(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1>本発明の方法
本発明の方法は、(A)原料を加湿および撹拌する工程、(B)前記加湿および撹拌された原料に熱風を供給する工程、および(C)前記熱風が供給された原料を転動し造粒物を製造する工程、を含む造粒物を製造する方法である。本発明の方法により得られる造粒物を、「本発明の造粒物」ともいう。
【0013】
<原料>
本発明においては、造粒物の原料として、粉末原料が用いられる。本発明において、「粉末原料」とは、粉末状の原料をいう。本発明において、「粉末」とは、いわゆる粉末状の外観を有するものをいう。例えば、いわゆる、粉、粉末、微粉、超微粉、粒、細粒、顆粒、粗粒、粉粒、粒体、粉体は、いずれも本発明における「粉末」に含まれる。粉末は、単一の粒子からなるものであってもよく、複数種および/または複数個の粒子からなる集合体であってもよい。
【0014】
粉末原料の粒子径は、本発明の方法により造粒物が製造される限り特に制限されない。粉末原料の粒子径は、原料の種類や造粒物の所望の粒子径等の諸条件に応じて適宜設定できる。粉末原料の平均粒子径D50は、例えば、0.01μm以上、0.1μm以上、1μm以上、または5μm以上であってよい。また、粉末原料の平均粒子径D50は、例えば、1000μm以下、500μm以下、200μm以下、または100μm以下であってよい。なお、「D50」とは、粒径加積曲線のグラフで通過質量百分率50%に相当する粒子径を意味する。粉末原料の平均粒子径D50は、例えば、粒度分布測定装置 MICROTRAC HRA(日機装社製)により測定することができる。
【0015】
粉末原料は、1種の成分のみからなるものであってもよく、2種またはそれ以上の成分の混合物であってもよい。また、粉末原料としては、1種の原料のみを用いてもよく、2種またはそれ以上の原料を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
本発明の方法においては、粉末原料に加えて、粉末原料以外の原料、例えば、液状やペースト状等の原料を付加的に用いてもよい。粉末原料以外の原料を、「他の原料」ともいう。他の原料としては、1種の原料のみを用いてもよく、2種またはそれ以上の原料を組み合わせて用いてもよい。また、他の原料は、1種の成分のみからなるものであってもよく、2種またはそれ以上の成分の混合物であってもよい。粉末原料と他の原料の比率は、本発明の方法により造粒物が製造される限り特に制限されない。例えば、全原料の重量に対する粉末原料の重量の比率(粉末原料重量/全原料重量)は、50%以上、70%以上、90%以上、または95%以上であってよい。
【0017】
本発明においては、粉末原料および他の原料を総称して、単に「原料」という場合がある。
【0018】
原料は、造粒物の使用目的等の諸条件に応じた許容可能な性質を有するものであれば特に制限されない。例えば、造粒物の使用目的が飲食品への添加であれば、経口摂取可能な成分を選択して原料として用いればよい。原料としては、例えば、飲食品、調味料、医薬品、化粧品、農薬等の原料として用いられるものが挙げられる。
【0019】
原料として、具体的には、例えば、砂糖、蜂蜜、メープルシロップ、スクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、異性化糖、オリゴ糖、デキストリン、デンプン、セルロース等の糖類;キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール類;天然または人工甘味料;食塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類;酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸類およびその塩;グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸類およびその塩;イノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸等の核酸類およびその塩;ポークエキス、チキンエキス、ビーフエキス等のエキス類;カラギナン、グアガム等の増粘剤;ビタミン類、ゼラチン、食物繊維、pH緩衝剤、香料、食用油、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤、矯味剤、矯臭剤、希釈剤、界面活性剤が挙げられる。本発明において、アミノ酸は、特記しない限りいずれもL−体、D−体、またはそれらの混合物であってよい。
