(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、健康への関心が高まりをみせており、血圧や体重、体温などを日頃から管理し、ジョギングやウォーキングなどの運動を積極的に行う人が増えはじめている。個人向け、家庭向け、老人ホームなどの施設向けの健康検査機器としては血圧計、血糖計、体重計、体組成計、体温計などのさまざまな種類の検査機器が普及し、また運動を支援するための健康検査機器としては歩数計や活動量計などが提供されており、これらは健康管理ツールの1つとして活用されている。
【0003】
しかしながら、これらの健康検査機器で得ることができる情報は、あくまでも単なる数値(しかも測定した時点のスポット的な数値)でしかなく、その数値をどのように健康管理に生かすかはユーザ次第であるのが現状であった。
【0004】
そこで、個人、家庭、あるいは老人ホームなどの施設における健康管理を支援するために欠くことのできない観点として「継続性」が挙げられる。健康な状態を保つため、あるいは、疾病の発症リスクを下げるためには、健康検査機器を用いて日常的に生体指標を検査したり、定期的な運動を心がけたりといった習慣が最も効果的であるし、健康検査機器によって測定された測定データが長期間にわたって蓄積されるほど有益な情報を提供できるからである。
【0005】
たとえば、健康検査機器によって測定された測定データを蓄積して、ユーザの健康状態を支援するための電子機器として、タブレット端末装置などの携帯端末装置によって実現される健康管理装置が提案されている。このような健康管理装置は、健康検査機器によって測定された測定データを入力するための、タッチパネルなどによって実現される測定データ入力部と、該測定データ入力部に入力された測定データを、入力されるごとに記憶して蓄積する記憶部とを含んで構成されている。ユーザは、前記記憶部に記憶されている測定データを、たとえば表示ディスプレイなどに表示させることによって確認することができ、これによって自身の健康状態の変化を分析して健康管理に役立てることができる。
【0006】
ところで、健康管理装置では、ユーザの誤入力により、明らかに異常な値が測定データとして測定データ入力部に入力される場合がある。このような、異常な値が誤入力される場合を想定して、測定データ入力部に入力された数値が適正範囲内であるか否かを判定して、適正範囲外であると判定されたときに、その入力された数値を受け付けない処理が一般的に行われている。
【0007】
しかしながら、適正範囲外の数値が測定データ入力部に入力された場合に、その入力された数値を受け付けない処理を施しただけでは、ユーザにとって利便性がよい健康管理装置であるとは言えない。
【0008】
健康管理装置に係る技術ではないけれども、たとえば特許文献1,2には、時系列的に数値データを収集する機器等において、異常な値が誤入力された場合に、その異常な値の入力数値データを補正する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1,2に開示される技術を健康管理装置に適用した場合、適正範囲外の測定データが測定データ入力部に入力されたときに、その入力された測定データを微調整して補正することができる。
【0011】
しかしながら、たとえばユーザが、測定データなどの数値データの測定データ入力部に対する入力操作に不慣れである場合、桁数に誤りがあるなどで、ユーザの意図した値から大きく外れた数値データが入力されてしまうことがある。このような場合には、特許文献1,2に開示されるような微調整して入力数値データを補正する技術では、適切な補正データを得ることができず、ユーザにとっての利便性が向上したとは言えない。
【0012】
本発明の目的は、健康検査機器によって測定された測定データを入力するための測定データ入力部を備えた健康管理装置において、ユーザの意図した値から大きく外れた数値データが測定データ入力部に入力された場合に、適切な補正データを得ることができ、ユーザにとっての利便性が向上した健康管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、特定の検査項目を含む複数の検査項目について測定された測定データが、各検査項目に対応させてそれぞれ入力される測定データ入力部と、
前記各検査項目について適正とされる測定値の適正範囲が、予め記憶された第1記憶部と、
前記測定データ入力部に測定データが入力されると、該測定データが入力された日時を表す日時情報を取得する日時情報取得部と、
前記測定データ入力部に入力された測定データが、前記第1記憶部に記憶された、対応する検査項目の適正範囲内であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって適正範囲内ではないと判定された測定データを補正して補正測定データを出力する測定データ補正部であって、
