(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
加工刃を有する加工体と受部材を有する受体とからなり、加工刃の刃先と、加工刃の種類に対応した種類の、受部材の受部とが、係合することによって、両者の間に位置する用紙に加工を施す、加工機において、
加工刃は、2以上の異なる種類の加工刃からなる刃群から任意に選択された1つの加工刃であり、且つ、刃群の他の加工刃と交換可能に、加工体に、取り付けられており、
受部材には、刃群の加工刃の2以上の種類に対応した種類の受部が、形成されており、
加工体に取り付けられた加工刃は、対応した種類の受部に対して刃先が係合可能な位置となるように、位置決めされるようになっており、
加工刃が、回転刃であり、
加工刃は、ボス部を有しており、加工刃の種類に応じて設定されたボス部の肉厚によって、位置決めされるようになっている、
ことを特徴とする加工機。
制御部は、検知された加工刃の種類と、設定された加工情報を実行するために必要とされる加工刃の種類と、を比較し、両者が一致しない場合には、加工機の作動開始を停止する、停止部を、更に、有している、
請求項10〜12のいずれか一つに記載の用紙加工装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態の加工機、を備えた用紙加工装置について、説明する。
【0015】
[全体構成]
図1は、本実施形態の加工機、を備えた用紙加工装置の、模式断面図である。用紙加工装置1は、装置本体10の両端に、給紙トレイを有する給紙部11と、排紙トレイを有する排紙部12と、を備えている。給紙部11から排紙部12へは、多数個の対のローラ21からなる搬送機構2によって搬送経路20が構成されている。搬送機構2は、用紙を、給紙部11から排紙部12へ向けて、矢印S方向に、搬送するようになっている。矢印Sが示す搬送方向において、給紙部11側を「上流側」と称し、排紙部12側を「下流側」と称する。そして、搬送経路20上には、給紙部11側から、搬送補正部、情報読取部、及びリジェクト部等(図示せず)を、経て、第1加工装置部3、第2加工装置部4、及び第3加工装置部5等が設けられている。これらは全て装置本体10に支持されている。
【0016】
なお、加工装置部の数は、加工の数に応じて定まり、3個に限らない。また、加工装置部は、1個以上の、好ましくは2個の、加工機を、有している。加工機は、加工刃を有する加工体と受部材を有する受体とからなり、加工刃の刃先と、加工刃の種類に対応した種類の、受部材の受部とが、係合することによって、両者の間に位置する用紙に加工を施すようになっている。
【0017】
また、用紙加工装置1は、装置全体の作動を制御する制御部6を装置本体10内に備えている。制御部6は、操作パネル60に接続したCPUを有している。更に、用紙加工装置1は、用紙の加工によって発生する切屑を収容するためのゴミ箱101を装置本体10内の底部に有している。
【0018】
[搬送機構]
搬送機構2には、搬送機構の駆動部(図示せず)が連結している。
【0019】
[操作パネル]
操作パネル60は、設定部601及び表示部602を有している。作業者は、設定部601によって、用紙の加工情報、すなわち、用紙に対する加工の種類及び位置を含む加工内容を、設定することができる。表示部602は、加工機に取り付けられている加工刃の種類を、表示できる。
【0020】
[加工装置部]
第3加工装置部5について、説明する。
図2は、用紙加工装置1における第3加工装置部5の部分を示している。第3加工装置部5は、加工ユニット51と、加工ユニット51が着脱自在に装着される受容部52と、からなっている。受容部52には、加工ユニット51を駆動する駆動部(後述する)と、ユニット検出部の一部と、が設けられている。受容部52は、装置本体10に構成されている。
【0021】
(加工ユニット)
図3は、加工ユニット51を上流側から見た正面図である。
【0022】
加工ユニット51は、天板511と、天板511の両端部から垂下された左側板512及び右側板513と、両側板512、513の下端部を連結した底フレーム514と、によって外枠体50が構成されている。天板511の上面には、加工ユニット51を受容部52に対して着脱する際に把持する取手5111が、2個設けられている。
【0023】
加工ユニット51は、外枠体50の内部スペース500に、2個の加工機7A、7Bを、有している。加工ユニット51は、更に、加工機の加工刃を回転させるための回転機構と、各加工機を、それぞれ独立して、搬送方向に対する直交方向である幅方向Wに移動させるための、幅方向移動機構と、加工機の加工刃を受部材に対して接離方向に移動させるための、接離方向移動機構と、加工ユニットの種類を検出するユニット検出部の一部と、加工機の加工刃の識別情報を読み取る読取部と、を備えている。第3加工装置部5においては、接離方向移動機構によって、加工刃が、受部材に対して、接近状態と離間状態とを取り得るようになっている。本実施形態では、接離方向は上下方向である。
【0024】
(a)加工機
加工機7A、7Bは、本実施形態の加工機である。
図4は、
図3のIV−IV断面矢視図であり、加工機7Bの側面図である。
図5は、
図4のV矢視図である。
