特許第6186188号(P6186188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186188
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】フォーマポンプ
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20170814BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   B65D83/00 K
   B65D47/34 110
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-136262(P2013-136262)
(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公開番号】特開2015-9840(P2015-9840A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】石塚 徹也
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−112382(JP,A)
【文献】 特開2012−206054(JP,A)
【文献】 特開2013−095469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B65D 47/34
B05B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が収容された容器体の口部に、上方付勢状態で下方移動可能に立設されるステムと、
前記ステムの上端部に配設されノズル孔が形成された押下ヘッドと、
前記ステムに連係する液用ピストンと、
内部に前記液用ピストンが上下摺動自在に収容された液用シリンダと、
前記ステムに連係する空気用ピストンと、
内部に前記空気用ピストンが上下摺動自在に収容された空気用シリンダと、
前記液用シリンダからの液体と前記空気用シリンダからの空気とを混合する気液混合室と、
前記気液混合室と前記ノズル孔との間に配設され、前記気液混合室からの気液混合体を発泡する発泡部材と、を備えるフォーマポンプであって、
前記押下ヘッドは、前記ステムの上端部に着脱自在に配設され、
前記押下ヘッドには、前記ステム内と前記ノズル孔とを連通する連通路が形成され、
前記発泡部材は、前記連通路内に着脱自在に配設され、
前記押下ヘッドには、前記ステムの上端部に着脱自在に装着され、内部が前記連通路の一部を構成する装着筒部が備えられ、
前記発泡部材は、前記装着筒部の下端部に配設され、
前記発泡部材は、前記装着筒部の下端部内に着脱自在に嵌合されたケーシングと、前記ケーシング内に装着された発泡エレメントと、を備え
前記ケーシングの下端部には、径方向の外側に向けて突出する突出部が設けられ、
前記装着筒部が前記ステムの上端部に装着された状態で、前記ケーシングの下端部は、前記装着筒部から下方に向けて突出し、かつ、前記突出部の上面と前記装着筒部の下端部との間には、上下方向の隙間が設けられていることを特徴とするフォーマポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーマポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示すようなフォーマポンプが知られている。フォーマポンプは、液体が収容された容器体の口部に、上方付勢状態で下方移動可能に立設されるステムと、ステムの上端部に配設されノズル孔が形成された押下ヘッドと、ステムに連係する液用ピストンと、内部に液用ピストンが上下摺動自在に収容された液用シリンダと、ステムに連係する空気用ピストンと、内部に空気用ピストンが上下摺動自在に収容された空気用シリンダと、液用シリンダからの液体と空気用シリンダからの空気とを混合する気液混合室と、気液混合室とノズル孔との間に配設され、気液混合室からの気液混合体を発泡する発泡部材と、を備えている。