適正範囲の上限値を超えた測定データについては、予め定める第1の特定補正処理を該測定データに施して、その第1の特定補正処理後の値を、前記補正測定データとして出力し、
適正範囲の下限値未満の測定データについては、該測定データが特定の検査項目に対応した測定データである場合に、予め定める第2の特定補正処理を該測定データに施して、その第2の特定補正処理後の値を、前記補正測定データとして出力する測定データ補正部と、
前記判定部によって適正範囲内であると判定された測定データと、前記日時情報取得部によって取得された、該測定データが入力された日時を表す日時情報とを関連付け、前記測定データ補正部によって出力された補正測定データと、前記日時情報取得部によって取得された、該補正測定データの補正前の測定データが入力された日時を表す日時情報とを関連付けて記憶する第2記憶部と、を含むことを特徴とする健康管理装置である。
【0014】
また本発明の健康管理装置において、前記第1記憶部には、前記適正範囲内の予め定める適正基準値が、各検査項目にそれぞれ対応付けられて、予め記憶されており、
前記測定データ補正部は、前記第1の特定補正処理として、適正範囲の上限値を超えた測定データを10で除算する除算処理を繰返して実施し、前記適正基準値の80〜120%の範囲内となった時点の値を、前記補正測定データとして出力することを特徴とする。
【0015】
また本発明の健康管理装置において、前記特定の検査項目は、体温(℃)であり、
前記測定データ補正部は、前記第2の特定補正処理として、体温に対応する、適正範囲の下限値未満の測定データに30を加算する加算処理を実施し、その加算処理後の値を前記補正測定データとして出力することを特徴とする。
【0016】
また本発明の健康管理装置において、前記特定の検査項目は、睡眠時間(分間/日)であり、
前記測定データ補正部は、前記第2の特定補正処理として、睡眠時間に対応する、適正範囲の下限値未満の測定データに60を乗算する乗算処理を実施し、その乗算処理後の値を前記補正測定データとして出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、測定データ入力部に入力された測定データについて判定部によって、第1記憶部に記憶された適正範囲内ではないと判定された測定データを、測定データ補正部が補正する。この測定データ補正部は、適正範囲の上限値を超えた測定データについては、予め定める第1の特定補正処理を該測定データに施して、その第1の特定補正処理後の値を、補正測定データとして出力する。具体的には、測定データ補正部は、前記第1の特定補正処理として、適正範囲の上限値を超えた測定データを10で除算する除算処理を繰返して実施し、第1記憶部に記憶された適正基準値の80〜120%の範囲内となった時点の値を、補正測定データとして出力する。また、測定データ補正部は、適正範囲の下限値未満の測定データについては、該測定データが特定の検査項目に対応した測定データである場合に、該測定データに予め定める第2の特定補正処理を施して、その第2の特定補正処理後の値を、補正測定データとして出力する。
【0018】
さらに、健康管理装置において第2記憶部は、判定部によって適正範囲内であると判定された測定データ、および、測定データ補正部によって出力された補正測定データを、検査項目ごとに、日時情報取得部によって取得された日時情報と関連付けて記憶する。
【0019】
上記のように構成された健康管理装置は、桁数に誤りがあるなどで、ユーザの意図した値から大きく外れた測定データが測定データ入力部に入力された場合に、測定データ補正部によって適切な値に補正された補正測定データが出力され、ユーザにとっての利便性が向上されたものとなる。そして、第2記憶部には、判定部によって適正範囲内であると判定された測定データ、および、測定データ補正部によって出力された補正測定データが、検査項目ごとに、日時情報と関連付けて記憶されるので、ユーザは、この第2記憶部に記憶されているデータを、たとえば表示部などに表示させることによって確認することができ、これによって自身の健康状態の変化を分析して健康管理に役立てることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施例1)
図1は、本発明の一実施形態に係る健康管理装置100の構成を概略的に示すブロック図である。
図2Aは、表示部2の表示面21に表示される画像の一例を示す図である。
図2Bは、表示部2の表示面21に表示される画像の他の例を示す図である。健康管理装置100は、ユーザの健康状態の変化の分析が可能な、ユーザの健康管理を支援することができる装置であり、タブレット端末装置などの携帯端末装置によって実現される。
【0022】
健康管理装置100は、測定データ入力部として機能するタッチパネル1と、表示部2と、移動体通信モジュール3と、操作キー部4と、制御部5と、日時情報取得部として機能する計時部6と、第1記憶部7と、第2記憶部8とを含んで構成される。
