(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなカテーテルは、ピッグテイルを有するものの、その性能は十分とは言い難い。例えば、上記カテーテルでは、側孔及び先端の開口流路が1つの流路に接続されているため、この流路が塞がれると、排液や排気ができなくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、排液・排気性に優れたドレーンカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るドレーンカテーテルは、筒状の排液部と、前記排液部の先端側に連結され、少なくとも一部が湾曲する湾曲部を有する筒状の集液部と、を備え、前記集液部は、軸方向の少なくとも一部において、複数の流路を形成するための少なくとも1つの隔壁が設けられた分岐領域を有し、前記集液部の分岐領域の内部空間は、前記隔壁により、当該集液部の全長に渡って延びる少なくとも一つの主流路と、少なくとも一つの副流路と、に仕切られ、前記主流路及び副流路は、前記排液部の内部空間とそれぞれ連通し、前記主流路の軸方向の先端部は、前記集液部の先端に形成された先端開口を介して外部に開口し、前記各副流路は、前記分岐領域の外周面に形成された周面開口を介して外部に開口している。
【0008】
本発明に係るドレーンカテーテルは、軟部組織に穿孔が形成されるのを防止するために、集液部に湾曲部が形成されたものである。本発明によれば、集液部に複数の流路が形成され、これら流路のそれぞれには外部への開口が形成されているため、1つの流路が軟部組織を吸引して塞がれたとしても、他の流路からの吸引が可能であるため、排液不良及び排気不良を防止することができる。なお、周面開口は、分岐領域における主流路と連通する部分、あるいは分岐領域以外の集液部のいずれかに設けることもできる。
【0009】
また、集液部には主流路と副流路とを仕切る隔壁が形成されているため、集液部の外形を内部から補強することができる。したがって、このドレーンカテーテルが折り曲げられたときのキンクを防止することができる。
【0010】
上記ドレーンカテーテルの集液部には、いずれの位置に周面開口を設けることができる。すなわち、湾曲部に周面開口を設けることもできる。その他、集液部には、前記湾曲部に連結され、直線状に延びる少なくとも1つのストレート部を設けることができ、このストレート部に前記周面開口を形成することができる。このように、周面開口をストレート部に形成すると、湾曲部に形成される場合に比べ、開口の形状が変形しがたい。すなわち、例えば、湾曲部に開口が形成されると、湾曲部の径が変化するような外力が加わったときに、開口が変形しやすいが、ストレート部に周面開口を形成すると、外力による変形を防止することができるため、より安定的な吸引が可能となる。
【0011】
上記ドレーンカテーテルにおいて、前記ストレート部の位置は特には限定されないが、前記排液部と前記湾曲部との間に配置することができる。
【0012】
あるいは、上記ドレーンカテーテルにおいて、前記ストレート部は、前記湾曲部よりも先端側に配置することができる。ストレート部を2箇所に設けることもでき、この場合には、前記排液部と前記湾曲部との間、及び前記湾曲部よりも先端側の2箇所に設けることができる。
【0013】
上記ドレーンカテーテルにおいて、上記集液部の周面開口は、種々の形状にすることができるが、例えば、集液部の軸方向に沿って延びるスリット状に形成することができる。これにより、吸引面積を拡大することができる。
【0014】
前記副流路の軸方向の先端部は、前記集液部の内部において終端させることができる。
【0015】
あるいは、前記副流路の軸方向の先端部を、前記集液部の内部において前記主流路と連通させることもできる。このようにすると、分岐領域において、主流路が閉鎖された場合、副流路を通じて、先端開口からの排液が可能となる。
【0016】
上記ドレーンカテーテルにおいて、前記周面開口は、前記湾曲部の内面側に形成することができる。
【0017】
上記ドレーンカテーテルにおいては、前記副流路の数は特には限定されないが、例えば、2つ設けることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るドレーンカテーテルによれば、排液・排気性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<1.ドレーンカテーテルの構造>
