特許第6186297号(P6186297)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186297
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20170814BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G03G15/08 322Z
   G03G21/14
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-64852(P2014-64852)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-187652(P2015-187652A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 重春
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−078886(JP,A)
【文献】 特開平09−015961(JP,A)
【文献】 特開2005−173088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に静電潜像が形成される像担持体と、
前記静電潜像にトナーを供給して前記像担持体の表面にトナー画像を形成する現像ユニットと、
搬送スクリューを有し、該搬送スクリューを回転駆動して、収容しているトナーを搬送して前記現像ユニットにトナーを補給するトナーコンテナーと、
前記トナーコンテナーを使用開始してから前記像担持体の表面に形成されるトナー画像の画素数をカウントする画素カウント部と、
前記搬送スクリューの回転数の積算値が予め定められた値に達するまでは前記搬送スクリューの回転数の積算値に基づいてトナー使用量を推定し、前記搬送スクリューの回転数の積算値が予め定められた値に達してから以降は、前記画素カウント部の画素カウント値に係数を乗じてトナー使用量を推定するトナー使用量推定部と、を備え、
前記トナー使用量推定部は、
前記搬送スクリューの回転数の積算値が前記予め定められた値に達したときにおけるトナー使用量に対応する標準的な印字画素数をX、前記搬送スクリューの回転数の積算値が上記予め定められた値に達したときの前記画素カウント部の画素カウント値をYとして、前記係数にX/Yを乗じることにより、前記係数を補正するものであり、
前記X/Yが、前記画素カウント値Yが異常であることを示す予め定められた範囲外にある場合には前記係数に対して前記補正を行わず、前記X/Yが、前記画素カウント値Yが正常であることを示す範囲内にある場合に前記係数に対して前記補正を行う画像形成装置。
【請求項2】
前記トナー使用量推定部は、前記印字画素数Xに対して前記画素カウント値Yが予め定められた極端に大きい値又は小さい値となっている場合に、前記X/Yが前記予め定められた範囲外にあるとして、前記係数に対して前記補正を行わない請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、トナーコンテナー内のトナー残量を推定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラムや中間転写ベルトの表面に形成された静電潜像に現像ユニットからトナーが供給されることにより現像処理が行われる。トナーはトナーコンテナーに収納されており、現像ユニット内のトナー濃度が低下すると、トナーコンテナーがトナーモーターにより駆動されてトナーコンテナー内のトナーが攪拌パドルにより攪拌されつつ搬送スクリューにより現像ユニットに補給される。したがって、トナーコンテナーの駆動量に応じて、現像ユニットに補給されるトナーの量が決まる。
【0003】
トナーコンテナーの交換時期を知る上で、トナーコンテナー内のトナーの残量を推定することが非常に重要になる。搬送スクリューが回転駆動することで搬送されるトナー量はほぼ一定であるため、搬送スクリューの回転数の積算値からトナー使用量を推定してトナーコンテナー内のトナー残量を推定することができる。しかし、トナーコンテナー内のトナー量が少なくなってくると、搬送スクリューの1回転当たりに搬送されるトナー量にばらつきが生じるため、搬送スクリューの回転数の積算値からトナー使用量を推定すると誤差が大きくなるおそれがある。そこで、下記特許文献1では、トナーコンテナーの使用開始からある時点まではトナーの補給時間に基づいてトナー使用量を算出し、それ以降はトナー画像の画素数に基づいてトナー使用量を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−173088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トナー画像の画素数に基づくトナー使用量の算出は、トナー画像の画素数に係数を乗じることで実施することができる。当該係数は、各機器や機種の特性に合わせて予め決められている。しかし、同じ機器や機種でも使用される環境はさまざまであり、使用環境に応じてトナー画像の現像時に使用されるトナー量もさまざまに変わり得る。このように、トナー画像の画素数に基づくトナー使用量の推定精度はあまり高くないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、トナーコンテナーに収容されたトナーの使用量を正確に推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、
