(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ウェブページデータ生成部が生成するウェブページデータは、前記表示制御処理において、前記低速再生画像の表示中に前記端末装置に音声出力を実行させないようにしている
請求項1に記載の情報処理装置。
前記ウェブページデータ生成部が生成するウェブページデータは、前記表示制御処理により表示される前記低速再生画像について、ユーザ操作が行われることにより、前記低速再生画像に対応する動画の通常再生を前記端末装置に実行させるようにしている
請求項1に記載の情報処理装置。
前記ウェブページデータ生成部が生成するウェブページデータは、前記表示制御処理による前記低速再生画像の表示中は、前記端末装置に、再生位置としての現在のフレームナンバの記憶処理を実行させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
<1.全体構成>
<2.ECサーバ、動画提示態様、及びデータベース>
<3.第1の実施の形態のサムネイル表示動作>
<4.第2の実施の形態のサムネイル表示動作>
<5.第3の実施の形態のサムネイル表示動作>
<6.まとめ及び変形例>
<7.プログラム及び記憶媒体>
なお実施の形態で用いる主な語句については、以下の意味となる。
・ユーザ:電子商取引システムを利用して商品の閲覧、購入等を行うユーザを指す。
・商品:電子商取引システム上で商取引の対象とされている商品である。物理的な品物としての商品だけでなく各種サービスとしての商品も含む。
・動画:例えば電子商取引システムが提供するウェブサイトに掲載される動画コンテンツであり、例えば商品を紹介する動画などである。ウェブページ上の動画は、再生中以外はサムネイル画像により提示される。なお商品に関する動画を対象とすることは実施の形態として示す一例に過ぎない。
なお、ブラウザにおいて動画掲載領域が画面上に表示されると自動的にサムネイル状態から動画再生状態に移行するものも知られているが、そのような表示方式を採るものは本実施の形態では処理対象としてしない。あくまでユーザ操作により動画再生(通常速度での再生)が開始されるものを処理対象とする。
・スクロール位置:スクロール操作によって位置が変動するウェブページの表示位置であるが、主にウェブページ内の動画掲載領域の表示画面内の位置を指す場合に用いる。
【0016】
<1.全体構成>
図1に複数の店舗が出店する仮想的な商店街を実現するEC(electronic commerce:電子商取引)システムとして機能するネットワークシステムの構成例を示している。
図1に示すように、本実施の形態に係るECシステムは、電子商取引サーバ(以下「ECサーバ」という)3、複数の店舗端末4、複数のユーザ端末5がネットワーク1により相互に通信可能に接続されている。またECサーバ3は電子商取引データベース6にアクセス可能とされている。
なお、以下では「データベース」を「DB」と表記する。
また実施の形態においては、本発明請求項にいう情報処理装置の例として、ECサーバ3を挙げる。ECサーバ3は1又は複数の情報処理装置によって実現されるものであり、従って本発明請求項にいう情報処理装置は、1つの情報処理装置或いは複数の情報処理装置が連携して実現される。
【0017】
ネットワーク1の構成は多様な例が想定される。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、CATV(Community Antenna TeleVision)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が想定される。
またネットワーク1の全部又は一部を構成する伝送媒体についても多様な例が想定される。例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、電話線等の有線でも、IrDA(Infrared Data Association)のような赤外線、ブルートゥース(登録商標)、802.11無線、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0018】
ECサーバ3は、例えば仮想商店街のポータルとして機能する仮想商店街サーバである。ECサーバ3は、店舗端末4やユーザ端末5から受信した処理要求に基づく処理を実行する。例えばユーザへの商品やサービスの検索ページの提供、各店舗に対する店舗ページの提供、ユーザの検索に応じた商品やサービスの検索、検索結果一覧表示、商品ページの提供、各ページでの広告やユーザへのお勧め商品等の表示、商品購入に関する処理、店舗管理、ユーザ管理などを行う。
【0019】
店舗端末4は、仮想商店街に出店する店舗側で使用される情報処理装置として示している。店舗端末4は仮想商店街で販売する商品の情報等を、ECサーバ3を介して電子商取引DB6に登録することなどに用いられる。例えば、ECサーバ3から提供される専用画面が店舗端末4の表示部に表示される。店舗の担当者はこの専用画面を介して商品の情報等を電子商取引DB6に登録する。
【0020】
ユーザ端末5は、仮想商店街を利用して商品やサービスの購入を行うユーザによって操作される情報処理装置として示している。このユーザ端末5は、ウェブブラウザを備えたコンピュータ装置とされている。ユーザ端末5としては、例えば高機能携帯電話機(スマートフォン)や携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、携帯型又は据置型のパーソナルコンピュータ(PC)などが挙げられるが、ユーザ端末4の種類はこれらに限定されない。
ユーザ端末5は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストをECサーバ3等に送信することでウェブページや所定の処理を要求する。またユーザ端末5は、HTTPリクエストに応じて送られてきたウェブページ(ウェブページデータ)を受信してウェブブラウザにより表示する。これにより、ユーザは所望のウェブページを閲覧したり操作したりすることができる。
【0021】
本実施の形態の場合、例えば、ECサーバ3ではHTTPデーモンが起動される。また店舗端末4又はユーザ端末5ではブラウザが起動され、店舗端末4又はユーザ端末5からは、ブラウザを介して処理要求(HTTPリクエスト)がECサーバ3に送信される。ECサーバ3からは、上記の処理要求に対応する処理結果(HTTPレスポンス)が店舗端末4又はユーザ端末5に送信される。例えば、ウェブページ記述言語で記述されたページデータが店舗端末4又はユーザ端末5に送信される。そして、このページデータに基づいて、処理結果に基づくウェブページ(画面)が店舗端末4又はユーザ端末5の表示部に表示される。
ECサーバ3はこのような動作によりユーザ端末5に仮想商店街としてのウェブページを提供し、またユーザ端末5からの要求に応じた商品検索、商品提示、広告提示、決済処理等を行う。またECサーバ3は店舗端末4に対しても同様の動作で、商品登録ページの提供や、店舗端末4からの要求に応じた商品登録などを行う。
【0022】
