特許第6186186号(P6186186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186186
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】表示パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20170814BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20170814BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20170814BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20170814BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G09F9/30 330
   G09F9/00 338
   G02F1/1345
   G02F1/1333 500
   G02F1/13 101
【請求項の数】3
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-133082(P2013-133082)
(22)【出願日】2013年6月25日
(65)【公開番号】特開2015-7721(P2015-7721A)
(43)【公開日】2015年1月15日
【審査請求日】2016年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】觀田 康克
(72)【発明者】
【氏名】新木 盛右
【審査官】 角田 光法
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−333167(JP,A)
【文献】 特開平05−088134(JP,A)
【文献】 特開2003−279922(JP,A)
【文献】 特開2001−083492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/13
1/1333
1/137−1/141
G09F9/00−9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子及び第2検査端子と、前記アレイ基板上に設けられ前記外縁予定線より前記アレイ基板の端部に位置し前記外縁予定線を越えて前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された検査配線と、前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1検査端子及び第2検査端子から外れて位置し前記アレイ基板に接合された対向基板と、を備える表示パネルを用意し、
前記第1検査端子と前記第2検査端子との間の電気的特性値を測定しながら、前記アレイ基板の外縁を研磨し、
前記測定した電気的特性値を基に、前記アレイ基板の外縁の研磨量を判断する表示パネルの製造方法。
【請求項2】
正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ画像表示のための駆動に用いられる導電パターンと、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子及び第2検査端子と、前記アレイ基板上に設けられ前記導電パターンと前記外縁予定線との間に位置し前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された検査配線と、前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1検査端子及び第2検査端子から外れて位置し前記アレイ基板に接合された対向基板と、を備える表示パネルを用意し、
前記第1検査端子と前記第2検査端子との間の電気的特性値を測定しながら前記アレイ基板の外縁を研磨し、
前記測定した電気的特性値を基に、前記アレイ基板の外縁の研磨量を判断する表示パネルの製造方法。
【請求項3】
正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ画像表示のための駆動に用いられる導電パターンと、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子、第2検査端子、第3検査端子及び第4検査端子と、前記アレイ基板上に設けられ前記外縁予定線より前記アレイ基板の端部に位置し前記外縁予定線を越えて前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された第1検査配線と、前記第1検査配線に隙間を置いて前記アレイ基板上に設けられ前記導電パターンと前記外縁予定線との間に位置し前記第3検査端子及び第4検査端子に接続された第2検査配線と、前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1乃至第4検査端子から外れて位置しマザー基板に接合された対向基板と、を備える表示パネルを用意し、
前記第1検査端子と前記第2検査端子との間の電気的特性値と、前記第3検査端子と前記第4検査端子との間の他の電気的特性値とをそれぞれ測定しながら、前記アレイ基板の外縁を研磨し、
前記測定した電気的特性値及び他の電気的特性値を基に、前記アレイ基板の外縁の研磨量を判断する表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示パネル及び表示パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガラス基板を分断して形成する製品が種々知られているが、例えば、表示パネルとして液晶表示パネルが知られている。液晶表示パネルは、アレイ基板と、アレイ基板に隙間を保持して対向配置された対向基板と、これら両基板の間に挟持された液晶層と、を備えている。
【0003】
液晶表示パネルを製造する場合、まず、アレイ基板より寸法が大きくアレイパターンが形成されたマザーガラスと、対向基板とを有した液晶表示セルを用意する。その後、アレイ基板の周縁に沿ってマザーガラスを分断し、アレイ基板及び対向基板を有した液晶表示パネルを切出すことで製造される。マザーガラスを分断する場合は、マザーガラスのうちアレイ基板の外縁となる分断予定線に沿ってスクライブラインを引くことにより行われる。
【0004】
上記のことから、液晶表示パネルの外形精度は、スクライブ・ブレイクなどのカット精度に依存することになる。しかし、液晶表示パネルの外形精度の要求は厳しくなっており、カット精度で吸収できないレベルになってきている。そこで、アレイ基板の外縁(液晶表示パネルのカット面)を研磨して削りこむことにより、外形精度の高精度化を実現する技術が提案されてきている。
【0005】
但し、この場合、アレイ基板の外縁の研磨精度を検査(測定)する必要がある。そこで、研磨精度の検査方法としては、基準となるマークからアレイ基板の外縁(ガラス端)までの距離を測定して行う方法を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−122268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、液晶表示パネルの外形の高精度化に伴い、外形精度の検査工程を追加する必要がある。しかし、上記手法では、アレイ基板の外縁の研磨精度の検査に非常に時間がかかると言う課題がある。その他、上記検査が非常に煩雑であると言う課題もある。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、アレイ基板の外縁の研磨量を、簡便な手法にて短時間に判断することのできる表示パネル及び表示パネルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
また、一実施形態に係る表示パネルの製造方法は、
正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子及び第2検査端子と、前記アレイ基板上に設けられ前記外縁予定線より前記アレイ基板の端部に位置し前記外縁予定線を越えて前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された検査配線と、前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1検査端子及び第2検査端子から外れて位置し前記アレイ基板に接合された対向基板と、を備える表示パネルを用意し、
前記第1検査端子と前記第2検査端子との間の電気的特性値を測定しながら、前記アレイ基板の外縁を研磨し、
前記測定した電気的特性値を基に、前記アレイ基板の外縁の研磨量を判断する。
【0012】
また、一実施形態に係る表示パネルの製造方法は、
正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ画像表示のための駆動に用いられる導電パターンと、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子及び第2検査端子と、前記アレイ基板上に設けられ前記導電パターンと前記外縁予定線との間に位置し前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された検査配線と、前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1検査端子及び第2検査端子から外れて位置し前記アレイ基板に接合された対向基板と、を備える表示パネルを用意し、
