特許第6186085号(P6186085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186085
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】プレハブ式の間仕切り壁および端部壁
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20170821BHJP
   E04B 2/82 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   E04B2/74 551G
   E04B2/82 511D
   E04B2/82 501D
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-545742(P2016-545742)
(86)(22)【出願日】2014年8月30日
(65)【公表番号】特表2016-536496(P2016-536496A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】US2014053616
(87)【国際公開番号】WO2016032540
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2015年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】515273564
【氏名又は名称】イノベイティブ ビルディング テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ,アーラン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルマン,マーク
【審査官】 多田 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−245918(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0296769(US,A1)
【文献】 実公昭53−000014(JP,Y2)
【文献】 米国特許第04038796(US,A)
【文献】 米国特許第03315424(US,A)
【文献】 実開昭54−084112(JP,U)
【文献】 実公平04−009373(JP,Y2)
【文献】 特開2002−364104(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3137760(JP,U)
【文献】 米国特許第3608258(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72−2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のSIPSパネルであって、前記SIPSパネルがそれぞれ、建造物ユニットの床と天井とをつなぐように構成されており、前記2枚のSIPSパネルが前記SIPSパネル間の隙間の空間を画定するように離間した、2枚のSIPSパネルと、
前記2枚のSIPSパネル間で結合された複数のハットチャネルであって、前記隙間の空間を維持するように構成された複数のハットチャネルと
を備え、
前記SIPSパネルがそれぞれ、酸化マグネシウム板を有する第1の面と、繊維セメント板を有する第2の面とを含み、
前記複数のハットチャネルは、床パネルに貼り付けられた第1のハットチャネルと入れ子となるように構成された第2のハットチャネルと、天井パネルに貼り付けられた第3のハットチャネルと入れ子となるように構成された第4のハットチャネルと、を含み、
前記第4のハットチャネルが前記第3のハットチャネルより深く、そのため、入れ子配置の前記第3のハットチャネルと前記第4のハットチャネルとの間に隙間が画定される、
間仕切り壁。
【請求項2】
間仕切り壁を床パネルに組み付ける方法であって、
前記間仕切り壁は、
2枚のSIPSパネルであって、前記SIPSパネルがそれぞれ、建造物ユニットの床と天井とをつなぐように構成されており、前記2枚のSIPSパネルが前記SIPSパネル間の隙間の空間を画定するように離間した、2枚のSIPSパネルと、
前記2枚のSIPSパネル間で結合された床側端部ハットチャネルおよび天井側端部ハットチャネルを含む複数のハットチャネルであって、前記隙間の空間を維持するように構成された複数のハットチャネルと
を備え、
前記SIPSパネルがそれぞれ、酸化マグネシウム板を有する第1の面と、繊維セメント板を有する第2の面とを含み、
前記方法は、
前記間仕切り壁の所望の位置で床パネルに貼り付けられたハットチャネルを有する床パネルを設けること、
前記床パネル上に、前記間仕切り壁を、前記床パネルのハットチャネルと、前記床側端部ハットチャネルとが入れ子になるように設けて、前記床パネルと前記間仕切り壁との間の位置合わせを実施すること、
前記間仕切り壁の前記所望の位置で、天井パネルに貼り付けられたハットチャネルを有する天井パネルを設けること、および
前記天井パネルのハットチャネルを、前記天井側端部ハットチャネル中に入れ子にすること
を含み、
前記天井側端部ハットチャネルが前記天井パネルのハットチャネルより深く、そのため、入れ子配置の前記天井パネルのハットチャネルと前記天井側端部ハットチャネルとの間に隙間が画定される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
建造物の設計および建設は、製品(オフィスビル、ショッピングモール、集合住宅など)を手作業で構築する、世界で最後の大規模産業である。建造物の設計者(建築家および技術者)は通常、責任の理由から建造物の建設者(建設業者)とは異なる。建築家は建造物がどのように構築されるかについての責任を望まず、逆に建設業者は建造物がどのように製図および計画されているかについて責任を望まない。さらに、建造物は、段階的に順序立てて展開される特定の技能を有する者によって建設され、通常、屋外の厳しい天候の中、手作業で構築される。したがって、従来の建設業では製品よりもプロセスが考慮され、その結果、浪費や無駄が多くなっている。
【背景技術】
【0002】