フォーマポンプは、押下ヘッドを押し下げてステムを下方に移動させることにより、容器体内の内容物を移送するとともに空気と混合させ、これらの気液混合体が発泡されてなる泡状の内容物(以下、泡体という)を吐出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−13945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のフォーマポンプでは、繰り返し使用する過程で、例えば発泡部材上で液体が固化すること等を起因として、泡体を適正な泡質に発泡し難くなる可能性がある。この可能性は、フォーマポンプを長期にわたって使用するほど高まる。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、適正な泡質の泡体を長期にわたって吐出することができるフォーマポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るフォーマポンプは、液体が収容された容器体の口部に、上方付勢状態で下方移動可能に立設されるステムと、前記ステムの上端部に配設されノズル孔が形成された押下ヘッドと、前記ステムに連係する液用ピストンと、内部に前記液用ピストンが上下摺動自在に収容された液用シリンダと、前記ステムに連係する空気用ピストンと、内部に前記空気用ピストンが上下摺動自在に収容された空気用シリンダと、前記液用シリンダからの液体と前記空気用シリンダからの空気とを混合する気液混合室と、前記気液混合室と前記ノズル孔との間に配設され、前記気液混合室からの気液混合体を発泡する発泡部材と、を備えるフォーマポンプであって、前記押下ヘッドは、前記ステムの上端部に着脱自在に配設され、前記押下ヘッドには、前記ステム内と前記ノズル孔とを連通する連通路が形成され、前記発泡部材は、前記連通路内に着脱自在に配設され、前記押下ヘッドには、前記ステムの上端部に着脱自在に装着され、内部が前記連通路の一部を構成する装着筒部が備えられ、前記発泡部材は、前記装着筒部の下端部に配設され、前記発泡部材は、前記装着筒部の下端部内に着脱自在に嵌合されたケーシングと、前記ケーシング内に装着された発泡エレメントと、を備え、前記ケーシングの下端部には、径方向の外側に向けて突出する突出部が設けられ、前記装着筒部が前記ステムの上端部に装着された状態で、前記ケーシングの下端部は、前記装着筒部から下方に向けて突出し、かつ、前記突出部の上面と前記装着筒部の下端部との間には、上下方向の隙間が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、押下ヘッドが、ステムの上端部に着脱自在に配設されているので、押下ヘッドをステムの上端部から取り外して発泡部材を容易に洗浄することができる。これにより、例えば発泡部材上で固化した液体を除去すること等が可能になり、適正な泡質の泡体を長期にわたって吐出することができる。
また、発泡部材が、連通路内に着脱自在に配設されているので、発泡部材を、押下ヘッドから離脱させた状態で洗浄することが可能になり、発泡部材を確実に洗浄することができる。
また、発泡部材が、装着筒部の下端部に配設されているので、装着筒部をステムの上端部から取り外したときに、発泡部材を押下ヘッドから外部に露出させることが可能になり、発泡部材を一層容易に洗浄することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るフォーマポンプによれば、適正な泡質の泡体を長期にわたって吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るフォーマポンプを備える吐出容器を示す縦断面図である。
図2図1に示すフォーマポンプの要部を示す拡大縦断面図である。
図3図1に示すフォーマポンプの要部を分解した拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るフォーマポンプを備える吐出容器を説明する。
図1および図2に示すように、吐出容器1は、容器体2と、フォーマポンプ10と、を備えている。容器体2には、液状の内容物(液体)が収容される。フォーマポンプ10は、容器体2内の内容物を泡状にして吐出する。
【0015】
フォーマポンプ10は、装着キャップ11と、空気用シリンダ12と、液用シリンダ13と、液用ピストン14と、ステム15と、空気用ピストン16と、気液混合室17と、押下ヘッド18と、発泡部材19と、を備えている。
【0016】
ここで空気用シリンダ12、液用シリンダ13、液用ピストン14および空気用ピストン16は筒状に形成されている。これらの空気用シリンダ12、液用シリンダ13、液用ピストン14および空気用ピストン16、並びに前述の装着キャップ11およびステム15の各中心軸線は、共通軸上に位置し、容器体2の軸線と同軸に配置されている。
以下、この共通軸を軸線Oといい、軸線Oに沿う方向を上下方向といい、上下方向に沿った容器体2の底部側を下側といい、下側の反対側を上側といい、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