前記静電潜像にトナーを供給して前記像担持体の表面にトナー画像を形成する現像ユニットと、
搬送スクリューを有し、該搬送スクリューを回転駆動して、収容しているトナーを搬送して前記現像ユニットにトナーを補給するトナーコンテナーと、
前記トナーコンテナーを使用開始してから前記像担持体の表面に形成されるトナー画像の画素数をカウントする画素カウント部と、
前記搬送スクリューの回転数の積算値が予め定められた値に達するまでは前記搬送スクリューの回転数の積算値に基づいてトナー使用量を推定し、前記搬送スクリューの回転数の積算値が予め定められた値に達してから以降は、前記画素カウント部の画素カウント値に係数を乗じてトナー使用量を推定するトナー使用量推定部と、を備え、
前記トナー使用量推定部は、
前記搬送スクリューの回転数の積算値が前記予め定められた値に達したときにおけるトナー使用量に対応する標準的な印字画素数をX、前記搬送スクリューの回転数の積算値が上記予め定められた値に達したときの前記画素カウント部の画素カウント値をYとして、前記係数にX/Yを乗じることにより、前記係数を補正するものであり、
前記X/Yが、前記画素カウント値Yが異常であることを示す予め定められた範囲外にある場合には前記係数に対して前記補正を行わず、前記X/Yが、前記画素カウント値Yが正常であることを示す範囲内にある場合に前記係数に対して前記補正を行うものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トナーコンテナーに収容されたトナーの使用量を正確に推定することができる。これにより、トナーコンテナー内のトナー残量を正確に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
図2】トナーコンテナーと現像ユニットとの接続を示す斜視図である。
図3】カバーを取り外したトナーコンテナーの平面図である。
図4】トナーコンテナーに設けられたギア機構を示す背面図である。
図5】トナーコンテナーを使用開始してからのトナー補給量の変化を表すグラフである。
図6】画像形成装置の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるトナー使用量推定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【0011】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11に、操作部47、画像形成部12、定着部13、給紙部14、原稿給送部6、及び原稿読取部5等を備えて構成されている。
【0012】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、表示部473を備える。
【0013】
画像形成装置1が原稿読取動作を行う場合、原稿給送部6により給送されてくる原稿、又は原稿載置ガラス161に載置された原稿の画像を原稿読取部5が光学的に読み取り、画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは内蔵HDD又はネットワーク接続されたコンピューター等に保存される。
【0014】
画像形成装置1が画像形成動作を行う場合は、上記原稿読取動作により生成された画像データ、又はネットワーク接続されたコンピューターから受信した画像データ、又は内蔵HDDに記憶されている画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙Pにトナー像を形成する。カラー印刷を行う場合、画像形成部12のマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン用の画像形成ユニット12C、イエロー用の画像形成ユニット12Y、及びブラック用の画像形成ユニット12Bkは、それぞれに、上記画像データを構成するそれぞれの色成分からなる画像に基づいて、帯電、露光、及び現像の工程により感光体ドラム121上にトナー像を形成し、当該トナー像を一次転写ローラー126により中間転写ベルト125上に転写させる。
【0015】
中間転写ベルト125上に転写される上記各色のトナー画像は、転写タイミングを調整して中間転写ベルト125上で重ね合わされ、カラーのトナー像となる。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成された当該カラーのトナー像を、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとのニップ部Nにおいて、給紙部14から搬送路190を搬送されてきた記録紙Pに転写させる。この後、定着部13が、記録紙P上のトナー像を、熱圧着により記録紙Pに定着させる。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙Pは、排出トレイ151に排出される。
【0016】
画像形成ユニット12Mにおける現像ユニット(現像部)122M、画像形成ユニット12Cにおける現像ユニット(現像部)122C、画像形成ユニット12Yにおける現像ユニット(現像部)122Y、及び画像形成ユニット12Bkにおける現像ユニット(現像部)122Bkは、それぞれ、各色の現像処理を行う。
【0017】
続いて、トナーコンテナー17M、トナーコンテナー17C、トナーコンテナー17Y、及びトナーコンテナー17Bkについて説明する。図2は、トナーコンテナーと現像ユニットとの接続を示す斜視図である。図3はカバーを取り外したトナーコンテナーの平面図である。図4はトナーコンテナーに設けられたギア機構を示す背面図である。図5は、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkを駆動するギア機構の主要部及び駆動モーターの構成を示す図である。
