(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの工具を駆動するための駆動原動機と、該駆動原動機用の操作装置とを備え、該操作装置が操作者によって操作される操作要素を含み、該操作要素が、ケース内で可動に支持され、且つ操作方向(57,70)においてゼロ位置(74)から最大位置(75)まで変位することができ、前記ゼロ位置(74)と前記最大位置(75)との間で中間ストッパー(55)が作用し、該中間ストッパーの位置を調整要素(17)を介して調整可能であり、前記操作要素が前記中間ストッパー(55)に到達した後さらに前記最大位置(75)まで操作することができ、前記操作要素をさらに操作するための操作力(F)が前記中間ストッパー(55)に到達した時に上昇するようにした作業機において、
前記中間ストッパー(55)を越えた後の前記操作力(F)は、前記操作要素を操作方向(57,70)にさらに操作した時に再び低下することを特徴とする作業機。
前記中間ストッパー(55)を越えた後の前記操作力(F)は、前記中間ストッパー(55)を越えるときの最大操作力(F)の半分よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の作業機。
前記中間ストッパー(55)が、前記操作要素と結合される第1の係止要素と、前記ケースと結合される第2の係止要素とによって形成され、これら操作要素が前記操作要素の全操作距離(s)にわたって前記ゼロ位置(74)から前記最大位置(75)まで互いに相対移動することを特徴とする、請求項1または2に記載の作業機。
前記係止面(45)は、前記弾性付勢される要素が該係止面(45)に到達した時の移動方向(73)に対して45゜以上の角度(β)だけ傾斜していることを特徴とする、請求項4に記載の作業機。
前記弾性付勢される要素が、前記操作要素を操作した時に滑動面(44)に沿って滑動し、該滑動面が、前記操作方向(57,70)において前記係止面(45)の手前にある第1の部分(44.1)と、前記操作方向(57,70)において前記係止面(45)の後方にある第2の部分(44.2)とを有し、前記係止面(45)が前記滑動面(44)の両部分(44.1,44.2)との間で傾斜部を形成していることを特徴とする、請求項4または5に記載の作業機。
前記滑動面(44)が、前記第1の部分(44.1)および前記第2の部分(44.2)において該滑動面(44)の移動方向(73)にほぼ平行に延在していること、または、前記滑動面(44)は、前記第2の部分(44.2)において、前記操作要素を操作した時に該滑動面(44)が前記弾性付勢される要素に対し移動する前記移動方向(73)に対し傾斜して延在し、前記滑動面(44)が特に回動軸線(19)のまわりに回動可能に支持され、前記弾性付勢される要素が前記滑動面(44)に当接する当接個所(86)と前記回転軸線(19)との間隔(b,c)が、前記第2の部分(44.2)において、前記操作要素を前記操作方向(57,70)に操作した時に連続的に大きくなることを特徴とする、請求項6に記載の作業機。
前記調整要素(17)が調整用伝動装置を介して前記両係止要素の少なくとも一方の係止要素に作用することを特徴とする、請求項3から7までのいずれか一つに記載の作業機。
前記位置決め溝(40)が前記調整要素(17)に形成され、前記位置決めピン(58)が前記係止要素のうちの1つと固定結合されていることを特徴とする、請求項9または10に記載の作業機。
前記調整要素(17)が前記第2の係止要素に作用し、該第2の係止要素が前記中間ストッパー(55)を変位させるために前記操作要素の前記操作方向(57,70)に可動であることを特徴とする、請求項8から11までのいずれか一つに記載の作業機。
前記操作要素が回動軸線(19)のまわりに回動可能に支持されていること、前記第2の部分が前記中間ストッパー(55)を変位させるために前記操作要素の前記回動軸線(19)のまわりに回動可能であることを特徴とする、請求項12に記載の作業機。
前記操作要素がスロットルコントロールレバー(14)であり、該スロットルコントロールレバーが、操作者によって操作される操作部分(37)と、該スロットルコントロールレバー(14)の調整移動を前記駆動原動機に伝達させるための伝動要素が固定されている固定部分(38)とを含み、前記操作部分(37)と前記固定部分(38)との相対位置を調整可能であり、前記操作部分(37)に係止要素が固定されていることを特徴とする、請求項3から13までのいずれか一つに記載の作業機。
前記操作要素がそのゼロ位置(74)へ弾性付勢されていること、前記操作要素を調整距離(s)だけ変位させるために必要な操作力(F)が、前記中間ストッパー(55)に到達する前と前記中間ストッパー(55)を越えた後とでほぼ同じ大きさであり、または、前記操作要素を調整距離(s)だけ変位させるために必要な操作力(F)は、前記中間ストッパー(55)を越えた後よりも前記中間ストッパー(55)に到達する前のほうが小さいことを特徴とする、請求項1から15までのいずれか一つに記載の作業機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、高回転数の場合も疲労のない作業が可能であり、種々の低回転数で容易な作業を可能にする、冒頭で述べた種類の作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1によって解決される。
【0006】
