特許第6186444号(P6186444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6186444低エネルギー消費でのエタノールのエチレンへの脱水方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186444
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】低エネルギー消費でのエタノールのエチレンへの脱水方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 1/24 20060101AFI20170814BHJP
   C07C 11/04 20060101ALI20170814BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20170814BHJP
【FI】
   C07C1/24
   C07C11/04
   !C07B61/00 300
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-543496(P2015-543496)
(86)(22)【出願日】2013年11月18日
(65)【公表番号】特表2015-535528(P2015-535528A)
(43)【公表日】2015年12月14日
(86)【国際出願番号】FR2013052767
(87)【国際公開番号】WO2014083260
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年11月14日
(31)【優先権主張番号】1203201
(32)【優先日】2012年11月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(73)【特許権者】
【識別番号】515140521
【氏名又は名称】トータル リサーチ アンド テクノロジー フェルイ
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】クパール ヴァンサン
(72)【発明者】
【氏名】トゥーシェ ナターシャ
(72)【発明者】
【氏名】プランヌヴォ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】コベル エミリー
(72)【発明者】
【氏名】フルリエ ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルメーレン ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ミヌー デルフィーヌ
(72)【発明者】
【氏名】デ シュメット フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】アダム シンディ
(72)【発明者】
【氏名】ネステレンコ ニコライ
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−036203(JP,A)
【文献】 特開昭58−038220(JP,A)
【文献】 特表2013−533236(JP,A)
【文献】 特表2012−510445(JP,A)
【文献】 特開平01−163137(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0190547(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0239810(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 1/00−409/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノール供給原料をエチレンに脱水する方法であって、
a) 前記エタノール供給原料を100〜130℃の温度に、工程e)からの流出物との熱交換によって予熱する工程と、
b) エタノール供給原料を、シリカ−アルミナ、酸で処理された酸性の粘土、ゼオライト、硫酸化ジルコニア、および、酸性イオン交換樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1つの酸固体上で、100〜130℃の温度で操作して予備処理して、予備処理されたエタノール供給原料を生じさせる工程と、
c) 前記予備処理されたエタノール供給原料と、工程h)によりリサイクルされた処理された水の流れの少なくとも一部とを含む気化供給原料を、交換器において、工程e)の最後の反応器からの流出物との熱交換により気化させる工程であって、前記気化供給原料は、0.1〜1.4MPaの圧力で前記気化工程に導入され、気化した供給原料を生じさせる、工程と、
d) 前記気化した供給原料を、圧縮機において圧縮して、圧縮された供給原料を生じさせる工程と、
e) 前記圧縮された供給原料を、少なくとも1種の脱水触媒を含む少なくとも1基の断熱反応器において脱水する工程であって、該断熱反応器において、脱水反応が行われ、350〜550℃の入口温度および0.3〜1.8MPaの入口圧力で操作する、工程と、
f) 工程e)の最後の断熱反応器からの流出物を、1.6MPa未満の圧力にあるエチレンを含む流出物と、水を含む流出物とに分離する工程と、
g) 工程f)からの水を含む流出物の少なくとも一部を精製し、処理のされた水の少なくとも1つの流れと未転化エタノールの少なくとも1つの流れとに分離する工程と、
h) 工程g)からの処理された水の流れの少なくとも一部を工程c)の上流にリサイクルする工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記エタノール供給原料は、バイオマスから得られる再生可能資源から出発して生じたエタノール供給原料である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
気化供給原料は、水を含む流出物を精製する工程g)からの未転化エタノールの少なくとも1つの流れも含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
圧縮された供給原料の圧力は、0.3〜1.8MPaである、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮された供給原料は、単一相ガスタイプの交換器において、工程e)の最後の断熱反応器からの流出物との熱交換によって加熱される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
工程e)の最後の断熱反応器からの流出物は、工程e)の最後の断熱反応器の出口において270〜450℃の温度を有する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
工程e)の最後の断熱反応器からの流出物は、工程e)の最後の断熱反応器の出口において0.2〜1.6MPaの圧力を有する、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
脱水工程e)は、1基または2基の反応器において行われる、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