前記第1検査端子と前記第2検査端子との間の電気的特性値を測定しながら前記アレイ基板の外縁を研磨し、
前記測定した電気的特性値を基に、前記アレイ基板の外縁の研磨量を判断する。
【0013】
また、一実施形態に係る表示パネルの製造方法は、
正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ画像表示のための駆動に用いられる導電パターンと、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子、第2検査端子、第3検査端子及び第4検査端子と、前記アレイ基板上に設けられ前記外縁予定線より前記アレイ基板の端部に位置し前記外縁予定線を越えて前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された第1検査配線と、前記第1検査配線に隙間を置いて前記アレイ基板上に設けられ前記導電パターンと前記外縁予定線との間に位置し前記第3検査端子及び第4検査端子に接続された第2検査配線と、前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1乃至第4検査端子から外れて位置しマザー基板に接合された対向基板と、を備える表示パネルを用意し、
前記第1検査端子と前記第2検査端子との間の電気的特性値と、前記第3検査端子と前記第4検査端子との間の他の電気的特性値とをそれぞれ測定しながら、前記アレイ基板の外縁を研磨し、
前記測定した電気的特性値及び他の電気的特性値を基に、前記アレイ基板の外縁の研磨量を判断する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1の実施形態に係る液晶表示パネルを示す斜視図である。
図2図2は、上記液晶表示パネルを示す概略断面図である。
図3図3は、上記液晶表示パネルを示す概略平面図であり、配線の構造を示す図である。
図4図4は、図1乃至図3に示したアレイ基板の一部を示す概略平面図である。
図5図5は、上記アレイ基板を示す拡大平面図であり、アレイ基板の配線構造を示す図である。
図6図6は、上記液晶表示パネルを示す拡大断面図であり、液晶表示パネルの構造を示す図である。
図7図7は、図3の線VII−VIIに沿った上記液晶表示パネルの周縁部を概略的に示す拡大断面図である。
図8図8は、上記液晶表示パネルを示す概略平面図であり、アレイ基板の正規領域に形成された検査端子及び検査配線を示す図である。
図9図9は、上記液晶表示パネルの製造工程において、マザーガラス上に6枚のアレイ基板を形成した状態を示す平面図である。
図10図10は、上記液晶表示パネルの製造工程において、マザーガラス上に6枚の対向基板を形成した状態を示す平面図である。
図11図11は、図9及び図10に示した2枚のマザーガラスが、シール材を介して貼り合せられている状態を示す平面図である。
図12図12は、図11に示したマザーガラスを分断することにより取出された液晶表示パネルを示す平面図であり、上記検査端子及び検査配線を示す図である。
図13図13は、図12の線XIII−XIIIに沿った液晶表示パネルを示す断面図である。
図14図14は、図12に示したアレイ基板の下辺及び上辺が研磨された状態を示す液晶表示パネルの平面図であり、検査配線が分断されている状態を示す図である。
図15図15は、第2の実施形態において、マザーガラスを分断することにより取出された液晶表示パネルを示す平面図であり、上記検査端子及び検査配線を示す図である。
図16図16は、図15の線XVI−XVIに沿った液晶表示パネルを示す断面図である。
図17図17は、第3の実施形態において、マザーガラスを分断することにより取出された液晶表示パネルを示す平面図であり、上記検査端子及び検査配線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら第1の実施形態に係る液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法について詳細に説明する。始めに、液晶表示パネルの構成について説明する。この実施の形態において、液晶表示パネルは対向CF型であり、対向基板側にカラーフィルタが形成されている。
【0016】
図1乃至図6に示すように、液晶表示パネルは、アレイ基板1と、アレイ基板に所定の隙間を置いて対向配置された対向基板2と、これら両基板間に挟持された液晶層3と、カラーフィルタ4とを備えている。アレイ基板1及び対向基板2の外面には、図示しない偏光板がそれぞれ配置されている。アレイ基板1の外面側には、図示しないバックライトユニットが配置されている。アレイ基板1及び対向基板2は矩形状の表示領域R1を有している。カラーフィルタ4は、アレイ基板1の表示領域R1に設けられている。
【0017】
アレイ基板1は、透明な絶縁基板としてガラス基板11を有している。表示領域R1において、ガラス基板11上には、行方向Xに延びているとともに行方向Xと直交した列方向Yに間隔を置いて並んだ複数の走査線15と、複数の走査線15と交差して列方向Yに延びているとともに行方向Xに間隔を置いて並んだ複数の信号線21とが格子状に配置されている。
【0018】
ガラス基板11上には、補助容量素子24を構成し、かつ、複数の信号線21と交差して行方向Xに延びているとともに列方向Yに間隔を置いて並んだ複数の補助容量線17が形成されている。補助容量線17は走査線15と平行に延びている。
【0019】
ここで、アレイ基板1及び対向基板2は、複数の信号線21及び複数の補助容量線17で囲まれた領域に重なって設けられたマトリクス状の複数の画素20を有している。すなわち、各画素20は隣合う2本の信号線21及び隣合う2本の補助容量線17で囲まれた領域に重なって設けられている。アレイ基板1の画素20にはスイッチング素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)19がそれぞれ設けられている。より詳しくは、TFT19は、走査線15と信号線21との各交差部近傍に設けられている。
【0020】
TFT19は、半導体としてのアモルファスシリコン(a−Si)又はポリシリコン(p−Si)からなる半導体層12と、走査線15の一部を延出してなるゲート電極16とを有している。本実施の形態では、半導体層12及び後述する補助容量電極13はp−Siで形成されている。
【0021】
詳細に述べると、表示領域R1において、ガラス基板11上には、半導体層12と、補助容量電極13とが形成され、これら半導体層及び補助容量電極を含むガラス基板上にゲート絶縁膜14が成膜されている。ゲート絶縁膜14上に、走査線15、ゲート電極16及び補助容量線17が配設されている。補助容量線17及び補助容量電極13はゲート絶縁膜14を介し対向配置されている。
【0022】
走査線15、ゲート電極16及び補助容量線17は、金属で形成されている。この実施形態において、走査線15、ゲート電極16及び補助容量線17は、モリブデン・タングステン(MoW)で形成されている。走査線15、ゲート電極16及び補助容量線17を含むゲート絶縁膜14上には層間絶縁膜18が成膜されている。この実施形態において、層間絶縁膜18は無機絶縁膜である。
【0023】
層間絶縁膜18上には、信号線21及びコンタクト電極22が形成されている。各コンタクト電極22は、ゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを通って半導体層12のドレイン領域に接続されている。さらに、コンタクト電極22は、ゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜18に形成された他のコンタクトホールを通って補助容量電極13に接続されている。ここで、補助容量線17は、補助容量電極13とコンタクト電極22との接続部を除いて形成されている。
【0024】
信号線21は、ゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを通って半導体層12のソース領域と接続されている。信号線21及びコンタクト電極22は、金属で形成されている。この実施形態において、信号線21及びコンタクト電極22は、TATで形成されている。ここで、TATは、Ti(チタン)/Al(アルミニウム)/Tiの略称で3層構造の金属層である。上記Alでは、アルミニウム系合金であってもよい。
【0025】
層間絶縁膜18、信号線21及びコンタクト電極22に重ねて保護絶縁膜23が形成されている。保護絶縁膜23は、基板上の配線等から生じる凹凸を平坦化する平坦化膜としての役割も果たす。この実施形態において、保護絶縁膜23は有機絶縁膜である。保護絶縁膜23は、表示領域R1だけでなく、表示領域R1を囲む額縁領域R2も覆っている。ここで、表示領域R1及び額縁領域R2は、アレイ基板1(ガラス基板11)の正規領域である。
【0026】
保護絶縁膜23上には、ITO(インジウム・すず酸化物)等の透明な導電膜により画素電極26がそれぞれ形成されている。補助容量線17に重なった保護絶縁膜23には複数のコンタクトホール25が形成されている。これらのコンタクトホール25は、複数の画素20に設けられている。
