(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る弾性波フィルタの一例を示す平面図である。
【
図2】従来の手法を用いて共振型フィルタに重み付けをした場合の構成を示す平面図である。
【
図3】前記従来の弾性波フィルタの重み付け手法の一例を示す模式図である。
【
図4】前記従来の弾性波フィルタにて得られる特性を示す特性図である。
【
図5】本発明の弾性波フィルタの重み付け手法の一例を示す模式図である。
【
図6】本発明の弾性波フィルタにおいて得られる特性を示す特性図である。
【
図7】本発明にて行ったシミュレーションの結果を示す特性図である。
【
図8】本発明にて行ったシミュレーションの結果を示す特性図である。
【
図9】本発明にて行ったシミュレーションの結果を示す特性図である。
【
図10】本発明にて行ったシミュレーションの結果を示す特性図である。
【
図11】本発明にて行ったシミュレーションの結果を示す特性図である。
【
図12】本発明にて行ったシミュレーションの結果を示す特性図である。
【
図13】本発明の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【
図14】本発明の弾性波フィルタの重み付け手法の一例を示す模式図である。
【
図15】本発明の弾性波フィルタにおいて得られる特性を示す特性図である。
【
図16】本発明の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【
図17】本発明の弾性波フィルタの重み付け手法の一例を示す模式図である。
【
図18】本発明の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【
図19】本発明の弾性波フィルタの重み付け手法の一例を示す模式図である。
【
図20】本発明の弾性波フィルタの他の例を示す平面図である。
【
図21】本発明の弾性波フィルタの重み付け手法の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態の弾性波フィルタについて、
図1を参照して説明する。この弾性波フィルタは、例えば水晶などの圧電基板11上において弾性波の伝搬方向に互いに離間して並ぶ入力側IDT電極12及び出力側IDT電極13を備えている。この例では、入力側IDT電極12及び出力側IDT電極13は、
図1中夫々左側及び右側に配置されている。また、これらIDT電極12、13の並びに対して、弾性波の伝搬方向における一方側(右側)及び他方側(左側)に外れた領域には、反射器31、31が各々配置されている。
図1中21、22は夫々信号ポートをなす入力ポート及び出力ポートであり、23は接地ポートである。以下に、各IDT電極12、13及び反射器31の具体的な構成について説明する。
【0012】
入力側IDT電極12には、一対のバスバー14、14が設けられており、これらバスバー14、14は、弾性波の伝搬方向に沿って各々伸びると共に、前記伝搬方向に対して直交する方向に互いに離間して並行となるように形成されている。これらバスバー14、14には、対向するバスバー14、14に向かって伸び出す複数の電極指17が各々形成されており、これら一対のバスバー14、14のうち一方のバスバー14から伸びる電極指17と他方のバスバー14から伸びる電極指17とが互いに交差するように櫛歯状に形成されている。この例では、入力側IDT電極12における電極指17の本数は、例えば150本となっている。
【0013】
ここで、入力側IDT電極12は、各々の電極指17がアポダイズ型に重み付けられている。即ち、互いに隣接する電極指17、17が交差する寸法を交差長Dと呼ぶと、各電極指17は、この交差長Dが弾性波の伝搬方向に沿って連続的に変化するように配置されている。具体的には、入力側IDT電極12における左端にて奥側のバスバー14から伸びる電極指17は、手前側のバスバー14から奥側に向かって伸びる補助電極指18の先端部に対向するように配置されている。
【0014】