工程e)において用いられる前記脱水触媒は、無定形酸触媒またはゼオライト酸触媒である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記エタノール供給原料は、濃縮エタノール供給原料、すなわち、35重量%以上の重量百分率のエタノールを含むエタノール供給原料である、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記濃縮エタノール供給原料は、35〜99.9重量%の重量百分率のエタノールを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
酸固体を用いた予備処理工程b)は、アニオン交換樹脂を用いた予備処理を併せて行うことにより補足される、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エタノールをエチレンに転化させる方法、特に、エタノールの脱水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エタノールのエチレンへの脱水反応は、19世紀末から知られており、詳細に記載された。非特許文献1は、エタノールを含むアルコールの脱水の操作のための基本的出版物とみなされる。この反応は強い吸熱性であり、平衡化されかつ高い温度でエチレンに向けて変位されることが知られている。断熱反応器中の高純度エタノールの完全な転化に対応する温度降下は380℃である。より低い温度において、エタノールは、ジエチルエーテル(diethyl ether:DEE)に転化させられる。この反応「中間体」は、エチレンの脱水のための方法であって、転化が部分的である、方法においてまたは多反応器方法において2基の反応器の間に存在してよい。DEEは、より高い温度においてエチレンに転化させられ得る。しばしば用いられる参照触媒は、単機能酸触媒であり、ガンマアルミナは、最も多く言及される触媒である。ゼオライトも、この適用のために用いられ、特に、1980年代以降ZSM−5であり、例えば、非特許文献2において記載されている。
【0003】
特許文献1には、エタノールのエチレンへの脱水方法であって、反応のために要求される熱が、供給原料と混合された熱輸送流体を反応器に導入することによって供給される、方法が記載されている。熱輸送流体は、外部源を起源とする水蒸気、または、この方法を起源とする外部流れ、または、脱水反応からの流出物の一部、すなわち、生じたエチレンをリサイクルさせることを起源とする外部流れのいずれかである。供給原料と前記熱輸送流体との混合物の導入により、触媒床の温度を所望の転化と両立できるレベルに維持するために要求される熱を供給することが可能となる。熱輸送流体が脱水反応器からの流出物である場合、前記流出物をリサイクルさせるための圧縮機が必要である。しかしながら、反応によって生じたエチレンのリサイクルが欠点であるのは、エチレンの導入が脱水反応の平衡を変えるからである。さらに、エチレンは、二次反応であるオリゴマー化、水素移動およびオレフィンの不均化に参加し、これらの反応は、それらの試薬に対して0超の次数の反応である。反応の出発からのエチレン濃度における増加は、副生物の形成を増加させる。エチレンの喪失は、したがって、より大きく、これは、選択性における低下において反映される。
【0004】
特許文献2には、特許文献1の方法と比較して改善された、エタノールのエチレンへの脱水方法であって、方法に対して外部の水蒸気を用いていないことが理由で、低減した数の設備品目および低減した操作費用のために低減した資本支出を可能とする、方法が記載されている。この方法において、脱水反応器からの流出物(生じたエチレンおよび水蒸気の混合物)の少なくとも一部およびエタノールの脱水によって生じかつ反応器において凝縮された水から得られた過熱水蒸気が熱輸送流体として用いられ、エタノールと混合されて脱水反応器に入る。前記特許出願は、熱交換を最大にすることを目的としてエタノール供給原料と流出物との間で重視されるべき圧力条件について何も言わない。
【0005】
特許文献3にも、エタノールのエチレンへの脱水方法が記載されており、この方法では、熱輸送流体として作用するエタノールおよび水蒸気が、400〜520℃の温度および20〜40atmの高圧力で第1の反応器に導入され、その結果、脱水反応によって生じた流出物は、少なくとも18atm超の圧力で最後の反応器から抜き出され、前記反応生成物、すなわちエチレンは、冷却の後に、中間的圧縮工程なしで最終深冷蒸留工程を経ることができる。前記方法はまた、脱水反応の前記生成物と第1の反応器に導入される供給原料との間の熱交換によって特徴付けられ、前記反応生成物は、第1の反応器に入る供給原料を気化されるために用いられる。未転化エタノール、方法の反応の間に形成された水の少なくとも一部およびガスの最終スクラブ処理のために加えられた水は、エタノールの完全な転化を保証するためにリサイクルさせられる。
【0006】
特許文献4には、エタノール供給原料のエチレンへの脱水方法であって、エタノールと水の混合物を気化させる工程と、断熱反応器においてこの混合物を反応させる工程とを含む、方法が開示されている。この出願は、方法のエネルギー消費を低減させるために熱回収を最大にするという問題を扱わない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4232179号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/134415号
【特許文献3】米国特許第4396789号明細書
【特許文献4】国際公開第2011/002699号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】H. Knoezinger、R. Koehne著、「The Dehydration of Alcohols over Alumina. I: The reaction scheme」、Journal of Catalysis、1966年、第5巻、p.264−270
【非特許文献2】S. N. Chaudhuriら著、「Reactions of ethanol over ZSM-5」、Journal of Molecular Catalysis、1990年、第62巻、p.289−295
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、エタノールのエチレンへの脱水方法であって、酸性溶液を用いてエタノール供給原料を予備処理して、触媒の使用期間を短縮する有機窒素の量を制限し、かつ、エタノールを部分的にDEEに転化させる、方法を提供することにある。
【0010】
本発明の目的は、エタノールの高純度エチレンへの脱水方法であって、前記方法は、前記方法に対して外部の熱輸送流体を必要としないために、従来技術の方法と比較して顕著に低下した、生じたエチレンの重量(トン)当たりの比消費量でエチレンについての選択性を高めることを可能にする、方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の概要および利点)
本発明は、エタノール供給原料のエチレンへの脱水方法であって、特に、前記供給原料中に含有される有機性または塩基性の窒素のレベルを低減させかつエタノールの一部をDEEに転化させる予備処理の工程と、リサイクルされた処理された水の流れの少なくとも一部と混合して、予備処理されたエタノール供給原料を、交換器において、最後の脱水反応器からの流出物との熱交換により気化させる工程とを含む、方法を記載する。
