遮断させるように動作することができる。もちろん、任意の1つまたは複数の入力側を出力側として選択して連結させる動作も具現可能である。
【0036】
差動増幅器61は、感知領域で電磁気誘導現象を用いて電子ペンの位置を感知するために利用される構成であって、少なくとも2個の入力側を有し、1つの入力側は、第1アナログスイッチ31の他側及び第3アナログスイッチ33の出力側と連結され、他の1つの入力側は、ループアンテナ10に連結されうる。このような差動増幅器61は、2個の入力側、すなわち、第1アナログスイッチ31で選択した何れか1つのX軸ラインアンテナの一側端または第3アナログスイッチ33で選択した何れか1つのY軸ラインアンテナの一側端とループアンテナ10との間の電位差を出力する機能を行う。差動増幅器61の出力側は、制御回路70に連結される。この際、第1アナログスイッチ31と第3アナログスイッチ33とが互いに重畳されない時間に合わせて、それぞれのラインアンテナを選択することによって、差動増幅器61の入力には、X軸ラインアンテナのうち何れか1つまたはY軸ラインアンテナのうち何れか1つのみが連結されるように具現される。
【0037】
TX回路51は、制御回路の制御によって、任意の電圧/電流及び波形を有する駆動信号を出力するように具現される。TX回路51は、差動増幅器61とは択一的に動作するように具現される。
【0038】
RX回路52は、制御回路70の制御によって、第3アナログスイッチ33で選択した何れか1つのY軸ラインアンテナの電位を制御回路70に連結する。これにより、指がX軸ラインアンテナとY軸ラインアンテナとの任意の交点に接近すれば、当該交点を交差するX軸ラインアンテナに印加された駆動信号が交点に接近した指の静電容量によって、前記交点を交差するY軸ラインアンテナに転移され、第3アナログスイッチ33によって転移された駆動信号が、RX回路52を通じて制御回路70に感知信号として表われる。
【0039】
制御回路70は、あらゆる1つずつのX軸ラインアンテナに対してあらゆるY軸ラインアンテナを順次に1つずつスキャンして感知信号を検査することによって、指先のタッチ地点を識別することができる。
【0040】
本発明のタブレットは、電子ペン感知モードで動作する時には、第2アナログスイッチ32及び第4アナログスイッチ34をオンさせて、X軸ラインアンテナの一端部とY軸ラインアンテナの一端部とがループアンテナ10に連結されるようにする。そして、第1アナログスイッチ31と第3アナログスイッチ33とで1つずつのラインアンテナを順次に選択させ、また差動増幅器61を動作させて、電子ペンの接近による誘導電圧を感知して電子ペン位置を感知する。
【0041】
一方、タブレットがタッチ感知モードで動作する時には、第2アナログスイッチ32及び第4アナログスイッチ34をいずれもオフにして、X軸ラインアンテナの一端部とY軸ラインアンテナの一端部とがいずれもオフされた状態にする。差動増幅器61と第1アナログスイッチ31及び第3アナログスイッチ33との連結を解除する。そして、第1アナログスイッチ31は、何れか1つのX軸ラインアンテナを選択し、TX回路51を通じて印加される駆動信号を選択したX軸ラインアンテナに印加する。この状態で、第3アナログスイッチ33が1つずつのY軸ラインアンテナを選択させ、制御回路70は、各選択されたY軸ラインアンテナで感知信号を検査する。1つのX軸ラインアンテナが選択された状態であらゆるY軸ラインアンテナを順次に選択する動作を完了すれば、さらに他の1つのX軸ラインアンテナを選択し、あらゆるY軸ラインアンテナを1つずつ検査する動作を繰り返す。あらゆる検査動作が完了すれば、感知信号の大きさを検査してタッチ位置を判定させうる。
【0042】
このような、
図3によるアンテナ構成によって動作するタブレットは、感知領域には、単にX軸ラインアンテナ21とY軸ラインアンテナ22のみ形成すれば良いので、感知領域に配列されるアンテナの個数が少ない。
【0043】
また、ラインアンテナのパターン(少なくとも
図3の感知領域Aに該当する部分を形成するためのパターン)を透明基板に透明導電性物質を印刷する方式で構成することができるために、アンテナ用基板を製造することが簡単かつ安価である。
【0044】
または、X軸ラインアンテナ21を透明基板21Bに単層で印刷して形成し、Y軸ラインアンテナ22を透明基板22Bに単層で印刷して形成し、各基板21B、22Bを重畳させるだけで、X軸ラインアンテナとY軸ラインアンテナとが絶縁された状態で交差する感知領域Aを構成させうる。これにより、感知領域Aが、透明電極が印刷されたただ2枚の透明基板で具現されうるので、感知領域の透明度を向上させうるという長所を有する。