【0018】
現像ユニット122M,122C,122Y,122Bkから離れた位置に、例えば、中間転写ベルト125を挟んで上方に、マゼンタトナーを収納するトナーコンテナー17M、シアントナーを収納するトナーコンテナー17C、イエロートナーを収納するトナーコンテナー17Y、及びブラックトナーを収納するトナーコンテナー17Bkが、装置本体11に設けられた図略のトナーコンテナー装着部に着脱可能に装着されている。トナーを使い切った時には、装置本体11に設けられたカバーを開閉することで、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkが必要に応じて交換できるようになっている。
【0019】
各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkの底面にはトナー供給口30が設けられている(図3)。
【0020】
なお、単にトナーコンテナー又は現像ユニットという場合には、トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bk、又は現像ユニット122M,122C,122Y,122Bkのいずれかを指す。また、トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkの構成はいずれも同様であり、及び現像ユニット122M,122C,122Y,122Bの構成はいずれも同様である。以下、トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkを示す場合は、単に、トナーコンテナー17という。
【0021】
コンテナー本体27には、トナー供給口30の上方に、搬送手段としての搬送スクリュー320が回転可能に設けられている。搬送スクリュー320は、コンテナー本体27の前後両側壁33、34に長さ方向両端部が軸支された回転軸35と、この回転軸35の外周に同心で設けられたスパイラルフィン36と、回転軸35の長さ方向一端(本実施形態では後端)に設けられた搬送ギア37(図4参照)と、を備えている。
【0022】
また、コンテナー本体27には、搬送スクリュー320の上部一側(本実施形態では上部左側)に第1攪拌手段としての第1攪拌パドル38が回転可能に設けられ、搬送スクリュー320の上部他側(本実施形態では上部右側)に第2攪拌手段としての第2攪拌パドル40が回転可能に設けられている。
【0023】
コンテナー駆動ユニット26は、装置本体11の後部に配置されており、トナーコンテナー17に対して着脱可能に設けられている。コンテナー駆動ユニット26には、トナーモーター60(図6)と、トナーモーター60の出力軸と、当該出力軸の端部に設けられたピニオンと、このピニオンに噛合する駆動ギアとが備えられている。
【0024】
また、コンテナー本体27には、コンテナー本体27に軸支された回転軸と供回りする従動ギア18Bが設けられている。従動ギア18Bは、トナーコンテナー17を装置本体11に装着したときに、コンテナー駆動ユニット26の上記トナーモーター60側の駆動ギアと噛合する。従動ギア18Bは、第1攪拌パドル38の回転軸と供回りするギア43と、第2攪拌パドル40の回転軸に駆動力を伝達するギア48と、搬送スクリュー320の回転軸と供回りする搬送ギア37と噛合し、これら第1攪拌パドル38、第2攪拌パドル40、及び搬送スクリュー320にトナーモーター60の回転駆動力を伝達する。
【0025】
当該トナー供給口30は、装置本体11に略鉛直姿勢で設置されたパイプ310を介して、対応する現像ユニットの内部と接続されている。上記搬送スクリュー320が自転によりトナー供給口30までトナーを搬送することにより、トナーコンテナーからパイプ310を介して、対応する現像ユニットにトナーが補給される。このため、搬送スクリュー320の回転量に応じて、トナーコンテナーから現像ユニットへのトナー補給量が決定する。
【0026】
図5は、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkを使用開始してからの各現像ユニット122M,122C,122Y,122Bkへのトナー補給量の変化を表すグラフである。トナーコンテナー17が新品に交換されて使用開始されてから暫くの間は、トナーコンテナー17内にトナーが十分に収容されているため、搬送スクリュー320によって搬送されるトナー量(トナー補給量)はほぼ一定で推移する。しかし、トナーコンテナー17内のトナー量が少なくなってくると、搬送スクリュー320によって搬送されるトナー量(トナー補給量)が徐々に減ってくる。そこで、本実施形態に係る画像形成装置1は、トナーコンテナー17を使用開始してから搬送スクリュー32の回転数の積算値が予め定められた値に達するタイミングAまでは、搬送スクリューの回転数の積算値に基づいてトナー使用量を推定し、タイミングA以降はトナー画像の画素数(画素カウント値)に基づいてトナー使用量を推定する。
【0027】
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図6は画像形成装置1の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
【0028】
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。