【0017】
装着キャップ11は、容器体2の口部2aに装着される。装着キャップ11は、容器体2の口部2aに螺着される下筒部21と、下筒部21よりも小径の上筒部22と、これらの下筒部21および上筒部22を連結する連結段部23と、を備えている。
【0018】
上筒部22の上端部には、径方向の外側に向けて突出する環状の突状部22aが形成されている。上筒部22において突状部22aよりも下側に位置する部分には、押下ヘッド18の下方への移動を規制する規制部材24が装着されている。規制部材24は、このフォーマポンプ10を上方から見た上面視においてC字状をなし、上筒部22に離脱可能に外嵌されている。
【0019】
空気用シリンダ12は、装着キャップ11の前記連結段部23と容器体2の口部2aとの間に上下方向に挟持された環状の取付け部25と、取付け部25から下方に向けて延設された周壁部26と、周壁部26から径方向の内側に向けて突設された環状の底壁部27と、を備えている。
【0020】
液用シリンダ13は、空気用シリンダ12と一体に形成されている。液用シリンダ13は、空気用シリンダ12の底壁部27の内周縁から下方に向けて延設された基筒部28と、基筒部28の下端から下方に向けて連設され、下方に向かうに従い漸次縮径するテーパ部29と、テーパ部29の下端から下方に向けて連設された垂下筒部30と、を備えている。液用シリンダ13において基筒部28とテーパ部29とが連結された部分の内周面には、上下方向に延在する縦リブが、周方向に間隔をあけて複数突設されている。
【0021】
液用シリンダ13の内部には、前記液用ピストン14が上下摺動自在に収容されている。液用ピストン14は、ステム15に連係する。液用ピストン14は、液用シリンダ13内に液密状態で上下摺動可能に嵌合する大径部31と、下端が大径部31に連結された小径部32と、を備えている。液用ピストン14は、この液用ピストン14において大径部31と小径部32とが連結された部分と、液用シリンダ13の前記縦リブと、の間に介装された付勢部材33により、上方に付勢されている。なお付勢部材33としては、例えばコイルスプリングや樹脂バネ等を採用することができる。
【0022】
液用シリンダ13、液用ピストン14および付勢部材33内には、棒状の弁部材34が挿通されている。弁部材34の上端部には、中空の逆円錐状の上部弁体34aが形成され、弁部材34の下端部には、下部弁体34bが形成されている。上部弁体34aは、液用ピストン14の上端部に形成された弁座部に、この弁座部の上方から離間可能に着座する。下部弁体34bは、液用シリンダ13のテーパ部29から上方に離間していて、テーパ部29に着座可能に形成されている。下部弁体34bの外周面には、液用シリンダ13の前記縦リブの間に配置されるガイド凸部が突設されている。
【0023】
ステム15は、容器体2の口部2aに、上方付勢状態で下方移動可能に立設される。ステム15は、下ステム35と、上ステム36と、を備えている。下ステム35および上ステム36はいずれも筒状に形成されている。
【0024】
下ステム35は、空気用シリンダ12内に挿通されている。下ステム35の下端部は、液用ピストン14の小径部32に外嵌されている。下ステム35には、径方向の外側に向けて突出する環状のフランジ部35aと、径方向の内側に向けて突出する環状の台座部35bと、が、下方からこの順に上下方向に間隔をあけて配置されている。下ステム35のうち、台座部35bよりも上側に位置する上端部は、装着キャップ11の上筒部22内に配置されている。
【0025】
上ステム36は、装着キャップ11の上筒部22内に挿通され、下ステム35の上端部に外嵌されている。上ステム36の下端部は、この上ステム36において下端部よりも上側に位置し、かつ下ステム35の上端部に外嵌された外嵌部分よりも内径が大きくなっている。上ステム36内には、嵌合筒部36aが設けられている。嵌合筒部36aは、下ステム35の上端部内に嵌合されている。嵌合筒部36aの上端部は、上ステム36において前記外嵌部分よりも上側に位置する部分に連結されている。
【0026】
上ステム36の外周面と装着キャップ11の上筒部22の内周面との間には、第1回転規制部55が設けられている。第1回転規制部55は、押下ヘッド18と装着キャップ11との相対的な周方向の回転を規制する。第1回転規制部55は、上ステム36の外周面に形成された内規制リブ55a(係止部)と、上筒部22の内周面に形成された外規制リブ55b(係止部)と、を備えている。内規制リブ55aと外規制リブ55bとは周方向に交互に配設されている。第1回転規制部55は、内規制リブ55aと外規制リブ55bとが係止し合うことで、押下ヘッド18と装着キャップ11との相対的な回転を規制する。