【0045】
一方、
図3に示したような構成では、感知領域Aの外側フレーム部分には、各アナログスイッチが配され、また、各アンテナのパターンをアナログスイッチで連結するために、多数のアンテナパターンを密集して配する必要があるので、フレーム部分の幅を厚くしなければならない。
【0046】
最近のタブレットは、ディスプレイ手段の前側表面に重畳されて配される場合が多い。この際、感知領域は、ディスプレイ手段の表示領域に対応し、感知領域のフレーム幅は、ディスプレイ手段のベゼル領域に対応する。この場合、タブレットのフレーム幅の大きさに合わせてディスプレイ手段のベゼル領域の幅を広くすることはできないので、タブレットで感知領域Aの外側フレーム幅を最小化しなければならない必要がある。
【0047】
したがって、以下、
図4を参照して、感知領域Aの外側フレーム領域の幅を最小化することができる方案を提示する。
【0048】
すなわち、ループアンテナ10の形態、各ラインアンテナ21、22の形態、アナログスイッチ31ないし34を含む各回路素子の配置位置を改善することによって、感知領域Aの大きさを最大化し、ベゼル領域の大きさ(幅)を最小化させる。
【0049】
図4は、本発明のさらに他の実施形態によるアンテナパターンを説明する図面であって、TX回路が、ラインアンテナの両端に同時に駆動信号を印加するように構成された構造を示す図面である。
図4では、およそ4角形からなる感知領域Aの何れか一辺の外側に第1ないし第4アナログスイッチ31ないし34を互いに隣接するように平行に配置し、X軸ラインアンテナ21及びY軸ラインアンテナ22のパターンをフレーム領域に沿って流れる形態で延長させて、各アナログスイッチに連結させた構成を示す。
【0050】
一方、第1ないし第4アナログスイッチ31ないし34は、
図4のように平行に配置してもよいが、それぞれ異なる位置に配置してもよい。しかし、本実施形態では、感知領域の一辺にコネクタを形成し、コネクタを通じてあらゆるラインアンテナ(ループアンテナとパワーコイルの一部をさらに含みうる)を引き出すように、各アナログスイッチを隣接するように平行に配置するものと説明する。
【0051】
このように、各アナログスイッチ31ないし34を平行に隣接するように配置することによって、ラインアンテナ21、22のパターンが、各アナログスイッチ31ないし34に向けて一辺に集中されて流れるように構成すれば、透明基板は、単にアンテナパターンのみ形成されれば良く、さらに他の基板(例えば、PCB)に各種回路素子を別途に構成することができる。この際、透明基板には、各パターンの電気的接続のためのコネクタ部(参照符号‘C’で表示する)が何れか一辺に構成され、PCBには、コネクタ部に対応する電極が形成されうる(
図5以下の図面参照;
図5以下の図面では、透明基板のパターン形態を示す)。
【0052】
すなわち、
図4で点線で表示された“コネクタ部分”を境界にして、アンテナパターンが形成される透明基板と各種回路素子が配されるPCBとを区分して形成しうる。
【0053】
一方、透明基板には、ラインアンテナとループアンテナになる導電性物質(例えば、ITO)のパターンを形成するために、導電性物質を印刷する方式が適用可能である。印刷方式を用いる場合、1個の基板表面上には、単に1層のパターンのみを形成しうる。したがって、互いに絶縁を保持しなければならないX軸ラインアンテナ21とY軸ラインアンテナ22とを同時に同じ面に印刷することはできない。それを解決するために、X軸ラインアンテナ21とY軸ラインアンテナ22は、1枚の透明基板の両測面にそれぞれ印刷されるか、X軸ラインアンテナ21のパターンのみが印刷された第1透明基板21BとY軸ラインアンテナ22のパターンのみが印刷された第2透明基板22Bとを互いに重畳させる方式で形成されうる(
図9参照)。
【0054】
一方、本実施形態で、ループアンテナ10は、閉ループの一部が選択的にオープンされるか、クローズされるように構成される。そのために、少なくとも2個の入力を有する選択器15を準備し、ループアンテナ10の閉ループの一側を切断し、形成された両端を選択器15の入力で連結する。選択器15は、制御回路70の制御によって、ループアンテナ10の両端を互いに連結させるか(閉ループが完成される)、切断された状態で保持する(閉ループが開放される)。
【0055】
一方、ループアンテナ10は、共通電位に保持されるか、接地に連結されることが望ましい。そのために、ループアンテナ10は、一側が共通電位または接地と連結されうる。本発明では、選択器15が3個の入力を有するようにし、第3の入力に接地(または、共通電位)を連結させる方式で具現した。そして、制御回路70の制御によって、3個の入力を全部連結させるか(ループアンテナが閉ループを構成すると共に接地に連結される)、3個の入力を全部開放させるように構成することができる(ループアンテナの閉ループが開放され、同時にループアンテナと接地との連結が解除される)。