【0027】
各画素電極26は、コンタクトホール25を通ってコンタクト電極22に接続されている。各画素電極26の周縁部は、補助容量線17及び信号線21に重なっている。画素電極26は、画素20をそれぞれ形成している。
【0028】
上記のように、ガラス基板11上にアレイパターン1pが形成されている。表示領域R1において、アレイパターン1pは、ガラス基板11と画素電極26との間に積層されたものである。アレイパターン1p上には、複数のスペーサとしての複数の柱状スペーサ27が複数形成されている。柱状スペーサ27が形成されたアレイパターン1p(画素電極26等)上には配向膜28が形成されている。
【0029】
一方、図3及び図7に示すように、額縁領域R2において、ガラス基板11上には、アレイパターン1pが形成されている。額縁領域R2において、アレイパターン1pは、駆動回路6a、6bと、ゲート絶縁膜14と、層間絶縁膜18と、配線w1、w2、w3、w4、w7、w8と、保護絶縁膜23と、を有している。
【0030】
駆動回路6a、6bは、表示領域R1を挟んで行方向Xに対向配置されている。駆動回路6a、6bは、TFT19等を形成する際に、同一材料で同時に形成されている。駆動回路6a、6bは、走査線15及び補助容量線17に接続されたYドライバである。
【0031】
配線w1、w2、w3、w4、w7、w8は、額縁領域R2の左側と右側にそれぞれ設けられ駆動回路6a、6bを形成している。配線w1、w2、w3、w4、w7、w8は、列方向Yに延在し、行方向Xに間隔を置いて設けられている。配線w1、w2、w3、w4、w7、w8は、層間絶縁膜18上に形成され、保護絶縁膜23で覆われている。配線w1、w2、w3、w4、w7、w8は、画像表示のための駆動に用いられる導電パターンの一部である。配線w1、w2、w3、w4は、ガラス基板11の端部まで引き延ばされ、アウターリードボンディングのパッドに接続されている。
【0032】
配線w1、w2はそれぞれ制御信号配線であり、配線w3、w4はそれぞれ電源配線である。配線w1には、パッドを介してスタートパルス信号STが与えられる。配線w2には、パッドを介してクロック信号CLKが与えられる。配線w3には、パッドを介して図示しない高電位電源から電圧V1(VDD)が与えられる。配線w4には、パッドを介して図示しない低電位電源から電圧V2(VSS)が与えられる。配線w3及び配線w4は互いに電位の異なる電源配線である。例えば、電圧V1は+10Vであり、電圧V2は−5Vである。
【0033】
配線w5、w6は、接続配線である。この実施形態において、配線w5、w6は行方向Xに延出している。配線w5、w6は、少なくとも額縁領域R2のゲート絶縁膜14上に形成されている。配線w5、w6は層間絶縁膜18で覆われている。この実施形態において、配線w5、w6は、表示領域R1まで延出して形成されている。額縁領域R2において、層間絶縁膜18は、配線w5に対向したスルーホールと、配線w6に対向したスルーホールとを有している。配線w3はスルーホールを通って配線w5に電気的に接続され、配線w4はスルーホールを通って配線w6に電気的に接続されている。
【0034】
また、図8に示すように、額縁領域R2において、アレイパターン1pは、第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6及び第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4をさらに備えている。
【0035】
第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6は、保護絶縁膜23上に設けられ、外部(アレイ基板1の上方)に露出している。第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6は、導電材料で形成されている。例えば、第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6は、アウターリードボンディングのパッドを形成する際に同時に同一材料で形成することができる。
【0036】
第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4は、アレイ基板1(ガラス基板11)の額縁領域R2(正規領域)の外縁まで延在している。後述するが、製造段階において、第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4は、額縁領域R2の外縁を越え、アレイ基板1の正規領域の外側の領域上にも形成される。
【0037】
第1検査配線cw1は、第1検査端子cp1及び第2検査端子cp2に接続されている。第2検査配線cw2は、第3検査端子cp3及び第4検査端子cp4に接続されている。第1検査配線cw1及び第2検査配線cw2は、例えばTATで形成され、信号線21等を形成する際に同時に同一材料で形成することができる。
【0038】
第3検査配線cw3は、第5検査端子cp5に接続されている。第4検査配線cw4は、第6検査端子cp6に接続されている。第3検査配線cw3及び第4検査配線cw4は、例えばMoWで形成され、走査線15等を形成する際に同時に同一材料で形成することができる。
【0039】
検査端子に着目すると、第1乃至第4検査端子cp1乃至cp4は、保護絶縁膜23に形成されたコンタクトホールを通りそれぞれ第1検査配線cw1及び第2検査配線cw2に接続されている。第5検査端子cp5及び第6検査端子cp6は、層間絶縁膜18及び保護絶縁膜23に形成されたコンタクトホールを通り第3検査配線cw3及び第4検査配線cw4に接続されている。
【0040】
図1乃至図3、及び図6乃至図8に示すように、対向基板2は、透明な絶縁基板としてガラス基板41を備えている。このガラス基板41上には、カラーフィルタ4が設けられている。カラーフィルタ4は、遮光部31と、周辺遮光部32と、複数の着色層とを有している。複数の着色層は、例えば赤色の着色層30R、緑色の着色層30G、青色の着色層30Bを有している。
【0041】
遮光部31は、格子状に形成されている。遮光部31は、補助容量線17及び信号線21に対向して形成されている。周辺遮光部32は、矩形枠状に形成され、額縁領域R2の全体に形成されている。周辺遮光部32は、表示領域R1の外側から漏れる光(バックライト)の遮光に寄与している。
【0042】
着色層30R、30G、30Bは、ガラス基板41及び遮光部31上に形成されている。着色層30R、30G、30Bは、列方向Yに沿って帯状に延在している。着色層30R、30G、30Bは、行方向Xに互いに隣接し、交互に並べられている。着色層30R、30G、30Bの周縁部は、遮光部31に重なっている。
なお、カラーフィルタ4上には、図示しないオーバーコート層を配置してもよい。これにより、遮光部31及びカラーフィルタ4の表面の凹凸の影響を緩和することができる。
【0043】
カラーフィルタ4(オーバーコート層)上に、ITO等の透明な導電膜により対向電極42が形成されている。対向電極42上には配向膜43が形成されている。上記のように、ガラス基板41上に対向パターン2pが形成されている。対向パターン2pは、カラーフィルタ4、対向電極42及び配向膜43を有している。対向パターン2pは、オーバーコート層をさらに有していてもよい。
上記対向基板2は、アレイ基板1の正規領域より小さいサイズを有している。対向基板2は、第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6から外れて位置している。
【0044】
アレイ基板1及び対向基板2は、複数の柱状スペーサ27により所定の隙間を置いて対向配置されている。シール材51は、額縁領域R2に対向し、アレイ基板1及び対向基板2間に設けられ、矩形枠状に連続して形成されている。アレイ基板1及び対向基板2は、シール材51により互いに接合されている。
【0045】
液晶層3は、アレイ基板1、対向基板2及びシール材51で囲まれた空間に形成されている。
上記のように液晶表示パネルが形成されている。
【0046】
次に、上記液晶表示パネルの一層詳しい構成を、その製造方法と併せて説明する。
図1乃至図8、及び図9に示すように、まず、透明な絶縁基板としてアレイ基板1よりも寸法の大きい第1マザー基板としてのマザーガラス101を用意する。この実施形態によれば、マザーガラス101は、アレイ基板1を形成するため6つの矩形状の分割領域R6と、分割領域R6から外れた非有効領域R7とを有している。
【0047】
マザーガラス101は、分割領域R6の周縁に重なった第1分断予定線e1を有している。また、分割領域R6内において、マザーガラス101は、アレイ基板1の正規領域の外縁となる外縁予定線e2を有している。第1分断予定線e1は、外縁予定線e2を取囲み外縁予定線e2に隙間を置いて位置している。第1分断予定線e1と外縁予定線e2との間の隙間は、例えば200μmである。
【0048】
用意したマザーガラス101上には、成膜およびパターニングを繰り返す等、通常の製造工程により、TFT19、補助容量素子24、駆動回路6a、6b、保護絶縁膜23、画素電極26等を含むアレイパターン1pを形成する。また、マザーガラス101上には、第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6及び第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4も形成する。