本発明によれば、中間ストッパーを越えた後の操作力は、操作要素をさらに操作した時に再び低下する。これにより、中間ストッパーによって定義されている回転数よりも上の回転数で作動させるには、操作者は中間ストッパーを越えるために必要な力を継続させる必要はなく、これよりもかなり小さな操作力をもたらすだけでよい。この操作力は、中間ストッパーを設けていない場合の、操作要素(たとえばスロットルコントロールレバー)の通常の操作力に相当するものなので有利である。操作要素を操作するための力は、通常は操作距離に伴って直線的に上昇する。中間ストッパーに到達する際の力はこの直線的特性曲線に比べてかなり強く上昇し、中間ストッパーを越えた後は再び直線的特性曲線へ再び戻るので有利である。これにより、中間ストッパーを越えるために強い力の上昇を達成させることができる。
【0007】
中間ストッパーが設けられているために、作業機に対し所望の作業点を調整可能である。中間ストッパーは有利には作動中においても位置調整可能である。特に、中間ストッパーを変位させることによってスロットルコントロールレバーをより低い回転数方向へ戻すことが可能である。これによって作動中に所望の作業点を微細に調整することができる。中間ストッパーの調整要素を介してスロットルコントロールレバーを調整することは、中間ストッパーを越えるために必要な力が中間ストッパーに到達前後に必要な力よりもかなり大きい場合に可能である。中間ストッパーを越えた後の操作力が再び低下して、操作者が継続的に操作力をもたらす必要がないので、この力を適宜大きく設定することができる。
【0008】
中間ストッパーの位置が調整可能であることにより、異なる低回転数での作業が簡単に可能である。調整要素の位置は操作要素の位置とは関係なく調整可能であるので有利である。この場合、調整要素は操作要素に配置され、操作要素に対し位置調整可能であってよい。しかしながら、中間ストッパーに対して調整要素により設定した位置は、操作要素の位置とは独立である。有利には、調整要素と操作要素とは互いに空間的に切り離して配置されている。
【0009】
中間ストッパーを越えた後の操作力は、中間ストッパーを越えるときの最大操作力の半分よりも小さく、特に中間ストッパーを越えるときの最大操作力の四分の一よりも小さい。中間ストッパーは、有利には、操作要素と結合される第1の係止要素と、ケースと結合される第2の係止要素とによって形成されている。この場合、中間ストッパーを位置調整するため、第1の係止要素の位置は操作要素に対し相対的に調整可能であり、または、第2の係止要素の位置はケースに対し相対的に調整可能であってよい。これら操作要素は操作要素の全操作距離にわたってゼロ位置から最大位置まで互いに相対移動する。この場合、操作要素のゼロ位置とは操作要素の非操作位置であり、最大位置とは最大に操作した位置である。最大位置はたとえばストッパーによって構造的に設定されていてよい。従って、中間ストッパーは操作要素によって変位されずに、操作要素が中間ストッパーを克服し、これによって中間ストッパーを克服した後の操作力を再び低下させることができる。
【0010】
有利には、前記係止要素のうちの一方の係止要素は弾性付勢される要素であり、他方の係止要素は係止面である。中間ストッパーを越えるときに、弾性付勢される要素は有利に弾性変形し、機械的な中間ストッパーを介して移動する。弾性付勢される要素がこの機械的ストッパーを介して移動した後、操作力は再び低下する。有利には、弾性付勢される要素は非常に硬く設計され、すなわち大きな弾性定数を有している。これにより、中間ストッパーで必要な操作力を簡単に非常に大きく増大させることができる。有利には、弾性付勢される要素は調整可能である。しかし、係止面の位置が中間ストッパーを調整するために調整可能であるようにしてよい。
【0011】
係止面は、弾性付勢される要素が該係止面に到達した時の移動方向に対して、すなわち弾性付勢される要素が係止面に到達した時に移動する方向に対して、有利には45゜以上の角度だけ傾斜している。この傾斜角は有利にはほぼ70゜よりも大きく、特にほぼ75゜とほぼ85゜の間である。これにより、かなりの振動が発生する作動中にも操作者が中間ストッパーをはっきり感知できることが達成される。中間ストッパーを越えるための操作力は非常に短い時間だけ適用すればよく、その後操作力は再び低下するので、中間ストッパーを越えるための比較的大きな操作力を許容できる。
【0012】
弾性付勢される要素が、操作要素を操作した時に滑動面に沿って滑動すれば、比較的簡潔な構成が得られる。滑動面は、有利には、操作方向において係止面の手前にある第1の部分と、操作方向において係止面の後方にある第2の部分とを有している。操作方向において係止面の手前にある部分とは、操作要素が中間ストッパーの手前にあるときに、弾性付勢される要素が当接する部分であり、滑動面の第2の部分とは、中間ストッパーを越えたときに弾性付勢される要素が当接する部分である。有利には、係止面は滑動面の両部分との間で傾斜部を形成している。これにより、操作要素から手を離すと、中間ストッパーは知覚されず、知覚されてもわずかであり、操作要素は、手を離したときに、有利には復帰ばねの力でそのゼロ位置へ復帰する。滑動面は、第1の部分および第2の部分において、弾性付勢される要素の移動方向にほぼ平行に延在している。弾性付勢される要素が直線移動を実施すると、有利には滑動面の両部分も平坦に延在する。弾性付勢される要素が円弧状軌道を移動すると、滑動面は有利にはその都度対応している半径で円弧状に延在する。移動方向は滑動面に対し接線方向である。第2の部分で大きな操作力と復帰力とを達成するため、滑動面は、第2の部分において、該滑動面の移動方向に対し傾斜して延在しているのが有利である。滑動面回動軸線のまわりに回動可能に支持されていれば、簡潔な構成が得られる。弾性付勢される要素が滑動面に当接する当接個所と回転軸線との間隔は、操作要素が操作方向に移動した時に連続的に大きくなる。