ECサーバ3がこれらの処理を行うために電子商取引DB6に必要な情報が格納される。図ではDBの例として、ユーザDB6a、店舗DB6b、商品DB6c、広告DB6d、動画DB6eを示している。もちろんこれ以外にも仮想商店街のポータルとして機能するために必要なDBが各種存在する。
【0023】
ユーザDB6aには、仮想商店街を利用するユーザに関するデータが登録される。例えば登録されたユーザ毎に、ユーザ識別情報であるユーザID(identification)、ログインのパスワード、住所、氏名、性別や年齢等の属性情報、決済情報、電子メールアドレスなどが登録される。また各ユーザの購入履歴として、仮想商店街で行われた取引の履歴に関するデータが登録される。例えばユーザID毎に、購入商品の商品ID及び商品に関する情報、購入店舗、購入日時、購入価格等が登録される。さらに各ユーザの閲覧履歴、お気に入り登録情報なども記憶される。
【0024】
店舗DB6bには、仮想商店街に出店している店舗に関するデータが登録される。例えば各店舗について、店舗識別情報としての店舗ID、名称、住所、電話番号、及び店舗に関するウェブページ(店舗ページ)へのリンク情報(URL(Uniform Resource Locator))などが登録される。
商品DB6cには、仮想商店街で取り扱っている商品に関するデータが登録される。例えば商品テーブル6bには、各商品(サービスも含む)について、商品識別情報としての商品ID、当該商品を販売する店舗の店舗ID、商品のカテゴリー、名称、価格、在庫、商品に関するウェブページ(商品ページ)へのリンク情報(URL)などが登録される。
【0025】
広告DB6dには、店舗によって登録された広告情報が登録されている。各広告情報としては、商品や店舗の写真やロゴなどの広告画像、広告文としてのテキスト情報、広告を選択するためのキーワード、URLリンク、実績情報、広告単価情報などが紐づけられている。実績情報とは、表示回数(インプレッション)、クリック回数、CTR(Click Through Rate)、アクセス数、コンバージョン数、CVR(Conversion Rate)、商品売上値などである。
ECサーバ3は、広告DB6dから選択した広告画像やテキストを各種ウェブページ上で表示させることができる。
【0026】
動画DB6eは、ウェブページ上に掲載する各種の動画コンテンツ及びその関連情報を格納したDBである。動画とは、例えば商品動画、広告動画、ニュース動画、エンタテイメント動画等であって、ウェブページ上で提示され、ユーザが任意に再生させることができるものである。動画DB6eについては、具体例を挙げて後述する。
【0027】
続いて
図1に示したECサーバ3、店舗端末4、ユーザ端末5を構成する情報処理装置のハードウエア構成を
図2に示す。ECサーバ3、店舗端末4、ユーザ端末5として示した各装置は、情報処理および情報通信が可能な
図2に示すようなコンピュータ装置として実現できる。
【0028】
図2において、コンピュータ装置のCPU(Central Processing Unit)101は、ROM( Read Only Memory)102に記憶されているプログラム、または記憶部108からRAM( Random Access Memory )103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104には、入出力インターフェース105も接続されている。
入出力インターフェース105には、キーボード、マウス、タッチパネルなどよりなる入力部106、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)パネルなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部107、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ装置などより構成される記憶部108、ネットワーク1を介しての通信処理や機器間通信を行う通信部109が接続されている。
入出力インターフェース105にはまた、必要に応じてメディアドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111が適宜装着され、リムーバブルメディア111に対する情報の書込や読出が行われる。
【0029】
このようなコンピュータ装置では、通信部109による通信によりデータやプログラムのアップロード、ダウンロードが行われる。またコンピュータ装置はリムーバブルメディア111を介したデータやプログラムの受け渡しが可能である。
CPU101が各種のプログラムに基づいて処理動作を行うことで、ECサーバ3、店舗端末4、ユーザ端末5としての必要な情報処理や通信が実行される。
なお、ECサーバ3、店舗端末4、ユーザ端末5を構成する情報処理装置は、
図2のようなコンピュータ装置が単一で構成されることに限らず、複数のコンピュータ装置がシステム化されて構成されてもよい。複数のコンピュータ装置は、LAN等によりシステム化されていてもよいし、インターネット等を利用したVPN等により遠隔地に配置されたものでもよい。
【0030】
<2.ECサーバ、動画提示態様、及びデータベース>
図3に1又は複数の情報処理装置で構成されるECサーバ3としての機能構成を示す。ここではECサーバ2として、動画提示を行うウェブページの提供のための機能のみを示している。例えば店舗ページ、個々の商品の購入を行う商品ページ、1又は複数の商品を紹介する商品紹介ページ等であって、動画を掲載したウェブページの提供機能である。
各機能は、情報処理装置においてCPU101でプログラムに応じて実行される処理により実現される機能である。但し以下説明する全部又は一部の各構成の処理をハードウエアにより実現してもよい。
また各機能をソフトウエアで実現する場合に、各機能がそれぞれ独立したプログラムで実現される必要はない。1つのプログラムにより複数の機能の処理が実行されてもよいし、1つの機能が複数のプログラムモジュールの連携で実現されてもよい。
ECサーバ3は、ウェブページデータ生成部3a、ウェブページ送信部3bを有する。
【0031】
ウェブページデータ生成部3aは、ウェブページをユーザ端末5に表示させるためのウェブページデータとして、動画を提示するサムネイル画像に関する処理をユーザ端末5に実行させるウェブページデータを生成する。サムネイル画像に関する処理とは、そのウェブページにおいてユーザ端末5のブラウザ上でスクロールが行われた場合に、スクロールに応じて、サムネイル画像の変化をユーザに視認させる表示制御処理である。
ウェブページ送信部3bは、ウェブページデータ生成部3aが生成したウェブページデータを要求元のユーザ端末5に送信する。
【0032】
このようなECサーバ3が提供するウェブページにおける本実施の形態の動画提示に関する動作を説明しておく。
本実施の形態では、ウェブページ上に掲載された動画をサムネイル画像により提示する。ユーザは、サムネイル画像等により動画に興味をもった場合、再生操作を行うことで、その動画を閲覧することができる。
従って再生中以外は、サムネイル画像が表示されることになるが、ウェブページのスクロールが行われた場合、そのスクロールに伴って、サムネイル画像の「動き」が視認されるようにする。
【0033】