【発明の効果】
【0012】
前記発明は、予備処理工程の間にカチオン性またはアニオン性の不純物、塩基性の、錯体化した、およびキレート化した不純物、無機または有機の不純物、例えば、塩基の形態で、例えば、アンモニアの形態、および/または有機性かつ塩基性の種、例えば、アミン、アミド、イミンまたはニトリルの形態で供給原料中に存在する窒素を捕捉することによってエタノール脱水触媒のサイクルタイムを増加させるという、従来技術の方法を超えた利点を提供する。窒素含有化合物を捕捉することは、特に、脱水において用いられる酸触媒の活性を改善するという効果を有する。
【0013】
本発明はまた、供給原料と最後の脱水反応器からの流出物との間の熱交換を最大にするという、すなわち、最後の反応器を出る流出物の圧力未満の圧力での気化工程c)における供給原料の導入のために供給原料の気化のエンタルピーの全てと前記流出物の凝縮のエンタルピーの大部分とを交換するという、従来技術の方法を超えた利点を提供する。
【0014】
本出願人は、驚くべきことに、本発明による操作条件下に行われる前記予備処理工程により、エタノールのDEEへの部分的な転化がもたらされ、エチレン生産のエネルギー消費を大幅に低減させることが可能であることを発見した。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の説明)
本発明は、エタノール供給原料のエチレンへの脱水方法であって、
a) 工程e)からの流出物との熱交換によって100〜130℃の温度に前記エタノール供給原料を予熱する工程と、
b) 酸固体上で、100〜130℃の温度で操作してエタノール供給原料を予備処理して、予備処理されたエタノール供給原料を生じさせる工程と、
c) 前記予備処理されたエタノール供給原料と工程h)によりリサイクルされた処理された水の流れの少なくとも一部とを含む気化供給原料を、交換器において、工程e)の最後の反応器からの流出物との熱交換により気化させて、気化した供給原料を生じさせる工程であって、前記気化供給原料は、0.1〜1.4MPaの圧力で前記気化工程に導入される、工程と、
d) 圧縮機において前記気化した供給原料を圧縮して、圧縮された供給原料を生じさせる工程と、
e) 少なくとも1種の脱水触媒を含有する少なくとも1基の断熱反応器において前記圧縮された供給原料を脱水する工程であって、該断熱反応器において、脱水反応が行われ、350〜550℃の入口温度および0.3〜1.8MPaの入口圧力で操作する、工程と、
f) 工程e)の最後の断熱反応器からの流出物を、1.6MPa未満の圧力にあるエチレンを含む流出物と水を含む流出物とに分離する工程と、
g) 工程f)からの水を含む流出物の少なくとも一部を精製し、処理された水の少なくとも1つの流れと未転化エタノールの少なくとも1つの流れとを分離する工程と、
h) 工程g)からの処理された水の流れの少なくとも一部を工程c)の上流にリサイクルさせる工程と
を含む、方法に関する。
【0016】
(供給原料)
本発明によると、脱水方法において処理される供給原料は、エタノール供給原料である。
【0017】
前記エタノール供給原料は、有利には、濃縮エタノール供給原料である。濃縮エタノール供給原料とは、35重量%以上の重量百分率でエタノールを含むエタノール供給原料を意味する。好ましくは、前記濃縮エタノール供給原料は、35〜99.9重量%の重量百分率でエタノールを含む。
【0018】
35%未満のエタノールを含むエタノール供給原料は、当業者に知られるあらゆる手段によって、例えば、蒸留、吸着、または浸透気化によって濃縮され得る。
【0019】
前記エタノール供給原料はまた、有利には、水に加えて、10重量%未満、好ましくは5重量%未満の含有率のエタノール以外のアルコール、例えば、メタノール、ブタノールおよび/またはイソプロパノールと、1重量%未満の含有率のアルコール以外の含酸素化合物、例えば、エーテル、酸、ケトン、アルデヒドおよび/またはエステルと、0.5重量%未満の含有率の窒素および硫黄の、有機化合物および鉱物とを含み、重量百分率は、前記供給原料の全重量に対して表される。
【0020】
本発明による方法において処理されるエタノール供給原料は、場合によっては、化石資源、例えば、石炭、天然ガスまたは炭素含有廃棄物から出発するアルコールの合成の方法によって得られる。
【0021】
前記供給原料はまた、有利には、非化石資源を起源とし得る。好ましくは、本発明による方法において処理されるエタノール供給原料は、しばしば「バイオエタノール」と呼ばれる、バイオマスから得られる再生可能資源から生じたエタノール供給原料である。バイオエタノールは、生物学的ルートによって、好ましくは、例えば糖含有植物、例えばサトウキビ(サッカロース、グルコース、フルクトースおよびスクロース)、テンサイの作物から、あるいはデンプン植物(デンプン)から、またはリグノセルロースバイオマスからまたは加水分解セルロース(主としてグルコース、およびキシロース、ガラクトース)から得られた糖の発酵によって生じた供給原料であり、これらは、種々の量の水を含有している。
【0022】
古典的な発酵方法のより完全な記載のために、著作「Les Biocarburants, Etat des lieux, perspectives et enjeux du developpement」[バイオ燃料、評価、展望および開発挑戦]、Daniel Ballerini, Editions Technipに参照がなされてよい。
【0023】
前記供給原料はまた、有利には、合成ガスから得られ得る。
【0024】
前記供給原料はまた、有利には、対応する酸またはエステルの水素化によって得られ得る。この場合、酢酸または酢酸エステルが、有利には、水素によりエタノールに水素化される。酢酸は、有利には、メタノールのカルボニル化または炭水化物の発酵によって得られ得る。
【0025】
好ましくは、本発明による方法において処理されるエタノール供給原料は、バイオマスから得られた再生可能資源から生じたエタノール供給原料である。
【0026】
(予熱工程a))
本発明によると、エタノール供給原料は、熱交換器において予熱工程a)を経て、予熱されたエタノール供給原料を生じ、これは、脱水工程e)からの流出物との熱交換により、要求される温度条件下に、予備処理工程b)のために100〜130℃、好ましくは110〜130℃とするものである。エタノール供給原料の圧力は、エタノール供給原料が予熱工程)の終わりに依然として液体であるように、0.1〜3MPaの値に調節される。
【0027】
(予備処理工程b))
本発明によると、予熱されたエタノール供給原料は、予備処理工程b)を経て、予備処理されたエタノール供給原料が生じる。前記予備処理工程により、下流に位置する脱水触媒の失活を制限するように前記予熱された供給原料に存在する窒素含有化合物を取り除くことが可能とる。
【0028】
前記予備処理工程b)は、酸固体、好ましくは酸樹脂上で、100〜130℃、好ましくは110〜130℃の温度において行われる。
【0029】
前記予備処理工程b)により、塩基性のおよび/または有機性の不純物、およびカチオン性種を取り除き、脱水触媒と両立できる不純物のレベルに相当する予備処理されたエタノール供給原料を得ることが可能になる。
【0030】