【0013】
中間ストッパーの位置の微細な調整は、調整要素が調整用伝動装置を介して両係止要素の少なくとも一方の係止要素に作用するならば、可能になる。なお調整用伝動装置とは、調整要素の調整距離を、両係止要素のうちの一方の係止要素の調整距離とは異なる、特に著しく小さな調整距離に変換するような伝動装置である。調整用伝動装置が、位置決め溝で案内されている位置決めピンを有していれば、簡潔な構成が得られる。この場合、位置決め溝は有利にはスパイラル状に延在している。有利には、中間ストッパーを操作要素のゼロ位置付近の位置から、操作要素の最大位置付近の位置へ調整するには、調整要素の1回転以上の回転が必要とされる。有利には、中間ストッパーの位置調整はゼロ位置と最大位置との間の全範囲で可能である。中間ストッパーの位置は特に無段階に調整可能であり、その結果中間ストッパーはゼロ位置と最大位置との間のどの位置へも調整することができる。
【0014】
有利には、位置決め溝は調整要素に形成され、位置決めピンは係止要素のうちの1つと固定結合されている。調整要素は第2の係止要素に作用し、該第2の係止要素は中間ストッパーを変位させるために操作要素の操作方向に可動である。操作要素が回動軸線のまわりに回動可能に支持され、第2の部分が中間ストッパーを変位させるために操作要素の回動軸線のまわりに回動可能であれば、簡潔でコンパクトな配置構成が達成される。
【0015】
前記ケースが少なくとも2つの部分シェルから形成されているグリップケースであり、操作要素と調整要素と調整用伝動装置と消し要素とがグリップケースの1つの共通の部分シェル内で支持されて固定されていれば、位置調整可能な中間ストッパーの簡単な組み立てが可能になる。有利には、グリップケースのこの部分シェルはグリップケースの通常の他の部分シェルと結合させることができる。これにより、中間ストッパーを備えた作業機を、操作要素と調整要素と調整用伝動装置と係止要素とが収納されているグリップケースの部分シェルを除けば、位置調整可能な中間ストッパーを設けていない作業機と同等に構成することができる。位置調整可能な中間ストッパーの追装備もこれによって簡単に可能である。
【0016】
有利には、操作要素はスロットルコントロールレバーであり、該スロットルコントロールレバーは、操作者によって操作される操作部分と、該スロットルコントロールレバーの調整移動を駆動原動機に伝達させるための伝動要素が固定されている固定部分とを含んでいる。有利には、操作部分と固定部分との相対位置は調整可能である。これによって伝動要素、特にスロットルコントロールケーブルの長さを簡単に調整することができる。有利には、操作部分に係止要素が固定されている。これによって、中間ストッパーは操作者が操作するスロットルコントロールレバーの操作部分に直接作用する。
【0017】
操作要素は、有利にはそのゼロ位置へ、すなわち非操作位置へ弾性付勢されている。これにより、操作要素は手を離すとゼロ位置へ復帰する。操作要素を調整距離だけ変位させる操作力は、中間ストッパーに到達する前と、中間ストッパーを越えた後とで、すなわち操作方向において中間ストッパーの両側でほぼ同じ大きさであるので有利である。従って、非操作位置への復帰は付加的な力を要することなく、操作要素の通常の弾性負荷だけで中間ストッパーによって行われる。しかし、中間ストッパーに到達する前と中間ストッパーを越えた後とで、必要な操作力が異なるようにしてもよい。この場合、中間ストッパーに到達する前に操作要素を調整距離だけ変位させるために必要な操作力は、中間ストッパーを越えた後のそれよりも小さいのが有利である。従って、操作距離ごとに操作要素に作用する力は、中間ストッパーに到達する前よりも、中間ストッパーを越えた後のほうが大きい。よって、中間ストッパーを越えた後では、操作要素をその完全操作位置へ変位させるために、調整距離ごとにより大きな力が必要になる。これにより、中間ストッパーに到達してこれを越えたことを操作者ははっきりと知覚できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は作業機の1実施形態として、手で操縦される作業機、すなわち刈払い機1を示している。しかし、以下で説明する中間ストッパーの構成は他の作業機でも使用でき、特に他の手で操縦される作業機、特に噴霧機、送風機、剪定ばさみ、オリーブ収穫機等に使用できる。送風機、噴霧機の場合、工具は作業空気流を搬送する羽根車である。オリーブ収穫機等の収穫機の場合には、工具は樹木または灌木に係合する移動式フィンガー、フック等によって形成される。
【0020】
刈払い機1は原動機ケーシング2を有し、原動機ケーシング内には、
図1に図示していない駆動原動機が配置されている。電動機ケーシング2は案内管3を介して刈り取りヘッド6と結合され、刈り取りヘッドからは切断糸7が突出している。刈り取りヘッド6は回転駆動されている。切断糸7の飛翔円(回転円)は部分的に保護部材8によって覆われている。案内管3にはハンドグリップ4と湾曲グリップ5とが固定され、ハンドグリップおよび湾曲グリップで操作者9は刈払い機1を保持して操縦する。案内管3はハンドグリップ4を貫通突出している。ハンドグリップ4および湾曲グリップ5の代わりに、案内管3にグリップステアリングを固定して、このグリップステアリングの両端部のうちの一方の端部にハンドグリップ4を嵌合させてもよい。
