特許第6186102号(P6186102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186102
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】素早く簡単に重さが変えられるダンベル
(51)【国際特許分類】
   A63B 21/072 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   A63B21/072 C
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-126610(P2012-126610)
(22)【出願日】2012年6月1日
(65)【公開番号】特開2013-248300(P2013-248300A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】709002727
【氏名又は名称】北岡 千弘
(72)【発明者】
【氏名】北岡 千弘
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3166991(JP,U)
【文献】 特開2005−192808(JP,A)
【文献】 実開昭64−012557(JP,U)
【文献】 国際公開第2012/058612(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0304938(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0234843(US,A1)
【文献】 米国特許第06261022(US,B1)
【文献】 登録実用新案第3102678(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0021877(US,A1)
【文献】 英国特許出願公開第02428204(GB,A)
【文献】 仏国特許出願公開第00769393(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 21/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で握る部分の金属製もしくはグリップ部(2)の両端に取り付けた格納枠(4a)の内部の格納スペース(4)で回転が可能な異形シャフト(5)を備えているダンベルであって、レバー(6)と直結した異形シャフト(5)の回転力を、もう片方の格納枠(4a)の内部の格納スペース(4)の異形シャフト(5)に伝達させるために手で握る部分の金属棒もしくはグリップ部(2)の内部に回転が可能なシャフト(5c)を備えており、異形シャフト(5)の片側の端と前記シャフト(5c)の両側の端に回転力を伝達するためのプーリー(5a及び5b)を具備したことを特徴とするダンベル。
【請求項2】
請求項1のダンベルであって、レバー(6)と直結した異形シャフト(5)の回転力を、もう片方の格納枠(4a)の内部の格納スペース(4)の異形シャフトに伝達するために、手で握る部分の金属棒もしくはグリップ部(2)の内部に回転が可能なシャフト(5c)を備えており、異形シャフト(5)とシャフト(5c)がお互いの回転力を伝達するために、シャフト(5c)と異形シャフト(5)を同軸延長線上で連結したことを特徴とするダンベル。
【請求項3】
請求項1のダンベルであって格納スペース(4)の特定の位置に専用ウエイト(8)を収めるために格納枠(4a)の裏面である格納スペース(4)の中に格納スペース(4)を挟んで向かい合う位置に凸凹(3)を具備したことを特徴とするダンベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋肉トレーニングや筋力トレーニング、もしくは筋持久力トレーニングをおこなうために日常で使用されているダンベルであって、重量の調節が可能な片手で持つダンベルに関する。
【背景技術】
【0002】
ダンベルは重量による負荷を運動に加えることで筋肥大や筋力の向上などに効果があり、ダンベルの重量を調節することで瞬発系のトレーニングから有酸素系のトレーニングまで幅広いトレーニングメニューに対応でき、誰でも手軽に始められることにより若者から中高年まで年齢を問わず、人気のトレーニング器具である。
【0003】
図12は従来からある重量が変えられる脱着式ダンベルであり、金属棒12の両側端から金属棒の軸の延長線上より、中央に穴が空いたディスク状ウエイト13を必要な枚数だけ前記金属棒12の中央に向かって貫通させることが必要であり、さらにその外側より前記ディスク状ウエイトが金属棒12から脱落するのを防ぐために止め金具であるカラー14を使用しなければならない。
