(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0011】
図1を参照して、本発明に係る実施の形態の装置構成を説明する。
図1は、本実施の形態の売上データ処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0012】
売上データ処理装置10は、レストラン、居酒屋等の飲食店や、個人商店等の店舗に設置されたECR(電子キャッシュレジスタ)である。ここでは、売上データ処理装置10が、レストラン△△に設置されている例を説明するが、これに限定されるものではない。
【0013】
売上データ処理装置10の設置店舗は、顧客の飲食時の買い上げ金額に応じてスタンプを発行する。所定数(満点スタンプ数)設けられたスタンプ欄に、買い上げ金額に応じた数のスタンプのキャラクタが押されていく。しかし、店員が顧客に手渡した台紙にスタンプを押すものではなく、売上データ処理装置10が、押したスタンプのキャラクタと、満点スタンプ数までの残りの数のスタンプ欄のキャラクタとをレシートに印刷する。残りのスタンプ欄がなくなると、売上データ処理装置10がクーポンを印刷し、そのクーポンが顧客に手渡される。
【0014】
クーポンは、店舗で使用できる所定金額に交換できるものとして説明するが、景品や、他のサービス等に交換可能なものとしてもよい。また、クーポンは、店舗が発行するメールマガジン(メルマガ)登録有無の申請に用いる情報を含む。
【0015】
図1に示すように、売上データ処理装置10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、ROM(Read Only Memory)15と、通信部16と、記憶部17と、印刷部18と、ドロア19と、識別情報入力部としてのスキャナ部20と、計時部21と、を備える。売上データ処理装置10の各部は、バス22を介して互いに接続されている。
【0016】
CPU11は、売上データ処理装置10の各部を制御する。CPU11は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM15から読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0017】
CPU11は、スタンプ会計プログラム151に従い、通常の会計処理を行い、買い上げ金額に応じた顧客の現在のスタンプ数を算出し、会計情報とともに、現在のスタンプ数のスタンプのキャラクタと、満点スタンプ数までの残りの数のスタンプ欄のキャラクタとを印刷部18にレシートへ印刷させ、現在のスタンプ数が満天スタンプ数以上になると印刷部18にクーポンを印刷させる。
【0018】
また、CPU11は、第1の顧客情報登録プログラム152に従い、顧客が使用したクーポンに記載された顧客の情報の入力を受け付けて記憶部17に記憶する。
【0019】
また、CPU11は、第2の顧客情報登録プログラム153に従い、クーポンのQR(Quick Response)コード(登録商標)に応じて顧客のユーザ端末2で作成されて送信されたメールを受信して顧客の情報を取得して記憶部17に記憶する。
【0020】
操作部12は、表示部14の画面上に形成されたタッチパネルであり、ユーザからのタッチ入力に応じた操作情報をCPU11に出力する。操作部12は、英数字等の文字、各種機能等のキータッチ入力の受け付けが可能である。また、操作部12は、英数字等の文字、各種機能等のキー入力を受け付ける複数のキーを備える構成としてもよい。
【0021】
RAM13は、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及び各種プログラムを格納するワークエリアを有する。
【0022】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示パネルを備える表示部であり、CPU11から入力される表示情報に応じて表示パネルに各種表示を行う。
【0023】
ROM15は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用の半導体メモリである。ROM15には、スタンプ会計プログラム151、第1の顧客情報登録プログラム152、第2の顧客情報登録プログラム153が記憶されている。
【0024】
通信部16は、通信ネットワークNに通信接続するためのネットワークカード等の通信部である。CPU11は、通信部16を介して、通信ネットワークNに接続された機器と通信が可能である。