本発明による操作条件下の酸固体上の予備処理により、前記供給原料に存在するエタノールの3〜20重量%、好ましくは8〜12重量%をDEEに転化させることが可能になり、重量百分率は、予備処理工程b)の入口において前記供給原料に存在するエタノールの全重量に対して決定される。
【0031】
酸固体は、当業者に知られる全ての酸固体を含む:シリカ−アルミナ、酸粘土、ゼオライト、硫酸化ジルコニア、酸樹脂等。肝心なことは、酸固体は、塩基性のおよびカチオン性の種をできる限り捕捉するための高い交換容量およびエタノールのDEEへの部分転化を行うのに十分な高い酸強度を有することである。
【0032】
一般的に市販されている酸固体は、酸性にするように酸により処理された粘土(例えばモンモリロナイト)およびゼオライトであって、結晶格子中のシリカ対アルミナのモル比2.5〜100を有するものである。酸樹脂は、スルホン酸基を含み、芳香族性のおよび/またはハロ脂肪族の鎖からなる有機担体上に移植される。好ましくは、酸固体は、重量(g)当たり少なくとも0.1mmolH当量の交換容量を有する。
【0033】
酸樹脂は、酸性のスルホン酸基を含み、芳香族ビニル基の重合または共重合およびその後のスルホン化によって調製され、前記芳香族ビニル基は、スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン、メチルスチレン、ビニルクロロベンゼンおよびビニルキシレンから選択され、前記樹脂は、20〜35%、好ましくは25〜35%、好ましくは30%に等しい架橋結合のレベルと、0.2〜6mmolH当量/g、好ましくは0.2〜2.5mmolH当量/gの酸強度(KOH溶液による中和の際の電位差測定によって決定される)とを有する。
【0034】
前記酸性イオン交換樹脂は、芳香族基当たり1〜2のスルホン酸末端基を含有する。そのサイズは、0.15〜1.5mmである。樹脂のサイズとは、樹脂の粒子の周囲を囲む最も小さい球の径を意味する。樹脂サイズの等級は、当業者に知られる技術に従う適切なシーブを通じてふるい分けすることによって測定される。
【0035】
好ましい樹脂は、芳香族モノビニルおよび芳香族ポリビニル共重合体からなる樹脂であり、非常に好ましくは、ジビニルベンゼンおよびポリスチレンの共重合体であって、20〜45%、好ましくは30〜40%、好ましくは35%に等しい架橋結合のレベルと、1〜10mmolH当量/g、好ましくは3.5〜6mmolH当量/gの酸強度(前記樹脂の活性部位の数を示し、KOH溶液による中和の際の電位差測定によって決定される)を有する。例えば、樹脂は、Axens社によって販売されているTA801樹脂である。
【0036】
酸固体は、一旦、現場内(in situ)または現場外(ex situ)での塩基性のおよびカチオン性の種の吸着によって交換容量がほぼ飽和すると、随時、再生され得る。無機酸性固体、例えば、粘土およびゼオライトの場合、再生は、不活性なまたは酸素含有の流れの存在下で塩基性種を脱着させるための高温での単純な加熱からなり得る。カチオンは、イオン交換によって取り除かれ得る。酸樹脂は、イオン交換によって、典型的には、酸による液相処理によって再生され得る。酸固体はまた、飽和するまで用いられ、未使用固体により置き換えられ得る。
【0037】
酸固体は、単独で用いられるか、または、他のタイプの酸固体と混合され得る。異なる酸固体の混合物または酸固体の連続は、塩基性のおよびカチオン性の種を吸着するための容量およびエタノールのDEEへの部分転化の容量を最適にするために用いられ得る。
【0038】
上記の予備処理は、有利には、アニオン交換樹脂を用いる予備処理により補足され得る。この樹脂は、例えば、ナトリウムまたはトリメチルアンモニウムと共に装填される樹脂であって、mg(OH)/リットルで測定される交換容量によって特徴付けられるものであり得る。この樹脂は、例えば、樹脂Amberlite IRN78であり得る。この追加樹脂により、スルファートイオンSO2−を保持して、触媒の寿命を延長することが可能になる。
【0039】
(気化工程c))
前記予備処理されたエタノール供給原料とリサイクル工程h)に従ってリサイクルされた処理された水の流れの少なくとも一部とを含む混合物は、気化供給原料と呼ばれる。
【0040】
好ましくは、前記気化供給原料は、水を含む流出物を精製する工程g)からの未転化エタノールの少なくとも1つの流れも含む。
【0041】
本発明によると、脱水方法は、前記気化供給原料を気化させて、気化された供給原料を生じさせる工程c)を含む。前記気化は、脱水工程e)からの流出物との熱交換によって熱交換器において行われる。
【0042】
好ましくは、前記気化供給原料は、脱水工程e)からの流出物の圧力未満の圧力で前記気化工程c)に導入される。
【0043】
気化工程c)の上流の前記気化供給原料の圧力(本発明の不可欠な基準)は、有利には、可及的に高くなるよう選択され、その結果、脱水工程e)からの流出物(これは凝縮している)と、前記気化供給原料(これは蒸発している)との間の熱交換器における温度差は、2℃以上であり、好ましくは、3℃以上であり、前記気化供給原料と脱水工程e)からの前記流出物との間の熱交換が最大にされる。
【0044】
熱交換器におけるこの温度差は、温度アプローチと呼ばれる。
【0045】
驚くべきことに、所与の圧力で、気化供給原料の気化温度は、予備処理工程b)を含まないだろう操作の連続によって得られた供給原料の気化温度と比べて低下させられる。脱水工程e)からの流出物の所与の凝縮温度および固定された温度アプローチのために、気化工程c)の上流の圧力は、したがって、予備処理工程b)を含まない操作の配列におけるであろう圧力より高い値に調節され得る。
【0046】
気化工程c)の上流の前記圧力の最も高い可能な値への先行段落における規定される制限内での調節により、本発明による方法の圧縮工程d)の間の圧縮に要求されるエネルギーを最小にすることが可能になる。
【0047】
前記気化供給原料が前記気化工程c)に導入される際の圧力は、0.1〜1.4MPa、好ましくは0.2〜0.6MPaである。
【0048】
0.1〜1.4MPa、好ましくは0.2〜0.6MPaの具体的な圧力のこのレベルで、脱水工程e)の最後の反応器を出る流出物の圧力未満で前記気化供給原料を気化工程c)に導入することにより、最後の断熱反応器からの流出物の凝縮の温度より低い前記気化供給原料の気化温度の利点を活かすことが可能になる。それ故に、最後の断熱反応器からの流出物の水相の潜熱の大部分は、外部の熱供給なしで、前記気化供給原料を気化させるために回収される。したがって、前記気化供給原料の気化のエンタルピーの全てが、前記流出物の凝縮のエンタルピーと交換される。
【0049】
(圧縮工程d))
本発明によると、前記気化供給原料は、圧縮工程d)において圧縮を経て、圧縮された供給原料が生じる。前記圧縮工程d)は、有利には、当業者に知られるあらゆるタイプの圧縮機において行われる。特に、圧縮工程d)は、有利には、集積乗算機(integrated multiplier)を有する遠心圧縮機タイプの圧縮機または中間の冷却なく直列に置かれた遠心羽根車を有する1個以上の送風機を含む圧縮機または潤滑のあるまたはない容積式(positive-displacement)の圧縮機において行われる。
【0050】
工程b)により、驚くべきことに、工程d)の上流においてより高い圧力で操作することが可能になるので、工程d)において必要な圧縮のレベルは、低減させられ、前記工程d)の終わりに所与の圧力を達成し、それ故に、前記工程d)のエネルギー消費が低減させられる。