図4にウェブページでの動画提示態様を示している。或るウェブページ50において動画掲載領域60に、サムネイル画像TM1が表示されて、動画が再生できることがユーザに提示されている。このサムネイル画像TM1上には再生ボタン61が表示され、ユーザはこの再生ボタン61のクリックにより動画を再生させることができる。
また動画掲載領域60には、一時停止、音量、ディスプレイモード等のための各種操作子や動画進行状況を提示するコントロール部62が設けられている。ウェブページ50にはスクロールバー51が用意され、ユーザはスクロール操作を行うことで、まだ表示されていない部分を含めてページ全体を閲覧していくことができる。
【0034】
ここで或るユーザが、
図4のウェブページ50を閲覧した際に、サムネイル画像TM1で示される動画に対して再生操作を行わずにページをスクロールさせたとする。その場合に、スクロールに応じて、サムネイル画像TM1が変化されるようにする。
例えば
図5Aのように、当該動画について複数のサムネイル画像TM1〜TM5を用意しておき、スクロールの進行に従って、これらのサムネイル画像TM1→TM2→TM3→TM4→TM5という順番に切り替えられるようにする。すると、この
図5Aの場合、商品の画像の角度が変化して擬似動画的なサムネイル画像の変化が視認される。
【0035】
また
図5Bは、1つのサムネイル画像TM1について、モザイク処理により画像の鮮明度を変化させる例である。例えば
図4のように当初は通常にサムネイル画像TM1を表示させるが、スクロールの進行に伴って、
図5Bに示す画像TM1−1→TM1−2→TM1−3→TM1−4というように、モザイク処理の粗さを変化させ、画像の鮮明度を落としていく。ユーザは、スクロールに従ってサムネイル画像TM1が見えにくくなっていくような状態を視認することになる。
【0036】
またこれらのスクロールの後、逆方向にスクロールがされた場合には、逆の順序でサムネイル画像を変化させるようにもする。
図5Aの場合、逆方向のスクロールでサムネイル画像TM5→TM4→TM3→TM2→TM1という順番で切り替わって、
図4のように元のスクロール位置に戻った状態で、サムネイル画像TM1で固定される。
図5Bの場合、逆方向のスクロールでサムネイル画像が徐々に鮮明になっていき、
図4のように元のスクロール位置に戻った状態で、サムネイル画像TM1が最も鮮明になる。
【0037】
以上は一例であるが、スクロールに応じてサムネイル画像の変化を生じさせることで、ウェブページ内のサムネイル画像をユーザに印象づけるようにする。
図5Aのように複数のサムネイル画像を切り替える場合、時系列的に連続するような画像とすれば、スクロールに応じて疑似動画的な表示、パラパラ漫画的な表示が行われる。もちろん連続性のない画像を切り替えてもよく、その場合、ユーザには画像の切替が高速に行われるような状態が観測されることになる。
図5Bのように鮮明度を変化させる場合、モザイクの粗さを変化させるほか、例えばフォーカスがぼけていくような画像処理を施したものとしてもよい。
またさらに、サムネイル画像の色彩を変化させてもよい。例えば通常のカラーからモノクロに近いように彩度を落としていったり、特定の色の色味が強くなるように変化させる。
また、輝度を変化させてもよいし、コントラスト、シャープネスを変化させてもよい。
また、色彩、輝度、コントラスト、シャープネス等の画像パラメータを複合的に変化させた画像を順次提示していくことも考えられる。
これら鮮明度を変化させたり、輝度、色彩等を変化させる場合、予め、それらのパラメータを変化させた複数のサムネイル画像を用意して、順次選択して表示させるようにしてもよいし、1つのサムネイル画像TM1について、ウェブページ上で表示させるときのパラメータを変更していくようにしてもよい。
【0038】
このようなサムネイル表示制御を行うための動画DB6eのデータ内容の例を説明する。
動画DB6eに記憶される情報例を
図6に示す。
動画DB6eには、ECサーバ3が提供する各種のウェブページに掲載する多数の動画が格納されている。
そして1つの動画毎に、
図6Aに示すように、例えば動画ID、商品情報、コンテンツ情報、動画データ、サムネイル情報が登録されている。
【0039】
動画IDは、個々の動画の識別情報である。
商品情報は、当該動画が紹介・宣伝する商品の商品ジャンル、サブジャンル、メーカー、価格など商品の各種属性情報である。なお、これは動画が商品動画の場合に設けられる情報である。
コンテンツ情報は、動画データの情報である。例えば再生時間、シーン数、カット数、解像度、編集情報などが含まれる。
動画データは、実際の動画映像として表示させるデータである。
サムネイル情報としては、当該動画データのサムネイル画像として生成された1又は複数のサムネイル画像(静止画)や、それらの各サムネイル画像に関連する情報が記憶される。
【0040】
サムネイル情報の内容の例を
図6Bに示す。この
図6Bは、
図5Aのように複数のサムネイル画像TM1〜TM5を1つの動画に対して用意する場合の例を示している。
サムネイル情報としては、サムネイル画像毎に、サムネイルIDが付されるとともに、順序情報が登録される。
サムネイルIDは、その動画について設定された複数のサムネイル画像の個々を識別する識別情報である。
順序情報は、上述のようにサムネイル画像TM1〜TM5を切り替えて表示させる場合に、切り替える順番を設定した情報である。
【0041】
サムネイル画像としての画像データ自体は、動画内容に即した画像とするためには、例えば動画データの1フレームを抽出して生成することが考えられる。
例えば動画データのx番目のフレームを抽出し、そのフレームの解像度を変換してサムネイル画像を生成することができる。フレーム抽出方式については多様な技術が公知である。
また
図5Aのような連続的な複数のサムネイル画像TM1〜TM5は、動画の或るフレームから所定フレーム間隔(例えば30フレーム間隔)などでフレームを抽出していって、それぞれのフレームの解像度を変換して作成することが考えられる。
また、特に疑似動画的な表示を目的としなければ、動画データにおいてシーンチェンジが生じた箇所を判定して、そのシーンチェンジ後のx番目のフレームを抽出するというような手法をとれば、それぞれ画像の内容が異なる複数のサムネイル画像を生成することができる。
また、動画以外からサムネイル画像を生成してもよい。例えば商品紹介用の動画の場合、その商品の商品ページに、当該商品の画像が掲載されていることが多い。それらの商品画像を用いてサムネイル画像を生成することで、商品の特徴をよく表現するサムネイル画像とすることができる。もちろん画像だけでなく、商品ページのテキストデータを抽出して、文字によるサムネイル画像を生成してもよい。
【0042】
ECサーバ3は、このような動画DB6eの情報を、ウェブページ送信とともにユーザ端末5に提供してもよいし、逐次ユーザ端末5からの要求に応じて送信してもよい。
【0043】
<3.第1の実施の形態のサムネイル表示動作>
第1の実施の形態のサムネイル表示動作について説明する。この例では、ウェブページのスクロールが行われる際に、スクロール位置(スクロールによる動画掲載領域60のブラウザ画面上における位置)に応じて、サムネイル画像を切り替えて表示させる例である。
【0044】
図7は或るウェブページ50における動画掲載領域60の表示位置を示している。表示範囲DPは、ユーザ端末5のブラウザ上で実際に表示されて、ユーザが視認している範囲とする。