【0021】
図4はハンドグリップ4の詳細図である。ハンドグリップ4は2つの部分シェル11と12から構成され、これら部分シェルは協働して案内管3用の開口部13を画成している。部分シェル11と12は、案内管3の長手方向に延びる分割面内で互いに結合されている。部分シェル11と12は協働して1つのグリップケース10を形成している。グリップケース10にはスロットルコントロールレバー14が回動可能に支持されている。グリップケース10の、スロットルコントロールレバー14とは反対側では、同様にグリップケース10で回動可能に支持されているスロットルコントロールレバーロック15がグリップケース10から突出している。ハンドグリップ4はストップスイッチ16と調整要素17とを有している。グリップケース10はストップスイッチ16に隣接する位置に繰り抜き部18を有し、この繰り抜き部がグリップケース10内に配置されている調整要素17を解放しており、その結果操作者9は調整要素17を操作することができる。調整要素17は、該調整要素17の簡単な調整を可能にする溝34を有している。調整要素17の他の表面構造も有利である。
【0022】
図3の概略図に示したように、スロットルコントロールレバー14は操作部分37と固定部分38とを有している。両部分37と38は同じ回動軸線19のまわりに回動可能に支持されている。操作部分37には復帰ばね33が作用し、操作者9が操作部分37を操作していないときは、復帰ばね33は操作部分37を、よって固定部分38をもそのゼロ位置へ復帰させる。
【0023】
固定部分38には、スロットルコントロールケーブル20のための受容部21が形成され、該受容部にスロットルコントロールケーブル20が掛止されている。スロットルコントロールレバー14の両部分37と38は、スロットルコントロールケーブル20の長さを調整するために互いに相対的に位置調整可能である。
【0024】
図3が示すように、駆動原動機は内燃エンジン27として構成され、特に単気筒エンジンとして構成されている。内燃エンジン27は有利には2サイクルエンジンであり、或いは、燃料混合潤滑型4サイクルエンジンである。しかしながら、駆動原動機は電動機であってもよく、特に電流ケーブル、バッテリーまたはアキュムレータを介してエネルギーを供給される電動機であってもよい。内燃エンジン27はシリンダ28を有し、シリンダ内でピストン30が往復動するように支持されている。ピストン30は、連接棒32を介して、クランクケース29内で回転可能に支持されているクランク軸31を回転駆動する。クランク軸31は作業機の工具(本実施形態では刈払い機1の刈り取りヘッド6)を駆動する。燃料空気混合気の供給のため、内燃エンジン27には吸気通路26が開口し、その吸込み口は有利にはピストン30によって開閉制御される。吸気通路26は少なくとも部分的に気化器22内で案内され、気化器内では、吸い込まれた燃焼空気が燃料に供給される。気化器22内は、スロットルバルブ23がスロットル軸24を用いて回動可能に支持されている。スロットル軸24上には、気化器22のケースの外面にスロットルレバー25が固定され、該スロットルレバーにスロットルコントロールケーブル20が係合している。気化器22の代わりにスロットルバルブ23用のスロットルケースが設けられていてもよく、燃料はたとえば噴射弁を介してダイレクトにクランクケース29内、吸気通路26内、またはシリンダ28内へ別個に供給される。
【0025】
刈払い機1の場合、内燃エンジン27を最大回転数で作動させるのではなく、最適な切断結果を達成するために低回転数で作動させるのが望ましい場合がよくある。部分的にのみ操作された位置で長時間にわたってスロットルコントロールレバー14を保持するのを容易にするため、中間ストッパー55(
図6)が設けられている。その位置は調整要素17を介して調整することができる。
図4が示すように、調整要素17はハンドル車として形成され、グリップケース10のケース名部側にスパイラル状の位置決め溝40を担持している。位置決め溝40には位置決めピン58(
図9)が係合し、位置決め品は保持要素42にされている。
図4が示すように、保持要素42はスロットルコントロールレバー14の回動軸線19のまわりに回動可能に支持され、ガイドピン41が突入している案内溝46を有している。ガイドピン41は、有利には、調整要素17のための固定ねじの頭部によって形成される。案内溝46は回動軸線19のまわりに円弧状に延在している。保持要素42にはばね43が固定されている。ばね43は板ばねとして形成され、保持細条部52を介して保持要素42に固定されている。ばね43は自由端76を有し、該自由端においてばね43は湾曲して形成されている。ばね43の自由端76は、スロットルコントロールレバー14の操作部分に形成されている滑動面44に当接している。滑動面44はほぼ円弧状に回動軸線19のまわりに延在している。ばね43は有利には金属から成り、特にばね鋼から成っている。しかし、ばね43をプラスチックから形成することも有利である。
【0026】
調整要素17は、その外周に、係止ばね36と協働する係止輪郭部35(
図4)を有している。これによって調整要素17の係止位置が定義される。係止輪郭部35が調整要素17の外周に配置されているため、2つの係止ステップの間に非常に小さな調整角が得られる。位置決め溝40と位置決めピン58(
図9)とは、中間ストッパー55の位置を非常に微細に調整するのを可能にする調整用伝動装置を形成している。係止輪郭部35が調整要素17の内周に配置されるようにしてもよい。
【0027】