【0051】
圧縮工程d)により、方法からの流れを用いて、かつ、外部の熱輸送流体を用いることなく、前記方法において統合されたヒートポンプを含むことが可能となる。
【0052】
工程c)および工程d)の具体的な操作条件の組合せにより、方法に対して外部の熱輸送流体の供給を回避し、前記気化供給原料の気化を保証することが可能になり、気化供給原料を気化させるための最後の断熱反応器からの流出物の水相の潜熱の大部分が回収される。それ故に、方法からの流れのみが用いられる。
【0053】
圧縮工程d)の終わりにおける前記圧縮された供給原料の圧力は、有利には、0.3〜1.8MPa、好ましくは0.5〜1.3MPaである。前記供給原料の出口圧力は、最後の反応器からの流出物の凝縮温度が工程c)に入る供給原料の気化温度より大きいほどに十分に高く、これは、工程c)の実行可能性に必要な条件である。
【0054】
圧縮工程d)からの前記圧縮された供給原料は、場合によっては、単一相ガスタイプの交換器において、工程e)の最後の断熱反応器からの流出物との熱交換によって250〜420℃、好ましくは280〜410℃の出口温度に加熱される。単一相ガスタイプの前記交換器において、前記圧縮された供給原料は過熱した状態とされ、ガス状態で工程e)の最後の断熱反応器を出る流出物は、凝縮することなく「過熱を脱した」状態となる。単一相ガスタイプの前記交換器の後、ガス状態で工程e)の最後の断熱反応器を出る流出物の温度は、有利には180〜260℃である。
【0055】
それ故に、単一相ガスイプおよび気/液エバポレータタイプの異なる交換器の使用および最後の反応器を出る流出物の圧力未満の圧力での気化供給原料の気化により、脱水工程e)の最後の反応器からの流出物中に存在する水蒸気の最低80%を凝縮させることが可能になる。

【0056】
前記圧縮された供給原料(場合によっては、単一相ガスタイプの前記交換器において加熱される)は、次いで、有利には、炉に導入されて、脱水反応の温度と両立できる少なくとも1基の断熱反応器における入口温度にされる。この単一相ガスタイプの交換器は、当業者に知られる技術のタイプの交換器であり、大きな交換表面積を有する一方で供給原料の喪失を最小にすることを可能にする。低圧でのこの気/気交換は、交換器の壁を通じて低い熱流速密度(低い伝達係数)を生じさせ、これは、大きな交換表面積を有することを必要とする。さらに、圧力喪失は、工程d)の圧縮機上の負荷を制限するために最小にされなければならない。例えば、この交換器は、Alfa Lavalによって供給されるPackinoxタイプの、シェル中に加圧板を有する交換器であり得る。
【0057】
(脱水工程e))
本発明によると、前記圧縮された供給原料(場合によっては加熱される)は、少なくとも1基の断熱反応器において脱水工程e)を経る。この断熱反応器は、脱水触媒の少なくとも1個の固定床を含有するものであり、ここで脱水反応が行われる。
【0058】
脱水工程e)は、有利には、1または2基の反応器において行われる。
【0059】
1基の断熱反応器において工程e)が行われる場合、前記圧縮された供給原料(場合によっては加熱される)は、有利には、350〜550℃、好ましくは400〜500℃の入口温度、および0.3〜1.8MPa、好ましくは0.4〜0.8MPaの入口圧力で前記反応器に導入される。
【0060】
工程e)の前記断熱反応器からの流出物は、有利には、270〜450℃、好ましくは340〜430℃の温度、および0.2〜1.6MPa、好ましくは0.3〜0.8MPaの出口圧力を有する。
【0061】
2基の断熱反応器において工程e)が行われる場合、前記圧縮された供給原料(場合によっては加熱される)は、有利には、350〜550℃の入口温度で、好ましくは、370〜500℃の温度で、および0.3〜1.8MPa、好ましくは0.4〜1.1MPaの入口圧力で第1の反応器に導入される。
【0062】
第1の断熱反応器からの流出物は、有利には、270〜450℃、好ましくは290〜390℃の温度で、かつ0.3〜1.7MPa、好ましくは0.3〜1.0MPaの圧力で前記第1の反応器を出る。
【0063】
前記流出物は、次いで、有利には、炉に導入され、第2の断熱反応器中の前記流出物の入口温度が、350〜550℃、好ましくは400〜500℃であるようにされる。前記流出物の前記第2の反応器中の入口圧力は、有利には、0.3〜1.7MPa、好ましくは0.3〜0.9MPaである。
【0064】
第2の断熱反応器からの流出物は、有利には270〜450℃、好ましくは340〜430℃の温度で前記第2の断熱反応器を出る。第2の断熱反応器からの前記流出物の出口圧力は、有利には0.2〜1.6MPa、好ましくは0.3〜0.8MPaである。
【0065】
1基または複数基の反応器の入口温度は、有利には、脱水触媒を失活させることを避けるために徐々に上昇させられ得る。
【0066】
本発明による方法の工程e)の少なくとも1基の断熱反応器において行われる脱水反応は、有利には、0.1〜20h−1、好ましくは0.5〜15h−1の重量毎時空間速度で操作する。重量毎時空間速度は、高純度エタノール供給原料の質量流量対触媒の質量の比として定義される。
【0067】
工程e)において用いられる脱水触媒は、当業者に知られる触媒である。前記触媒は、好ましくは、無定形酸触媒またはゼオライト酸触媒である。
【0068】
工程e)において用いられる脱水触媒がゼオライト触媒である場合、前記触媒は、少なくとも、8、10または12個の酸素原子を含有する細孔開口(8MR、10MRまたは12MR)を有するゼオライトから選択される少なくとも1種のゼオライトを含む。「員環」(member ring:MR)と呼ばれる、ゼオライト中のチャネルの環状部を形成する酸素原子の数によってゼオライト中の細孔サイズを定義することが実際に知られている。好ましくは、前記ゼオライト性脱水触媒は、構造型MFI、FAU、MOR、FER、SAPO、TON、CHA、EUO、MELおよびBEAから選択される構造型を有する少なくとも1種のゼオライトを含む。好ましくは、前記ゼオライト性脱水触媒は、MFI構造型のゼオライト、好ましくはゼオライトZSM−5を含む。
【0069】
本発明による方法の工程e)において用いられる脱水触媒において用いられるゼオライトは、有利には、当業者に知られる脱アルミニウムまたは脱シリカの任意の方法による脱アルミニウムまたは脱シリカによって改変され得る。
【0070】
本発明による方法の工程e)において用いられる脱水触媒において用いられるゼオライトまたは最終触媒は、有利には、自然の力により、例えば、その全酸性度を減ずることおよび水熱抵抗性のその特性を改善することにより改変され得る。好ましくは、前記ゼオライトまたは前記触媒は、有利には、リンを含み、好ましくは、HPOの形態で加えられ、次いで、塩基性前駆体、例えばカルシウムCaによる過剰の酸の中和の後に水蒸気処理が行われる。好ましくは、前記ゼオライトは、触媒の全重量に対して1〜4.5重量%、好ましくは1.5〜3.1重量%の含有率のリンを有する。
【0071】
好ましくは、本発明による方法の工程e)において用いられる脱水触媒は、特許出願WO/2009/098262、WO/2009/098267、WO/2009/098268、またはWO/2009/098269に記載された触媒である。
【0072】
