特許第6186083号(P6186083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186083
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】成形品とその製作に使用される組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/00 20060101AFI20170814BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20170814BHJP
   C08L 71/12 20060101ALI20170814BHJP
   C08K 5/092 20060101ALI20170814BHJP
   C08K 5/1539 20060101ALI20170814BHJP
   C08J 9/04 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   C08L77/00
   C08K7/14
   C08L71/12
   C08K5/092
   C08K5/1539
   C08J9/04 101
   C08J9/04CFG
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-529783(P2016-529783)
(86)(22)【出願日】2014年7月15日
(65)【公表番号】特表2016-525611(P2016-525611A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】US2014046612
(87)【国際公開番号】WO2015013060
(87)【国際公開日】20150129
【審査請求日】2016年3月16日
(31)【優先権主張番号】61/858,174
(32)【優先日】2013年7月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508171804
【氏名又は名称】サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】レクシウス、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】シックス、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ティング、サイ−ペイ
【審査官】 内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−222578(JP,A)
【文献】 特開平09−124930(JP,A)
【文献】 特開2009−263503(JP,A)
【文献】 特開平04−146959(JP,A)
【文献】 特開平03−212449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 77/00 −77/12
C08L 71/12
C08K 5/092
C08K 5/1539
C08K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の合計質量に対して、
30〜44質量%のポリアミド−6、ポリアミド−6,6あるいはこれらの組み合わせと、12〜23質量%のポリ(フェニレンエーテル)と、相溶化剤と、を含む成分の溶融混合生成物を含む45〜65質量%の相溶化ブレンドと;
35〜55質量%のガラス繊維と、
を含む組成物を含有し、前記相溶化剤の含有量は、前記相溶化ブレンドの合計質量に対して0.1〜1質量%であることを特徴とする成形品。
【請求項2】
自動変速装置オイルクーラーブラケット、ボンネット内サポートシステム、車体下サポートシステム、自動車用バッテリートレイ、電気自動車サポートフレーム、自動車用ロールオーバークラッシュゾーン部品、自動車用パワートレインハウジング、自動車用バルブカバー、自動車用インテークマニホールド、自動車用ターボチャージャーエアインテークマニホールド、自動車用ターボチャージャーコンプレッサハウジング、自動車用ターボチャージャーコンプレッサホイール、自動車用ターボチャージャー圧縮空気ダクト、自動車用サンルーフ取付部またはフレームワーク、自動車用窓取付部またはフレームワーク、電気自動車バッテリーフレームまたはサポート、自動車用ロードフロアブラケットまたはサポート、自動車用アクティブグリルシャッター、自動車用グリル開口部補強材、自動車用ミラーブラケット、自動車用ルーフラックブラケットまたはフレーム、自動車用ランニングボード部品、自動車用ファンサポートまたはハウジングまたはブラケット、自動車用ボンネット、自動車用ボンネットフェアリング、自動車用ボンネットトリムサポート、自動車用シート構造、自動車用キャビン構造またはサポートまたは取付装置、自動車用貯蔵容器、自動車用スロットルボディハウジング、水道メータハウジング、配水ハウジング、水バルブ、給水接続具、送水ポンプハウジング、水濾過ハウジングまたは水濾過サポートシステムである請求項1に記載の成形品。
【請求項3】
前記ポリアミドは、ポリアミド−6とポリアミド−6,6の組み合わせである請求項1又は2に記載の成形品。
【請求項4】
前記ポリアミドは、ポリアミド−6,6である請求項1又は2に記載の成形品。
【請求項5】
前記溶融混合生成物は、4質量%以下の耐衝撃性改良剤を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の成形品。
【請求項6】
前記組成物は難燃剤を含まない請求項1乃至5のいずれか1項に記載の成形品。
【請求項7】
前記組成物は導電性充填剤を含まない請求項1乃至6のいずれか1項に記載の成形品。
【請求項8】
前記組成物は、55〜65質量%の前記相溶化ブレンドと35〜45質量%の前記ガラス繊維とからなり;
前記相溶化ブレンドは、35〜44質量%の前記ポリアミド−6,6と、16〜23質量%の前記ポリ(フェニレンエーテル)と、前記相溶化剤と、任意に、酸化防止剤、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、染料、顔料、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択された0.01〜2質量%の添加剤と、からなる成分の溶融混合生成物からなり、前記相溶化剤の含有量は相溶化ブレンドの合計質量に対して0.4〜1質量%である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の成形品。
【請求項9】
前記ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含み;
前記相溶化剤は、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択され;
前記組成物は、55〜65質量%の前記相溶化ブレンドと35〜45質量%の前記ガラス繊維とからなり;
前記相溶化ブレンドは、35〜44質量%の前記ポリアミド−6,6と、16〜23質量%の前記ポリ(フェニレンエーテル)と、前記相溶化剤と、任意に、酸化防止剤、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、染料、顔料、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択された0.01〜2質量%の添加剤と、を含む成分の溶融混合生成物からなり、前記相溶化剤の含有量は相溶化ブレンドの合計質量に対して0.4〜1質量%である請求項1に記載の成形品。
【請求項10】
組成物の合計質量に対して、
30〜44質量%のポリアミド−6,6と、12〜23質量%のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸あるいはこれらの組み合わせを含む相溶化剤と、を含む成分の溶融混合生成物を含む45〜65質量%の相溶化ブレンドと;
35〜55質量%のガラス繊維と、