図4は、操作部分37および固定部分38の構造的構成も示している。固定部分38も回動軸線19のまわりに回動可能に支持されている。操作部分37と固定部分38との間に調整ねじ39が作用し、調整ねじ39は操作部分37にねじ込まれいて固定部分38に当接している。スロットルコントロールレバー14が操作されていないときに調整ねじ39を回転させることによってスロットルバルブ23の位置が変化し、これによってスロットルバルブの位置調整を行うことができる。これにより、スロットルコントロールレバー14の回動の際にスロットルバルブ23が閉じた位置から完全に開いた位置へ完全に回動することが可能であるよう保証することができる。スロットルバルブ23のアイドリング位置は、すなわちスロットルコントロールレバー14の非操作時にスロットルバルブ23が配置されている位置を調整することができる。
図4が示すように、操作部分37と部分シェル11との間ゼロストッパー54が形成され、該ゼロストッパーには、
図4に示したゼロ位置74において復帰ばね33(
図3)の力によってスロットルコントロールレバー14が当接する。ガスを付与するため、操作部分37は操作方向57に操作される。
【0028】
図5が示すように、滑動面44は、スロットルコントロールレバー14のゼロ位置74でばね43が第1の当接領域50でもって当接する第1の部分44.1を有している。当接領域50は滑動面44の当接部位86に当接する。滑動面44はさらに第2の部分44.2を有している。第1の部分44.1と第2の部分44.2との間には、両部分44.1と44.2の間の傾斜部を形成している係止面45が配置されている。第1の部分44.1は第2の部分44.2よりも回動軸線19に対し短い間隔を有している。係止面45は、スロットルコントロールレバー14を操作した時に滑動面44がばね43に対し相対的に移動する移動方向73に対して角度βで傾斜している。角度βは有利には45゜以上、特に65゜以上、また70゜以上であってもよい。特に有利には角度βはほぼ75゜ないしほぼ85゜である。滑動面44の第1の部分44.1と回転軸線19との間隔dは第1の部分44.1全体にわたって一定である。スロットルコントロールレバー14を調整しても、ばね43が第1の部分44.1で当接している限り、ばね43が張られている距離は変化しない。
【0029】
係止面45は、端部47において、滑動面44の第2の部分44.2へ移行する。回動軸線19と端部47とを結ぶ線は、係止面45と角度αを成している。角度αは本実施形態ではほぼ8゜ないしほぼ10゜である。角度αは、有利には45゜よりも小さく、特に45゜よりも著しく小さい。
図5がさらに示すように、ばね43は係止面45側に第2の当接領域51を有している。当接領域50は湾曲端部76に隣接して直線部分85に配置されている。ばね43の端部76は曲げられている。端部76は直線部分85と角度γを成し、角度γは有利には少なくとも80゜である。端部76は半径部でもって境を接している直線部分85へ移行している。当接面51は端部76と境を接している直線部分85との間の領域に配置され、この領域でばね43が湾曲して延在している。ばね43が端部76と直線部分85との間で湾曲して形成されているため、ばね43が係止面45で係止されるのを阻止している。湾曲構成により、スロットルコントロールレバー14をさらに操作方向57に回動させたときに、係止面45が滑動面44の第2の部分44.2の方向で力をばね43に作用させてばね43を弾性変形させるのが簡単に保証される。保持要素42には当接細条部53が形成され、第1の当接領域50が滑動面44の第1の部分44.1に当接した時にばね43がこの当接細条部53に当接することができる。
【0030】
図6はスロットルコントロールレバー14をさらに操作した時に配置態様を示している。
図6では、スロットルコントロールレバー14は操作方向57において中間ストッパー55に到達するまで押されている。中間ストッパー55は第2の当接領域51と当接面45とによって形成される。スロットルコントロールレバー14が中間ストッパー55に到達した時、第1の当接面50も滑動面44の第1の部分44.1に当接する。調整要素17の位置は、
図4および
図5に示した位置に比べて変化していない。これによってばね43はグリップケース10に対し位置固定して保持される。スロットルコントロールレバー14はグリップケース10に対し且つばね43に対し移動する。
【0031】
図7は、スロットルコントロールレバー14を操作方向57(
図6)においてさらに操作した後の最大位置75で示したものである。最大位置57でスロットルコントロールレバー14はグリップケース10に形成されたエンドストッパー56に当接する。この位置でばね43の当接領域50は滑動面44の第2の部分44.2に当接する。ばね43は当接細条部53から離間し、すなわち滑動面44の第2の部分44.2と回動軸線19との間隔が拡大されるためである。第2の部分44.2はその全長にわたって回転軸線19に対し一定の間隔eを有している。これにより、ばね43はスロットルコントロールレバー14が移動した時、ばね43が滑動面44の第2の部分44.2に当接している間はさらに変形しない。
【0032】
図8は、操作力Fの推移とスロットルコントロールレバー14の操作距離sとの関係を示すグラフである。操作力Fは、スロットルコントロールレバー14を操作した時にゼロストッパー54を起点として操作方向57にまず直線的に増加する(線92)。操作力Fの上昇は、実質的に、スロットルバルブ23の復帰ばね33と場合によっては他の復帰ばねとによって決定される。ばね43はほぼ回動軸線19の方向で滑動面44に作用し、これによってスロットルコントロールレバー14にモーメントを及ぼさない。しかしながら、滑動面44の他の延在態様も有利であり、或いは、スロットルコントロールレバー14に対して付加的なモーメントをそのゼロ位置74(