【0025】
通信ネットワークNは、インターネット等のネットワークである。ユーザ端末2は、顧客が所有する端末であり、通信ネットワークNに通信接続されている。ユーザ端末2は、少なくとも2次元コード(QRコード)の読み取り機能及びメール送受信機能を有する機器であり、例えば、携帯電話機、スマートフォン等の端末装置である。
【0026】
記憶部17は、情報を読み出し及び書き込み可能に記憶するフラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又は電池でバックアップされたRAM等の不揮発性のメモリである。記憶部17は、後述する設定情報テーブル30、顧客データベース40を記憶する。
【0027】
印刷部18は、用紙に情報を印刷するサーマルプリンタ等の印刷部である。印刷部18は、CPU11の指示に従い、印刷情報を用紙としてのロール紙に印刷する。また、印刷部18は、印刷後にロール紙をカットして出力する機構を有する。
【0028】
ドロア19は、金銭や商品券を格納する引き出し部及びその開放機構を有し、CPU11の指示に従い、開放機構により引き出し部を開放する。ドロア19が開放した引き出し部は、店員が手動で閉める。
【0029】
スキャナ部20は、一次元のバーコードのスキャナであり、バーコードを読み取り、そのバーコードの2値化したイメージデータをCPU11に出力する。スキャナ部20は、例えば、レーザスキャナとするが、バーコードを撮像するイメージスキャナとしてもよい。CPU11は、スキャナ部20から出力されたイメージデータをデコードして、バーコードに含まれているコード情報を得る。
【0030】
計時部21は、計時回路を備え、計時回路により計時した現在の日時情報をCPU11に出力する。
【0031】
次に、
図2及び
図3を参照して、記憶部17に記憶される情報を説明する。
図2は、設定情報テーブル30の構成を示す図である。
図3は、顧客データベース40の構成を示す図である。
【0032】
図2に示す設定情報テーブル30は、記憶部17に記憶され、スタンプに関する設定情報を有するテーブルである。設定情報テーブル30は、設定名31と、設定値32と、の項目を有する。
【0033】
設定名31は、スタンプ算出方法、クーポン印刷方法、スタンプ発行金額、満点スタンプ数、スタンプ倍率、スタンプマトリックス(横)、スタンプマトリックス(縦)、スタンプ塗りつぶしキャラ、である。設定値32は、設定名31の各設定の値である。
【0034】
設定名31のスタンプ算出方法は、スタンプ数の算出方法を示し、設定値32が0でスタンプ数を会計の都度算出する(スタンプ発行に満たない買い上げ金額の端数が出た場合に切り捨てる)方法を示し、1でスタンプ数を会計の買い上げ累計金額に応じて算出する(スタンプ発行に満たない買い上げ金額の端数が次回のスタンプ数算出に使用される)方法を示す。
【0035】
設定名31のクーポン印刷方法は、クーポンの印刷方法を示し、設定値32が0でQRコード印刷を行わないクーポン印刷方法を示し、1でQRコード印刷を行うクーポン印刷方法を示す。QRコード印刷をする場合は、メルマガ登録有無を選択するための2つのQRコードがクーポンに印刷される。
【0036】
設定名31のスタンプ発行金額は、1個のスタンプを発行する買い上げ金額を示し、設定値32は、その買い上げ金額の値を示す。設定名31の満点スタンプ数は、台紙の全てのスタンプ欄の数を示し、設定値32は、そのスタンプ欄の数値を示す。満点スタンプ数のスタンプが発行されると、1つのクーポンが発行される。
【0037】
設定名31のスタンプ倍率は、店舗のサービス期間等に発行するスタンプ数を変更する倍率を示し、設定値32は、その倍率の値を示す。スタンプ倍率は、例えば、2倍サービスデーに2倍に設定される。設定名31のスタンプマトリックス(横)は、レシートに印刷するスタンプ欄のマトリックスの横方向の列数を示し、設定値32は、その列数の値を示す。設定名31のスタンプマトリックス(縦)は、レシートに印刷するスタンプ欄のマトリックスの縦方向の行数を示し、設定値32は、その行数の値を示す。
【0038】
設定名31のスタンプ塗りつぶしキャラは、スタンプ欄に押されたスタンプを示すキャラクタを示し、設定値32は、そのキャラクタを示す。スタンプ塗りつぶしキャラは、“■”に限定されるものではなく、 “★”等の他の既存のキャラクタや、店員等が任意にデザインしたキャラクタとしてもよい。なお、スタンプ欄のキャラクタも、スタンプのキャラクタと同様に、任意に設定可能であるものとする。