を含み、前記相溶化剤の含有量は相溶化ブレンドの合計質量に対して0.4〜1質量%であることを特徴とする組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ポリ(フェニレンエーテル)はポリアミドと配合されて、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃強度、加水分解安定性、および寸法安定性などの種々の有益な特性を有する組成物を提供してきた。ガラス繊維充填ポリ(フェニレンエーテル)−ポリアミド配合物は、多くの用途の中でとりわけ、自動車用途および流体工学用途で使用される種々の物品の成形に使用されてきた。しかしながら、曲げ強度、耐熱性、耐薬品性、耐振動性、耐亀裂性、および寸法安定性の内の1つまたは複数が向上した成形品が求められている。
【発明の概要】
【0002】
一実施形態は、組成物の合計量に対して、30〜44質量%のポリアミド−6、ポリアミド−6,6あるいはこれらの組み合わせと、12〜23質量%のポリ(フェニレンエーテル)と、0.1〜1質量%の相溶化剤と、を含む成分の溶融混合生成物を含む45〜65質量%の相溶化ブレンドと;35〜55質量%のガラス繊維と、を含む組成物を含有する成形品である。
【0003】
別の実施形態は、組成物の合計質量に対して、30〜44質量%のポリアミド−6,6と、12〜23質量%のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸あるいはこれらの組み合わせを含む0.4〜1質量%の相溶化剤と、を含む成分の溶融混合生成物を含む45〜65質量%の相溶化ブレンドと;35〜55質量%のガラス繊維と、を含む組成物である。
【0004】
これらおよびその他の実施形態について以下詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明者らは、曲げ強度、耐熱性、耐薬品性、耐振動性、耐亀裂性および寸法安定性の1つまたは複数は、特定のガラス充填ポリアミド/ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドから成形された物品において向上することを見出した。
【0006】
従って、一実施形態は、組成物の合計質量に対して、30〜44質量%のポリアミド−6、ポリアミド−6,6あるいはこれらの組み合わせと、12〜23質量%のポリ(フェニレンエーテル)と、該ポリアミドおよびポリ(フェニレンエーテル)用の0.1〜1質量%の相溶化剤と、を含む成分の溶融混合生成物を含む45〜65質量%の相溶化ブレンドと;35〜55質量%のガラス繊維と、を含む組成物を含有する成形品である。
【0007】
該組成物から成形される具体的な物品としては、例えば、自動変速装置オイルクーラーブラケット、ボンネット内サポートシステム、車体下サポートシステム、自動車用バッテリートレイ、電気自動車サポートフレーム、自動車用ロールオーバークラッシュゾーン部品、自動車用パワートレインハウジング、自動車用バルブカバー、自動車用インテークマニホールド、自動車用ターボチャージャーエアインテークマニホールド、自動車用ターボチャージャーコンプレッサハウジング、自動車用ターボチャージャーコンプレッサホイール、自動車用ターボチャージャー圧縮空気ダクト、自動車用サンルーフ取付部(mounting)またはフレームワーク、自動車用窓取付部またはフレームワーク、電気自動車バッテリーフレームまたはサポート、自動車用ロードフロアブラケットまたはサポート、自動車用アクティブグリルシャッター、自動車用グリル開口部補強材、自動車用ミラーブラケット、自動車用ルーフラックブラケットまたはフレーム、自動車用ランニングボード部品、自動車用ファンサポートまたはハウジングまたはブラケット、自動車用ボンネット、自動車用ボンネットフェアリング、自動車用ボンネットトリムサポート、自動車用シート構造、自動用キャビン構造またはサポートまたは取付装置、自動車用貯蔵容器、自動車用スロットルボディハウジング、水道メータハウジング、配水ハウジング、水バルブ、給水接続具(water fitting)、送水ポンプハウジング、水濾過ハウジングまたは水濾過サポートシステムが挙げられる。本明細書での「自動車用」は、オートバイ、自動車、軽トラック、大型トラック、オフロード車、個人レクリエーショナルビークルおよびトラクターを含む、内部動力源を有する任意の車両用物品を含む。
【0008】
該組成物は、相溶化ポリアミド/ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドとガラス繊維を含む。相溶化ブレンドの量は、組成物の合計質量に対して45〜65質量%である。この範囲内で、相溶化ブレンドの量は、55〜65質量%であってもよく、具体的には56〜64質量%であってもよく、より具体的には57〜63質量%であってもよい。ガラス繊維の量は、組成物の合計質量に対して35〜55質量%である。この範囲内で、ガラス繊維の量は、35〜45質量%であり、具体的には36〜44質量%であり、より具体的には37〜43質量%である。
【0009】
相溶化ポリアミド/ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドは、ポリアミドと、ポリ(フェニレンエーテル)と、該ポリアミドおよびポリ(フェニレンエーテル)用の相溶化剤と、を含む成分の溶融混合生成物を含む。
【0010】
相溶化ポリアミド/ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドの形成に用いられる溶融混合成分は、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6あるいはこれらの組み合わせを含む。簡略化のために、本明細書での「ポリアミド」は、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6あるいはこれらの組み合わせを指す場合もある。一部の実施形態では、ポリアミドは、ポリアミド−6からなる。一部の実施形態では、ポリアミドは、ポリアミド−6,6からなる。一部の実施形態では、ポリアミドは、ポリアミド−6とポリアミド−6,6の組み合わせからなる。ポリアミド−6とポリアミド−6,6の形成方法は既知であり、これらは両方とも市販されている。
【0011】
ISO307に準拠して、96質量%硫酸の0.5質量%溶液中で測定した固有粘度が400mL/g以下の、より具体的には90〜350mL/gの、さらにより具体的には110〜240mL/gのポリアミドが使用できる。ポリアミドの相対粘度は、ASTM D789−07e1に準拠し、90%ギ酸100mLに11gのポリアミドを溶解させた溶液で求めて、20〜60であってもよく、具体的には30〜50であってもよい。
【0012】
一部の実施形態では、ポリアミドのアミン末端基濃度は、HCL滴定で求めて、35μeq/g(ポリアミド)以上である。アミン末端基濃度は、40μeq/gであってもよく、より具体的には45μeq/gであってもよい。アミン末端基含有量は、ポリアミドを好適な溶剤に、任意に加熱して溶解させることにより求められる。好適な表示方法を用いて、ポリアミド溶液を0.01N塩酸(HCl)溶液で滴定する。アミン末端基の量は、サンプルに添加したHCl溶液の容積、ブランクで使用したHClの容積、HCl溶液のモル濃度およびポリアミドサンプルの質量から算出される。
【0013】
該組成物は、その合計質量に対して30〜44質量%のポリアミドを含む。この範囲内で、ポリアミドの量は、34〜44質量%であってもよく、35〜43質量%であってもよく、具体的には36〜42質量%であってもよい。
【0014】
相溶化ポリアミド/ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドの形成に用いられる溶融混合成分は、ポリアミドに加えて、ポリ(フェニレンエーテル)を含む。好適なポリ(フェニレンエーテル)としては、下式の構造を有する繰り返し構造単位を含むものが挙げられる:
【化1】
