特許第6186304号(P6186304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6186304指示入力装置、画像形成装置、及び設定値入力プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186304
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】指示入力装置、画像形成装置、及び設定値入力プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20170814BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20170814BHJP
【FI】
   G06F3/0484 170
   G06F3/0488
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-109944(P2014-109944)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-225502(P2015-225502A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】武田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】浪井 隆志
(72)【発明者】
【氏名】広部 優実
【審査官】 岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−147764(JP,A)
【文献】 特開2015−172799(JP,A)
【文献】 特開2004−062867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03− 3/0489
G06F 3/09− 3/12
B41J 29/00−29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記表示部の表示画面上における操作者の指示操作を検出する指示操作検出部と、
前記指示操作検出部により前記指示操作が検出されたとき、設定項目を示す画像と、当該設定項目についての設定値の程度を指定するための操作方向を示す操作方向画像とを有する設定値入力用画像を、設定項目別に前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記設定値入力用画像を表示させているときに、前記操作方向画像の示す前記操作方向において前記指示操作検出部により検出される前記表示画面上における操作者の指示操作位置に応じて、当該設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値を算出する設定値算出部と、
前記設定値算出部によって算出された設定値を、前記設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値として受け付ける設定値受付部とを備え
前記表示制御部は、前記設定値入力用画像を表示させるとき、手の各指の標準的な間隔に合わせた位置に、当該各指に対応するそれぞれの前記操作方向画像を、前記検出された前記指示操作の位置を表示起点位置として、この表示起点位置から拡がるようにして、前記各操作方向画像のそれぞれの前記操作方向に延びるように表示させ、
前記設定値算出部は、前記各操作方向画像の示す前記操作方向において前記指示操作検出部により検出される指示操作位置に応じて、当該各設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値を算出する指示入力装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記指示操作検出部により最初に検出される前記指示操作位置に応じて、前記設定値入力用画像を表示させる位置を異ならせる請求項に記載の指示入力装置。
【請求項3】
記録媒体に対して画像形成を形成する画像形成部と、
請求項1又は請求項に記載の指示入力装置と、を備えた画像形成装置。
【請求項4】
表示部の表示画面上における操作者の指示操作を検出する指示操作検出部により前記指示操作が検出されたとき、設定項目を示す画像と、当該設定項目についての設定値の程度を指定するための操作方向を示す操作方向画像とを有する設定値入力用画像を、設定項目別に前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記設定値入力用画像を表示させているときに、前記操作方向画像の示す前記操作方向において前記指示操作検出部により検出される操作者による指示操作位置に応じて、当該設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値を算出する設定値算出部と、
前記設定値算出部によって算出された設定値を、前記設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値として受け付ける設定値受付部として、コンピューターを機能させ
