特許第6186509号(P6186509)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マーサー (ユーエス) インク.の特許一覧

<>
  • 特許6186509-メタファーへの年金計画のマッピング 図000002
  • 特許6186509-メタファーへの年金計画のマッピング 図000003
  • 特許6186509-メタファーへの年金計画のマッピング 図000004
  • 特許6186509-メタファーへの年金計画のマッピング 図000005
  • 特許6186509-メタファーへの年金計画のマッピング 図000006
  • 特許6186509-メタファーへの年金計画のマッピング 図000007
  • 特許6186509-メタファーへの年金計画のマッピング 図000008
  • 特許6186509-メタファーへの年金計画のマッピング 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186509
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】メタファーへの年金計画のマッピング
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20170814BHJP
【FI】
   G06Q40/08
【請求項の数】13
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-534823(P2016-534823)
(86)(22)【出願日】2014年8月13日
(65)【公表番号】特表2016-530632(P2016-530632A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】US2014050954
(87)【国際公開番号】WO2015023792
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2016年4月11日
(31)【優先権主張番号】61/865,232
(32)【優先日】2013年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515324073
【氏名又は名称】マーサー (ユーエス) インク.
【氏名又は名称原語表記】MERCER (US) INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ファウラー,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン,ブライアン
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−329078(JP,A)
【文献】 特開2002−041804(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0246045(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
年金メタファーエンジンを備えるシステムであって、
前記年金メタファーエンジンは、
ユーザに関連付けられた年金計画に対応する少なくとも1つの年金データセットを受け取るステップと、
前記少なくとも1つの年金データセットから少なくとも1つの年金属性を導出するステップと、
前記少なくとも1つの年金属性を、メタファーテーマに関連付けられた複数のメタファールールセットにマッピングするステップであって、各メタファーテーマが前記複数のメタファールールセットからの少なくとも1つの対応するメタファールールセットを有するステップと、
前記複数のメタファールールセットの前記少なくとも1つの年金属性への最も適合するマッピングに基づいて、メタファーテーマを選択するステップであって、選択された前記メタファーテーマが、前記少なくとも1つの年金属性に最も適合するマッピングである前記メタファールールセットに関連付けられているステップと、
選択された前記メタファーテーマの前記少なくとも1つのメタファールールセット及び前記少なくとも1つの年金属性の関数として年金メタファーを生成するステップと、
出力装置に、前記ユーザに対して前記年金メタファーを提示させるステップと、を実施するようにプログラムされている、
システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの年金属性は、
年金計画識別子と、
少なくとも1つの年金計画価値セットと、
年金タイプ識別子と、
少なくとも1つの年金タイプルールと、
少なくとも1つのユーザデータセットと、
メタファーテーマ選択識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記年金メタファーエンジンは更に、前記少なくとも1つの年金データセットから少なくとも1つのメタファー対象外データセットを導出するステップを実施するようにプログラムされており、前記少なくとも1つのメタファー対象外データセットは、
前記少なくとも1つの年金属性のうちの1つ以上を対象外属性として指定する識別子と、
提示情報と、を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの年金メタファーエンジンは更に、
前記指定された1つ以上の対象外属性に基づいてメタファー割り込みルールセットを取得するステップと、
前記メタファー割り込みルールセットに基づいて、前記年金メタファー外でユーザに対して前記提示情報を提示するステップと、を実施するようにプログラムされている、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記年金メタファーエンジンは更に、前記ユーザに対して前記提示情報を提示するステップに先立って、前記年金メタファーの提示を終了するステップを実施するようにプログラムされている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記年金メタファーエンジンは、前記ユーザに対して前記提示情報を提示するステップに先立って、前記年金メタファーの提示を一時停止するステップを実施するようにプログラムされている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記年金メタファーエンジンは、前記提示された年金メタファーの上に前記提示情報をオーバレイすることにより、前記提示情報を提示するステップを実施するようにプログラムされている、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記提示情報は、法規定による情報開示、法規定による開示フォーマット、及び前記年金計画の提示のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのメタファールールセットは、
メタファーテーマと、
少なくとも1つのメタファーAPI、
少なくとも1つのメタファーオブジェクト、
メタファーライブラリ、及び、
少なくとも1つのメタファーアセット、のうちの少なくとも1つとを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記メタファーテーマは、旅行テーマ、冒険テーマ、SFテーマ、スポーツテーマ、レーステーマ、バトルテーマ、ゲームテーマ、テレビテーマ、映画テーマ、ボードゲームテーマ、ミュージシャンテーマ、コメディテーマ、ドラマテーマ、ビデオゲームテーマ、ライセンスされたテーマ、ソーシャルネットワークテーマ、宗教テーマ、科学テーマ、ノスタルジーテーマ、特許テーマ、法的テーマ、メタテーマ、及び進化テーマのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記年金メタファーエンジンは更に、
少なくとも1つの追加年金データセットを受け取るステップと、
前記少なくとも1つの追加年金データセットから少なくとも1つの追加年金属性を導出するステップと、
前記少なくとも1つの追加年金属性に基づいて前記年金メタファーを修正するステップと、を実施するようにプログラムされている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記年金メタファーエンジンは更に、
前記少なくとも1つの年金属性の関数としての年金メタファースコアを生成するステップと、
前記年金メタファー内で前記ユーザに対して前記年金メタファースコアを提示するステップと、
前記メタファースコアに基づいて、ユーザに対して褒賞を提示するステップと、を実施するようにプログラムされている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
スコアボードエンジンを更に備え、前記スコアボードエンジンは、
前記年金メタファーエンジンから前記年金メタファースコアを取得するステップと、
少なくとも1つの追加年金メタファーエンジンから少なくとも1つの追加年金メタファースコアを取得するステップと、
前記年金メタファースコアと、ランク付けによって編成された前記少なくとも1つの追加年金メタファースコアと、を含むスコアボードを生成するステップと、
前記ユーザに対して前記スコアボードを提示するステップと、を実施するようにプログラムされている、
請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年8月13日に出願された米国特許仮出願第61/865,232号の優先権を主張する。米国特許仮出願第61/865,232号及び他の全ての参照された外部資料は、参照によってその全内容が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明の分野は、年金計画の管理である。
【背景技術】
【0003】
以下の説明は、本発明を理解する上で有用であると考えられる情報を含む。ここで提供されている全ての情報が本発明に対する先行技術又は関連技術であるわけではなく、明示的又は暗黙的に参照されている全ての公表物が先行技術であるわけでもない。
【0004】
年金及び退職の計画は、個人又は家族の長期的幸福を確保することの重要な部分である。困ったことに、年金計画では、現在及び将来予想される多くの変数を考慮することが必要である。従って、人々は、予想される自分にとっての長期的ニーズ、並びに、自分の年金計画がそれらの長期的ニーズに適切に応えるものかどうか、更には、年金計画に何らかの変化が生じた場合にその変化が自分の予想にどのように影響しうるかについて、適切に理解することが非常に困難である可能性がある。よりよいアプローチとして、個人がより理解しやすいであろうメタファー形式で年金計画を提供することが考えられる。
【0005】