ユーザ端末5がウェブページ50の表示を要求し、最初にそのウェブページ50がユーザ端末5に表示された時点の表示(ファーストビュー表示)において、動画掲載領域60の位置Rp(スクロール方向の位置)が、図のように基準位置P1であったとする。なお、動画掲載領域60の位置Rpは、この例では、その上辺の位置としているが、これは一例である。位置Rpは、動画掲載領域60の上下方向の中央の位置としてもよいし、下辺の位置としてもよい。或る1つの基準となる位置が設定されれば良い。
なお基準位置P1は、ファーストビューにおける表示位置として説明上、示しているものであって、基準位置P1が固定的に設定される必要はない。ウェブページ50のレイアウトによっては、基準位置P1は異なる位置となる。
【0045】
このようなファーストビュー表示の状態から順方向にスクロールが行われていくと、当該ウェブページ50の下方の内容が表示画面に現れてくる。これに応じて、動画掲載領域60は徐々に画面の上方に移動する。
スクロールが継続されると、その移動の過程で、動画掲載領域60の位置Rpは、変化位置P2,P3,P4,P5を順次通過する。
この変化位置P2,P3,P4,P5のそれぞれは、例えばブラウザ上の位置(表示範囲DP内の固定の位置)として、予め設定しておく。そして動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P2,P3,P4,P5に到達する度に、サムネイル画像を変更する。図の場合、最初にサムネイル画像TM1が表示されていたが、破線で示すように動画掲載領域60が画面上方に移動した時点では、サムネイル画像TM5に切り替わっている。
【0046】
図8で詳しく述べる。
図8において破線がウェブページ50の範囲としている。ウェブページ50において表示範囲DP内の部分が、ユーザに表示されている部分とする。
図8Aはウェブページ50のファーストビュー表示の状態で、ウェブページ50の線等部分が表示されており、その中に動画掲載領域60も含まれている。このとき、動画掲載領域60にはサムネイル画像TM1が表示されている。
図8Bは、ウェブページ50のスクロールが行われ、動画掲載領域60の位置(動画掲載領域60の位置とは
図7における位置Rp;以下同様)が変化位置P2を越えた或る時点を示している。このとき動画掲載領域60にはサムネイル画像TM2が表示されている。
図8Cは、さらにウェブページ50のスクロールが行われ、動画掲載領域60の位置が変化位置P3を越えた或る時点を示している。このとき動画掲載領域60にはサムネイル画像TM3が表示されている。
図8Dは、さらにウェブページ50のスクロールが行われ、動画掲載領域60の位置が変化位置P4を越えた或る時点を示している。このとき動画掲載領域60にはサムネイル画像TM4が表示されている。
図8Eは、さらにウェブページ50のスクロールが行われ、動画掲載領域60の位置が変化位置P5を越えた或る時点を示している。このとき動画掲載領域60にはサムネイル画像TM5が表示されている。
その後スクロールが続けられると、
図8Fのように動画掲載領域60は表示範囲DP外となる。
【0047】
このように、スクロールにより動画掲載領域60の位置Rpが表示されている範囲内で移動されていく過程で、サムネイル画像TM1〜TM5が切り替えられることで、ユーザにとっては、スクロール操作を行ったらサムネイル画像TM1が動き出したように感じられる。どの各変化位置(P2〜P5)でどの順番でサムネイル画像を切り替えるかは、動画DB6eの各サムネイル画像についての順番情報(
図6B参照)に従えばよい。
【0048】
ところで、ファーストビュー表示状態では、動画掲載領域60が表示されないウェブページ50の場合もある。即ちスクロールによって動画掲載領域60が出現してくる場合である。この場合は、
図9のように制御することが考えられる。
【0049】
図9Aは、ウェブページ50のファーストビュー表示の状態で、動画掲載領域60が表示されない例を示している。スクロールが行われることで、
図9B→
図9C→
図9D→
図9E→
図9Fのように表示範囲DP内となるページ部分が進行することで、動画掲載領域60が表示範囲DP内にあらわれてくる。この図では
図9Gまでの動画掲載領域60は、サムネイル画像TM1が表示されているものとしている。従って、サムネイル画像TM1がそのまま変化せずに出現し、ユーザに視認される。
さらに
図9Gからスクロールが進むと、動画掲載領域60の位置が変化位置P2を越える。
図9Hは動画掲載領域60の位置が変化位置P2を越えた或る時点を示している。このとき動画掲載領域60にはサムネイル画像TM2が表示されている。以降、
図9I、
図9J、
図9Kは、上述の
図8C、
図8D、
図8Eと同様に、変化位置P3,P4,P5に到達する毎に、サムネイル画像TM3,TM4,TM5が切り替えられていく。
さらにスクロールが進むと、動画掲載領域60は
図9Lのようにサムネイル画像TM5のまま、表示範囲DP外に移動する。
【0050】
このように、スクロールにより動画掲載領域60が出現する場合、画面上の変化位置P2に達するまでは、順番情報が先頭のサムネイル画像TM1がそのまま用いられる。そしてスクロールで上方へ画面外に向かって移動されるに従って、サムネイル画像が順番に変化される。
つまり
図8、
図9のいずれの場合も、当初はサムネイル画像TM1が表示されるが、スクロールによって表示範囲DPから外れる方向に移動され始めると、そのサムネイル画像TM1が変化するような動作となる。
【0051】
なお
図8,
図9は、
図5Aのように擬似的な動画を表示させる場合を例にして説明したが、
図5Bのように鮮明度を変化させることや、ボケ状態、輝度、色彩等を変化させる場合も同様である。つまり動画掲載領域60が変化位置P2,P3,P4,P5に到達する毎に、サムネイル画像を切り替えていくか、或いはサムネイル画像TM1の表示のためのパラメータを変化させることで、ユーザにサムネイル画像の変化を視認させる。
【0052】
さらに、以上では順方向のスクロール(ページを読み進める方向へのスクロール)の場合を述べたが、逆方向(ページの先頭に向かう)スクロールの場合には、逆の変化を行わせる。即ち、
図8Fから逆方向スクロールが行われて、
図8E→
図8Dと進む過程で、動画掲載領域60の位置(Rp)が変化位置P5に達したら、サムネイル画像TM5をサムネイル画像TM4に切り替える。さらに変化位置P4,P3,P2と到達する毎に、サムネイル画像TM3→TM2→TM1と変化させる。
図8Aの段階でページトップに達しているため、それ以上の逆方向スクロールはできない。従って逆方向のスクロールで、動画掲載領域60の表示は最初のサムネイル画像TM1の状態に戻る。
【0053】
また、
図9の場合、逆方向スクロールが
図9L→
図9K→
図9J→
図9I→
図9H→
図9Gと進行していく過程で、動画掲載領域60の位置が変化位置P5,P4,P3,P2に到達する毎に、サムネイル画像がTM5→TM4→TM3→TM2→TM1と変化されていく。その後、さらに逆方向スクロールが行われると、
図9F→
図9E→
図9Dのようにサムネイル画像TM1のまま動画掲載領域60が移動され、
図9C〜
