【実施例1】
【0019】
まず、遊技機の一例であるスロットマシン及び遊技用装置の一例であるメダル貸出機について説明する。
図1は、スロットマシン1及びメダル貸出機を示す正面図である。
図2は、メダル貸出機の内部機構を示す左側面図である。
図3は、スロットマシン及びメダル貸出機の要部を示す斜視図である。
図4は、メダル貸出機の前面板を開放した状態を示す斜視図である。
図5は、メダル貸出機の要部の構造を示す一部破断左側面図である。
図6は、メダル貸出機を示す要部正面図である。
図7は、
図5のA−A断面図である。
図8は、(a)は開放状態の受入部を示す斜視図、(b)は閉鎖状態の受入部を示す斜視図である。
図9は、(a)は開放状態の受入部を示す縦断側面図、(b)は閉鎖状態の受入部を示す縦断側面図である。
図10は、(a)は開放状態の受入部を示す側面図及び受入部のa−a断面図、(b)は閉鎖状態の受入部を示す側面図及び受入部のb−b断面図である。
図11は、導入経路カバーの底部を示す縦断側面図である。
図12は、スロットマシン及びメダル貸出機の配置状態を示す平面図である。
【0020】
図1に示すように、スロットマシン1は、遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に複数並設されており、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。筐体1aの内部上方位置には、外周に複数種類の図柄が配列されたリール2L,2C,2Rが水平方向に並設されており、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓3から見えるように配置されている。
【0021】
スロットマシン1においてゲーム(遊技)を行う場合には、まず、円盤状の遊技媒体の一例であるメダルMをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルMが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0022】
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。ここでは、リール2L,2C,2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では入賞ラインを1本としているが、複数の入賞ラインを定めても良い。
【0023】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0024】
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインL1〜L5のいずれかに予め定められた図柄の組合せ(役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルMが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(例えば、50)に達した場合には、メダルMが直接メダル払出口9から前面扉1bの下部に前方に突出するように設けられた下皿5に払いだされるようになっている。また、入賞ラインL1〜L5のいずれかに、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には、図柄の組合せに応じた遊技状態(例えば、レギュラーボーナスやビッグボーナスボーナス等)に移行するようになっている。
【0025】
メダル貸出機100は、スロットマシン1に1対1に対応するように設けられている。尚、本実施例では、1台のスロットマシン1に対応するメダル貸出機100が、該スロットマシン1の右側に配置されている。また、本実施例では、メダル貸出機100はスロットマシン1に1対1に対応するように設けられているが、例えば、メダル貸出機100を2台のスロットマシン1,1の間に2対1に対応するように設け、1台のメダル貸出機100を左右2台のスロットマシン1,1により共用してもよい。
【0026】
メダル貸出機100は、スロットマシン1の所定側(本実施例では、スロットマシン1の向かって右側)の側方位置に対応設置され、紙幣、または会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、遊技機における遊技に使用される円盤状の遊技媒体であるメダルMを貸し出すための処理と、遊技者がスロットマシン1での遊技にて獲得したメダルMを受付けて、該受付けたメダルMを計数するための処理と、該計数した獲得メダル枚数をビジターカードや会員カード等に記録するための処理等を行う。
【0027】
尚、メダル貸出機100は、メダル貸出機100にて使用されるビジターカードや会員カード並びにメダル貸出機100の管理等を行う図示しないシステムコントローラや、会員カードを所持する会員遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する貯蓄玉数の管理を行う貯蓄管理コンピュータや、遊技場内に設置された各スロットマシン1の台データ等の遊技情報を管理するホールコンピュータや、遊技場内において遊技者に提供される飲食物の注文の管理を行う注文管理コンピュータ等の各種のコンピュータが接続されており、これら各コンピュータとの間において双方向のデータ通信が可能とされている。
【0028】
本実施例に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まる会員カードIDが予め書き換え不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
【0029】
尚、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、一度獲得して計数したメダルMをその翌日以降においても再度遊技に使用できる貯メダルを行うことができるようになっているが、これら会員カードには、該貯メダルのデータである貯メダル数は直接記録されておらず、これら貯メダル数は、会員の情報を管理する会員管理コンピュータにおいて、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
【0030】
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された図示しないカード発行・入金機にて、購入、発行されるとともに、メダル貸出機100においても発行される。
【0031】
次に、本実施例のメダル貸出機100について、
図1〜
図4に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施例のメダル貸出機100は、正面視縦長長方形状をなす前面が開口する筐体101と、該筐体101の前面下部開口の開閉可能とする開閉板102と、から構成され、内部には後述する各種装置が内蔵されている。
【0032】
図1に示すように、開閉板102の前面上部には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口110が設けられ、その下方位置には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでメダル貸出機100の状態等を報知可能とされた状態表示ランプ111や、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口112が設けられている。
【0033】
状態表示ランプ111の下方位置には、入金の利用可能状態を報知する入金可ランプ113と、挿入中の会員カードやビジターカードを排出する返却ボタン114と、カード残高やエラーコード等を表示するカード残高表示部115と、メダルMの払い出しが行われるメダル貸出ボタン116と、メダルMの貸出が可能なことを表示するメダル貸出ランプ117と、後述するメダル貯留部183(
図2参照)の状態を報知するメダル切れランプ118と、リモコン(図示略)との赤外線通信を行うための赤外線受光部119と、会員カードの暗証番号等を入力するためのテンキー120と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯メダル数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン121と、が配設されている。