効率の改善に対する当業界の対応はこれまでモジュール式の建設であった。住宅が複数ある(集合住宅、ホテル、学生寮などの)場合には、ユニット全体が現場から離れた工場で構築され、モジュールが現場に運ばれる。次いでモジュールは積み重ねられ連結される。モジュールは、従来の現場での建設と同様に熟練工により手作業で構築される木製フレームである。木製フレームは低層(1階〜6階)の建設に用いられる。この建設方法は約数十年にわたって実施されており、この分野の企業は複数ある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それに対して、一部の建造技術はプレハブ式モジュールの代わりにプレハブ式コンポーネントを利用することがある。そのコンポーネントは、「パーツのキット(kit of parts)」を備え、そのパーツは、互いに独立に予め作製し、設置および連結のために現場に運ぶことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
間仕切り壁(demising wall)パネルおよび端部壁パネルはプレハブ式のサブアセンブリーである。パネルはそれぞれ、全ての自治体の火災、エネルギー、人命の安全性、および他の適用できる建築基準法全てを満たすかまたは上回るように設計することができる。間仕切り壁パネルおよび端部壁パネルは、全面的に一体化したサブアセンブリーとすることができ、つまり、内部ユニット仕上げ、天候に対する外部バリア仕上げ、熱および湿気に対する保護要件を満たすかまたは満たすことを容易にする全ての雨押さえおよび断熱材、配管、防火、および電気/データ/通信インフラを収容することができる。
【0005】
間仕切り壁および端部壁は2つのコンポーネントパーツであり、建造物ソリューション全体に合うように設計することができる。間仕切り壁および端部壁は、住宅が複数ある8階以上の住居建造物を含む中層および高層の建設に関して適用できる規制全てを満たすかまたは上回るように設計することもできる。
【0006】
前述の概要は単なる例示にすぎず、決して限定するものではない。図面および以下の詳細な説明を参照することにより、上記に記載した例示的な態様、実施形態、および特徴の他にも、さらなる態様、実施形態、および特徴が明らかになるであろう。
【0007】
本開示の前述のおよび他の特徴が、添付の図面と併せた以下の説明および添付の特許請求の範囲からさらに全面的に明らかになるであろう。その図面が本開示によるいくつかの実施形態しか示しておらず、したがってその範囲を限定するものと解釈すべきではないことを理解すれば、本開示は添付の図面を用いることでさらに具体的かつ詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態の間仕切り壁の概略図である。
図2】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態の床/天井パネルと境界を接する一実施形態の間仕切り壁の概略図である。
図3】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態の窓壁と境界を接する一実施形態の間仕切り壁の概略図である。
図4】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態の窓壁と境界を接する一実施形態の間仕切り壁の概略図である。
図5】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態の入口扉と境界を接する一実施形態の間仕切り壁の概略図である。
図6】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態のユーティリティ壁パネルと境界を接する一実施形態の間仕切り壁の概略図である。
図7】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態の端部壁の概略図である。
図8】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態の床/天井パネルと境界を接する一実施形態の端部壁の概略図である。
図9】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態の窓壁と境界を接する一実施形態の端部壁の概略図である。
図10】本開示の少なくとも一部の実施形態に従って構成されている、一実施形態のユーティリティ壁パネルと境界を接する一実施形態の端部壁の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を成す添付の図面を参照する。図面では、同様の記号は通常、別段の指示がない限り同様の構成要素を指す。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載する例示的な実施形態は限定を意味するものではない。本明細書に提示する主題の精神または範囲から逸脱することなしに、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書に概略的に記載し図に示すような、全て本明細書に暗黙的に企図される本開示の態様を多種多様の異なる構成に配置、置換、組み合わせ、分離、および設計できることが容易に理解されるであろう。
【0010】
間仕切り壁パネルおよび端部壁パネルは、中層および高層の住居プロジェクトの以下の問題を解決および/または軽減できるサブアセンブリーとすることができる。(a)コストがかかり時間を浪費する、建造物の端部壁およびユニット間の間仕切り(または区切り)壁の現場での建設、(b)ユニット間に音響上の区切りを設けること、(c)耐水性、外部からのエネルギーおよび熱の区切り、ならびに(d)居住空間の一部分に内装仕上げを設けること。間仕切り壁パネルおよび端部壁パネルは、消防法、外部の雑音の伝達に関する音響上の等級、エネルギーの等級、他の壁パネルに連結するための公差、熱および湿気からの保護を満たしかつ/または満たすように貢献することができる。全ての実施形態が上記で説明した問題点の全てまたはいずれかでさえ解決および/または軽減できるわけではなく、その問題点は本明細書に記載する一部の実施形態の態様の理解を容易にするために提示されていることを理解されたい。