式中、Zは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである。本明細書での「ヒドロカルビル」は、単独であるいは別の用語の接頭辞、接尾辞またはフラグメントとして使用されたとしても、炭素と水素だけを含む残基を指す。該残基は、脂肪族または芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和または不飽和であってもよい。それはまた、脂肪族、芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和および不飽和の炭化水素部分の組み合わせを含んでいてもよい。しかしながら、ヒドロカルビル残基が置換であると記載された場合、それは任意に、置換残基の炭素と水素員上にヘテロ原子を含んでいてもよい。従って、置換であると特定的に記載された場合、該ヒドロカルビル残基は、1個または複数個のカルボニル基、アミノ基、水酸基などを含んでいてもよく、あるいはヒドロカルビル残基の骨格内にヘテロ原子を含んでいてもよい。一例として、Zは、末端の3,5−ジメチル−1,4−フェニル基と酸化重合触媒のジ−n−ブチルアミン成分との反応で形成されたジ−n−ブチルアミノメチル基であり得る。
【0015】
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)の固有粘度は、25℃のクロロホルム中、ウベローデ粘度計で測定して0.25〜1dL/gである。この範囲内で、ポリ(フェニレンエーテル)の固有粘度は、0.3〜0.65dL/gであってもよく、より具体的には0.35〜0.5dL/gであってもよく、さらにより具体的には0.4〜0.5dL/gであってもよい。一部の自動車用品では、固有粘度が0.35〜0.45dL/gの、具体的には0.37〜0.43dL/gのポリ(フェニレンエーテル)の使用が望ましいものであり得る。一部の流体工学物品では、固有粘度が042〜0.50dL/gの、具体的には0.43〜0.49dL/gのポリ(フェニレンエーテル)の使用が望ましいものであり得る。
【0016】
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、取り込まれたジフェノキノン残基を本質的に含まない。この文脈において、「本質的に含まない」とは、1質量%未満のポリ(フェニレンエーテル)分子がジフェノキノンの残基を含むことを意味する。Hayの米国特許第3,306,874号に記載されているように、一価フェノールの酸化重合によるポリ(フェニレンエーテル)の合成では、所望のポリ(フェニレンエーテル)だけでなく、ジフェノキノンも副生成物として生成される。例えば、一価フェノールが2,6−ジメチルフェノールの場合、3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンが生成される。該ジフェノキノンは典型的には、該重合反応混合物を加熱して末端または内部ジフェノキノン残基を含むポリ(フェニレンエーテル)を生成することによって、ポリ(フェニレンエーテル)内に「再平衡される」(すなわち、ジフェノキノンがポリ(フェニレンエーテル)構造内に取り込まれる)。例えば、ポリ(フェニレンエーテル)を2,6−ジメチルフェノールの酸化重合で調製してポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを生成する場合、反応混合物の再平衡によって、取り込まれたジフェノキノンの末端および内部残基を有するポリ(フェニレンエーテル)が生成され得る。しかしながら、こうした再平衡によって、ポリ(フェニレンエーテル)の分子量が低減する。従って、より高分子量のポリ(フェニレンエーテル)が望ましい場合、ジフェノキノンをポリ(フェニレンエーテル)鎖内に再平衡させずに、ポリ(フェニレンエーテル)から分離することが有用であり得る。こうした分離は、例えば、ポリ(フェニレンエーテル)は不溶だがジフェノキノンは可溶の溶媒または溶媒混合物に、ポリ(フェニレンエーテル)を沈殿させることによって実現される。例えば、トルエン中の2,6−ジメチルフェノールの酸化重合によってポリ(フェニレンエーテル)を調製して、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンとを含むトルエン溶液を生成する場合、ジフェノキノンを本質的に含まないポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)は、該トルエン溶液1容積とメタノールまたはメタノール/水混合物1〜4容積とを混合することによって得られる。あるいは、酸化重合中に生成されるジフェノキノン副生成物の量は、(例えば、10質量%未満の一価フェノールの存在下で酸化重合を開始し、少なくとも50分の間に少なくとも95質量%の一価フェノールを添加することによって)最小化でき、およびまたは、ポリ(フェニレンエーテル)鎖内へのジフェノキノンの再平衡は、(例えば、酸化重合終了後200分以内にポリ(フェニレンエーテル)を単離することによって)最小化できる。これらの方法は、Delsmanらの米国特許第8,025,158号に記載されている。トルエン中のジフェノキノンの温度依存性溶解度を利用する代替方法では、ジフェノキノンとポリ(フェニレンエーテル)とを含むトルエン溶液の温度を、ジフェノキノンはほとんど不溶だがポリ(フェニレンエーテル)は可溶である約25℃に調整して、不溶のジフェノキノンを固液分離(例えば濾過)によって除去できる。
【0017】
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位あるいはこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含む。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、25℃のクロロホルム中、ウベローデ粘度計で測定した固有粘度が0.35〜0.5dL/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含む。一部の自動車用品では、固有粘度が0.35〜0.45dL/gの、具体的には0.37〜0.43dL/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)の使用が望ましいものであり得る。一部の流体工学品では、固有粘度が0.42〜0.50dL/gの、具体的には0.43〜0.49dL/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)の使用が望ましいものであり得る。
【0018】
ポリ(フェニレンエーテル)は、ヒドロキシ基に対して典型的にはオルト位置に存在するアミノアルキル含有末端基(類)を有する分子を含んでいてもよい。また、テトラメチルジフェノキノン(TMDQ)副生成物が存在する2,6−ジメチルフェノール含有反応混合物から典型的に得られるTMDQ末端基類が存在することも多い。ポリ(フェニエンエーテル)は、ホモポリマー、コポリマー、グラフトコポリマー、イオノマー、ブロックコポリマーあるいはこれらの組み合わせの形態であってもよい。
【0019】
該組成物は、その合計質量に対して12〜23質量%のポリ(フェニレンエーテル)を含む。この範囲内で、ポリ(フェニレンエーテル)の量は、15〜23質量%であってもよく、具体的には16〜22質量%であってもよく、より具体的には17〜21質量%であってもよい。
【0020】
相溶化ポリアミド/ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドの形成に用いられる溶融混合成分は、ポリアミドとポリ(フェニレンエーテル)に加えて、該ポリアミドおよびポリ(フェニレンエーテル)用の相溶化剤を含む。本明細書での「相溶化剤」は、該ポリ(フェニレンエーテル)、ポリアミド、あるいはその両方と相互作用する多官能性化合物を指す。この相互作用は、化学的(例えばグラフト)およびまたは物理的(例えば、分散相の表面特性に影響を与えるなど)であり得る。何れの場合でも、得られるポリアミド−ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドは、特に衝撃強度、モールドニットライン強度およびまたは引張伸び率の向上で証拠付けられるように、相溶性が向上している。本明細書での「相溶化ブレンド」は、相溶化剤で物理的およびまたは化学的に相溶化された組成物を指すと共に、例えば、相溶化がポリ(フェニレンエーテル)上の相溶性向上ジブチルアミノメチル置換基に由来する場合のように、相溶化剤の使用なしに相溶化されたポリ(フェニレンエーテル)とポリアミドのブレンドも指す。
