特許第6186872号(P6186872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186872
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】反転式印判
(51)【国際特許分類】
   B41K 1/40 20060101AFI20170821BHJP
   B41K 1/50 20060101ALI20170821BHJP
   B41K 1/38 20060101ALI20170821BHJP
   B41K 1/02 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   B41K1/40
   B41K1/50 J
   B41K1/38
   B41K1/02 T
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-103813(P2013-103813)
(22)【出願日】2013年5月16日
(65)【公開番号】特開2014-223747(P2014-223747A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2016年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】390017891
【氏名又は名称】シヤチハタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】三矢 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】小出 託也
【審査官】 亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−025659(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3148906(JP,U)
【文献】 特開2003−326819(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0277647(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41K 1/40
B41K 1/02
B41K 1/38
B41K 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠体と、この外枠体にガイドされて弾性部材の付勢下に上下スライド自在な内枠体と、外枠体に枢着された印盤と、内枠体の上下スライドにより印盤を反転復帰させるカム機構とを設けた反転式印判であって、捺印操作による印盤の反転後、印盤の姿勢が維持されるよう印盤と内枠体とのどちらか一方に縦溝を、他方に縦隆条を設けたキー機構により前記印盤と前記内枠体とがキー係合したことを特徴とする反転式印判。
【請求項2】
内枠体を外枠体に係止ロックするロック機構と、内枠体に施蓋されて内枠体の開口が印盤の印面より上方に位置するロック位置まで押し上げる突子を形成した印面キャップとを設けたことを特徴とする請求項1に記載の反転式印判。
【請求項3】
印面キャップの内面に隆条部を形成するとともに、内枠体に隆条部と係止する凹部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の反転式印判。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、常時は枠内で印字体が上向きに反転されてインキパッドによるインキ補給が行なわれる状態を保持しているが、捺印操作でスライド自在な内枠体が押し上られると印字体が反転されて露呈された印字面により捺印が行なわれるようにした反転式印判に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より知られているこの種の反転式印判は、内枠体にスリットと反転ガイドを形成し、該内枠体内に固定軸を前記スリットに嵌合させた印判主体をスライド自在に装着するとともに、内枠体のスライドにより前記反転ガイドに印判主体の反転軸を係合させて印判主体を反転させるものがある(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、印判主体の固定軸と内枠体のスリットとの間に遊びがあるため、捺印操作を急速、且つ激しく行うと印判主体の反転軸と内枠体の反転ガイドとの係合が外れたり、内枠体がガタついたりするという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−25659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は捺印操作によりカム機構が損傷したりカム係合が外れたり、内枠体の上下スライドがガタつくことのない反転式印判を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の反転式印判は、外枠体と、この外枠体にガイドされて弾性部材の付勢下に上下スライド自在な内枠体と、外枠体に枢着された印盤と、内枠体の上下スライドにより印盤を反転復帰させるカム機構とを設けた反転式印判であって、捺印操作による印盤の反転後、印盤の姿勢が維持されるよう印盤と内枠体とのどちらか一方に縦溝を、他方に縦隆条を設けたキー機構により前記印盤と前記内枠体とがキー係合したことを特徴とする。