【0011】
間仕切り壁パネルおよび端部壁パネルは、9インチ×22インチの構造的に断熱したパネルを含む全面的に一体化したサブアセンブリーとすることができる(各パネルは、SIPSパネルと呼ばれる、不燃性の繊維セメント板を発泡ポリスチレンフォームプラスチックコアに貼付したものである)。間仕切り壁および端部壁はそれぞれ、下地材または「ハット(hat)」チャネルと上部および底部で連結される9インチ×22インチのSIPSパネルを2枚含むことができる。このようにしてこれらの材料を組み付けると、建造物の住居用および/または商業用のユニットを供給するために、配管、電気、ダクト構造、および/または他のシステムを配設するための隙間の空間を作り出すことができる。
【0012】
端部壁パネルの外部は、4と7/8インチのSIPSパネルに取り付けられる耐候性バリア(weather-resistive)および/または被覆パネルシステムを含むことができる。端部壁パネルの内部は、2インチのSIPSパネルに取り付けられる一連の仕上げパネルを収容することができる。
【0013】
間仕切り壁は、各パネルが外側に内装仕上げおよび内側に隙間の空間を有する、2インチのSIPSパネルを2枚含むことができる。その隙間の空間には、電気ケーブル、データ/通信ケーブル、消火散水装置のパイプ、および断熱材が延在する。
【0014】
間仕切り壁および端部壁サブアセンブリーは、(a)床/天井システムへの取り付け、(b)窓壁およびユーティリティ壁への連結、ならびに/または(c)建造物ユーティリティへの組み立てのために、現場外の工場/店舗で予め作製し、プロジェクトの現場に輸送することができる。水平に設置された間仕切り壁パネルおよび端部壁パネルは、床/天井パネル上の領域に打設された仕上げ塗りのスラブ上に着座することができる。間仕切り壁は、建築基準法により必要とされる1時間加熱の耐火等級を、端部壁は2時間の耐火等級を実現するように設計することができる。
【0015】
間仕切り壁SIPSパネル。一部の実施形態では、間仕切り壁パネルが図1に示すように以下の材料を含むことができる。2インチの内部SIPSパネルを2枚。各パネルは発泡ポリスチレンフォームコアと、内側の12mmの酸化マグネシウム板1層と、内装仕上げのための下地として働く外側の11mmの繊維セメント板とを備える。両SIPSパネルは建造物ユニットの床と天井とをつなぐことができる。SIPSパネル間には、任意のスタッド(任意の金属製スタッドを含む)がなくてよい。このようにして、間仕切り壁は、内装仕上げが繊維セメント板によって設けられ、建築基準法の要件が酸化マグネシウム板によって満たされた、スタッドなしの内部壁を実装することができる。
【0016】
一部の実施形態では、間仕切り壁は図2に示すように床/天井パネルと境界を接することができる。一部の実施形態では、ハットチャネルを床/天井パネルのコンクリート面に結合させることができる。一部の実施形態では、床/天井パネルは、コンクリートが床パネル上に打設される前にすでに床パネル上に設置されるネジなどの留め具を有する。間仕切り壁は、設置時に床に結合したハットチャネルと入れ子になるシスターハットチャネルを含むことができる。間仕切り壁と床との間に音響用の充填材を入れることができる。一部の実施形態では、第2のハットチャネルを天井パネルの表面に結合させることができ、間仕切り壁は、天井に結合した第2のハットチャネルと入れ子になる第2のシスターハットチャネルを含むことができる。床パネルおよび天井パネルに荷重がかかるので、天井パネルに結合した第2のハットチャネルにより天井および間仕切り壁の境界に自由度を得ることができる。たとえば、第2のシスターハットチャネルは、天井パネルの表面に結合した第2のハットチャネルより深くすることができる。このようにして、第2のシスターハットチャネルと第2のハットチャネルとの間に隙間を画定することができ、そのため、その隙間によってもたらされた自由度により床パネルまたは天井パネルの動きに対応することができる。一部の実施形態では、天井および間仕切り壁の境界に防火用充填材を入れる。
【0017】
一部の実施形態では、間仕切り壁は図3および図4に示すように窓壁と境界を接することができる。一部の実施形態では、間仕切り壁は図5に示すように入口扉と境界を接することができる。一部の実施形態では、間仕切り壁は図に示すようにユーティリティ壁と境界を接することができる。一部の実施形態では、間仕切り壁は1を超える境界を有することができる。
【0018】
端部壁SIPSパネル。一部の実施形態では、端部壁パネルが図7に示すように以下の材料を含むことができる。(a)耐候性バリアおよび被覆システムを有する4と7/8インチの外部SIPSパネル、(b)内側の12mmの酸化マグネシウム板1層と、内装仕上げのための下地として働く内側の11mmの繊維セメント板とともに、発泡ポリスチレンフォームコアを有する、2インチの内部SIPSパネル。
【0019】
一部の実施形態では、端部壁は図8に示すように床/天井パネルと境界を接することができる。一部の実施形態では、床/天井パネルのコンクリート面にハットチャネルを結合させることができる。一部の実施形態では、床/天井パネルは、コンクリートが床パネル上に打設される前にすでに床パネル上に設置されるネジなどの留め具を有する。端部壁は、設置時に床に結合したハットチャネルと入れ子になるシスターハットチャネルを含むことができる。一部の実施形態では、第2のハットチャネルを天井パネルの表面に結合させることができ、端部壁は、天井に結合した第2のハットチャネルと入れ子になる第2のシスターハットチャネルを含むことができる。床パネルおよび天井パネルに荷重がかかるので、天井パネルに結合した第2のハットチャネルにより天井および端部壁の境界に自由度を得ることができる。
【0020】
一部の実施形態では、端部壁は図9に示すように窓壁と境界を接することができる。一部の実施形態では、端部壁は図に示すようにユーティリティ壁と境界を接することができる。一部の実施形態では、端部壁は、1つより多い境界を有することができる。
【0021】
