特許第6186295号(P6186295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186295
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】レール用部品取付装置
(51)【国際特許分類】
   E01B 9/34 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   E01B9/34
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-48467(P2014-48467)
(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公開番号】特開2015-172298(P2015-172298A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2016年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村本 勝己
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 壱記
(72)【発明者】
【氏名】咲村 隆人
(72)【発明者】
【氏名】中込 正
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−026867(JP,U)
【文献】 実公平03−014448(JP,Y2)
【文献】 特開平08−232202(JP,A)
【文献】 米国特許第04429845(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 9/34
E01B 7/24
B61K 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールの底部の一方の縁部に嵌合するレール嵌合部を有しかつレール用部品を取付けるための取付部を有したベース金具と、
前記ベース金具と対向して配置され前記ベース金具に対し前記レールの幅方向に移動可能な受け部材と、
前記レールの底面に沿って配置され、該レールの底面を横断する方向に延びる第1および第2の腕部を有したクランプ部材と、
前記第1の腕部および第2の腕部の一端側に形成され、前記受け部材に接続される係止端部と、
前記第1の腕部の他端側に形成され、前記レールの底部の他方の縁部に係止される第1フックと、
前記第2の腕部の他端側に形成され、前記第1フックから該レールの長さ方向に間隔をあけた位置において前記レールの底部の他方の縁部に係止される第2フックと、
前記ベース金具と前記受け部材との間の距離を変化させる締付機構と、
を具備したことを特徴とするレール用部品取付装置。
【請求項2】
前記締付機構は、前記受け部材に設けられたナット部と、該ナット部に挿入されたボルトを有し、該ボルトの先端が前記ベース金具に当接し、該ボルトを回転させることにより前記ベース金具と前記受け部材との間の距離を前記レールの幅方向に変化させることを特徴とする請求項1に記載のレール用部品取付装置。
【請求項3】
前記第1の腕部と前記第2の腕部がそれぞればね部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のレール用部品取付装置。
【請求項4】
前記第1フックと前記第2フックとを互いにつなぐ接続部材を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレール用部品取付装置。
【請求項5】
前記クランプ部材がばね鋼製の1本のワイヤからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレール用部品取付装置。
【請求項6】
前記クランプ部材がばね鋼製の1枚の板材からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレール用部品取付装置。
【請求項7】
前記ばね部が前記クランプ部材の長さ方向の一部をループ形に成形してなるループ部を含むことを特徴とする請求項3に記載のレール用部品取付装置。
【請求項8】
前記ばね部が前記クランプ部材の長さ方向の一部をコイル形に巻回してなるコイル部を含むことを特徴とする請求項3に記載のレール用部品取付装置。
【請求項9】
前記ばね部が前記クランプ部材の長さ方向の一部を波形に成形してなる波形部を含むことを特徴とする請求項3に記載のレール用部品取付装置。