【0034】
これら各種操作部の下方位置には、メダル貯留部183にメダルMを補給する際に開閉板102の一部を開放するためのメダル補給扉130が、下辺を中心として開閉可能に設けられている。このメダル補給扉130は、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)をメダル補給扉鍵131に差し込まない限り開放できないようになっている。
【0035】
メダル補給扉130の下方位置には、遊技者が遊技により獲得したメダルMを受け入れて計数するための受入部140が設けられているとともに、該受入部140の下部からは、受入部140にて受け入れたメダルMを下方に誘導して後述する計数装置190の導入口142に導入するための導入経路を構成する導入経路カバー141が下方に向けて延設されている。
【0036】
また、この導入経路カバー141の上下方向の中央位置よりもやや下方には、払出装置182から払い出されたメダルMをスロットマシン1の下皿5に誘導する誘導部材の一例であるノズル150が、導入経路カバー141を前後方向に挿通している。
【0037】
図2〜
図4に示すように、メダル貸出機100内の上部位置には、紙幣挿入口110に連設され、該紙幣挿入口110に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を制御ユニット(図示略)に出力する紙幣識別ユニット180が設けられており、該紙幣識別ユニット180にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
【0038】
紙幣識別ユニット180の下方位置には、カード挿入口112に対応する位置に内蔵される内部カードリーダライタ(図示略)、該メダル貸出機100を構成する各部と接続しやすいように該メダル貸出機100の動作を制御する制御ユニット(図示略)、回収したビジターカードを貯留するカードストック部(図示略)等が一体に組み付けられた処理ユニット181が配設されている。尚、処理ユニット181は、メダル補給扉130を開放することにより前方に引き出し可能に設けられており、筐体101から引き出してメンテナンス等を実施できるようになっている。
【0039】
内部カードリーダライタ(図示略)は、カード挿入口112から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し並びに書き込みを行うとともに、発行に使用するビジターカード(回収したカードを含む)を貯留するカードストック部(図示略)を有しており、該カードストック部(図示略)に貯留されたカードを発行可能とされている。
【0040】
処理ユニット181の下方位置、つまり、筐体101の上下方向略中央位置には、払い出すメダルMを貯留するメダル貯留部183が設けられている。メダル貯留部183は、該メダル貯留部183に貯留されるメダルMを払い出す払出装置182の上部に設けられた上向きに開口するメダルホッパー183aと、該メダルホッパー183aの上方に形成される空間部と、から構成されており、メダル貯留部183に貯留されたメダルMは、メダルホッパー183aにより払出装置182に向けて整列誘導された後、内部に設けられた図示しない回転ディスク(図示略)によって前面に形成されたメダル排出口182aから排出され、ノズル150を介して下皿5に払い出されるようになっている。
【0041】
メダルホッパー183aの上方位置には、メダル補給扉130が配設されており、メダル補給扉130を開放することでメダル貯留部183にメダルMを補給できるようになっている。尚、本実施例では、メダル補給扉130を開放してメダル貯留部183にメダルMを補給できるようになっているが、図示しない遊技機設置島に設けられたメダル補給装置(図示略)からメダルMが自動補給されるようにしてもよい。
【0042】
払出装置182の下方位置には、計数装置190が配設されている。計数装置190は、上面に開口する計数口191が形成され、該計数口191から受け入れたメダルMを内部に設けられた回転ディスク(図示略)によって整列しながら計数した後、下面に設けられた排出口192から排出する。排出口192から排出されたメダルMは、筐体101の下面に形成された開口を介して図示しない遊技機設置島内に排出され、該遊技機設置島内に設けられた回収装置(図示略)に回収されるようになっている。
【0043】
また、本実施例では、計数口191から受け入れたメダルMの真贋(正規メダルか否か)を判定可能なメダルセレクタ(図示略)が計数口191や計数装置190内に設けられており、該メダルセレクタにより選別された正規メダルは、計数された後に排出口192から排出され、メダルセレクタにより選別された非正規メダルは、計数された後に排出口192から排出されずに、例えば計数装置190内や筐体101内に貯留されるようになっており、非正規メダルが循環して再使用されてしまうことが防止されている。
【0044】
また、このような非正規メダルが計数装置190内や筐体101内に所定枚数(例えば、100枚)貯留された場合に、所定のエラー信号が遊技機設置島の島コントローラやホールコンピュータ等に出力されてエラー報知が行われるようにすることで、遊技場の店員等が定期的に確認しなくても、非正規メダルを適宜回収することができる。さらに、本実施例では、非正規メダルは計数された後に計数装置190内に貯留されるようになっているが、計数しないで計数装置190内に貯留されるようにしてもよい。
【0045】
尚、本実施例では、計数されたメダルMは排出口192から遊技機設置島に排出、回収されるようになっていたが、筐体101内に貯留し、適宜回収するようにしてもよい。
【0046】
また、計数口191の前辺には、正面視上向きコ字形をなす導入部材193が設けられており、後述するように受入部140にて受け入れて落下してきたメダルMを、計数口191に導入する。
【0047】
また、筐体101における処理ユニット181の背面には、筐体101内に設けられた各種装置に電力を供給するための電源ユニット198が、筐体101の背面から突出するように設けられている。
【0048】
本実施例の制御ユニット(図示略)は、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)(図示略)や、内部カードリーダライタ(図示略)に受付け中のビジターカードや会員カードの(会員)カードID並びにプリペイド残額や、貯メダル数、来店ポイント数、対応するスロットマシン1の台データ、遊技中の会員の遊技情報等の各種のデータを記憶可能なRAM(図示略)や、中央演算処理回路(CPU)が実行する制御プログラムや、当該メダル貸出機100の装置IDを含む設定情報を書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM(図示略)や、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)(図示略)を含み、RAMは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
【0049】
また、制御ユニット(図示略)は、当該メダル貸出機100の下部位置に設けられている計数装置190に接続されて該計数装置190による各計数信号が入力可能とされており、計数装置190からの計数信号の入力に応じて、貯メダル数の値に該計数信号に応じた所定数を加算更新する。
【0050】
また、制御ユニット(図示略)は、各種ボタンから入力される各種情報や、紙幣識別ユニット180による貨幣識別情報、並びに内部カードリーダライタ(図示略)からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、該制御ユニット(図示略)に接続されている各ランプに内蔵されるLEDの点灯制御、内部カードリーダライタ(図示略)、紙幣識別ユニット180の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御、並びにカード挿入口112に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付け処理や、受付け中の会員カード或いはビジターカードから読み出したプリペイド残額データに基づくプリペイド残額を使用したメダル貸出しを行う貸出処理や、受付け中の会員カードやビジターカードの返却または新たなビジターカードを発行する返却・発行処理や、貨幣の受付けに応じて、受付け金額に相当するプリペイド残額をその時点のプリペイド残額に加算更新して入金する入金処理や、貯メダル数を用いた再プレイ処理や、受付けたメダルMを計数して該計数した獲得メダル数を会員カードやビジターカードに記憶されている貯メダル数の値に加算、更新する処理等の各種処理を実行する。