複雑な財務意思決定を簡略化するシステム及び方法への取り組みも行われている。例えば、2010年8月24日に発行された、アッシア等(Assia, et al)の米国特許第7,783,552号、件名「ゲーミング環境において財務情報を表現する方法及びシステム(Method and System for Representing Financial Information in a Gaming Environment)」では、財務トランザクションの為の、カジノ式の運のゲーム(例えば、ルーレット、スロットマシン等)に基づくゲームオーバレイが論じられている。アッシアによれば、ユーザのインタラクションは、ストックベットの入力に限定される。アッシアは、年金計画の為のメタファーについては論じておらず、或いは、ユーザがゲーム中に入力を行い、このようなゲーム中のユーザ入力に基づいてメタファー結果及び現実世界結果が変化する可能性について論じていない。
【0006】
2011年9月22日に発行された、ペンソン(Penson)の国際公開第WO2011/114281号、件名「リアルタイム取引コンピュータゲームのシステム及び方法(System and Method for Real Time Trading Computer Game)」では、リアルタイム取引用ゲームが論じられており、そこでは、可視オブジェクトがストックを表し、オブジェクトの可視外観は、現実世界でのストックの変化に基づいて変化する。ペンソンによれば、ユーザのインタラクションは、ストックの売買に限定される。更に、ペンソンは、ユーザのアクションの効果の長期予想又は表現については全く論じていない。
【0007】
2012年8月14日に発行された、キラット等(Kilat, et al)の米国特許第8,243,074号、件名「パーソナライズされた動的財務カリカチュアグラフィックを提供する方法及びシステム(Method and System for Providing a Personalized and Dynamic Financial Caricature Graphic)」では、人の財務状態を表現するカリカチュアアバターについて論じられており、このアバターは人の財務状態の変化に応じて変化する。キラットは、年金計画、アバターの、又は意思決定に基づくユーザの財務状態の予想又は長期的推定、或いは、現実世界の財務状態に反映される、アバター生成後のユーザとアバターとの直接インタラクションについて全く論じていない。
【0008】
非特許文献である、2012年3月11日に発行された「バークレイズ年金ジャングル(Barclays Pension Jungle)」(以下、「バークレイズ」。バークレイズの銀行、旅行から年金ジャングルに至るイラスト及びキャラクタデザインについてはURL www.andrewhennessey.com/iIlustrationを参照)では、年金情報をジャングルマップの形式で提示することが例示されている。しかしながら、バークレイズは、何らかのインタラクティブ要素のような説明的な例以上の、マップの論考又は実施態様を全く開示していない。
【0009】
本明細書で示される全ての公表物が、個々の公表物または特許出願のそれぞれが、参照によって組み込まれるものとして具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照によって本明細書に組み込まれている。組み込まれている文献の中のある用語の定義や使い方が、本明細書において記述されているその用語の定義と一貫性がないか逆である場合、本明細書において記述されているその用語の定義が適用され、組み込まれている文献の中のその用語の定義は適用されない。
【0010】
実施形態によっては、本発明の特定の実施形態について説明及び特許請求を行う為に使用される、成分量、濃度等の特性、反応条件などを表す数値は、事例によっては「約(about)」という語によって変更されるものとして理解されたい。従って、実施形態によっては、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、特定の実施形態によって達成されるように求められる所望の特性に応じて変わりうる概数値である。実施形態によっては、数値パラメータは、報告された有効桁数を踏まえて、且つ、通常の丸め手法を適用して解釈されるべきである。本発明の幾つかの実施形態の広い範囲を明記する数値範囲及び数値パラメータは概数値であるにもかかわらず、具体的な実施例において記載される数値は、実施可能な限り厳密に報告される。本発明の幾つかの実施形態において提示される各数値は、それぞれの試験測定において見られる標準偏差に必然的に起因する一定の誤差を含む可能性がある。
【0011】
本明細書、並びに後続の特許請求の範囲の全体における記述で使用される「a」、「an」、及び「the」の意味は、文脈上明らかに矛盾する場合を除き、複数の参照を包含する。又、本明細書において使用される「における(in)」の意味は、文脈上明らかに矛盾する場合を除き、「における(in)」及び「における(on)」を包含する。
【0012】
本明細書中の数値範囲の具陳は、単にその範囲内に該当する各値を個々に参照する為の略記法としての役割を果たすことのみを意図している。本明細書中で特に指摘しない限り、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、本明細書に組み込まれている。本明細書中で説明される全ての方法は、本明細書中で特に指摘されたり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、任意の好適な順序で実施されてよい。本明細書に記載の特定の実施形態に関して与えられるあらゆる例、又は例示的言い回し(例えば、「など(such as)」は、特に主張されない限り、単に本発明をより明らかにすることだけを意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中の如何なる言い回しも、特許請求されていない任意の要素を、本発明の実施に不可欠であるように示すものとして解釈されてはならない。
【0013】
本明細書に開示の、本発明の代替の要素又は実施形態のグループ分けは、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバは、個別に参照及び特許請求されてよく、或いは、グループの他のメンバ、又は本明細書に見られる他の要素との任意の組み合わせの形で参照及び特許請求されてもよい。便宜上、且つ/又は特許性の理由から、グループの1つ以上のメンバがグループに包含されたり、グループから削除されたりしてよい。そのような包含又は削除が生じた場合、本明細書は、ここでは、添付の特許請求の範囲において使用される全てのマーカッシュグループの記述を満たすように変更されたグループを包含するものとみなされる。
【0014】
このように、メタファー内のユーザのアクションの一環としての、年金に対するユーザのアクションの現実世界での意味及び作用を正確に伝達しながら、メタファーの使用によって年金管理の複雑さを簡略化するシステムが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、背景技術の課題を解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の主題は、本発明の主題の様々な態様を実行することの一環として、システムが1つ以上のソースからの入力を受け取り、必要に応じてフィードバック及び出力を提供することが可能な装置、システム、及び方法を提供する。本システムは、少なくとも1つのコンピュータ可読な非過渡的メモリ(RAM、ROM、フラッシュ、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、光媒体等)と、このメモリと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを有し、必要に応じて他の装置と通信する為のインタフェース、並びに、1人以上のユーザから入力を受け取ったり、それらのユーザに出力を提供したりする為のユーザインタフェースを含んでよい。
【0017】
本システムは、本発明の主題の方法及び処理を実行するように構成された年金メタファーエンジンを含んでよい。年金メタファーエンジンは、1つ以上のコンピュータシステムの中で1つ以上のプロセッサと結合された1つ以上の非過渡的メモリ(例えば、RAM、ROM、フラッシュ、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、光媒体等)に格納されたコンピュータ可読命令によって実施されてよく、これらの命令は、本発明の主題に関連付けられた様々な機能及び処理を実施するように、プロセッサによって実行可能である。年金メタファーエンジンは、代替として、専用ハードウェア装置であってよく、例えば、本発明の主題に関連付けられた機能を実施するように特別にプログラムされた埋め込み命令を有するプロセッサであってよい。年金メタファーエンジンは、他のコンピュータシステム、コンピュータ装置、又は周辺装置と通信可能に結合可能な1つ以上のインタフェースであってよく、例えば、そのような通信インタフェースまたは装置インタフェースであってよい。例えば、年金メタファーエンジンは、年金データセットを収集する為に年金データベースと結合される、1つのインタフェース機能性と、メタファールールセットを収集する為にメタファーデータベースと結合される、別のインタフェース機能性と、システムのユーザが生成されたメタファーとのインタラクションを行うことを可能にするユーザインタフェースと結合される、別のインタフェース機能性と、を有してよい。
【0018】
年金メタファーエンジンは、ユーザの年金計画に対応する年金データセットを受け取り、受け取った年金データセットから1つ以上の年金属性を導出することが可能である。
【0019】
年金属性は、年金計画、年金計画に関連付けられたユーザに関連する識別情報、年金計画タイプに従って年金計画に関連付けられたルール及び属性、並びにメタファーテーマ選択情報を含んでよい。
【0020】
年金属性は、対応するメタファールールセットにマッピングされ、年金属性及び識別されたメタファールールセットの両方が、ユーザに対して提示される年金メタファーの生成に使用されてよい。
【0021】
メタファールールセットは、メタファーを実装してユーザに提示することに必要なデータ及び命令を含んでよい。メタファールールセットは、メタファーテーマ、1つ以上のメタファーAPI、1つ以上のメタファーオブジェクト、メタファーライブラリ、及び1つ以上のメタファーアセットを含んでよい。メタファールールセットは、特定のテーマ又はテーマカテゴリに固有のデータ及び命令を含むメタファーテーマに依存してよい。
【0022】
メタファーのテーマは、ユーザにとって魅力的か面白い様々なテーマを含んでよい。テーマの例として、旅行テーマ、冒険テーマ、SFテーマ、スポーツテーマ、レーステーマ、バトルテーマ、ゲームテーマ、テレビテーマ、映画テーマ、ボードゲームテーマ、ミュージシャンテーマ、コメディテーマ、ドラマテーマ、ビデオゲームテーマ、ライセンスされたテーマ、ソーシャルネットワークテーマ、宗教テーマ、科学テーマ、ノスタルジーテーマ、特許テーマ、法的テーマ、メタテーマ、進化テーマなどがあってよい。
【0023】