【0020】
塩は、造粒物の使用目的等の諸条件に応じた許容可能な性質を有するものであれば特に制限されない。例えば、カルボキシル基等の酸性基に対する塩としては、具体的には、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロへキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。また、例えば、アミノ基等の塩基性基に対する塩としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、タンニン酸、酪酸、ヒベンズ酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、テオクル酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げられる。なお、塩としては、1種の塩を用いてもよく、2種またはそれ以上の塩を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
粉末原料としては、例えば、これら原料から粉末状であるものを選択して用いることができる。
【0022】
原料は、適宜前処理を行ってから原料として用いてもよい。前処理の内容は、本発明の方法により造粒物が製造される限り特に制限されない。
【0023】
例えば、原料は、粉砕してから粉末原料として用いてもよい。粉砕方法は特に制限されず、例えば公知の手法を利用することができる。粉砕方法は、原料の種類、原料の形状、粉末原料の所望の粒子径等の諸条件に応じて適宜選択できる。粉砕は、湿式粉砕、乾式粉砕、またはそれらの組み合わせであってよい。粉砕は、例えば、粉砕装置を用いて行うことができる。粉砕装置は、原料を所望の程度に粉砕できるものであれば特に制限されない。粉砕装置としては、例えば、ピンミル、ジェットミル、フェザーミル、ロッドミル、ボールミル、震動ロッドミル、震動ボールミル、円盤型ミルなどの各種ミル、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、コーンクラッシャー、平滑ロールクラッシャー、歯付きロールクラッシャー、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャーなどの各種クラッシャー、フードカッター、ダイサーが挙げられる。ハンマークラッシャーとして、具体的には、例えば、パルベライザー(AP-4TH 等;ホソカワミクロン製)が挙げられる
。
【0024】
また、例えば、原料が液状やペースト状等の粉末以外の形状である場合、原料を粉末状に加工してから粉末原料として用いてもよい。加工方法は特に制限されず、例えば公知の手法を利用することができる。加工方法は、原料の種類、原料の形状、粉末原料の所望の粒子径等の諸条件に応じて適宜選択できる。例えば、原料を固形状に加工し、次いで必要に応じて粉砕することにより、粉末原料を調製することができる。原料を固形状に加工することは、例えば、凍結乾燥、晶析、造粒、またはそれらの組み合わせにより行うことができる。
【0025】
前処理は、バッチ式で行われてもよく、連続式で行われてもよい。
【0026】
<加湿撹拌工程>
本発明の方法は、(A)原料を加湿および撹拌する工程を含む。当該工程を、「加湿撹拌工程」ともいう。加湿撹拌工程は、バッチ式で行われてもよく、連続式で行われてもよい。加湿撹拌工程は、連続式で行われるのが好ましい。
【0027】
加湿撹拌工程へ供される原料の量は、特に制限されず、用いる加湿撹拌装置の処理能力等の諸条件に応じて適宜設定することができる。加湿撹拌工程へ供される原料の量は、例
えば、50〜25000kg/hrであってよい。
【0028】
2種またはそれ以上の原料を組み合わせて用いる場合、それらの原料は、例えば、互いに混合してから加湿撹拌工程へ供されてもよく、それぞれ別個にあるいは任意の組み合わせで別個に加湿撹拌工程へ供され、同工程中に互いに混合されてもよい。
【0029】
加湿撹拌工程において、加湿および撹拌は、一部または全部が同時に行われてもよく、それぞれ別個に行われてもよい。加湿および撹拌は、少なくとも一部が同時に行われるのが好ましい。加湿および撹拌は、同一の容器内で行われてもよく、そうでなくてもよい。加湿および撹拌は、同一の容器内で行われるのが好ましい。
【0030】