【0021】
使用可能な相溶化剤の例としては、液状ジエンポリマー、エポキシ化合物、酸化ポリオレフィンワックス、キノン、有機シラン化合物、多官能性化合物、官能化ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせが挙げられる。相溶化剤は、Gallucciの米国特許第5,132,365号およびKoevoetsらの同第6,593,411号と同第7,226,963号にさらに記載されている。
【0022】
一部の実施形態では、該相溶化剤は多官能性化合物を含む。相溶化剤として使用可能な多官能性化合物は典型的には3種類である。多官能性化合物の第1の種類は、(a)炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合と、(b)カルボン酸基、無水物基、アミド基、エステル基、イミド基、アミノ基、エポキシ基、オルトエステル基またはヒドロキシ基のうちの少なくとも1つと、を分子内に含む。そうした多官能性化合物の例としては、マレイン酸;無水マレイン酸;フマル酸;アクリル酸グリシジル、イタコン酸;アコニット酸;マレイミド;マレインヒドラジド;ジアミンと、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などと、から得られる反応生成物;ジクロロマレイン酸無水物;マレイン酸アミド;不飽和ジカルボン酸(例えば、アクリル酸、ブテン酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、ペンテン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、リノール酸など);前述の不飽和カルボン酸のエステル、酸アミドあるいは無水物;不飽和アルコール(例えば、アルカノール、クロチルアルコール、メチルビニールカルビノール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3−ブテン−1,4−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、および式C2n−5OH、C2n−7OHおよびC2n−9OHのアルコール(式中、nは10〜30の正の整数));上記の不飽和アルコールの−OH基を−NH基で置換して得られる不飽和アミン;官能化ジエンポリマーおよびコポリマー;およびこれらの1つまたは複数を含む組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、該相溶化剤は、無水マレイン酸およびまたはフマル酸を含む。
【0023】
多官能性相溶化剤の第2の種類は、(a)式(OR)(R:水素、アルキル基、アリール基、アシル基またはカルボニルジオキシ基)で表される基と、(b)カルボン酸基、酸ハロゲン化物基、無水物基、酸ハロゲン化物無水物基、エステル基、オルトエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基およびこれらの種々の塩から選択された、それぞれが同じであっても異なっていてもよい少なくとも2つの基と、を有する。この種の相溶化剤群のうちの典型的なものは、
下式で表される脂肪族ポリカルボン酸、酸エステルおよび酸アミドである:
【化2】
式中、R’は、C2―20の、より具体的にはC2−10の直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素であり;Rは、水素、あるいはC1−10の、より具体的にはC1−6の、さらにより具体的にはC1−4のアルキル、アリール、アシルまたはカルボニルジオキシ基であり;RIIは、それぞれ独立に水素、あるいはC1−20の、より具体的にはC1−10のアルキルまたはアリール基であり;RIIIおよびRIVは、それぞれ独立に水素、あるいはC1−10の、より具体的にはC1−6の、さらにより具体的にはC1−4のアルキルまたはアリール基であり;mは1であり、(n+s)は2以上、より具体的には2または3であり、nとsは、それぞれ0以上であり、(OR)は、カルボニル基に対してアルファまたはベータ位置にあり、少なくとも2つのカルボニル基は、2〜6個の炭素原子で分離されている。R、RII、RIIIおよびRIVそれぞれの置換基の炭素原子数が6個未満であれば、それぞれはアリールではあり得ないことは明らかである。
【0024】
好適なポリカルボン酸としては、例えば無水酸や水和酸などの種々の市販の形態を含む、例えばクエン酸、リンゴ酸およびアガリシン酸;およびこれらの1つまたは複数を含む組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、該相溶化剤はクエン酸を含む。ここで有用なエステルの具体例としては、例えば、クエン酸アセチル、クエン酸モノステアリルおよびまたはクエン酸ジステアリルなどが挙げられる。ここで有用な好適なアミドとしては、例えば、N,N’−ジエチルクエン酸アミド;N−フェニルクエン酸アミド;N−ドデシルクエン酸アミド;N,N’−ジドデシルクエン酸アミド;およびN−ドデシルリンゴ酸などが挙げられる。誘導体としては、アミンやアルカリとの塩やアルカリ金属塩を含むこれらの塩が挙げられる。好適な塩の例としては、リンゴ酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カリウムおよびクエン酸カリウムが挙げられる。
【0025】
多官能性相溶化剤の第3の種類は、(a)酸ハロゲン化物基と、(b)カルボン酸基、無水物基、エステル基、エポキシ基、オルトエステル基またはアミド基のうちの少なくとも1つ、好ましくはカルボン酸基または無水物基と、を分子内に有する。この群に属する相溶化剤の例としては、無水トリメリット酸クロリド、クロロホルミルコハク酸無水物、クロロホルミルコハク酸、クロロホルミルグルタル酸無水物、クロロホルミルグルタル酸、クロロアセチルコハク酸無水物、クロロアセチルコハク酸、トリメリット酸クロリドおよびクロロアセチルグルタル酸が挙げられる。一部の実施形態では、該相溶化剤は無水トリメリット酸クロリドを含む。
【0026】
一部の実施形態では、該相溶化剤は、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0027】
前述の相溶化剤は、溶融ブレンドに直接添加してもよく、あるいはポリ(フェニレンエーテル)およびポリアミドのいずれかまたは両方と、または該相溶化ポリアミド−ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドの調製に用いられる他の任意の樹脂性材料と、事前に反応させてもよい。前述の相溶化剤の多くでは、特に多官能性化合物では、溶融形態または好適な溶媒の溶液形態にある相溶化剤の少なくとも一部を、ポリ(フェニレンエーテル)の全部または一部と事前に反応させると、相溶性がさらに大きく向上する。こうした事前反応によって、相溶化剤がポリ(フェニレンエーテル)と反応してこれを官能化させると考えられる。例えば、ポリ(フェニレンエーテル)を無水マレイン酸と事前反応させて、非官能化ポリ(フェニレンエーテル)と比較して、ポリアミドとの相溶性が向上した無水物官能化ポリ(フェニレンエーテル)を形成してもよい。
【0028】
相溶化ポリアミド−ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドの調製に相溶化剤を使用する場合、使用量は、選択された特定の相溶化剤およびそれが添加される特定のポリマー系に依存するであろう。一部の実施形態では、相溶化剤の量は、相溶化ポリアミド−ポリ(フェニレンエーテル)ブレンドの合計質量に対して、約0.1〜約1質量%であり、具体的には約0.2〜約0.8質量%であり、より具体的には約0.4〜約0.8質量%である。
【0029】
該組成物は、さらに任意に、熱可塑性分野で既知の添加剤を1種または複数種含んでいてもよい。例えば、該組成物は、さらに任意に、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、防滴剤、成核剤、UVカット剤、染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤およびこれらの組み合わせを含んでいてもよい。こうした添加剤が存在する場合、その合計使用量は、組成物の合計質量に対して、典型的には5質量%以下であり、具体的には3質量%以下であり、より具体的には2質量%以下である。一部の実施形態では、該組成物は、全合計量が0.01〜2質量%の添加剤を含む。