図5)の方向に及ぼすような、ばね43の他の方向づけも有利である。中間ストッパー55に到達すると、操作力Fは最大操作力F
maxへ非常に強く上昇する。操作力Fの上昇は、ばね43が係止面45で弾性変形したためである。係止面45が移動方向73(
図5)に対し非常に急傾斜で方向づけられ、これによってばね43の弾性変形に必要な方向での操作力Fの一部しか作用しないので、非常に大きな最大操作力F
maxが生じる。角度βまたは対応する角度αを介して最大操作力F
maxの大きさを構造的に決定することができる。ばね43の第1の当接領域50が滑動面44の第2の部分44.2に当接すると、操作力Fは再び強く低下する。図示した実施形態では、操作力は、ゼロストッパー54から中間ストッパー55への特性曲線のほぼ延長上にある値へ低下する。操作力Fは、線93が示すように、エンドストッパー56に到達するまでさらに直線的に上昇する。なお、本実施形態では、線93は線92の延長上にあり、線92と同じ勾配を有している。
【0033】
図8で破線49で示唆したように、中間ストッパー55の位置を調整することができ、すなわち調整要素17の回転によって調整できる。有利には、中間ストッパー55の位置をゼロストッパー54とエンドストッパー56との間の全域において調整することができる。この場合の構成は、有利には、中間ストッパー55が作動中に位置調整できるように選定されている。有利には、ばね43が中間ストッパー55に当接しているときに調整要素17を介してスロットルコントロールレバー14を調整することができる。これにより、中間ストッパー55の位置を作動中に所望のスロットルコントロールレバー位置と同時に調整できる。
【0034】
図8には、操作者がスロットルコントロールレバー14を離して該スロットルコントロールレバーが操作方向57とは逆方向に移動するときに復帰ばね33によってもたらされる、スロットルコントロールレバー14の復帰力Rも図示されている。復帰力Rは直線で経過し、よって復帰ばね33のばね定数は一定である。中間ストッパー55により、該中間ストッパー55の前後に付加的な復帰力Rは作用しない。有利には、中間ストッパー55自体もスロットルコントロールレバー14に対し付加的な復帰力Rを及ぼさない。
【0035】
図9および
図10は保持要素42の詳細構成図である。保持要素42は支持ピン59を有し、支持ピン59は、
図6が示すように、スロットルコントロールレバー14を貫通突出して、スロットルコントロールレバー14のための支持部として用いられる。支持ピン59自体は、同様に
図6に図示したケースピン60で支持されている。
図9および
図10は、位置決め溝40内へ突出している位置決めピン58をも示している。
【0036】
図11および
図12は調整要素17を示している。調整要素17はほぼシェル状に形成されている。保持要素42の、ばね43を保持している領域と、位置決めピン58と、案内溝46を有している領域とは、調整要素17の縁によって取り囲まれている空間の内部にある。これによりこの配置構成の小さな構成サイズが得られる。調整要素17は、
図4にも図示した回転軸線63のまわりに回転可能に支持されている。調整要素17は支持穴62を有し、支持穴は回転軸線63を取り囲み、この支持穴の中にグリップケース10の支持ピン(図示せず)が突出する。調整要素17は、保持要素42側に、位置決め溝40を有している。位置決め溝40は回転軸線63のまわりにスパイラル状に延在している。位置決め溝40は内端65と外端66とを有している。位置決め溝40は外端66に隣接して端部部分61を有し、端部部分61において位置決め溝40はより急傾斜で延在し、すなわち回転軸線63のまわりで接線方向により強く傾斜している。これにより、中間ストッパー55はスロットルコントロールレバー14がフルスロットル位置に到達する直前の領域で固定されることがない。端部部分61の方向づけは、位置決めピン58が端部部分61内にあるときにスロットルコントロールレバーが中間ストッパー55をその終端位置へ押すように、選定されている。
【0037】
位置決め溝40は外壁64を有し、中間ストッパー55を押しすぎたときにこの外壁に対し位置決めピン58(
図9)が押しつけられる。外壁64は回転軸線63に対し間隔aを有し、この間隔aは内端65から外端66のほうへ連続的に大きくなっている。間隔aの変化は、ばね43が通常作動時に位置固定して配置され、且つ中間ストッパー55が弾性変形するように、小さい。調整要素17を回転させるため、中間ストッパー55に設けたばね43から調整要素17に対して該調整要素17の回転方向に作用する力は小さすぎ、作用する摩擦力は大きすぎる。
【0038】
図13は、フルスロットル位置に対応する位置に中間ストッパー55があるときの位置で装置を示したものである。フルスロットル位置とは、スロットルコントロールレバー14がエンドストッパー56に当接しているときの該スロットルコントロールレバー14の位置である。位置決めピン58(
図9および
図10)は位置決め溝(
図11)の外端66にある。ガイドピン41は案内溝46の一端に隣接して配置されている。
【0039】
図13は、スロットルコントロールレバー14のアイドリング位置に対応する位置に隣接した位置で中間ストッパー55を示している。スロットルコントロールレバー14のアイドリング位置とは、スロットルコントロールレバー14がゼロストッパー54に当接している位置である。位置決めピン58(