加湿は、水分を含有する加湿用の液体を原料に添加することにより行うことができる。当該加湿用の液体を、「加湿液」ともいう。加湿液は、水からなるものであってもよく、水以外の成分を含有していてもよい。すなわち、加湿液としては、例えば、水、水以外の成分を含有する水溶液、水以外の成分を含有する水性懸濁液が挙げられる。加湿液としては、水が好ましい。水以外の成分は、造粒物の使用目的等の諸条件に応じた許容可能な性質を有するものであれば特に制限されない。水以外の成分としては、例えば、上述したような原料が挙げられる。また、上述したような原料の内、水溶液や水性懸濁液等の水を含有する形態で存在する原料自体を加湿液として用いてもよい。すなわち、例えば、そのような水を含有する形態で存在する原料と、粉末原料とを混合することは、「加湿」に含まれる。加湿液中の水以外の成分の濃度は、本発明の方法により造粒物が製造される限り特に制限されない。加湿液中の水以外の成分の濃度は、水以外の成分の種類等の諸条件に応じて適宜設定できる。加湿液は、水以外の成分を1種のみ含有していてもよく、2種またはそれ以上含有していてもよい。また、加湿液としては、1種の加湿液のみを用いてもよく、2種またはそれ以上の加湿液を組み合わせて用いてもよい。2種またはそれ以上の加湿液を用いる場合、それらは同時に添加されてもよく、それぞれ別個にあるいは任意の組み合わせで別個に添加されてもよい。
【0031】
加湿液の添加方法は特に制限されず、例えば公知の手法を利用することができる。例えば、加湿液は、注入、滴下、噴霧、またはそれらの組み合わせにより添加されてよい。加湿液は、噴霧により添加されるのが好ましい。加湿液は、例えば、添加の方式に応じた供給口から添加することができる。例えば、スプレーノズルを用いて加湿液を原料に噴霧することができる。加湿は、適当な容器内で行うことができる。例えば、加湿は、後述する撹拌槽内で行うことができる。また、加湿は、容器外で行うこともできる。例えば、フィーダーを用いて原料を移送する場合には、移送中に加湿液を添加してもよい。また、例えば、原料を適当な容器、例えば後述する撹拌槽、に投入する際に加湿液を添加してもよい。加湿液の供給口は、加湿の態様に応じて設けることができる。例えば、加湿および撹拌を同一の容器(後述する撹拌槽)内で行う場合は、撹拌装置が加湿液の供給口を備える。加湿液の供給口は、例えば、1つのみ設けられてよく、2つまたはそれ以上設けられてもよい。
【0032】
加湿撹拌工程における加水率は、本発明の方法により造粒物が製造される限り特に制限されない。「加水率」とは、粉末原料の重量に対する添加される水分の重量(加水重量/粉末原料重量)をいう。なお、水分を含有する原料を利用する場合は、当該原料由来の水分の重量と加湿液由来の水分の重量の合計を、加水率を算出する際の「添加される水分の重量」とみなしてよい。加湿撹拌工程における加水率は、原料の種類、造粒物の所望の粒子径、撹拌条件等の諸条件に応じて適宜設定できる。加湿撹拌工程における加水率は、例えば、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、または7%以上であってよい。加湿撹拌工程における加水率は、例えば、20%以下、15%以下、または10%以下であってよい。
【0033】
本発明の方法において、加湿撹拌工程における加水率は、熱風供給工程なしに造粒物を製造する場合の加水率と比較して高いのが好ましい。本発明において、「熱風供給工程なしに造粒物を製造する場合」とは、本発明の方法に含まれる熱風供給工程を実施せずに造粒物を製造する場合をいう。「熱風供給工程なしに造粒物を製造する場合」を「コントロール」ともいう。コントロールの加水率は、熱風供給工程を実施せずに造粒物を製造できる加水率であれば特に制限されない。コントロールの加水率は、原料の種類、造粒物の所望の粒子径、撹拌条件等の諸条件に応じて適宜設定できる。加湿撹拌工程における加水率は、例えば、コントロールの加水率の、1.01倍以上、1.02倍以上、1.03倍以上、1.04倍以上、1.05倍以上、1.07倍以上、1.1倍以上、1.5倍以上、または2倍以上であってよい。加湿撹拌工程における加水率は、例えば、コントロールの加水率の、10倍以下、5倍以下、または3倍以下であってよい。
【0034】
加湿液は、1回のみ添加されてもよく、2回またはそれ以上添加されてもよい。加湿液は、連続的に添加されてもよく、間欠的に添加されてもよい。加湿液は、原料の撹拌前、撹拌中、撹拌後、またはそれらの組み合わせの際に添加されてよい。加湿液は、原料の撹拌中に添加されるのが好ましい。加湿液が2回またはそれ以上添加される場合、加湿液の添加量、加湿液の添加方法、加湿液に含有される成分の種類、および加湿液に含有される成分の濃度等の条件は、各回で同一であってもよく、そうでなくてもよい。また、加湿液が連続的に添加される場合、加湿液の添加量、加湿液の添加方法、加湿液に含有される成分の種類、および加湿液に含有される成分の濃度等の条件は、添加の過程を通じて一定であってもよく、そうでなくてもよい。