【0051】
遊技者がスロットマシン1にて遊技を行う場合、紙幣挿入口110に紙幣を挿入することで、1000円分のメダルM(例えば、50枚)が払出装置182から排出され、ノズル150を介してスロットマシン1の下皿5に払い出されるため、これを使用して遊技を行うことができる。また、高額紙幣(2000円、5000円、10000円)が挿入された場合は、1000円分のメダルMが払い出され、残額は受付中の会員カードやビジターカードに記録される。よって、カード残額がある場合は、貸出ボタン116を押圧することで1000円分のメダルM(例えば、50枚)が払出装置182から払い出され、残額が減算更新される。また、受付中の会員カードに所定数以上の貯メダルがある場合には、貸出ボタン116を押圧することで1000円分のメダルM(例えば、50枚)が払出装置182から払い出され、貯メダル数が減算更新される。
【0052】
また、遊技者が遊技にてメダルMを獲得した場合、下皿5に払い出された獲得メダルを手で受入部140に投入することで、受け入れたメダルMは導入経路カバー141内を落下した後、計数装置190の導入部である計数口191に導入される。計数装置190内に導入されたメダルMは、該計数装置190内に設けられたメダル検出センサ(図示略)により検出され、該メダル検出センサによりメダルMが検出されたことに基づいて、回転ディスク(図示略)が駆動して導入されたメダル枚数が計数され、該計数されたメダル枚数が受付中の会員カードやビジターカードに記録された貯メダル数の値が加算更新されるとともに、計数されたメダルMは排出口192から遊技機設置島(図示略)内に排出される。
【0053】
尚、本実施例では、計数装置190内に設けられた図示しないメダル検出センサによりメダルMが検出されたことに基づいて計数が開始されるようになっていたが、例えば開閉板102の前面に遊技者が操作可能な計数ボタン等を設け、該計数ボタンが操作されたことに基づいて計数が開始されるようにしてもよい。
【0054】
遊技者が遊技を終了する場合、遊技者は返却ボタン114を操作して、受付中の会員カードやビジターカードを返却させる。遊技にて獲得したメダルMを計数した場合には、返却した会員カードまたはビジターカードに獲得メダル枚数が貯メダル数として記録されているため、遊技場のカウンタ等において、会員カードまたはビジターカードに記録されている貯メダル数に相当する景品等に交換、または次回遊技に使用することができる。また、残額がある場合には、遊技場に設置されている精算機(図示略)等にて残額を精算することができる。
【0055】
このように、本実施例のメダル貸出機100にあっては、対応するスロットマシン1にて遊技を開始する際にメダルMの貸出を実施するだけでなく、遊技の終了時に精算を実施することができるため、遊技者はスロットマシン1から移動することなく、遊技の開始及び精算を行うことができる。
【0056】
次に、
図3〜
図12に基づいて、開閉板102に設けられた各種部材の詳細な構造について説明する。
【0057】
開閉板102は、
図4に示すように、前面板102aと、該前面板102aの左右側辺から後側に屈曲形成された屈曲片102bと、から平面視後向きコ字形に形成され、筐体101の前面下部に形成される開口を閉塞したときに、左右の屈曲片102bが筐体101の左右側板の前端内側に嵌合されるようになっている。また、本実施例では、屈曲片102bの上下に設けられた係止溝103を筐体101の側板内面に突設された係止ピン104に係止することで閉鎖位置に取り付けられている。
【0058】
この開閉板102の上端には、開閉板鍵106が設けられ、この開閉板鍵106により施錠することで、開閉板102がメダル貸出機100の前面側に取り外し不能に取り付けられる。尚、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)を開閉板鍵106に差し込まない限り、開閉板102を取り外せないようになっている。
【0059】
尚、開閉板102は、メダル貯留部183及び計数装置190の前面側、つまり、筐体101の前面開口におけるメダル補給扉130よりも下側を被覆可能に構成され、その上側は、紙幣識別ユニット180及び処理ユニット181の前面によりメダル貸出機100の前面の一部が構成されている。
【0060】
開閉板102における導入部材193に対応する高さ位置には、横長長方形状の導入口142が左右方向の略中央位置に形成されている。また、導入口142の上方位置には、横長長方形状をなし、ノズル150を挿通可能な大きさを有する後挿通孔143bが形成されている。また、背面左右側上下位置には、長孔105aが形成されるとともに、該長孔105aの背面には視縦長長方形状の係止筒105がそれぞれ突設されている。
【0061】
導入経路カバー141は、正面視縦長長方形状の前面板141aと、前面板141aの左右側辺から背面側に屈曲される側板141bと、前面板141aの下端から下方に向けて後側に傾斜する傾斜板141c(第2底面部)と、左右の側板141bの下端から下方に向けて中央側に傾斜する傾斜板141dと、から背面及び上面が開口する縦長箱状に形成され、導入口142から上方に向けて延設されている。下部は、導入口142に向けて漸次背面中央側に向けて傾斜するように形成されている。尚、本実施例では、左右の側板141bの内面が導入経路の内側を形成する壁面のうち対向する2つの側壁面を構成している。
【0062】
また、傾斜板141cの上方位置には、この傾斜板141cから所定寸法離間して重畳配置された傾斜板141c’(第1底面部)が設けられている。これら2枚の傾斜板141c,141c’により、導入経路カバー141の底部を形成している。尚、上方側の傾斜板141c’は、下方側の傾斜板141cよりも計数装置190に向かって延設されている。そして、後述するように、これらの傾斜板141c,141c’には、打抜き加工により貫通された複数の小径のパンチング穴148,148’(貫通孔)が形成されている。尚、各パンチング穴148,148’の直径は、メダルMの直径2Rよりも小さい直径に形成されている。
【0063】
側板141bの後端における長孔105aに対応する位置には、外向きの係止爪144が突設されており、これら係止爪144を長孔105aの前面側から挿入することで係止筒105の後端に係止され、導入経路カバー141が開閉板102の前面に取り付けられる。取り付けられた状態において、傾斜板141c’の後端は導入口142を挿通して背面側に突出し、導入部材193の上方に後端が重なるように配置される。このように係止爪144は開閉板102の背面で係止されていることで、開閉板102を開放しない限り導入経路カバー141を開閉板102から取り外すことはできないため、導入経路カバー141を取り外して導入口142から計数装置190に不正にアクセスすることが防止されている。
【0064】
このように、導入経路カバー141が開閉板102の前面に取り付けられることで、導入経路カバー141の背面開口が開閉板102により閉鎖され、受入部140にて受け入れたメダルMを計数装置190の導入口142に導入させる上下方向に延びるメダルMの導入経路Kが構成される。
【0065】
また、前面板141aにおける後挿通孔143bに対応する位置のやや下方位置には、後挿通孔143bとほぼ同形の前挿通孔143aが形成されており、ノズル150を挿通可能としている。尚、このノズル150を挿通するための前挿通孔143a及び後挿通孔143bは、導入経路Kにおける左右幅方向の一端側(例えば右側)に形成され、ノズル150の他端(左端)側にのみ幅狭経路K1が形成されている。
【0066】
保護部材145の上方左右側には、円柱状の棒状部材146a,146bが前後方向、つまり側板141bに対して略平行に設けられているとともに、これら棒状部材146a,146b間の上方位置には、棒状部材146cが前後方向、つまり、側板141bに対して略平行に設けられている。これら棒状部材146a〜146cは、側板141bからメダルMの直径2Rよりも離れた位置に配設されていることで、棒状部材146a〜146cと側板141bとの間にメダルMが詰まることがない。そして、このような棒状部材146a〜146cが前後方向に向けて架け渡されることで、落下してきたメダルMの姿勢を、表裏面が側板141b側を向く横向き姿勢に整列させる。