【請求項10】
前記第1フックの先端と前記第2フックの先端が互いに溶接部によって接続されていることを特徴とする請求項3に記載のレール用部品取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば鉄道レール等のレールに用途に応じた部品を取付けるためのレール用部品取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レールの状態を監視するために、レールに測定ユニットを取付けることがある。例えば鉄道レールの姿勢の変化(傾き等)を検出するために、鉄道レールに変位センサを取付けることがある。レールに変位センサを取付けるために、例えば特許文献1に見られるように、ボルトによってレールに固定される取付金具(レール用部品取付装置)が提案されている。あるいは特許文献2に記載されているように、マグネットを備えたブラケット(レール用部品取付装置)によって、測定ユニットをレールの側面等に固定することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−18204号公報
【特許文献2】特開2010−7452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レール上を車両が走行する際にレールに振動が生じることが知られている。従来のレール用部品取付装置は、レールの振動によって所定位置から移動してしまうことが懸念される。レール用部品取付装置が所定位置から移動してしまうと、センサの位置や姿勢が変化し、センサが所定の機能を果たすことができなくなる可能性がある。
【0005】
従って本発明の目的は、例えばセンサを備えた測定ユニット等のレール用部品をレールに確実に取付けることができ、レール用部品が所定の位置から移動してしまうことを防止できるレール用部品取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るレール用部品取付装置は、レールの底部の一方の縁部に嵌合するレール嵌合部を有しかつレール用部品を取付けるための取付部を有したベース金具と、前記ベース金具と対向して配置され前記ベース金具に対し前記レールの幅方向に移動可能な受け部材と、前記レールの底面に沿って配置され該レールの底面を横断する方向に延びる第1および第2の腕部を有したクランプ部材と、前記第1の腕部および第2の腕部の一端側に形成され前記受け部材に接続される係止端部と、前記第1の腕部の他端側に形成され前記レールの底部の他方の縁部に係止される第1フックと、前記第2の腕部の他端側に形成され前記第1フックから該レールの長さ方向に間隔をあけた位置において前記レールの底部の他方の縁部に係止される第2フックと、前記ベース金具と前記受け部材との間の距離を変化させる締付機構とを具備している。
【0007】
前記締付機構の一例は、前記受け部材に設けられたナット部と、該ナット部に挿入されたボルトを有し、該ボルトの先端が前記ベース金具に当接し、該ボルトを回転させることにより前記ベース金具と前記受け部材との間の距離を前記レールの幅方向に変化させるように構成されている。
【0008】
前記第1の腕部と前記第2の腕部がそれぞればね部を備えているとよい。また前記第1フックと前記第2フックとを互いにつなぐ接続部材を備えていてもよい。前記クランプ部材は、例えば、ばね鋼からなる1本のワイヤからなる。あるいは前記クランプ部材が、ばね鋼からなる1枚の板材からなる。
【0009】
前記ばね部の一例は、前記クランプ部材の長さ方向の一部をループ形に成形してなるループ部を含んでいる。前記ばね部の他の例は、前記クランプ部材の長さ方向の一部をコイル形に巻回してなるコイル部を含んでいる。また前記ばね部が前記クランプ部材の長さ方向の一部を波形に成形してなる波形部を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るレール用部品取付装置は、一対の腕部を有するクランプ部材の一端側に形成された係止端部と、該クランプ部材の他端側に形成された一対のフック(第1フックと第2フック)とによってレールの底部に取付けられ、係止端部と一対のフックとによる3点支持により、安定した状態のもとでベース金具をレールに保持することができる。このため、ベース金具に搭載された測定ユニット等のレール用部品を安定した状態のもとで支持することができる。
【0011】