図6は、加工機7Bの斜視図である。なお、加工機7Bの構成と加工機7Aの構成とは、鏡像関係にある。
【0025】
加工機7Bは、加工刃23を有する加工体71と、受部材751を有する受体75と、からなっている。本実施形態では、加工刃23は、ミシン刃、クリース刃、ハーフカット刃、及びマイクロミシン刃からなる刃群から、任意に選択された1種の加工刃であり、
図4〜
図6では、ミシン刃である。
【0026】
図7は、
図5の要部拡大図であり、加工刃23としてミシン刃を取り付けた場合を示している。
図8は、
図7で示された要部の縦断面図である。加工刃23は、加工体71に支持されている軸7229に、ベアリング261、262を介して回転可能に嵌合され、軸7229にねじ込まれる留め具25によって取り付けられている。よって、加工刃23は、軸7229に対して着脱自在である。クリース刃、ハーフカット刃、及びマイクロミシン刃も、ミシン刃と同様に、軸7229に対して着脱自在である。したがって、加工刃23としては、ミシン刃と交換して、刃群の他の加工刃、すなわち、クリース刃、ハーフカット刃、又はマイクロミシン刃を、軸7229に取り付けることができる。すなわち、加工刃23は、ミシン刃、クリース刃、ハーフカット刃、及びマイクロミシン刃からなる刃群の中で、交換可能である。なお、加工体71において、軸7229の、加工刃23を取り付ける側は、オープンスペースとなっているので、加工刃23及び留め具25は軸7229に対して取り付けやすい。
図9は、加工刃23としてクリース刃を取り付けた場合の要部拡大図である。
図10は、
図9で示された要部の縦断面図である。
図11は、加工刃23としてハーフカット刃を取り付けた場合の要部拡大図である。
図12は、
図11で示された要部の縦断面図である。
図13は、加工刃23としてマイクロミシン刃を取り付けた場合の要部拡大図である。
図14は、
図13で示された要部の縦断面図である。
【0027】
一方、受部材751には、ミシン刃に対応する第1受部755と、クリース刃に対応する第2受部756と、ハーフカット刃及びマイクロミシン刃に対応する第3受部757と、が形成されている。第1受部755は、ミシン刃である加工刃23の刃先231が挿通する溝である。第2受部756は、クリース刃である加工刃23の刃先231が挿通する溝である。第2受部756の溝は、第1受部755の溝より幅広であり、第1受部755から距離Lだけ離れている。第3受部757は、受部材751の周面であり、第1受部755と第2受部756との間の距離Lの領域である。
図15〜
図18は、加工刃23の種類と受部材751との対応関係を示す模式断面図である。
図15はミシン刃の場合を示し、
図16はクリース刃の場合を示し、
図17はハーフカット刃の場合を示し、
図18はマイクロミシン刃の場合を示している。
【0028】
図7〜
図14に示されるように、加工刃23は、ボス部230を有している。そして、例えば、ミシン刃である加工刃23においては、加工刃23を加工体71に取り付けると、刃先231が第1受部755に対向する位置すなわち係合可能な位置となるように、ボス部230の肉厚T1が設定されている。クリース刃である加工刃23においては、加工刃23を加工体71に取り付けると、刃先231が第2受部756に対向する位置すなわち係合可能な位置となるように、ボス部230の肉厚T2が設定されている。肉厚T2は肉厚T1より略Lだけ大きい。ハーフカット刃である加工刃23においては、加工刃23を加工体71に取り付けると、刃先231が第3受部757の略中央に対向する位置すなわち係合可能な位置となるように、ボス部230の肉厚T3が設定されている。マイクロミシン刃である加工刃23においては、加工刃23を加工体71に取り付けると、刃先231が第3受部757の略中央に対向する位置すなわち係合可能な位置となるように、ボス部230の肉厚T4が設定されている。したがって、各種の加工刃23は、加工体71に取り付けるだけで、刃先231を対応する種類の受部に対して係合可能な位置に、位置決めできる。
【0029】
(b)回転機構
回転機構は、駆動軸64を有している。駆動軸64は、左側板512と右側板513との間に渡設されている。受部材751は、駆動軸64と共に回転するように、設けられている。加工刃23は、受部材751に対する接近状態において、搬送される用紙に連れられて、受部材751と共に回転するように、設けられている。
【0030】
(c)幅方向移動機構
図3において、加工機7A、7Bの上体71の上部の突部703には、ねじ軸61A、61Bがそれぞれ螺挿している。上体71は、ねじ軸61A、61Bが回転すると、ねじ軸61A、61Bの下方のガイド軸63に沿って幅方向Wに移動するようになっている。同様に、加工機7A、7Bの下体75の下部の突部752には、ねじ軸66A、66Bが螺挿しており、下体75は、ねじ軸66A、66Bが回転すると、ガイド軸65に沿って幅方向Wに移動するようになっている。このように、上側のねじ軸61A、61B及びガイド軸63と、下側のねじ軸66A、66B及びガイド軸65とによって、加工機7A、7Bの幅方向移動機構が構成されている。
【0031】
下部に設置されたねじ軸66A、66Bは、動力伝達機構(図示せず)によって、上部に設置されたねじ軸61A、61Bに連結されており、横方向移動駆動部(後述する)の駆動により同期回転するようになっている。