【0056】
このように構成された選択器15は、電子ペン感知モードでは、あらゆる入力側を連結させるように動作し、タッチ感知モードでは、あらゆる入力側を開放させるように動作する。
【0057】
このような選択器15を追加した理由は、電子ペン感知モードで閉ループを構成したループアンテナ10がタッチ感知モードでも閉ループをそのまま保持している場合には、閉ループ構造によって指が感知領域にタッチする時、静電容量がラインアンテナ21、22で十分によく感知されないこともあるためである。
【0058】
ループアンテナ10のパターンは、X軸ラインアンテナ21が印刷された透明基板21BまたはY軸ラインアンテナ22が印刷された回路基板22Bのうち何れか1つに共に印刷されて形成されても、個別的な透明基板10Bに形成されても良い。また、ループアンテナ10は、感知領域Aの外側に配される場合には、不透明な基板に構成されても良い。
【0059】
この際、
図4に示されたタブレットの実施形態における注目すべき点は、
図3に示された構成とは異なって、TX回路51がX軸ラインアンテナの両端に同時に連結されるように構成されているということである。
【0060】
すなわち、第1アナログスイッチ31で何れか1つのX軸ラインアンテナの一側端を選択したならば、第2アナログスイッチ32では、第1アナログスイッチによって選択されたラインアンテナの他側端を選択するように制御される。このように同じラインアンテナが選択された状態で、TX回路51で駆動信号を印加すれば、駆動信号は、第1アナログスイッチ31と第2アナログスイッチ31とに同時に印加される。
【0061】
このような構造を適用する理由は、次の通りである。
【0062】
もし、
図3に示したように、ラインアンテナの一端部は開放させ、反対側端部で駆動信号を印加すれば、感知領域内のラインアンテナの各部で駆動信号の大きさが異なるように表われる。すなわち、ラインアンテナのパターンを形成する導電性物質は、例えば、ITOであり得るが、このような物質は、固有抵抗が大きくて、導電性パターンが大きな大きさの感知領域に適用された場合には、一端部で印加された駆動信号が他側端部では、導電性物質の電気抵抗によって微小な大きさに減衰されて表われる。このように駆動信号が減衰されれば、指先のタッチを正確に感知するのに難点がある。
【0063】
したがって、ラインアンテナの両端部で同時に駆動信号を印加すれば、感知領域が大きな場合(すなわち、ラインアンテナが長い場合)にも、感知領域のあらゆる部分で十分に大きな駆動信号が表われる。
【0064】
以下の
図5ないし
図9は、本発明の多様な実施形態によるX軸ラインアンテナが形成された透明基板及び/またはY軸ラインアンテナが形成された透明基板、そして、X軸ラインアンテナのパターン形態及びY軸ラインアンテナのパターン形態を示す図面である。
【0065】
図5は、X軸方向に延びたX軸ラインアンテナのパターンが形成された透明基板を示す図面である。X軸ラインアンテナ21は、一側端及び他側端がそれぞれ感知領域Aの左右側に沿って流れるように構成される。
【0066】
X軸ラインアンテナ21のパターンは、透明基板21Bの一側(例えば、上側辺)に設けられたコネクタ部21Cを通じて流れるように形成される。コネクタ部21Cは、アンテナパターンを他の回路基板(すなわち、アナログスイッチ及び/またはその他の回路部品が搭載された別途の回路基板であり得る)の対応する接点に連結させるために備えられた部分である。
【0067】
図6は、縦軸方向に延びたY軸ラインアンテナ22のパターンであって、感知領域Aに対応する内側部分では、各ラインアンテナが垂直方向に平行に配列されているが、フレーム部分では、互いに最大限密集して流れていて、上側辺のコネクタ部22Cを通じて外側に引き出される形態で構成された。
【0068】
一方、
図6のパターン形態では、左側半分のY軸ラインアンテナ22は、透明基板22Bの左側フレームに沿ってコネクタ部22Cに向けて流れ、右側半分のY軸ラインアンテナ22は、透明基板22Bの右側フレームに沿ってコネクタ部22Cに向けて流れるように構成されている。
【0069】
このように、Y軸ラインアンテナ22のパターンを区分して一部ずつ左右分割して流れるように設計することによって、透明基板の外側フレーム部分の幅をさらに最小化することができる。
【0070】