実施形態の間仕切り壁および端部壁は、(a)電気、防火、配管、排気、および他の建造物システムの機能と全面的に一体化できること、(b)内装仕上げおよび外部仕上げをいずれも有することができること、(c)端部壁は二重化した完全な気象バリアシステムを有することができること、(d)エネルギーおよび音を全面的に遮断できること、ならびに(e)火災、エネルギー、および生命/安全に関する建築基準法全てを満たすことができることを含む利点をいくつか有することができる。全ての実施形態の間仕切り壁および端部壁が、本明細書に記載した一部の態様の理解を容易にするために提示した記載の利点の全てまたはいずれかでさえ有することができるわけではないことを理解されたい。
【0022】
本開示は、様々な態様の例示として意図されている本願に記載の特定の実施形態によって限定されるべきではない。当業者には明らかであろうようにその精神および範囲から逸脱することなしに、多くの修正形態および実施形態を実施することができる。本開示の範囲内の機能上等価な方法および装置は、本明細書に列挙したものに加えて、前述の説明から当業者には明らかであろう。こうした修正形態および実施形態は添付の特許請求の範囲内に包含されるものである。本開示は、添付の特許請求の範囲およびこうした特許請求の範囲が権利を与えられた等価物の範囲全体によってのみ限定されるべきである。勿論変更可能である特定の方法、試薬、化合物、組成物または生物系に本開示が限定されないことを理解されたい。本明細書で用いた用語は単に特定の実施形態を説明するためのものであり、限定する意図はないことも理解されたい。
【0023】
本明細書における実質的に全ての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0024】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(たとえば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。
【0025】
導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(たとえば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(たとえば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。
【0026】
さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0027】
また、本開示の特徴または態様をマーカッシュグループによって記載している場合は、それにより本開示がやはりマーカッシュグループの任意の個別のメンバーまたはメンバーのサブグループによって記載されていることを当業者は認識するであろう。
【0028】
当業者に理解されるであろうように、あらゆる全ての目的で、たとえば書面による説明を提供するために、本明細書に開示される全範囲があらゆる全ての可能な部分範囲およびその部分範囲の組み合わせも網羅する。列挙した範囲はいずれも、同じ範囲が少なくとも2等分、3等分、4等分、5等分、10等分などに細分化されることを十分に説明し可能にするものと簡単に認識できる。非限定的な実施形態のように、本明細書で論じられる各範囲は、下3分の1、中央3分の1、および上3分の1などに容易に細分化することができる。やはり当業者には理解されるであろうように、「最大(up to)」、「少なくとも(at least)」、「を超える(greater than)」、「未満(less than)」などの言葉は全て、記載された数を含み、上記で論じたような部分範囲に後で細分化できる範囲を指す。最後に、当業者に理解されるであろうように、範囲にはそれぞれ個別のメンバーが含まれる。したがって、たとえば、アイテムを1個〜3個有するグループがアイテムを1個、2個、または3個有するグループを指す。同様に、アイテムを1個〜5個有するグループがアイテムを1個、2個、3個、4個、または5個有するグループを指し、以下同様である。
【0029】
本明細書に記載された主題は、様々なコンポーネントをしばしば例示しており、これらのコンポーネントは、他の様々なコンポーネントに包含されるか、または他の様々なコンポーネントに連結される。そのように図示されたアーキテクチャは、単なる実施形態にすぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることを理解されたい。概念的な意味で、同じ機能を実現するコンポーネントの任意の構成は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付け(associated)」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、本明細書における任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントにかかわらず、所望の機能が実現されるように、互いに「関連付け(associated with)」されていると見ることができる。同様に、そのように関連付けされた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続(operably connected)」または「動作可能に結合(operably coupled)」されていると見なすこともでき、そのように関連付け可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に結合できる(operably couplable)」と見なすこともできる。動作可能に結合できる場合の具体例には、物理的にかみ合わせ可能な、および/もしくは物理的に相互作用するコンポーネント、ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用するコンポーネント、ならびに/または論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、それらに限定されない。
【0030】
様々な態様および実施形態を本明細書に開示してきたが、他の態様および実施形態が当業者には理解されるであろう。本明細書に開示した様々な態様および実施形態は例示のためのものであり、限定するものではない。真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10