以下、本発明に係るドレーンカテーテルの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係るドレーンカテーテルの斜視図、
図2は
図1の側面図である。なお、以下の説明では、
図2における左側を先端側または前側、右側を基端側または後側と称し、これを基準に他の図面の説明も行うこととする。また、ドレーンカテーテルの断面の中心を通る線を軸心Xとする。
【0021】
図1及び
図2に示すように、このドレーンカテーテルは外周部分が略円周状に形成された、長尺状に延びる成形体から構成されている。具体的には、基端側から先端側へ向かって、ハブ1、排液部2および集液部3が、この順で連結されることにより構成されている。これらの部材1,2,3の接合は接着、熱融着などにより行われる。また、集液部3は、直線状に延びるストレート部31と、一部が湾曲する湾曲部32とで構成されている。以下、各部位について説明する。
【0022】
ハブ1は、ドレーンカテーテルの最後尾に設けられており、硬質の樹脂材料によって円筒状に形成されている。そして、ハブ1の基端部側は、後述するように、吸引器具(図示省略)と着脱可能に連結されるようになっている。具体的には、ハブ1の後端部の周縁部には、軸心Xを挟んで径方向外方に突出する一対の突起11が形成されている。そして、この突起11が、吸引器具にねじ込まれるようになっている。
【0023】
次に、排液部2及び集液部3について、
図3〜
図5も参照しつつ説明する。
図3は
図2のA−A線断面図、
図4は
図2のB−B線断面図、
図5は
図2のC−C線断面図である。
図1〜
図3に示すように、ハブ1の先端側には筒状の排液部2が取り付けられている。排液部2は、透明の可撓性のある樹脂材料で形成され、ドレーンカテーテルの大部分の長さを占めている。
図3に示すように、排液部2の内部空間20の断面形状は円形となっている。そして、この排液部2の先端側の端部には、集液部3が連結されている。
【0024】
集液部3は、排液部2の先端側に連結され直線状に延びるストレート部31と、その先端側に連結された湾曲部32とで構成されており、透明あるいは白などに着色された可撓性のある樹脂材料で形成されている。
図4に示すように、ストレート部31は、排液部2とほぼ同じ外径を有しており、ストレート部31の外周面には、内部と連通する2つのスリット(周面開口)33a,33bが形成されている。各スリット33a,33bは、軸方向に延びるとともに、周方向に所定の間隔をおいて形成されている。なお、スリットの数は特に限定されるものではないが、スリットの数が多くなると分岐する流路の数が増加し、その結果として同径の場合、流路が狭くなる。したがって、スリットの数は、2〜6が好ましく、2〜4であることがさらに好ましく、2とすることが特に好ましい。
【0025】
ストレート部31の内部は、3つの隔壁によって仕切られ、軸方向に延びる3つの流路を有している。より詳細には、3つの隔壁、つまり第1,第2及び第3隔壁34a,34b,34cは、ストレート部31の軸心Xから径方向外方に延び、ストレート部31の内壁面に連結されている。各隔壁34a,34b,34cは約120度の角度をなして連結されており、これによって、ストレート部31の内部には、ほぼ同等の大きさの断面扇形の3つの流路が形成されている。以下、これらを第1,第2及び第3流路35a,35b,35cと称することとする。また、これら3つの流路35a,35b,35cの基端側は、排液部2の内部空間20と連通している。そして、これら3つの流路35a,35b,35cのうち、第1及び第2流路35a,35bに対応するストレート部31の外周面には、上述したスリット33a,33bがそれぞれ形成されている。すなわち、スリット33aが第1流路35aと連通し、スリット33bが第2流路35bと連通している。
【0026】
ストレート部31の先端側には、筒状の湾曲部32が一体的に形成されている。上述したように、3つの流路35a,35b,35cの基端側は、排液部2の内部空間20と連通しているが、3つの流路35a,35b,35cのうち、第3流路35cの先端側のみが湾曲部32と連通している。一方、第1及び第2流路35a,35bは、ストレート部31の先端付近で終端しており、湾曲部32と連通しておらず、外部にも開放していない。