図9Aのように動画掲載領域60は表示範囲DP外となる。
図9Aの段階でページトップに達しているため、それ以上の逆方向スクロールはできない。
以上のように、逆方向スクロールによってサムネイル画像が元の状態に戻っていき、さらに、戻った後はそのまま表示範囲DP外に移動する。
【0054】
従って
図8、
図9の例で示した第1の実施の形態の場合は、まず、ファーストビューで動画掲載領域60が表示される場合や、順方向スクロールで動画掲載領域60が出現する場合は、当初は最初のサムネイル画像TM1のままとされる。そして表示範囲DP外に向かって順方向スクロールが進行することに応じて表示が変化する。そのような変化が生じた後の逆方向スクロールによっては、変化が元に戻っていくように表示を変化させる。最初のサムネイル画像TM1に戻った後は、さらに逆方向スクロールが行われても、サムネイル画像TM1のままとされる。
【0055】
図10、
図11に第1の実施の形態の処理、即ちウェブページ50を表示させるユーザ端末5が実行する処理例を示す。なお上述したように、本例のECサーバ3は、これら
図10及び
図11に示す処理をユーザ端末5に実行させるウェブページデータを生成し、該ウェブページデータを要求元のユーザ端末5に対して送信するものである。なお
図10,
図11では、ウェブページ50のサムネイル画像の制御のみを示しているが、もちろんウェブページ50の閲覧にかかる処理として、図示及び言及しない多様な処理をユーザ端末5は実行することになる。
【0056】
図10のステップS101でユーザ端末5は、要求したウェブページ50についてのファーストビュー表示制御を行う。即ちECサーバ3から送信されてきたウェブページ50を表示する。以降、ユーザ端末5は、ウェブページ50に例えばJavaScript(ジャヴァスクリプト:登録商標)等のプログラミング言語で記述されたプログラムに基づいて動画掲載領域60のサムネイル表示制御を行う。
【0057】
ユーザ端末5はステップS102でスクロール中であるか否かを監視する。即ちユーザのスクロール操作に従って、ウェブページ50の画面をスクロールさせているか否かの監視である。
またユーザ端末5はステップS104でウェブページ50の閲覧を終了したか否かを監視している。ウェブページ50の閲覧を終了した場合は、当該
図10の処理を終える。
【0058】
順方向又は逆方向のスクロールが行われているときは、ユーザ端末5はステップS102からS103に進み、動画掲載領域60が変化位置に到達したか否かを判断する。即ち動画掲載領域60の位置Rpが、変化位置P2〜P5のいずれかに到達したか否かである。動画掲載領域60が表示範囲DP外にあるときや、表示範囲DP内ではあるが変化位置P2〜P5に到達していない場合はステップS105の処理を行わない。
変化位置P2〜P5のいずれかに到達したことを検出した際のみ、ユーザ端末5はステップS105でサムネイル画像の表示変更の処理を行う。
【0059】
このステップS105のサムネイル画像の表示変更処理の詳細を
図11に示す。
なお、
図11における第1〜第5サムネイル画像とは、動画DB6eにおいて順序情報(
図6B参照)が1番目〜5番目として登録された各サムネイル画像であったり、或いは異なる画像パラメータの設定が与えられたサムネイル画像を指す。
例えば第1〜第5サムネイル画像とは、
図5Aの場合、サムネイル画像TM1〜TM5に相当する。
図5Bの例でいえば、第1〜第5サムネイル画像とは、サムネイル画像TM1、TM1−1、TM1−2、TM1−3、TM1−4となる。
【0060】
まずユーザ端末5はステップS151で現在のスクロールが順方向スクロールか逆方向スクロールかを判断して処理を分岐する。
順方向スクロールの場合、ステップS152〜S155により、到達した変化位置が変化位置P2〜P5のいずれであるかを判断する。
動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P2に到達したことを検知した場合、ユーザ端末5はステップS156で、サムネイル画像を第2サムネイル画像に変更する処理を行う。
動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P3に到達したことを検知した場合、ユーザ端末5はステップS157で、サムネイル画像を第3サムネイル画像に変更する処理を行う。
動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P4に到達したことを検知した場合、ユーザ端末5はステップS158で、サムネイル画像を第4サムネイル画像に変更する処理を行う。
動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P5に到達したことを検知した場合、ユーザ端末5はステップS159で、サムネイル画像を第5サムネイル画像に変更する処理を行う。
【0061】
逆方向スクロールの場合、ステップS161〜S164により、到達した変化位置が変化位置P2〜P5のいずれであるかを判断する。
動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P5に到達したことを検知した場合、ユーザ端末5はステップS168で、サムネイル画像を第4サムネイル画像に変更する処理を行う。
動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P4に到達したことを検知した場合、ユーザ端末5はステップS167で、サムネイル画像を第3サムネイル画像に変更する処理を行う。
動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P3に到達したことを検知した場合、ユーザ端末5はステップS166で、サムネイル画像を第2サムネイル画像に変更する処理を行う。
動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P2に到達したことを検知した場合、ユーザ端末5はステップS165で、サムネイル画像を第1サムネイル画像に変更する処理を行う。
【0062】
以上の処理により、
図8や
図9で説明した表示動作が行われる。例えばウェブページ50を閲覧しているユーザが順方向スクロール操作を行って、動画掲載領域60の位置Rpを変化位置P2,P3,P4,P5に到達させる毎に、サムネイル画像の表示状態が変化する。例えばサムネイル画像が疑似動画的に変化したり、鮮明度、色合い、輝度等が変化する。これによりユーザが、スクロールの過程でサムネイル画像に注目する可能性が高まる。
【0063】
<4.第2の実施の形態のサムネイル表示動作>
第2の実施の形態の処理例を
図12で説明する。
スクロールの速度は、ユーザの操作によるものとなる。例えばスクロールバー51で操作を行う場合、非常に速く操作するユーザもいる。
この場合に、第1の実施の形態のように変化位置P2〜P5でサムネイル画像を変化させるだけでは、各サムネイル画像が見づらくなる。また速いスクロールをされた場合、動画掲載領域60もそれだけ速く表示範囲DP外に達してしまうため、あまり多数のサムネイル画像を変化させても、逆に見づらくなるということも想定される。
そこで第2の実施の形態では、1つのサムネイル画像は、必ず一定時間以上は表示されるようにしたものである。