【0029】
原稿読取部5は、制御ユニット10による制御の下、光照射部及びCCDセンサー等を有する上記の読取機構163を備える。原稿読取部5は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサーで受光することにより、原稿から画像を読み取る。
【0030】
画像処理部31は、原稿読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、原稿読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の予め定められた画像処理を行う。
【0031】
画像メモリー32は、原稿読取部5による読取で得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部12のプリント対象となるデータを一時的に保存する領域である。
【0032】
画像形成部12は、原稿読取部5で読み取られた印刷データ、ネットワーク接続されたコンピューター200から受信した印刷データ等の画像形成を行う。
【0033】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者からの指示を受け付ける。操作部47は、表示部473を備える。
【0034】
表示部473は、画像形成装置1が通常動作モードにあるときに、操作画面、プレビュー画面、印刷ジョブ状況の確認画面等の各種表示をする。一方、表示部473は、画像形成装置1がスリープモードにあるときには消灯する。
【0035】
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。
【0036】
ネットワークインターフェイス部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内のコンピューター200等と種々のデータの送受信を行う。
【0037】
HDD92は、原稿読取部5によって読み取られた原稿画像等を記憶する大容量の記憶装置である。
【0038】
駆動モーター70は、画像形成部12の各回転部材及び搬送ローラー対19等に回転駆動力を付与する駆動源である。
【0039】
トナーモーター60は、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkにおける搬送スクリュー320を回転駆動する駆動源である。トナーモーター60の回転駆動力は、図示しないギア機構を介して搬送スクリュー320に伝達される。
【0040】
トナーセンサー120は、各現像ユニット122M,122C,122Y,122Bk内に設けられ、各現像ユニット122M,122C,122Y,122Bk内のトナー濃度を検出するセンサーである。
【0041】
制御ユニット10は、制御部100と、画素カウント部101と、トナー使用量推定部102とを備える。
【0042】
制御部100は、原稿読取部5、原稿給送部6、画像処理部31、画像メモリー32、画像形成部12、操作部47、トナーモーター60、駆動モーター70、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、HDD(ハードディスクドライブ)92、トナーセンサー120等と接続され、これら各部の駆動制御を行う。
【0043】
画素カウント部101は、画素形成部12による画像形成の対象とする画像データ等の情報を、画像生成部(例えば、画像処理部31が当該画像生成部として機能)から得て、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkを使用開始してから中間転写ベルト125の表面に形成される画像データの画素数をカウントする。すなわち、画素カウント部101は、各色のトナー画像の画素数のそれぞれについてカウントを行う。
【0044】
トナー使用量推定部102は、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkにおける搬送スクリュー320の回転数を積算して(カウントして)、その積算値(当該カウントにより示される搬送スクリュー320の総回転数)が予め定められた値に達するまで(例えば、図5におけるタイミングAまで)は、搬送スクリュー320の回転数の積算値に基づいてトナー使用量を推定する。すなわち、トナー使用量推定部102は、当該推定によりトナー使用量を検出する。搬送スクリュー320の回転数の積算値が予め定められた値に達するまでの期間における、搬送スクリュー320の単位回転数当たりのトナー供給量は実験等により予め取得可能であるため、搬送スクリュー320の回転数の積算値からトナー使用量を容易に計算可能である。なお、搬送スクリュー320の回転数は、トナーモーター60が例えばステッピングモーターである場合には、駆動信号としてのパルスの数をカウントすることで検出可能である。
【0045】
また、トナー使用量推定部102は、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkにおける搬送スクリュー320の回転数の積算値が上記予め定められた値に達してから以降は、トナー画像の画素カウント値に係数を乗じてトナー使用量を推定する。当該係数は、1画素当たりのトナー使用量を表し、例えば、α〔mg/dot〕で表される。なお、トナー使用量推定部102は、画素カウント部101からトナー画像の画素カウント値を取得することができる。
【0046】