【0067】
ノズル150は、払出装置182の前面から後挿通孔143b及び前挿通孔143aを挿通する基部151と、該基部151に連設され前挿通孔143aから遊技者側に向けて突出するように延設される突出部152と、を含み、基部151は変形不能に形成され、突出部152は該基部151に対し少なくともスロットマシン1側に変形可能に形成されている。
【0068】
具体的には、基部151は、四角筒状に形成され、メダル排出口182aから前方に向けて下方に傾斜するように、開閉板102の背面にネジ(図示略)等により固設されている。取り付けられた状態において、後端開口はメダル排出口182aを覆うように配置され、後挿通孔143b及び前挿通孔143aを挿通して先端が前方に突出される。
【0069】
突出部152は、上向きコ字形をなす複数の樋部材152aが互いにユニバーサルジョイント(自在継手)により上下及び左右方向に回動可能に接続されてなり、後側の樋部材152aは基部151の前端にユニバーサルジョイント(自在継手)により上下及び左右方向に回動可能に接続されている。すなわち、基部151は、導入経路カバー141の長手方向、つまり、メダルMの移動(落下)方向に対して交差する前後方向に向けて延設された状態で固定されているのに対し、この基部151の先端に接続された突出部152は、左右方向(
図1参照)及び上下方向(
図2参照)に回動(変形)可能とされている。
【0070】
このように、導入経路カバー141内を挿通する基部151は変形不能であることで、メダルMの落下を妨げることがないとともに、突出部152はスロットマシン1側に変形させることができることで、払い出されたメダルMをスロットマシン1に直接誘導させることが可能となるため、使い勝手が向上する。
【0071】
図7に示すように。受入部140の間口140aに投入されたメダルMは、受入部140により導入経路カバー141内に誘導され、導入経路カバー141及び開閉板102からなる導入経路K内を下方に向けて落下していく。落下途中において、前後方向を向く棒状部材146a〜146cにメダルMが衝突することで、メダルMの姿勢が、表裏面が左右側板141b側を向く横向き姿勢に変更される。
【0072】
そして、
図7に示すように、前挿通孔143aの上方位置には、上方から落下してくるメダルMをノズル150の左側方に誘導して該ノズル150に衝突しないように迂回させる保護部材145が設けられている。この保護部材145は、右側から左側に向けて下方に傾斜する誘導傾斜面145bを有し、かつ、ノズル150を取り囲むように形成されている。このようにノズル150を前後方向に挿通するための前挿通孔143a及び後挿通孔143bは、左右幅方向の一端側(本実施例では右側)に偏って形成される。尚、ノズル150を避けるように形成される幅狭経路K1は、左側でなく右側に形成されるようにしてもよい。
【0073】
また、前記実施例では、ノズル150の基部151は、前挿通孔143aよりも前方に突出され、該前挿通孔143aよりも前方位置にて突出部152が回動可能に接続されていたが、導入経路K内において基部151に対し回動可能に接続されていてもよい。この場合、突出部152Aの移動を許容できるように前挿通孔143aを大きくする必要があるが、その隙間からメダルMが流出する虞があるため、保護部材145によりノズル150を取り囲むようにすればよい。
【0074】
また、このように保護部材145によりノズル150の周囲を筒状に取り囲むことで、保護部材145内にメダルMが進入してくることがないので、ノズル150の突出部152Aを基部151に対して回動可能に設けても、メダルMの落下に悪影響が及ぶことがない。
【0075】
次に、遊技者により投入されたメダルMを受け入れる受入部140について詳述する。
図3に示すように、この受入部140は、導入経路カバー141の上端に設けられて上方に開口するようになっている。また、
図8(a)に示すように、受入部140は、前述した導入経路カバー141を構成する前面板141aと、この前面板141aの側辺に設けられる側板141bと、導入経路カバー141が取り付けられる開閉板102と、により形成されている。
【0076】
図6及び
図8(a)に示すように、左右の側板141bの上端縁の高さ位置は、それぞれ異なっており、左右の側板141bには、上下寸法Vの高低差が設けられている。更に、左右の側板141bのうち、左側の側板141b、すなわち、当該メダル貸出機100に対応するスロットマシン1側に設けられる一方の側板141bは、右側に設けられる他方の側板141bよりも高く形成されている。尚、左側の側板141bの上端縁は、上方に膨出するように湾曲されて形成されるとともに、右側の側板141bの上端縁は、下方に凹むように湾曲されて形成されている。
【0077】
また、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、受入部140には、メダルMの受け入れを可能とする開放状態とメダルMの受け入れを不可能とする閉鎖状態とに開閉可能に設けられた蓋部材160(蓋体)が設けられている。そして、蓋部材160は、受入部140の開口140’を閉鎖する略板状をなす蓋板160a(主蓋部)と、この蓋板160aの左右両側辺に設けられる蓋部材側板160b(蓋部側壁部)と、を有している。尚、蓋部材160における左右の蓋部材側板160bは、受入部140における左右の側板141bの内側に重畳及び接触して配置されている(
図10の断面図参照)。尚、本実施例では、導入経路カバー141の上端に形成される開口が受入部140の開口140’となっている。
【0078】
また、蓋部材160の左右の蓋部材側板160bは、導入経路カバー141における左右の側板141bの前部側に設けられた枢軸孔149に対して枢支される枢軸161を有しており、この枢軸161を軸心として蓋部材160が前後方向に回動可能に取り付けられている。そして、蓋部材160は、枢軸161を軸心として回動されることで、受入部140を開放する開放位置と(
図8(a),
図9(a),
図10(a)参照)、受入部140を閉鎖する閉鎖位置と(
図8(b),
図9(b),
図10(b)参照)で変位可能となっている。尚、蓋部材160は、開放位置において蓋板160aの前面側が前述の導入経路カバー141の前面板141aの上端縁に当接されることで、所定の開放角度に維持されるようになっている。
【0079】
また、
図8(a)に示すように、開放状態の蓋部材160の左右の蓋部材側板160bの上端縁の高さ位置は、それぞれ異なっており、前述の導入経路カバー141の左右の側板141bと同様に、上下寸法の高低差が設けられている。更に、前述の導入経路カバー141の左右の側板141bと同様に、左右の蓋部材側板160bのうち、左側の蓋部材側板160b、すなわちスロットマシン1側に設けられる一方の蓋部材側板160bは、右側に設けられる他方の蓋部材側板160bよりも高く形成されている。尚、左側の蓋部材側板160bの上端縁は、上方に膨出するように湾曲されて形成されるとともに、右側の蓋部材側板160bの上端縁は、下方に凹むように湾曲されて形成されている。尚、後述するように、右側の蓋部材側板160bの下端縁も凹むように湾曲されて形成されている。
【0080】
また、導入経路カバー141の右側の側板141bの上端縁の湾曲形状と、蓋部材160の右側の蓋部材側板160bの上端縁の湾曲形状は、略同一をなしており、蓋部材160の開放状態では、受入部140の右側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成される。この凹みは、導入経路カバー141の右側の側板141bと蓋部材160の右側の蓋部材側板160bとの間の継ぎ目の位置(
図8(a)中において側板141bと蓋部材側板160bとが重なる位置)に段差が生じないように、蓋部材160の開放状態で、導入経路カバー141の右側の側板141bの上端縁と蓋部材160の右側の蓋部材側板160bの上端縁とが連続する湾曲形状に形成される。すなわち、導入経路カバー141の右側の側板141bにおいて、枢軸孔149から側板141bの継ぎ目の位置の上端縁までの距離と、蓋部材160の右側の蓋部材側板160bにおいて、枢軸161から蓋部材側板160bの継ぎ目の位置の上端縁までの距離と、が略同一距離となっている。