【0064】
図12のユーザ端末5の処理において
図10と同一の処理は同一のステップ番号を付して説明を省略する。
図10と異なる点は、ステップS103で動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P2〜P5のいずれかに到達した際に、ステップS110の判断を行うことである。
ステップS110でユーザ端末5は、現在のサムネイル画像の表示状態が所定時間以上経過しているか否かを判断する。
例えば或るサムネイル画像から現在のサムネイル画像に切り替えられた場合は、その切り変えられた時点から現在までの時間が所定時間以上経過しているか否かを判断する。また、現在のサムネイル画像がスクロールにより出現した場合は、表示範囲DP内に出現した時点から現在までの時間が所定時間以上経過しているか否かを判断する。
なお、この判断のためにユーザ端末5では、サムネイル画像の切り替え時点又は出現時点をトリガとしてのタイムカウントを行っている。
所定時間とは、人が1つの画像を認識するのに必要な時間を想定して決めるとよい。例えば1秒程度が考えられる。
【0065】
そしてユーザ端末5の処理は、ステップS110で所定時間以上経過していると判断した場合のみ、ステップS105に進む。ステップS105では、例えば上述の
図11の処理でサムネイル画像の表示変更の処理を行う。
従ってこの第2の実施の形態の場合、動画掲載領域60の位置Rpが変化位置P2〜P5のいずれかに到達しても、それまでのサムネイル画像の表示状態が所定時間以上となっている場合のみ、表示状態が変更される。従って例えば素早いスクロールが行われた場合は、サムネイル画像TM1→TM4などと変化され、そのまま表示範囲DP外となるようなことも生じる。例えば変化位置P4に到達したときに初めてサムネイル画像TM1の表示状態が所定時間以上となったような場合である。
【0066】
<5.第3の実施の形態のサムネイル表示動作>
第3の実施の形態は、スクロールに伴って、動画の低速再生(1倍速未満の再生速度の再生)や、極低速再生(例えば1/2倍速以下の再生速度の再生)を実行させ、その低速再生動画をサムネイルとして利用する例である。
【0067】
図13でサムネイル画像の変化を説明する。
図13Aは、ウェブページ50内の動画掲載領域60を含む範囲が表示範囲DP内となっている様子を示している。動画掲載領域60にはサムネイル画像TM1が表示されている。
表示範囲DPには、
図7に示す変化開始位置P2mが設定されているとする。この変化開始位置P2mは、動画低速再生を開始させる位置である。
【0068】
図13Bは、順方向スクロールによって動画掲載領域60の位置(Rp)が変化開始位置P2mを越えた状態を示している。動画掲載領域60が変化開始位置P2mに到達した時点から動画低速再生が開始される。従って
図13Bの時点では再生画像MVがサムネイル画像として用いられている。
以降
図13C、
図13D、
図13Eとスクロールが進む間も、再生画像MVが表示される。
図13Fの段階で動画掲載領域60は表示範囲DP外となる。
【0069】
その後、逆方向スクロールによって
図13Gのように動画掲載領域60が表示範囲DP内に現れるときは、再生画像MVが表示されている。そのまま
図13H、
図13I、
図13Jと逆方向スクロールが行われる間も、再生画像MVが表示される。その後、動画掲載領域60が変化開始位置P2mに到達すると、元のサムネイル画像TM1に切り替えられる。
図13K、
図13Lは動画掲載領域60にサムネイル画像TM1が表示されている状態を示している。
なお、さらに逆方向スクロールが行われると、動画掲載領域60は表示範囲DPの下方に移動して、その後表示範囲DP外となるが、その際は、例えばサムネイル画像TM1のままとすることが考えられる。
【0070】
このような第3の実施の形態の処理例を
図14で説明する。
ECサーバ3は、
図14に示す処理をユーザ端末5に実行させるウェブページデータを生成し、該ウェブページデータを要求元のユーザ端末5に対して送信することで、ユーザ端末5ではウェブページ閲覧時に以下の処理を実行することになる。
【0071】
図14のステップS201でユーザ端末5は、要求したウェブページ50についてのファーストビュー表示制御を行う。即ちECサーバ3から送信されてきたウェブページ50を表示する。以降はユーザ端末5は、ウェブページ50に記述されたプログラムに基づいて動画掲載領域60のサムネイル表示制御を行う。
【0072】
ユーザ端末5はステップS202で順方向スクロール中であるか否かを監視する。即ちユーザのスクロール操作に従って、ウェブページ50の画面を順方向スクロールさせているか否かの監視である。
またユーザ端末5はステップS203で逆方向スクロール中であるか否かを監視する。即ちユーザのスクロール操作に従って、ウェブページ50の画面を逆方向スクロールさせているか否かの監視である。
またユーザ端末5はステップS204でウェブページ50の閲覧を終了したか否かを監視している。ウェブページ50の閲覧を終了した場合は、当該
図14の処理を終える。
【0073】
順方向スクロールが行われているときは、ユーザ端末5はステップS202からS205に進み、動画掲載領域60の位置Rpが変化開始位置P2mに到達したか否かを判断する。動画掲載領域60が表示範囲DP外にあるときや、表示範囲DP内ではあるが変化開始位置P2mに到達していない場合は、ステップS206の処理を行わない。
【0074】
順方向スクロールにより動画掲載領域60が変化開始位置P2mに到達したことを検出した際には、ユーザ端末5はステップS206で動画低速再生を開始させる処理を行う。ユーザ端末5は必要に応じてECサーバ3と通信を行い、動画データの各フレームデータを受信し、ウェブページ50上で表示させる。
ここで開始させる動画低速再生は、その動画自体を通常速度よりも遅い速度で再生させるものであり、その再生開始フレームは、必ずしも限定されない。例えば動画の先頭フレームから低速再生を開始させても良いし、動画の途中の任意のフレームから開始させてもよい。
【0075】
但し、望ましくは、サムネイル画像TM1の元となったフレーム(もしくはその次のフレーム)から動画再生を開始させると良い。即ちサムネイル画像TM1を生成元となった動画のフレームナンバを記憶しておく。例えば動画DB6eのサムネイル情報として、フレームナンバを登録しておく。そしてステップS206では、そのフレームもしくは次のフレームを再生開始位置として低速再生を実行させる。
すると、サムネイル画像TM1が、スクロールに応じてゆっくり動き出したかのようにユーザに見せる表示を実現できる。
【0076】
なおユーザ端末5もしくはECサーバ3は、動画低速再生を開始した以降は、常に現在のフレームナンバを記憶する処理を行うようにする。これは逆方向スクロール時のリバース再生の開始位置を決めるためである。
【0077】
順方向スクロール中であって、動画掲載領域60が変化開始位置P2mに到達したことを検知したとき以外は、ユーザ端末5の処理はステップS207に進む。ステップS207では、動画掲載領域60が順方向スクロールの進行によって表示範囲DP外に到達したか否かを判断する。