【0035】
加湿は、原料の一部または全部に対して行われてよい。加湿は、粉末原料の一部または全部に対して行われてよい。例えば、粉末原料に対して加湿を行った後、粉末原料および/または他の原料を追加的に添加してもよい。加湿は、少なくとも粉末原料の一部に対して行われるのが好ましく、少なくとも粉末原料の全部に対して行われるのがより好ましく、原料の全部に対して行われるのがさらに好ましい。
【0036】
撹拌は、適当な容器内で行うことができる。撹拌が行われる容器を、「撹拌槽」ともいう。撹拌槽の形状は、原料を撹拌できる限り特に制限されない。撹拌槽の形状は、例えば、筒状であってよい。撹拌槽の形状は、例えば、縦型の筒状であってもよく、横型の筒状であってもよい。撹拌槽の断面形状は、例えば、円形、楕円形、または多角形であってよい。なお、ここでいう「断面」とは、縦型筒状の撹拌槽にあっては水平断面、横型筒状の撹拌槽にあっては垂直断面をいう。断面形状は、円形が好ましい。
【0037】
撹拌方法は特に制限されず、例えば公知の手法を利用することができる。撹拌は、例えば、撹拌子を回転させることにより行ってもよく、ポンプやプロペラ等により撹拌槽内に空気の対流を生じさせることにより行ってもよく、撹拌槽自体を振動させることにより行ってもよく、それらの組み合わせにより行ってもよい。撹拌は、撹拌子を回転させることにより行うのが好ましい。
【0038】
撹拌子の形状、サイズ、設置数、設置位置、設置方向等は、原料を撹拌できる限り特に制限されない。撹拌子の形状は、例えば、棒状、板状、プロペラ状、らせん状、またはそれらの組み合わせであってよい。撹拌子は、所定の回転軸を中心に回転可能に設置することができる。撹拌子は、例えば、回転軸上の1箇所のみに設けられてよく、回転軸上の2またはそれ以上の箇所に設けられてもよい。また、回転軸は撹拌槽内のいずれの位置に設けられてもよいが、通常は、撹拌槽の中央部に設けられるのが好ましい。例えば、縦型筒状の撹拌槽を用いる場合、撹拌槽の中央部に垂直方向に回転軸を設け、撹拌槽の上部より原料を供給することにより、原料が撹拌されながら下方向に移動し、撹拌槽の下部から撹
拌された原料を回収できる。
【0039】
撹拌は、撹拌装置を用いて行うことができる。撹拌装置は、原料を撹拌できるものであれば特に制限されない。撹拌装置は、上述したような撹拌を可能とする適当な手段を備える。撹拌装置は、原料を撹拌槽に供給し撹拌された原料を撹拌槽から排出できるように構成される。撹拌装置は、例えば、原料の供給口および撹拌された原料の排出口を別個に有していてもよく、原料の供給口および撹拌された原料の排出口の両方を兼ねる開口部を有していてもよい。撹拌装置は、原料の供給口および撹拌された原料の排出口を別個に有しているのが好ましい。撹拌装置は、具体的には、例えば、撹拌装置の上部に設けられた供給口から原料が投入され、撹拌槽内で原料が撹拌され、撹拌装置の下部に設けられた排出口から撹拌された原料が排出されるように構成されていてよい。
【0040】
また、撹拌装置は、加湿液の供給口を有しているのが好ましい。撹拌装置は、例えば、原料の供給口および加湿液の供給口を別個に有していてもよく、原料の供給口および加湿液の供給口の両方を兼ねる開口部を有していてもよい。撹拌装置は、原料の供給口および撹加湿液の供給口を別個に有しているのが好ましい。撹拌装置が加湿液の供給口を有する場合、撹拌槽内の原料に加湿液を添加することができ、よって、加湿および撹拌を同一の容器(撹拌槽)内で行うことができる。加湿および撹拌の両方を実施できる装置を、特に加湿撹拌装置という場合がある。加湿撹拌装置としては、例えば、フレキソミキサーと呼ばれる加湿混合造粒装置が挙げられる。なお、フレキソミキサーは、造粒機能を有し、通常は造粒装置として用いられるが、本発明の方法においては加湿撹拌装置として用いることができる。このように、撹拌装置は、造粒機能を有していてもよい。後の転動造粒工程で造粒が進行する限り、加湿撹拌工程においても造粒が進行してもよく進行しなくてもよい。フレキソミキサーとして、具体的には、例えば、フレキソミキサー(FXD-250 等;パウレック製)、フレキソミックス(ホソカワミクロン製)が挙げられる。
【0041】