工程e)において用いられる脱水触媒が無定形酸触媒である場合、前記触媒は、アルミナ、鉱酸の付着により活性化されたアルミナ、およびシリカ−アルミナから選択される少なくとも1種の多孔質耐火性酸化物を含む。
【0073】
本発明による方法の工程e)において用いられる前記無定形性またはゼオライト性の脱水触媒は、有利には、バインダとも呼ばれる酸化物タイプの少なくとも1種のマトリクスも含み得る。マトリクスとは、本発明によると、無定形マトリクス、結晶質マトリクス、または無定形性および結晶性の成分を含むマトリクスを意味する。前記マトリクスは、有利には、粘土(例えば、天然粘土、例えば、カオリンまたはベントナイト)、マグネシア、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミン酸塩、酸化チタン、酸化ホウ素、ジルコニア、リン酸アルミニウム、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム、および炭素によって形成される群の要素から選択され、単独でまたは混合して用いられる。好ましくは、前記マトリクスは、アルミナ、シリカおよび粘土によって形成される群の要素から選択される。
【0074】
本発明による方法の工程e)において用いられる前記脱水触媒は、有利には、異なる形状およびサイズの粒子の形態で成形される。それは、有利には、円柱状または真っすぐなまたは捻じれた形状の多葉状、例えば二葉、三葉、多葉の押出物の形態で用いられるが、場合によっては、粉砕粉体、ペレット、リング、ビーズ、車輪、または球体の形態で製造されかつ使用され得る。好ましくは、前記触媒は、押出物の形態にある。
【0075】
本発明による方法の工程e)において用いられる前記脱水触媒は、有利には、少なくとも1基の反応器において、固定床または移動床で用いられる。
【0076】
本発明による方法の工程e)において、用いられる触媒および操作条件は、エチレンの生産を最大にするように選択される。本発明による方法の工程e)において用いられる脱水の全体的な反応は、以下の通りである:
2COH → 2CH=CH + 2H
CHCHOCHCH → 2CH=CH + H
工程e)におけるエタノール供給原料の転化率は、90%超、好ましくは95%超、より好ましくは99%超である。
【0077】
90%未満の転化率が方法の全体的な収率を低下させる効果を有するのは、エチレンに転化させられない大量のDEEが、下流の分離工程において失われるからである。
【0078】
エタノール供給原料の転化率は、百分率として、以下の式によって定義される。
【0079】
[1−(出口における毎時のエタノール重量/入口における毎時のエタノール重量)]×100
入口および出口における毎時エタノール重量は、従来通りに、例えば、クロマトグラフィーによって測定される。
【0080】
脱水反応が行われる工程e)は、有利には、1基または2基の反応器において行われる。好ましい反応器は、上昇または下降する様式で操作する遠心反応器(radial reactor)である。本発明による方法の工程e)の間に、供給原料の転化に伴って、コーキングおよび/または阻害化合物の吸着によって脱水触媒は失活する。脱水触媒は、したがって、定期的に再生工程を経なければならない。好ましくは、反応器は、スイング反応器とも呼ばれる交互再生様式で用いられ、反応の段階と前記脱水触媒の再生の段階とが交替する。この再生処理の目的は、前記脱水触媒の表面および内部に含まれる、有機沈着物並びに窒素および硫黄を含有する種を燃やすことにある。本発明において用いられる予備処理工程b)により、触媒のサイクル寿命を変更することになる、塩基性および有機性の不純物、並びにカチオン性の種の量を低減させることが可能になる。それ故に、これらの種の除去により、触媒再生の数を限定することが可能になる。
【0081】
前記工程e)において用いられる脱水触媒の再生は、有利には、空気流下または空気/窒素混合物下、例えば、酸素を希釈するためおよび再生の発熱性を制御するために水を有するかまたは有しない燃焼用空気の流通を用いて、コークスおよび阻害化合物の酸化によって行われる。この場合、反応器入口における酸素含有率は、有利には、空気の追加的供給により調節され得る。再生は、大気圧と反応圧力との間の圧力で行われる。
【0082】
再生温度は、有利には、400〜600℃であるように選択される;それは、有利には、再生の過程にわたって変動し得る。再生の終わりは、コークスの全消費のサインである酸素の消費がもはやない時に検出される。
【0083】
工程e)の最後の断熱反応器からの流出物は、場合によっては、単一相ガスタイプの交換器に送られ、この交換器内で、それは、工程d)からの圧縮された供給原料との熱交換によって凝縮されることなく「過熱状態を脱する」こととなり、工程d)からの圧縮された供給原料は、その一部について過熱した状態となる。
【0084】
前記「過熱を脱した」流出物は、次いで、有利には、気/液タイプの第2の交換器に送られ、この交換器中で、それは、気化供給原料を気化させるように機能する熱交換によって部分的に凝縮される。
【0085】
前記流出物は、次いで、エタノール供給原料を予熱する工程a)間にエタノール供給原料との熱交換によって再度冷却される。
【0086】
(分離工程f))
本発明によると、工程e)の最後の断熱反応器からの流出物は、1.6MPa未満、好ましくは0.8MPa未満の圧力にあるエチレンを含む流出物と水を含む流出物とへの分離の工程f)を経る。
【0087】
工程e)の最後の断熱反応器からの前記流出物を分離する工程f)は、有利には、当業者に知られるあらゆる方法を用いて、例えば、気/液分離のための帯域、好ましくは気/液分離塔によって行われ得る。
【0088】
1.6MPa未満の圧力にあるエチレンを含む流出物は、次いで、有利には、圧縮を経る。前記圧縮により、前記流出物の圧力を、有利には、その最終的な精製のために必要な2〜4MPaの圧力にまで戻すようにすることが可能になる。
【0089】
工程f)からの水を含む流出物の少なくとも一部は、場合によっては、分離工程f)にリサイクルされる。このリサイクルにより、未転化供給原料の一部を吸着させることによって工程f)の有効性を上げることが可能になる。水を含む流出物の少なくとも一部がリサイクルされる場合、前記水を含む流出物の一部は、有利には、低温流体または方法からの流体により冷却され、好ましくは、下記の既知の精製方法に従って処理される。
【0090】
(精製工程g))
本発明によると、分離工程f)からの水を含む流出物の少なくとも一部は、精製工程g)を経る。精製工程g)は、有利には、当業者に知られる精製のあらゆる方法を用いて行われ得る。例として、精製工程g)は、有利には、イオン交換樹脂の使用によって、化学製品、例えば、ソーダまたはアミンを加えてpHを調節することによって、および化学製品、例えば、重亜硫酸塩および界面活性剤から選択されるポリマー化阻害剤を加えて生成物を安定にすることによって行われ得る。
【0091】
処理された水の少なくとも1つの流れおよび未転化エタノールの少なくとも1つの流れが次いで分離される。分離は、有利には、当業者に知られるあらゆる分離方法を用いて行われ得る。例として、分離は、有利には、蒸留によって、モレキュラーシーブの使用によって、水蒸気または熱のストリッピングによってまたは溶媒吸着によって、例えば、グリコール含有溶媒による溶媒吸着によって行われ得る。
【0092】
軽質ガス、好ましくはアセトアルデヒドおよびメタノールを含有する流れも、有利には、分離され得る。
【0093】
(リサイクリング工程h))