年金メタファーは、永続的であり、年金計画を理解しやすいゲーム又はシミュレーションの形式で提示することにより、年金計画の提示を簡略化する為に使用されてよい。年金計画のルール、価値、及び意思決定ポイントは、メタファー内のルール、価値、及び意思決定ポイントに対応してよい。ゲーム内メタファーの意思決定ポイントが提示される場合、ゲーム内メタファーは、メタファーの意思決定ポイントが何を表しているかをユーザが理解する為に必要となる程度まで現実世界の意思決定ポイントを提示してもよい。意思決定可能な選択肢の予想される結果も、メタファー内の結果、及び関連付けられた現実世界の年金計画の結果の観点で提示されてよい。メタファーは、ユーザの意思決定を受け入れるように構成されており、メタファー内でユーザが下す意思決定は、関連付けられた、年金計画に関する現実世界の意思決定の実行を引き起こす。
【0024】
例えば、年金計画は旅行メタファーとして提示されてよく、年金計画の様々な態様(例えば、積立金、予想される/所望の退職年齢、積み立てられる総額等)が、旅行の各態様(例えば、飛行機の対気速度、ファーストクラスとエコノミークラスのいずれで旅行するか、到着までの時間、飛行機の燃料量、直行便か乗り継ぎ便か等)に対応してよい。
【0025】
面白さの態様を強調しながら、年金計画に関して望ましいユーザ挙動の促進も行う為に、本発明システムは、スコアボード又は順位提示ボードが組み込まれてよい。スコア付け又は得点が組み込まれたメタファーテーマの場合は、トッププレイヤを一覧表示する為にスコアボード又は順位提示ボードが使用されてよい。スコアボード又は順位提示ボードは、所望の程度のプライバシを達成する為にサニタイズされてよい。例えば、本システムは、グローバルスコアボード内で、ユーザとそのランク付けを、他のプレイヤ又はそのスコアを表示せずにシンプルに提示してよい。代替として、メタファーは、現実世界の識別情報を全く明かさずにプレイヤを識別する為に、偽名又はゲーム内名を使用してよい。
【0026】
状況によっては、メタファーの文脈外の情報をユーザに提示しなければならない場合があり、これは、例えば、特定タイプの情報の提示に関する法規定を遵守する為に行わなければならない場合がある。そのような場合、年金メタファーエンジンは、年金メタファーエンジンが必要に応じてメタファー設定外の情報をユーザに対して提示することを可能にするデータ及びルールを、受け取った年金データセットから導出してよい。
【0027】
年金データセットをはじめとする、ユーザの年金計画に関連付けられた情報は、年金メタファーエンジンがアクセスできる1つ以上のデータベースに格納されてよい。更に、ユーザがユーザインタフェースを介して情報を入力することを促すことにより、情報が受け取られてよい。
【0028】
メタファーデータセットは、年金メタファーエンジンがアクセスできる1つ以上のデータベースに格納されてよい。データベースは、メタファーエンジンに対してローカルに位置してよく、リモートに位置してもよく、必要に応じてメタファーエンジンからアクセスされてよい。
【0029】
以下の、好ましい実施形態の詳細説明を添付図面とともに参照することにより、本発明の主題の様々な目的、特徴、態様、及び利点がより明らかになるであろう。添付図面において、同様の参照符号は同様の構成要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の主題によるシステムの一例の概要を示す図である。
図2】一例示的年金データセット及び一例示的メタファールールセットの詳細図である。
図3】メタファーの生成のフローチャートである。
図4】メタファー内でのユーザ入力の処理のフローチャートである。
図5】メタファー割り込みの処理のフローチャートである。
図6a】乃至
図6c】年金計画に適用されるメタファーのサンプルにおける、ユーザと対面する画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の論考の全体にわたり、サーバ、サービス、インタフェース、エンジン、モジュール、クライアント、ピア、ポータル、プラットフォーム、又は他の、コンピューティング装置から形成されるシステムに関して数多くの参照が行われる。当然のことながら、そのような用語の使用は、コンピュータ可読な有形の非過渡的媒体(例えば、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、RAM、フラッシュ、ROM等)に格納されたソフトウェア命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(例えば、ASIC、FPGA、DSP、x86、ARM、ColdFire、GPU、マルチコアプロセッサ等)を有する1つ以上のコンピューティング装置を表すものと見なされる。例えば、サーバが、ウェブサーバ、データベースサーバ、又は他のタイプのコンピュータサーバとして、記載される役割、責任、又は機能を果たすように動作する1つ以上のコンピュータを含んでよい。更に当然のことながら、開示されるコンピュータベースのアルゴリズム、処理、方法、又は他のタイプの命令セットは、開示される各ステップをプロセッサに実行させる命令を格納する非過渡的な有形のコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品として実施されてよい。各種のサーバ、システム、データベース、又はインタフェースは、標準化されたプロトコル又はアルゴリズムを使用してデータ交換を行うことが可能であり、そのようなプロトコル又はアルゴリズムは、おそらくは、HTTP、HTTPS、AES、公開/秘密鍵交換、ウェブサービスAPI、既知の財務トランザクションプロトコル、又は他の電子情報交換方法に基づく。データ交換は、パケット交換網を介して実施されてよく、インターネット、LAN、WAN、VPN、又は他のタイプのパケット交換網を介して実施されてよい。
【0032】
当然のことながら、開示される技術は、多くの有利な技術的効果をもたらし、これらは、例えば、時間に対する年金計画の挙動を正確に反映する、興味をそそる、理解しやすいインタフェースにより、ユーザが年金計画に携わることを可能にする。
【0033】
本明細書では、「〜に結合される(coupled to)」という用語は、文脈上矛盾する場合を除き、直接結合(互いに結合される2つの要素が互いに接触する結合)と間接結合(2つの要素の間に少なくとも1つの別の要素がある結合)との両方を包含するものとする。従って、用語の「〜に結合される(coupled to)」と「〜と結合される(coupled with)」は同義で使用される。ネットワーキング環境の文脈では、用語の「〜に結合される(coupled to)」と「〜と結合される(coupled with)」は、婉曲的に「〜に通信可能に接続される(communicatively coupled with)」の意味でも使用され、これは、2つ以上のネットワーク対応装置がネットワークを介して、おそらくは1つ以上の中間装置を介在させて、相互にデータ交換を行うことが可能であるという意味になる。
【0034】
本発明の主題であるシステム及び方法は、ユーザの年金計画に対応する年金メタファーの生成、並びにユーザと年金メタファーとのインタラクションを対象としており、年金メタファーは、ユーザに関連付けられた年金計画を追跡及び管理する為の、興味をそそり、面白く、理解しやすい方法をユーザに提供するように構築されて提示される。年金メタファーは、メタファーの進度、アクション、ユーザ意思決定、結果、及び目標が年金計画のそれらを反映するように、年金計画と関連付けられてよい。
【0035】
図1は、本発明の主題の実施形態による、システム100の概要を示す。図1に示されるように、システム100は、ユーザインタフェース102と通信可能に結合された年金メタファーエンジン101を含んでよく、ユーザは、ユーザインタフェース102を通して、年金メタファーエンジン101及び他のシステム構成要素とのインタラクションを行うことが可能である。
【0036】
年金メタファーエンジン101は、1つ以上の非過渡的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、ハードドライブ、RAM、ROM、光媒体、フラッシュドライブ等)に格納される、コンピュータで実行可能な命令として実施されてよく、これらの命令は、1つ以上のプロセッサによって実行された場合に、関連付けられた主題の記載された機能及び処理をその1つ以上のプロセッサに実行させる。実施形態では、年金メタファーエンジン101は、本発明の主題の処理及び方法を実施するように特別に(例えば、ハードコーディングされた命令により)プログラムされたコンピューティングハードウェア(例えば、1つ以上のプロセッサ)を含んでよい。
【0037】
ユーザは、ユーザインタフェース102を使用して、年金メタファーエンジン101をはじめとするシステム100の構成要素にアクセスすることが可能である。ユーザインタフェース102は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、スマートウェアラブル装置、センサ(例えば、生体測定、温度、画像、音響等のセンサ)などの装置と、これらの装置のうちの1つ以上を介してアクセス可能なウェブポータル又はクライアントサイドアプリケーションとであってよく、これらの装置は、ユーザがデータをシステム100に入力したり、システム100から出力されるデータを受け取ったりすることを可能にする入出力構成要素(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ディスプレイ画面、マイク、スタイラス入力、音響出力等)であってよい。
【0038】
図1は、年金メタファーエンジン101と通信可能に結合された単一のユーザインタフェース102を示しているが、年金メタファーエンジン101は、複数のユーザインタフェース102と通信可能に結合されてよいことが想定されており、これによって、複数のユーザがエンジン101及びシステム100の他の構成要素にアクセスすることが可能である。
【0039】
図1に示されるように、年金メタファーエンジン101は又、年金データベース103及びメタファーデータベース104と通信可能に結合されてもよい。
【0040】
年金データベース103は、複数のユーザに関連付けられた年金データセットを格納する。年金データセットは、メタファーが適用されるユーザ及び年金計画に関する情報を含んでよい。一般に、年金データセットは、年金計画自体を実装及び実行する為に(例えば、年金提供者によって)使用される生データ、ルール、ロジック、及び他の情報のセットであると考えられてよい。年金データセットは、年金計画及び年金計画のユーザに関連するセキュリティ情報、プレゼンテーション情報、及び他の情報も含んでよい。年金データセットに含まれるデータ及び情報は、年金属性の形式であってよい。
【0041】
実施形態では、年金データベース103は、年金提供者によって運用されてよい。これらの実施形態では、ユーザに関連付けられた年金データセットは、ユーザの年金計画の「オリジナル」又は「ソース」の年金計画情報と見なされてよく、年金メタファーエンジン101によって本発明の主題に関連付けられる機能に用いられるとともに、年金計画自体の管理に用いられる。これらの実施形態では、年金データセットに対する変更があると、年金データセットに基づくメタファーに影響があるだけでなく、年金計画自体に影響がある。
【0042】