【特許文献1】特許公開平9−327529
【非特許文献1】マーシャルワールドオンラインショップ
【非特許文献2】「ウイダー・ボディビルディングバイブル」、第50頁から第51頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のダンベルで重量が変えられる脱着式ダンベルの場合、金属棒の中央の握り部分の両側の端付近に取り付けられたディスク状ウエイトが運動中に動いたり金属棒から抜けて脱落しないようにカラーで固定するのであるが、ダンベルの重量を変えるためには、金属棒に固定しているカラーを緩めて金属棒から引き抜くことが必要である。次にディスク状ウエイトを規定の重量になるように差し変えてから、先程取り外したカラーをシャフトに差し込んで固定しなければならず、もう片方もこれと同じ動作を繰り返さなければならない。
【0005】
従来のダンベルで複数の枚数のディスク状ウエイトを金属棒に取り付けている場合に一番奥を外したい場合は手前に取り付けているディスク状ウエイトまで含め、全て取り外す必要があり大変不便である。
【0006】
ディスク状ウエイトを金属棒に複数枚取り付けている場合、ディスク状ウエイトが全て同じ直径で、なおかつ床が硬く平面で金属棒の軸方向が床とほぼ平行になる状態でダンベルを置くと、すべてのディスク状ウエイトが床に接するために、そのままではでディスク状ウエイトの取り外しや取り付けは困難であり、ディスク状ウエイトは形状が丸いので不安定で転がりやすく、不用意に踏むと転倒の原因にもなる。
【0007】
本発明は、このような点を鑑みて成されたもので、ダンベルにダンベルの重量を調節するためのウエイトの1枚ずつが他のウエイトに干渉することなく、ダンベル本体より取り付けたり取り外したりすることが可能な、専用のウエイトを使用する構造にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
手で握れる所定の直径の金属製で内部に回転が可能な芯棒を備えた棒状の部品と、前記部品の軸方向の両端に設けられた少なくとも一面が開放された内部に所定の重りを格納するための空間を備えた多面体と、前記多面体の内部の所定の位置で重りの側面に噛み合う凸凹面と、重りを固定するための金具と前記金具を外から操作するための取手を具備したダンベル。
【0009】
前記重りは、側面が前記凸凹面に接するような加工を施した請求項1に記載のダンベル。
【発明の効果】
【0010】
ダンベルの使用例としてダンベルカールというトレーニング種目を例にあげると、まずダンベルを片手で持ち、手のひらの側を前方にして腕を真下にぶら下げた状態が角度を0度として、肘を支点にして90度以上の角度まで上腕二頭筋を始め、前腕などの腕の力を利用して弧を描くように前方に持ち上げる。そしてその状態から上腕二頭筋を始めとする腕の力をコントロールしながら元の状態に戻った状態を1レップ、つまり1回とし、これを持ち上がらなくなる限界まで繰り返す。これを1セットとした場合に毎セットの回数が決まっているとして、上腕二頭筋はセットをこなすたびに疲労が蓄積していくため、同じ回数をこなすためにはセット毎にダンベルの重量を下げる必要がある。この時にダンベルの重量が簡単に調節できることは、そのための労力が少なくて済むのでトレーニング中の人には都合がよい。
【0011】
ダンベルの重量を調節する場面において、ダンベルの重量を簡単に調節できることは、ダンベルの重量を調節するための時間が短縮できるので、一部のトレーニング種目においては鍛えている筋肉に強大な刺激を与えることが可能で、結果としてトレーニングの成果が向上する。叉、ダンベルの重量の調節が簡単に出来ることは、トレーニングの意欲を維持するのに良く、本来の目的であるトレーニングに集中できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のダンベル1に重力トレーニングの負荷である専用ウエイト8をすべて装置した状態が図2図10図11であり、合計16枚の専用ウエイトが装着されている。
【0013】
本発明のダンベルに専用ウエイト8が全く装着されていない状態を示すのが図1図3図4である。
【0014】
専用ウエイト8は金属棒2の中央から両側に等しい枚数を装着していくのが望ましく、専用ウエイト8が両側に等しい枚数が装着されないと手首に余計な負担がかかり、ダンベルのバランスに気を取られて本来のトレーニングに意識を集中できない。
【0015】
トレーニングの負荷に必要なダンベル重量の調節を素早くおこなうために、ダンベル1には格納スペース4を挟むように両側に凸凹3が設けてあり、専用ウエイト8の両側の側面とお互いに噛み合うようになっており、格納スペース4の上方から凸凹3に沿って専用ウエイト8の側面9の両側が噛み合う位置で上方から下側に滑らせながら奥まで差し込み、レバー6を回転することで専用ウエイト8がダンベル1に固定される。