図7は、前記のように、X軸ラインアンテナが印刷された透明基板21BとY軸ラインアンテナ22が印刷された透明基板22Bとを重畳させた時に見られるラインアンテナの形態を示す図面である。ここで、X軸ラインアンテナ21のパターンとY軸ラインアンテナ22のパターンは、互いに交差するか、重畳されたものと見られるが、各ラインアンテナのパターンは、個別的な透明基板21B、22Bに印刷された状態で各基板を重畳させたものなので、各ラインアンテナは、実際には絶縁された状態である。
【0071】
図8A及び
図8Bは、ループアンテナが配されたさらに他の基板を示す図面である。この際、一例として、ループアンテナ10は、パワーコイル12のパターンと同時に形成されうる。パワーコイル12は、共振回路を有する電子ペンに対して電磁気力を放射するための構成であって、その動作については、前述した特許文献1などを参照して理解することができる。
【0072】
本発明では、共振回路を有する無電源電子ペンに対して電磁気力を提供するための目的としてパワーコイル12を備えるものと説明する。しかし、電子ペンが自体でバッテリなどを内蔵し、内蔵されたバッテリからエネルギーを供給されて共振回路を通じて電磁波を放出することができるならば、パワーコイルの構成は省略される。
【0073】
また、
図8A及び
図8Bで、ループアンテナ10は、基板10B内で完全な閉ループをなされず、開放された状態でコネクタ10Cを通じて流れて行くことを確認することができる。ループアンテナ10は、さらに他の回路基板に搭載された選択器15を通じて閉ループを完成することができる。
【0074】
図8Aは、基板10Bにループアンテナ10と単一のパワーコイル12のパターンが同時に配された例を図示している。しかし、タブレットが大きな場合には、単一パワーコイル12のみで電子ペンにエネルギーを供給すれば、エネルギー供給効率が落ちて誤動作の原因となる。
【0075】
図8Bは、基板10Bにループアンテナ10と複数のパワーコイル12’のパターンが同時に配された例を図示している。電子ペンに複数のパワーコイル12の動作は、電子ペンの位置によって電子ペンが位置した当該パワーコイルのみ動作させることができる。複数のパワーコイル12’は、
図8Bのように、横方向に区間を分けて配置し、また縦方向に区間を分けて配置することができる。また、複数のパワーコイル12’は、横方向及び縦方向のそれぞれに対して区間を分けて配置することができる。
【0076】
図9は、
図5に示したように、X軸ラインアンテナ21のパターンが形成された透明基板21Bと、
図6に示したように、Y軸ラインアンテナ22のパターンが形成された透明基板22Bと、
図8A及び
図8Bに示したように、ループアンテナ10のパターンが形成された基板10Bを個別的に形成した後、各基板を互いに重畳させることによって、感知領域Aを具現することができるということを示す図面である。
【0077】
図10ないし
図12は、本発明によるタブレットを電子ペン感知モードとタッチ感知モードとで動作させる時、ラインアンテナ及びループアンテナに対してなされる制御を説明するものであって、コネクタ部21C、22C、10Cに各回路素子が如何に連結されるかを説明する。
【0078】
図10は、X軸及びY軸ラインアンテナ21、22が印刷された各透明基板21B、22Bとループアンテナ10及びパワーコイル12が形成された基板10Bとを重畳した状態でのコネクタ部21C、22Cと基板10Bのコネクタ部10Cとが重畳された部分を、1つのコネクタ部Cであると見なして説明する。
【0079】
図11は、タブレットを電子ペン感知モードで動作させる場合において、電子ペンのXY座標を獲得するための、各アンテナパターンの連結関係について説明する図面である。
【0080】
タブレットが電子ペン感知モードで動作する時には、X軸ラインアンテナ21及びY軸ラインアンテナ22の他端側は、いずれもループアンテナ10に連結されねばならない。そのために、第2アナログスイッチ32及び第4アナログスイッチ34は、あらゆる入力側が出力側に連結される。他の具現例による電子ペン感知モードでは、第2アナログスイッチ32及び/または第4アナログスイッチ34は、第1アナログスイッチ31が選択したX軸ラインアンテナ21と第3アナログスイッチ33が選択したY軸ラインアンテナ22のみを1つずつループアンテナに連結させるように構成することもできる。このようにして、第1アナログスイッチ31が何れか1個のX軸ラインアンテナ21を選択し、第3アナログスイッチ33が何れか1個のY軸ラインアンテナ22を選択すれば、少なくとも選択されたラインアンテナは、ループアンテナ10と連結された状態である。
【0081】
一方、ループアンテナ10は、選択器15によって接地に連結される。