【0023】
表示部2は、液晶パネルおよびバックライトを備える液晶ディスプレイや、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどによって実現され、本実施形態では、液晶ディスプレイである。この表示部2は、詳細については後述するが、
図2Aおよび
図2Bに示すように、「身長」、「体重」、「体脂肪率」、「脂肪量」、「筋肉量」、「体水分量」、「推定骨量」、「基礎代謝量」、「最高血圧」、「最低血圧」、「脈拍」、「血糖値」、「腹囲」、「体温」、「間食」、「酒摂取量」、「歩数」、「睡眠時間」、「排尿回数」、「排便回数」などの複数の検査項目211と、該各検査項目211に対応する単位を表す単位情報212との画像データに基づく画像を表示面21に表示するとともに、タッチパネル1における測定データの入力領域11を表す画像を表示面21に表示する。
【0024】
タッチパネル1は、表示部2の表示面21に重ねられて設けられる。タッチパネル1としては、赤外線遮断方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、超音波表面弾性波方式、音響パルス認識方式、振動検出方式、電磁誘導方式、画像認識方式、あるいは光センサ内蔵LCD方式のタッチパネルを用いることができる。また、たとえば、表示部2の表示面21上に、ユーザのタッチ操作を検出するためのタッチパネル1を取り付けたオーバーレイ構造であってもよく、タッチパネル1を表示部2と一体化させた構造であってもよい。タッチパネル1は、血圧計、血糖計、体重計、体組成計、体温計などの健康検査機器によって測定された、体温(℃)や睡眠時間(分間/日)などの特定検査項目を含む複数の検査項目211にそれぞれ対応した測定データが、入力領域11に入力される。
【0025】
移動体通信モジュール3は、たとえばIMT−2000(International Mobile Telecommunications 2000)規格に準拠した第3世代移動通信システムなどの移動体通信システムによる無線通信を実行する無線通信デバイスである。移動体通信モジュール3は、移動体通信のセルラーネットワークの無線基地局との間で無線接続を確立することによって、CDMA(Code Division Multiple Access)などの方式によって無線通信を行う。
【0026】
操作キー部4は、たとえば電源ボタンなどから成り、ユーザによる押下操作によって健康管理装置100における電力の供給状態の切替操作が実行される。また、計時部6は、タッチパネル1に測定データが入力された日時を表す日時情報を取得する。
【0027】
第1記憶部7は、フラッシュメモリなどの半導体メモリによって実現され、健康管理装置100の基本的な機能を実現するオペレーティングシステム(OS:Operating System)プログラムが記憶されるとともに、Webブラウジング機能を実現するブラウザプログラムなどの種々のアプリケーションプログラムが記憶される。
【0028】
本実施形態では、この第1記憶部7には、コンピュータを健康管理装置100として機能させるためのプログラムであり、後述する測定データ補正処理を実行するためのプログラム(以下、「測定データ補正プログラム」と称する)が記憶されている。なお、この測定データ補正プログラムは、健康管理装置100に予めインストールされていてもよく、または、インターネットからダウンロードするなどして取得し、インストールされてもよい。
【0029】
また、第1記憶部7は、各検査項目211について適正とされる測定値の適正範囲と、該適正範囲内の予め定める適正基準値とが、予め記憶されている。なお、前記適正基準値の初期設定値としては、各検査項目211に対応した、良好な健康状態の指標となる一般的な正常値である。具体的には、第1記憶部7には、表1に示すように、「検査項目」と、「単位」と、適正範囲の「上限値」および「下限値」とが関連付けられた適正範囲テーブルが記憶されている。
【0031】
制御部5は、健康管理装置100の各部の動作を制御する処理部であり、たとえば、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。制御部5は、第1記憶部7からRAMにロードされるオペレーティングシステムプログラムおよびアプリケーションプログラムを実行するとともに、測定データ補正プログラムを実行する。
【0032】
制御部5は、座標情報出力部51と、表示制御部52と、判定部53と、測定データ補正部54と、適正基準値更新部55とを含んで構成される。制御部5は、測定データ補正プログラムを実行することによって、本発明における座標情報出力部51、表示制御部52、判定部53、測定データ補正部54、および適正基準値更新部55として機能する。
【0033】
座標情報出力部51は、タッチパネル1に対するタッチ操作が検出されると、表示部2の表示面21に対応してタッチ操作によってタッチされた位置に対応する座標情報を生成し、その座標情報を出力する。