【0032】
図3に示すように、ねじ軸61A、61B、66A、66B、ガイド軸63、65は、左側板512と右側板513との間に、駆動軸64に平行に渡設されている。加工機7Aの加工体71を垂下するねじ軸61Aと加工機7Bの加工体71を垂下するねじ軸61Bとは、内部スペース500の上部の同じ高さ位置に、並設されている。一方、加工機7Aの受体75を下方から支持するねじ軸66Aと加工機7Bの受体75を下方から支持するねじ軸66Bとは、内部スペース500の下部の同じ高さ位置に、並設されている。
【0033】
(d)接離機構
接離機構は、加工刃23を、受部材751に対して、接近位置と離間位置との間で移動させる。本実施形態では、接離方向は上下方向である。
【0034】
図4に示されるように、上体71は、カム部材721及び揺動レバー722を有している。カム部材721は、カム回転軸62と共に回転するように設けられている。カム回転軸62は、左側板512と右側板513との間でガイド軸63と同じ高さでガイド軸63の下流側に渡設されている。カム回転軸62は、左右の加工機7A、7Bの双方のカム部材721で共用され、両カム部材721を同時に同量だけ回転する。
【0035】
揺動レバー722は、一端部7221の近傍に位置するカム部材721の回転に連動して、支点7223回りに揺動し、他端部側の揺動端部7222を上下方向に移動させることによって、加工刃23を接離方向に揺動するようになっている。揺動端部7222に設けた回転軸7229には、加工刃23が回転自在に且つ着脱自在に軸支されている。すなわち、揺動端部7222は、加工刃23を着脱自在に支持している。加工刃23は、
図5に示す留め具25を揺動端部7222の軸7229から取り外すことで、揺動端部7222に対し取り外し可能となっている。
【0036】
この揺動端部7222は、付勢部材7224によって、当接部材7225に向けて下方に付勢されており、これにより、揺動レバー722の一端部7221はカム部材721に向けて付勢されている。すなわち、カム部材721が回転すると、揺動レバー722の揺動端部7222が上下方向に揺動し、これにより、加工刃23が上下方向に移動し、したがって、加工刃23が受部材751に対して接離する。
図19は、加工刃23が受部材751に対する接近位置にある状態を示しており、
図20は、加工刃23が受部材751から離れた離間位置にある状態を示している。
【0037】
カム部材721の回転量は、カム回転量検出部723(
図3)により検出される。カム回転量検出部723は、左側板512の外側に設けられている。カム回転量検出部723は、カム回転軸62の回転量を検出することによって、カム部材721の回転量を検出する。そして、カム回転量検出部723は、
図19に示すように、カム部材721の小径部が一端部7221に対向し、加工刃23の高さ位置が最下位置すなわち接近位置となったときと、
図20に示すように、カム部材721の大径部が一端部7221に当接し、加工刃23の高さ位置は最上位置すなわち離間位置となったときと、を検出する。
【0038】
加工刃23の押し込み量の調節機構は、次のようになっている。すなわち、加工体71の上部分711には、ロッド725が上下方向に螺挿している。ロッド725の最下端には、当接部材7225が設けられている。ロッド725の下露出部には、当接部材7225と一定間隔を置いてフランジ7226が固定されており、当接部材7225とフランジ7226との間に付勢部材7224が配置されている。したがって、揺動端部7222が当接部材7225に当接した場合、すなわち、加工刃23が接近位置にある場合には、付勢部材7224は、常に一定の長さに維持されており、それ故、常に同じ強さで、揺動端部7222すなわち加工刃23を付勢している。ロッド725の上端には、摘み7227が設けられている。摘み7227を回すと、ロッド725が上下に移動し、これにより、当接部材7225の高さ位置が調節される。その結果、加工刃23の最下位置が調整され、よって、加工刃23の押し込み量が調整される。
【0039】
(e)読取部
読取部は、加工体71に取り付けられた加工刃23の識別情報を読み取る、光学式のセンサー44を、有している。
【0040】
(e-1)加工刃23の識別情報
加工刃23の識別情報は、例えば、加工刃23に形成された複数個の貫通孔の配置パターンである。具体的には、
図21は、ミシン刃である加工刃23の側面図である。ミシン刃では、回転中心から等距離の位置に等間隔で4個の貫通孔421、422、423、424が形成されている。すなわち、ミシン刃の識別情報は、4個の連続した貫通孔421、422、423、424からなる配置パターンである。
図22は、クリース刃である加工刃23の側面図である。クリース刃の識別情報は、4個の連続した貫通孔421、422、423、424からなる配置パターンから、貫通孔422を無くした配置パターンである。
図23は、ハーフカット刃である加工刃23の側面図である。ハーフカット刃の識別情報は、4個の連続した貫通孔421、422、423、424からなる配置パターンから、貫通孔423を無くした配置パターンである。