前記左端の電極指17に右側から隣接する別の電極指17は、手前側のバスバー14から奥側に向かって伸び出すと共に、奥側のバスバー14から手前側に伸びる補助電極指18の先端部に対向するように配置されている。従って、バスバー14、14間の寸法を開口長Wと呼ぶと、入力側IDT電極12における左端の2本の電極指17、17では、補助電極指18の長さ寸法の分だけ、既述の交差長Dが開口長Wよりも短くなるように構成されている。
【0015】
そして、入力側IDT電極12における左端から3本目の補助電極指18では、左端から2本目の補助電極指18よりも長さ寸法が短くなっており、従って当該補助電極指18に対向する電極指17の長さ寸法は、左側の電極指17よりも長くなっている。こうして入力側IDT電極12では、左端から中央側に向かうにつれて、補助電極指18の長さ寸法が短くなっており、従って交差長Dについては前記中央側に向かって長くなっている。
【0016】
また、入力側IDT電極12では、弾性波の伝搬方向における概略中央部において、交差長Dは、開口長Wと同じか、あるいは開口長Wと同程度まで長くなっている。従って、前記概略中央部を「最大交差幅領域10」と呼ぶと、この最大交差幅領域10では、アポダイズ型の重み付けがいわばゼロになっており、言い換えると補助電極指18が配置されていない(補助電極指18の長さ寸法がゼロに設定されている)。この例では、「最大交差幅領域10」について、入力側IDT電極12にて交差長Dが最も大きくなるように構成された2本の電極指17、17のうち左側の電極指17の中心位置を通るラインとしている。最大交差幅領域10における交差長Dは、入力側IDT電極12において伝搬する弾性波の波長を「λ」とすると、12.5λとなっている。
【0017】
一方、最大交差幅領域10よりも右側(出力側電極IDT電極13寄りの位置)では、補助電極指18の長さ寸法が入力側IDT電極12の右端に向かうにつれて次第に長くなっており、従って交差長Dについては前記右端に向かう程小さくなっている。以上のアポダイズ型の重み付けについて別の言い方をすると、入力側IDT電極12では、概略中央部(最大交差幅領域10)から弾性波の伝搬方向両側に向かって交差長Dが徐々に小さくなるように構成されていて、当該入力側IDT電極12における左右両端部であっても交差長Dがゼロに至っていない。即ち、入力側IDT電極12では、アポダイズ型のメインローブのみによって重み付けされるように構成されており、一般的なトランスバーサル型フィルタにおいてメインローブと共に採られるサイドローブによる重み付けはなされていない。
【0018】
既述の最大交差幅領域10は、弾性波の伝搬方向における入力側IDT電極12の中央位置1に対して、右側(出力側電極IDT電極13側)に外れた位置に設けられている。これら最大交差幅領域10と中央位置1との間の離間距離は、弾性波の伝搬方向における入力側IDT電極12の長さ寸法の12.5%となっている。このように最大交差幅領域10の位置を前記中央位置1からずらした理由については、後で詳述する。
【0019】
出力側電極IDT電極13は、入力側IDT電極12と同様に構成されており、具体的には一対のバスバー14、14と、これらバスバー14、14から対向するバスバー14、14に向かって交互に櫛歯状に伸び出す複数本の電極指17とを備えている。出力側電極IDT電極13についても、各電極指17がアポダイズ型のメインローブにより重み付けされており、当該出力側電極IDT電極13における最大交差幅領域10は、弾性波の伝搬方向における出力側電極IDT電極13の中央位置1に対して右側に外れた位置に設定されている。
【0020】
出力側電極IDT電極13における中央位置1からの最大交差幅領域10のずれ量は、入力側IDT電極12における中央位置1からの最大交差幅領域10のずれ量と同じ寸法となっている。従って、出力側電極IDT電極13は、入力側IDT電極12をそのまま右側に出力側電極IDT電極13として配置した構成を採っていると言える。
【0021】
反射器31は、一対の反射器バスバー32、32及び複数本の反射器電極指33を備えている。反射器バスバー32、32は、弾性波の伝搬方向に沿って各々伸びるように、且つ当該伝搬方向に対して直交するように互いに離間して並行となるように配置されている。各々の反射器電極指33は、これら反射器バスバー32、32同士を互いに接続するように、弾性波の伝搬方向に対して直交する方向に伸長している。この例では、各々の反射器31における反射器電極指33の本数は、例えば50本となっている。