前記クランプ部材の第1および第2の腕部にそれぞればね部が設けられている実施形態によれば、前記クランプ部材の締付けが弛むことを前記ばね部によって抑制することができるため、ベース金具をさらに確実にレールに固定することができる。前記第1フックと第2フックとをつなぐ接続部材を備えている実施形態によれば、万一、一対の腕部のうちの一方が折損しても、折損した腕部が予期しない方向に移動してしまうことを前記接続部材によって回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係るレール用部品取付装置の正面図。
図2図1に示されたレール用部品取付装置の側面図。
図3図1に示されたレール用部品取付装置の底面図。
図4図1に示されたレール用部品取付装置のクランプ部材と接続部材の斜視図。
図5図4中のF5−F5線に沿うクランプ部材の断面図。
図6】第2の実施形態に係るクランプ部材の断面図。
図7】第3の実施形態に係るクランプ部材の断面図。
図8】第4の実施形態に係るレール用部品取付装置の正面図。
図9図8に示されたレール用部品取付装置の底面図。
図10】第5の実施形態に係るレール用部品取付装置の底面図。
図11】第6の実施形態に係るレール用部品取付装置の底面図。
図12】第7の実施形態に係るクランプ部材と接続部材の斜視図。
図13】第8の実施形態に係るクランプ部材の一部と接続部材の斜視図。
図14】第9の実施形態に係るクランプ部材の一部と接続部材の斜視図。
図15】第10の実施形態に係るクランプ部材の一部と接続部材の斜視図。
図16】第11の実施形態に係るクランプ部材の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に第1の実施形態に係るレール用部品取付装置について、図1から図5を参照して説明する。
図1から図3に、鉄道レール1(以下、単にレール1と称す)と、レール1の状態を監視するための測定ユニット2と、測定ユニット2をレール1に固定するためのレール用部品取付装置3が示されている。測定ユニット2はレール用部品の一例である。
【0014】
レール1は、枕木に固定される底部10と、レール1上を走行する車両の車輪が転接する頭部11と、底部10と頭部11との間に形成された胴部12とを有している。図1中の矢印Xはレール1の幅方向、矢印Yは上下方向を示している。図2図3中の矢印Zはそれぞれレール1の長さ方向を示している。
【0015】
まず測定ユニット2の一例について説明する。
測定ユニット2は、図1図2において下側に位置する第1の支持プレート21と、上側に位置する第2の支持プレート22と、これら支持プレート21,22間に設けられたワイヤメッシュばね23,24と、ワイヤメッシュばね23,24を介して支持プレート21,22によって支持されたフローティングプレート25,26と、フローティングプレート25,26間に設けられたセンサ27とを含んでいる。支持プレート21,22は、例えば4本の連結用ロッド28によって互いに締結され、支持プレート21,22間の距離が連結用ロッド28によって一定に保たれている。
【0016】
ワイヤメッシュばね23,24は、ばね用ステンレス鋼線を編んだワイヤメッシュ(金網)を金型内に充填し、軸方向に圧縮することによって筒状に成形されている。ワイヤメッシュばね23,24は、ステンレス鋼線が互いに複雑に絡み合うことにより、圧縮方向あるいは圧縮方向以外の荷重に対して弾性を発揮することができる。ワイヤメッシュばね23,24は、支持プレート21,22とフローティングプレート25,26との間に圧縮された状態で配置されている。
【0017】
センサ27の一例は、レール1の状態、例えば傾斜の変化を三次元的にとらえることが可能な検出素子を有した加速度センサであるが、それ以外のセンサであってもよい。センサ27は、ボルトとナットなどの固定用部材32,33によって、フローティングプレート25,26に固定されている。
【0018】
次にレール用部品取付装置3について説明する。
レール用部品取付装置3は、レール1の底部10に取付けるベース金具40と、ベース金具40に対してレール1の幅方向(図1に矢印Xで示す水平方向)に移動可能な受け部材41と、レール1の底面1aに沿って配置されるクランプ部材42と、締付機構43とを含んでいる。クランプ部材42は、枕木間でレールと道床との間に隙間が生じる部分に配置される。
【0019】