本発明によると、精製工程g)からの処理された水の流れの少なくとも一部は、気化工程c)の上流に、リサイクリング工程h)によりリサイクルされる。
【0094】
工程g)からの処理された水の流れは、熱反応希釈剤の役割を果たす。
【0095】
工程g)からの処理された水の流れの少なくとも一部を加えることによる予備処理されたエタノール供給原料の希釈は、1基または複数基の反応器中のエタノール分圧を低下させることおよび方法をエチレンについてより選択的にすることを目的として希釈剤対供給原料の重量比、有利には1〜4で行われる。
【0096】
水を含む流出物を精製する工程g)からの未転化エタノールの前記流れの少なくとも一部は、有利には、気化工程c)の上流で、リサイクルされかつ予備処理されたエタノール供給原料と混合され、リサイクリング工程h)によりリサイクルされた処理された水の流れの少なくとも一部と混合される。
【0097】
(図の説明)
図1は、方法の工程h)の間に処理された水の少なくとも一部のリサイクルを伴う、濃縮エタノール供給原料の脱水の場合におけるエタノールの脱水方法の図表示である。
【0098】
エタノール供給原料(1)は、交換器E1において、最後の断熱反応器R2の流出物により予熱され、最後の断熱反応器R2の流出物は、パイプライン(14)を介して入る。予熱されたエタノール供給原料は、次いで、パイプライン(2)を介して予備処理帯域(3)に導入される。予備処理されたエタノール供給原料(4)は、次いで、パイプライン(5)において、精製帯域(20)からの処理された水の流れの一部と混合され、これは、反応希釈剤として機能するように、パイプライン(25)および(26)を介してリサイクルされる。エタノール供給原料はまた、精製帯域(20)からの未転化エタノールの流れの一部と、パイプライン(23)、次いで(26)を介して混合される。この混合物は、気化供給原料を構成し、このものは、パイプライン(5)を介して気/液交換器E2に導入され、この交換器E2において、前記混合物は、最後の断熱反応器R2からの流出物との熱交換を経、最後の断熱反応器R2からの流出物は、パイプライン(13)を介して交換器に入り、気化供給原料を生じさせる。最後の断熱反応器R2からの流出物の潜熱(凝縮のエンタルピーとも呼ばれる)は、外部の熱供給なしで、気化供給原料を気化させるために用いられる。
【0099】
気化供給原料は、次いで、パイプライン(6)を介して圧縮機C1に送られる。
【0100】
前記の気化したかつ圧縮された供給原料は、次いで、パイプライン(7)を介して、単一相ガスタイプの交換器E3に送られ、この交換器において、前記供給原料は、最後の断熱反応器R2からの流出物との熱交換によって加熱され、最後の断熱反応器R2からの流出物は、パイプライン(12)を介してE3に導入される。単一相ガスタイプの前記交換器において、前記気化したかつ圧縮された供給原料は、過熱状態とされ、ガス状態で、最後の断熱反応器R2を出る流出物は、凝縮することなく「過熱を脱した」状態とされる。
【0101】
前記の気化したかつ圧縮された供給原料は、単一相ガスタイプの交換器E3において加熱され、次いで、パイプライン(8)を介して炉H1に導入され、脱水反応の温度と両立できる第1の断熱反応器R1における入口温度とされる。第1の反応器R1からの流出物は、パイプライン(10)を介して第2の炉H2に送られ、その後、パイプライン(11)を介して第2の反応器R2に導入される。
【0102】
第2の反応器R2からの流出物は、次いで、パイプライン(12)、(13)および(14)を介して交換器E3、E2およびE1で上記される3基の連続する交換器を経る。
【0103】
交換器E1からの流出物は、パイプライン(15)を介して気/液分離塔(16)に送られ、ここで、それは、エチレンを含む流出物(17)および水を含む流出物(18)に分離される。水を含む流出物の一部は、冷却の後にパイプライン(19)を介して塔(16)にリサイクルされる。
【0104】
塔(16)にリサイクルされない、水を含む流出物の部分は、パイプライン(18)を介して工程(20)の精製および分離に送られる。処理された水の少なくとも1つの流れ(24)および(25)および未転化エタノールの少なくとも1つの流れ(22)および(23)が、次いで分離される。軽質ガスを含有する流れ(21)も分離される。
【0105】
精製工程(20)からの未転化エタノールの前記流れの全て(場合によっては一部)は、パイプライン(23)を介してリサイクルされ、パイプライン(25)を介してリサイクルされた処理された水の流れとパイプライン(26)において混合される。これら2つの流れの混合物は、交換器E2の上流で予備処理されたエタノール供給原料(4)に組み入れられる。
【0106】
以下の実施例は、本発明の範囲を制限することなく、本発明を例証する。
【0107】
(実施例)
(実施例1:本発明に合致する)
実施例1は、本発明による方法を例証する。
【0108】
考慮中のエタノール供給原料は、グルテンの抽出なく、乾式製粉タイプの方法により、小麦の発酵によって生じる。
【0109】
(工程a))
前記エタノール供給原料は、45,664kg/hの流量で、交換器E1に1.15MPaに等しい圧力で導入され、液相のままに、120℃の温度に、工程e)の最後の断熱反応器からの流出物に対して加熱される。
【0110】
(工程b))
加熱されたエタノール供給原料は、TA801樹脂上で、痕跡量の窒素含有化合物を取り除くように予備処理される。この予備処理の間、エタノールの一部は、DEEに転化させられる。未加工エタノール供給原料の特徴および予備処理された供給原料の特徴は、表1に与えられる。
【0111】
【表1】
【0112】
(工程c))
気化供給原料は、処理された水および工程h)によりリサイクルされた未転化エタノールの141,252kg/hと混合された、予備処理されたエタノール供給原料によって構成され、このものは、減圧され、かつ、0.27MPaに等しい圧力で交換器E2に導入される。この圧力でのこの供給原料の泡立ち点は、DEEの存在を考慮して127℃である。気化供給原料は、113℃で交換器E2に入り、したがって、すでに8.6重量%で気化している。交換器E2の入口における圧力は、工程e)の最後の断熱反応器からの流れによる温度アプローチが最小限の15℃にあるように調節された。
【0113】
工程c)において、工程e)の最後の断熱反応器からの流出物の水相の潜熱の大部分は、外部の熱供給なしで、気化供給原料を気化させるために回収される。それ故に、93.6MWが、前記気化供給原料と前記流出物との間で交換される。
【0114】
(工程d))
気化した供給原料は、次いで、集積乗算器を有する遠心圧縮機において圧縮され、その結果、前記気化した供給原料の圧力は、圧縮の終わりにおいて0.695MPaに等しい。
【0115】
圧縮された供給原料は、次いで、単一相ガスタイプの交換器E3において、工程e)の断熱反応器からの流出物との熱交換によって加熱される。単一相ガスタイプの前記交換器において、前記圧縮された供給原料は、405℃の温度に過熱の状態とされ、ガス状態で工程e)の最後の断熱反応器を出る流出物は、圧縮されることなく、「過熱を脱した」状態とされ、253℃の温度を有する。
【0116】
(工程e))
前記の圧縮された供給原料は、単一相ガスタイプの前記交換器において加熱され、このものは、次いで、炉に導入されて、脱水およびDEEのエチレンへの転化の高い吸熱性反応の温度と両立できる工程e)の第1の断熱反応器における入口温度、すなわち、440℃の温度とされる。工程e)の最後の断熱反応器の出口温度は、420℃である。