更に、前記表示制御部が、前記設定値入力用画像を表示させるとき、手の各指の標準的な間隔に合わせた位置に、当該各指に対応するそれぞれの前記操作方向画像を、前記検出された前記指示操作の位置を表示起点位置として、この表示起点位置から拡がるようにして、前記各操作方向画像のそれぞれの前記操作方向に延びるように表示させ、
前記設定値算出部が、前記各操作方向画像の示す前記操作方向において前記指示操作検出部により検出される指示操作位置に応じて、当該各設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値を算出するように、前記コンピューターを機能させる設定値入力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指示入力装置、画像形成装置、及び設定値入力プログラムに関し、特に、動作や機能についての設定値の入力を操作者から受け付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置、スマートフォン等の携帯端末、及びパーソナルコンピューター等では、その表示部に、これら各装置で動作可能な機能等についての設定値を入力するための画像が表示され、操作者による表示画面へのタッチ操作に基づいて、タッチパネル機能等により所望の設定値の入力を受け付けるものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−12060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、表示部に表示された一般的な設定値入力用画像に基づいた操作により、操作者が複数の項目について設定値を入力する場合、操作者は、各項目に対応して表示される設定値入力用画像を1つずつ順番に操作し、各項目について複数回の操作を行って所望の設定値を呼び出して入力する。このように、設定値を入力する場合における操作は操作回数が多くなり、また複数の設定項目について設定値を入力する場合には、更に操作回数が多くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、設定値を入力する際における操作性を改善して簡易な操作で所望の設定値を的確に入力可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る指示入力装置は、画像を表示する表示部と、
前記表示部の表示画面上における操作者の指示操作を検出する指示操作検出部と、
前記指示操作検出部により前記指示操作が検出されたとき、設定項目を示す画像と、当該設定項目についての設定値の程度を指定するための操作方向を示す操作方向画像とを有する設定値入力用画像を、設定項目別に前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記設定値入力用画像を表示させているときに、前記操作方向画像の示す前記操作方向において前記指示操作検出部により検出される前記表示画面上における操作者の指示操作位置に応じて、当該設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値を算出する設定値算出部と、
前記設定値算出部によって算出された設定値を、前記設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値として受け付ける設定値受付部とを備え
前記表示制御部は、前記設定値入力用画像を表示させるとき、手の各指の標準的な間隔に合わせた位置に、当該各指に対応するそれぞれの前記操作方向画像を、前記検出された前記指示操作の位置を表示起点位置として、この表示起点位置から拡がるようにして、前記各操作方向画像のそれぞれの前記操作方向に延びるように表示させ、
前記設定値算出部は、前記各操作方向画像の示す前記操作方向において前記指示操作検出部により検出される指示操作位置に応じて、当該各設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値を算出する。
【0007】
また、本発明の一局面に係る設定値入力プログラムは、表示部の表示画面上における操作者の指示操作を検出する指示操作検出部により前記指示操作が検出されたとき、設定項目を示す画像と、当該設定項目についての設定値の程度を指定するための操作方向を示す操作方向画像とを有する設定値入力用画像を、設定項目別に前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記設定値入力用画像を表示させているときに、前記操作方向画像の示す前記操作方向において前記指示操作検出部により検出される操作者による指示操作位置に応じて、当該設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値を算出する設定値算出部と、
前記設定値算出部によって算出された設定値を、前記設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値として受け付ける設定値受付部として、コンピューターを機能させ
更に、前記表示制御部が、前記設定値入力用画像を表示させるとき、手の各指の標準的な間隔に合わせた位置に、当該各指に対応するそれぞれの前記操作方向画像を、前記検出された前記指示操作の位置を表示起点位置として、この表示起点位置から拡がるようにして、前記各操作方向画像のそれぞれの前記操作方向に延びるように表示させ、