【0034】
表示制御部52は、表示部2を制御する機能を有し、たとえば、座標情報出力部51によって出力された座標情報に基づいて測定データ補正プログラムが実行された場合に、そのプログラムに対応して、複数の検査項目211と、該各検査項目211に対応する単位を表す単位情報212との画像データに基づく画像が表示面21に表示されるとともに、タッチパネル1における測定データの入力領域11を表す画像が表示面21に表示されるように、表示部2を制御する。
【0035】
判定部53は、第1記憶部7に記憶されている、表1に示す適正範囲テーブルを参照して、各検査項目211に対応してタッチパネル1に入力された測定データが、適正範囲内であるか否かを判定する。
【0036】
測定データ補正部54は、判定部53によって適正範囲内ではないと判定された測定データを補正する。この測定データ補正部54は、表1に示す適正範囲テーブルを参照して、適正範囲の上限値を超えた測定データについては、第1の特定補正処理として、該測定データを10で除算する除算処理を繰返して実施し、第1記憶部7に記憶される適正基準値の80〜120%の範囲内となった時点の値を、補正測定データとして出力する。測定データ補正部54は、適正範囲の上限値を超えた測定データについて、10で除算する補正処理を繰返して実施しても、第1記憶部7に記憶される適正基準値の80〜120%の範囲内に収まらない場合には、タッチパネル1に対する測定データの再入力を要請する再入力要請信号を出力する。このように、測定データ補正部54から再入力要請信号が出力されると、制御部5は、表示制御部52を介して表示部2に、タッチパネル1に対する測定データの再入力を要請するための再入力要請情報を表示させる。
【0037】
たとえば、適正基準値が「85」に設定され、適正範囲の上限値が「500」に設定されている、検査項目の最低血圧(mmHg)に対応した測定データについて、ユーザが、タッチパネル1に対するタッチ操作によって「80」と入力すべきところを、桁数を誤って適正範囲の上限値を超える「800」と入力した場合、測定データ補正部54は、まず、「800」を10で除算して「80」を得る。次に、測定データ補正部54は、除算の補正処理によって得られた「80」が、適正基準値「85」の80〜120%の範囲内であるかを判定する。「80」は「85」の94.1%であり、80〜120%の範囲内に収まっているので、この場合には測定データ補正部54は、タッチパネル1に入力された「800」に対して「80」を補正測定データとして出力する。
【0038】
また、測定データ補正部54は、表1に示す適正範囲テーブルを参照して、適正範囲の下限値未満の測定データについては、該測定データが体温(℃)や睡眠時間(分間/日)などの特定検査項目に対応したデータである場合に、該測定データに予め定める第2の特定補正処理を施して、その第2の特定補正処理後の値を、補正測定データとして出力する。測定データ補正部54は、適正範囲の下限値未満の測定データについて、特定検査項目に対応したデータではない場合には、タッチパネル1に対する測定データの再入力を要請する再入力要請信号を出力する。このように、測定データ補正部54から再入力要請信号が出力されると、制御部5は、表示制御部52を介して表示部2に、タッチパネル1に対する測定データの再入力を要請するための再入力要請情報を表示させる。
【0039】
たとえば、適正範囲の下限値が「30」に設定されている、特定検査項目の体温(℃)に対応した測定データについて、ユーザが、タッチパネル1に対するタッチ操作によって「36.5」と入力すべきところを、日常よく使用する表現である「6度5分」に応じて、適正範囲の下限値未満の「6.5」と入力した場合、測定データ補正部54は、まず、入力された測定データが「5〜8」の範囲内の値であるかを判定する。「6.5」は「5〜8」の範囲内の値であるので、次に測定データ補正部54は、第2の特定補正処理として、体温に対応する測定データとして入力された「6.5」に「30」を加算する加算処理を実施して、その加算処理後の値である「36.5」を補正測定データとして出力する。
【0040】
またたとえば、適正範囲の下限値が「15」に設定されている、特定検査項目の睡眠時間(分間/日)に対応した測定データについて、ユーザが、タッチパネル1に対するタッチ操作によって「480」と入力すべきところを、単位が(時間/日)であると勘違いして、適正範囲の下限値未満の「8」と入力した場合、測定データ補正部54は、まず、入力された測定データが「5〜10」の範囲内の値であるかを判定する。「8」は「5〜10」の範囲内の値であるので、次に測定データ補正部54は、第2の特定補正処理として、睡眠時間に対応する測定データとして入力された「8」に「60」を乗算する乗算処理を実施して、その乗算処理後の値である「480」を補正測定データとして出力する。