代替として、年金データベース103は、年金計画情報(又はそのサブセット)のコピーであってよく、これは、年金提供者のコンピューティングシステム(図示せず)において格納及び管理されている「オリジナル」又は「ソース」の年金計画情報に基づく。これらの実施形態では、年金データベース103は、様々な年金計画に関連付けられた情報の交換及び更新を目的として、年金提供者のコンピューティングシステムと通信可能に結合されてよい。ソース年金計画情報に対する変更は、年金データベース103に与えられてよく、それによって、対応する年金データセットが更新される。この更新は、(例えば、「ソース」データの更新に対する応答として、或いは、スケジュールに従って)年金提供者のコンピュータシステムによって年金データベース103に「プッシュ」されてよく、或いは、(例えば、周期的に、スケジュールに従って、年金メタファーエンジン101によって実行される特定のアクション又は処理に対する応答として、などにより)年金データベース103によって要求されてよい。これらの実施形態では、年金データベース103は、複数の年金提供者に関連付けられた年金計画に対応する年金データセットを含んでよい(これは、一個人が、様々なタイプの、且つ、様々な提供者によって提供される年金計画を有することが可能である為である)。これらの実施形態では、年金データベース103は、年金提供者によって、又はサードパーティによって運用されてよいと考えられている。
【0043】
年金データベース103が提供者の年金データベースのコピーである実施形態では、年金データセットは、必要に応じてオリジナルから作成されてよく、使用後に削除されてよく、これによって、本発明の主題の方法を実施する為に必要な記憶容量が小さくなる。例えば、メタファーの作成及び/又は更新を目的として、年金データセットをソースデータから生成してよく、メタファーの生成又は更新のタスクが完了した時点で、その年金データセットを削除してよい。
【0044】
図2は、複数の年金属性202〜208を含む年金データセット201の説明的な例を示す。
【0045】
年金属性の例は、計画識別子属性202(例えば、年金計画に関連付けられた識別情報)、ユーザ識別子属性203(例えば、年金計画に関連付けられたユーザの識別情報)、年金計画価値セット204、計画タイプ識別子属性205(例えば、年金計画タイプの識別情報)、年金計画のルール及び属性206(例えば、年金計画タイプに従う、年金計画のルール及び属性)、ユーザデータセット207、メタファーテーマ選択情報208などであってよい。図2に示された各属性に加えて、年金データセット201は追加属性を含んでよいと考えられており、それらは、例えば、本システムを使用してのユーザとメタファーとのインタラクションの履歴に関連付けられた属性(例えば、ユーザ履歴、結果等)、他の年金データセットとの関連付け(例えば、このユーザ及びこの年金計画に関する年金データセットと、このユーザ又は他のユーザに関連付けられた他の年金計画を表す他の年金データセットとの間のリンク)などである。
【0046】
年金計画価値セット204は、ユーザによって保持されている年金計画に関連する個別の計画固有データを含んでよい。例えば、年金計画価値セットは、現在の年金計画の金額、ユーザに対する現在の年金計画の積立金レベル、現在の雇用主の積立金レベル、ユーザの退職予定年齢、年金計画に関連するユーザの目標などの情報、並びに年金計画価値セットに関連付けられた個々の年金計画に適用可能な他の情報を含んでよい。
【0047】
年金計画タイプ識別子属性205は、数ある年金計画タイプの中から選択された年金計画に関連付けられた情報を含んでよい。例えば、年金計画の識別として、確定給付型年金制度、確定拠出型年金、IRA、401(k)、節約貯蓄計画、キャッシュバランス型年金、ハイブリッド型年金計画等がある。
【0048】
年金タイプルール206は、年金タイプに関連付けられたルールに関する情報を含む。これは、ユーザが年金計画の範囲内で行うことが可能にされているか許可されている意思決定/インタラクション(例えば、年金計画の各種段階で可能なユーザ入力、どの時点で、且つ/又は、どのような条件又は状況に基づいて行うか、並びに、ユーザは各意思決定に対して異なる選択肢をいくつ有するか)、年金計画に関連付けられた税ルール又は暗示、並びに、計画に関連付けられた価値を計算する為に使用されるアルゴリズム及び変数(例えば、特定の積立金に対する特定の年金を計算する為に使用されるアルゴリズム及び変数、特定時点における計画の特定の状態、予測アルゴリズム等)を含んでよい。例えば、確定拠出型年金の場合、年金タイプルール206は、従業員の積立金、雇用主の積立金、年金付与ルール、引き出しルール、(ある計画状態に対して年金を推定する為に使用される)予測アルゴリズム等に関連付けられたルールを含んでよい。
【0049】
年金タイプルール206は、その特定の年金計画タイプに対して利用可能な更新に従って更新されてよい。年金メタファーエンジン101は、様々な確立されている情報源(例えば、年金提供者、政府機関の情報源、市場報告ソース)のコンピューティング装置と通信することにより、更新に関するチェックを周期的に行うことが可能である。この周期的なチェックは、様々な年金タイプルール206に対する典型的な更新スケジュールに従い、管理者によって設定されてよく、周期的なスケジュール(例えば、毎日、毎年、毎四半期、毎週、毎月等)に合わせて設定されてよい。実施形態では、年金メタファーエンジン101は、年金提供者又は他の情報源から開始される「プッシュ」更新を受けて、年金タイプルール206のうちの1つ以上を更新してもよい。例えば、年金メタファーエンジン101は、積立限度に対する規制上の調整、インフレへの変化、保険数理仮定、税率変更などを、それらの典型的な更新スケジュールに従ってチェックすることが可能である(例えば、政府/規制源の場合、これは毎年又は四半期毎になるであろう)。
【0050】
ユーザデータセット207は、年金計画を有するユーザに関連付けられた情報を含む。この情報は、ユーザの年齢、社会保障番号、雇用状況(例えば、雇用主、勤務年数)、婚姻状態、所得、信用情報、債務情報、課税上の地位、健康情報、家族情報等を含んでよい。
【0051】
メタファーテーマ選択情報208は、年金計画に適用されるメタファーテーマを識別するテーマ識別子を含んでよい。年金メタファーエンジン101は、メタファーテーマの選択時にメタファーテーマ選択情報208を年金計画データセット201に追加することが可能である。
【0052】
実施形態では、年金メタファーエンジン101は、受け取った年金データセットから年金属性を導出することが可能である。年金属性は、年金データセットに含まれてよく、年金メタファーエンジンは、年金データセットから年金属性を認識及び導出することが可能である(これは、例えば、本発明の主題の方法及び処理とともに使用する為に必要な年金属性に対応するデータタイプ、フィールド等、又はこれらのサブセットを認識することによって可能である)。例えば、年金データセット内の情報が収集されてよく、その後、クエリ、マッチング、統計分析、又はクラスタ分析の処理による、収集された年金と属性とのマッチングに基づいて年金属性が生成されてよい。
【0053】
セキュリティを目的として、年金データセット201の情報の一部又は全てが、既知の暗号化方法に従って暗号化されてよく、年金メタファーエンジン101が使用する為に必要とした場合に復号されてよい。
【0054】
メタファーデータベース104は、利用可能なメタファーに関連付けられたメタファールールセット210を格納する。メタファールールセットは、ユーザの年金計画にメタファーを適用して、メタファーをユーザに提示する為に必要となるデータ及び命令を含む。メタファールールセット210は、メタファーテーマ211、1つ以上のメタファーAPI212、1つ以上のメタファーオブジェクト213、メタファーライブラリ214、及び1つ以上のメタファーアセット215を含んでよい。メタファールールセットは、特定のテーマ又はテーマカテゴリに固有のデータ及び命令を含むメタファーテーマに依存してよい。
【0055】
メタファーテーマ211は、メタファーデータベース内でのメタファーのインデックス付けに使用される、メタファーのテーマの識別子であってよい。
【0056】
メタファーテーマは、ユーザによって選択されてよく、その為、メタファーテーマは、ユーザにとって面白いもの、或いは、心地よいものである。メタファーテーマは又、年金計画又は年金計画タイプに基づく選択の為にユーザに対して提示されてもよい。従って、特定のテーマが、特定タイプの年金計画に対して、他のタイプよりもよく適用可能である場合がある。実施形態によっては、特定のメタファーテーマの適用可能性は、一連の年金属性がその特定テーマのメタファールールセットに対応する程度によって決定されてよい。或いは、「最良のマッチング」を示すメタファーテーマは、年金メタファーエンジンによって、ユーザに対して自動的に選択されてよい。テーマの例として、旅行テーマ、冒険テーマ、SFテーマ、スポーツテーマ、レーステーマ、バトルテーマ、ゲームテーマ、テレビテーマ、映画テーマ、ボードゲームテーマ、ミュージシャンテーマ、コメディテーマ、ドラマテーマ、ビデオゲームテーマ、ライセンスされたテーマ、ソーシャルネットワークテーマ、宗教テーマ、科学テーマ、ノスタルジーテーマ、特許テーマ、法的テーマ、メタテーマ、進化テーマなどがあってよい。
【0057】
メタファーAPI212は、ユーザインタフェースAPI、メタファー実行API、年金データマッチングAPI(年金計画の処理及びデータ値をメタファーの処理及びデータ値に変換したり、その逆の変換をしたりするAPI)などであってよい。
【0058】
メタファーオブジェクト213は、特定のメタファーに関連付けられたデータオブジェクト、それらのデータオブジェクト同士の関係、及びメタファーの様々な態様に対するそれらのデータオブジェクトの作用を含んでよい。例えば、メタファーオブジェクトは、インタラクティビティオブジェクトを含んでよく、インタラクティビティオブジェクトは、ユーザがこのオブジェクトとのインタラクションを行う際のユーザ入力を受け取ることと、それに関連付けられた挙動とに関連付けられている。レースで自動車を運転することのメタファーの説明的な例では、メタファーオブジェクトは、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル等に関連付けられたオブジェクトを含んでよい。
【0059】
メタファーライブラリ214は、メタファーの実装及び実行において使用される、メタファーに固有のモジュール、スクリプト、コード、及び他の機能性を含んでよい。これは、ユーザ入力を受け取ること、他の入力データを受け取ること、入力情報に基づいてメタファーのステータス又は状態を処理すること、目標に向かう進度を判定すること、目標を達成すること等に関連付けられたロジックを含んでよい。メタファールールセット210は複数のメタファーライブラリ214を有してよく、メタファーライブラリ214は、1つ以上のメタファーAPI212に対応してよい。
【0060】
メタファーアセット215は、メタファーの提示において使用される画像、グラフィックス、音響などのデータを含んでよい。メタファーアセットは、年金計画の進度状況を反映する為に、メタファー内での各種の状態、レベル、及び他の測定可能な進度メトリックスと相互に関連付けられてよい。従って、メタファーアセットは、メタファーが進度(又は進度の不足)を認識可能な形式でユーザに提示できるように、豪華、荒廃、立派等の様々な状態にある、様々なバージョンの画像(又は画像内のオブジェクト)、場所等を含んでよい。