【0007】
なお、キー機構を、内枠体を外枠体に係止ロックするロック機構と、内枠体に施蓋されて内枠体の開口が印盤の印面より上方に位置するロック位置まで押し上げる突子を形成した印面キャップとを設けたものとしたり、印面キャップの内面に隆条部を形成するとともに、内枠体に隆条部と係止する凹部を形成したりすることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、外枠体と、この外枠体にガイドされて弾性部材の付勢下に上下スライド自在な内枠体と、外枠体に枢着された印盤と、内枠体の上下スライドにより印盤を反転復帰させるカム機構とを設けた反転式印判であって、捺印操作による印盤の反転後、印盤の姿勢が維持されるよう印盤と内枠体とをキー機構によりキー係合したことにより、捺印操作を急速、且つ激しく行っても、印盤が踊ってガタついたり、カム機構の係合が外れたりすることがない。
【0009】
また、請求項2のように、内枠体を外枠体に係止ロックするロック機構と、内枠体に施蓋されて内枠体の開口が印盤の印面より上方に位置するロック位置まで押し上げる突子を形成した印面キャップとを設けたことにより、印面キャップにより内枠体を押し上げて、外枠体と内枠体とを係止ロックすれば、印盤は反転した下向きの状態でロックされることとなる。このため印面キャップを外せば、印盤の印面が露呈された状態に保持されるので、印面の清掃や、印字体の交換作業等のメンテナンスが容易に行えることとなる。
【0010】
請求項3のように、印面キャップの内面に隆条部を形成するとともに、内枠体に隆条部と係止する凹部を形成したことにより、印面キャップは内枠体に嵌着されるので、印面キャップは不用意に外れることがないので、携行したり保管しても服を汚したり保管場所を汚すおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の好ましい実施形態を示す縦断面図である。
図2】同じく90度位相をずらした縦断面図である。
図3】カム機構の作動状態を示す説明図である。
図4】同じく印面キャップを施蓋した係止ロック状態を示す縦断面図である。
図5】同じく捺印状態を示す縦断面図である。
図6】本発明の好ましい実施形態の分解斜視図である。
図7】印面キャップの斜視図である。
図8】同じく縦断面図である。
図9】印盤の斜視図である。
図10】(a):キー機構の第1の実施例の係合状態を示す一部切欠横断面図である。(b):キー機構の第2の実施例の係合状態を示す一部切欠横断面図である。 (c):キー機構の第3の実施例の係合状態を示す一部切欠横断面図である。(d):キー機構の第4の実施例の係合状態を示す一部切欠横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を好ましい実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
1は印判本体であり、該印判本体1は外枠体2内を上下にスライド動自在にガイドされる内枠体3と、外枠体2の先端に枢着される反転自在な印盤4と、内枠体3の基端に取付けられるインキパッド5a収納用のインキパッドケース5と、内枠体3を下方に付勢するスプリングコイルよりなる弾性部材6と、内枠体3の下端に施蓋保持される印面キャップ7とからなる。
【0013】
前記外枠体2には、内枠体3と係止する係止爪2aを前後の内壁面に形成するとともに、内枠体3の係止爪片3aと外枠体2の係止爪2aとの係止ロックを解除する解除レバー2bが前後の外面に形成されており、2cは印盤4の水平軸4aを枢着する軸孔、8は外枠体2の上部に施蓋される天面カバーである。
【0014】
また、内枠体3には印盤4の水平軸4aをガイドする縦溝3bが形成されている。また、印盤4を反転させるカム機構9は図3、4、5に示されるように、内枠体3の縦溝3bの中間部一側方に形成されている第1カム9aと印盤4に形成される第2カム9bとからなる。前記した第1カム9aは図示するように、中間の凹弧部に上下の円弧部を続かせたカム曲線を有するもので、一方、第2カム9bは印盤4の外縁上部に形成され前記第1カム9aと嵌り合う同形状のカム曲線を有するもので、水平軸4aの垂線中心線上に円弧部を形成し、該円弧部に左右の凹弧部を続かせたものである。
【0015】
前述したような構成とすることにより、印盤4は非捺印状態では弾性部材6により付勢され、外枠体2より張出されている内枠体3の基方に位置し、印面をインキパッド5aに接触させた反転状態となっているが、捺印操作により内枠体3が外枠体内2にスライド収納されると、図3に示されるように、第2カム9bの下向きとなっている凹弧部と第1カム9aの上部の円弧部とが鎖線で示すように歯車のように噛み合い、水平軸4aにより外枠体2と枢着されている印盤4は180度回転して印字体は下向きになり捺印が可能となる。