ベース金具40はレール嵌合部40aを有している。レール嵌合部40aは、レール1の底部10の一方の縁部10aに嵌合する。レール嵌合部40aの一例は、レール1の縁部10aに対して側方から嵌合可能な形状の凹部としている。このベース金具40は、測定ユニット2を取付けるための取付部40bを有している。取付部40bは、レール嵌合部40aの上方に形成されている。取付部40bの一例は平坦面であり、この取付部40bに、測定ユニット2の支持プレート21がボルト等の固定用部品45によって固定されるようになっている。
【0020】
受け部材41は、ベース金具40の縦壁40cに対して水平方向に対向し、ボルト55を回転させることにより、縦壁40cに対しレール1の幅方向(図1に矢印Xで示す方向)に移動させることができる。受け部材41には、クランプ部材42の一端側(係止端部70)を支持するための支持面50が形成されている。
【0021】
締付機構43は、受け部材41に設けられたねじ孔51を有するナット部52と、ナット部52に螺合するボルト55とを含んでいる。ボルト55の先端55aは、ベース金具40の縦壁40cに形成された凹部56に入り込んでいる。ボルト55は、第1の方向と第2の方向(図1に矢印R1,R2で示す方向)に回転させることができる。
【0022】
ボルト55の頭部55bを工具によって第1の方向R1または第2の方向R2に回転させると、ベース金具40と受け部材41との間の距離L(図1に示す)を変化させることができる。例えばボルト55を第1の方向R1に回転させると、ベース金具40から受け部材41までの距離Lが大きくなり、逆にボルト55を第2の方向R2に回転させると、ベース金具40から受け部材41までの距離Lが小さくなる。
【0023】
図3に示されるように、クランプ部材42は、ばね鋼からなる1本のワイヤ60を略U形に曲げることによって形成された一対の腕部(第1の腕部61と第2の腕部62)を有し、レール1の底面1aに沿うように配置される。そして第1の腕部61と第2の腕部62とがそれぞれレール1の底面1aを横断する方向に延びている。
【0024】
クランプ部材42の材料として、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼線やオーステナイト系ステンレス鋼線、あるいはフェライト系ステンレス鋼線等のばね用ステンレス鋼線を用いてもよい。耐腐食性のばね用ステンレス鋼線からなるクランプ部材42は塗装が不用であるため好ましい。クランプ部材42の材料が炭素鋼オイルテンパー線やピアノ線のようなばね鋼線の場合には、クランプ部材42を塗装するとよい。
【0025】
図4はクランプ部材42の斜視図である。クランプ部材42の一端側に係止端部70が形成され、クランプ部材42の他端側に一対のフック71,72が形成されている。係止端部70は、腕部61,62の一端側を略直角(L形)に曲げることによって形成されている。これら第1の腕部61と第2の腕部62とは、クランプ部材42の一端側において、係止端部70を介して互いに連続している。
【0026】
図5はクランプ部材42の腕部61,62の断面を示している。このクランプ部材42は、例えば円形断面のばね鋼製の1本のワイヤ60からなり、このワイヤ60を曲げることにより、第1の腕部61と第2の腕部62とが形成されている。また、腕部61,62の他端側を曲げることによって,第1フック71と第2フック72とが形成されている。第1フック71と第2フック72とは、それぞれ、レール1の底部10の縁部10bに引っ掛けることができるようにU形に曲げられ、各フック71,72の先端がそれぞれ係止端部70の方向を向いている。
【0027】
図1図3に示されるように、係止端部70が受け部材41の支持面50に当接している。これにより、係止端部70が受け部材41に接続されている。ベース金具40のレール嵌合部40aは、レール1の底部10の一方の縁部10aに嵌合している。第1フック71は、レール1の底部10の他方の縁部10bに係止されている。第2フック72は、第1フック71からレール1の長さ方向(図3に矢印Zで示す方向)に間隔Gをあけた位置において、レール1の底部10の縁部10bに係止されている。
【0028】
さらにクランプ部材42は、第1の腕部61に設けられたばね部73と、第2の腕部62に設けられたばね部74とを備えている。ばね部73,74は、それぞれ、腕部61,62の長さ方向の一部をループ形に成形してなるループ部73a,74aを含んでいる。これらのばね部73,74は、それぞれ腕部61,62の外側に張り出すように互いに反対方向に巻かれており、腕部61,62に加わる引張あるいは曲げ等の荷重に対して撓むことにより、ばね性(反発荷重)を生じるようになっている。
【0029】