【0061】
年金計画の存続期間の間に、メタファーテーマは交換可能であってよい。メタファーテーマを変更する場合、年金メタファーエンジンは、メタファーの選択及び生成の処理を最初からやり直してよく、これは、例えば、受け取った年金データセットを使用(又は新しい年金データセットを要求)して、新しい年金属性セットを生成し、それらの新しい年金属性セットをメタファールールセットにマッピングし、新しいメタファーを生成することにより、行われてよい。新しいメタファーの生成の一環として、テーマの選択がユーザに提示されてよい。
【0062】
代替として、年金メタファーテーマは、特定の年金属性セット、又は特定の年金属性セットを生成する為の既知の年金データ計画にマッピングされるメタファールールセットに従って編成されてよい。年金メタファーテーマを切り替える場合、年金メタファーエンジンは、置き換えられるテーマと同様の年金メタファーテーマをデータベースなどの一覧に照会し、それらの同様なテーマを選択肢としてユーザに提示する(又は自動的に別のテーマを選択する)だけでよい。この代替形態では、年金メタファーエンジンがメタファー全体を再生成することは必須ではない。
【0063】
年金データベース103及びメタファーデータベース104は、それぞれが、本明細書に記載の本発明の主題に関連付けられた様々なデータコンポーネントを格納するように構成された、1つ以上の非過渡的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、ハードドライブ、光ディスク、ソリッドステートドライブ、RAM、ROM等)において実施されてよく、年金メタファーエンジン101は、データの送受信を行う為に、データ交換のプロトコル及び手法を用いてこれらの記憶媒体にアクセスしてよい。
【0064】
図3は、本発明の主題の実施形態による、メタファーの生成について説明する処理フロー例を示す。説明的な一実施例として、ユーザの退職年金計画の為の、旅行がテーマのメタファーの生成について、図3のステップに沿って説明する(これは、この実施例の目的上、「旅行例」と称する)。
【0065】
ステップ310で、年金メタファーエンジン101は、少なくとも1つの年金計画データセット201を年金データベース103から受け取る。年金計画データセット201は、メタファーが生成される対象であるユーザの年金を提供している年金提供者から受け取られてよい。年金計画データセット201に関連付けられた情報は、ユーザが要求された情報を送信又は入力することによって提供されてもよい。
【0066】
旅行例では、年金計画データセット201は、特定の日付までに退職する年金計画目標を含むように、特定金額の退職後所得、ユーザの積立金額、ユーザの現在の所得、積立の累積合計金額、可能性のあるユーザ入力に関連付けられたルール(例えば、積立金額の増減、退職目標としての時間及び/又は金銭の目標値を変更する選択、計画からの金銭の取り下げ等)、これまでの積立金を前提とし、設定された金額での積立を仮定してユーザの進度を計算する為に用いられる計画ルール、所得に対する割合で表された毎年の積立総額の限度を含む計画上の制約、並びにユーザが毎年の定期積立を超えて積み立てることが可能な、許可された「遡及」金額とともに考慮されてよい。
【0067】
旅行例における旅行メタファーは、年金計画の進度を飛行機での旅として提示し、年金計画の最終目標が目的地に対応し、目的地の距離及び/又は立派さが年金計画目標の規模を反映する。メタファーにおけるユーザ制御変数(であって、メタファールールセットのロジックによって実装されるユーザ制御変数)は、飛行機上の燃料の量(これは、飛行機がより遠くまで、よりよい目的地まで飛行することを可能にする)、飛行機の速度(これは、飛行機をより高速で飛行させるが、燃料が燃え尽きるのも早い為、同じ量の燃料で目的地に到達しない)、並びに、目的地の変更(これは、目的地がより遠くなる場合には燃料を増やすか速度を下げることが必要になる可能性があり、逆に、目的地がより近くなる場合には速度を上げるか燃料を減らすことができる可能性がある)を制御することを含んでよい。
【0068】
上述のように、年金計画データセット201は、選択されたメタファーテーマ208を含んでよい。図3は、異なる2つの可能性を示しており、1つは、データセット201が選択されたメタファーテーマ208を含まない場合であり、1つは、データセット201が選択されたメタファーテーマ208を含む場合である。
【0069】
メタファーテーマがこれまで選択されていない場合、年金メタファーエンジン101は、ステップ321での選択が可能なテーマをユーザに提示することが可能である。実施形態では、選択可能なテーマは、年金計画データセット201の様々な属性に最もよく適合するテーマであってよい。
【0070】
ステップ322で、年金メタファーエンジン101は、メタファーテーマについてユーザが選択した結果を受け取り、ステップ323で、選択されたテーマに関連付けられたメタファールールセット210をメタファーデータベース104から取り出す。適用可能なメタファールールセットを取り出す場合、年金メタファーエンジン101は、年金計画データセット201の年金属性を、様々なメタファールールセットのメタファー属性にマッピングすることを実施できる。返されるメタファールールセットは、(例えば、クラスタリング、重み付き分布分析、又は他のそのような統計的相関により)年金計画データセットの属性との共通性が最も高いメタファールールセットである。複数のメタファールールセットが選択されている場合、これらは、年金属性と、メタファールールセットの対応するメタファー属性との類似性、並びに、返されたメタファールールセットの中の対応するメタファー属性同士の類似性に基づいて、マージ又は別の方法で結合されたメタファールールセットにされてよい。上述のように、年金計画データセット201の年金属性は、年金計画データセット201内で定義されるか、年金メタファーエンジン101によって導出されるアプリオリであってよい。
【0071】
年金計画データセット201が選択されたメタファーテーマ208を含む場合、年金メタファーエンジン101は、ステップ323に直接進んで、選択されたテーマに関連付けられたメタファールールセット210をメタファーデータベース104から取り出してよい。
【0072】
ステップ330で、年金メタファーエンジン101は、年金計画データセット201の1つ以上の年金属性を、メタファールールセット210の1つ以上のメタファー属性に関連付けることにより、年金メタファーの生成を開始する。
【0073】
年金タイプルール206は、年金タイプの特定のルールの機能又は目的に応じてカテゴライズされてよい。年金タイプルールのカテゴリの例として、ユーザ入力ルール(例えば、ユーザが二元選択、オープンエンデッドユーザ選択等を入力できる入力のタイプ)、年金計画処理ルール(例えば、計画の状態がどのように計算されるか)、年金目標ルール、制約ルール(例えば、特定のユーザアクション、計画値等に対する制約であって、例えば、法律、規制、政策等によるもの)などのカテゴリがあってよい。実施形態では、これらのカテゴリは、全年金タイプにわたる共通名前空間を用いる、カテゴリのグローバルリストに属してよい。
【0074】
同様に、メタファールールセット210の属性は、生成されたメタファーの中で機能又は目的に応じてカテゴライズされてよい。例えば、ユーザ入力ルール(メタファー内で利用可能な入力を示す)、メタファー目標属性等である。
【0075】
マッピングを目的として、年金属性とメタファー属性は、同等の機能及び/又は目的に基づいて相互に関連付けられてよく、これにより、年金属性とメタファー属性との間の特定の関係性がマッピングによって定義される。マッピングの例として、年金計画目標属性とメタファー目標属性との間のマッピング、特定の入力タイプ(二元入力)を可能にする年金計画ユーザ入力と、メタファーの、対応する二元入力タイプ属性との間のマッピング等があってよい。
【0076】
年金メタファーのフレームワークを生成する為に、年金メタファーエンジン101は、様々なメタファー属性を収集し、これらを、年金タイプルール206の各年金属性を反映するように並べることにより、年金メタファー内のメタファー属性同士の関係性が年金タイプルール同士の関係性を反映するようにする。
【0077】
価値ベースのユーザ入力、「規模」又は「進度」の大きさ及び他の指標を相互に関連付ける場合、マッピングは、メタファーの代表的態様に対する割合に相互に関連付けられた、年金計画の一態様の全体に対する割合に基づいてよい。従って、ユーザの支払い又は積み立てがメタファーの文脈における速度、距離、強度、又は他の定量化可能な属性で表現される年金計画の場合、合計(許可されている合計、可能な合計等)に対するユーザの積立金は、メタファーにおいては、可能な合計に対する属性の現在のレベルとして表現されてよい。
【0078】
旅行例では、年金計画に対するユーザの積み立てを管理する「ユーザ入力」年金計画ルールは、フライトに燃料を追加したり、フライトから燃料を差し引いたりする「ユーザ入力」メタファールールにマッピングされてよい。しかしながら、年金計画における積み立ての最高金額はユーザの所得に対する一定の割合に制限されている為、年金メタファーエンジン101は、この制限をマッピングすることにより、最大燃料タンク容量を設定する。
【0079】
旅行例の場合、構築される旅行メタファーは、ユーザの退職年金目標と相互に関連付けられた、目的地という目標と、計画に対するユーザの積立金と相互に関連付けられた、飛行機の燃料量というメタファー内インタラクティブ要素と、ユーザの定義された退職日付と相互に関連付けられた、飛行機のスロットル制御のメタファー内インタラクティブ要素と、ユーザの所望の退職後所得レベルの金額と相互に関連付けられた、目的地の変更を可能にするメタファー内飛行機ナビゲーションシステムと、退職年金計画の現在の状態を特定する為に使用されるルールと相互に関連付けられた、飛行進度を計算することに関連付けられたロジックと、を含んでよい。
【0080】
ステップ330の結果は、メタファーの「スケルトン」であると考えられてよく、これにより、年金計画の特徴を反映するようにメタファーのロジック、機能、及び処理が集められているが、実際の計画年金値又はメタファーアセットはまだ計画に適用されていない。この時点では、年金計画値を反映する為にメタファーによって使用される値はヌル値であってよい。
【0081】
メタファー生成処理の一環として、ユーザは、メタファーとの間で所望するインタラクティビティのレベルに関する選択肢を提示されてよい。このインタラクティビティレベルは、ユーザが自分の現実世界の年金計画との間で所望するインタラクションのレベルを反映するものであってよい。このインタラクションレベルは、メタファーとの関係、従って、年金計画との関係がどの程度「実践的」であることをユーザが所望するかに応じて、所望のレベルの自動化をユーザに提供するようにカテゴライズ又は別の方法で構造化されてよい。メタファーのインタラクションレベルも、年金計画自体の所定のインタラクションレベルを反映することが可能である。例えば、年金計画では、ユーザは、アセットを個別に選択する選択肢を有してよく、或いは、アセットのグルーピングから選択してよく、或いは、アセットの選択を年金提供者又は別のパーティに委ねてよい。これに対応して、年金メタファーは、様々なレベルのアセット選択に対応するメタファー内インタラクションオプションが、アセットの選択においてユーザが所望する関与レベルに基づいて有効化又は無効化されるように、カスタマイズされてよい。