前記設定値算出部が、前記各操作方向画像の示す前記操作方向において前記指示操作検出部により検出される指示操作位置に応じて、当該各設定値入力用画像の示す前記設定項目についての設定値を算出するように、前記コンピューターを機能させるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、設定値を入力する際における操作性を改善して簡易な操作で所望の設定値を的確に入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る指示入力装置を備える画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
図2】画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図3】画像形成装置による設定値入力処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
図4】表示部の表示画面の一例を示す図である。
図5】表示部の表示画面の一例を示す図である。
図6】表示部の表示画面の一例を示す図である。
図7】表示部の表示画面の一例を示す図である。
図8】画像形成装置による設定値入力処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
図9】表示部の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る指示入力装置、画像形成装置、及び設定値入力プログラムについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る指示入力装置を備える画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【0011】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11Aに、操作部47、画像形成部12、定着部13、給紙部14、原稿給送部6、及び原稿読取部5等を備えて構成されている。
【0012】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。
【0013】
画像形成装置1が原稿読取動作を行う場合、原稿給送部6により給送されてくる原稿、又はコンタクトガラス(原稿載置ガラス)161に載置された原稿の画像を原稿読取部5が光学的に読み取り、画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは内蔵HDD又はネットワーク接続されたコンピューター等に保存される。
【0014】
画像形成装置1が画像形成動作を行う場合は、上記原稿読取動作により生成された画像データ、又はネットワーク接続されたコンピューターやスマートフォン等のユーザー端末装置から受信した画像データ、又は内蔵HDDに記憶されている画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙Pにトナー像を形成する。画像形成部12の画像形成ユニット12M、12C、12Y、及び12Bkは、感光体ドラムと、感光体ドラムへトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、1次転写ローラー126とをそれぞれ備えている。
【0015】
給紙部14は、複数の給紙カセットを備える。制御部(不図示)は、操作者による指示で指定されたサイズの記録紙が収容された給紙カセットのピックアップローラー145を回転駆動させて、各給紙カセットに収容されている記録紙Pをニップ部Nに向けて搬送させる。
【0016】
カラー印刷を行う場合、画像形成部12のマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン用の画像形成ユニット12C、イエロー用の画像形成ユニット12Y及びブラック用の画像形成ユニット12Bkは、それぞれに、画像データを構成するそれぞれの色成分からなる画像に基づいて、帯電、露光及び現像の工程により感光体ドラム121上にトナー像を形成し、トナー像を1次転写ローラー126により、駆動ローラー125a及び従動ローラー125bに張架されている中間転写ベルト125上に転写させる。
【0017】
中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間を無端走行する。
【0018】
中間転写ベルト125上に転写される各色のトナー画像は、転写タイミングを調整して中間転写ベルト125上で重ね合わされ、カラーのトナー像となる。2次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像を、中間転写ベルト125を挟んで、対向ローラーとしての駆動ローラー125aとのニップ部Nにおいて、給紙部14から搬送路190を搬送されてきた記録紙Pに転写させる。この後、定着部13が、記録紙P上のトナー像を熱圧着により記録紙Pに定着させる。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙Pは、排出トレイ151に排出される。