この実施形態のクランプ部材42は、第1フック71と第2フック72とを互いにつなぐ接続部材80を備えている。図4に示された接続部材80の一例は、ステンレス鋼などからなる耐腐食性の金属製の鞘81を備えている。この鞘81にフック71,72の先端を挿入し、鞘81を工具によって塑性変形させ、かしめ部82を形成することにより、鞘81がフック71,72から外れないように強固に固定されている。この接続部材80によってフック71,72同士が互いにつながれた状態となっているため、万一、腕部61,62の一方が折損しても、折損した腕部が移動してしまうことを防止できる。
【0030】
締付機構43の一例は、ナット部52とボルト55とによって構成され、ベース金具40に対する受け部材41の水平方向の位置を、レール1の幅方向(図1に矢印Xで示す方向)に変化させる機能を有している。例えばベース金具40をレール1に取付ける際に、ボルト55を第2の方向R2に回転させることにより、ベース金具40と受け部41との間の距離Lを狭める。こうすることにより、フック71,72からベース金具40までの距離を広げることができる。
【0031】
この状態のもとで、図1に示されるようにベース金具40のレール嵌合部40aをレール1の底部10の一方の縁部10aに嵌合させ、かつ、フック71,72をレール1の底部10の他方の縁部10bに引っ掛ける。そしてボルト55を第1の方向R1に回転させると、ベース金具40と受け部材41との間の距離Lが大きくなるとともに、ベース金具40とフック71,72との間の距離が狭まってゆく。このためレール1の底部10にベース金具40とクランプ部材42が固定されるとともに、腕部61,62に引っ張りの荷重が加わることによってばね部73,74が撓み、腕部61,62の長さ方向に反発荷重が生じる。
【0032】
本実施形態のレール用部品取付装置3によれば、図3に示されるように、係止端部70によって押されるレール嵌合部40aを支点として矢印P1方向に生じるクランプ力と、一対のフック71,72によって矢印P2,P3方向に生じる偶力により、いわば3点支持によってクランプ部材42がレール1の底部10に拘束される。このため安定した状態のもとでベース金具40を保持することができ、ベース金具40に搭載されている測定ユニット2を安定した状態のもとで所定の位置に所定の姿勢で支持することができる。
【0033】
また一対の腕部61,62にそれぞればね部73,74が設けられており、腕部61,62に作用する張力によってばね部73,74が撓むことにより、例えばレール1の振動等によってベース金具40の取付けが弛むことを抑制できる。さらに第1フック71と第2フック72とをつなぐ接続部材80を備えているため、万一、一対の腕部61,62の一方が折損しても、折損した腕部が予期しない方向に移動することを接続部材80によって防ぐことができる。
【0034】
図6は第2の実施形態に係るクランプ部材42Aを示している。このクランプ部材42Aは、断面が角形のばね鋼製の1本のワイヤ60´からなり、ワイヤ60´を曲げることにより、一対の腕部61,62と、係止端部70と、一対のフックなどが形成されている。それ以外の構成と作用効果は第1の実施形態(図1図5)のクランプ部材42と共通であるから、第1の実施形態と共通の部分に共通の符号を付して説明を省略する。
【0035】
図7は、第3の実施形態に係るクランプ部材42Bを示している。このクランプ部材42Bは、ばね鋼製の1枚の板材90からなり、板材90の一部をプレス加工することにより、一対の腕部61,62と、係止端部70と、一対のフックなどが形成されている。それ以外の構成と作用効果は第1の実施形態(図1図5)のクランプ部材42と共通であるから、第1の実施形態と共通の部分に共通の符号を付して説明を省略する。
【0036】
図8図9は、第4の実施形態に係るクランプ部材42Cを備えたレール用部品取付装置3を示している。クランプ部材42Cは、第1の腕部61と第2の腕部62の一部をコイル状に成形することにより、コイル部73b,74bからなるばね部73,74を設けている。それ以外の構成と作用効果は第1の実施形態(図1図5)のレール用部品取付装置3と共通であるから、第1の実施形態と共通の部分に共通の符号を付して説明を省略する。
【0037】
図10は、第5の実施形態に係るクランプ部材42Dを備えたレール用部品取付装置3を示している。クランプ部材42Dは、第1の腕部61と第2の腕部62の一部を波形に成形することにより、波形部73c,74cからなるばね部73,74を設けている。それ以外の構成と作用効果は第1の実施形態(図1図5)のレール用部品取付装置3と共通であるから、第1の実施形態と共通の部分に共通の符号を付して説明を省略する。