【0022】
こうして以上説明したフィルタは、入力ポート21から電気信号を入力すると、反射器31、31間にて弾性波の縦モードの共振が起こり、出力ポート22を介して電気信号が取り出されるので、通過域と当該通過域よりも低域側及び高域側に各々形成された阻止域とを備えたバンドパスフィルタとなる。
【0023】
ここで、既述の各IDT電極12、13におけるアポダイズ型の重み付け方法について、即ち最大交差幅領域10を各IDT電極12、13の中央位置1からずらした理由について詳述する。
【0024】
共振型フィルタにおけるIDT電極12、13に対してアポダイズ型の重み付けを行う場合、一般的には、最大交差幅領域10と、中央位置1とを互いに重ね合わせる手法が採られる。即ち、共振型フィルタでは、反射器31、31間で弾性波が共振するので、各々の反射器31、31からIDT電極12、13を見た時、できるだけ対称性を持つように構成する。具体的には、一対の反射器31、31のうち一方の反射器31からIDT電極12、13を見た時と、他方の反射器31からIDT電極12、13を見た時とにおいて、電極指17の配置が揃っていると、弾性波の共振が良好に(減衰が抑えられるように)起こる。
図2は、IDT電極12、13及び反射器31、31を備えた構成に対して、従来の手法を用いてアポダイズ型の重み付けを施したと仮定した場合の構成例を示している。
【0025】
各IDT電極12、13をアポダイズ型に重み付けするにあたって、例えば以下の式が用いられる。
重み付け量=A+(1−A)cos((k(x)×π))
k(x)は、以下に説明するように、重み付けに用いられる重み付け関数である。尚、Aは常数である。
【0026】
即ち、入力側IDT電極12について着目すると、
図3の下段に示すように、当該入力側IDT電極12における中央位置1の座標をゼロ(原点)として、当該中央位置1から左右方向にx軸のプラス側及びマイナス側を夫々仮想的に設定する。また、入力側IDT電極12における左端位置及び右端位置のx座標を夫々「1」及び「−1」に設定すると共に、重み付け関数k(x)として、(0.5×x)を用いるものとする。この場合には、前記左端位置及び前記右端位置における重み付け関数k(x)の値が夫々「−0.5」及び「0.5」となる。従って、前記重み付け関数k(x)は、入力側IDT電極12における左端から右端までに亘って直線的に変化する。
【0027】
こうして各々のx座標における重み付け関数k(x)の具体的な値を既述の式に代入すると、各々の座標位置における重み付け量(交差長D)が算出されて、
図3の上段に示す重み付けがなされる。
図3の上段及び下段から分かるように、重み付け関数k(x)がゼロになるx座標は、入力側IDT電極12の中央位置1となる。尚、
図3の上段では、電極指17と、当該電極指17に対して奥側または手前側に位置する補助電極指18とが対向する部位を模式的に曲線として描画している。後述の
図5などについても同様である。
【0028】
出力側電極IDT電極13についても同様の重み付け関数k(x)を用いて重み付けを行うと、
図3の上段及び下段に示すように、電極指17、18のレイアウトが設定される。このような重み付け手法を用いて実際にフィルタを作製し、周波数特性を評価したところ、
図4に示す結果が得られた。即ち、通過域よりも高域側では、極めて大きなスプリアスが発生しており、従ってバンドパス型のフィルタとして使用する場合には、高域側の阻止域では良好な減衰特性が得られないことが分かる。尚、作製したフィルタについては、圧電基板11として水晶を用いると共に、IDT電極12、13の各々の電極指17の合計の本数及び反射器31の各々における反射器電極指33の合計の本数を夫々210本及び100本に設定した。また、最大交差幅領域10における交差長Dは、20λに設定した。
図4では、フィルタの通過域における中心周波数f0にて規格化した値を横軸に用いている。後述の
図6及び
図15についても同様である。
【0029】
一方、既述の