【0019】
次に、画像形成装置1の電気的構成を説明する。図2は画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0020】
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。
【0021】
制御ユニット10は、原稿読取部5、画像処理部31、画像メモリー32、用紙搬送部411、画像形成部12、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、HDD(ハードディスクドライブ)81等と接続されている。制御ユニット10は、接続されている上記各機構の動作制御や、各機構との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0022】
制御ユニット10は、上述した画像形成装置1の全体的な動作制御を司る制御部100を備える。制御部100は、ユーザーから操作部47又はネッワーク接続されたパーソナルコンピューター等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、プリンター機能、コピー機能及びファクシミリ機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。
【0023】
原稿読取部5は、画像照射ランプ511及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサー512を有する上記の読取機構163からなるスキャナー部51を備える。原稿読取部5は、画像照射ランプ511により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー512で受光することにより、原稿から画像を読み取る。
【0024】
画像処理部31は、原稿読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、原稿読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、予め定められた画像処理を行う。
【0025】
画像メモリー32は、上記原稿読取部5で読み取られた画像データ等を記憶する。
【0026】
用紙搬送部411は、図1に示したピックアップローラー145及び搬送ローラー192等から構成され、手差しトレイ141,給紙カセット142,143に収納されている記録紙を画像形成部12及び排出トレイ151まで搬送する。
【0027】
画像形成部12は、上述したように、画像形成ユニット12M、12C、12Y、12Bkと、駆動ローラー125aに張架された中間転写ベルト125と、2次転写ローラー210とを備えている。画像形成部12による出力対象となる画像データは、原稿読取部5で読み取られた画像データ、ネットワークインターフェイス部91を介してローカルエリア内のクライアントコンピューター等から送信されてきた画像データ等から送信されてきた画像データ等である。
【0028】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部102及び操作キー部を備える。タッチパネル部102は、操作部47が備える表示部473のディスプレイ部分に設けられており、表示部473の表示画面上における操作者による指示操作をその指示操作位置(座標位置)と共に検知する。タッチパネル部102は、操作者による当該指示操作を検知すると、当該指示操作位置を示す検知信号を、後述する表示制御部101及び設定値算出部103等に出力する。なお、当該指示操作は、(1)表示画面への操作者による接触に基づいてタッチパネル部12により検出される指示操作と、(2)表示画面への接触がなくても、操作者の指等が表示画面に対して一定距離まで接近した場合に、当該指等の接近の検出をもってタッチパネル部12により検出される指示操作、のいずれであっても構わない。
【0029】
すなわち、当該タッチパネル部102には、表示画面への接触がなくても、操作者の指等が表示画面に対して一定距離まで接近した場合に当該指等を検出するタッチパネルも含まれる。なお、本実施形態で「接触」という場合には、表示画面への接触がなくても指等が上記一定距離まで接近したことがタッチパネル部102の機能により検出される状態も、実質的に接触したとして含まれるものとする。
【0030】
例えば、タッチパネル部102は、操作者が表示部473の表示画面上に指を接触させた状態で、指を表示画面上でスライド移動させると、各移動位置を示す検知信号を表示制御部101に出力する。すなわち、タッチパネル部102は、当該接触を指示操作とし、当該各移動位置を各指示操作位置として検出して表示制御部101に出力する。なお、タッチパネル部102及び表示制御部101が、特許請求の範囲における指示操作検出部の一例となる。
【0031】
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。ファクシミリ通信部71は、例えば原稿読取部5によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0032】