【0039】
設定情報テーブル30の設定値32は、予め設定されているものとするが、操作部12を介する管理者からの設定変更入力に応じて変更可能である。
【0040】
図3に示す顧客データベース40は、記憶部17に記憶され、顧客に関する情報のデータベースである。顧客データベース40は、顧客コード41と、コード情報42と、顧客名43と、買い上げ累計金額44と、現在のスタンプ数45と、発行済クーポン数46と、回収済クーポン数47と、メールアドレス48と、メルマガ希望有無49と、端数50と、の項目を有する。
【0041】
顧客コード41は、顧客の識別情報である。コード情報42は、顧客コード41の顧客の会員カードに印刷されたバーコードに埋め込まれたコード情報である。顧客名43は、顧客コード41の顧客の名前である。買い上げ累計金額44は、顧客コード41の顧客の買い上げ金額の累計値である。現在のスタンプ数45は、顧客コード41の顧客の現在のスタンプ数である。発行済クーポン数46は、顧客コード41の顧客の発行済クーポン数である。回収済クーポン数47は、顧客コード41の顧客の回収済クーポン数である。メールアドレス48は、顧客コード41の顧客のメールアドレスである。
【0042】
メルマガ希望有無49は、顧客コード41の顧客のメルマガ希望有無を示す情報であり、“有”又は“無”が設定される。端数50は、顧客コード41の顧客のスタンプ発行に満たない買い上げ金額を示す端数である。
【0043】
次に、
図4〜
図11を参照して、売上データ処理装置10の動作を説明する。
図4は、スタンプ会計処理を示すフローチャートである。
図5は、スタンプ会計処理のクーポン印刷処理を示すフローチャートである。
図6は、会員カード60を示す図である。
図7は、スタンプ付レシート70を示す図である。
図8は、QRコード無しのクーポン80を示す図である。
図9は、QRコード付きのクーポン80Aを示す図である。
図10は、第1の顧客情報登録処理を示すフローチャートである。
図11は、第2の顧客情報登録処理を示すフローチャートである。
【0044】
売上データ処理装置10が設置された店舗では、会員制度が導入されており、会員になることを希望した顧客に、店員から会員カード60が手渡される。
【0045】
図6に示すように、会員カード60は、名前欄61と、バーコード62と、を有する。名前欄61は、顧客が名前を記入する欄である。バーコード62は、複数の会員カード60で互いに異なる識別情報としてのコード情報が埋め込まれたバーコードである。バーコード62のコード情報が、顧客データベース40のコード情報42に格納されている。顧客データベース40のレコード数は、会員カード60の発行数に対応する。
【0046】
先ず、
図4〜
図9を参照して、売上データ処理装置10で実行されるスタンプ会計処理を説明する。スタンプ会計処理は、通常の会計処理を行い、その会計情報とともに、現在のスタンプ数のスタンプのキャラクタと、満点スタンプ数までの残りの数のスタンプ欄のキャラクタとをレシートに印刷し、現在のスタンプ数が満天スタンプ数以上になるとクーポンを印刷する処理である。売上データ処理装置10において、例えば、電源がオンされたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開されたスタンプ会計プログラム151と協働で、スタンプ会計処理を実行する。
【0047】
図4に示すように、先ず、CPU11は、通常の会計処理を行う(ステップS11)。なお、ステップS11は、操作部12を介して通常の会計処理のための操作入力が開始されたことをトリガとして実行されるものとする。
【0048】
ステップS11の通常の会計処理では、CPU11は、操作部12を介して店員からの顧客の飲食したメニュー及びその数量の入力を受け付け、税金、買い上げ金額を算出して表示部14に表示し、操作部12を介して店員からの顧客から預かったお金の金額の入力を受け付け、お釣りを算出し、印刷部18に、レシートの用紙へ、メニュー、数量、税金、買い上げ金額、預かり金額、お釣り等の会計情報を店舗情報とともに印刷させ、ドロア19の引き出し部を開放する。この時点で、レシートはカットされない。店員は、顧客が支払ったお金をドロア19の引き出し部に入れ、お釣りを取り出して顧客に渡し、ドロア19の引き出し部を閉める。
【0049】