【0082】
ステップ340で、年金メタファーエンジン101は、ステップ330で作成されたメタファー「スケルトン」を、年金計画価値セット204及びユーザデータセット207に基づいて埋めてよい。旅行例では、これは、使用される様々な変数(燃料、燃料容量、速度、最高速度、距離、目的地の立派さ等)のメタファー内レベルを決定する為に、計画のユーザ固有価値を組み込むことであってよい。これにより、年金計画のルール及び価値と、対応するメタファーのルール及び価値との間の相関量を確定することが可能になり、これによって、年金計画データセット201に対する変更をメタファーに適正に組み込んでメタファーにより提示することが可能であり、メタファー内でのユーザ入力が、対応する年金計画データの変更に正確に変換されることが可能である。
【0083】
ステップ350で、年金メタファーエンジン101は、メタファーアセットをメタファーに適用してよく、メタファーアセットは、ユーザが選択したテーマのメタファーを生成する為の映像アセット及び音響アセットを含む、メタファーの様々なインタラクティブ要素に関連付けられたアセットであって、年金計画価値セット204及びユーザデータセット207からの年金計画の価値が適正に反映されるように、メタファーで使用される様々な映像アセット及び音響アセットを調節する。旅行例では、これは、飛行機の操縦室及び関連機器に関連付けられたグラフィックスを含んでよく、例えば、メタファー内目標の進度を決定する各変数の様々な状態を反映する(従って、退職計画の様々な変数の状態を反映する)計器を含んでよい。
【0084】
ステップ360で、生成されたメタファーを、ユーザインタフェースを介してユーザに提示する。
【0085】
実施形態では、年金メタファーエンジン101は、追加の年金データセットを取得してよく、例えば、ユーザの他の年金計画に関連付けられた年金データセットを取得してよい。これらの実施形態では、年金メタファーエンジン101は、追加年金データセットから1つ以上の追加年金属性を導出し、この追加年金属性に基づいて、生成されたメタファーを修正してよい。例えば、ユーザは複数の退職計画を有してよく、従って、第1の退職計画には含まれない、第2の退職計画からの属性を有してよいが、第2の退職計画からの属性は、ユーザの対象目標全体に作用するものであってよく、第2の退職計画の存在の影響を適切に考慮すべく、第1の退職計画用として生成されたメタファーに組み込まれてよい。
【0086】
図4は、メタファーが生成された後の、その生成されたメタファーとユーザとのインタラクションを示すフロー図であり、メタファー内でのユーザインタラクションは、本発明の主題の実施形態に従って、年金計画情報の変更を引き起こすように働く。
【0087】
ステップ410で、ユーザがユーザインタフェースを介してメタファーにアクセスし、これによって、メタファーがユーザに提示される。年金メタファーエンジン101は、ユーザがメタファーにアクセスしたときに、ユーザによる前回のメタファーへのアクセスからメタファーの外観に対して何らかの更新があった場合には、これを適用するようにプログラムされてよい。ユーザは、メタファーにアクセスする場合には、年金メタファーを提供するサービス提供者にログインすることが求められてよい。
【0088】
ステップ420で、年金メタファーエンジン101は、メタファー内のインタラクティブ要素とのインタラクションに対応する、ユーザからの入力を受け取ってよい。これは、図3の旅行例では、退職計画に対する積立金の所望の増額を反映する為の、燃料タンクへの燃料の追加を含んでよい。
【0089】
年金メタファーエンジン101は、ユーザ入力を受け取り、この入力を、ステップ430で年金計画入力に変換する。年金計画入力は、年金計画提供者のコンピューティングシステムがユーザ入力を実施する為の適切なフォーマット及びプログラムの形式で年金計画の一態様を変更する為の入力である。旅行例では、年金メタファーエンジン101は、(メタファー内の燃料の割合又は量で表される)燃料の増加を、対応する、ユーザの積立金の増額に変換し、この変換は、例えば、実際の通貨の量で、又は給料の割合で行われる。
【0090】
ユーザの入力の範囲は、メタファーの提示によって制限される。言い換えると、メタファーは、メタファー内でのインタラクションが、年金計画自体によって許可されるユーザアクションのパラメータの範囲に収まるように生成される。しかしながら、ユーザとメタファー提示とのインタラクションが、メタファー内提示によって制限されないオープンエンデッドユーザ入力(例えば、ユーザによって入力される英数字入力)を可能にする場合、年金メタファーエンジン101は、ユーザ入力がメタファーとのインタラクションの許容範囲に収まるように、ユーザ入力の検査を実施してよい。
【0091】
ステップ430での年金計画入力の生成後に、年金メタファーエンジン101は、ユーザからの入力を処理し、入力の結果をメタファー及び年金計画に実装する。図4は、この、ユーザ入力の処理及び実装に関して2つの選択肢を示す。
【0092】
(ステップ440a〜470aで示される)第1の実施形態では、メタファーは、実際の年金計画情報に対して対応する変更が行われた後にのみ、ユーザ入力を反映する更新が行われる。
【0093】
ステップ440aで、年金メタファーエンジン101は、年金計画を運用又は管理するエンティティのコンピューティングシステムに年金計画入力を提供し、この提供された年金計画入力に基づいて、「ソース」年金計画情報(即ち、オリジナル又は公式の年金計画情報)が提供者によって最終更新されてよい。
【0094】
年金計画情報の更新に先立ち、年金提供者のコンピューティングシステムは、任意選択で、ステップ450aで、年金計画入力内の要求されたユーザアクションが許容可能なアクティビティの特定のパラメータの範囲内にあるかどうか(例えば、従業員の積立金の増額の結果、総積立金額が許容範囲内にあるかどうか、引き出しが年金計画の実際の金額の範囲内にあるかどうか等)を検査してよい。年金計画入力(及び/又は年金計画入力の実装結果)が許容されるアクション及び/又は結果の範囲から外れた場合、年金提供者のコンピューティングシステムは、年金メタファーエンジン101に対して拒否を示してよく、これに対応するメッセージがユーザに提示されてよい。このメッセージは、メタファー内にあってよく(即ち、メタファー内のアクション又は結果が、メタファーの許容可能なルールの範囲内にない)、或いはメタファー外にあってよい(即ち、年金計画に対する、対応する要求されたユーザアクション、及び/又はこのアクションの結果が年金計画に対して許容可能ではない)。
【0095】
年金計画に対する変更を実施に移さなければならないのが人間である実施形態(例えば、人事の代表者又は年金提供者の代表者が手動で計画情報を更新する実施形態)では、年金メタファーエンジン101は、年金計画の更新に使用される年金計画入力情報を、電子メール又は他の電子通知を生成することによって送信するようにプログラムされてよい。
【0096】
ステップ460aで、年金計画提供者が保管する「公式」年金計画情報と、年金計画データセット201とを更新する。実施形態では、まず、公式年金計画情報を更新することによってユーザの変更を年金計画自体に適用してよく、次に、年金計画情報の更新に基づいて、年金計画データセット201を更新してよい。この更新は、年金計画提供者のコンピューティングシステムからの「プッシュ」によって行われてよく、これにより、年金計画データセット201は、年金提供者が保管する年金計画情報が更新された後、ただちに更新される。代替として、この更新は、設定されている更新スケジュールに従って(例えば、毎日等)、年金データベース103によって要求されてよい。年金データベース103内の年金計画データセット201に「公式」年金計画情報が含まれる場合、年金提供者のコンピューティングシステムは、受け取った年金計画入力に対する応答として、年金計画データに対する変更を直接実施してよい。
【0097】
ステップ470aで、年金メタファーエンジン101は、更新された年金計画データセット201に基づいてメタファーを更新することにより、年金計画情報に対して行われた変更を反映する。メタファーを更新することは、変更の影響を受ける提示要素を更新すること、スコア、目標に向かう進度の指標等を更新することを含んでよい。
【0098】
旅行例では、ステップ440a〜470aの実施形態が実行されると、結果として、年金提供者が、要求された、積立金の増額を処理し、それに応じて退職計画データを更新し(年金計画データセット201の更新を含む)、その後、年金メタファーエンジン101が、退職計画における積立金の増額を反映するように旅行メタファーを更新する。従って、年金提供者による処理の速度及び規則性によっては、ユーザは、メタファーに対する更新に、すぐには、或いは、リアルタイムでは気づかない可能性がある。
【0099】
第2の実施形態では、メタファーは、年金提供者とのいかなるインタラクションにも先行することなく、ユーザ入力に基づいて更新される。従って、年金提供者による、年金計画情報の更新要求に関連付けられた潜在的遅延が全くない、メタファーの更新が可能である。
【0100】
ステップ440bで、年金メタファーエンジン101は、生成された年金計画入力に基づいて、年金計画データセット201を更新する。
【0101】
ステップ450bで、更新された年金計画データセット201に基づいて、メタファーを更新する。
【0102】
ステップ440b又は450bと同時に、又はその後に、年金計画入力及び/又は更新された年金計画データセット201を、年金提供者のコンピューティングシステムに渡すことにより、年金計画情報を更新してよい(年金計画データセット201とは別個である場合)。年金提供者は、任意選択で、年金計画入力及び/又は更新された年金計画データセットが、年金計画のルール、規制、及び/又は制約の下での年金計画に対する正当な運用であるかどうかを検査してよい。
【0103】
年金提供者のコンピューティングシステムは、年金計画入力及び/又は更新された年金計画データセットを受け取った後、年金計画情報を更新し、ステップ460bで、年金計画情報が更新されていることの確認を提供してよい。
【0104】
公式の年金計画情報が年金計画データセット201内の情報である実施形態では、年金提供者のコンピューティングシステムは、更新が、年金計画のルール、規制、及び/又は制約の下での年金計画に対する正当な運用であるかどうかを検査してよく、それらの確認をステップ460bにおいて提供してよい。
【0105】
確認を行うことができない場合、或いは、所定時間以内に年金メタファーエンジン101が確認を受け取らない場合、年金メタファーエンジン101は、ユーザに通知を送り、提示されたメタファーに対する変更を元に戻し、且つ、年金計画データセット201に対するあらゆる変更を元に戻してよい。