【0081】
尚、例えば、遊技者がスロットマシン1の下皿5に払いだされたメダルMを、右方側にある受入部140に投入する際には、右手でメダルMを掴んで投入する動作を行う。その際に、蓋部材160の開放状態では、受入部140の右側、つまり、当該スロットマシン1の反対側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成されることで、遊技者がメダルMを握って受入部140からメダルMを投入する際に、メダルMを握った手の小指側が右側の側板141b,160bに邪魔されにくくなり、メダルMの投入作業をスムーズに行うことができる。また、受入部140の左側、つまり、当該スロットマシン1側の側板141b,160bが高く形成されることで、投入されたメダルMは、この高く形成された左側の側板141b,160bに当たって受入部140内に導かれるようになるため、メダルMの飛散が防止される。
【0082】
すなわち、遊技者が右手でメダルMを掴んで投入する際には、該遊技者の肩や肘等を中心として右手が受入部140の右側から左側に向けて回り込むように動作することになるので、受入部140の右側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成されることで、側板141b,160bにメダルMが引っ掛かり受入部140の右側にこぼれ落ちることが防止されるとともに、受入部140の右側から左側に向けて移動する右手から離されたメダルMが勢いで受入部140の左側にこぼれ落ちそうになっても、高く形成された左側の側板141b,160bに阻まれて受入部140内に導かれるようになるため、メダルMの飛散が防止される。
【0083】
尚、本実施例では、左側の側板141b,160bが高く形成されるとともに、右側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成されているが、左側の側板141b,160bの上端縁辺のうちの最も高い部位から右側の側板141b,160bの上端縁辺のうちの最も低い部位まで高低差は、約4cmとなっている。これは、遊技者の人の手のひらの平均左右幅寸法が約8cmであるとした場合に、この手のひらにメダルMを握った状態で受入部140に該メダルMを投入するときに親指側が上がるように若干傾ける(傾斜角度約30°)と想定した場合、その手における親指側と小指側との高低差が約4cmとなる。そのため、左側の側板141b,160bの上端縁辺のうちの最も高い部位から右側の側板141b,160bの上端縁辺のうちの最も低い部位まで高低差を約4cmとすることで、メダルMが手の親指側からこぼれ落ちないようになる。
【0084】
尚、本実施例では、蓋部材160の開放状態では、受入部140の右側の側板141b,160bに湾曲した大きな凹みが形成されるようになっているが、この凹みの形状は、湾曲形状に限らず、受入部140の右側の側板141b,160bに略V字形状に切り欠かれた大きな凹みとなっていてもよいし、矩形状の凹部として形成されていてもよい。
【0085】
また、
図8(b)及び
図9(b)に示すように、右側の蓋部材側板160bにおいて、蓋部材160を閉鎖状態にしたときに、右側の蓋部材側板160bの上端縁となる部位(開放状態における右側の蓋部材側板160bの下端縁)は、凹むように湾曲されて形成されている。そして、導入経路カバー141の右側の側板141bの上端縁の湾曲形状と、蓋部材160の右側の蓋部材側板160bの上端縁の湾曲形状は、略同一をなしており、閉鎖状態にしたときに、この蓋部材側板160bの上端縁と導入経路カバー141の右側の側板141bの上端縁とが略面一をなすように、両側板141b,160bが重なるようになっている。つまり蓋部材160の右側の蓋部材側板160bは、導入経路カバー141の右側の側板141bに重畳されて覆われるようになっている。
【0086】
更に、
図10(b)に示すように、蓋部材160を閉鎖状態にしたときに、蓋部材160の左側の蓋部材側板160bは、導入経路カバー141の左側の側板141bに重畳されて覆われるようになっている。そのため、蓋部材160が閉鎖状態のときに、導入経路カバー141の左右両側板141bにより左右両蓋部材側板160bが外方から触れられなくなるので、遊技者等が蓋部材160の蓋部材側板160bを摘むことができなくなり、後述する維持手段としてのネジ107を用いなくても、不正に蓋部材側板160bが操作されて蓋部材160が開放状態とされることを防止できる。尚、本実施例では、蓋部材160が開放状態とされることを完全に防止できるものでなくてもよく、少なくとも蓋部材160が開放され難くなったり、蓋部材160の開放に時間が掛かったりするように開放が困難となるものであってもよい。
【0087】
また、
図10に示すように、蓋部材160における左側の蓋部材側板160bの側面には、ネジ107が螺合される雌ネジ孔162が前後2箇所に設けられている。更に、受入部140における左側の側板141bには、ネジ107が挿通するネジ挿通孔108a,108bが2箇所に形成されている。それぞれのネジ挿通孔108a,108bは、蓋部材160の開放状態及び閉鎖状態において用いられるようになっている。蓋部材160が開放状態のときには、蓋部材側板160bの雌ネジ孔162が、前方位置に設けられた一方のネジ挿通孔108aに対応して配置され、ネジ107により蓋部材側板160bを側板141bに対して固定することで、蓋部材160の開放状態が維持される(
図10(a)参照)。尚、ネジ107とこのネジ107が挿通するネジ挿通孔108a,108bとネジ107が螺合される雌ネジ孔162とにより本実施例における維持手段が構成される。
【0088】
また、蓋部材160が閉鎖状態のときには、蓋部材側板160bの雌ネジ孔162が、後方位置に設けられた他方のネジ挿通孔108bに対応して配置され、ネジ107により蓋部材側板160bを側板141bに対して固定することで、蓋部材160の閉鎖状態が維持される(
図10(b)参照)。つまり、ネジ107の雄ネジ部及び蓋部材側板160bの雌ネジ孔162により本実施例における固定手段を構成している。
【0089】
図3及び
図5に示すように、受入部140の蓋部材160が開放された状態では、メダルMを受け入れることができる間口140aが上方に開口する皿状に形成され、導入経路カバー141内の導入経路Kに向かって連通されている。また、この上面開口である間口140aは平面視略正方形に形成され、導入経路カバー141から前方に拡大して形成されている。つまり、間口140aは、導入経路カバー141の前後幅寸法L10よりも、蓋部材160及び受入部140を含めた前後幅寸法L12の方が長いため(
図5参照、L10<L12)、このように間口140aは、導入経路カバー141の上面開口に対し遊技者側に近づくため、メダルMを投入しやすくなる。また、蓋部材160及び受入部140を含めた上下幅寸法L13は導入経路カバー141の前後幅寸法L10よりも短寸とされている(
図5参照、L10>L13)。
【0090】
また、
図12に示すように、遊技場に設置する場合には、スロットマシン1とメダル貸出機100は、左右方向の交互に配置される。尚、前述したように、メダル貸出機100は対応するスロットマシン1の右側に設けられ、メダル貸出機100と他の右側に配設されたスロットマシン1との間は、所定距離離間されており、所定のスペーサ部材10が設けられている。
【0091】
また、前述したように、蓋部材160を閉鎖状態にすることで、蓋部材160が導入経路カバー141よりも前方に突出しないので、当該メダル貸出機100の右側に配設されたスロットマシン1の前面扉1bを左側に開放したときに、突出している蓋部材160の先端に前面扉1bが接触して蓋部材160が破損したり、前面扉1bの開放の邪魔になることが防止される。尚、スロットマシン1の前面扉1bは、遊技場の店員等の作業者が携帯する所定の鍵(図示略)を前面扉鍵1c(
図1参照)に差し込まない限り開放できないようになっている。
【0092】
尚、前面扉1bが閉鎖されたスロットマシン1に対応するメダル貸出機100では、その受入部140における左側の側板141bと前面扉1bとの間の間隙Sが狭くなっており、前述した蓋部材160の開放状態または閉鎖状態を維持する維持手段及び固定手段としてのネジ107のネジ頭(操作部)に対し、作業者がドライバーD等の工具をアクセスできないようになっている。また、前面扉1bが開放されたスロットマシン1に対応するメダル貸出機100では、その受入部140における左側の側板141bのネジ107のネジ頭に対してドライバーD等の工具をアクセスできるようになる。