【0030】
該組成物では、任意に、本明細書で必要なものまたは任意のものとして教示されていない成分は最小化されるかまたは含まれていなくてもよい。例えば、該溶融混合成分は、耐衝撃性改良剤を4質量%以下含んでいてもよい。この範囲内で、耐衝撃性改良剤の量は、2質量%以下であってもよく、具体的には1質量%以下であってもよい。一部の実施形態では、該組成物は耐衝撃性改良剤を含まない。別の例として、該組成物は難燃剤を含まなくてもよい。さらに別の例として、該組成物は導電性充填剤を含まなくてもよい。
【0031】
該成形品の特定の実施形態では、該組成物は、55〜65質量%の相溶化ブレンドと、36〜45質量%のガラス繊維と、からなり;該相溶化ブレンドは、35〜45質量%のポリアミド−6,6と、16〜23質量%のポリ(フェニレンエーテル)と、0.4〜1質量%の相溶化剤と、任意に、酸化防止剤、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、染料、顔料、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択された0.01〜2質量%の添加剤と、からなる成分の溶融混合生成物からなる。
【0032】
該成形品の別の特定の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)はポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含み;該相溶化剤は、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択され;該組成物は、55〜65質量%の相溶化ブレンドと、35〜45質量%のガラス繊維と、からなり;該相溶化ブレンドは、35〜45質量%のポリアミド−6,6と、16〜23質量%のポリ(フェニレンエーテル)と、0.4〜1質量%の相溶化剤と、任意に、酸化防止剤、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、染料、顔料、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択された0.01〜2質量%の添加剤と、を含む成分の溶融混合生成物からなる。
【0033】
該組成物は、その成分の溶融混合によって調製できる。溶融混合は、リボンブレンダー、HENSCHEL(登録商標)ミキサー、BANBURY(登録商標)ミキサー、ドラムタンブラー、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機および共混練機などの一般的な装置を使用して行える。例えば、本組成物は、温度が245〜275℃の、具体的には250〜270℃の二軸押出機内で成分を溶融混合することによって調製できる。
【0034】
該物品は成形される。該物品の形成に好適な成形法としては、射出成形、ガスアシスト射出成形、構造用発泡成形、圧縮成形、熱成形、圧力成形、ハイドロホーミングおよび真空成形が挙げられる。前述の成形法の組み合わせも使用できる。成形条件は、当業者であれば、過度な実験なしに決定できる。例えば、射出成形では、バレル温度が265〜305℃、金型温度が75〜120℃であってもよい。
【0035】
該組成物に関する上記の変形の任意のものを用いて、本明細書に記載の任意の成形品を形成できる。
【0036】
一部の実施形態では、該成形品は、自動変速装置オイルクーラーブラケットである。自動変速装置オイルクーラーブラケットは既知であり、例えば、Brownの米国特許第7,175,142B2号およびContardiらの同第8,312,950号に記載されている。
【0037】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ボンネット内サポートシステムである。自動車用ボンネット内サポートシステムは既知であり、例えば、Hanedaらの米国特許第6,681,876号に記載されている。
【0038】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用車体下サポートシステムである。自動車用車体下サポートシステムは既知であり、例えば、Bigsbyらの米国特許第7,540,345号、Yamamuroらの同第8,087,486号、Spannbauerの同第8,146,701号およびTsuzukiらの同第8,424,819号に記載されている。
【0039】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用バッテリートレイである。自動車用バッテリートレイは既知であり、例えば、Fenstermakerの米国特許第4,327,809号とRinderlinらの米国特許出願公開第US2011/0036654A1号に記載されている。
【0040】
一部の実施形態では、該成形品は、電気自動車サポートフレームである。電気自動車サポートフレームは既知であり、例えば、Ishikawaらの米国特許出願公開第US2013/0032427A1号およびAmanoらの同第US2013/0119760号に記載されている。
【0041】
一部の実施形態では、成形品は、自動車用ロールオーバークラッシュゾーン部品(すなわち、ロールオーバー時にルーフクラッシュを低減するように機能する部品)である。自動車用ロールオーバークラッシュゾーン部品は既知であり、例えば、Nygaardの米国特許第7,494,178B2号およびGoralらの同第8,047,603号に記載されている。
【0042】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用パワートレインハウジングである。自動車用パワートレインハウジングは既知であり、例えば、Pritchardらの米国特許第6,354,173号およびKingmanらの同第7,847,444号に記載されている。
【0043】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用バルブカバーである。自動車用バルブカバーは既知であり、例えば、Jonesらの米国特許出願公開第US2002/0112684A1号およびHuらの同第US2009/0044773A1号に記載されている。
【0044】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用インテークマニホールドである。自動車用インテークマニホールドは既知であり、例えば、Takakuwaらの米国特許第8,424,502号およびNewmanらの米国特許出願公開第US2013/0139777A1号に記載されている。
【0045】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ターボチャージャーエアインテークマニホールドである。自動車用ターボチャージャーエアインテークマニホールドは既知であり、例えば、Nishimuraらの米国特許第4,911,135号に記載されている。
【0046】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ターボチャージャーコンプレッサハウジングである。自動車用ターボチャージャーコンプレッサハウジングは既知であり、例えば、Pellkoferらの米国特許出願公開第US2006/0165524A1号に記載されている。
【0047】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ターボチャージャーコンプレッサホイールである。自動車用ターボチャージャーコンプレッサホイールは既知であり、例えば、Pellkoferらの米国特許出願公開第US2006/0165524A1号に記載されている。
【0048】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ターボチャージャー圧縮空気ダクトである。自動車用ターボチャージャー圧縮空気ダクトは既知であり、例えば、Nishimuraらの米国特許第4,911,135号に記載されている。