【0038】
図11は、第6の実施形態に係るクランプ部材42Eを備えたレール用部品取付装置3を示している。クランプ部材42Eは、実質的に真っ直ぐな形状の第1の腕部61と第2の腕部62とを有している。それ以外の構成は第1の実施形態(図1図5)のレール用部品取付装置3と共通であるから、第1の実施形態と共通の部分に共通の符号を付して説明を省略する。
【0039】
図12は、第7の実施形態に係るクランプ部材42Fと接続部材80とを示している。このクランプ部材42Fは、鋼製の1枚の板材90からなり、板材90を加工することにより、第1の腕部61および第2の腕部62と、係止端部70と、フック71,72とが形成されている。係止端部70にはナット部52(図1に示す)を挿入するための孔85が形成されている。さらに第1の腕部61と第2の腕部62の一部を波形に成形することにより、波形部73d,74dからなるばね部73,74を設けている。それ以外の構成と作用効果は第1の実施形態(図1図5)のクランプ部材42および接続部材80と共通であるから、第1の実施形態と共通の部分に共通の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図13は、第8の実施形態に係るクランプ部材42Gの一部と接続部材80とを示している。この実施形態の接続部材80は、第1フック71と第2フック72との間に渡されるワイヤ100を有している。ワイヤ100は、耐腐食性を有する金属(例えばステンレス鋼)からなる。このワイヤ100の両端をそれぞれ第1フック71と第2フック72に巻付けることにより、ワイヤ100の両端が第1フック71と第2フック72に固定されている。
【0041】
図14は、第9の実施形態に係るクランプ部材42Hの一部と接続部材80とを示している。この実施形態の接続部材80は、第1フック71と第2フック72との間に渡されるワイヤ100と、ワイヤ100に取付けた金属製の鞘101とを有している。ワイヤ100と鞘101とは、いずれも耐腐食性を有する金属(例えばステンレス鋼)からなる。鞘101の一部を塑性変形させ、かしめ部102を形成することにより、ワイヤ100に張力を与えてフック71,72から外れないようにしている。
【0042】
図15は、第10の実施形態に係るクランプ部材42Jの一部と接続部材80とを示している。この実施形態の接続部材80は、ワイヤ110の両端部をコイル状に成形することにより、コイルばね保持部111,112を設けている。コイルばね保持部111,112の内径はフック71,72の外径よりも小さく、フック71,72をコイルばね保持部111,112に挿入することにより、コイルばね保持部111,112の弾性力によって、接続部材80がフック71,72に保持される。
【0043】
図16は、第11の実施形態に係るクランプ部材42Kを示している。この実施形態のクランプ部材42Kは、フック71,72の先端71a,72aが溶接部Wによって互いに接続されている。それ以外の構成と作用効果は第1の実施形態(図1図5)のクランプ部材42と共通であるから、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
なお本発明を実施するに当たって、ベース金具や受け部材、クランプ部材、締付機構等の具体的な形状や寸法、構造、配置をはじめとして、クランプ部材の係止端部や第1フックおよび第2フックなど、レール用部品取付装置を構成する各部材の態様や構造を種々に変更して実施できることは言うまでもない。また本発明のレール用部品取付装置は、鉄道レール以外のレールにレール用部品を取付けるために用いることもできる。
【符号の説明】
【0045】
1…レール、1a…レールの底面、2…測定ユニット(レール用部品の一例)、3…レール用部品取付装置、10…レールの底部、10a…一方の縁部、10b…他方の縁部、40…ベース金具、40a…レール嵌合部、40b…取付部、41…受け部材、42,42A,42B,42C,42D,42E,42F,42G,42H,42J,42K…クランプ部材、43…締付機構、52…ナット部、55…ボルト、60,60´…ワイヤ、61…第1の腕部、62…第2の腕部、70…係止端部、71…第1フック、72…第2フック、73,74…ばね部、73a,74a…ループ部、73b,74b…コイル部、73c,74c…波形部、73d,74d…波形部、80…接続部材、90…板材、W…溶接部
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