【0027】
図1及び
図2に示すように、湾曲部32は、ストレート部31の先端からU字型に湾曲し、先端側が直線状にカテーテルの基端側へ延びている。
図5に示すように、湾曲部32の内部空間30の断面形状は円形となっている。そして、湾曲部32の先端部はテーパー状に形成されるとともに、先端に先端開口36が形成されている。この先端開口36は、湾曲部32の内部空間30と連通している。すなわち、上述したストレート部31の第3流路35cが、湾曲部32の内部空間30を介して、先端開口36と連通している。
【0028】
また、
図2に示すように、湾曲部32の外周面において、基端部側を向く面(曲率半径の小さい内面)には、複数の側孔37が形成されている。各側孔37は円形状に形成されており、軸心Xに沿って所定間隔をおいて一列に形成されている。そして、これら側孔37は、湾曲部32の内部空間30に連通している。
【0029】
図1〜
図5に示すように、ドレーンカテーテルの排液部2から集液部3の先端付近までの外周面あるいは内壁面には、X線を通さない不透過性材料からなる線状の目印8が設けられている。この目印8は、軸方向に沿って延びており、ストレート部31の第3流路35cの位置を認識するために利用されるほか、ドレーンカテーテルを患者の体内に留置したときにX線照射により所定の確認操作を行う際に造影用の目印としても利用される。なお、この目印8を設ける場所は特には限定されず、必要に応じてスリット33a,33bの流路を認識することができるような位置に設けることもできる。目印8をドレーンカテーテルの内壁面に設ける場合には、外部から視認できるようにするため、その部分を透明の材料で形成しておく必要がある。
【0030】
上述したドレーンカテーテルの排液部2、集液部3の材質は、体内、特に血管内に留置して安全な弾性のある材料であればよい。そのような材料としては、例えば、ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニル共重合体等を挙げることができるが、体外では硬度を保ち体内で柔軟性をもつ性質をもつポリウレタンを用いることが好ましい。このような柔軟性を有する材料で形成することで、集液部3の湾曲部32は、柔軟に変形し、例えば、直線状の先端部付近も湾曲させることができる(
図2の破線参照)。また、後述するセルジンガー法でカテーテルを挿入する際には、湾曲部32が直線状になるまで変形させることができる。
【0031】
また、ドレーンカテーテルは、留置中に血液と接触して血栓が形成されるのを防ぐために、抗血栓処理が施されていてもよい。抗血栓処理はウロキナーゼ等のプラスミノーゲンアクチベーターを化学結合法により基材のカテーテル表面に固定化する方法(詳細は、特許第1406830号公報参照)、ヘパリン等の抗凝固因子をカテーテル表面に固定化する方法等様々な方法が開発されているが、特定の方法に限定されるものではない。また、抗血栓処理の範囲は生体内と接触する部分であれば、ドレーンカテーテルの内面、外面またはその両方であってもよい。
【0032】
さらに、上記ドレーンカテーテルは、皮下組織または血管への挿入を容易にするために基材表面を親水性高分子化合物でコーティングするなどの潤滑性処理が施されているもの(例えば、特開平10−248919号公報参照)であってもよい。潤滑性処理する方法は多くの方法が開発されているが、特にどの方法を選択しても良い。また、潤滑性処理の範囲は人体に接触する部分、またはカテーテルを留置する用具等に接触する部分であれば特にどの部分であってもよい。
【0033】
このドレーンカテーテルは種々の長さにすることができるが、例えば、全長を、約50〜500mm、好ましくは100〜300mmとすることができる。このうち、集液部3は、10〜300mm、好ましくは15〜200、より好ましくは20〜100mmとすることができる。また、ドレーンカテーテルの外径は、約1〜10mm、より好ましくは2〜6mm、更に好ましくは2〜4mmに設定することができる。排液部2の内径は、外径の90%〜30%、好ましくは70%〜50%に設定することができる。
【0034】
<2.ドレーンカテーテルの使用方法>