【0049】
次いで、スピンナを用い、例えば感光性アクリル性の透明樹脂をマザーガラス101上全面に塗布する。続いて、透明樹脂を乾燥させる。次いで、所定のフォトマスクを用い、透明樹脂にパターニングを露光する。次に、露光された透明樹脂を現像した後、焼成し硬化させる。これにより、柱状スペーサ27が形成される。
【0050】
その後、表示領域R1を含むマザーガラス101上全面に、配向膜材料を塗布し、パターニングすることにより、配向膜28を形成する。なお、配向膜28には、必要に応じて所定の配向処理(ラビング)が施される。
これにより、1枚のマザーガラス101にて6個のアレイ基板1が完成する。
【0051】
図1乃至図3及び図6乃至図8、並びに図10に示すように、一方、対向基板2の製造方法においては、まず、透明な絶縁基板として対向基板2よりも寸法の大きい第2マザー基板としてのマザーガラス102を用意する。この実施形態によれば、マザーガラス102は、対向基板2を形成するため6つの矩形状の分割領域R8と、分割領域R8から外れた非有効領域R9とを有している。マザーガラス102は、分割領域R8の周縁に重なった第2分断予定線e3を有している。
【0052】
用意したマザーガラス102上には、通常の製造工程により、対向パターン2pを形成する。なお、配向膜43には、必要に応じて所定の配向処理(ラビング)が施される。
これにより、1枚のマザーガラス102にて6個の対向基板2が完成する。
【0053】
次いで、図7図8及び図11に示すように、アレイ基板1の額縁領域R2に全周に亘って、シール材51を形成する材料として、例えば紫外線硬化型の樹脂を印刷法により塗布する。これにより、枠状のシール材51が形成される。また、シール材51を形成する際、アレイ基板1から対向基板2に電圧を印加するための電極転移材をシール材51の周辺の図示しない電極転移電極上に形成することができる。
【0054】
その後、シール材51で囲まれた領域に液晶材料を滴下する。続いて、配向膜28及び配向膜43が対向するよう、マザーガラス101及びマザーガラス102を対向配置し、アレイ基板1及び対向基板2を複数の柱状スペーサ27により所定の隙間を保持して対向配置し、アレイ基板1及び対向基板2の周縁部同士をシール材51により貼り合せる。
【0055】
次いで、外部よりシール材51に紫外線を照射してシール材51を硬化させ、さらに熱硬化処理を施し、本硬化させる。これにより、シール材51を介してマザーガラス101及びマザーガラス102が接合される。
【0056】
続いて、マザーガラス101を第1分断予定線e1に沿って分割するとともに、マザーガラス102を第2分断予定線e3に沿って分割する。分割する際、例えば、第1分断予定線e1及び第2分断予定線e3に沿ってスクライブラインを引いて分割する。これにより、マザーガラス101からアレイ基板1が、マザーガラス102から対向基板2がそれぞれ切出される。
【0057】
なお、スクライブ・ブレイクの手法としては、スクライブラインを引くことに限定されるものではなく、一般に知られている各種の手法を採ることができ、例えば、スクライブレーザを使用してレーザ光を照射する手法であってもよい。
【0058】
図12及び図13に示すように、これにより、分断されたマザーガラス101及びマザーガラス102から、液晶表示パネルが6組取出される。そして、6組の液晶表示パネルを用意することができる。
【0059】
対向基板2は、アレイ基板1の正規領域より小さいサイズを有し、正規領域に隙間を置いて対向配置され、第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6から外れて位置し、アレイ基板1に接合されている。第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6は、アレイ基板1の正規領域上に設けられ外部に露出している。
【0060】
第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4は、アレイ基板1上に設けられ、外縁予定線e2よりアレイ基板1の端部に位置し、外縁予定線e2を越えて第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6に接続されている。
【0061】
第1検査配線cw1は、外縁予定線e2の下辺に沿って行方向Xに延出して帯状に形成されている。第1検査配線cw1は、外縁予定線e2の下辺に隙間を置いて位置している。
【0062】
第2検査配線cw2は、外縁予定線e2の左辺、上辺及び右辺に沿って行方向X及び列方向Yに延出してコの字状に形成されている。第2検査配線cw2は、外縁予定線e2の左辺、上辺及び右辺に隙間を置いて位置している。
【0063】
第3検査配線cw3は、外縁予定線e2の左辺に沿って列方向Yに延出して帯状に形成されている。第3検査配線cw3は、外縁予定線e2の左辺に隙間を置いて位置している。なお、第2検査配線cw2は、第3検査配線cw3に対向している。第2検査配線cw2は、層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを通って第3検査配線cw3に複数個所で接続されている。
【0064】
第4検査配線cw4は、外縁予定線e2の右辺に沿って列方向Yに延出して帯状に形成されている。第4検査配線cw4は、外縁予定線e2の右辺に隙間を置いて位置している。なお、第2検査配線cw2は、第4検査配線cw4に対向している。第2検査配線cw2は、層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを通って第4検査配線cw4に複数個所で接続されている。
【0065】
ここで、ラインL1は、外縁予定線e2の下辺に重なったラインであり、研磨にて到達すべき(削り込むべき)下辺を指すラインである。ラインL2は、外縁予定線e2の上辺に重なったラインであり、研磨にて到達すべき上辺を指すラインである。ラインL3は、外縁予定線e2の左辺に重なったラインであり、研磨にて到達すべき左辺を指すラインである。ラインL4は、外縁予定線e2の右辺に重なったラインであり、研磨にて到達すべき右辺を指すラインである。
【0066】
上記のような液晶表示パネルを用意した後、液晶表示パネルの外縁を研磨する。
まず、この実施形態において、アレイ基板1の短辺側を研磨する。
アレイ基板1の下辺を研磨する際、第1検査端子cp1と第2検査端子cp2との間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の下辺側の外縁を研磨する。ここで、電気的特性値とは、例えば、電流値や電気抵抗値を挙げることができる。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の下辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0067】
この実施形態において、第1検査端子cp1及び第2検査端子cp2から第1検査配線cw1に通電し、第1検査端子cp1と第2検査端子cp2との間の電流値を測定しながら、アレイ基板1の下辺側の外縁を研磨している。そして、上記電流値が0になった時点で、第1検査配線cw1が断線する程度にアレイ基板1の下辺側が研磨され、上記研磨量が所望の量に達したものと判断し、上記研磨を停止する。アレイ基板1の下辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の下辺の位置が決定する。
【0068】
アレイ基板1の上辺を研磨する際、第3検査端子cp3と第4検査端子cp4との間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の上辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の上辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0069】
この実施形態において、第3検査端子cp3及び第4検査端子cp4から第2検査配線cw2に通電し、第3検査端子cp3と第4検査端子cp4との間の電流値を測定しながら、アレイ基板1の上辺側の外縁を研磨している。そして、上記電流値が0になった時点で、第2検査配線cw2が断線する程度にアレイ基板1の上辺側が研磨され、上記研磨量が所望の量に達したものと判断し、上記研磨を停止する。アレイ基板1の上辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の上辺の位置が決定する。なお、液晶表示パネルの外形精度を高めるため、アレイ基板1の上辺とともに対向基板2の上辺も一緒に研磨される場合があり得る。
図14に示すように、これにより、アレイ基板1の短辺側が研磨される。
【0070】
続いて、この実施形態において、アレイ基板1の長辺側を研磨する。
アレイ基板1の左辺を研磨する際、第3検査端子cp3と第5検査端子cp5との間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の左辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の左辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0071】