【0117】
予備処理工程b)における窒素含有化合物の捕捉により、工程e)の第1の断熱反応器の入口温度を著しく低下させることが可能になる。
【0118】
前記の圧縮されかつ加熱された供給原料は、第1の断熱反応器に0.595MPaの入口圧力で導入される。工程e)の最後の断熱反応器の出口における流出物の圧力は、0.500MPaである。脱水工程e)は、7h−1の重量毎時空間速度で行われる。
【0119】
断熱反応器は、脱水触媒の固定床を含み、前記触媒は、80重量%のゼオライトZSM−5を含み、このゼオライトZSM−5は、HPOにより処理され、リンPの含有率は、3重量%である。
【0120】
工程e)におけるエタノール供給原料の転化率は、95%である。
【0121】
(工程f))
工程e)の最後の断熱反応器からの流出物は、次いで、上記の3回の熱交換を経て、気/液分離塔に送られる。0.36MPaに等しい圧力にあるエチレンを含む流出物並びに水を含む流出物が分離される。この分離は、気/液分離塔を用いて行われ、塔の底部において生じた水は、冷却および中和剤の注入の後、塔の頂部にリサイクルされる。
【0122】
エチレンを含む流出物は、次いで、圧縮を経て、その圧力は、その最終精製の前に2.78MPaに戻される。
【0123】
(工程g))
処理された水の流れおよび未転化エタノールの流れ並びに軽質ガスを含有する流れは、次いで、従来の未加工水の低圧蒸留によって分離される。
【0124】
(工程h))
処理された水の流れの一部および未転化エタノールの流れの一部が、工程c)に記載された割合で気化工程c)の上流にリサイクルされる。
【0125】
異なる流れ(kg/h)が、表2および表3において示される。
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】
化合物C3およびC4は、C3およびC4炭化水素含有化合物である。
【0129】
エチレンについての方法の選択性は、99%である。
【0130】
それは、以下のように計算される:(エチレンを含む流出物に含まれるエチレン/(0.61*転化したエタノールの量)(式中、転化したエタノールの量は、パージされた水の流れおよびエチレンを含む流出物に含まれるエタノールから減算される、予備処理前のエタノール供給原料に含有されるエタノールである。0.61gが1gの高純度エタノールを脱水する際に得られるエチレンの最大量である。
【0131】
本発明に合致する実施例1によるスキームのエネルギーバランスが、表4に示される。
【0132】
【表4】
【0133】
一次エネルギー消費は、以下を基礎として推定された:
・ 炉について0.8の効率
・ 発電について0.375の効率。
【0134】
本発明に合致する実施例1によるスキームは、生じたエチレンの重量(トン)当たり6.0GJ当量の等価な一次エネルギー消費または具体的な消費を有する。
【0135】
(実施例2:比較)
実施例2は、予熱および予備処理の工程a)およびb)が行われない方法を例証する。エタノールは、DEEに転化させられず、方法は、工程c)において出発する;交換器E1は、もはや存在しない。
【0136】
(工程c))
気化供給原料は、予備処理されないエタノール供給原料に工程h)にしたがってリサイクルされた処理された水および未転化エタノールの141,258kg/hと混合したものによって構成され、このものは、186,922kg/hの流量で交換器E2に、0.24MPaに等しい圧力で導入される。
【0137】
圧力は、実施例1と比較して0.03MPaだけより低くされた。DEEの存在なしで、0.27MPaにおける気化供給原料の泡立ち点は、115℃である(実施例1では127℃)。入口圧力は、工程e)の最後の断熱反応器からの流出物と15℃の最小の温度アプローチを維持するために0.03MPaだけ変更される。
【0138】
工程c)において、工程e)の断熱反応器からの流出物の水相の潜熱の大部分は、外部の熱供給なしで、気化供給原料を気化させるために回収される。それ故に、気化供給原料と反応器からの流出物との間で98MWが交換される。
【0139】
(工程d))
気化した供給原料は、次いで、集積乗算器を有する遠心圧縮機において圧縮され、圧縮の終わりにおける前記気化した供給原料の圧力は、0.695MPaに等しい。
【0140】
圧縮された供給原料は、次いで、単一相ガスタイプの交換器E3において、工程e)の最後の断熱反応器からの流出物との熱交換によって加熱される。単一相ガスタイプの前記交換器において、前記圧縮された供給原料は、405℃の温度に過熱した状態とされ、ガス状態で工程e)の最後の断熱反応器を出る流出物は、凝縮されることなく「過熱を脱した状態」となり、269℃の温度を有する。
【0141】
(工程e))
前記圧縮された供給原料は、単一相ガスタイプの前記交換器において加熱されたものであり、このものは、次いで、炉に導入されて、脱水反応の温度と両立できる工程e)の第1の断熱反応器における入口温度、すなわち、470℃の温度とされる。工程e)の最後の断熱反応器の出口温度は、420℃である。
【0142】
前記の圧縮されかつ加熱された供給原料は、0.595MPaの入口圧力で断熱反応器に導入される。工程e)の最後の断熱反応器の出口における流出物の圧力は、0.500MPaである。脱水工程e)は、7h−1の重量毎時空間速度で行われる。
【0143】
工程e)におけるエタノール供給原料の転化率は、95%である。
【0144】
(工程f))
工程e)の最後の断熱反応器からの流出物は、次いで、上記の2回の熱交換を経て、気/液分離塔に送られる。0.39MPaに等しい圧力にあるエチレンを含む流出物並びに水を含む流出物が分離される。この分離は、気/液分離塔を用いて行われ、塔の底部において生じた水は、冷却および中和剤の注入の後に塔の頂部にリサイクルされる。
【0145】
エチレンを含む流出物は、次いで、圧縮を経て、その圧力は、その最終精製の前に2.78MPaに戻される。
【0146】
(工程g))
工程f)からの未加工の水は、次いで、ソーダにより中和され、次いで、従来の低圧蒸留を経て、3つの流れに分離される:処理された水の流れ、未転化エタノールの流れおよび軽質ガスを含有する流れ。
【0147】
(工程h))
処理された水の流れの一部および未転化エタノールの流れの一部は、気化工程c)の上流にリサイクルされる。
【0148】
異なる流れ(kg/h)は、表5および表6に示される。
【0149】
【表5】
【0150】
【表6】
【0151】
化合物C3およびC4は、C3およびC4炭化水素含有化合物である。
【0152】
エチレンについての方法の選択性は、99%である。
【0153】
実施例2によるスキームのエネルギーバランスは、表7に示される。
【0154】
【表7】
【0155】
本発明との比較としての、実施例7によるスキームは、生じたエチレンの重量(トン)当たり7.23GJ当量の等価な一次エネルギー消費または具体的な消費を有する。
【0156】
予備処理なしで、したがって、一次エネルギー消費は、生じたエチレンの重量(トン)当たり1.2GJ当量だけ増加する。
【図面の簡単な説明】
【0157】
図1図1は、方法の工程h)の間に処理された水の少なくとも一部のリサイクルを伴う、濃縮エタノール供給原料の脱水の場合におけるエタノールの脱水方法の図表示である。
図1