動画掲載領域60が、表示範囲DP外に到達していない期間や、そもそもまだ表示範囲DPに現れていない期間は、特に表示制御は行わない。
動画掲載領域60が、順方向スクロールによって表示範囲DP外に達し、表示されなくなった場合は、ユーザ端末5の処理はステップS208に進み、動画低速再生を終了させる。
【0078】
逆方向スクロールが行われているときは、ユーザ端末5はステップS203からS210に進み、まず現在のスクロール位置が、変化開始位置P2mを越えた範囲であるか否かを判断する。つまり順方向スクロールによって動画掲載領域60が変化開始位置P2mを越えて後に行われる逆方向スクロールであって、まだ変化開始位置P2mまで戻っていない状態であるか否かである。
これに該当しない場合は、動画掲載領域60にサムネイル画像TM1が表示されている状態、もしくはサムネイル画像TM1のままで表示範囲DP外となっている状態である。それらの場合は、特に表示制御は行わない。
【0079】
現在の逆方向スクロールが、変化開始位置P2mを越えた範囲で行われているときは、ユーザ端末5の処理はステップS211に進み、動画掲載領域60が表示範囲DP内に到達していると検知したか否かで処理を分岐する。逆方向スクロールの開始時点で動画掲載領域60が表示範囲DP内にあると検知したとき、又は逆方向スクロールによって動画掲載領域60が表示範囲DP内に入ってきたことを検知したときのみ、ユーザ端末5の処理はステップS212に進み、低速再生の際に記憶した最後のフレームナンバのフレームからの動画の低速リバース再生を開始させる。
つまり、順方向スクロールによって行われた低速再生が、同じく低速で巻き戻されるような再生を開始させる。
【0080】
上記の低速リバース再生開始時点以外は、ユーザ端末5の処理はステップS211からS213に進む。そして動画掲載領域60の位置Rpが変化開始位置P2mに到達したか(つまり変化開始位置P2mまで戻ったか)否かを判断する。動画掲載領域60が表示範囲DP外にあるときや、表示範囲DP内ではあるが変化開始位置P2mに到達していない場合は、ステップS212やS214は行わない。
【0081】
逆方向スクロールにより動画掲載領域60が変化開始位置P2mに到達したことを検出した際には、ユーザ端末5はステップS214で動画低速リバース再生を終了させ、サムネイル画像TM1に切り替える処理を行う。
【0082】
以上の処理により
図13で説明したような表示動作が行われる。
即ち順方向スクロールによって動画掲載領域60が変化開始位置P2mに達した後は、表示範囲DP外となるまでの間、サムネイル画像TM1に代えて低速再生画像が表示される。この場合、サムネイル画像TM1がスクロールに応じて動き出したかのような印象をユーザに与えることができるため、サムネイル画像や動画自体への関心を喚起できる。
【0083】
またその後に逆方向スクロールが行われると、低速再生で進行した動画が、サムネイル画像TM1のフレームまで戻るような表示が行われ、これもユーザの関心を引きつけることに好適となる。
なお、順方向スクロールや逆方向スクロールはあくまでもユーザ操作によって行われるもので、スクロール速度も一定していない。逆方向スクロールのときに低速リバース再生画像を行っても、スクロール速度が順方向スクロールのときと必ずしも同じではないので、低速再生の開始フレームまでは戻らない、或いは行き過ぎることもある。しかしながら、この場合の低速再生や低速リバース再生は、あくまでもサムネイル画像の代わりに用いて、あたかもサムネイル画像が動き出したかのような視覚効果を与えるものであるため、再生位置を厳密に管理する必要はない。
【0084】
図13,
図14の説明では、再生画像MVは、低速再生としたが、低速再生の再生速度は多様に考えられる。
また低速再生ではなく、高速再生(1倍速を越える速度での再生)を行うようにすることも考えられる。
高速再生の場合、サムネイル画像TM1が素早く動くような視覚効果を与えることで、サムネイル画像、ひいては動画へのユーザの関心を引くことができる。
但し本実施の形態では、低速又は高速の変速再生画像を、あくまでサムネイル画像TM1の代わりとして用いて、動画再生前の時点でユーザに関心を持たせることを目的とするため、通常再生(1倍速再生)を用いるようにはしないことが望ましい。
また通常、動画再生のときは再生音声も出力されるが、サムネイル画像に代える変速再生動画の際は、音声出力を実行させないことが好適である。あくまで実施の形態の処理は、ユーザが再生操作を行った際に再生される動画を対象とし、画面上で自動的に再生される動画を対象とするものではない。ユーザが再生操作を行う前に音声を出力させることは、ユーザにとって煩わしく感じさせる恐れもあるためである。
またこれを別の視点で見れば、音声再生をさせないためにも、通常は音声がミュートされる変速再生とすることが適しており、処理も容易となる。
【0085】
また上記例では、逆方向スクロールの際の動画の低速リバース再生の開始フレームは、必ずしも限定されない。例えば動画の終端フレームから低速リバース再生を開始させても良いし、動画の途中の任意のフレームから開始させてもよい。
さらには、逆方向スクロールの場合に低速リバース再生ではなく、通常の再生進行方向での低速再生や高速再生が行われるようにしてもよい。
【0086】
<6.まとめ及び変形例>
以上の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
実施の形態のECサーバ3(情報処理装置)は、再生可能な動画をサムネイル画像で提示する動画付きのウェブページをユーザ端末5に表示させるためのウェブページデータとして、スクロールが行われた場合に、スクロールに応じて、サムネイル画像の変化を視認させる表示制御処理をユーザ端末5に実行させるウェブページデータを生成するウェブページデータ生成部3aと、ウェブページデータ生成部3aが生成したウェブページデータを要求元のユーザ端末5に送信するウェブページ送信部3bとを備える。
即ちウェブページ上で動画をサムネイル画像により提示する場合に、そのウェブページのスクロールが行われた場合、サムネイル画像の変化をユーザに視認させるようにしている。
人間はページ内の動く部分、変化する部分に傾向がある。そこでサムネイル画像の変化により、ユーザに視覚的に動画掲載をアピールし、情報量の多い動画再生を促すことができる。つまりウェブページ上で或る動画を提示するサムネイル画像が、スクロールに応じて変化することで、ユーザの目に止まり易くなる。これらにより動画再生を促進し、ユーザへの情報提供を活発化できる
またユーザにとっては、スクロールに応じて、サムネイル画像の変化を認識することになるため、新鮮なページ感を演出できるという効果もある。
さらにはユーザ端末5で表示されるウェブページの画面領域として、動画掲載領域60の表示効果を高めた動画提示方式となり、限られた表示面積を持つ表示デバイスの有効利用を実現するという効果もある。
【0087】
また第1、第2、第3の実施の形態のように、順方向スクロールで、画面上部に向かって移動するときにサムネイル画像を変化させることで、それまで止まっていたサムネイル画像が動き出すような視覚効果を与えることができる。つまり常時変化するわけではなく、静止画像の状態で出現したサムネイル画像TM1が、さらに順方向スクロールで画面上方に変位していく際に変化するという動作であることで、ユーザへのアピール力を強めることができる。