HDD81は、原稿読取部5によって読み取られた画像データ等を記憶する。
【0033】
ネットワークインターフェイス部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内の装置(パーソナルコンピューター等)と種々のデータの送受信を行う。
【0034】
また、制御ユニット10は、更に、表示制御部101、及び設定値算出部103、及び設定値受付部104を備えている。制御ユニット10は、内蔵するメモリー又はROM、或いはHDD81に記憶された本発明の一実施形態である設定値入力プログラムに従ってCPUが動作することで、表示制御部101、設定値算出部103、及び設定値受付部104として機能する。或いは、制御ユニット10が上記表示制御部101、設定値算出部103、及び設定値受付部104に対応する専用のハードウェア回路等を備えることにより、当該表示制御部101、設定値算出部103、及び設定値受付部104として機能するようにしてもよい。
【0035】
表示制御部101は、表示部473の表示制御を司る。表示制御部101は、タッチパネル部102により表示部473の表示画面上における操作者の指示操作が検出されたとき、当該画像形成装置1で可能な機能又は動作等である設定項目についてその設定値の入力を受け付けるための設定値入力用画像を表示部473に表示させる。設定値入力用画像は、設定項目を示す画像と、当該設定項目についての設定値の程度を指定するための操作方向を示す操作方向画像とを有する(詳細は後述)。表示制御部101は、設定値入力用画像を、画像形成装置1で動作可能な予め定められた設定項目毎に表示部473に表示させる。
【0036】
設定値算出部103は、表示制御部101が設定値入力用画像を表示させているときに、当該設定値入力用画像の示す操作方向においてタッチパネル部102により検出される操作者の指示操作による指示操作位置に応じて、当該設定値入力用画像の示す設定項目についての設定値を算出する。
【0037】
設定値受付部104は、設定値算出部103によって算出された設定値を、対応する設定項目の設定値として受け付ける。
【0038】
本発明の一実施形態に係る指示入力装置は、例えば、上記表示部473、タッチパネル部(指示操作検出部)102、表示制御部101、設定値算出部103、及び設定値受付部104を備えてなる。
【0039】
次に、画像形成装置1による設定値入力処理の第1実施形態を説明する。図3は画像形成装置1による設定値入力処理の第1実施形態を示すフローチャートである。図4図6は表示部473の表示画面の一例を示す図である。
【0040】
画像形成装置1において、例えば操作部47に備えられている図略の「指操作による指示入力」ボタンに対する操作者の接触等に基づいて、操作部47に設定値入力処理の開始指示が操作部47に入力されると、制御部100は、上記設定値入力処理の開始指示に応じて、設定値入力処理のためのアプリケーションを起動させる。表示制御部101は、図4に示すように、表示部473に、設定値入力画面D1を表示させる(S1)。
【0041】
この設定値入力画面D1は、操作者による指での表示画面の操作に応じて、設定値入力を受け付けるための画面であり、初期表示としては、図4に示すように、操作者からの指示操作を受け付けるための操作領域d1には何も表示されていない。
【0042】
表示部473に設定値入力画面D1が表示されている状態において、操作者が、例えば、操作領域d1に指で接触する等により指示操作を行うと、タッチパネル部102が、当該指示操作及び指示操作位置における表示画面上の座標位置を検出する(S2でYES)。
【0043】
続いて、表示制御部101は、上記検出された指示操作位置、又は当該指示操作位置から予め定められた距離だけ離れた座標位置を、表示部473の表示画面上における、設定値入力用画像を表示するための表示起点位置として算出する(S3)。本実施形態では、表示制御部101は、上記検出された指示操作位置の座標位置を表示起点位置として算出する例を示す。すなわち、表示制御部101は、タッチパネル部102により最初に検出される指示操作位置に応じて、設定値入力用画像im1〜im5を表示させる位置を異ならせる。
【0044】
但し、この場合、表示制御部101は、上記検出された指示操作位置に拘わらず、予め定められた座標位置(例えば、操作領域d1における中央部等)を上記表示起点位置として算出してもよい。
【0045】
また、表示制御部101は、上記検出された指示操作位置から予め定められた距離だけ離れた座標位置を上記表示起点位置として算出してもよい。この場合、後述する設定値入力用画像im1〜im5が上記指示操作を行った指から離れた位置に表示されるので、続く各指による操作(詳細は後述)がし易くなる。
【0046】
表示制御部101は、上記算出した表示起点位置を起点として、図5に示す設定値入力用画像im1〜im5を、設定項目毎に表示部473に表示させる(S4)。
【0047】
例えば、表示制御部101は、右手の親指から小指までの5本の各指の間隔に合わせて予め定めておいた各指に対応する位置を、当該各指に対応するそれぞれの設定値入力用画像の表示位置として算出する。
【0048】