加湿撹拌工程における撹拌数は、本発明の方法により造粒物が製造される限り特に制限されない。加湿撹拌工程における撹拌数は、原料の種類、造粒物の所望の粒子径、加水率等の諸条件に応じて適宜設定できる。加湿撹拌工程における撹拌数は、例えば、500rpm以上、750rpm以上、1000rpm以上、1250rpm以上、または1500rpm以上であってよい。加湿撹拌工程における撹拌数は、例えば、5000rpm以下、3000rpm以下、または2000rpm以下であってよい。
【0042】
加湿撹拌工程における撹拌数は、熱風供給工程なしに造粒物を製造する場合(コントロール)の撹拌数と比較して、高いのが好ましい。コントロールの撹拌数は、熱風供給工程を実施せずに造粒物を製造できる撹拌数であれば特に制限されない。コントロールの撹拌数は、原料の種類、造粒物の所望の粒子径、加水率等の諸条件に応じて適宜設定できる。加湿撹拌工程における撹拌数は、例えば、コントロールの撹拌数の、1.05倍以上、1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、1.5倍以上、1.7倍以上、または2倍以上であってよい。加湿撹拌工程における撹拌数は、例えば、コントロールの撹拌数の、20倍以下、10倍以下、5倍以下、または3倍以下であってよい。
【0043】
撹拌は、1回のみ行われてもよく、2回またはそれ以上行われてもよい。なお、ここでは、撹拌が開始してから撹拌が停止するまでを「1回」とする。撹拌は、連続的に行われてもよく、間欠的に行われてもよい。撹拌が、2回またはそれ以上行われる場合、撹拌数や撹拌の継続時間等の条件は、各回で同一であってもよく、そうでなくてもよい。また、撹拌が連続的に行われる場合、撹拌数等の条件は、撹拌の過程を通じて一定であってもよく、そうでなくてもよい。
【0044】
撹拌は、原料の一部または全部に対して行われてよい。撹拌は、粉末原料の一部または
全部に対して行われてよい。例えば、粉末原料に対して撹拌を行った後、粉末原料および/または他の原料を追加的に添加してもよい。撹拌は、少なくとも粉末原料の一部に対して行われるのが好ましく、少なくとも粉末原料の全部に対して行われるのがより好ましく、原料の全部に対して行われるのがさらに好ましい。
【0045】
加湿および撹拌された原料は、続いて、熱風供給工程に供される。
【0046】
<熱風供給工程>
本発明の方法は、(B)加湿および撹拌された原料に熱風を供給する工程を含む。当該工程を、「熱風供給工程」ともいう。熱風供給工程は、バッチ式で行われてもよく、連続式で行われてもよい。熱風供給工程は、連続式で行われるのが好ましい。
【0047】
熱風供給工程は、上述したような加湿撹拌工程後の原料に対して実施される。通常、熱風供給工程の開始時には、加湿撹拌工程は終了していてよい。なお、上述したような加湿撹拌工程後の原料に対して熱風供給工程が実施される限り、例えば、熱風供給工程の途中または最後まで原料の撹拌が継続されていてもよく、熱風供給工程の開始後に再度原料の撹拌を行ってもよい。
【0048】
熱風供給は、熱風を原料に吹き付けることにより実施できる。熱風供給方法は、熱風が原料に吹き付けられる限り特に制限されない。例えば、静止した原料に熱風を吹き付けてもよく、移動している原料に熱風を吹き付けてもよい。また、例えば、適当な容器内で原料を撹拌しながら熱風を吹き込んでもよく、適当な容器内で熱風により原料を撹拌してもよい。具体的には、例えば、加湿撹拌工程を実施するのに用いられる装置の加湿および撹拌された原料の排出口付近に熱風吹き出し口を設け、熱風を排出することで、装置から排出された原料に熱風を吹き付けることができる。熱風供給は、熱風発生装置を用いて行うことができる。熱風発生装置は、熱風を発生させ原料に吹き付ける機能を有するものであれば特に制限されない。熱風発生装置としては、例えば、市販の熱風発生装置を利用することができる。また、熱風発生装置としては、例えば、後述する乾燥装置の内、熱風を吹き付けて乾燥を行うものを適宜選択して用いてもよい。
【0049】
熱風供給の条件は、本発明の方法により造粒物が製造される限り特に制限されない。熱風供給の条件は、原料の種類、造粒物の所望の粒子径、加水率、撹拌条件等の諸条件に応じて適宜設定できる。熱風の温度は、例えば、20℃以上、40℃以上、または50℃以上であってよく、120℃以下、90℃以下、または70℃以下であってよい。熱風の温度は、例えば、20〜120℃、40〜120℃、50〜90℃、または50〜70℃であってよい。熱風の風速は、例えば、5〜20m/s、または5〜15m/sであってよい。熱風の風量は、例えば、2〜10m
3/min、または2〜7m
3/minであってよい。熱風の風量は、例えば、粉末原料1kg当たり、0.05〜0.3m
3、または0.