さらに、トナー使用量推定部102は、搬送スクリュー320の回転数の積算値が予め定められた値に達した時点(例えば、図5におけるタイミングA)における、画素カウント部101の画素カウント値に基づいて係数αを補正する。αは、例えば、予め定めた画素数に対する使用量を求めるための係数〔mg/dot〕である。具体的には、トナー使用量推定部102は、搬送スクリュー320の回転数の積算値が上記予め定められた値に達したときにおけるトナー使用量に対応する標準的な印字画素数をX、搬送スクリュー320の回転数の積算値が上記予め定められた値に達したときの画素カウント部101の画素カウント値(すなわち、トナーコンテナーを使用開始してから実際に印字された総画素数)をYとして、係数αにX/Yを乗じて係数αを補正する。例えば、トナー使用量=画素カウント値×α×X/Y、で表される。なお、標準的な印字画素数Xは、各機器や機種毎に予め定められ、与えられた値である。
【0047】
このように係数αを補正することにより、例えば、X>Y(実際の画像描画量に対してトナー消費が多い)の場合には、係数αが大きくなるように補正され、図5のタイミングA以降において、標準よりも多めにトナーが消費されるようにトナー使用量が推定される。一方、X<Y(実際の画像描画量に対してトナー消費が少ない)の場合には、係数αが小さくなるように補正され、図5のタイミングA以降において、標準よりも少なめにトナーが消費されるようにトナー使用量が推定される。これにより、トナー画像の画素数に基づくトナー使用量の推定に、画像形成装置1の使用環境等に応じたトナー消費傾向を反映させることができ、推定精度を向上させることができる。
【0048】
次に、画像形成装置1におけるトナー使用量推定について説明する。図7は、画像形成装置1の画像形成装置1におけるトナー使用量推定のフローチャートである。
【0049】
トナー使用量推定部102は、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkが使用開始されてから、各トナーコンテナーの搬送スクリュー320の回転数を積算する(S1)。また、画素カウント部101は、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkが使用開始されてから、各色のトナー画像の画素数をそれぞれにカウントする(S2)。
【0050】
トナー使用量推定部102は、各色についてのトナーコンテナー7M,17C,17Y,17Bkの搬送スクリュー320の回転数の積算値が予め定められた値に達したか否かを判定し(S3)、まだ予め定められた値に達していなければ(S3でNO)、各トナーコンテナーの搬送スクリュー320の回転数の積算値に基づいて、各色のトナー使用量を推定する(S4)。その後、ステップS1から同じ処理を繰り返す。
【0051】
一方、トナー使用量推定部102は、各トナーコンテナーの搬送スクリュー320の回転数の積算値が予め定められた値に達したと判定したとき(S3でYES)、画素カウント部101から画素カウント値を取得する(S5)。このとき取得した画素カウント値が、上述した画素カウント値Yに該当する。
【0052】
その後、トナー使用量推定部102は、画素カウント値Yが異常値か否かを判定する(S6)。例えば、上記の標準的な印字画素数Xに対して画素カウント値Yが予め定められた極端に大きい値又は小さい値となっている場合、すなわち、X/Yが予め定められた範囲外にある場合、トナー使用量推定部102は、画素カウント値Yが異常であるとして(S6でYES)、係数αの補正は行わない。一方、X/Yが所定の範囲内にある場合、トナー使用量推定部102は、画素カウント値Yが正常であるとして(S6でNO)、係数αを補正する(S7)。具体的には、トナー使用量推定部102は、係数αにX/Yを乗じて係数αを補正する。
【0053】
その後、トナー使用量推定部102は、各色のトナー画像の画素カウント値に係数α(ステップS7で補正された場合は補正後の係数α)を乗じて、各色のトナー使用量を推定する(S8)。以後は、各色のトナー使用量の検出は、トナー使用量推定部102による係数α又は補正後の係数αを用いた各色のトナー使用量推定により行われる。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bkに収容されたトナーの使用量を正確に推定することができる。これにより、各トナーコンテナー17M,17C,17Y,17Bk内のトナー残量を正確に推定することができる。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてカラー複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、モノクロ複合機や他の電子機器、例えば、プリンター、コピー機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置でもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、図1乃至図7を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0057】
1 画像形成装置
101 画素カウント部
102 トナー使用量推定部
17M トナーコンテナー
17C トナーコンテナー
17Y トナーコンテナー
17Bk トナーコンテナー
122M 現像ユニット
122C 現像ユニット
122Y 現像ユニット
122Bk 現像ユニット
125 中間転写ベルト
171 搬送スクリュー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7