【0049】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用サンルーフ取付部またはフレームワークである。自動車用サンルーフ取付部およびフレームワークは既知であり、例えば、Perez Ocaらの米国特許出願公開第US2006/0255628A1号およびGrussらの同第US2013/0082488A1号に記載されている。
【0050】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用窓取付部またはフレームワークである。自動車用窓取付部およびフレームワークは既知であり、例えば、Dupuyらの米国特許第5,317,835号およびMunoz Martinezらの欧州特許第EP1 498 294B1号に記載されている。
【0051】
一部の実施形態では、該成形品は、電気自動車バッテリーフレームまたはサポートである。電気自動車バッテリーフレームおよびサポートは既知であり、例えば、Katoらの米国特許出願公開第US2013/0075173A1号およびSaekiの同第US2013/0126255A1号に記載されている。
【0052】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ロードフロアブラケットまたはサポートである。自動車用ロードフロアブラケットおよびサポートは既知であり、例えば、Bejinらの米国特許第6,945,594号およびPaschekらの同第8,157,318号に記載されている。
【0053】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用アクティブグリルシャッターである。自動車用アクティブグリルシャッターは既知であり、例えば、Browneらの米国特許第7,498,926号およびHoriの米国特許出願公開第US2013/0092463A1号に記載されている。
【0054】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用グリル開口部補強材である。自動車用グリル開口部補強材は既知であり、例えば、Schultzらの米国特許第6,386,624号およびTarahomiの同第7,007,385号に記載されている。
【0055】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ミラーブラケットである。自動車用ミラーブラケットは既知であり、例えば、DeLineらの米国特許第8,267,559号およびLynamの米国特許出願公開第US2012/0314316A1号に記載されている。
【0056】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ルーフラックブラケットまたはフレームである。自動車用ルーフラックブラケットおよびフレームは既知であり、例えば、Condonらの米国特許第6,427,888号およびPictonらの欧州特許出願公開第EP1 842 728A1号に記載されている。
【0057】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ランニングボード部品である。自動車用ランニングボード部品は既知であり、例えば、Smithらの米国特許第7,322,593号およびGaffoglioの米国特許出願公開第US2013/0153055号に記載されている。
【0058】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ファンサポートまたはハウジングまたはブラケットである。自動車用ファンサポートおよびハウジングとブラケットは既知であり、例えば、Wakleyらの米国特許第5,498,130号およびGuilasの同第7,971,581号に記載されている。
【0059】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ボンネットである。自動車用ボンネットは既知であり、例えば、Seksariaらの米国特許第7,815,249B2号およびYonezawaらの米国特許出願公開第2013/0106142A1号に記載されている。
【0060】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ボンネットフェアリングである。自動車用ボンネットフェアリングは既知であり、例えば、Smithの米国特許出願公開第US2013/0140103A1号に記載されている。
【0061】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用ボンネットトリムサポートである。自動車用ボンネットトリムサポートは既知であり、例えば、Kisilerらの米国特許第6,637,810号およびDaviesらの欧州特許第EP0 634 316B1号に記載されている。
【0062】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用シート構造である。自動車用シート構造は既知であり、例えば、Zyndaらの米国特許第8,434,826号およびYasuiらの米国特許出願公開第US2012/0223565号に記載されている。
【0063】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用キャビン構造またはサポートまたは取付装置である。自動車用キャビン構造およびサポートと取付装置は既知であり、例えば、Tokunagaの米国特許第7,077,449号およびBjorkgardらの国際特許出願公開第WO2004/089728A1号に記載されている。
【0064】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用貯蔵容器である。自動車用キャビン構造およびサポートと取付装置は既知であり、例えば、Gehmanらの米国特許第7,032,956号およびCatenacciらの同第7,300,088号に記載されている。
【0065】
一部の実施形態では、該成形品は、自動車用スロットルボディハウジングである。自動車用スロットルボディハウジングは既知であり、例えば、Chiniらの米国特許第6,772,795号およびSchwulstの米国特許出願公開第2013/0081594A1号に記載されている。
【0066】
一部の実施形態では、該成形品は、水道メータハウジングである。水道メータハウジングは既知であり、例えば、DeJarlaisらの米国特許第5,339,686号、Bensonらの同第7,143,645号、およびLaursenらの米国特許出願公開第US2013/0139610A1号に記載されている。
【0067】
一部の実施形態では、該成形品は、配水ハウジングである。配水ハウジングは既知であり、例えば、Holsteinの米国特許出願公開第US2012/0318389A1号(この中では、配水ハウジングは「配水要素」と呼ばれている)に記載されている。
【0068】
一部の実施形態では、該成形品は、水バルブである。水バルブは既知であり、例えば、Wearsらの米国特許第8,356,622B2号およびForstの同第8,469,059号に記載されている。
【0069】
一部の実施形態では、該成形品は、給水接続具である。給水接続具は既知であり、例えば、Zittrerの米国特許出願公開第US2012/0305095A1号およびHartmanらの同第US2013/0061383A1号に記載されている。
【0070】
一部の実施形態では、該成形品は、送水ポンプハウジングである。送水ポンプハウジングは既知であり、例えば、Burgessの米国特許第7,416,383B2号およびMichalskiらの米国特許出願公開第2013/0145758A1号に記載されている。
【0071】
一部の実施形態では、該成形品は、水濾過ハウジングである。水濾過ハウジングは既知であり、例えば、Weinsteinらの米国特許第7,635,426号およびHornerらの米国特許出願公開第US2013/0062266A1号に記載されている。
【0072】