この実施形態において、第3検査端子cp3及び第5検査端子cp5から第2検査配線cw2及び第3検査配線cw3間に通電し、第3検査端子cp3と第5検査端子cp5との間の電流値を測定しながら、アレイ基板1の左辺側の外縁を研磨している。そして、上記電流値が0になった時点で、第2検査配線cw2及び第3検査配線cw3間が断線する程度にアレイ基板1の左辺側が研磨され、上記研磨量が所望の量に達したものと判断し、上記研磨を停止する。アレイ基板1の左辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の左辺の位置が決定する。なお、液晶表示パネルの外形精度を高めるため、アレイ基板1の左辺とともに対向基板2の左辺も一緒に研磨される場合があり得る。
【0072】
アレイ基板1の右辺を研磨する際、第4検査端子cp4と第6検査端子cp6との間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の右辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の右辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0073】
この実施形態において、第4検査端子cp4及び第6検査端子cp6から第2検査配線cw2及び第4検査配線cw4間に通電し、第4検査端子cp4と第6検査端子cp6との間の電流値を測定しながら、アレイ基板1の右辺側の外縁を研磨している。そして、上記電流値が0になった時点で、第2検査配線cw2及び第4検査配線cw4間が断線する程度にアレイ基板1の右辺側が研磨され、上記研磨量が所望の量に達したものと判断し、上記研磨を停止する。アレイ基板1の右辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の右辺の位置が決定する。なお、液晶表示パネルの外形精度を高めるため、アレイ基板1の右辺とともに対向基板2の右辺も一緒に研磨される場合があり得る。
図8に示すように、これにより、アレイ基板1の短辺側に続き、アレイ基板1の長辺側も研磨される。
【0074】
なお、アレイ基板1の外縁(各辺)を研磨する際、上記電流値が0になった時点以降も、所定の時間、研磨を継続するように制御することもできる。研磨の継続時間を調整(管理)することにより、アレイ基板1の外縁を外縁予定線e2に一致させたりより近づけたりすることができる。
【0075】
図3に示すように、その後、アレイ基板1及び対向基板2の外面にそれぞれ偏光板を配置したり、アレイ基板1の額縁領域R2上にICドライバを搭載したりすることにより、液晶表示パネルが完成する。
【0076】
上記のように構成された第1の実施形態に係る液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法によれば、製造段階の液晶表示パネルは、アレイ基板1と、第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6と、第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4と、対向基板2と、を備えている。
【0077】
アレイ基板1は、正規領域の外縁となる外縁予定線e2を有している。第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6は、アレイ基板1の正規領域上に設けられ、外部に露出している。第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4は、アレイ基板1上に設けられ、外縁予定線e2よりアレイ基板1の端部に位置し、外縁予定線e2を越えて第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6に接続されている。対向基板2は、アレイ基板1の正規領域より小さいサイズを有し、正規領域に隙間を置いて対向配置され、第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6から外れて位置し、アレイ基板1に接合されている。
【0078】
液晶表示パネルを完成させる際、上記液晶表示パネルを用意した後、検査端子間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の外縁の研磨量を判断する。すなわち、上記研磨を継続するべきか停止するべきかどうかを判断することができる。
【0079】
なお、研磨量を判断(研磨精度を検査)する手法の比較例として、基準となるマークからアレイ基板1の外縁までの距離を測定して行う場合、上記測定をしながら研磨することは困難である。このため、上記比較例の場合、上記研磨と上記測定とを交互に行う必要があり、煩雑な手法にて長時間かけてアレイ基板1の外縁の研磨量を判断することになってしまう。
【0080】
上記のことから、アレイ基板1の外縁の研磨量を、簡便な手法にて短時間に判断することのできる液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法を得ることができる。そして、外形精度の高い液晶表示パネルを得ることができる。すなわち、液晶表示パネルの外形の高精度化の要求に応じることができる。
【0081】
次に、第2の実施形態に係る液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法について説明する。本実施形態において、上述した第1の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0082】
図15及び図16に示すように、アレイ基板1には、第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6及び第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4の替わりに、第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12及び第5乃至第8検査配線cw5乃至cw8が形成されている。
【0083】
第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12は、保護絶縁膜23上に設けられ、外部(アレイ基板1の上方)に露出している。第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12は、導電材料で形成されている。例えば、第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12は、アウターリードボンディングのパッドを形成する際に同時に同一材料で形成することができる。
【0084】
第5乃至第8検査配線cw5乃至cw8は、アレイ基板1(ガラス基板11)の額縁領域R2(正規領域)に形成されている。第5乃至第8検査配線cw5乃至cw8の表示領域R1側の端(側縁)は、これ以上研磨する(削り込む)べきでないラインと一致させている。
【0085】
第5検査配線cw5は、第7検査端子cp7及び第8検査端子cp8に接続されている。第6検査配線cw6は、第9検査端子cp9及び第10検査端子cp10に接続されている。第5検査配線cw5及び第6検査配線cw6は、例えばTATで形成され、信号線21等を形成する際に同時に同一材料で形成することができる。
【0086】
第7検査配線cw7は、第11検査端子cp11に接続されている。第8検査配線cw8は、第12検査端子cp12に接続されている。第7検査配線cw7及び第8検査配線cw8は、例えばMoWで形成され、走査線15等を形成する際に同時に同一材料で形成することができる。
【0087】
検査端子に着目すると、第7乃至第10検査端子cp7乃至cp10は、保護絶縁膜23に形成されたコンタクトホールを通りそれぞれ第5検査配線cw5及び第6検査配線cw6に接続されている。第11検査端子cp11及び第12検査端子cp12は、層間絶縁膜18及び保護絶縁膜23に形成されたコンタクトホールを通り第7検査配線cw7及び第8検査配線cw8に接続されている。
【0088】
対向基板2は第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12から外れて位置している。
上記のように液晶表示パネルが形成されている。
【0089】
次に、上記液晶表示パネルの一層詳しい構成を、その製造方法と併せて説明する。
まず、マザーガラス等を用意し、上記第1の実施形態と同様の手法にて、マザーガラスから、液晶表示パネルを取出す。
【0090】
対向基板2は、アレイ基板1の正規領域より小さいサイズを有し、正規領域に隙間を置いて対向配置され、第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12から外れて位置し、アレイ基板1に接合されている。第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12は、アレイ基板1の正規領域上に設けられ外部に露出している。駆動回路6a、6bの構成部材等、画像表示のための駆動に用いられる導電パターンは、アレイ基板1の正規領域上に設けられている。