そして、CPU11は、スキャナ部20により顧客が有する会員カード60のバーコード62を読み取りデコードしてコード情報を取得する(ステップS12)。ステップS12では、店員が、スキャナ部20を操作して顧客の有する会員カード60のバーコード62を読み取る。顧客が会員カード60を持っていない場合に、顧客が会員になることを希望すれば、店員は、新たな会員カード60を用意してスキャナ部20で読み取り、新たな会員カード60を顧客に手渡す。また、顧客が会員になることを希望しなければ、NULL値のコード情報を取得するものとする。
【0050】
そして、CPU11は、記憶部17に記憶された顧客データベース40を参照し、ステップS12で取得されたコード情報でコード情報42を検索する(ステップS13)。そして、CPU11は、ステップS13でコード情報が検索されたか否かを判別する(ステップS14)。コード情報が検索されない場合(ステップS14;NO)、顧客が会員でなく、ステップS11に移行される。このとき、ステップS11で印刷された通常のレシートが印刷部18により自動的にカットされて出力される。
【0051】
コード情報が検索された場合(ステップS14;YES)、顧客が会員であり、CPU11は、記憶部17に記憶された設定情報テーブル30を参照し、設定名31のスタンプ算出方法の設定値32が0であるか否かを判別する(ステップS15)。スタンプ算出方法が1である場合(ステップS15;NO)、CPU11は、ステップS13で取得されたコード情報42に対応する端数50を読み出し、ステップS11で算出された買い上げ金額に加算する(ステップS16)。
【0052】
ステップS16の後、又はスタンプ算出方法が0である場合(ステップS15;YES)、CPU11は、設定名31がスタンプ発行金額の設定値32を用いて、ステップS16又はステップS11で算出された買い上げ金額からスタンプ数を算出し、設定名31がスタンプ倍率の設定値32を乗算する(ステップS17)。ステップS17では、買い上げ金額が、スタンプ発行金額の設定値で除算され、その商がスタンプ数とされ、その余りが端数とされる。
【0053】
そして、CPU11は、ステップS17で算出された端数で、ステップS13で取得されたコード情報42に対応する端数50を更新する(ステップS18)。そして、CPU11は、ステップS13で取得されたコード情報42に対応する現在のスタンプ数45に、ステップS17で算出されたスタンプ数を加算して更新する(ステップS19)。
【0054】
そして、CPU11は、ステップS13で取得されたコード情報42に対応する買い上げ累計金額44に、ステップS11で算出された買い上げ金額を加算して更新する(ステップS20)。そして、CPU11は、ステップS19で算出した現在のスタンプ数が、設定名31が満点スタンプ数の設定値32以上であるか否かを判別する(ステップS21)。
【0055】
満点スタンプ数の設定値32未満である場合(ステップS21;NO)、CPU11は、設定名31がマトリックス(縦)、マトリックス(横)の設定値32に応じたマトリックス形状で、設定名31がスタンプ塗潰しキャラの設定値32を用いたステップS19で算出した現在のスタンプ数の個数のスタンプのキャラクタと、設定名31が満点スタンプ数の設定値32からステップS19で算出した現在のスタンプ数を減算した数の個数のスタンプ欄のキャラクタと、を有する台紙部を含む画像データを作成する(ステップS22)。そして、CPU11は、ステップS22で作成した台紙部等の画像データを印刷部18に印刷させ、スタンプ付レシートとして出力し(ステップS23)、ステップS11に移行される。このとき、ステップS11,S23で印刷されたスタンプ付レシートが印刷部18により自動的にカットされて出力される。
【0056】
ステップS11,S23で印刷されるスタンプ付レシートは、例えば、
図7に示すスタンプ付レシート70となる。スタンプ付レシート70は、店舗情報部71と、会計情報部72と、台紙部73と、説明情報部74と、を有する。
【0057】
店舗情報部71は、売上データ処理装置10の設置店舗に関する店名、連絡先の情報である。会計情報部72は、会計のメニュー、数量、税金、買い上げ金額(合計)、お預かり金額、お釣りの情報である。
【0058】
台紙部73は、マトリックス状に配置された、スタンプ欄に押された現在のスタンプ数である4個のスタンプのキャラクタ“■”と、満点スタンプ数までの残りの数である16個のスタンプ欄のキャラクタ“(4)”〜“(20)”と、を有する台紙のイメージ情報である。説明情報部74は、顧客へのスタンプに関する説明の情報である。説明情報部74は、例えば、スタンプ発行金額、満点スタンプ数、クーポンの引き換え内容の説明情報を含む。スタンプ付レシート70のうち、店舗情報部71及び会計情報部72がステップS11で印刷され、台紙部73及び説明情報部74がステップS23で印刷される。