【0093】
このように、前面扉1bが閉鎖されたスロットマシン1に対応するメダル貸出機100では、遊技者がドライバーD等の工具を用いて蓋部材160を不正に開閉しようとしても、左側の側板141bと前面扉1bとの間の間隙Sが狭くなっているため、不正な開閉操作が防止される。また、スロットマシン1の前面扉1bを開放することができる遊技場の店員等の作業者は、前面扉1bを開放することで、左側の側板141bに対してドライバーD等の工具をアクセスさせることができ、蓋部材側板160bを側板141bに固定しているネジ107を操作することができ、蓋部材160を開放状態または閉鎖状態に切り換えることができる。
【0094】
また、本実施例では、蓋部材160を開放状態または閉鎖状態に維持する維持手段としてのネジ107が受入部140の左側、つまりスロットマシン1が配置されている側からドライバーD等の工具により操作可能となっており、このネジ107による蓋部材160の維持状態を受入部140の正面側(遊技者側)から解除操作することが困難に設けられている。そのため、遊技者等により蓋部材160の閉鎖状態が故意に解除されることを困難とすることができる。
【0095】
また、
図3及び
図8(a)に示すように、開閉板102における受入部140の開口140’近傍の部位及び蓋部材160の内面側(開放状態における上方側)の部位には、それ以外の部位である導入経路カバー141における受入部140の開口140’近傍の外周面(周囲部)及び開閉板102における受入部140の近傍部位(周囲部)の色彩よりも明度が高い色彩に着色された高明度部109,109’が設けられている。
【0096】
尚、本実施例では、導入経路カバー141における受入部140の開口140’近傍の外周面(周囲部)及び開閉板102における受入部140の近傍部位(周囲部)は、黒色に着色されているとともに、高明度部109,109’は、白色または灰色等の明度の高い色彩に着色されている。このように高明度部109,109’を設けることで、スロットマシン1が設置される遊技店内の照明が暗くても、遊技者は高明度部109,109’を頼りにメダルMを受入部140に投入することができる。
【0097】
尚、本実施例では、高明度部109,109’が白色または灰色に着色されているが、高明度部の色彩は、白色または灰色に限らず、導入経路カバー141及び開閉板102におけるその他の部位の色彩よりも明度が高ければ、その他の色彩を用いてもよいし、照明が暗くても、視認し易い蛍光色等であってもよい。
【0098】
また、開閉板102における受入部140の間口140aに対応する位置、つまり受入部140の開口140’の入り側には、計数装置190にてメダルMが計数された際に発光する発光部165が設けられている。尚、この発光部165は、開閉板102に設けられた横長長方形状の開口から前面側に露呈している。
図4に示すように、計数装置190の前部には、メダルMが計数された際に発光するLEDユニット166が設けられ、開閉板102の背面側には、計数装置190のLEDユニット166の発光を受光する受光部168が設けられている。また、受光部168には、導入された光を発光部165に導光する装飾用光ファイバ167が接続され、この光ファイバ167が開閉板102の背面に沿って上方に延設されて発光部165に接続されている。
【0099】
このように発光部165を設けることで、メダルMが計数装置190で計数されていることを遊技者に知らせることができる。また、対応するスロットマシン1にてメダルMが払い出されていることを発光により周囲の遊技者に知らせることができるので、演出効果を高めることができるとともに、周囲の遊技者の視線を集めることで、不正なメダル(贋メダル)等が受入部140に投入されることを抑止できる。
【0100】
また、LEDユニット166を計数装置190に設けて、光ファイバ167によって発光部165までLEDユニット166の発光を発光部165まで導くことで、計数装置190と開閉板102との間の配線を不要にできるので、発光部165に直接LEDランプを設けることと比較して、構造を簡略化することができ、開閉板102の着脱作業も容易となる。
【0101】
また、
図8(b)に示すように、蓋部材160を閉鎖状態にすると、発光部165が蓋部材160により隠蔽されるようになっている。尚、前述した高明度部109,109’も蓋部材160により隠蔽されるようになっている。このようにすることで、受入部140を使用しないとき、つまり計数装置190を使用しないときには、発光部165及び高明度部109,109’を蓋部材160により保護することができ、発光部165及び高明度部109,109’が汚れたり埃が付着したりすることを防止できる。更に、高明度部109,109’が隠蔽されて受入部140が目立たないようにできる。また、例えば、メダル貸出機100の移動作業や設置作業の際に蓋部材160を閉鎖状態とすることで、作業中に発光部165に他の部材が当たって破損したり疵ついたりすることを防止でき、更に、高明度部109,109’を構成する塗料等に疵や汚れが着いて見栄えが悪くなることを防止できる。
【0102】
図11に示すように、導入経路カバー141の底部には、前述したように、下方側の傾斜板141c(第2底面部)と、この傾斜板141cから所定寸法離間して重畳配置された上方側の傾斜板141c’(第1底面部)と、が設けられている。そして、前述したように、傾斜板141c,141c’に複数の小径のパンチング穴148,148’(貫通孔)が形成されていることで、受入部140から遊技者が所持する飲料等の液体等が投入された場合に、導入経路カバー141の底部に到達した液体が傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’から外部に流出するようになり、計数装置190に液体が入り込むことを防止できる。
【0103】
また、上方側の傾斜板141c’には、前部側の領域にパンチング穴148’が設けられ、下方側の傾斜板141cには、後部側の領域にパンチング穴148が設けられている。そして、これら各傾斜板141c,141c’においてパンチング穴148,148’が形成された領域が上下に重ならないようになっていることで、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が上下(鉛直方向)に重ならないように配置されている。このようにすることで、遊技者が、傾斜板141cのパンチング穴148から棒状部材または針金等の線状部材を計数装置190に向かって挿入しようとしても、これらの部材の挿入を阻止することができる。
【0104】
尚、本実施例では、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が形成される領域が前後方向にずれて設けられているが、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が形成される領域が左右方向にずれて設けられていてもよいし、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が形成される領域が前後または左右方向に交互に設けられることで、棒状部材または線状部材の挿入を阻止するようにしてもよい。
【0105】
尚、本実施例では、各傾斜板141c,141c’のパンチング穴148,148’が形成されているが、本発明における第1及び第2底面部の貫通孔は、パンチング穴148,148’に限らず、スリット状の貫通孔であってもよいし、各傾斜板141c,141c’を網状または格子状に形成した略板部材として、これら網状または格子状に形成される通過孔であってもよい。
【0106】
以上説明したように、本発明の実施例としてのメダル貸出機100(遊技用装置)にあっては、受入部140の開口140’を閉鎖状態とすることで、受入部140の開口140’に遊技者が間違ってメダルM(遊技媒体)を投入してしまったり、故意にゴミ等を投入することを防止できる。また、遊技店において計数装置190を用いる運用形態から計数装置190を用いない運用形態に変更する場合、受入部140の開口140’を閉鎖状態とするだけで、メダル貸出機100の入れ替え等を行うことなくメダルMの投入を防止できるとともに、蓋部材160が容易に開放状態とされることを防止できる。尚、本発明では、蓋部材160が開放状態とされることを完全に防止できるものでなくてもよく、少なくとも蓋部材160が開放され難くなったり、蓋部材160の開放に時間が掛かったりするようになればよい。