【0091】
第5乃至第8検査配線cw5乃至cw8は、アレイ基板1上に設けられ、上記導電パターンと外縁予定線e2との間に位置し、第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12に接続されている。
【0092】
第5検査配線cw5は、外縁予定線e2の下辺に沿って行方向Xに延出して帯状に形成されている。第5検査配線cw5は、外縁予定線e2の下辺に隙間を置いて位置している。
【0093】
第6検査配線cw6は、外縁予定線e2の左辺、上辺及び右辺に沿って行方向X及び列方向Yに延出してコの字状に形成されている。第6検査配線cw6は、外縁予定線e2の左辺、上辺及び右辺に隙間を置いて位置している。
【0094】
第7検査配線cw7は、外縁予定線e2の左辺に沿って列方向Yに延出して帯状に形成されている。第7検査配線cw7は、外縁予定線e2の左辺に隙間を置いて位置している。なお、第6検査配線cw6は、第7検査配線cw7に対向している。第6検査配線cw6は、層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを通って第7検査配線cw7に接続されている。この実施形態において、上記コンタクトホールは、アレイ基板1の正規領域の左上角部に位置している。
【0095】
第8検査配線cw8は、外縁予定線e2の右辺に沿って列方向Yに延出して帯状に形成されている。第8検査配線cw8は、外縁予定線e2の右辺に隙間を置いて位置している。なお、第6検査配線cw6は、第8検査配線cw8に対向している。第6検査配線cw6は、層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを通って第8検査配線cw8に接続されている。この実施形態において、上記コンタクトホールは、アレイ基板1の正規領域の右上角部に位置している。
【0096】
上記のような液晶表示パネルを用意した後、液晶表示パネルの外縁を研磨する。
まず、この実施形態において、アレイ基板1の短辺側を研磨する。
アレイ基板1の下辺を研磨する際、第7検査端子cp7と第8検査端子cp8との間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の下辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の下辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0097】
この実施形態において、第7検査端子cp7及び第8検査端子cp8から第5検査配線cw5に通電し、第7検査端子cp7と第8検査端子cp8との間の電流値を測定しながら、アレイ基板1の下辺側の外縁を研磨している。そして、上記電流値が0でなければ、これ以上研磨するべきではない位置には到達していないと判断する。その後、アレイ基板1の下辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の下辺の位置が決定する。
【0098】
アレイ基板1の上辺を研磨する際、第9検査端子cp9と第10検査端子cp10との間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の上辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の上辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0099】
この実施形態において、第9検査端子cp9及び第10検査端子cp10から第6検査配線cw6に通電し、第9検査端子cp9と第10検査端子cp10との間の電流値を測定しながら、アレイ基板1の上辺側の外縁を研磨している。そして、上記電流値が0でなければ、これ以上研磨するべきではない位置には到達していないと判断する。その後、アレイ基板1の上辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の上辺の位置が決定する。なお、液晶表示パネルの外形精度を高めるため、アレイ基板1の上辺とともに対向基板2の上辺も一緒に研磨される場合があり得る。
これにより、アレイ基板1の短辺側が研磨される。
【0100】
続いて、この実施形態において、アレイ基板1の長辺側を研磨する。
アレイ基板1の左辺を研磨する際、第9検査端子cp9と第11検査端子cp11との間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の左辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の左辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0101】
この実施形態において、第9検査端子cp9及び第11検査端子cp11から第6検査配線cw6及び第7検査配線cw7間に通電し、第9検査端子cp9と第11検査端子cp11との間の電流値を測定しながら、アレイ基板1の左辺側の外縁を研磨している。そして、上記電流値が0でなければ、これ以上研磨するべきではない位置には到達していないと判断する。その後、アレイ基板1の左辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の左辺の位置が決定する。なお、液晶表示パネルの外形精度を高めるため、アレイ基板1の左辺とともに対向基板2の左辺も一緒に研磨される場合があり得る。
【0102】
アレイ基板1の右辺を研磨する際、第10検査端子cp10と第12検査端子cp12との間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の右辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の右辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0103】
この実施形態において、第10検査端子cp10及び第12検査端子cp12から第6検査配線cw6及び第8検査配線cw8間に通電し、第10検査端子cp10と第12検査端子cp12との間の電流値を測定しながら、アレイ基板1の右辺側の外縁を研磨している。そして、上記電流値が0でなければ、これ以上研磨するべきではない位置には到達していないと判断する。その後、アレイ基板1の右辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の右辺の位置が決定する。なお、液晶表示パネルの外形精度を高めるため、アレイ基板1の右辺とともに対向基板2の右辺も一緒に研磨される場合があり得る。
これにより、アレイ基板1の短辺側に続き、アレイ基板1の長辺側も研磨される。
【0104】
図3に示すように、その後、アレイ基板1及び対向基板2の外面にそれぞれ偏光板を配置したり、アレイ基板1の額縁領域R2上にICドライバを搭載したりすることにより、液晶表示パネルが完成する。
【0105】
上記のように構成された第2の実施形態に係る液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法によれば、製造段階の液晶表示パネルは、アレイ基板1と、導電パターンと、第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12と、第5乃至第8検査配線cw5乃至cw8と、対向基板2と、を備えている。
【0106】
アレイ基板1は、正規領域の外縁となる外縁予定線e2を有している。駆動回路6a、6bの構成部材等、画像表示のための駆動に用いられる導電パターンは、アレイ基板1の正規領域上に設けられている。第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12は、アレイ基板1の正規領域上に設けられ、外部に露出している。第5乃至第8検査配線cw5乃至cw8は、アレイ基板1上に設けられ、上記導電パターンと外縁予定線e2との間に位置し、第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12に接続されている。対向基板2は、アレイ基板1の正規領域より小さいサイズを有し、正規領域に隙間を置いて対向配置され、第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12から外れて位置し、アレイ基板1に接合されている。
【0107】
液晶表示パネルを完成させる際、上記液晶表示パネルを用意した後、検査端子間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の外縁の研磨量を判断する。すなわち、これ以上研磨するべきではない位置に到達していないかどうかを判断することができる。
【0108】
上記のことから、アレイ基板1の外縁の研磨量を、簡便な手法にて短時間に判断することのできる液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法を得ることができる。そして、外形精度の高い液晶表示パネルを得ることができる。すなわち、液晶表示パネルの外形の高精度化の要求に応じることができる。