【0041】
適正基準値更新部55は、第1記憶部7に記憶されている適正基準値を、後述する第2記憶部8に蓄積されて記憶されるデータの最新データに更新する。たとえば、特定検査項目の体温(℃)に対応する適正基準値の初期設定値として「36」が設定されている場合、体温に対応してタッチパネル1に入力された測定データに応じて第2記憶部8に蓄積されて記憶される最新データが「36.5」であると、適正基準値更新部55は、第1記憶部7に適正基準値として記憶されている「36」を「36.5」に書き換えて、適正基準値を更新する。
【0042】
第2記憶部8は、判定部53によって適正範囲内であると判定された測定データ、および、測定データ補正部54によって出力された補正測定データを、検査項目ごとに、計時部6によって取得された日時情報と関連付けて記憶する。
【0043】
次に、本実施形態の健康管理装置100の動作について、説明する。
図3は、健康管理装置100の動作を示すフローチャートである。
【0044】
操作キー部4を介して健康管理装置100の電源が投入されると、制御部5は、第1記憶部7に記憶されるオペレーティングシステムプログラム、各種アプリケーションプログラム、および測定データ補正プログラムの実行を開始して、健康管理装置100の動作を開始する。制御部5の表示制御部52は、測定データ補正プログラムが起動されると、
図2Aおよび
図2Bに示すような、複数の検査項目211と、該各検査項目211に対応する単位を表す単位情報212との画像データに基づく画像を表示部2に表示させるとともに、タッチパネル1における測定データの入力領域11を表す画像を表示部2に表示させる。そして、制御部5は、表示部2の表示面21に表示される入力領域11に対応して、タッチパネル1に測定データが入力されると、測定データ補正処理を開始する。
【0045】
ステップs1では、制御部5の判定部53は、第1記憶部7に記憶されている、表1に示す適正範囲テーブルを参照して、各検査項目211に対応してタッチパネル1に入力された測定データが、適正範囲内であるか否かを判定する。タッチパネル1に入力された測定データが適正範囲内であると判定された場合にはステップs2に進み、適正範囲内ではないと判定された場合にはステップs3に進む。
【0046】
ステップs2では、制御部5は、適正範囲内であると判定された測定データを、計時部6によって取得された日時情報と関連付けて第2記憶部8に記憶させて、処理を終了する。
【0047】
ステップs3では、制御部5の測定データ補正部54は、表1に示す適正範囲テーブルを参照して、各検査項目211に対応してタッチパネル1に入力された測定データが適正範囲の上限値を超えているか否かを判定する。タッチパネル1に入力された測定データが適正範囲の上限値を超えていると判定された場合にはステップs4に進み、適正範囲の上限値を超えていないと判定された場合にはステップs7に進む。
【0048】
ステップs4では、制御部5の測定データ補正部54は、タッチパネル1に入力された測定データを10で除算する除算処理を繰返して実施する。次にステップs5では、測定データ補正部54は、除算処理後の値が、適正基準値(第2記憶部8に記憶された最新データ)の80〜120%の範囲内であるかを判定する。除算処理後の値が適正基準値の80〜120%の範囲内であると判定された場合にはステップs6に進み、除算処理後の値が適正基準値の80〜120%の範囲内ではないと判定された場合にはステップs9に進む。
【0049】
ステップs6では、制御部5の測定データ補正部54は、タッチパネル1に入力された測定データを10で除算する除算処理後に、適正基準値の80〜120%の範囲内となった時点の値を補正測定データとして出力し、その出力した補正測定データを、計時部6によって取得された日時情報と関連付けて第2記憶部8に記憶させて、処理を終了する。
【0050】
ステップs3において、タッチパネル1に入力された測定データが適正範囲の上限値を超えていないと判定された後のステップs7では、制御部5の測定データ補正部54は、表1に示す適正範囲テーブルを参照して、各検査項目211に対応してタッチパネル1に入力された測定データが適正範囲の下限値未満であるか否かを判定する。タッチパネル1に入力された測定データが適正範囲の下限値未満であると判定された場合にはステップs8に進む。また、適正範囲の下限値未満ではないと判定された場合にはステップs2に進み、測定データ補正部54は、タッチパネル1に入力された測定データを第2記憶部8に記憶させる。
【0051】
ステップs8では、制御部5の測定データ補正部54は、タッチパネル1に入力された測定データが、体温(℃)や睡眠時間(分間/日)などの特定検査項目に対応したデータであるか否かを判定する。タッチパネル1に入力された測定データが特定検査項目に対応したデータであると判定された場合にはステップs10に進み、タッチパネル1に入力された測定データが特定検査項目に対応したデータではないと判定された場合にはステップs9に進む。