【0107】
尚、遊技店において計数装置190を用いる運用形態から計数装置190を用いない運用形態に変更する場合とは、例えば、メダル貸出機100を設置した後に、メダル貯留箱(いわゆるドル箱)を用いる営業形態に変更した場合や、特定のメダル貸出機100が故障して一時的に使用中止する場合などが考えられる。
【0108】
また、本実施例では、受入部140を閉鎖する蓋部材160において、受入部140の開口140’を閉鎖する蓋板160aが略板状となっているが、蓋部材160の蓋板160aは略板状に限らず、メダルMの通過を不可能または困難にするものであればどのような態様であってもよく、例えば、蓋板160aを網状または格子状に形成した部材としてもよい。
【0109】
また、本実施例では、蓋部材160が受入部140内に向かって折り畳まれるようにして閉鎖状態となるため、開放状態では、受入部140から蓋部材160が前方へ突出されることなく、かつ開放状態で略漏斗状をなす間口140aを、閉鎖状態では、無くすことができるようになり、この間口140aに遊技者が間違ってメダルM(遊技媒体)を投入してしまったり、故意にゴミ等を投入することを防止できる。
【0110】
また、前記実施例では、受入部140が開閉板102の前面側に突出するように設けられた前面板141aと側板141bとにより形成された上方に開口するメダル投入口となっているが、この受入部140の形状はこれに限られることなく、例えば、前述の下辺を中心として開閉可能に設けられたメダル補給扉130と同様に、閉鎖状態では、開閉板102と面一をなす漏斗状の開閉蓋部材を設け、この開閉蓋部材の下片を中心として前後方向に開閉されるようにし、開放された状態では、上方に開口するメダル投入口となる形態に受入部を形成してもよい。尚、この場合には、開閉板102に形成される開口が本発明における受入部の開口をなし、この開閉板102の開口からメダル貸出機100の内部側に形成されるメダル通路が本発明における導入経路をなす。
【0111】
また、前記実施例では、導入経路カバー141における左右の側板141bに対して、蓋部材160が左右方向を向く回動軸を中心として前後方向に回動可能に取り付けられているが、前後方向を向く回動軸を中心として左右方向に回動可能に取り付けられていてもよい。さらに、蓋部材160の移動態様は回動動作のみならず、蓋部材160がスライド移動するものであってもよい。
【0112】
また、前記実施例では、蓋部材160が枢軸161を軸心として前後方向に回動可能に導入経路カバー141における左右の側板141bに取り付けられ、蓋部材160が前方に回動されることで、受入部140の開口140’が開放され、後方に回動されることで、受入部140の開口140’が閉鎖されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、蓋部材160の上辺側に回動動作の軸心となる枢軸を設け、この枢軸を開閉板102における導入経路カバー141の上方位置に軸支して、蓋部材160が後方に回動されることで、受入部140の開口140’が開放され、前方に回動されることで、受入部140の開口140’が閉鎖される構成であってもよい。
【0113】
また、前記実施例では、蓋部材160が導入経路カバー141に軸支されているが、蓋部材160が導入経路カバー141に着脱されることで、受入部140の開口140’が開閉される構成であってもよい。
【0114】
また、前記実施例では、遊技場の店員等の作業者が蓋部材160の開閉を手動で行っているが、蓋部材160を駆動源にて開閉駆動する構成とし、例えば、排出口192から排出されたメダルMが詰まったり、遊技機設置島内に設けられた回収装置(図示略)が不具合により回収不能となった場合等、計数装置190によりメダルMの計数ができない状況が発生したときに、蓋部材160を自動で閉鎖できるようにする構成としてもよい。
【0115】
また、
図9(b)に示すように、蓋部材160を閉鎖状態にしたときに、蓋部材160の蓋板160aの前面側が傾斜された状態で受入部140が閉鎖されることで、この蓋部材160の蓋板160aの前面側にゴミ等の物が置かれても滑り落ちるようになっているため、蓋板160aの上にゴミ等の物が置かれることを防止できる。
【0116】
また、導入経路カバー141は、導入口142から上方に向けて延設され、ノズル150をメダルMの導入(移動)方向に対し交差する前後方向に挿通可能な前挿通孔143a,後挿通孔143bが形成されており、受入部140は、前挿通孔143a,後挿通孔143bよりも上方位置に設けられている。よって、メダル貯留部183の貯留スペースを確保しつつ、誘導部材であるノズル150をスロットマシン1に対応した位置に配設できるとともに、計数装置190をメダル貯留部183よりも下方位置に配設しても、受入部140を前挿通孔143a,後挿通孔143b、つまり、ノズル150よりも上方位置に受入部140を配設することができるので、メダルMの投入時にノズル150が邪魔になることがない。
【0117】
また、計数装置190をメダル貯留部183の上方位置に配置する必要がないので、メダル貯留部183の貯留スペースを十分に確保することができるばかりか、メダル貯留部183に貯留されたメダルMをノズル150まで揚送する必要もないので、装置が大掛かりになることもない。
【0118】
また、本実施例においては、
図1に示すように、受入部140は、隣接配置されるスロットマシン1のゲームを進行するために操作される遊技用操作部としてのメダル投入部4、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8Rとほぼ同高さ位置に配設されているため、メダルMを投入する際に遊技者に違和感を与えないばかりか、ゲームの操作を行いながらでもメダルMを投入しやすくなる。
【0119】
また、受入部140がノズル150よりも上方位置に配設されることで、計数装置190への導入口142からの距離が長くなるため、導入口142から手や異物等を挿入したとしても、導入口142から計数装置190にアプローチすることが困難となるため、不正な計数行為等を抑制できるばかりか、誤って手指を計数装置190内に挿入して怪我する危険性を回避できる。
【0120】
また、受入部140は、
図3に示すように、導入経路カバー141より少なくとも遊技者側に向けて拡がるように形成されていることで、投入口が遊技者側に近づくので、メダルMを投入しやすくなる。
【0121】
また、スロットマシン1は、筐体1aと、該筐体1aの左側辺を中心として開閉可能に設けられた前面扉1bと、から構成され、受入部140は、左右方向を向く回動軸147を中心として回動可能に設けられていることで、受入部140を回動させることで、上方に折り畳んで退避させることができるため、前面扉1bの開放時に干渉することを防止できる。
【0122】
また、導入経路カバー141の内部におけるノズル150よりも上方の所定箇所には、受入部140にて受け入れられたメダルMの姿勢を、該メダルMの表裏面がメダルMの導入方向(上下方向)に対し交差する方向(前後方向)に沿う横向き姿勢に変更させる棒状部材146a〜146cが設けられていることで受入部140にて受け入れられて落下するメダルMの姿勢が、ノズル150よりも上方位置にいて横向き姿勢に変更されることで、メダルMが幅狭経路K1を通過しやすくなるばかりか、導入口142に到達するまでにメダルMの姿勢が揃い、整列された状態で計数装置190に導入されるため、計数装置190でのメダル詰まりの発生を抑制できる。
【0123】
また、棒状部材146a〜146cは、導入経路カバー141の側板141bに対し所定の隙間(K1の左右幅>2R)を隔てて略平行、すなわち、メダルMの導入方向(上下方向)に対し交差する方向(前後方向)に沿うように設けられることで、簡単な構成でメダルMの姿勢を変更することができる。
【0124】