図9および
図10)は位置決め溝40(
図11および
図12)の内端65に隣接して配置されている。スロットルコントロールレバー14がわずかに操作されると、第2の当接部分51が係止面45と接触する。ガイドピン41は案内溝46の他端にある。
【0040】
図15と
図16は、回動可能に支持されるスロットルコントロールレバー14の代わりにスライダ67が設けられている、中間ストッパー55の構成に対する2つの実施形態を示すものである。スライダ67は操作者がダイレクトに操作するか、或いは、回動可能なスロットルコントロールレバーが直線変位可能なスライダ67に作用する。スライダ67はガス付与のために操作方向70にスライド可能であり、すなわち
図15および
図16の概略図ではコイル圧縮ばねとして図示されている復帰ばね33の力に抗してスライド可能である。
【0041】
図15の実施形態では、スライダ67は、2つの部分44.1,44.2と係止面45とを備えた滑動面44を有している。グリップケース10内には、弾性付勢される要素、すなわち球体68が、矢印72の方向に変位可能に配置されている。球体68は圧縮ばね69によって弾性付勢されている。スライダ67を操作すると、球体68は係止面5と接触する。これによって操作力Fがスライダ67をさらにスライドさせるために強く上昇する。球体68は、係止面45を乗り越えた後、滑動面44の第2の部分44.2に当接する。滑動面44の部分44.1と44.2は操作方向70に平行に延在しており、その結果ここでは、実質的に復帰ばね33によって発生するわずかな操作力しか生じない。弾性付勢される要素の他の構成も有利である。
【0042】
図16では、球体68は圧縮ばね69とともにスライダ67に配置され、滑動面44は、グリップケース10内で矢印72の方向に変位可能に支持されている滑動部材71に形成されている。ここでは、操作力Fは適宜上昇し、中間ストッパー55を克服した後は適宜低下する。
図15と
図16の実施形態では、係止面45は同様に傾斜部を形成しており、その結果ストッパーは操作方向70とは逆の方向に作用せず、すなわちスライダ67を離したときには作用しない。
【0043】
図17は、スロットルコントロールレバー14の1実施形態を最大位置75で示したものである。この位置は、
図7で第1実施形態に対し示した位置に相当している。これまでの図に示した参照符号と同じ参照符号は、互いに対応する要素を表わしている。
図17に示したハンドグリップ4の構成は、
図2ないし
図14のハンドグリップ4に対応している。
図17に示したハンドグリップ4は、スロットルコントロールレバー14の滑動面44の構成の点で
図2ないし
図14のハンドグリップと異なっている。滑動面44の第1の部分44.1は
図2ないし
図14に示した構成に対応しており、回転軸線19のまわりに円弧状の延在部を有している。滑動面44.1と回転軸線19との間隔dは一定である。ばね43が中間ストッパー55を克服した後に当接する、滑動面44の第2の部分44.2は、逸脱した延在部を有している。第2の部分44.2は、中間ストッパー55から、スロットルコントロールレバー14の最大位置75でばね43が当接する当接個所86まで、回動軸線19から次第に離れていっている。滑動面44の第2の部分44.2は、中間ストッパー55のすぐ後方で回動軸線19に対し間隔bを有している。ばね43がスロットルコントロールレバー14の最大位置75で当接する当接個所86は、回動軸線19に対し、間隔bよりも大きな間隔cを有している。滑動面44.2と回動軸線19との間隔は、間隔bから間隔cへ連続的に大きくなっている。これによりばね43は、スロットルコントロールレバー14が中間ストッパー55を克服した後に最大位置75まで移動するときに緊張を増す。スロットルコントロールレバー14が所定の調整距離s(
図18)だけ必要な操作力Fは、すなわちスロットルコントロールレバー14を所定の調整角度だけ回動させるために必要な操作力Fは、中間ストッパー55に到達する以前では、中間ストッパー55に到達した後よりも小さい。
【0044】
滑動面44の第2の部分44.2は滑動面44の移動方向73に対し平行に延在しておらず、すなわち滑動面44のどの位置においても移動方向73に対し接線方向に延在しておらず、移動方向73に対し傾斜して延在している。この点を
図20に拡大して示した。耐2の部分44.2におけるかづう面44での接線は滑動面44の移動方向73と角度δを成している。角度δは有利にはほぼ3゜ないしほぼ30゜である。角度δが大きければ大きいほど、スロットルコントロールレバー14に作用する復帰力Rは大きくなる。
図20は、ばね34が滑動面44に対し垂直に作用することも示されている。ばね34は滑動面44に対し力90を作用させ、この力の作用方向は回動軸線19に対し間隔fを有している。これによりばね43はスロットルコントロールレバー14に対し操作方向57(
図6)とは逆方向に作用するモーメントを付与する。
【0045】
図18は、
図17に示した実施形態に対する操作力の推移を示している。第1の線83は、中間ストッパーまでの操作力Fの推移を示している。操作力Fは、中間ストッパー55に到達するまでは、小さな勾配で直線的に上昇する。中間ストッパー55では、傾斜面45が急傾斜であるために、操作力は最大操作力F