【0052】
ステップs9では、制御部5の測定データ補正部54は、タッチパネル1に対する測定データの再入力を要請する再入力要請信号を出力する。このように、測定データ補正部54から再入力要請信号が出力されると、制御部5は、表示制御部52を介して表示部2に、タッチパネル1に対する測定データの再入力を要請するための再入力要請情報を表示させる。
【0053】
ステップs10では、制御部5の測定データ補正部54は、タッチパネル1に入力された測定データに対して第2の特定補正処理を施して、その第2の特定補正処理後の値を、補正測定データとして出力する。
【0054】
具体的には、特定検査項目の体温(℃)に対応した測定データについて、測定データ補正部54は、まず、入力された測定データが「5〜8」の範囲内の値であるかを判定する。入力された測定データが「5〜8」の範囲内の値である場合には、測定データ補正部54は、体温に対応して入力された測定データに30を加算する加算処理を施して、その加算処理後の値を補正測定データとして出力する。
【0055】
また、特定検査項目の睡眠時間(分間/日)に対応した測定データについて、測定データ補正部54は、まず、入力された測定データが「5〜10」の範囲内の値であるかを判定する。入力された測定データが「5〜10」の範囲内の値である場合には、測定データ補正部54は、睡眠時間に対して入力された測定データに60を乗算する乗算処理を施して、その乗算処理後の値を補正測定データとして出力する。
【0056】
次にステップs11では、制御部5の測定データ補正部54は、第2の特定補正処理後に出力した補正測定データを、計時部6によって取得された日時情報と関連付けて第2記憶部8に記憶させて、処理を終了する。
【0057】
以上のように構成された健康管理装置100は、桁数に誤りがあるなどで、ユーザの意図した値から大きく外れた測定データがタッチパネル1に入力された場合に、測定データ補正部54によって適切な値に補正された補正測定データが出力され、ユーザにとっての利便性が向上されたものとなる。そして、第2記憶部8には、判定部53によって適正範囲内であると判定された測定データ、および、測定データ補正部54によって出力された補正測定データが、検査項目ごとに、日時情報と関連付けて記憶されるので、ユーザは、この第2記憶部8に記憶されているデータを、たとえば表示部2などに表示させることによって確認することができ、これによって自身の健康状態の変化を分析して健康管理に役立てることができる。
【0058】
(実施例2)
上記の実施形態では、測定データ補正プログラムは、半導体メモリによって実現される第1記憶部7に記憶されているが、このような記憶装置に限定されるものではなく、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体は、たとえば図示しない外部記憶装置としてプログラム読取装置を設け、そこに記録媒体を挿入することによって読取り可能な記録媒体であってもよいし、または他の装置の記憶装置であってもよい。
【0059】
いずれの記録媒体であっても、記録媒体に記憶されているプログラムがコンピュータからアクセスされて実行される構成であればよい。すなわち、いずれの記録媒体であっても、記録媒体からプログラムが読み出され、読み出されたプログラムが、記憶装置のプログラム記憶エリアに記憶されて、そのプログラムが実行される構成であればよい。さらに通信ネットワークを介して他の装置からダウンロードされてプログラム記憶エリアに記憶させてもよい。ダウンロード用のプログラムは、予めコンピュータの記憶装置に記憶しておくか、または別な記録媒体からプログラム記憶エリアにインストールしておく。
【0060】
本体と分離可能に構成される記録媒体は、たとえば磁気テープ/カセットテープなどのテープ系の記録媒体、フロッピー(登録商標)ディスクなどの磁気ディスクのディスク系の記録媒体、フレキシブルディスク/ハードディスクなどの磁気ディスクもしくはCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)/MO(Magneto Optical disk)/MD(Mini Disk)/DVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクのディスク系の記録媒体、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系の記録媒体、またはマスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)/EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)(登録商標)/フラッシュROMなどの半導体メモリを含む固定的にプログラムを担持する記録媒体であってもよい。