次に、上記のように構成されたドレーンカテーテルの使用方法について説明する。まず、ドレーンカテーテルの刺入部位に局所麻酔を行い、これに続いて、セルジンガー法にてドレーンカテーテルを目的部位に留置する。具体的には、金属穿刺針を目的部位に穿刺し、この金属穿刺針にガイドワイヤーを挿入する。そして、ガイドワイヤーを目的部位に留置した後、金属穿刺針を抜去する。このとき、金属穿刺針の代わりにプラスチックカニューラ付穿刺針を用いることができる。この場合には、プラスチックカニューラ付穿刺針を目的部位に穿刺した後、内針を抜去する。これに続いて、カニューラにガイドワイヤーを挿入し、ガイドワイヤーを目的部位に留置した後、カニューラを抜去する。
【0035】
こうして、ガイドワイヤーが留置された後、必要に応じて刺入部位に小切開を加えた後、ガイドワイヤーに沿ってダイレーター挿入し、刺入部位を拡張する。続いて、ダイレーターを抜去した後、ドレーンカテーテルをガイドワイヤーに沿って目的部位に留置する。そして、吸引器具を操作することにより、ドレーンカテーテルを介して患者の胸腔内等に生じる排液や気体を除去する。この場合、排液はスリット33a、33b、先端開口36、側孔37から吸引される。そして、ドレーンカテーテル内を通過して吸引器具の貯留容器に吸い込まれる。
【0036】
<3.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、カテーテルの先端部が湾曲しているため、軟部組織に先端が突き刺さって穿孔が形成されるのを防止することができる。また、集液部3に複数の流路が形成され、これら流路のそれぞれには外部へ開口するスリット33a,33b、先端開口36が形成されているため、1つの開口が軟部組織を吸引して塞がれたとしても、他の開口からの吸引が可能であるため、排液不良及び排気不良を防止することができる。特に、スリット33a,33bはストレート部31に形成されているため、湾曲部32に形成される場合に比べ、開口の形状が変化しがたい。すなわち、例えば、湾曲部32に長手方向に延びる開口が形成されると、湾曲部32の径が変化するような外力が加わったときに、開口が変形しやすいが、ストレート部31にスリット33a、33bを形成すると、外力による変形を防止することができるため、安定的な吸引が可能となる。
【0037】
また、集液部3には各流路35a,35b,35cを仕切る隔壁34a,34b,34cが形成されているため、集液部3の外形を内部から補強することができる。したがって、このドレーンカテーテルが折り曲げられたときのキンクを防止することができる。
【0038】
さらに、湾曲部32において基端部側を向く内面には、複数の側孔37が形成されているため、ここからも集液が可能である。特に、これら側孔37は湾曲部32の内面に形成され、体内の組織に直接吸着しがたいため、安定的な集液が可能である。より詳細には、
図6に示すような湾曲部32の周方向の領域に側孔を形成することができる。
図6は
図2のD−D線断面図である。同図に示すように、側孔37は、湾曲部32の内面の中心を通る線Tを挟む約270°(線Tの両側に135°ずつ)の範囲αに形成することができる。この範囲αが、本発明の内面側に相当する。但し、組織への吸着を抑制するには、この範囲を180°以内にすることが好ましく、120°以内にすることがさらに好ましい。なお、すべての側孔37は、上述した約270°の範囲α内に形成される必要はなく、少なくとも1つがこの範囲にあればよい。
【0039】
また、これら側孔37は概ね円形であればよく、楕円であってもよい。側孔37をスリット状に形成することもできるが、湾曲部32が変形したときに、変形しやすくなるため、概ね円形であることが好ましく、このようにすることで、より安定的な集液が可能である。
【0040】
同様に、ストレート部31に形成されているスリット33a,33bも湾曲部32の先端部分と対向する内面側に形成されているため、体内の組織に直接吸着しがたく、安定的な集液が可能である。また、このようなスリットが形成される周方向の範囲も、上述した側孔37と同様の範囲α、すなわち、
図6に示すように、スリット33a,33bは、湾曲部32の内面の中心を通る線Tを挟む約270°(線Tの両側に135°ずつ)の範囲αに形成することができる。この範囲αが、本発明の内面側に相当する。但し、組織への吸着を抑制するには、この範囲を180°以内にすることが好ましく、120°以内にすることがさらに好ましい。なお、すべてのスリット33は、上述した約270°の範囲α内に形成される必要はなく、少なくとも1つがこの範囲にあればよい。