【0059】
満点スタンプ数の設定値32以上である場合(ステップS21;YES)、CPU11は、ステップS19で算出された現在のスタンプ数から、(設定名31が満点スタンプ数の設定値32)×n(n:発行可能な最大のクーポン数)を減算し、この算出値で現在のスタンプ数45を更新する(ステップS24)。
【0060】
そして、CPU11は、ステップS24で算出された現在のスタンプ数を用いて、ステップS25及びS26の処理を実行する。ステップS25,S26は、ステップS22,S23と同様の処理である。ステップS26の後、ステップS11,S26で印刷されたスタンプ付レシートが印刷部18により自動的にカットされて出力される。
【0061】
そして、CPU11は、クーポン印刷処理を実行し(ステップS27)、ステップS11に移行される。
図5を参照して、ステップS27のクーポン印刷処理を説明する。
【0062】
先ず、CPU11は、記憶部17に記憶された設定情報テーブル30を参照し、設定名31がクーポン印刷方法の設定値32が0であるか否かを判別する(ステップS31)。クーポン印刷方法が0である場合(ステップS31;YES)、CPU11は、記憶部17に記憶された顧客データベース40を用いて、QRコード(登録商標)を含まないクーポンの画像データを作成する(ステップS32)。クーポン印刷方法が1である場合(ステップS31;NO)、CPU11は、顧客データベース40を用いて、QRコード付きのクーポンの画像データを作成する(ステップS33)。そして、CPU11は、ステップS32又はS33で作成された画像データを印刷部18にクーポンとして印刷させる(ステップS34)。
【0063】
ステップS34においてステップS32で作成された画像データに応じて印刷されるクーポンは、例えば、
図8に示すクーポン80となる。クーポン80は、引換情報部81と、バーコード82と、店舗情報部83と、説明情報部84と、名前欄85と、メールアドレス欄86と、メルマガ希望有無欄87と、を有する。
【0064】
引換情報部81は、クーポン80で引き換えられる対象の情報であり、例えば、店舗で使える所定の金額である。バーコード82は、クーポン80が渡される顧客のコード情報42を含むバーコードである。つまり、バーコード82は、クーポン80を受け取った顧客が所有する会員カード60のバーコード62と同じである。
【0065】
店舗情報部83は、売上データ処理装置10の設置店舗に関する店名、連絡先の情報である。説明情報部84は、顧客へのクーポンに関する説明の情報である。説明情報部74は、例えば、クーポン80の使用条件、発行日、有効期限の説明情報である。
【0066】
名前欄85は、顧客の名前の記入欄である。メールアドレス欄86は、顧客のメールアドレスの記入欄である。メルマガ希望有無欄87は、顧客のメルマガ希望有無の記入欄である。名前欄85、メールアドレス欄86及びメルマガ希望有無欄87は、顧客がクーポン80を店舗で使用する前に、当該顧客により記入される。
【0067】
ステップS34においてステップS33で作成された画像データに応じて印刷されるクーポンは、例えば、
図9に示すクーポン80Aとなる。クーポン80Aは、引換情報部81と、バーコード82と、店舗情報部83と、説明情報部84と、QRコード88,89と、を有する。
【0068】
QRコード88は、顧客がメルマガ購読を希望する旨を店舗のメールアドレスに送信する際に読み取られるQRコードである。QRコード89は、メルマガ購読を希望しない旨を店舗のメールアドレスに送信する際に読み取られるQRコードである。
【0069】
QRコード88には、店舗のメールアドレスと、顧客(バーコード82)のコード情報と、メルマガ購読を希望する旨との情報が、埋め込まれている。QRコード89には、店舗のメールアドレスと、顧客のコード情報と、メルマガ購読を希望しない旨との情報が、埋め込まれている。
【0070】
なお、ステップS32,33では、例えば、顧客名43、メールアドレス48、メルマガ希望有無49に既に値が格納され、クーポンを渡す顧客の名前、メールアドレス、メルマガ希望有無が登録されている場合には、クーポンの画像データに、名前欄85、メールアドレス欄86、メルマガ希望有無欄87、QRコード88,89が含められなくてもよい。また、ステップS34の後、ステップS34で印刷されたクーポンが印刷部18により自動的にカットされて出力される。