一部の実施形態では、該成形品は、水濾過サポートシステムである。水濾過サポートシステムは既知であり、例えば、Savageの米国特許第6,261,453B2号およびBen−Horinらの国際特許出願公開第WO2012/081027A2号に記載されている。
【0073】
一実施形態は、組成物の合計質量に対して、35〜45質量%のポリアミド−6,6と、16〜23質量%のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸あるいはこれらの組み合わせを含む0.4〜1質量%の相溶化剤と、を含む成分の溶融混合生成物を含む55〜65質量%の相溶化ブレンドと;35〜45質量%のガラス繊維と、を含む組成物である。
【0074】
該組成物の特定の実施形態では、該組成物は、該相溶化ブレンドと該ガラス繊維からなり;該溶融ブレンド成分は、ポリアミド−6,6と、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と、相溶化剤と、任意に、酸化防止剤、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、染料、顔料、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択された0.01〜2質量%の添加剤と、からなる。
【0075】
本明細書で開示された範囲はすべて終点を含むものであり、該終点は互いに独立に組み合わせできる。本明細書で開示した範囲はそれぞれ、この開示範囲内の任意の点またはサブ範囲の開示を構成する。
【0076】
本発明は少なくとも以下の実施形態を包含する。
【0077】
実施形態1:組成物の合計質量に対して、30〜44質量%のポリアミド−6、ポリアミド−6,6あるいはこれらの組み合わせと、12〜23質量%のポリ(フェニレンエーテル)と、0.1〜1質量%の相溶化剤と、を含む成分の溶融混合生成物を含む45〜65質量%の相溶化ブレンドと;35〜55質量%のガラス繊維と、を含む組成物を含有する成形品。
【0078】
実施形態2:自動変速装置オイルクーラーブラケット、ボンネット内サポートシステム、車体下サポートシステム、自動車用バッテリートレイ、電気自動車サポートフレーム、自動車用ロールオーバークラッシュゾーン部品、自動車用パワートレインハウジング、自動車用バルブカバー、自動車用インテークマニホールド、自動車用ターボチャージャーエアインテークマニホールド、自動車用ターボチャージャーコンプレッサハウジング、自動車用ターボチャージャーコンプレッサホイール、自動車用ターボチャージャー圧縮空気ダクト、自動車用サンルーフ取付部またはフレームワーク、自動車用窓取付部またはフレームワーク、電気自動車バッテリーフレームまたはサポート、自動車用ロードフロアブラケットまたはサポート、自動車用アクティブグリルシャッター、自動車用グリル開口部補強材、自動車用ミラーブラケット、自動車用ルーフラックブラケットまたはフレーム、自動車用ランニングボード部品、自動車用ファンサポートまたはハウジングまたはブラケット、自動車用ボンネット、自動車用ボンネットフェアリング、自動車用ボンネットトリムサポート、自動車用シート構造、自動車用キャビン構造またはサポートまたは取付装置、自動車用貯蔵容器、自動車用スロットルボディハウジング、水道メータハウジング、配水ハウジング、水バルブ、給水接続具、送水ポンプハウジング、水濾過ハウジングまたは水濾過サポートシステムである実施形態1に記載の成形品。
【0079】
実施形態3:前記ポリアミドは、ポリアミド−6とポリアミド−6,6の組み合わせである実施形態1または実施形態2に記載の成形品。
【0080】
実施形態4:前記ポリアミドは、ポリアミド−6,6である実施形態1または実施形態2に記載の成形品。
【0081】
実施形態5:前記ポリ(フェニレンエーテル)は、下式の繰り返し構造単位を含む実施形態1乃至実施形態4のいずれかに記載の成形品:
【化3】
式中、Zは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである。
【0082】
実施形態6:前記ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位あるいはこれらの組み合わせを含む実施形態1乃至実施形態5のいずれかに記載の成形品。
【0083】
実施形態7:前記ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含む実施形態1乃至実施形態6のいずれかに記載の成形品。
【0084】
実施形態8:前記相溶化剤は、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸あるいはこれらの組み合わせを含む実施形態1乃至実施形態7のいずれかに記載の成形品。
【0085】
実施形態9:前記溶融混合成分は、4質量%以下の耐衝撃性改良剤を含む実施形態1乃至実施形態8のいずれかに記載の成形品。
【0086】
実施形態10:前記組成物は難燃剤を含まない実施形態1乃至実施形態9のいずれかに記載の成形品。
【0087】
実施形態11:前記組成物は導電性充填剤を含まない実施形態1乃至実施形態10のいずれかに記載の成形品。
【0088】
実施形態12:前記組成物は、55〜65質量%の前記相溶化ブレンドと35〜45質量%のガラス繊維とからなり;前記相溶化ブレンドは、35〜45質量%の前記ポリアミド−6,6と、16〜23質量%の前記ポリ(フェニレンエーテル)と、0.4〜1質量%の相溶化剤と、任意に、酸化防止剤、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、染料、顔料、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された0.01〜2質量%の添加剤と、からなる成分の溶融混合生成物からなる実施形態1乃至実施形態8のいずれかに記載の成形品。
【0089】
実施形態13:前記ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含み;前記相溶化剤は、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択され;前記組成物は、55〜65質量%の前記相溶化ブレンドと35〜45質量%のガラス繊維とからなり;前記相溶化ブレンドは、35〜45質量%の前記ポリアミド−6,6と、16〜23質量%の前記ポリ(フェニレンエーテル)と、0.4〜1質量%の前記相溶化剤と、任意に、酸化防止剤、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、染料、顔料、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された0.01〜2質量%の添加剤と、を含む成分の溶融混合生成物からなる実施形態1に記載の成形品。
【0090】
実施形態14:自動変速装置オイルクーラーブラケットである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0091】
実施形態15:自動車用ボンネット内サポートシステムである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0092】
実施形態16:自動車用車体下サポートシステムである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0093】
実施形態17:自動車用バッテリートレイである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0094】
実施形態18:電気自動車サポートフレームである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0095】
実施形態19:自動車用ロールオーバークラッシュゾーン部品である実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0096】
実施形態20:自動車用パワートレインハウジングである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0097】
実施形態21:自動車用バルブカバーである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0098】