【0106】
既に開始されているメタファーをユーザに対して提示する場合、例えば、年金計画に対してメタファーが最初に適用された後に、ユーザがメタファーとのインタラクションを行うべくログインした場合、ユーザが最後にログインしてからの(年金計画データセット201に対する変更を介しての)年金計画に対するあらゆる変更を反映するようにメタファーが更新される。これらの更新は、メタファーの外部のユーザアクション(例えば、ユーザが、年金提供者を直接介して、積立金などの年金計画の態様を変更すること)による、進行中の年金計画の結果(例えば、総額の増加、年金予測の更新)としての、年金計画に作用する要因の変更(例えば、金利の変更、市場の変化、税法規等)による、年金計画データセット201の1つ以上の属性に対する変更に基づく更新を含んでよい。最後のユーザセッション以降、ユーザが行わなければならないか、応じなければならない新しい意思決定がある場合は、それらがユーザに対して提示される。その後、何らかの作用が年金計画に適用され、その後、年金メタファーエンジンが、更新された年金計画情報に基づいてメタファーを更新する。更に、メタファーの実行中に、年金メタファーエンジン101は、年金計画データセット201に対する更新がないかどうかを周期的にチェックし、対応する変更があればメタファーに組み込むことが可能である。
【0107】
状況によっては、メタファーの文脈から外れた情報をユーザに提示することが必要な場合がある。例えば、年金タイプ、年金計画自体、又は年金に関連付けられた法律に応じて、特定の情報及び選択肢を特定の方法で(例えば、いかなる種類の説明もなしで、或いはメタファーで、或いは任意の種類の言い換え又は難読化により)ユーザに提示しなければならないという法規定がある場合があり、或いは、平明且つ明確にそれを行うことが好ましい場合がある。別の例では、提示情報は、ユーザに提示される年金計画自体であってよく、ユーザは、必要に応じて、年金計画に関連付けられた実データを見ることが可能である。これは、ユーザの名前の変更、住所の変更、人生の出来事の報告などの更新が年金計画に対して直接行われなければならないか、行われることが好ましい状況において使用されてよい。同様に、ユーザによる特定の確認応答又は意思決定を、明快な、特定の、標準化された用語で行うという法規定がある場合がある。更に別の例では、法規定がない場合でも、等価な年金計画アクションをユーザに提示し、(適用可能であれば)年金計画に対するメタファー外アクションの結果を提示することにより、メタファー内アクションを確認することをユーザに要求することが望ましい場合がある。そのような場合、年金メタファーエンジンは、受け取った年金データセットから、年金メタファーエンジンが、必要に応じて、メタファー設定外の情報をユーザに対して提示することを可能にするデータ及びルールを導出してよい。このタイプの情報は、メタファー対象外データセット又はメタファー対象外データ属性として年金データセットに含まれてよい。
【0108】
メタファー対象外データセットは、年金データセットから対象外属性として導出された年金属性のうちの1つ以上を指定する識別子を含んでよい。メタファー対象外データセットは、提示情報も含んでよい。提示情報は、メタファー外に提示される情報自体、並びに、提示のフォーマット(例えば、表示サイズ、フォントサイズ、画面上の他の全ての情報からの離隔距離、追加情報を有するウェブサイトへのリンク、要求されるユーザ意思決定又はユーザが当該情報を受け取って読んだことを示すユーザ確認に対する入力プロンプト等)に関連付けられたデータを含んでよい。提示情報は、コンテンツプライバシの提示、ユーザ認証、情報を受領し理解したことの確認応答、及びユーザ意思決定に関する法規定を遵守するように構成されてよい。
【0109】
図5は、生成されたメタファーにメタファー割り込みルールセットを組み込み、メタファー処理外でユーザに情報を提示したりユーザからの入力を受け取ったりする為にメタファーに割り込む処理の概要を示す。
【0110】
図5のステップ510〜530は、メタファーが作成されつつある時点での、生成されたメタファーにメタファー割り込みルールセットを組み込むことを対象としている。
【0111】
メタファーの生成中(例えば、図3に示された処理の間)に、年金メタファーエンジン101は、ステップ510で、年金計画データセット201内のメタファー対象外データ属性を識別し、ステップ520で、識別された対象外属性に基づいて、関連付けられたメタファー割り込みルールセットを取得する。メタファー割り込みルールセットは、メタファー外の情報を提示する為にメタファーの割り込みを引き起こす。割り込みが基づいてよいトリガは、ユーザ意思決定、ユーザに対して提示される年金計画意思決定ポイント、時間ベース又はスケジュールベースの情報提示、ユーザの年齢、年金計画レベル、又は他の、メタファー環境外でのユーザに対する情報提示を必要とする、年金計画に関連付けられた要因に関連付けられる。従って、メタファー割り込みルールセットは、メタファーの実行中に条件が満たされるとメタファーへの割り込みを年金メタファーエンジン101に行わせる1つ以上の条件を含む命令であってよい。
【0112】
メタファー割り込みルールセットは、それぞれの機能、及びそれぞれの対応するメタファー対象外データセット又は属性との関連付けに応じて、メタファーの実行中に周期的に実行されてトリガ条件の状態を監視するバックグラウンド処理、及び/又はそれぞれの関連付けられたメタファー対象外データセット又は属性が呼び出されるか、且つ/又は実行されるときに限って実行される処理であってよい。
【0113】
ステップ530で、メタファー割り込みルールセットを実装する為に、年金メタファーエンジン101は、メタファー割り込みルールセットを、割り込みを必要とする年金計画及び/又はメタファーの態様に関連付け、これによって、割り込みをトリガする条件を設定する。割り込みに対する応答として提示される情報は、メタファー割り込みルールセットに同様に関連付けられる。
【0114】
例えば、年金計画からのリソースの早期引き出しは、その引き出しの税効果を、特定の、法的に定義された曖昧でない文言でユーザに通知するという法規定がある場合がある。この例では、年金メタファーエンジン101は、メタファー割り込みルールセットを、割り込みをトリガする条件としての「引き出し」ユーザアクションに関連付ける。従って、年金計画からのリソース引き出しに対応するメタファー内アクションを実施することは、このメタファー割り込みルールセットのトリガ条件を満たすことになり、これによって、メタファーへの割り込みが引き起こされる。ユーザに提示されることが必要な実情報は、これもメタファー割り込みルールセットに関連付けられることになり、必要に応じて、且つ、ルールセット外で必要とされる様式で、ユーザに対して提示されることになる。
【0115】
ステップ540〜580は、メタファー割り込みルールセットを呼び出すことにより、実行中のメタファーに対して割り込みが行われる処理を示す。
【0116】
ステップ540に先立ち、メタファーは正常に実行されて、ユーザの年金計画に関連付けられたメタファーをユーザに提示している。ステップ540で、年金メタファーエンジン101は、メタファー割り込みルールセットに対するトリガ条件が満たされていることを検出する。ステップ530を例示する為に説明された「引き出し」例を続けると、ステップ540で、年金メタファーエンジン101は、年金計画からのリソース引き出しに対応するメタファー内アクションを実施しているユーザが、関連付けられたメタファー割り込みルールセットの条件を満たすことを検出する。
【0117】
ステップ550で、年金メタファーエンジン101は、メタファー割込ルールセットの割り込み関数を呼び出し、実行中のメタファーに対して割り込みを行う。割り込みは、メタファーの実行の終了(即ち、ユーザのコンピューティング装置上のメタファーを完全に終了すること)、又はメタファーの実行の一時停止(例えば、メタファーの実際の実行を終了することなく、メタファーを停止又はフリーズするか、或いは別の方法でメタファーへのアクセスを阻止すること)を含んでよい。
【0118】
ステップ560で、年金メタファーエンジン101は、メタファー外でユーザに提示される提示情報を、例えば、年金データベース103から受け取る。「引き出し」例では、年金メタファーエンジン101は、関連する税効果情報を取り出し、ステップ570で、これをユーザに提示する。この情報は、ウェブサイト又は他の情報源へのリンクであってよいと考えられており、そのリンクをクリックするとインターネットブラウザが起動し、当該情報にアクセスする。
【0119】
ステップ580で、年金メタファーエンジン101は、提示情報がユーザに対して提示された後にメタファーを再開する。メタファーを再開する場合、開始されたアクション等を進めたいというユーザの意向を確認する為に、提示された情報をユーザが読んだことを確認するボタン又はリンクをクリックすることなどのアクションをユーザに求めてよい。
【0120】
提示情報は、メタファー外でユーザに対して提示されてよく、これは、提示情報をユーザに対して提示することに先立ってメタファーの提示を終了することにより、行われてよい。この例では、提示に対して割り込みが行われ、メタファーは、そのメタファーによる新しいユーザセッションの開始であるかのように再開される。
【0121】
割り込みの理由が満たされた後(即ち、ユーザがメタファー外の情報を受け取り、必要に応じて、肯定応答、意思決定等のような適切なフォローアップアクションを実施した後)にただちに提示の再開が可能になるように、下層のメタファーも一時停止され、且つ、クライアントレベル又はサーバレベルでアクティブであり続けてよい。
【0122】
代替として、ユーザが提示情報を適切に閲覧できるように、提示情報は、メタファーの上にオーバレイ又はスーパインポーズされてよい。メタファーの何らかの可視態様が残っている場合は、ユーザがメタファーに気を散らされることなく提示情報に必要な注意を向けるように、画面上でこれを(例えば、暗くしたり、ピンぼけで提示したりすること等により)強調しないようにしてもよい。
【0123】
年金メタファーは、年金計画の終結まで、又は年金計画の目標の完遂まで、年金計画の存続期間にわたって適用されてよく、時間に対する年金計画の進度及び進展を様々な様式で表現してよい。
【0124】
一例では、年金計画は、(予想される退職日付などの、年金計画のシングルエンド目標又はエンドポイントを反映する)1つの目標を有するメタファーによって表現されてよく、途中の年金計画の状況、意思決定、及び変動は、メタファー内の、テーマに応じた変動で表現される。この例では、年金計画は、メタファー内で1つの長い航海として表現されており、年金計画の目標は旅の最終目的地である。
【0125】