【0071】
そして、CPU11は、今回発行したクーポン数nを発行済クーポン数46に加算して更新し(ステップS35)、クーポン印刷処理を終了する。
【0072】
次に、
図10を参照して、売上データ処理装置10で実行される第1の顧客情報登録処理を説明する。第1の顧客情報登録処理は、顧客が使用したクーポン80,80Aに記載された顧客の情報の入力を受け付けて記憶部17に記憶して登録する処理である。売上データ処理装置10において、例えば、操作部12を介して店員から第1の顧客情報登録処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第1の顧客情報登録プログラム152と協働で、第1の顧客情報登録処理を実行する。
【0073】
図10に示すように、先ず、CPU11は、スキャナ部20によりクーポン80又は80Aのバーコード82を読み取りデコードしてコード情報を取得する(ステップS41)。ステップS41では、店員が、スキャナ部20を操作して顧客から受け取ったクーポン80又は80Aのバーコード82を読み取る。
【0074】
そして、CPU11は、操作部12を介して店員からクーポンにQRコードがあるか否かの入力を受け付け、その入力に応じてクーポンにQRコードがあるか否かを判別する(ステップS42)。ステップS42では、店員は、クーポンを目視して、QRコード88,89があるか否かを確認して操作部12に入力する。
【0075】
QRコードがある場合(ステップS42;YES)、CPU11は、操作部12を介して店員からの顧客のお名前、メールアドレス、メルマガ希望有無の入力を受け付ける(ステップS43)。ステップS43では、使用するクーポンがクーポン80であり、店員は、クーポン80の名前欄85、メールアドレス欄86、メルマガ希望有無欄87を目視して、記入されたお名前、メールアドレス、メルマガ希望有無を操作部12に入力する。
【0076】
そして、CPU11は、新規の顧客コードを発行して、この顧客コードと、ステップS43で入力されたお名前、メールアドレス、メルマガ希望有無とを、顧客データベース40のステップS41で取得したコード情報42に応じた顧客コード41、顧客名43、メールアドレス48、メルマガ希望有無49に記憶する(ステップS44)。
【0077】
そして、CPU11は、ステップS41で取得したコード情報42に応じた回収済クーポン数47を1インクリメントする(ステップS45)。QRコードがない場合(ステップS42;NO)、ステップS45に移行される。
【0078】
そして、CPU11は、操作部12を介して店員から未入力のクーポンがあるか否かの入力を受け付け、その入力に応じて顧客情報を未入力のクーポンがあるか否かを判別する(ステップS46)。未入力のクーポンがある場合(ステップS46;YES)、ステップS46に移行される。未入力のクーポンがない場合(ステップS46;NO)、第1の顧客情報登録処理が終了する。
【0079】
次に、
図11を参照して、売上データ処理装置10で実行される第2の顧客情報登録処理を説明する。第2の顧客情報登録処理は、クーポン80AのQRコード88,89に応じて顧客のユーザ端末2で作成されて送信されたメールを受信して顧客の情報を取得して記憶部17に記憶して登録する処理である。売上データ処理装置10において、例えば、電源がオンされたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第2の顧客情報登録プログラム153と協働で、第2の顧客情報登録処理を実行する。
【0080】
売上データ処理装置10は、通信ネットワークNを介して顧客のユーザ端末2に接続されている。また、通信ネットワークNに、メールサーバ(図示略)が接続されているものとする。売上データ処理装置10の店舗は、顧客情報登録用のメールアドレスを有するものとし、QRコード88,89には、この顧客情報登録用のメールアドレスが埋め込まれている。
【0081】
QRコード88,89がユーザ端末2により読み取られると、メーラーが起動され、QRコード88,89に埋め込まれたメールアドレス宛で、本文にQRコード88,89に埋め込まれたコード情報及びメルマガ希望有無を含むメールが自動的に作成され、顧客の操作入力に応じて、当該メールをそのまま送信する。QRコード88に対応するメールのメルマガ希望有無は、希望する旨であり、QRコード89に対応するメールのメルマガ希望有無は、希望しない旨である。
【0082】