【0027】
空気用ピストン16は、空気用シリンダ12の内部に上下摺動自在に収容されている。空気用ピストン16は、ステム15に連係する。空気用ピストン16は、下ステム35に外装された内筒部37と、空気用シリンダ12内に嵌合された外筒部38と、これらの内筒部37と外筒部38とを連結する連結部39と、を備えている。
【0028】
内筒部37は、下ステム35において前記フランジ部35aよりも上側に位置し、かつ前記台座部35bよりも下側に位置する摺動部分に、上下摺動可能に外嵌されている。内筒部37において連結部39に連結された連結部分よりも上側に位置する上端部には、上ステム36の下端部が、上下摺動可能に外嵌している。内筒部37の下端縁は、フランジ部35aに離間可能に着座している。
【0029】
連結部39は、内筒部37および外筒部38それぞれにおける上下方向の中央部同士を全周にわたって連結する環状に形成されている。連結部39には、空気用シリンダ12の内部のうち、この連結部39よりも上方に画成される上室40a内と、この連結部39よりも下方に画成される下室40b内と、を連通する貫通孔が形成されている。
【0030】
内筒部37において連結部39に連結された部分よりも下側に位置する部分には、弁筒部41が嵌合されている。弁筒部41の外周面には、前記貫通孔を開閉する弾性変形可能な環状の外気導入弁41aが突設されている。外気導入弁41aの外周縁部は連結部39の下面に離間可能に密接している。
【0031】
気液混合室17は、液用シリンダ13からの内容物と空気用シリンダ12からの空気とを混合する。気液混合室17は、下ステム35内に配設されていて、図示の例では、下ステム35の前記上端部内とされている。気液混合室17内には、台座部35bに着座する球状の液吐出弁17aが設けられている。液吐出弁17aは、台座部35bに離間可能に形成されている。
【0032】
気液混合室17は、前記下室40bに、空気導入路42を通して連通可能となっている。空気導入路42は、嵌合筒部36aの外周面に形成された第1連通溝と、上ステム36の前記外嵌部分の内周面に形成された第2連通溝と、下ステム35の前記摺動部分の外周面に形成された第3連通溝と、を備えている。
【0033】
押下ヘッド18は、ステム15の上端部に着脱自在に配設されている。押下ヘッド18には、内容物を吐出するノズル孔43と、ノズル孔43とステム15内とを連通する連通路44と、が形成されている。押下ヘッド18は、有頂筒状のヘッド本体45と、ヘッド本体45をステム15の上端部に装着させる装着筒部46と、を備えている。
【0034】
装着筒部46は、ステム15の上端部に着脱自在に装着されている。装着筒部46は、2段筒状に形成されている。装着筒部46は、下側の縮径部47と、上側の拡径部48と、を備えている。縮径部47は、上ステム36において嵌合筒部36aが連結された部分よりも上側に位置する部分に内装されている。縮径部47の内周面には、突起部48aが設けられている。突起部48aは、周方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0035】
縮径部47において拡径部48に連結される部分には、雄ねじ部47aが形成されている。雄ねじ部47aは、上ステム36の内周面に形成された雌ねじ部36bに組み合わされていて、装着筒部46は、ステム15に螺着されている。なお、装着筒部46がステム15に対して締め込まれる方向と、装着キャップ11が容器体2の口部2aに対して締め込まれる方向と、は、互いに周方向に沿った反対側を向いていてもよい。
【0036】
ヘッド本体45は、軸線Oと同軸に配置されている。ヘッド本体45には、天壁部から下方に向けて突出する流路筒部49と、流路筒部49から径方向の外側に向けて突出する吐出筒部50と、が設けられている。
【0037】
流路筒部49は、装着筒部46の拡径部48内に嵌合されている。流路筒部49の外周面と装着筒部46の内周面との間には、第2回転規制部51が設けられている。第2回転規制部51は、ヘッド本体45と装着筒部46との相対的な周方向の回転を規制する。第2回転規制部51は、流路筒部49の外周面に形成された凹溝部51a(係止部)と、拡径部48の内周面に形成された凸リブ部51b(係止部)と、を備えている。凹溝部51aは下方に向けて開口し、凸リブ部51bは凹溝部51a内に嵌合している。第2回転規制部51は、凹溝部51aと凸リブ部51bとが互いに係止し合うことで、ヘッド本体45と装着筒部46との相対的な回転を規制する。