本実施形態では、表示制御部101は、親指に対応して設定値入力用画像im1、人指し指に対応して設定値入力用画像im2、中指に対応して設定値入力用画像im3、薬指に対応して設定値入力用画像im4、小指に対応して設定値入力用画像im5を表示する。各設定値入力用画像は長尺棒状の画像であり、上記検出された指示操作位置(接触位置)を一端部として、ここから延びるように各設定値入力用画像が表示される。すなわち、上記検出された指示操作位置を表示起点位置として各設定値入力用画像が表示される。
【0049】
親指に対応して表示される設定値入力用画像im1は、設定項目を示す設定項目画像im11と、当該設定項目についての設定値の程度を指定するための操作方向を示す操作方向画像im12とを有する。他の設定値入力用画像im2〜im5も同様に、設定項目画像と操作方向画像とを有する。
【0050】
例えば、表示制御部101は、設定項目として、印刷枚数、カラー/モノクロの別、印刷濃度、集約、両面/片面を記憶している場合、印刷枚数を示す設定値入力用画像im1と、カラー/モノクロの別を示す設定値入力用画像im2と、印刷濃度を示す設定値入力用画像im3と、集約を示す設定値入力用画像im4と、両面/片面印刷の別を示す設定値入力用画像im5とを表示する。
【0051】
この設定値入力用画像im1〜im5の表示後、タッチパネル部102によって、図5に示すように各方向に延びる操作方向画像im12,im22,im32,im42,im52において、対応する各指で当該操作方向画像上のいずれかの位置、すなわち、起点p1から終点p2までの間の位置で、タッチパネル部102により操作者による指示操作の位置が検出されると(S5でYES)、設定値算出部103は、当該検出された各位置を第1初期位置として記憶する。
【0052】
操作者が、図6に示すように、再び表示部473の表示画面上で、設定値入力用画像im1の操作方向画像im12上における第1初期位置pt1において指示操作をしている状態から、操作方向画像im12の延びる方向に沿って終点p2に向けて指をスライド移動させていくと、タッチパネル部102は、当該スライド移動に伴って時間経過と共に変化する指の各指示操作位置を示す検知信号を検出し、設定値算出部103に出力する。なお、図6には、説明の明瞭化のために、設定値入力用画像im1の例のみを図示し、かつ、本来は親指での操作であるが人指し指での操作として示している。
【0053】
なお、S4における設定値入力用画像im1〜im5の表示後、予め定められた時間内に上記指示操作が検出されない場合は(S5でNO)、処理は終了する。
【0054】
設定値算出部103は、上記検知信号の示す各指示操作位置の座標位置が上記連続した座標位置を示していると判断している間は(S5でYES)、当該連続した座標位置を示す検知信号の受信が続いているか否かを判断する(S6でNO)。
【0055】
ここで、設定値算出部103は、当該連続した座標位置を示す検知信号の受信が終了したとき、例えば、操作者が上記第1初期位置pt1からの指のスライド操作を停止させたことに応じて、上記第1初期位置pt1からの連続した座標位置を示す指示操作位置の検出が終了したと判断したとき(S6でYES)、当該スライド操作が停止された最後の指示操作位置pt2(図6)の座標位置に対応する設定値を算出する(S7)。設定値算出部103は、設定値入力用画像im2〜im5の示す各設定項目についても同様に当該設定値の算出を行う。
【0056】
例えば、設定値算出部103は、操作方向画像im12の延びる長さ方向における当該起点p1から最後の指示操作位置pt2までの距離に応じて、設定値を算出する。設定値算出部103は、設定項目が印刷枚数及び印刷濃度の場合、当該距離に比例させて設定値を大きくして算出する。表示制御部101は、設定値入力用画像im1の一部として、おおよその値を示す目安画像im13を表示する。
【0057】
また、設定値算出部103は、設定項目がカラー/モノクロの場合、操作方向画像im22の延びる長さ方向における当該起点p1から終点p2までの距離を二分して、起点p1からの前半領域を設定値:モノクロを算出する領域として設定し、後半領域を設定値:カラーを算出する領域として設定する。同様に、設定値算出部103は、設定項目が両面/片面の場合、操作方向画像im52の起点p1からの前半領域を設定値:片面を算出する領域として設定し、後半領域を設定値:両面を算出する領域として設定する。
【0058】
また、設定値算出部103は、設定項目が集約の場合、操作方向画像im42の起点p1から終点p2に向かう最初の第1領域を設定値:集約無しを算出する領域として設定し、次の第2領域を設定値:2in1を算出する領域として設定し、次の第3領域を設定値:4in1を算出する領域として設定し、最後の第4領域を設定値:8in1を算出する領域として設定する。
【0059】
表示制御部101は、設定値入力用画像im2〜im5についても、おおよその値を示す目安画像im23,im33,im43,im53を表示する。
【0060】
この後、設定値受付部104は、設定値入力用画像im1〜im5が示す各設定項目について設定値算出部103により算出された設定値を受け付ける(S8)。この後、操作者による操作部47の操作で、当該設定値入力処理を終了する旨の指示が入力された場合は(S9でYES)、処理は終了する。一方、操作者から設定値の入力をやり直す旨の指示が入力された場合は(S9でNO)、処理はS5に戻る。