なお、例えば
図9A〜
図9Fのように順方向スクロールで動画掲載領域60が表示範囲DPに現れてくるときには、サムネイル画像TM1が変化しない例としたが、この場合も、変化させるようにすることも考えられる。
【0088】
また実施の形態では、スクロールに応じて、疑似動画を形成する複数の画像としての複数のサムネイル画像TM1〜TM5を切り替えて表示させる処理を行う。
即ち、スクロールの進行に伴ってサムネイル画像が変化していくようにユーザに視認させる場合に、時系列的に変化する画像の複数のサムネイル画像をスクロールの進行に伴って切り替えていくことで疑似動画的な表示、例えばパラパラ漫画的な表示を行う。
このようにサムネイル画像を動的に表示することで、ユーザに対する動画掲載のアピール性を高めることができる。加えて、擬似的な動画によりスクロールの過程で動画内容を大まかに紹介することで、ユーザの興味をより強く喚起し、動画再生の可能性を高めることが期待される。
【0089】
またスクロールに応じて、サムネイル画像の鮮明度を変化させる処理を行うことも述べた。例えばスクロールの進行に伴ってサムネイル画像の解像度、フォーカス具合、モザイク化の度合い等を変化させる。
サムネイル画像の鮮明度の変化によりユーザの注意を引くことができる。
またサムネイル画像の鮮明化をゲーム感覚でスクロール位置を調整するような動機付けを行うことで、動画再生の可能性を向上させることが期待できる。例えば基準位置P1の時に最も鮮明とし、上下方向へのスクロール移動が大きくなるほど、鮮明度が低下するようにすれば、スクロール位置を調整してサムネイルを見ようというユーザの意欲を刺激できる。
【0090】
またスクロールに応じて、サムネイル画像の色彩、輝度、コントラスト、シャープネスのいずれかを変化させる処理を行うことを述べた。スクロールの進行に伴ってサムネイル画像のパラメータとして色彩、輝度、コントラスト、シャープネスのいずれか1つ或いは複数を変化させることで、サムネイル画像の見た目の変化によりユーザの注意を引くことができる。この場合、サムネイル画像としては1つだけ用意して、その表示の際のパラメータを変化させるという処理も可能である。
【0091】
また第3の実施の形態では、サムネイル画像TM1を対応する動画内の1フレームから生成されたものとし、サムネイル画像TM1を、スクロール位置に応じて、即ち動画掲載領域60が変化開始位置P2mに達したか否かに応じて、動画のフレームからの低速再生画像に切り替えて表示させる。即ち極低速の再生動画をサムネイル画像TM1の代わりとして用いる。
このようにすると、スクロールに応じてサムネイル画像TM1がゆっくり動くような表示が可能となる。これにより動画に対するユーザの注意を引きつけることができ、動画再生の可能性を高めることが期待される。
【0092】
また第1の実施の形態では、スクロール位置に応じて、異なるサムネイル画像(例えばTM1〜TM5)を切り替えて表示させる。
この場合、スクロール位置、即ち動画掲載領域60の画面上の位置と変化位置P2〜P5の位置関係に応じて対応するサムネイル画像を選択するという容易な処理でサムネイル画像の変化をユーザに視覚的に認識させることができる。
またスクロール位置に対応することで、順方向、逆方向のスクロールに応じてサムネイル画像の変化の順が、順方向、逆方向となる。従って、順方向スクロールで変化したサムネイル画像が逆方向スクロールで戻っていくような表示となり、ユーザへのアピール性を高めることができる。
またスクロール量に応じた表示の変化を行うことができる。
実施の形態では5つのサムネイル画像TM1〜TM5を切り替える例を挙げたが、5つとしたのは一例にすぎない。用いるサムネイル画像の数は4個以下でも6個以上でもよい。
【0093】
また第2の実施の形態では、スクロールに応じてサムネイル画像を切り替える場合に、1つのサムネイル画像が少なくとも所定時間以上、表示されるように切替タイミングを制御している。つまり表示されたサムネイル画像は、少なくとも所定時間(例えば1秒など)表示されるようにする。
各サムネイル画像のそれぞれをユーザに視認させ、画像内容をわかりやすくする。これによりサムネイル画像により提示されている動画の内容もユーザにわかりやすくできる。
【0094】
スクロールに応じたサムネイル画像の変化の態様は実施の形態の例に限らず多様である。
例えば順方向スクロールの場合のみサムネイル画像を変化させ、逆方向スクロールの場合は固定のサムネイル画像として変化させない例も考えられる。その逆でもよい。
また、スクロールによって動画掲載領域60が表示範囲DPに現れるときに、サムネイル画像が変化しながら出現するようにすることも考えられる。
【0095】
本発明は実施の形態のECシステムに限られず、ウェブページ上に動画を掲載する場合,特にサムネイル画像により動画を提示する場合に適用できる。
例えば動画コンテンツを有料又は無料で視聴提供するサービスのウェブページ、ニュース動画を提供するサービスのウェブページなどであって、ユーザの要求(再生操作)に応じて動画を視聴させるウェブページの提供を行うシステムにおいて本発明は広く適用できる。
【0096】
<8.プログラム及び記憶媒体>
実施の形態のプログラムは、ECサーバ3の処理を情報処理装置(CPU等)に実行させるプログラムである。
実施の形態のプログラムは、再生可能な動画をサムネイル画像で提示する動画付きのウェブページを端末装置に表示させるためのウェブページデータとして、スクロールが行われた場合に、スクロールに応じて、サムネイル画像の変化を視認させる表示制御処理を前記端末装置に実行させる前記ウェブページデータを生成するステップと、生成した前記ウェブページデータを要求元の端末装置に送信するステップと、を情報処理装置に実行させるプログラムである。
【0097】
このようなプログラムにより上述したECサーバ3としての情報処理装置を実現できる。
そしてこのようなプログラムはコンピュータ装置等の機器に内蔵されている記憶媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記憶しておくことができる。あるいはまた、半導体メモリ、メモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどのリムーバブル記憶媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記憶)しておくことができる。またこのようなリムーバブル記憶媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記憶媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
ウェブページ上で商品紹介等のための動画コンテンツをサムネイル画像により提示する。この場合に、ウェブページのスクロールに応じてサムネイル画像の変化を視認させる表示制御処理が端末装置において実行されるようにしたウェブページデータを生成、送信する。例えばスクロールに応じてサムネイル画像を切り替えたり、画像処理効果を変化させる。これによりスクロールに応じてサムネイルが動くように視認されるようにして、ユーザの注意を引きつける可能性を高める。