【0038】
吐出筒部50は、ヘッド本体45の周壁部から径方向の外側に向けて突出している。吐出筒部50の径方向の外側の端部は、前記ノズル孔43とされている。吐出筒部50内は、流路筒部49内に連通していて、吐出筒部50内、流路筒部49内および装着筒部46の縮径部47内が、前記連通路44を構成している。
【0039】
ヘッド本体45内には、リング状部52が嵌合されている。リング状部52は、押下ヘッド18内への内容物などの内容物の浸入を規制する。リング状部52は、ヘッド本体45の周壁部の下端部内に嵌合されていて、装着キャップ11の前記突状部22aに、径方向の外側から近接または当接している。
【0040】
発泡部材19は、気液混合室17とノズル孔43との間に配設され、気液混合室17からの気液混合体を発泡する。発泡部材19は、連通路44内に着脱自在に配設されている。発泡部材19は、装着筒部46の下端部に配設されている。発泡部材19は、ケーシング53と、発泡エレメント54と、を備えている。
【0041】
ケーシング53は、上下方向の両側に向けて開口する筒状に形成されている。ケーシング53は、装着筒部46の下端部内に着脱可能に嵌合されている。ケーシング53の上端部は、装着筒部46の前記突起部48aに、この突起部48aの下方から当接している。ケーシング53の下端部は、装着筒部46から下方に向けて突出している。この下端部には、径方向の外側に向けて突出する突出部53aが設けられている。ケーシング53の下端部および突出部53aは、嵌合筒部36aの上端部に、この上端部の上方から当接している。突出部53aは、環状に形成され、突出部53aの上面と装着筒部46の下端部との間には、上下方向の隙間が設けられている。
【0042】
発泡エレメント54は、2つ設けられていて、これらの両発泡エレメント54は、ケーシング53内に装着されている。両発泡エレメント54のうち、下側の発泡エレメント54は、筒体の下側開口面にメッシュ体が張設されてなり、上側の発泡エレメント54は、筒体の上側開口面にメッシュ体が張設されてなる。
【0043】
以上のように構成されたフォーマポンプ10は、押下ヘッド18を押し下げてステム15を下方に移動させることにより、容器体2内の内容物を移送するとともに空気と混合させ、これらの気液混合体が発泡されてなる泡状の内容物(以下、泡体という)をノズル孔43から吐出する。
【0044】
この吐出容器1の使用時には、装着キャップ11から規制部材24を離脱させた後、押下ヘッド18を下方へ押し下げて、ステム15および液用ピストン14を一体的に押し下げる。
【0045】
このとき、空気用ピストン16の内筒部37が下ステム35の前記摺動部分の外周面上を摺動するとともに、内筒部37の上端部が上ステム36の内周面上を摺動することにより、空気用ピストン16の上下方向の位置が保持される。その結果、下ステム35のフランジ部35aと、空気用ピストン16の内筒部37の下端縁と、の間に、前記空気導入路42と前記下室40bとを連通する図示しない連通隙間が設けられ、下室40bと気液混合室17とが連通される。またこのとき、弁部材34も下方に移動させられ、弁部材34の下部弁体34bが液用シリンダ13のテーパ部29に着座して、液用シリンダ13の下端開口部が閉塞される。
【0046】
上ステム36の下端縁が、空気用ピストン16の連結部39に当接するまで押下ヘッド18を押し下げると、押下ヘッド18とともに空気用ピストン16が下方に移動し、空気用ピストン16の外筒部38が、空気用シリンダ12の周壁部26の内周面上を、下方に向けて摺動する。
【0047】
このとき、空気用ピストン16の弁筒部41の外気導入弁41aは、連結部39の下面に密接されたままの状態であり、前記貫通孔は閉塞されている。これにより、下室40b内の空気が圧縮され、この空気が、前記連通隙間および空気導入路42を通して気液混合室17に移送される。またこのとき、液用シリンダ13の下端開口部が閉塞された状態で、付勢部材33を圧縮変形させつつ、液用ピストン14を下方に移動させて、弁部材34の上部弁体34aを液用ピストン14の前記弁座部から離間させる。これにより、液用シリンダ13の内部と下ステム35の内部とが連通され、液用シリンダ13内の内容物が、前記弁座部の内側および上部弁体34aの外側を通過して下ステム35内の気液混合室17に移送される。
【0048】