【0041】
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変形が可能である。例えば、ドレーンカテーテルは、長手方向に沿った各部分をそれぞれ成形したのちに接合することにより形成してもよいし、一体成形により形成してもよい。
【0042】
湾曲部32の構成は、特には限定されず、少なくとも一部が湾曲していればよい。あるいは、
図7に示すように、全体が渦巻き状に湾曲していてもよい。
【0043】
上記実施形態では、第1及び第2流路35a,35bがストレート部31内で終端しているが、湾曲部32の内部空間30と連通するように構成することもできる。このようにすると、例えば、第3流路35cが閉鎖した場合、第1及び第2流路35a,35bを介して、先端開口36から排液することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、集液部3においてストレート部31を湾曲部32と排液部2との間に配置しているが、ストレート部31の位置は特には限定されない。例えば、
図8に示すように、湾曲部32よりも先端側にストレート部31を設けてもよい。この場合、湾曲部32は排液部2と直接連結される。そして、ストレート部31は上述したように複数の流路35a,35b,35cを有している、湾曲部32からストレート部31にわたっては流路が3つに分岐し、そのうちの1つが先端開口34まで延びている。残りの2つの流路は周面にスリット33が形成されるとともに、ストレート部31の先端部において終端している。
【0045】
あるいは、
図9に示すように、集液部3に2つのストレート部31a,31bを設けることもできる。この例では、湾曲部32の先端側及び基端側にそれぞれストレート部31a,31bが設けられている。このようにすると、スリットの数が増えるため、さらに効果的な吸液が可能となる。
【0046】
また、上記実施形態では、ストレート部31に隔壁34a,34b,34cが形成されて複数の流路35a,35b,35cが形成されているが、複数の流路を形成するための隔壁はストレート部31だけではなく、湾曲部32に形成することもできる。集液部3において、このような隔壁が形成されている領域が、本発明の分岐領域となる。この場合、上述した側孔やスリットを、隔壁が形成された湾曲部32に形成することもでき、これらが形成される周方向の範囲は上述したとおりである。さらに、集液部3は、湾曲部32とストレート部31とを連結することで形成されているが、湾曲部32のみで集液部3を構成することもできる。
【0047】
上記実施形態では、湾曲部32の内面に円形状の側孔37を形成しているが、スリット状の側孔を設けることもできる。但し、側孔は必ずしも必要ではなく、設けなくてもよい。
【0048】
さらに、分岐領域に形成される流路の数は、特には限定されず、隔壁の数を変更することで、2または4以上であってもよい。各流路35a,35bと連通するスリットは1つでなくてもよく、1つの流路に対して複数のスリットが形成されていてもよい。また、ストレート部31に形成される周面開口は、スリット状でなくてもよく、例えば、複数の小孔を軸方向に並べたり、あるいは、円形、矩形状などの1つの開口で形成することもできる。さらに、ドレーンカテーテルの外周面において、第3流路35aと対応する位置に開口を形成することもできる。つまり、第1,第2流路35a,35bに形成されているようなスリット33a,33bやその他の形状(円形、矩形状、楕円状など)の開口を少なくとも一つ形成することもできる。
【0049】
また、集液部3及び排液部2の内部空間の形状は、必ずしも円形でなくてもよく、
図10に示すように異形であってもよい。この例では、内部空間の内壁面に、断面視で、複数の凹部41を形成し(この例では3個)、これら凹部41が軸方向に延びるように形成している。このようにすると、流量に影響する内径断面積を確保しつつ、一部が肉厚になり、排液部が折り曲げられたときのキンクを防止することができる。
【0050】
上記実施形態では、排液部2を透明、集液部3を透明または白に着色するように形成されているが、これに限定されるものでなく、各部の色は、適宜変更することができる。