図24は、マイクロミシン刃である加工刃23の側面図である。マイクロミシン刃の識別情報は、4個の連続した貫通孔421、422、423、424からなる配置パターンから、貫通孔421を無くした配置パターンである。このような貫通孔は、加工刃23を製作する際に容易に形成できる。
【0041】
(e-2)センサー44
加工機7Bの加工刃23の識別情報を読み取るセンサー44は、右側板513の内面に、加工刃23に対向して設けられている。加工機7Aの加工刃23の識別情報を読み取るセンサー44は、左側板512の内面に、加工刃23に対向して設けられている。センサー44は、発光部及び受光部を有しており、加工刃23の側面からの反射光を読み取るようになっている。例えば、加工機7Bが右側板513近傍のホームポジションに位置しているときに、加工刃23を受部材751の回転に伴って回転させることにより、加工刃23に形成されている貫通孔の配置パターンがセンサー44によって読み取られる。すなわち、加工刃23の識別情報、ここでは加工刃23の種類が、検出される。
【0042】
(f)ユニット検出部の一部
底フレーム514の2箇所には、遮光板716、717が設けられている。遮光板716、717は、加工ユニット51が受容部52に装着された際に、受容部52のセンサー981、982と共働して、加工ユニット51の種類を検出するユニット検出部として、機能する。
【0043】
(受容部)
図25は、受容部52を上流側から見た正面図である。受容部52は、左側板91及び右側板92と下フレーム93とで構成された枠体90に、複数の駆動部とユニット検出部の一部とを備えている。
【0044】
(a)駆動部
複数の駆動部は、第1駆動部94、第2駆動部95、第3駆動部96、及び第4駆動部97である。
【0045】
第1駆動部94は、左側板91の上部に設けられており、左側板91の内側に位置するギヤ941と、左側板91の外側に位置してギヤ941を回転駆動するモータ942とからなっている。
【0046】
第2駆動部95は、右側板92の上部に設けられており、右側板92の内側に位置するギヤ951と、右側板92の外側に位置してギヤ951を回転駆動するモータ952とからなっている。
【0047】
第3駆動部96は、左側板91の下部に設けられており、左側板91の内側に且つ下フレーム93の上方に位置するギヤ961と、左側板91の内側に且つ下フレーム93の下方に位置するモータ962と、左側板91の外側に位置してモータ962の駆動力をギヤ961に伝達するギヤ、プーリー等の動力伝達部963とからなっている。
【0048】
第4駆動部97は、右側板92の下部に設けられており、右側板92の内側に且つ下フレーム93の上方に位置するギヤ971と、右側板92の内側に且つ下フレーム93の下方に位置するモータ972と、右側板92の外側に位置してモータ972の駆動力をギヤ971に伝達するギヤ、プーリー等の動力伝達部973とからなっている。
【0049】
加工ユニット51が受容部52に装着されると、第1駆動部94は、加工機7Aの幅方向移動機構のねじ軸61Aに連結し、第2駆動部95は、加工機7Bの幅方向移動機構のねじ軸61Bに連結し、第3駆動部96は、加工機7A、7Bの回転機構の駆動軸64に連結し、第4駆動部97は、加工機7A、7Bの接離機構のカム回転軸62に連結するようになっている。すなわち、第1駆動部94及び第2駆動部95は、幅方向移動機構の駆動部として機能し、第3駆動部96は、回転機構の駆動部として機能し、第4駆動部97は、接離機構の駆動部として機能するようになっている。
【0050】
(b)ユニット検出部の一部
下フレーム93の2箇所には、光学式のセンサー981、982が設けられている。センサー981、982は、加工ユニット51の遮光板716、717と対向する位置に、設けられており、遮光板716、717と共にユニット検出部を構成している。加工ユニット51が受容部52に装着されると、センサー981、982の通光が遮光板716、717によって遮断され、これによって、装着されたことが検出される。また、遮光板716、717の有無のパターンを加工ユニットの種類に応じて異ならせておくことにより、ユニット検出部は、加工ユニットの種類を識別することができる。
【0051】
なお、第1加工装置部3及び第2加工装置部4は、この種の用紙加工装置の分野において公知の加工装置部を用いてもよく、又は、第3加工装置部5と同様の構成を有する加工装置部を用いてもよい。後者の場合には、刃群を構成する加工刃の種類及び数を任意に変更してもよい。
【0052】
[制御部]
制御部6は、設定された加工情報に従って、搬送機構の駆動部及び第1〜第4駆動部94、95、96、97を制御するようになっている。
【0053】
また、制御部6は、読取部(センサー44)によって読み取られた、加工刃23の識別情報に基づいて、加工刃23の種類を検知する、種類検知部を、有している。種類検知部は、センサー44が例えば4個の連続した貫通孔の配置パターンを検出すると、加工刃23がミシン刃であることを検知する。
【0054】
また、制御部6は、検知された加工刃23の種類に基づいて、加工刃23の刃先231の位置を、設定された加工情報における用紙の加工位置に合致させるように、幅方向移動機構及びその駆動部を調整する、移動調整部を、有している。例えば、設定された加工情報が幅方向Waの位置にミシン目加工を行うことであり、且つ、加工刃23としてミシン刃が加工体71に取り付けられている場合において、ミシン目加工に代えて折り型加工を同じ幅方向Waの位置に行うために、加工刃23をクリース刃に交換した場合に、移動調整部は、次のように作動する。すなわち、ミシン刃をクリース刃に交換すると、