【0109】
次に、第3の実施形態に係る液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法について説明する。本実施形態において、上述した第1の実施形態と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0110】
図17に示すように、アレイ基板1には、第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6及び第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4が形成されている。さらに、アレイ基板1には、上記第2の実施形態で示した第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12及び第5乃至第8検査配線cw5乃至cw8も形成されている。
【0111】
次に、上記液晶表示パネルの一層詳しい構成を、その製造方法と併せて説明する。
まず、マザーガラス等を用意し、上記第1の実施形態と同様の手法にて、マザーガラスから、液晶表示パネルを取出す。
【0112】
対向基板2は、アレイ基板1の正規領域より小さいサイズを有し、正規領域に隙間を置いて対向配置され、第1乃至第12検査端子cp1乃至cp12から外れて位置し、アレイ基板1に接合されている。第1乃至第12検査端子cp1乃至cp12は、アレイ基板1の正規領域上に設けられ外部に露出している。駆動回路6a、6bの構成部材等、画像表示のための駆動に用いられる導電パターンは、アレイ基板1の正規領域上に設けられている。
【0113】
第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4は、アレイ基板1上に設けられ、外縁予定線e2よりアレイ基板1の端部に位置し、外縁予定線e2を越えて第1乃至第6検査端子cp1乃至cp6に接続されている。
【0114】
第5乃至第8検査配線cw5乃至cw8は、アレイ基板1上に設けられ、上記導電パターンと外縁予定線e2との間に位置し、第7乃至第12検査端子cp7乃至cp12に接続されている。
【0115】
研磨マージンをとるため、第1乃至第4検査配線cw1乃至cw4と、第5乃至第8検査配線cw5乃至cw8とは、所定の間隔を置いて配置されている。すなわち、第1検査配線cw1と第5検査配線cw5とは、列方向Yに所定の間隔を置いて配置されている。第2検査配線cw2と第6検査配線cw6とは、列方向Yに所定の間隔を置いて配置されている。第2検査配線cw2及び第3検査配線cw3と、第6検査配線cw6及び第7検査配線cw7とは、行方向Xに所定の間隔を置いて配置されている。第2検査配線cw2及び第4検査配線cw4と、第6検査配線cw6及び第8検査配線cw8とは、行方向Xに所定の間隔を置いて配置されている。
【0116】
上記のような液晶表示パネルを用意した後、液晶表示パネルの外縁を研磨する。
まず、この実施形態において、アレイ基板1の短辺側を研磨する。
アレイ基板1の下辺を研磨する際、第1検査端子cp1と第2検査端子cp2との間の電気的特性値と、第7検査端子cp7と第8検査端子cp8との間の電気的特性値とをそれぞれ測定しながら、アレイ基板1の下辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の下辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0117】
この実施形態において、第1検査端子cp1及び第2検査端子cp2から第1検査配線cw1に通電し、第7検査端子cp7及び第8検査端子cp8から第5検査配線cw5に通電し、第1検査端子cp1と第2検査端子cp2との間の第1電流値と、第7検査端子cp7と第8検査端子cp8との間の第2電流値とをそれぞれ測定しながら、アレイ基板1の下辺側の外縁を研磨している。
【0118】
そして、上記第1電流値から研磨が不足しているかどうかを判断することができ、上記第2電流値から研磨をし過ぎていないかどうかを判断することができる。第1電流値が0になり、第2電流値が0になる手前でアレイ基板1の下辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の下辺の位置が決定する。第1検査配線cw1と第5検査配線cw5との間の間隔を液晶表示パネルの外形精度の範囲に設定しておけば、研磨精度の確認を保障することが可能となる。
【0119】
アレイ基板1の上辺を研磨する際、第3検査端子cp3と第4検査端子cp4との間の電気的特性値と、第9検査端子cp9と第10検査端子cp10との間の電気的特性値とをそれぞれ測定しながら、アレイ基板1の上辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の上辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0120】
この実施形態において、第3検査端子cp3と第4検査端子cp4から第2検査配線cw2に通電し、第9検査端子cp9と第10検査端子cp10から第6検査配線cw6に通電し、第3検査端子cp3と第4検査端子cp4との間の第3電流値と、第9検査端子cp9と第10検査端子cp10との間の第4電流値とをそれぞれ測定しながら、アレイ基板1の上辺側の外縁を研磨している。
【0121】
そして、上記第3電流値から研磨が不足しているかどうかを判断することができ、上記第4電流値から研磨をし過ぎていないかどうかを判断することができる。第3電流値が0になり、第4電流値が0になる手前でアレイ基板1の上辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の上辺の位置が決定する。第2検査配線cw2と第6検査配線cw6との間の間隔を液晶表示パネルの外形精度の範囲に設定しておけば、研磨精度の確認を保障することが可能となる。なお、液晶表示パネルの外形精度を高めるため、アレイ基板1の上辺とともに対向基板2の上辺も一緒に研磨される場合があり得る。
これにより、アレイ基板1の短辺側が研磨される。
【0122】
続いて、この実施形態において、アレイ基板1の長辺側を研磨する。
アレイ基板1の左辺を研磨する際、第3検査端子cp3と第5検査端子cp5との間の電気的特性値と、第9検査端子cp9と第11検査端子cp11との間の電気的特性値とをそれぞれ測定しながら、アレイ基板1の左辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の左辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0123】
この実施形態において、第3検査端子cp3と第5検査端子cp5から第2検査配線cw2及び第3検査配線cw3間に通電し、第9検査端子cp9及び第11検査端子cp11から第6検査配線cw6及び第7検査配線cw7間に通電し、第3検査端子cp3と第5検査端子cp5との間の第5電流値と、第9検査端子cp9と第11検査端子cp11との間の第6電流値とをそれぞれ測定しながら、アレイ基板1の左辺側の外縁を研磨している。
【0124】
そして、上記第5電流値から研磨が不足しているかどうかを判断することができ、上記第6電流値から研磨をし過ぎていないかどうかを判断することができる。第5電流値が0になり、第6電流値が0になる手前でアレイ基板1の左辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の左辺の位置が決定する。第2検査配線cw2及び第3検査配線cw3と、第6検査配線cw6及び第7検査配線cw7との間の間隔を液晶表示パネルの外形精度の範囲に設定しておけば、研磨精度の確認を保障することが可能となる。なお、液晶表示パネルの外形精度を高めるため、アレイ基板1の左辺とともに対向基板2の左辺も一緒に研磨される場合があり得る。
【0125】
アレイ基板1の右辺を研磨する際、第4検査端子cp4と第6検査端子cp6との間の電気的特性値と、第10検査端子cp10と第12検査端子cp12との間の電気的特性値とをそれぞれ測定しながら、アレイ基板1の右辺側の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の右辺(外縁)の研磨量を判断する。
【0126】
この実施形態において、第4検査端子cp4及び第6検査端子cp6から第2検査配線cw2及び第4検査配線cw4間に通電し、第10検査端子cp10及び第12検査端子cp12から第6検査配線cw6及び第8検査配線cw8間に通電し、第4検査端子cp4と第6検査端子cp6との間の第7電流値と、第10検査端子cp10と第12検査端子cp12との間の第8電流値とをそれぞれ測定しながら、アレイ基板1の右辺側の外縁を研磨している。
【0127】
そして、上記第7電流値から研磨が不足しているかどうかを判断することができ、上記第8電流値から研磨をし過ぎていないかどうかを判断することができる。第7電流値が0になり、第8電流値が0になる手前でアレイ基板1の右辺の研磨が終了することにより、アレイ基板1の右辺の位置が決定する。第2検査配線cw2及び第4検査配線cw4と、第6検査配線cw6及び第8検査配線cw8との間の間隔を液晶表示パネルの外形精度の範囲に設定しておけば、研磨精度の確認を保障することが可能となる。なお、液晶表示パネルの外形精度を高めるため、アレイ基板1の右辺とともに対向基板2の右辺も一緒に研磨される場合があり得る。