図1に示す重み付け手法について、重み付け関数k(x)を(0.4×x−0.1)に設定すると、この重み付け関数k(x)は、
図5に示す分布となる。即ち、各IDT電極12、13の左端では重み付け関数k(x)が「−0.5」となり、各IDT電極12、13の右端では重み付け関数k(x)が「0.3」となる。従って、重み付け関数k(x)は、x座標が「0.25」にてx軸と交差する。言い換えると、x座標が「0.25」の位置にて、重み付けがゼロ(交差長Dが最大)になる。そのため、入力側IDT電極12の左端から右端までのx方向の寸法(=2)に対する前記0.25の割合を計算すると、12.5%となり、既述の
図1の入力側IDT電極12では、最大交差幅領域10は、中央位置1に対して当該入力側IDT電極12のx方向の長さ寸法の12.5%分だけずれていると言える。
【0030】
出力側電極IDT電極13についても同様の重み付け関数k(x)を用いて電極指17、18のレイアウトを設定すると、最大交差幅領域10は、中央位置1に対して、当該出力側電極IDT電極13のx方向の寸法の12.5%分だけ右側にずれている。
【0031】
以上説明した本発明における
図1のフィルタについて、実際に作製して周波数特性を評価したところ、
図6に示す結果が得られた。
図6と既述の
図4とを比べて分かるように、本発明では、通過域よりも高域側のスプリアスが
図4に対して極めて小さく抑制されている。
【0032】
ここで、既述のように重み付け関数k(x)を設定した理由について説明する。即ち、入力側IDT電極12における重み付け関数k(x)、及び出力側電極IDT電極13における重み付け関数k(x)について、以下の表のように種々変えた時、フィルタの周波数特性がどのように変化するか、シミュレーションを行った。
【0033】
(表)
尚、この表における記載について、例えば「
図7」の欄を一例に挙げて説明すると、「−0.5〜0.5」とは、IDT電極12(13)の左端では重み付け関数k(x)の値が「−0.5」となるように、また当該IDT電極12(13)の右端では重み付け関数k(x)の値が「0.5」となるように、重み付け関数k(x)を設定している。そして、前記左端と前記右端との間では、重み付け関数k(x)を直線的に(重み付け関数k(x)が一次関数となるように)変化させている。
【0034】
その結果、
図7〜
図12に示すように、各々の条件によって周波数特性が種々変化していた。具体的には、
図7に示すように、最大交差幅領域10と中央位置1とを互いに重ね合わせた場合(
図2及び
図3)の周波数特性に対して、
図8では通過域よりも低域側のピークが大きく減少している。また、
図9(
図1の例)では、通過域よりも低域側の前記ピークについて、
図7と
図8との間の大きさとなっている。
図10では、前記低域側のピークについては
図7よりも増大している。
図11及び
図12についても、前記通過域よりも低域側のピーク強度が
図7とは異なる大きさになっている。
【0035】
以上のシミュレーション結果から、
図7〜
図12の各例では、周波数特性が互いに異なっていることが分かる。一方、通過域近傍におけるスプリアスについてはシミュレーションでは現れていない。そこで、本発明では、以上の
図8〜
図12のうち
図7(
図2)及び
図9(
図1)の各例について、実際にフィルタを作製して特性を評価したところ、既述の
図4及び
図6に示した結果が得られた。即ち、本発明では、種々行ったシミュレーションによって周波数特性が変化することを予め捉えた上で、実際にフィルタを作製してスプリアスの評価を行っている。そして、前記シミュレーションを行うにあたって、最大交差幅領域10を中央位置1からずらすことについては、通常の共振型フィルタでは採りうる態様ではない。従って、通常採り得ない態様についてシミュレーションを行ったことと、このようなシミュレーションの結果に基づいてフィルタを実際に作製して特性の評価を行ったこととにおいて、本発明は従来の技術とは大きく異なる技術であると言える。
【0036】