【0061】
この第1実施形態では、設定値入力用画像im1〜im5が指の数だけ表示部473に表示されているときに、例えば、図7に矢印で示すように、操作者は、まず親指により操作方向画像im12上で初期位置pt1から指示操作位置pt2までスライド移動操作を行って印刷枚数を指定し、次に同様に、人指し指による操作方向画像im22上でのスライド移動操作を行ってカラー/モノクロ印刷の別を指定し、次に同様に、中指による操作方向画像im32上でのスライド移動操作を行って印刷濃度を指定し、次に同様に、薬指による操作方向画像im42上でのスライド移動操作を行って集約枚数を指定し、最後に小指による操作方向画像im52上でのスライド移動操作を同様に行って両面/片面を指定することにより、操作者は、順に各設定項目の設定値を、対応する各指での操作により指定して入力可能となる。このため、設定項目毎に複数回の指示操作を行って所望の設定値を呼び出して入力するといった一般的な設定値入力に比べて、第1実施形態によれば、片手の各指の操作により、各設定項目の設定値を、比較的少ない操作で入力できる。また、操作者が指をスライド移動させる最終位置に応じて設定値を指定できるので、操作者は、スライド量に基づいて、入力しようとする設定値がどの程度変化したかを直感的に把握することが可能になる。
【0062】
従って、本第1実施形態によれば、設定値を入力する際における操作性を改善して簡易な操作で所望の設定値を的確に入力することができる。
【0063】
次に、画像形成装置1による設定値入力処理の第2実施形態を説明する。図8は画像形成装置1による設定値入力処理の第2実施形態を示すフローチャートである。図9は表示部473の表示画面の一例を示す図である。なお、図3に示した第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0064】
第2実施形態では、S14において表示制御部101が設定値入力用画像im1〜im5を表示した後、設定値算出部103は、操作方向画像im12,im22,im32,im42,im52における最初の指示操作位置がタッチパネル部102により検出されると(S15でYES)、当該検出された最初の指示操作位置の座標位置に対応する設定値を算出する(S16)。設定値算出部103は、設定値入力用画像im2〜im5の示す各設定項目についても同様にして当該設定値の算出を行う。設定値受付部104は、設定値入力用画像im1〜im5が示す各設定項目について設定値算出部103により算出された設定値を受け付ける(S17)。なお、表示制御部101による設定値入力用画像im1〜im5の表示後、設定値算出部103は、タッチパネル部102によって操作方向画像im12,im22,im32,im42,im52において最初に指示操作位置がタッチパネル部102により検出されるのを待機するが(S15でNO)、予め定められた時間が経過しても指示操作位置が検出されない場合は、当該設定値入力処理が終了する。
【0065】
この第2実施形態によれば、予め操作者が、操作方向画像の延びる起点p1から終点p2までの領域におけるいずれかの位置で指示操作を行うことで、スライド動作を行うことなく設定値を指定して入力することができる。さらに、予め操作者が、操作方向画像の延びる起点p1から終点p2までの領域における、いずれの位置でどの程度の設定値が指定できるかを把握しておけば、表示部473の表示画面における各指の配置位置を覚えることにより、いつも同じ各指の配置で表示画面に対して接触等により指示操作をすれば、各設定項目にいつも通りの設定値をそれぞれ即座に入力することができる。例えば、図9に示すように、操作者は、各指の指示操作位置が所望の設定値の位置(図9ではpt1)を指定することになる各指の姿勢(各指の伸ばし方)を記憶しておけば、容易に所望の設定値を各設定項目について入力可能である。
【0066】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る指示入力装置が画像形成装置1に適用される例を示しているが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る指示入力装置は、スマートフォン、携帯モバイル機器、パーソナルコンピューター等、タッチパネル機能を有する表示部を有する機器に適用が可能である。
【0067】
また、図1乃至図9を用いて上記各実施形態に示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の構成及び処理はこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0068】
1 画像形成装置
10 制御ユニット
47 操作部
100 制御部
101 表示制御部
102 タッチパネル部
103 設定値算出部
104 設定値受付部
473 表示部
D1 設定値入力画面
im1−im5 設定値入力用画像
im11 設定項目画像
im12,im22,im32,im42,im52 操作方向画像
im13,im23,im33,im43,im53 目安画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9