これにより、アレイ基板1の短辺側に続き、アレイ基板1の長辺側も研磨される。
【0128】
図3に示すように、その後、アレイ基板1及び対向基板2の外面にそれぞれ偏光板を配置したり、アレイ基板1の額縁領域R2上にICドライバを搭載したりすることにより、液晶表示パネルが完成する。
【0129】
上記のように構成された第3の実施形態に係る液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法によれば、製造段階の液晶表示パネルは、アレイ基板1と、導電パターンと、第1乃至第12検査端子cp1乃至cp12と、第1乃至第8検査配線cw1乃至cw8と、対向基板2と、を備えている。
【0130】
液晶表示パネルを完成させる際、上記液晶表示パネルを用意した後、検査端子間の電気的特性値を測定しながら、アレイ基板1の外縁を研磨する。そして、測定した電気的特性値を基に、アレイ基板1の外縁の研磨量を判断する。すなわち、上記研磨を継続するべきか停止するべきかどうかを判断したり、これ以上研磨するべきではない位置に到達していないかどうかを判断したりすることができる。
【0131】
上記のことから、アレイ基板1の外縁の研磨量を、簡便な手法にて短時間に判断することのできる液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法を得ることができる。そして、外形精度の高い液晶表示パネルを得ることができる。すなわち、液晶表示パネルの外形の高精度化の要求に応じることができる。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0133】
例えば、第1乃至第8検査配線cw1乃至cw8は、導体で形成されていればよい。但し、検査端子間の電気的特性値を測定することを考慮すると、第1乃至第8検査配線cw1乃至cw8は、MoWやTAT等の金属で形成されている方が好ましい。
【0134】
なお、研磨途中で電流値を検出するのではなく、例えば、ほぼ研磨が終了すると推測される適当な時間だけ研磨を行い、その後、各端子の電流値を測定して外形(の位置)を確認するといったような場合にも本発明の実施形態の構成を利用できることは、もちろんである。
【0135】
本発明の実施形態は、上述した液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法に限定されるものではなく各種の液晶表示パネル及び液晶表示パネルの製造方法に適用することが可能であり、液晶表示パネル以外の表示パネル及び表示パネルの製造方法に適用することも可能である
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、
前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子及び第2検査端子と、
前記アレイ基板上に設けられ前記外縁予定線より前記アレイ基板の端部に位置し前記外縁予定線を越えて前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された検査配線と、
前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1検査端子及び第2検査端子から外れて位置し前記アレイ基板に接合された対向基板と、を備える表示パネル。
[2]正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、
前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ画像表示のための駆動に用いられる導電パターンと、
前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子及び第2検査端子と、
前記アレイ基板上に設けられ前記導電パターンと前記外縁予定線との間に位置し前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された検査配線と、
前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1検査端子及び第2検査端子から外れて位置し前記アレイ基板に接合された対向基板と、を備える表示パネル。
[3]前記検査配線は、金属で形成されている[1]又は[2]に記載の表示パネル。
[4]正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、
前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ画像表示のための駆動に用いられる導電パターンと、
前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子、第2検査端子、第3検査端子及び第4検査端子と、
前記アレイ基板上に設けられ前記外縁予定線より前記アレイ基板の端部に位置し前記外縁予定線を越えて前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された第1検査配線と、
前記第1検査配線に隙間を置いて前記アレイ基板上に設けられ前記導電パターンと前記外縁予定線との間に位置し前記第3検査端子及び第4検査端子に接続された第2検査配線と、
前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1乃至第4検査端子から外れて位置し前記マザー基板に接合された対向基板と、を備える表示パネル。
[5]前記第1検査配線及び第2検査配線は、金属で形成されている[4]に記載の表示パネル。
[6]正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子及び第2検査端子と、前記アレイ基板上に設けられ前記外縁予定線より前記アレイ基板の端部に位置し前記外縁予定線を越えて前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された検査配線と、前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1検査端子及び第2検査端子から外れて位置し前記アレイ基板に接合された対向基板と、を備える表示パネルを用意し、
前記第1検査端子と前記第2検査端子との間の電気的特性値を測定しながら、前記アレイ基板の外縁を研磨し、
前記測定した電気的特性値を基に、前記アレイ基板の外縁の研磨量を判断する表示パネルの製造方法。
[7]正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ画像表示のための駆動に用いられる導電パターンと、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子及び第2検査端子と、前記アレイ基板上に設けられ前記導電パターンと前記外縁予定線との間に位置し前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された検査配線と、前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1検査端子及び第2検査端子から外れて位置し前記アレイ基板に接合された対向基板と、を備える表示パネルを用意し、
前記第1検査端子と前記第2検査端子との間の電気的特性値を測定しながら前記アレイ基板の外縁を研磨し、
前記測定した電気的特性値を基に、前記アレイ基板の外縁の研磨量を判断する表示パネルの製造方法。
[8]正規領域の外縁となる外縁予定線を有したアレイ基板と、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ画像表示のための駆動に用いられる導電パターンと、前記アレイ基板の前記正規領域上に設けられ外部に露出した第1検査端子、第2検査端子、第3検査端子及び第4検査端子と、前記アレイ基板上に設けられ前記外縁予定線より前記アレイ基板の端部に位置し前記外縁予定線を越えて前記第1検査端子及び第2検査端子に接続された第1検査配線と、前記第1検査配線に隙間を置いて前記アレイ基板上に設けられ前記導電パターンと前記外縁予定線との間に位置し前記第3検査端子及び第4検査端子に接続された第2検査配線と、前記正規領域より小さいサイズを有し前記正規領域に隙間を置いて対向配置され前記第1乃至第4検査端子から外れて位置し前記マザー基板に接合された対向基板と、を備える表示パネルを用意し、
前記第1検査端子と前記第2検査端子との間の電気的特性値と、前記第3検査端子と前記第4検査端子との間の他の電気的特性値とをそれぞれ測定しながら、前記アレイ基板の外縁を研磨し、
前記測定した電気的特性値及び他の電気的特性値を基に、前記アレイ基板の外縁の研磨量を判断する表示パネルの製造方法。
【符号の説明】
【0136】
1…アレイ基板、6a.6b…駆動回路、11…ガラス基板、cp1〜cp12…第1乃至第12検査端子、cw1〜cw8…第1乃至第8検査配線、2…対向基板、51…シール材、101,102…マザーガラス、e1…第1分断予定線、e2…外縁予定線、e3…第2分断予定線、R1…表示領域、R2…額縁領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17