図8から明らかなように、刃先231の位置が距離Lだけ幅方向外側にずれる。よって、そのまま加工機7Bを作動させると、幅方向Waの位置から距離Lだけ外側にずれた位置に、折り型加工が行われることとなる。そこで、移動調整部は、加工機7Bを距離L分だけ余分に幅方向内側に移動させることによって、クリース刃の刃先231が幅方向Waの位置に来るように、幅方向移動機構及びその駆動部を調整する。
【0055】
更に、制御部6は、検知された加工刃23の種類と、設定された加工情報を実行するために必要とされる加工刃の種類と、を比較し、両者が一致しない場合には、加工機の作動開始を停止する、停止部を、有している。例えば、検知された加工刃23の種類がミシン刃であるのに対して、設定された加工情報を実行するために必要とされる加工刃の種類がクリース刃である場合には、両者が一致しないので、停止部は、第1〜第4駆動部94、95、96、97の内の少なくとも第3駆動部96の作動開始を停止する。
【0056】
[作動]
本実施形態の用紙加工装置の作動について、説明する。
【0057】
まず、設定部601によって、用紙の加工情報が設定される。なお、この設定は、通常は、作業者が操作パネル60を操作することにより、行われるが、用紙に印刷された、加工情報を示すバーコードを、位置マークとともに、情報読取部(図示せず)によって自動で読み取ることにより、行われてもよい。
【0058】
次に、用紙に対して搬送方向Sに沿ったミシン目加工を行いたい場合には、作業者は、加工刃23としてミシン刃を取り付けることができる加工ユニット51を、受容部52に装着する。加工ユニット51が受容部52に装着されると、センサー981、982と遮光板716、717とによって、装着された加工ユニット51がミシン刃を取り付けることのできる加工ユニットであることが検出される。その検出結果は、制御部6によって、表示部602に表示される。これにより、作業者は、正しい加工ユニットが装着されたことを知ることができる。
【0059】
次に、制御部6による制御を受けて、加工機7A、7Bがホームポジションにある状態で、受部材751が回転し、それに伴って加工刃23も、数回回転し、その後、停止する。加工刃23の回転中、センサー44によって、加工刃23の貫通孔の配置パターンが読み取られる。その読取結果は、制御部6に伝達され、制御部6の種類検知部によって、貫通孔の配置パターンから加工刃23の種類が検知される。この検知結果は、制御部6によって、表示部602に表示される。これにより、作業者は、加工機7A、7Bの加工刃23の種類を、操作パネル60上で、容易に確認できる。したがって、作業者は、加工刃23の種類を確認するために加工ユニット51を受容部52から抜き出して目視によって確認する、という手間を、省くことができる。
【0060】
一方、制御部6においては、種類検知部によって検知された加工刃23の種類と、設定部601によって設定された加工情報を実行するために必要とされる加工刃の種類と、が比較され、両者が一致しない場合には、停止部が作動し、加工機7A、7Bの作動開始が停止される。それと同時に、一致しない旨が表示部602に表示される。これにより、作業者は、誤った加工刃23が取り付けられていることを、容易に知ることができる。それにより、用紙に対して誤った加工が施されるのを防止でき、また、作業者には、加工刃23の交換が促される。
【0061】
これに対して、種類検知部によって検知された加工刃23の種類と、設定部601によって設定された加工情報を実行するために必要とされる加工刃の種類とが、一致している場合には、作動が続行される。すなわち、用紙が、制御部6の制御に従って、給紙部11から供給され、搬送経路20上を搬送されながら、第1加工装置部3及び第2加工装置部4で順次加工され、更に、第3加工装置部5で加工されて、排紙部12へ排出される。
【0062】
第3加工装置部5における作動は、次のとおりである。
【0063】
まず、制御部6による制御を受けて、第1駆動部94及び第2駆動部95が駆動されて、加工機7A、7Bが、ミシン目を形成すべき幅方向Wの所定位置Waに移動される。このとき、加工刃23は、受部材751に対し近接位置にある。そして、制御部6による制御を受けて、第3駆動部96が駆動されて、駆動軸64が回転し、受部材751と加工刃23とが回転する。これにより、用紙は、加工刃23と受部材751との間に挟まれた状態で下流側へ搬送される。このとき、加工刃23は、刃先231が用紙を貫通して第1受部755の溝に挿通され、用紙の搬送とともに回転する。その結果、用紙に対して、ミシン目を形成すべき範囲に、搬送方向Sに沿った所定長さのミシン目が、形成される。
【0064】
一方、ミシン目を形成しない範囲においては、制御部6による制御を受けて、第4駆動部97が、カム回転量検出部723の検出結果に基づきながら、駆動されて、カム回転軸62が所定量回転する。これにより、カム部材721が回転し、揺動レバー722の揺動端部7222が受部材751に対して上方へ移動し、接近位置にあった加工刃23が、受部材751から離れ、離間位置に移動する。その結果、用紙の搬送中に、加工刃23が受部材751から離間しているので、用紙にミシン目が形成されない。