この顧客情報登録用のメールアドレス宛に送信されたメールは、一旦メールサーバに記憶される。メールサーバは、売上データ処理装置10の要求に応じてメールを転送する。
【0083】
図11に示すように、先ず、CPU11は、通信部16を介してメールサーバに新規メールの問い合わせを行い、その結果に応じて新規メールがあるか否かを判別する(ステップS51)。新規メールがない場合(ステップS51:NO)、CPU11は、計時部21の日時情報を用いてm(m:任意の数)分待ち(ステップS52)、ステップS51に移行される。
【0084】
新規メールがある場合(ステップS51:YES)、CPU11は、通信部16を介してメールサーバからメールを受信し、メールに含まれるコード情報、送信元のメールアドレス、メルマガ希望有無を取得する(ステップS53)。そして、CPU11は、新規の顧客コードを発行して、この顧客コードと、ステップS53で取得されたメールアドレス、メルマガ希望有無とを、顧客データベース40のステップS53で取得したコード情報42に対応する顧客コード41、メールアドレス48、メルマガ希望有無49に記憶し(ステップS54)、ステップS51に移行される。
【0085】
以上、本実施の形態によれば、売上データ処理装置10のCPU11は、操作部12により入力された会計に関する情報から会計を行った顧客の買い上げ金額を算出し、記憶部17に記憶されたスタンプ発行金額を用いて、前記算出した買い上げ金額に応じたスタンプ数を算出し、会計を行った顧客に対応する記憶部17に記憶された現在のスタンプ数に前記算出したスタンプ数を加算し、当該加算された現在のスタンプ数の個数のスタンプのキャラクタと、前記記憶された満点スタンプ数から当該加算された現在のスタンプ数を減算した数の個数のスタンプ欄のキャラクタとを印刷部18に印刷させる。このため、店員がスタンプを押す作業が無いので、店員の作業負担を低減できるとともに、現在のスタンプと、満点までの残りのスタンプ欄とを顧客が視覚的に容易に認識できる。
【0086】
また、CPU11は、スタンプのキャラクタとスタンプ欄のキャラクタとを顧客の会計情報とともに印刷部18にレシートとして印刷させる。このため、会計情報とともに、現在のスタンプと、満点までの残りのスタンプ欄とを顧客が視覚的に容易に認識できる。
【0087】
また、CPU11は、スキャナ部20により会員カード60のバーコードを読み取り、スキャナ部20により入力された顧客のコード情報42に応じた現在のスタンプ数45に、買い上げ金額から算出したスタンプ数を加算する。このため、会計を行った顧客の現在のスタンプ数を正確に取得できる。
【0088】
また、CPU11は、算出された現在のスタンプ数が、設定名31が満点スタンプの設定値32以上であるか否かを判別し、満点スタンプ数以上である場合に、算出された現在のスタンプ数から発行するクーポン数n×満点スタンプ数を減算し、当該発行するクーポン数のクーポン80,80Aを印刷部18に印刷させる。このため、クーポンを自動的に発行でき、店員の作業負担をさらに低減できる。
【0089】
また、CPU11は、顧客の情報として、お名前、メールアドレス、メルマガ希望有無の記入欄を有するクーポン80を印刷部18に印刷させ、操作部12により入力された顧客の情報を記憶部17の顧客データベース40に記憶する。このため、クーポンの使用に伴い、顧客の情報を容易に取得できる。
【0090】
また、CPU11は、顧客の情報として、メルマガ希望有無が埋め込まれたQRコード88,89を有するクーポン80Aを印刷部18に印刷させ、通信部16を介して顧客の情報を有するメールを顧客のユーザ端末2から受信し、当該メールの送信元メールアドレス及び顧客の情報を記憶部17の顧客データベース40に記憶する。このため、クーポンの発行に伴い、顧客の情報及びメールアドレスを容易に取得できる。
【0091】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0092】
上記実施の形態では、現在のスタンプ数のスタンプのキャラクタと満点スタンプ数の残りの数のスタンプ欄のキャラクタとの台紙部73が、会計情報部72等とともに1枚のスタンプ付レシート70に印刷される構成としたが、これに限定されるものではない。現在のスタンプ数のスタンプのキャラクタと満点スタンプ数の残りの数のスタンプ欄のキャラクタとが、会計情報等とは別々に印刷されてカットされる構成としてもよい。
【0093】