05〜0.2m
3であってよい。
【0050】
熱風供給は、1回のみ行われてもよく、2回またはそれ以上行われてもよい。熱風供給は、連続的に行われてもよく、間欠的に行われてもよい。熱風供給が、2回またはそれ以上行われる場合、熱風の温度や熱風の供給量等の条件は、各回で同一であってもよく、そうでなくてもよい。また、熱風供給が連続的に行われる場合、熱風の温度や熱風の供給量等の条件は、乾燥の過程を通じて一定であってもよく、そうでなくてもよい。
【0051】
熱風が供給された原料は、続いて、転動造粒工程に供される。
【0052】
<転動造粒工程>
本発明の方法は、(C)熱風が供給された原料を転動し造粒物を製造する工程を含む。
当該工程を、「転動造粒工程」ともいう。転動造粒工程は、バッチ式で行われてもよく、連続式で行われてもよい。転動造粒工程は、連続式で行われるのが好ましい。
【0053】
転動造粒工程は、上述したような熱風供給工程後の原料に対して実施される。通常、転動造粒工程の開始時には、熱風供給工程は終了していてよい。なお、上述したような熱風供給工程後の原料に対して転動造粒工程が実施される限り、例えば、転動造粒工程の途中または最後まで熱風の供給が継続されていてもよく、転動造粒工程の開始後に再度熱風供給を行ってもよい。
【0054】
転動造粒方法は特に制限されず、例えば公知の手法を利用することができる。転動造粒は、例えば、回転皿式、水平円筒式、回転頭切円錐式、その他の方式、またはそれらの組み合わせで実施されてよい。その他の方式としては、例えば、後述する特殊転動皿を用いる方式が挙げられる。転動造粒の条件は、原料の種類、造粒物の粒子径、加水率、撹拌条件等の諸条件に応じて適宜設定できる。
【0055】
転動造粒は、転動造粒装置を用いて行うことができる。転動造粒装置は、転動造粒できるものであれば特に制限されない。転動造粒装置としては、選択した転動造粒方式に対応したものを用いることができる。転動造粒装置としては、特殊転動皿が好ましい。本発明において、「特殊転動皿」とは、転動皿に滞留する造粒物層の高さを制御し得る手段を備えた転動皿をいう。転動皿に滞留する造粒物層の高さを制御することにより、造粒物の比容を制御し得る(特開2008-104963)。転動皿に滞留する造粒物層の高さを制御し得る手
段としては、バッフル等の障害物が挙げられる。バッフルとしては、例えば、山型バッフルが挙げられる。山型バッフルとしては、例えば、等辺山型バッフルが挙げられる。障害物の形状、サイズ、設置数、設置位置、設置方向等は、造粒物の所望の比容等の諸条件に応じて適宜設定できる。特殊転動皿は、例えば、偏心旋回軸を中心として平面向きを維持したまま旋回振動させてよい。特殊転動皿は、例えば、100〜500rpm、または200〜300rpmで振動させてよい。また、特殊転動皿は、傾斜していてもよく、していなくてもよい。特殊転動皿は、転動造粒工程を連続式で行えるように構成されているのが好ましい。具体的には、例えば、転動皿の一方の端部に原料の供給口を、もう一方の端部に造粒物の排出口を設け、原料の供給口から転動皿に供給された原料が、転動しながら転動皿を移動し、造粒物の排出口から造粒物として排出されるように特殊転動皿を構成することができる。転動造粒工程を連続式で行えるように構成された、複数の等辺山型バッフルを設けた特殊転動皿の一実施形態を
図3に示す。
【0056】
転動造粒は、1回のみ行われてもよく、2回またはそれ以上行われてもよい。なお、ここでは、転動造粒が開始してから転動造粒が停止するまでを「1回」とする。転動造粒は、連続的に行われてもよく、間欠的に行われてもよい。転動造粒が、2回またはそれ以上行われる場合、振動数等の条件は、各回で同一であってもよく、そうでなくてもよい。また、転動造粒が連続的に行われる場合、振動数等の条件は、転動造粒の過程を通じて一定であってもよく、そうでなくてもよい。
【0057】
<その他の工程>
本発明の方法は、造粒物を乾燥させる工程を含んでいてよい。当該工程を、「乾燥工程」ともいう。乾燥方法は特に制限されず、例えば公知の手法を利用することができる。乾燥条件は、造粒物の粒子径や加水率等の諸条件に応じて適宜設定できる。乾燥は、室温に造粒物を保持することにより行ってもよく、加温することにより行ってもよい。乾燥温度は、例えば、70〜120℃であってよい。乾燥時間は、例えば、5〜30分であってよい。乾燥は、バッチ式で行われてもよく、連続式で行われてもよい。乾燥は、連続式で行われるのが好ましい。乾燥は、例えば、乾燥装置を用いて行うことができる。乾燥装置は、造粒物を所望の程度に乾燥させることができるものであれば特に制限されない。乾燥装置として、具体的には、例えば、横型流動層乾燥装置(FBA-80C 等;大川原製作所製)、連続流動層乾燥機(栗本鉄工所社製)、流動層乾燥機(月島機械社製)、振動流動層乾燥機(西村機械製作所社製)、試料迅速乾燥機(HG-200 等;レッチェ社製)が挙げられる。
【0058】