【0065】
次に、第3加工装置部5において、ミシン目加工に代えて折り型加工を行いたい場合には、作業者は、次の作業を行う。まず、加工ユニット51を受容部52から取り出す。次に、加工機において、留め具25を外して、ミシン刃である加工刃23をクリース刃に交換する。次に、クリース刃である加工刃23を、留め具25によって、軸7229に固定する。そして、加工ユニット51を受容部52に装着する。この後の作動は、上述したミシン目加工の場合と同じである。但し、制御部6の移動調整部によって、幅方向移動機構及びその駆動部が調整される。すなわち、
図5の場合では、加工機7Bが距離L分だけ余分に幅方向に移動され、その結果、クリース刃の刃先231が幅方向Waの位置に来る。
【0066】
[効果]
本実施形態の加工機によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)加工刃23が、異なる種類の加工刃23の間で交換可能であるので、加工機における加工の種類を、容易に変更できる。
(2)各種の加工刃23は、加工体71に取り付けるだけで、対応した種類の受部に対して刃先231が係合可能な位置となるように、位置決めされるので、この点からも、加工機における加工の種類を、容易に変更できる。
(3)しかも、位置決めのための構成は、ボス部230の肉厚を加工刃23の種類に応じて設定するだけであるので、容易に実現できる。
【0067】
(4)留め具25がねじ止めするものであるので、留め具25の着脱を容易に行うことができる。よって、加工刃23を容易に交換できる。
(5)刃群の加工刃23が、ミシン刃、クリース刃、ハーフカット刃、及びマイクロミシン刃の4種類であるので、1つの加工機によって、4種類の加工を行うことができる。
(6)交換可能な加工刃23の種類が4つであるのに対して、受部材751の受部の種類が第1〜第3受部755、756、757の3つであるので、受部材751の構成を簡素化できる。
【0068】
本実施形態の用紙加工装置によれば、次のような効果を発揮できる。
(a)ユニット検出部によって、受容部に装着された加工ユニットが正しいか否かを、検出できる。よって、誤った加工を防止できる。
(b)制御部6の種類検知部によって、加工刃23の種類を検知できるので、誤った加工を防止できる。
(c)加工刃23の種類が表示部602に表示されるので、加工刃23の種類を容易に確認できる。
【0069】
(d)制御部6の停止部によって、種類検知部によって検知された加工刃23の種類と、設定部601によって設定された加工情報を実行するために必要とされる加工刃の種類とが、一致しない場合には、加工機の作動開始が停止されるので、誤った加工を防止できる。
(e)加工刃23を交換した場合に、制御部6の移動調整部によって、加工機の幅方向移動機構及びその駆動部が調整されるので、加工情報を設定し直すことなく、交換後の加工刃23によって、交換前の加工刃23の幅方向の加工位置と同じ加工位置で加工を行うことができる。よって、交換後の加工を容易に実行できる。
【0070】
[変形構成]
(i)交換可能な加工刃23の種類は、ミシン刃、クリース刃、ハーフカット刃、及びマイクロミシン刃の4種類に限らず、その内の2種類又は3種類でもよく、5種類以上でもよい。加工刃23の更なる種類としては、裁断刃等を採用できる。
(ii)加工ユニットが有する加工機の数は、2個に限らず、1個でもよく、3個以上でもよい。加工機の数が3個以上の場合には、必要に応じて、センサー44を加工機に設けることにより、全ての加工機の識別情報を読み取ることができる。
(iii)留め具25は、ねじ止めに限らず、キー止めやマグネット止めでもよい。
【0071】
(iv)加工刃23の識別情報を表す貫通孔の配置パターンは、
図21〜
図24に示される場合に限らず、別の配置パターンでもよい。例えば、貫通孔を、加工刃23の側面の一部に偏らせて形成するのではなく、側面全面に分散させて形成してもよい。その場合には、加工刃23の強度低下を抑制できる。また、貫通孔は円形に限らない。
(v)加工刃23の識別情報は、加工刃23の表面に塗られた複数の色からなる配色パターンでもよく、又は、加工刃23の表面に貼り付けられた、異なるデータを有する磁気材料又は反射率の異なる反射材料でもよく、又は、その他の識別可能な構成でもよい。
(vi)加工刃23の識別情報には、種類だけでなく、その他の情報を含ませてもよい。その他の情報としては、例えば、材質、肉厚、刃先の寸法、製造日、使用期限等を、採用できる。
【0072】
(vii)センサー44は、反射光ではなく、透過光を読み取るように構成してもよい。その場合には、例えば、受光部を加工機7A、7Bに設け、発光部を左右の側板512、513に設ければよい。
(viii)センサー44は、作業者が操作パネル60を操作して要求した場合のみに、作動するようにしてもよい。
(ix)表示部602は必須ではない。
【0073】
(x)複数パターンの加工情報を予め記憶させておき、加工情報を設定する際には、そのパターンを操作パネル60によって選択するようにしてもよい。