また、上記実施の形態では、現在のスタンプ数のスタンプのキャラクタと満点スタンプ数の残りの数のスタンプ欄のキャラクタとの台紙部73が、スタンプ付レシート70に印刷される構成としたが、これに限定されるものではない。売上データ処理装置10が、現在のスタンプ数のスタンプのキャラクタと満点スタンプ数の残りの数のスタンプ欄のキャラクタとの情報を、顧客のユーザ端末2にメール等で送信し、顧客のユーザ端末2で、当該送信された情報を受信して表示部に表示する構成としてもよい。例えば、設定情報テーブル30に、印刷部18で印刷するか顧客のユーザ端末2に送信するかのスタンプ発行方法の設定情報を格納し、CPU11が、スタンプ会計処理において、前記スタンプ発行方法の設定情報に応じて、台紙部を印刷部18で印刷したり、顧客のユーザ端末2に送信したりする構成としてもよい。
【0094】
また、上記実施の形態における売上データ処理装置10の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0095】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
顧客の会計に関する情報の入力を受け付ける操作部と、
用紙に印刷を行う印刷部と、
1つのクーポンと引き換えるスタンプ数である満点スタンプ数と、1つのスタンプを発行する金額であるスタンプ発行金額と、顧客毎の現在のスタンプ数とを記憶する記憶部と、
前記操作部により入力された会計に関する情報から会計を行った顧客の買い上げ金額を算出し、前記記憶されたスタンプ発行金額を用いて、前記算出した買い上げ金額に応じたスタンプ数を算出し、前記会計を行った顧客に対応する前記記憶された現在のスタンプ数に前記算出したスタンプ数を加算し、当該加算された現在のスタンプ数のスタンプのキャラクタと、前記記憶された満点スタンプ数から当該加算された現在のスタンプ数を減算した数のスタンプ欄のキャラクタとを前記印刷部に印刷させる制御部と、
を備える売上データ処理装置。
<請求項2>
前記制御部は、前記スタンプのキャラクタと前記スタンプ欄のキャラクタとを前記顧客の会計情報とともに前記印刷部にレシートとして印刷させる請求項1に記載の売上データ処理装置。
<請求項3>
前記会計を行った顧客の識別情報の入力を受け付ける識別情報入力部を備え、
前記記憶部は、顧客の識別情報毎の現在のスタンプ数を記憶し、
前記制御部は、前記識別情報入力部により入力された顧客の識別情報に対応する前記記憶された現在のスタンプ数に、前記算出したスタンプ数を加算する請求項1又は2に記載の売上データ処理装置。
<請求項4>
前記制御部は、前記加算された現在のスタンプ数が前記記憶部に記憶された満点スタンプ数以上であるか否かを判別し、満点スタンプ数以上である場合に、前記加算された現在のスタンプ数から発行するクーポン数の満点スタンプ数を減算し、当該発行するクーポン数のクーポンを前記印刷部に印刷させる請求項1から3のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項5>
前記制御部は、顧客の情報の記入欄を有するクーポンを前記印刷部に印刷させ、
前記操作部は、使用されたクーポンに記入された顧客の情報の入力を受け付け、
前記制御部は、前記操作部により入力された顧客の情報を前記記憶部に記憶する請求項4に記載の売上データ処理装置。
<請求項6>
顧客の端末と通信する通信部を備え、
前記制御部は、顧客の情報が埋め込まれたQRコードを有するクーポンを前記印刷部に印刷させ、
前記制御部は、前記通信部を介して前記QRコードに埋め込まれた顧客の情報を含むメールを前記顧客の端末から受信し、当該メールの送信元メールアドレス及び顧客の情報を前記記憶部に記憶する請求項4に記載の売上データ処理装置。
<請求項7>
コンピュータを、
顧客の会計に関する情報の入力を受け付ける操作部、
用紙に印刷を行う印刷部、
1つのクーポンと引き換えるスタンプ数である満点スタンプ数と、1つのスタンプを発行する金額であるスタンプ発行金額と、顧客毎の現在のスタンプ数とを記憶する記憶部、
前記操作部により入力された会計に関する情報から会計を行った顧客の買い上げ金額を算出し、前記記憶されたスタンプ発行金額を用いて、前記算出した買い上げ金額に応じたスタンプ数を算出し、前記会計を行った顧客に対応する前記記憶された現在のスタンプ数に前記算出したスタンプ数を加算し、当該加算された現在のスタンプ数のスタンプのキャラクタと、前記記憶された満点スタンプ数から当該加算された現在のスタンプ数を減算した数のスタンプ欄のキャラクタとを前記印刷部に印刷させる制御部、
として機能させるためのプログラム。