以上のように、押下ヘッド18を押し下げることにより、気液混合室17に空気および内容物がそれぞれ移送され、これらは気液混合室17で合流して混合される。この気液混合体は、発泡部材19に移送され、下側の発泡エレメント54のメッシュ体および上側の発泡エレメント54のメッシュ体を順次通過することで発泡させられて泡体になり、連通路44を流通してノズル孔43から吐出される。
【0049】
その後、押下ヘッド18の押し下げを解除すると、付勢部材33の弾性復元力により液用ピストン14が上方に押し上げられる。これにより、液用ピストン14の前記弁座部が弁部材34の上部弁体34aに当接して閉じられ、気液混合室17への内容物の移送が停止される。
【0050】
また、このように上昇する液用ピストン14とともに、ステム15および押下ヘッド18が一体的に上昇し、下ステム35のフランジ部35aが空気用ピストン16の内筒部37の下端縁に当接することで、空気導入路42を通した下室40bと気液混合室17との連通が遮断され、気液混合室17への空気の移送が停止される。その後、付勢部材33の弾性復元力により、空気用ピストン16が押し上げられることで、前記下室40b内が負圧状態となり、空気用ピストン16の弁筒部41の外気導入弁41aが下方に弾性変形させられて、前記貫通孔が開放される。これにより、前記貫通孔および前記上室40aを通して下室40b内に外気が供給される。
【0051】
ところで、この吐出容器1は、長期にわたって繰り返し使用する過程で、例えば発泡部材19上で内容物が固化すること等を起因として、泡体を適正な泡質に発泡し難くなったり、泡体の発泡そのものができなくなったりする可能性がある。この場合、図3に示すように、押下ヘッド18をステム15に対して周方向に相対的に回転させ、装着筒部46のステム15に対する締め込みを緩めて押下ヘッド18をステム15の上端部から離脱させる。その後、押下ヘッド18から発泡部材19を下方に向けて引き抜いて離脱させ、発泡部材19を洗浄する。なおこのとき、発泡部材19と並行して、押下ヘッド18の連通路44およびノズル孔43を洗浄してもよい。また、押下ヘッド18から発泡部材19を離脱させず、発泡部材19が連通路44内に配設された状態で、発泡部材19および連通路44を一体に洗浄してもよい。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係るフォーマポンプ10によれば、押下ヘッド18が、ステム15の上端部に着脱自在に配設されているので、押下ヘッド18をステム15の上端部から取り外して発泡部材19を容易に洗浄することができる。これにより、例えば発泡部材19上で固化した内容物を除去すること等が可能になり、適正な泡質の泡体を長期にわたって吐出することができる。
【0053】
また発泡部材19が、装着筒部46の下端部に配設されているので、装着筒部46をステム15の上端部から取り外したときに、発泡部材19を押下ヘッド18から外部に露出させることが可能になり、発泡部材19を一層容易に洗浄することができる。
さらに発泡部材19が、連通路44内に着脱自在に配設されているので、発泡部材19を、押下ヘッド18から離脱させた状態で洗浄することが可能になり、発泡部材19を確実に洗浄することができる。
【0054】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0055】
例えば、規制部材24およびリング状部52がなくてもよい。
【0056】
前記実施形態では、装着筒部46がヘッド本体45と別体に形成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、装着筒部がヘッド本体に一体に形成されていてもよい。
前記実施形態では、装着筒部46がステム15に螺着されているが、本発明はこれに限られない。例えば、装着筒部が、ステムに嵌合されていてもよい。
【0057】
前記実施形態では、発泡部材19は、連通路44内に着脱自在に配設されているが、本発明はこれに限られない。例えば、発泡部材が、連通路内に離脱不能に装着されていてもよい。
前記実施形態では、発泡部材19は、装着筒部46の下端部に配設されているが、本発明はこれに限られない。例えば、発泡部材が流路筒部内に配設されていてもよい。
【0058】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0059】
2 容器体
2a 口部
10 フォーマポンプ
12 空気用シリンダ
13 液用シリンダ
14 液用ピストン
15 ステム
16 空気用ピストン
17 気液混合室
18 押下ヘッド
19 発泡部材
43 ノズル孔
44 連通路
46 装着筒部
図1
図2
図3