(xi)ユニット検出部を構成するセンサー及び遮光板を、それぞれ、3個以上設けて、遮光性の有無のパターンを増やしてもよい。
(xii)加工機7Aの加工刃23の種類と、加工機7Bの加工刃23の種類とが、異なってもよい。その場合には、1個の加工装置部で2種類の加工が行われる。1個の加工装置部が3個以上の加工機を有する場合でも、同様である。
【0074】
<第2実施形態>
第1実施形態の加工ユニット51の加工機7A、7Bは、搬送方向Sに沿った加工すなわち「縦加工」を行っているが、本実施形態の加工ユニットの加工機は、幅方向Wに沿った加工すなわち「横加工」を行っている。
【0075】
図26は、本実施形態の加工ユニット51を上流側から見た斜視図である。この加工機7Xは、幅方向Wに移動する加工体71と、幅方向Wに延びた直線状の受体75と、からなっている。
【0076】
加工体71は、第1実施形態と同じ幅方向移動機構によって、幅方向Wに移動できる。加工体71の加工刃23は、加工体71の幅方向の移動に伴って従動回転する。加工体71の加工刃23は、カム回転軸62の回転に伴うカム部材の回転に連動して揺動レバーを揺動することによって、受部材751に対して接離するようになっている。
図27は、受体75の横断面部分図である。受体75の上面には、幅方向Wに延びた受部材751が固定されている。受部材751には、第1実施形態と同様に、第1〜第3受部755、756、757が形成されている。
【0077】
制御部6は、検知された加工刃23の種類に基づいて、加工刃23の刃先231の位置を、設定された加工情報における用紙の加工位置に合致させるように、搬送機構及びその駆動部を調整する、搬送調整部を、有している。例えば、設定された加工情報が搬送方向Saの位置にミシン目加工を行うことであり、且つ、加工刃23としてミシン刃が加工体71に取り付けられている場合において、ミシン目加工に代えて折り型加工を同じ搬送方向Saの位置に行うために、加工刃23をクリース刃に交換した場合に、搬送調整部は、次のように作動する。すなわち、ミシン刃をクリース刃に交換すると、
図5の場合と同様に且つ
図27に示されるように、刃先231の位置が距離Lだけ搬送方向下流側にずれる。よって、そのまま加工機7Xを作動させると、搬送方向Saの位置から距離Lだけずれた位置に、折り型加工が行われることとなる。そこで、搬送調整部は、用紙を距離L分だけ余分に搬送方向に移動させることによって、クリース刃の刃先231が搬送方向Saの位置に来るように、搬送機構及びその駆動部を調整する。
【0078】
その他の構成は、第1実施形態の構成と同じであり、又は、第1実施形態の構成を類推適用できる。例えば、加工刃23の識別情報を読み取るためのセンサー44は、左右の側板512、513に設けるのではなく、加工刃23の側面に対向するように、加工機自体に設ければよい。
【0079】
本実施形態においても、加工機7Xにおいて、加工刃23を、第1実施形態と同様に、交換可能である。
【0080】
本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮できる。
【0081】
<第3実施形態>
第2実施形態の加工ユニットは、回転刃である加工刃23によって「横加工」を行っているが、本実施形態の加工ユニットは、ギロチン刃である加工刃によって「横加工」を行っている。
【0082】
図28は、本実施形態の加工ユニット51を上流側から見た斜視図である。この加工機7Yは、幅方向Wに延びた直線状の加工体71と、幅方向Wに延びた直線状の受体75と、からなっている。
【0083】
図29は、
図28のXXIX−XXIX断面図である。加工体71は、上本体710Aの下縁に、幅方向に延びた加工刃23を、有している。加工刃23は、上本体710Aに対して、ねじ715によって着脱自在に取り付けられている。ねじ715は、頭部7151とロッド7152とからなっており、ロッド7152を加工刃23にねじ込むことによって、加工刃23を固定している。受体75は、下本体710Bの上縁に、幅方向Wに延びた受部材751を、有している。受部材751は、加工刃23の場合と同様に、下本体710Bに対して、ねじ715によって着脱自在に取り付けられている。よって、加工刃23を下本体710Bに取り付け、受部材751を上本体710Aに取り付けることができる。すなわち、加工刃23と受部材751との上下の位置関係を、逆転して相互に入替え可能となっている。受部材751には、第2実施形態と同様に、第1〜第3受部755、756、757が形成されている。
【0084】
加工機7Yは、加工体71が下方に移動して、加工刃23が受部材751の対応する種類の受部に係合することにより、加工を行うようになっている。加工体71の上下移動は、モータ962の回転を動力伝達機構(図示せず)を介してカム回転軸に伝達し、カム回転軸と共に回転するカム部材によって上本体710Aを上下移動させることにより、実行される。
【0085】
制御部6は、第2実施形態と同様の搬送調整部を、有している。
【0086】
その他の構成は、第1及び第2実施形態の構成と同じであり、又は、第1及び第2実施形態の構成を類推適用できる。例えば、加工刃23の識別情報を読み取るためのセンサー44は、左右の側板512、513に設けるのではなく、加工刃23の側面に対向するように、加工体71自体に設ければよい。なお、加工刃23の識別情報は、第1実施形態と同様の形態のものを、第1実施形態と同様に加工刃23の側面に形成できる。