上述の実施の形態によれば、縦モードを利用した共振型フィルタにおいて、IDT電極12、13を夫々アポダイズ型のメインローブにより重み付けすると共に、最大交差幅領域10と中央位置1とを位置ずれさせている。そして、これらIDT電極12、13において、各々の中央位置1に対して最大交差幅領域10を同じ方向(右側)に位置ずれさせると共に、各々の中央位置1と最大交差幅領域10とのずれ量を揃えている。そのため、既に詳述したように、通過域よりも高域側におけるスプリアスの発生を抑制できる。
【0037】
続いて、本発明の他の例について列挙する。
図13は、入力側IDT電極12については既述の
図1と同じ構成に設定すると共に、出力側電極IDT電極13については最大交差幅領域10を中央位置1よりも左側(入力側IDT電極12)側にずらした例を示している。最大交差幅領域10と中央位置1との間の離間距離は、IDT電極12、13にて同じ寸法となっている。即ち、IDT電極12、13の間にて弾性波の伝搬方向に直交する方向に伸びる仮想線を引いた時、出力側電極IDT電極13は、入力側IDT電極12に対して前記仮想線を介して対称となっている。
【0038】
このように重み付けを行う場合には、
図14に示すように、出力側電極IDT電極13の左端では重み付け関数k(x)の値が例えば「−0.3」となるように、また当該出力側電極IDT電極13の右端では重み付け関数k(x)の値が「0.5」となるように、重み付け関数k(x)を設定する。このように重み付けを行ったフィルタを実際に作製して周波数特性を評価すると、
図15に示すように、既述の
図4と比べて通過域よりも高域側のスプリアスが改善される。
【0039】
また、
図16に示すように、入力側IDT電極12については例えば
図1の構成を用いると共に、出力側電極IDT電極13については
図2の構成を用いても良い。即ち、
図16では、入力側IDT電極12では最大交差幅領域10を中央位置1から位置ずれさせると共に、出力側電極IDT電極13においては最大交差幅領域10と中央位置1とを互いに重ね合わせている。
図17は、このような重み付けの手法を示しており、
図1における入力側IDT電極12の設計手法及び
図2における出力側電極IDT電極13の設計手法を組み合わせていることが分かる。
【0040】
図18は、入力側IDT電極12について、最大交差幅領域10を出力側電極IDT電極13側の端部に設定した例を示している。即ち、
図19に示すように、重み付け関数k(x)について、入力側IDT電極12の左端では例えば「−0.5」となるように、また当該入力側IDT電極12の右端では「0(ゼロ)」となるように一次関数として設定する。出力側電極IDT電極13については、既述の各例にて説明したレイアウトのうち、例えば
図13と同様の構成が採られる。
【0041】
図20は、入力側IDT電極12については
図13と同様に構成した例を示している。一方、出力側電極IDT電極13については、アポダイズ型の重み付けを施さずに、いわゆる正規型の電極として構成している。即ち、
図21に示すように、出力側電極IDT電極13では、重み付け関数k(x)は、左端から右端に亘って「0(ゼロ)」となっていると言える。
【0042】
以上の各例のフィルタでは、開口長Wについて、大きすぎるとスプリアスが発生しやすくなり、一方小さすぎるとインピーダンスが高くなるため、10λ〜25λであることが好ましい。また、フィルタの通過域の比帯域幅は、狭すぎるとバンドパスフィルタとしての用途が小さくなり、一方大きすぎると共振型のフィルタでは製造しにくくなることから、圧電基板11として既述のように水晶を用いる場合には、0.05%〜0.5%であることが好ましい。尚、既述の「比帯域幅」とは、(帯域幅(MHz))÷(フィルタの通過域における中心周波数(MHz))×100で表される割合(%)を指している。
【0043】
また、以上の重み付け関数k(x)についての説明からも分かるように、どのような一次関数として設定しても良い。従って、最大交差幅領域10と中央位置1との間の離間寸法は、例えば弾性波の伝搬方向におけるIDT電極12(13)の長さ寸法の12.5%以外にも、−100%〜+100%までの範囲の中であれば、0%以外であればどのような値であっても良い。更に、既述の
図20からも分かるように、このような重み付けを入力側IDT電極12と出力側電極IDT電極13との双方に行うことに代えて、これらIDT電極12、13の少なくとも一方だけに行っても良い。