乾燥は、1回のみ行われてもよく、2回またはそれ以上行われてもよい。乾燥は、連続的に行われてもよく、間欠的に行われてもよい。乾燥が、2回またはそれ以上行われる場合、乾燥温度や乾燥時間等の条件は、各回で同一であってもよく、そうでなくてもよい。また、乾燥が連続的に行われる場合、乾燥温度等の条件は、乾燥の過程を通じて一定であってもよく、そうでなくてもよい。具体的には、例えば、80℃で5min、次いで105℃で10minの2段階で乾燥を行ってもよい。
【0059】
本発明の方法は、造粒物を篩分する工程を含んでいてよい。当該工程を、「篩分工程」ともいう。すなわち、造粒物は、適宜篩分に供し、所望の粒子径の造粒物を選別することができる。なお、造粒物の乾燥と篩分を行う場合、いずれを先に行ってもよい。篩分の方法は、特に制限されず、例えば公知の手法により行うことができる。篩分は、バッチ式で行われてもよく、連続式で行われてもよい。篩分は、連続式で行われるのが好ましい。篩分は、例えば、篩分装置を用いて行うことができる。篩分装置は、造粒物を所望の粒子径に篩分できるものであれば特に制限されない。篩分装置として、具体的には、例えば、アルガイヤシフター(TSM-950/DS+1 等;ラサ工業製)、円形振動ふるい機(西村機械製作
所社製)、振動式篩機(ラサ工業社製)、振動ふるい(ダルトン社製)、ロータップ型篩分機(飯田製作所社製)、タップ型篩分機(AS200tap 等;レッチェ社製)が挙げられる。
【0060】
造粒物の篩分を行う場合、所望の粒子径の造粒物として選別されなかった画分は、原料として再度造粒に用いることができる。所望の粒子径の造粒物として選別されなかった画分としては、所望の粒子径より大きな粒子径の造粒物の画分や所望の粒子径より小さな粒子径の造粒物の画分が挙げられる。
【0061】
<本発明の造粒物>
本発明の方法によれば、熱風供給工程なしに造粒物を製造する場合(コントロール)と比較して、粒子径の均一度が高い造粒物が得られる。例えば、本発明の造粒物のD60/D10は、コントロールの造粒物のD60/D10の、99%以下、97%以下、95%以下、90%以下、80%以下であってよい。本発明の造粒物のD60/D10は、例えば、3以下、2.5以下、2.3以下であってよい。なお、「D10」および「D60」とは、粒径加積曲線のグラフでそれぞれ通過質量百分率10%および60%に相当する粒子径を意味する。また、「D60/D10」の値が1に近いほど均一な粒径分布であることを意味する。D10およびD60は、例えば、粒度分布測定装置 MICROTRAC HRA(日機装社製)により測定することができる。なお、ここでいう粒子径とは、篩分工程が実施される場合にあっては、篩分工程による選別前の粒子径である。
【0062】
また、本発明の造粒物の平均粒子径は、特に制限されず、所望の程度に設定できる。本発明の造粒物の平均粒子径D50は、例えば、100〜1000μmであってよい。本発明の造粒物の平均粒子径D50は、コントロールの造粒物の平均粒子径D50と比較して高くてもよい。なお、「D50」とは、粒径加積曲線のグラフで通過質量百分率50%に相当する粒子径を意味する。平均粒子径D50は、例えば、粒度分布測定装置 MICROTRAC
HRA(日機装社製)により測定することができる。なお、ここでいう粒子径とは、篩分工程が実施される場合にあっては、篩分工程による選別前の粒子径である。
【0063】
<2>本発明の装置
本発明の装置は、(a)原料を加湿および撹拌する手段、(b)前記加湿および撹拌された原料に熱風を供給する手段、および(c)前記熱風が供給された原料を転動し造粒物を製造する手段、を備える造粒装置である。本発明の装置は、本発明方法を実施するために好適に用いることができる。
【0064】
原料を加湿および撹拌する手段は、上記例示したような加湿撹拌工程を実施できるものであれば特に制限されない。原料を加湿および撹拌する手段としては、上記例示したようなフレキソミックス等の加湿撹拌装置が挙げられる。
【0065】
加湿および撹拌された原料に熱風を供給する手段は、上記例示したような熱風供給工程を実施できるものであれば特に制限されない。加湿および撹拌された原料に熱風を供給する手段としては、上記例示したような熱風発生装置が挙げられる。
【0066】
熱風が供給された原料を転動し造粒物を製造する手段は、上記例示したような転動造粒工程を実施できるものであれば特に制限されない。熱風が供給された原料を転動し造粒物を製造する手段としては、上記例示したような特殊転動皿等の転動造粒装置が挙げられる。
【0067】
また、本発明の装置は、原料を前処理する手段を備えていてよい。原料を前処理する手段は、上記例示したような原料の前処理を実施できるものであれば特に制限されない。原料を前処理する手段としては、上記例示したような粉砕装置が挙げられる。また、本発明の装置は、造粒物を乾燥させる手段を備えていてよい。造粒物を乾燥させる手段は、上記例示したような乾燥工程を実施できるものであれば特に制限されない。造粒物を乾燥させる手段としては、上記例示したような乾燥装置が挙げられる。また、本発明の装置は、造粒物を篩分する手段を備えていてよい。造粒物を篩分する手段は、上記例示したような篩分工程を実施できるものであれば特に制限されない。造粒物を篩分する手段としては、上記例示したような篩分装置が挙げられる。