【0082】
パワーコイル12が構成されているならば、このパワーコイル12には、電子ペンに対して任意の周波数を有する電磁波を供給するための目的として特定の周波数を有する電圧パルスが印加されうる。
【0083】
第1アナログスイッチ31及び第3アナログスイッチ33の出力側は、それぞれ差動増幅器61に連結される。差動増幅器61は、制御回路に連結されて電子ペンの位置感知に活用される。
【0084】
図12は、タブレットをタッチ感知モードで動作させる場合において、各アンテナパターンの連結関係について説明する図面である。
【0085】
タブレットがタッチ感知モードで動作する時には、X軸ラインアンテナの両端部に同時にTX回路51を用いて駆動信号を印加する。Y軸ラインアンテナの一端部は、第4アナログスイッチ34をオフにすることによって、ループアンテナとオフさせる。そして、第3アナログスイッチ33を1つずつ選択してRX回路52と連結させることによって、制御回路70で指タッチの位置を感知する。
【0086】
タッチ感知モードでパワーコイル12は動作しない。また、選択器15をオフさせてループアンテナを開放させることが望ましい。
【0087】
図13は、
図1に示された電子ペン感知のためのアンテナパターンと
図5に示されたダブルルーティングアンテナパターンとを組み合わせた場合のラインアンテナの形態を示す図面である。
【0088】
X軸ラインアンテナとY軸ラインアンテナのうち1つは、
図1に示された電子ペン感知のためのアンテナパターンからなる。すなわち、閉ループを構成するループアンテナ10と、一端がループアンテナ10と電気的に連結され、互いに平行に配列されたくし状の複数のラインアンテナパターンからなるX軸ラインアンテナ21からなる。
【0089】
また、X軸ラインアンテナとY軸ラインアンテナのうち1つは、
図5に示されたダブルルーティングアンテナパターンで構成される。すなわち、Y軸ラインアンテナ21は、ダブルルーティングアンテナパターンは感知領域Aでループ状に近く形成され、その一側端及び他側端は、一辺に位置されるように構成される。
【0090】
この場合、電子ペン感知と関連した既存のアンテナパターンは、
図1に示された原理を用いて測定する。したがって、
図1に示された電子ペン感知のためのアンテナパターンが、X軸ラインアンテナ21に具現された場合には、ループアンテナ10にX軸ラインアンテナ21の他側端を連結する第2アナログスイッチ32がない場合であり、Y軸ラインアンテナ22に具現された場合には、ループアンテナ10にY軸ラインアンテナ21の他側端を連結する第4アナログスイッチ34がない場合である。したがって、
図13は、
図1に示された電子ペン感知のためのアンテナパターンと
図5に示されたダブルルーティングアンテナパターンとを組み合わせた場合の動作は、前述した
図3及び
図4の説明を通じて十分に理解することができる。
【0091】
図13のこのような構成は、電子ペンにバッテリが備えられてパワーコイルが必要ではない場合、
図9に示されたループアンテナ10のパターンが形成された基板10Bを除去して、2個のアンテナ層で構成することができる。
【0092】
前述したような、本発明によるタブレットのアンテナ構造によれば、印刷方式で印刷された導電性パターンによってX軸ラインアンテナとY軸ラインアンテナとをそれぞれ形成しうる。また、感知領域を直交するように重畳された2種のパターンのみでも電子ペンの位置及び指先の位置を選択的に感知することができるので、感知領域を単に2枚の透明回路基板で具現させうる。または、1枚の透明回路基板の両測面にそれぞれX軸ラインアンテナのパターンとY軸ラインアンテナのパターンとを形成しうる。したがって、回路基板の数が少なく、互いに交差または重畳するアンテナの数が少なくて、感知領域の透明度が向上する。
【0093】
また、前述したようなラインアンテナ構造によれば、ラインアンテナのパターンを感知領域の外側フレーム部分で屈折させて、任意の位置に配されたアナログスイッチに向けて流れるようにすることによって、フレーム領域の幅を最大限減らしうる。さらに、回路素子を任意の位置に配置することができるので、回路設計の自由度が増加する。
【0094】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、当業者ならば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記の特許請求の範囲によって解釈されねばならず、それと同等な範囲内にあるあらゆる技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されねばならない。