実施形態22:自動車用インテークマニホールドである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0099】
実施形態23:自動車用ターボチャージャーエアインテークマニホールドである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0100】
実施形態24:自動車用ターボチャージャーコンプレッサハウジングである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0101】
実施形態25:自動車用ターボチャージャーコンプレッサホイールである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0102】
実施形態26:自動車用ターボチャージャー圧縮空気ダクトである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0103】
実施形態27:自動車用サンルーフ取付部またはフレームワークである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0104】
実施形態28:自動車用窓取付部またはフレームワークである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0105】
実施形態29:電気自動車バッテリーフレームまたはサポートである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0106】
実施形態30:自動車用ロードフロアブラケットまたはサポートである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0107】
実施形態31:自動車用アクティブグリルシャッターである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0108】
実施形態32:自動車用グリル開口部補強材である実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0109】
実施形態33:自動車用ミラーブラケットである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0110】
実施形態34:自動車用ルーフラックブラケットまたはフレームである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0111】
実施形態35:自動車用ランニングボード部品である実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0112】
実施形態36:自動車用ファンサポートまたはハウジングまたはブラケットである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0113】
実施形態37:自動車用ボンネットである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0114】
実施形態38:自動車用ボンネットフェアリングである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0115】
実施形態39:自動車用ボンネットトリムサポートである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0116】
実施形態40:自動車用シート構造である実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0117】
実施形態41:自動車用キャビン構造またはサポートまたは取付装置である実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0118】
実施形態42:自動車用貯蔵容器である実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0119】
実施形態43:自動車用スロットルボディハウジングである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0120】
実施形態44:水道メータハウジングである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0121】
実施形態45:配水ハウジングである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0122】
実施形態46:水バルブである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0123】
実施形態47:給水接続具である実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0124】
実施形態48:送水ポンプハウジングである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0125】
実施形態49:水濾過ハウジングである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0126】
実施形態50:水濾過サポートシステムである実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の成形品。
【0127】
実施形態51:組成物の合計質量に対して、30〜44質量%のポリアミド−6,6と、12〜23質量%のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸あるいはこれらの組み合わせを含む0.4〜1質量%の相溶化剤と、を含む成分の溶融混合生成物を含む45〜65質量%の相溶化ブレンドと;35〜55質量%のガラス繊維と、を含む組成物。
【0128】
実施形態52:前記組成物は、55〜65質量%の前記相溶化ブレンドと35〜45質量%の前記ガラス繊維とからなり;前記溶融混合成分は、前記ポリアミド−6,6と、前記ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と、前記相溶化剤と、任意に、酸化防止剤、安定剤、離型剤、潤滑剤、加工助剤、染料、顔料、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された0.01〜2質量%の添加剤と、からなる実施形態51に記載の組成物。
【0129】
以下の非限定的実施例によって、本発明をさらに例証する。
【0130】
実施例1〜3、比較実施例1〜7
組成物の調製に用いた成分を表1に要約する。
【表1】
【0131】
組成を表2に示す。溶融温度250〜270℃、スループット15kg/時とした内径30mmのZSK二軸押出機で混合した。ポリアミドとガラス繊維以外の成分はすべて、高負荷型Henschelブレンダーで混合し、得られた乾燥ブレンドを第1のフィーダ経由で押出機のスロートで導入した。ポリアミドは、第2のフィーダ経由で同じ押出機のスロートで供給した。ガラス繊維は、押出機のさらに下流で添加した。押出品はペレット化した。
【0132】
熱変形温度(HDT)(℃)は、ISO75−1:2004に準拠し、負荷1.82MPaで求めた。ノッチ付アイゾッド衝撃強度(kJ/m)は、ISO180:2000に準拠し、温度23℃で求めた。引張強度(MPa)は、ISO527−1:2012に準拠し、温度23℃で求めた。曲げ弾性率(MPa)と曲げ強度(MPa)は、ISO178:2010に準拠し、温度23℃で求めた。密度(g/cm)は、ISO1183−1:2004に準拠し、温度23℃で求めた。メルトボリュームフローレート(cm/10分)は、ISO1133:2011に準拠し、温度280℃、荷重5kgで求めた。
【0133】
表2の特性結果は、発明的実施例1、2および3は、比較実施例1と2に比べて、熱変形温度が高く、引張強度、曲げ弾性率および曲げ強度が向上し、メルトフローも向上していることを示している。実施例1および3は、さらに、ノッチ付アイゾッド衝撃強度も向上している。
【表2】