【0068】
<3>本発明のプログラム
本発明のプログラムは、本発明の方法における各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0069】
すなわち、本発明のプログラムの一態様は、(A)原料を加湿および撹拌する工程、(B)前記加湿および撹拌された原料に熱風を供給する工程、および(C)前記熱風が供給された原料を転動し造粒物を製造する工程、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0070】
また、本発明のプログラムは、原料を前処理する工程をコンピュータに実行させてもよい。また、本発明のプログラムは、造粒物を乾燥させる工程をコンピュータに実行させてもよい。また、本発明のプログラムは、造粒物を篩分する工程をコンピュータに実行させてもよい。
【0071】
本発明のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録され、提供されてもよい。ここで、コンピュータが読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報が電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用等により蓄積され、さらに蓄積された情報をコンピュータから読み取ることのできる記録媒体を言う。このような記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD−ROM、DVD−R/W、DVD−RAM、DAT、8mmテープ、メモリカード、ハードディスク、ROM(リードオンリーメモリ)、及びSSD等が挙げられる。本発明のプログラムは、コンピュータにより実行される各工程が単一のプログラムとして記録されていてもよく、それぞれ別個の、あるいは、任意の組み合わせで別個のプログラムとして記録されていてもよい。
【実施例】
【0072】
本発明は、以下の実施例によって更に具体的に説明されるが、これらはいかなる意味でも本発明を限定する意図と解してはならない。
【0073】
実施例:熱風の吹き込みによる造粒物の収率改善
【0074】
本実施例では、加湿した粉末原料に熱風を吹き付けてから転動造粒により造粒物を製造し、湿式造粒工程における熱風吹き込みの効果について検討した。
【0075】
<材料および方法>
用いた原料を表1に、造粒工程の簡易フローを
図1に、造粒装置の簡易構成図を
図2に、それぞれ示す。
【0076】
【表1】
【0077】
粉砕原料をパルベライザー AP-4TH(ホソカワミクロン製)により粉砕し、非粉砕原料
と合わせて、フレキソミキサー FXD-250(パウレック製)に上部より供給し、表2に示す加水率および回転数で加湿および混合を行った。次いで、フレキソミキサー下部より加湿混合物を取り出し、熱風(温度:55℃、風速:10.6m/s、風量:5.0m
3/m
in)を供給し、特殊転動皿(
図3)へ移した。特殊転動皿を用いて250rpmで転動造粒を行い、流動乾燥機 FBA-80C(大川原製作所製)により乾燥(80℃で5min、次いで105℃で10min)した。次いで、アルガイヤシフター TSM-950/DS+1(ラサ工
業製)により篩分を行った。本実施例では、粒子径250μm未満を微粉、粒子径250〜1400μmを製品区分、粒子径1400μm超をダマとして、微粉およびダマは再度フレキソミキサーに原料として供給しリサイクルした。また、別途、「従来条件」として、熱風を供給せずに造粒を行った。結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
熱風吹き込み時には、従来条件運転時と比較して、ダマ量および微粉量が減少し、造粒
物の製品区分割合が大きく増加した。また、熱風吹き込み時には、従来条件運転時と比較して、粒子の均一度(D60/D10)が向上した。また、熱風吹き込み時には、従来条件運転時と比較して、平均粒子径D50が増大した。これらの結果は、例えば、熱風吹き込むことにより原料の表面および/または内部の加湿状態が不均一になったことによるものである可能性がある。また、熱風吹き込み時はダマができにくくなるため、加水率やフレキソミキサー回転数を増大させることができ、よって粒子の成長が促進されたものと考えられる。一方、従来条件運転時に加水率やフレキソミキサー回転数を増大させると、ダマが増えすぎて運転不可能であった。
【0080】
また、別途、熱風吹き込み時の転動造粒工程前後での造粒物のパラメータを測定した。結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
転動造粒工程により、粒子径が増大し、比容が減少した。このことから、転動造粒工程により、粒子の成長と粒子の比容制御を行うことができると明らかとなった。