別の例では、年金計画は、複数の段階に分割されてよく、メタファーは個々の段階を反映する。各段階は、周期的継続時間であってよく、或いは、年金計画の存続時間における意思決定、節目となる重大な出来事、又は他の指定されたマーカに関連付けられてよい。この例では、退職という年金計画の最終目標がメタファーの最終結果であってよく、年金計画における個々の段階は、メタファー内の個々の出来事である。例えば、ファンタジーの設定では、ユーザは、どう猛な軍隊に対抗する戦争に巻き込まれる騎士であってよく、この場合、年金計画の各段階は個別の戦闘又は任務であり、その結果が、戦争に勝利する(年金計画の目標に到達する)という最終結果を支援する。スポーツの設定では、年金計画の毎年の段階がシーズンを表してよく、メタファーの最終目標は、ユーザが殿堂入りした選手としてメタファースポーツを引退することである。
【0126】
システム100は、メタファーのエンタテインメント価値を高めたり、望ましいユーザ挙動を奨励したりする為に、メタファーにスコアを付ける機能が組み込まれてよい。メタファールールセットは、スコア付けの対象がメタファーの特定の態様であってよいスコア付けルールが組み込まれてよい。例えば、メタファー内で達成される目標として反映される、ユーザがその年金計画において節目となる重大な出来事又は他の目標を達成することに基づいて、得点又は他のスコア量が与えられてよい。同様に、ユーザの意思決定には得点が与えられてよく、同様に、望ましくないユーザ挙動には得点を減らすことによるペナルティが科せられてよい。
【0127】
メタファースコアは、年金データセットから導出される年金属性から導出されてもよい。このように、スコアは、メタファー内のユーザアクションによって生成されうるだけではなく、メタファー環境外でのユーザの年金計画とのユーザインタラクションによっても生成されうる。
【0128】
メタファースコアは、ユーザに褒賞を与える為に使用されてよい。褒賞は、メタファー内褒賞であってよく、例えば、トロフィー、祝賀シーン、又は他の、メタファーテーマに応じた評価であってよい。褒賞は、メタファー内で使用可能なアクセサリ又はボーナスであってよい。これらのアクセサリ又はボーナスは、メタファー内で純粋に美的であってよく(即ち、現実世界の年金計画になんの影響もなくてよく)、或いは、現実世界の年金計画に肯定的に作用する褒賞であってよい。褒賞は又、メタファー及び年金計画の外に存在する褒賞であってもよく、例えば、特定商店主用ギフトカード、特産品の提供等であってよい。
【0129】
本システムは更に、ユーザが多くの同様のユーザの中でどこにランクされているかを自分で見れるようにできるスコアボード又は順位提示ボードの機能が組み込まれてよい。スコアボードは、特定のメタファー、特定の計画、提供者、雇用主、デモグラフィックス、ジオグラフィックス等のうちの1つ以上に従って編成されてよい。スコアボードは、インセンティブ及びエンタテインメントを提供する為に必要なだけ包含的又は排他的であってよい。例えば、グローバルスコアボードは、得点でランク付けされたシステムを使用する全員を含んでよい。スコアボード及び順位提示ボードは、ユーザのプライバシが維持されるようにプライバシ機能が組み込まれてよい。例えば、スコアボードは、ユーザだけが、他のユーザに関する情報を全く見ることなく、適用可能なコミュニティにおける自分のランクを閲覧することができるようなフォーマットで提示されてよい。代替として、スコアボードの一覧では、ユーザの現実世界の情報が開示されないように、得点値の表示の有無にかかわらず、偽名又はメタファー固有のユーザ名が使用されてよい。
【0130】
以下は、年金計画を管理する為の年金メタファーの、可能性のある実施態様の例である。
【0131】
一例では、ユーザは、適用される旅行メタファーを介して年金計画を管理することが可能であり、このメタファーでは、ユーザは、退職というそれぞれの目的地に向かって旅行する。図6aに示されるように、メタファーは、ユーザに空港で「チェックイン」するように要求して、ユーザの年齢、性別、現在の財産規模、給料、及び所望の退職年齢などの情報をユーザから収集してよい。代替として、この情報の一部又は全てが、年金計画提供者から収集されてもよい。図6bに示されるように、この収集された情報は、メタファー内で、ユーザのパスポート又はフライトプランの形式で提示されてよい。パスポートは、ユーザの写真、又はユーザのカリカチュア又は他のアバターを含んでよく、これは自動的に収集されるかユーザによって選択されてよい。その後、積立金(雇用主及び個人)情報を使用して、飛行機が飛ぶ為に利用可能な燃料が計算される。追加で収集される情報として、退職後の所望の年間所得、及び退職後に必要な最低所得があってよい。
【0132】
図6cに示される画面で、ユーザは、メタファーとの(従って、ユーザの年金計画との)直接インタラクションの所望の程度に応じて、自動操縦で飛ぶか(年金計画との最低限のユーザインタラクションが必要)、副操縦士を使用して飛ぶか(一定の自動設定との兼ね合いで、ある程度のユーザインタラクションが必要)、単独且つ手動で飛ぶか(年金計画との最も「自動化されていない(hands−on)」インタラクション)を選択してよい。
【0133】
情報が収集された後、メタファーは、様々な目的地への出発便が一覧表示されたフライトボードを提示してよく、各便は、年金計画がユーザの退職に向かって取り得る、可能性のある経路を表している。一覧表示されたフライトは、実際の現在の計画の状況に対して可能性のある経路、並びに、年金計画の一部のパラメータが調節されたとすれば可能性のある代替経路を含んでよい。目的地の質は、特定の退職年齢での計画支払い金額を表すものであってよく、退職所得金額の目標が高いほど、それだけ華やかな目的地で表されてよい。例えば、所望の退職年齢での所望の年間所得を満たすか超える場合は、目的地「パリ」で表されてよく、一方、所望の年齢(又は所望の退職年齢からの一定年数)の範囲での最低所得をかろうじて満たす場合は、目的地「オハイオ州クリーブランド」で表されてよい。更なる達成層が、ユーザがファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスのいずれで旅行するかを示すことによって表現されてよい。
【0134】
所望の退職年齢(又は所望の年齢を含む、ある程度の年数)の範囲では到達しないであろう所望又は最低の退職所得金額をユーザが選択した場合、そのフライトは、途中に複数の停止又は中断があるフライトとして表されてよい。中断は、年金計画に対する年金計画調節を表してよく、この調節は、ユーザが自分の最終目的地に到達できるようにする為に後日に必ず行われなければならない(例えば、将来の積立金の増額)。
【0135】
フライト中、ユーザは、スロットルを開く(積立金額を変更する)ことや、目的地を変更する(所望又は必須の金額、又は所望の退職年齢を変更する)ことが可能な選択肢を提示されてよい。これらの変更に応じて、メタファーはフライトプランを相応に更新してよく、これは、例えば、飛行機が速度を上げたり、進路を変更したりする視覚的告知や、機長が変更を告知する音声告知などによって行われてよい。
【0136】
別の例では、ユーザは、史上最も偉大な考古学者としての地位を不動にするであろう伝説上の聖遺物「本当にシンプルな不死の杯(Really Simple Cup of Immortality)」を手に入れることが最終目標である、有名な考古学者アイオワ・ウィリアムスという人物になりきる冒険メタファーを介して年金計画を管理する。このメタファーでは、年金計画の現在の状態、並びに、ユーザが自分の退職目標からどれだけどれだけ離れているか(例えば、財政的に、且つ、計画された退職からの年数の観点でどれだけ離れているか、並びにユーザが自分の年金計画において「理想の」経路から現在どれだけ離れて位置しているかを含んでよい)を示す、ユーザの現実世界の年金計画情報を使用して、「本当にシンプルな不死の杯」の正確な位置に関する十分な手がかりを集める為にユーザが完遂しなければならない個々の冒険の旅の量をメタファー内決定してよい。個々の冒険の旅のそれぞれは、計画された退職への軌道に乗る為、且つ、退職までの予想される経路にとどまる為にユーザが満たす必要がある、年金計画における毎年又は所定の、節目となる重大な出来事を反映してよい。個々の冒険の旅は、ユーザの現在の計画状況の、「理想的な」現在の計画状況からの逸脱具合に応じて難度が上がる旅であってよく、この旅は、追加装備のゲーム内購入によって征服可能である(購入により、ユーザは、年金計画を「軌道に戻す」ことに役立つように、年金計画に対する積立金を増額することになる)。個々の冒険の旅の順番は、ユーザが任意の特定の時点において引き受けようとする難度に応じて、ユーザによって選択されてよい。
【0137】
年金計画を管理する為に使用されるメタファーの別の例として、建設メタファーがあってよく、この場合、ユーザは、可能な限り最も偉大な建築物(例えば、威厳のある城、世界最高のビルディング、或いはピラミッド)を建てようとする建築家である。年金計画が時間に対して進展するにつれて、城又は建築物が位置する土地を掘ることから始まり、建築物の基礎、1階及び2階以降、電気系統などのサブシステム等と、建築物が建てられていく。建設メタファーでは、指定された退職年齢までにユーザが持とうとする退職所得の金額は、青写真で表される計画された建築物の威容、複雑さ、規模、又は他の偉大さの尺度を決定づけてよい。時間に対する年金計画の増大は、メタファー内では、建築物に使用される材料、建築物が建てられる速さ等によって反映される。よりよい材料を使用すること、或いは、ある特定のコストがかかる機能を建築物に追加することの為の何らかの意思決定がユーザによってなされる。建築物を計画どおりに完成させるべくオンスケジュールを維持する為には、ユーザは、作業者を更に雇用するか、より高品質の材料の為に更なる資金を費やす為のメタファー内意思決定を行わなければならない場合があり、これは、年金計画に対するユーザの積立金の増額を引き起こしうる。代替として、建築物をより大きくしたり、より派手にしたり、より豪華にしたりするなどの意思決定は、退職所得を増やしたい、或いは、退職年齢を早めたいという望みを反映するものであり、その意思決定の後には、ユーザは、建築物を計画された日付までに完成させる為の軌道から外れないように、更なる作業者を雇用する(従って、年金計画に対する積立金を増額する)という意思決定が必要になる。
【0138】
当業者であれば明らかなように、本明細書に記載の本発明の概念から逸脱しない範囲で、既に記載されたものに加えて更に多くの修正が可能である。従って、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の趣旨にあるもの以外の制限を受けない。更に、本明細書及び特許請求の範囲の両方を解釈するにあたっては、全ての語句が、文脈に沿って最大限広義に解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」という語は、要素、構成要素、又はステップを非排他的に参照していると解釈されるべきであり、これは、参照される要素、構成要素、又はステップが、明示的に参照されていない他の要素、構成要素、又はステップと共存したり、一緒に利用されたり、組み合わせられたりしてよいことを示す。本明細書の特許請求の範囲が、A、B、C、…、及びNからなる群から選択される幾つかのうちの少なくとも1つを参照する場合、この文は、A及びNでもなく、B及びNでもなく、他のそのような組み合わせでもなく、その群の中の1つの要素だけを必要としていると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c