また、ノズル150は、払出装置182から前挿通孔143a,後挿通孔143bまで延設される基部151と、該基部151に連設され前挿通孔143aから遊技者側に向けて延設される突出部152と、を含み、基部151は変形不能に形成され、突出部152は該基部151に対し少なくともスロットマシン1側に変形可能に形成されている。よって、導入経路カバー141内を挿通する基部151は変形不能であることで、メダルMの落下を妨げることがないとともに、突出部152はスロットマシン1側に変形させることができることで、払い出されたメダルMをスロットマシン1に直接誘導させることが可能となるため、使い勝手が向上する。
【0125】
尚、本実施例では、導入経路カバー141の受入部140の開口140’が蓋部材160により開閉されるようになっているが、計数装置190の導入口142を開閉する蓋部材を設けるようにしてもよい。また、導入経路カバー141の底面部を構成する各傾斜板141c,141c’を着脱可能な蓋部材として構成し、各傾斜板141c,141c’を取り外した際には、計数装置190の導入口142へのメダルMの導入が不可能になる構成としてもよい。
【0126】
図13〜
図14には、本発明の変形例としてのメダル貸出機100が示されている。
図13は、本発明の変形例としてのメダル貸出機を示す要部正面図である。
図14は、
図13のメダル貸出機の一部縦断面図である。
【0127】
前記実施例では、ノズル150を挿通するための前挿通孔143a及び後挿通孔143bを、導入経路Kにおける左右幅方向の一端側(例えば右側)に形成し、ノズル150の他端(左端)側にのみ幅狭経路K1が形成されるようにしていたが、
図13及び
図14に示すように、ノズル150を挿通するための前挿通孔143a及び後挿通孔143bを、導入経路Kにおける左右幅方向の略中央位置に形成し、ノズル150の左右両側に幅狭経路K2,K2が形成するようにしてもよい。
【0128】
そして、前挿通孔143aの上方位置に、上方から落下してくるメダルMをノズル150の左右側方に誘導して該ノズル150に衝突しないように迂回させる保護部材145Aを、前後方向に架け渡すように設けられていてもよい。この保護部材145Aは、中央から左右方向それぞれに向けて下方に傾斜する誘導傾斜面145a,145aにより正面視略への字形の板材にて形成されている。
【0129】
また、保護部材145Aの誘導傾斜面145a,145aによってメダルMが誘導されることによっても、メダルMの姿勢が横向き姿勢に変更されるため、誘導傾斜面145a,145aは姿勢変更手段を構成している。
【0130】
ここで、導入経路Kの左右幅L20に対し、ノズル150を保護する保護部材145Aの左右幅L21は約半分を占めている(L21≒2/L20)。尚、導入経路Kの前後幅L10(
図5参照)はメダルMの直径2Rよりも幅広とされている(L10>2R)。そして、ノズル150及び保護部材145Aは、導入経路Kの左右方向の略中央位置に配置されていることで、導入経路Kは二股状に分かれ、ノズル150及び保護部材145Aの左右側に幅狭経路K2,K2が形成される。この幅狭経路K2の左右幅L22は、メダルMの直径2Rよりも幅広とされているため(L22>2R)、メダルMが詰まることはないが、この幅狭経路K2,K2よりも上方位置で棒状部材146a〜146cにより姿勢変更されているため、スムーズに通過される。
【0131】
よって、保護部材145A上に落下したメダルMは、左右の誘導傾斜面145aにより左右いずれかに誘導され、ノズル150と左右側板141bとの間の幅狭経路K2,K2を通過していく。このように保護部材145Aにより保護されることで、メダルMがノズル150に直接落下することがないので、ノズル150が損傷などしてメダルMの払い出しに悪影響を及ぼすことが防止される。
【0132】
幅狭経路K2,K2を通過したメダルMは、下部において傾斜板141cにより後側に、かつ、傾斜板141dにより左右方向の中央に誘導された後、導入口142を通過して開閉板102の背面側に誘導される。そして、傾斜板141c上を滑り落ちて計数口191から計数装置190内に落下される。
【0133】
また、導入経路カバー141の内部には、ノズル150の上方を覆う保護部材145Aが設けられ、保護部材145Aは、受入部140から落下してくるメダルMをノズル150の左右側方を通過可能に誘導する誘導傾斜面145aを備えることで、導入経路カバー141内を挿通するノズル150に落下してくるメダルMが衝突することにより破損すること等が防止されるばかりか、誘導傾斜面145aによりノズル150を避ける方向にメダルMを誘導するため、メダルMの落下を妨げることがない。
【0134】
また、前記実施例では、棒状部材146a〜146cにより姿勢変更されるようにしていたが、前述したように、保護部材145Aの誘導傾斜面145aのように、メダルMの移動方向に対し傾斜して設けられる板状部材であってもよい。また、例えば螺旋状の線状部材や、先端に向けて先細りテーパ状に形成されたノズル等、種々の姿勢変更手段を採用してもよい。
【0135】
また、前記実施例では、維持手段としてのネジ107が挿通するネジ挿通孔108a,108bが、受入部140における左側の側板141bに設けられ、このネジ挿通孔108a,108bを挿通したネジ107が、蓋部材側板160bの側面に設けられた雌ネジ孔162に螺合されるようになっているが、
図15の変形例に示すように、維持手段としてのネジ107’が挿通するネジ挿通孔108cが、受入部140における背面側の開閉板102に貫通して設けられ、このネジ挿通孔108cを挿通したネジ107’が螺合される雌ネジ孔162’を、肉厚に形成された蓋部材側板160bの先端に設けるようにしてもよい。このようにすることで、開閉板102を取り外すことができる遊技場の店員等の作業者以外がネジ107を操作することができないようになり、遊技者による蓋部材160の不正な開放を阻止することができる。
【0136】
また、前記実施例では、維持手段としてのネジ107が挿通するネジ挿通孔108a,108bが、受入部140における左側の側板141bに設けられ、このネジ挿通孔108a,108bを挿通したネジ107が、蓋部材側板160bの側面に設けられた雌ネジ孔162に螺合されるようになっているが、維持手段はネジ107を用いる態様に限らず、その他の手段を用いてもよい。例えば、
図16の変形例に示すように、蓋部材側板160bの側面に凹部170を設け、この凹部170内にバネ171等の付勢手段により外方に突出する係合凸部172を設け、この係合凸部172が受入部140の側板141bに形成された係合孔部173に係合されるようにして、蓋部材160の開放状態または閉鎖状態を維持する維持手段を構成してもよい。この場合には、係合凸部172が係合孔部173に対応する位置に蓋部材160が移動すると、バネ171の付勢力により自動的に係合凸部172と係合孔部173とが係合される。尚、この係合状態を解除する際には、外方からドライバーD等の工具を係合孔部173に挿入して、係合凸部172をバネ171の付勢力に抗して凹部170内に没入させ、蓋部材160を移動させるようにする。
【0137】
尚、本実施例では、蓋部材160の開放状態または閉鎖状態を維持する維持手段としてネジ107やバネ171等により付勢された係合凸部172が用いられているが、本発明の維持手段はネジ107やバネ171等を用いる態様に限らず、その他の態様であってもよい。例えば、閉鎖状態にしたときに、蓋部材160の先端が接触する受入部140の部位に、粘着力を有する粘着部材を設け、この粘着部材により蓋部材160の閉鎖状態を維持するようにしてもよいし、蓋部材160を鉄等の着磁可能金属で構成して、閉鎖状態にしたときに、蓋部材160の先端が接触する受入部140の部位に、磁石部材を設け、この磁石部材により蓋部材160の閉鎖状態を維持するようにしてもよい。また、維持手段は、蓋部材160の閉鎖状態を完全に維持できるものでなくてもよく、少なくとも蓋部材160が開放され難くなったり、蓋部材160の開放に時間が掛かったりするものであればよく、蓋部材160が若干動かされても容易に開放できなければよい。
【0138】
また、前記実施例では、導入経路Kを構成する導入経路部材は、導入経路カバー141及び開閉板102を含んでいたが、導入経路Kは単一の筒状部材等により構成されていてもよい。
【0139】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0140】
例えば、前記実施例では、遊技媒体の一例としてメダルが適用されていたが、球状のパチンコ球(遊技球)を適用してもよい。