maxまで非常に強く上昇する。これは前記個々の実施形態の力の推移に対応している。操作力Fは、中間ストッパー55を克服した後、線83の直線延長線上よりも上の値へ低下する。中間ストッパー55を克服した後に操作力Fは線83の延長線上に戻らない。というのは、ばね43が、力90を介してスロットルコントロールレバー14に対し操作力Fに反作用する付加的モーメントを作用させるからである。操作力Fはエンドストッパー56に到達するまでより強く上昇する。これを、線83の勾配よりも大きな勾配の線84で示唆した。滑動面44の第2の部分44.2では、すなわち中間ストッパー55を克服した後は必要な操作力Fが大きくなるため、操作者は、中間ストッパー55がすでに克服されたことに関してより明確なフィードバックを受ける。復帰力Rは、中間ストッパー55の克服後、すなわちばね43が第2の部分44.2で当接した時、中間ストッパー55に到達する以前よりも著しく大きくなる。これを線87で示した。線84が中間ストッパー55に到達した後に線83の延長線上に低下し、線83よりも大きな勾配を持つようにしてもよい。これを一点鎖線91で示唆した。操作力Fと復帰力Rとの推移の望ましい特性は、滑動面44の第2の部分44.2を適宜構成することによって調整することができる。
【0046】
スロットルコントロールレバー14から操作者が手を離すと、線84と83に平行に推移する復帰力Rが生じる。復帰力Rはスロットルコントロールレバー14をそのゼロ位置74(
図4)へ戻する。なお、中間ストッパー55とエンドストッパー56との間の領域に対しては、復帰力Rを線87によって示した。
【0047】
図19は、スロットルコントロールレバー14が電動機81に作用する実施形態の概略図である。スロットルコントロールレバー14は、操作部分78と変位可能に結合されている操作部分37を含んでいる。変位は、
図3および
図4に図示した実施形態に対応して調整ねじ39を介して行うことができる。しかし、操作部分37と78が互いに固定結合されている実施形態、または、スロットルコントロールレバー14が一体に形成されている実施形態も可能である。操作部分78は、制御装置80と接続されているポテンショメータ79に作用する。スロットルコントロールレバー14の位置に依存して、ポテンショメータ79から制御装置80へ出力される信号が変化する。制御装置80は電動機81を対応的に制御する。電動機81はエネルギー供給部82と接続されている。エネルギー供給部82はたとえばバッテリー、アキュムレータまたは外部エネルギー供給部と接続するための接続ケーブルであってよい。これまでに示した実施形態はすべて内燃エンジン27および電動機81の双方とともに使用することができる。
【0048】
図21は、滑動面44の第2の部分44.2に対する1実施形態を示している。滑動面44は第2の部分44.2において移動方向73に対し角度δだけ傾斜している。この角度δは
図17に示した角度δよりもかなり大きい。これにより、
図21に図示した実施形態の場合、ばね43が第2の部分44.2で当接した時、スロットルコントロールレバー14に対してより大きな操作力Fとより大きな復帰力Rとが生じる。ばね43が滑動面44に最大位置75(
図17)で及ぼす力90は、回動軸線19の方向に作用するのではなく、回動軸線19に対し間隔fで作用し、これによってモーメントがスロットルコントロールレバー14に対し操作方向57(
図4)とは逆方向に作用する。
図20と
図21が示すように、
図20に図示した実施形態での間隔fは、
図21に図示した実施形態での間隔fよりも大きい。これによってより大きな操作力Fとより大きな復帰力Rとが生じる。
【0049】
中間ストッパー55とエンドストッパー56との間での操作力Fの推移を、
図18では線88で示した。本実施形態では、線88は線84に対し平行に延びている。線88は線84に平行により大きな力Fのほうへずれている。中間ストッパー55とエンドストッパー56との間での復帰力Rは
図18では線89で示してある。線89も線87の上に延びている。従って、
図21に図示した実施形態での復帰力Rも、
図17に図示した実施形態での復帰力よりも大きい。スロットルコントロールレバー14の回動軸線19と、ばね43がスロットルコントロールレバー14の最大位置75(
図17)で当接している、滑動面44の領域との間の間隔cは、
図17に示した間隔cよりも大きい。この場合の滑動面44の第2の部分44.2の延在態様は、復帰方向において、すなわち
図4に示した操作方向57とは逆の方向においてスロットルコントロールレバー14に作用するモーメントが一定であるように、選定されている。
【0050】
第2の部分44.2の構成を除けば、
図21に示した実施形態はそれ以前の図に示した実施形態に対応している。
【0051】
調整距離sに関する操作力Fを示す線84,88,91,93は、中間ストッパー55とエンドストッパー56との間の領域では、ゼロストッパー54と中間ストッパー55との間の領域での調整距離sと操作力Fの推移との関係を示す線83,92と同じ勾配、または異なる勾配、特により大きな勾配を持っている。線84,88は線83に比べてより大きな操作力Fのほうへずれていてよい。しかし、中間ストッパー55とエンドストッパー56との間での領域での調整距離sに関する操作力Fを示している線93が線92の延長線上に延びるようにしてもよい。なお線92は、ゼロストッパー54と中間ストッパー55との間の領域での調整距離sに関する操作力Fを表わしている。ゼロストッパー54と中間ストッパー55との間の領域での操作力Fが一定になるようにしてもよい。これは、ばね43がモーメント(復帰ばね33(
図3)によって及ぼされる力と逆の方向に作用する)を生じさせる滑動面44の方向づけによって達成できる。