【0016】
こうすることで専用ウエイト8の1枚を他のスペースに装着した専用ウエイト8に影響を与えず、ダンベル1から取り外したり取り付けたりができる。
【0017】
専用ウエイト8がダンベル1の所定の位置に収まった状態を示したのが図7である。
【0018】
ダンベル1から専用ウエイト8が飛び出さないようにしっかりと固定する必要がある。専用ウエイト8に作られた鍵状空間11は入口が奥より狭い形状でシャフト5が通り抜ける役目を果たし、奥は円状の空間を有していて前記通路の幅よりも直径の長さがが長く、シャフト5が内部で回転する位での直径が必要である。鍵状空間11とシャフト5の長手方向の間に隙間がありすぎるとトレーニング中に専用ウエイト8とシャフト5が振動で干渉して音を発することがあるので余分な隙間は無いほうがよいし、シャフト5が楽に回転する位までの微小な隙間にするのが望ましい。
【0019】
シャフト5の断面がほぼ長方形の形状で短い方の長さが鍵状空間11の入口よりも狭くして、さらに鍵状空間11の奥まで到達した位置関係を示したのが図8上図である。シャフト5の断面のほぼ長方形の形状で長い方の長さを鍵状空間11の奥側の円形の直径よりも短いシャフト5を鍵状空間の奥の側の円形の内部で左右のどちらかかに回転したのが図8の下図である。鍵状空間11の入口の直径と比較してシャフト5の断面の長手方向が長いため、シャフト5が鍵上空間11から容易に抜けなくなり、専用ウエイト8をダンベル1に固定する役割を果たす。
【0020】
ダンベル1の側面にレバー6を設けた。図5で説明するとレバー6とシャフト5は連結しており、シャフト5に取り付けられたプーリー5aは、もう片方のプーリー5aが取り付けられたシャフト5に、シャフト2内部のシャフト5cとその両側に取り付けられたプーリー5bを介してレバー6の回転力を伝達する。このことにより、ダンベル1に取り付けられた専用ウエイト8をレバー6の操作だけで固定でき、叉、ダンベル1に取り付けられた専用ウエイト8を取り出すための固定の解除もレバー6の操作だけでできる構造とした。
【0021】
図5により、レバー6からのシャフト5への回転力の伝達はプーリー5aとプーリー5cを介している部分があるが、シャフト5cの両側にシャフト5をプーリー5aとプーリー5cを介さずに同じ軸延長線上に連結することは、それに合わせて専用ウエイト8の鍵状穴11とレバー6の位置を変えることで可能である。そうすることでプーリー5aとプーリー5bが不要となる。
【0022】
7はレバー6を固定するための穴であり、専用ウエイト8をダンベル1に固定する位置にある穴と専用ウエイト8をダンベル1から取り出だすためにレバー6の固定の解除の位置の穴のそれぞれにレバー6先端にあるロックネジ6aネジの先端部分をねじ込むことでレバー6がその位置で固定される。
【0023】
金属棒2の直径は2cmから8cmが望ましく、又、専用ウエイト8を格納するための多面体4aは、軸組み構造でも面構造でも良いのであるが、手荒く扱われることを想定し、搭載するダンベルの重量や落下の際の衝撃に耐えうる構造および強度とする。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明はスポーツ愛好家の競技能力向上のためのトレーニングや老若男女を問わず日頃の健康管理のためのトレーニングに利用されることが予想される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】内部構造等が入った斜視図
図2】重りを装着した状態の斜視図
図3】重りが未装着の状態の平面図
図4】重りが未装着の状態の正面図
図5】A〜A線断面図
図6】重りの斜視図
図7】トレーニング器具に重りを装着した状態の説明図
図8】重りをトレーニング器具に固定する方法の説明図
図9】重りをトレーニング器具に固定するための操作方法の説明図
図10】重りをトレーニング器具に装着した状態の正面図
図11】重りをトレーニング器具に装着した状態の平面図
図12】従来の脱着式ダンベルの説明図
【符号の説明】
【0026】
1 ダンベル
2 金属棒、もしくはグリップ部
3 凸凹
4 格納スペース
4a 格納枠
5 異形回転シャフト
5a プーリー
5b プーリー
5c シャフト
6 レバー
6a ロックネジ
7 穴
8 専用ウエイト
9 専用ウエイトの側面
10 専用ウエイトの取手
11 鍵状穴
12 金属棒
13 ディスク状ウエイト
14 カラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12