【0087】
本実施形態においても、加工機7Yにおいて、加工刃23を、第1実施形態と同様に、交換可能である。すなわち、
図29では、クリース刃である加工刃23が取り付けられているが、この加工刃23を、
図30に示されるようなミシン刃に、又は、
図31に示されるようにハーフカット刃に、又は、
図32に示されるようにマイクロミシン刃に、交換できる。
【0088】
本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮できる。
【0089】
<第4実施形態>
本実施形態の加工ユニットは、搬送されて来た用紙を加工機に案内するガイド部材を、上流側に、有している。
図33は、加工ユニット51を上流側から見た斜視図である。
図34は、
図33の加工ユニット51の縦断面図である。なお、
図34、
図36、および
図38にて示す加工ユニット51の縦断面図においては、説明の便宜上、加工機7Aの図示を省略している。ガイド部材8は、案内部81と支持部82と掛止部83とからなっている。案内部81は、幅方向Wに延びた、下片811及び上片812を有しており、両者の間には、用紙を通過させるための隙間810が構成されている。下片811は、上流から下流に向けて且つ少し上向きに傾斜して、延びており、上片812は、上流から下流に向けて且つ少し下向きに傾斜して、延びており、両者の間の隙間810は、上流から下流に向けて漸次狭くなっている。
【0090】
そして、ガイド部材8は、加工ユニット51に対して、すなわち、加工機に対して、工具を使用せずとも手作業によって容易に着脱できるように、構成されている。これは、支持部82と掛止部83とによって、実現されている。支持部82は、
図35〜
図38に示されるように、両側板512、513の内面に設けられたピン822と、ピン822に対して、回動可能に且つ上から着脱自在に引っ掛けることができるように、構成された、引掛部823と、を有している。掛止部83は、両側板512、513の内面に設けられた挟持部832と、挟持部832に対して出し入れ可能に押し込むことができる凸部833と、を有している。
図33及び
図34は、引掛部823をピン822に引っ掛けるとともに、凸部831を挟持部832に押し込むことにより、ガイド部材8を加工ユニット51に取り付けた状態を示している。
【0091】
ガイド部材8を加工ユニット51から取り外す場合は、
図35及び
図35の加工ユニット51の縦断面図である
図36に示されるように、まず、凸部831を挟持部832から抜き出すとともに、ピン822を支点としてガイド部材8を上流側へ回動させる。そして、
図37及び
図37の加工ユニット51の縦断面図である
図38に示されるように、引掛部823を上方へ移動させてピン822から外す。
【0092】
本実施形態によれば、ガイド部材8によって用紙を加工機へ案内できるので、加工機における用紙の加工を安定して実行できる。
【0093】
しかも、本実施形態によれば、ガイド部材8を加工ユニット51から取り外すことができるので、加工機の上流側に、スペースを確保できる。よって、加工機における加工刃の交換を円滑に実行できる。
【0094】
<他の実施形態>
(1)異なる種類の加工刃とは、(a)形態が異なる場合、(b)形態が同じでも寸法及び/又は形状が異なる場合、の両方を含む加工刃を意味している。(a)の場合では、例えば、ミシン刃、クリース刃、ハーフカット刃、及びマイクロミシン刃等が、挙げられる。(b)の場合では、例えば、クリース刃であっても、形成される折り型の幅寸法が異なるように刃先の厚みが異なるクリース刃、及び/又は、形成される折り型の形状が異なるように刃先が角型又は丸型であるクリース刃が、挙げられる。したがって、前述した実施形態では、異なる種類の加工刃として、ミシン刃、クリース刃、ハーフカット刃、及びマイクロミシン刃等の、加工の形態が異なる加工刃を、採用しているが、本発明は、加工の形態が同じでも寸法及び/又は形状が異なる加工刃を、採用してもよい。
【0095】
(2)第4実施形態では、第1実施形態の加工ユニット51がガイド部材8を有する場合について説明したが、第2実施形態及び第3実施形態の加工ユニットがガイド部材8を有してもよく、その場合でも、第4実施形態と同様の効果が発揮される。
【0096】
(3)前述した実施形態では、加工刃が識別情報を有しているが、本発明は、識別情報を有していない加工刃を用いてもよい。その場合には、操作パネル60の設定部601によって、操作者が、加工機に取り付けられた加工刃の種類を入力できるようになっており、また、制御部6の移動調整部は、入力された加工刃の種類に基づいて、加工刃の刃先の位置を、設定された加工情報における用紙の加工位置に合致させるように、幅方向移動機構を調整するようになっており、又は、搬送調整部は、入力された加工刃の種類に基づいて、設定された加工情報における用紙の加工位置が加工刃の刃先の位置に合致するように、搬送機構を調整するようになっている。
【0097】
(4)加工情報や加工刃の種類を、操作パネル60の設定部601以外から、入力できるように構成してもよい。例えば、有線又は無線で接続された外部端末から入力できるように構成してもよい。