【0016】
そして、捺印操作を完了することにより、弾性部材6によって内枠体3は下降し、この下降により図3に示されるように、第1カム9aの下部の円弧部と反転している第2カム9b上向きの凹弧部とが噛み合い、前記とは逆方向に印盤4を反転させて旧状に復帰する。また、携行したり保管したりする場合は、内枠体3に印面キャップ7を施蓋すれば、印面は印面キャップ7により保護されると同時に内枠体3の開口は図4に示すように、印盤4の印面より上方に押し上げられるので内枠体3と外枠体2とはロック機構10により係止ロックされる。
【0017】
ロック機構10は外枠体2に形成される係止爪2aと、内枠体3に形成される係止爪2aと係止する係止爪片3aと、係止ロックを解除する外枠体2に形成される解除レバー2bとからなるもので、内枠体3に印面キャップ7を施蓋しただけでは内枠体3と外枠体2とは係止ロックされず、印面キャップ7の突子により内枠体3の開口が印盤の印面より上方に位置するまで押し上げるとロック機構10が作動し、内枠体3と外枠体2とが係止ロックされるものである。このため捺印操作による内枠体3の上昇はその開口が印盤の印面と略面一となる位置までとなり、内枠体3が外枠体2に係止ロックされることはない。また、ロック機構10の解除は解除レバー2bを押し込むことによって、係止爪片3aは内側に屈曲し係止爪2aとの係止ロックが解かれ内枠体3は弾性部材6の弾発力により下降し、印盤4は反転上昇してインキパッド5aに接触する。このような構成としているため、印面キャップ7を外しても内枠体3と外枠体2との係止ロックは解除されることがなく、印盤4をロックすることができる。
【0018】
11は印面キャップ7の保持機構であり、この保持機構11は内枠体3の下端外面に形成された下拡がり弧状の凹部11aと、印面キャップ7の前後の内壁面に形成される隆条部11bと、隆条部11bを囲んで形成される突子11cとからなり、図2図4に示されるように、突子11cは内枠体3の下端縁に当接させて隆条部11bを凹部11aに係合させれば、印面キャップ7が内枠体3に正確に位置決め保持される。
【0019】
12はキー機構であり、該キー機構12は図1、3、4、5、10(a)に示されるように、内枠体3の下部対向内壁面に並設される左右一対の縦隆条12aと、図6、9に示されるように、印盤4の対向外壁面に水平軸4aを挟んで並設される左右一対の縦溝12bとからなり、該キー機構12により、捺印操作による内枠体3の上下スライド時、反転した印盤4のスライド動作が不安定となったり、ガタついたりすることを防止する。
【0020】
なお、キー機構12は図10(a)に示す第1の実施例のように、印盤4の左右の個別の縦溝12b内に内枠体3の左右の個別の縦隆条12aを嵌合させるという構成に限定されるものではなく、図10(b)に示す第2の実施例のように、内枠体3の左右の縦隆条12a全体を印盤4の幅広の縦溝12b内に嵌合させるものとしたり、図10(c)に示す第3の実施例のように、内枠体3の左右個別の縦溝12b内に印盤4の左右個別の縦隆条12aを嵌合させるものとしたり、図10(d)に示す第4の実施例のように、印盤4の左右の縦隆条12a全体を内枠体3に幅広の縦溝12b内に嵌合させるものとしたりしてもよい。
【0021】
このように構成されたものは、印面キャップ7を外せば、内枠体3は図1、2に示されるように外枠体2より張出されるから、この状態で捺印動作を行えば、弾性部材6の付勢力に抗して内枠体3は外枠体2内に収納されていく。このような内枠体3の上昇により、図3に示すように、内枠体3の第1カム9aと印盤4の第2カム9bとは噛み合い印盤4は反転し印面を下向きとする。
【0022】
図3に示すように、印盤4が下向きに反転されると、内枠体3の縦隆条12aと印盤4の縦溝12bとは近接されて向い合った状態で内枠体3は上昇するので、キー機構12の縦隆条12aと縦溝12bとは係合し、係合状態を維持しながら内枠体3は上昇を続けることとなる。このキー機構12の縦隆条12aと縦溝12bとの係合により印盤4の姿勢は安定してガタつくことがないので、急速且つ、強く捺印を行っても、印盤4が位置ずれを起こして内枠体3から外れたり、カム機構9の第1カム9aと第2カム9bとの係合不良の発生を防止できる。
【0023】
このため印盤4は安定し、図5に示されるような安定した捺印が行なわれる。捺印が完了すれば、内枠体3は弾性部材6の付勢力によりキー機構12の案内下に安定した状態で下降し、外枠体2より張出された旧状に復帰する。この復帰により印盤4は反転して印面をインキパッド5aと接触させてインキを付着させる。
【0024】
また、長期使用により汚損された印面を清掃したり、印字体を交換したりする場合は、解除レバー2bを操作せずに印面キャップ7を外せば、外枠体2と内枠体3とは係止ロックされたままとなり、印盤4は印面を下向きとした反転状態のままロックされているので、下向きに露呈された印面7を清掃したり、印字体を交換すればよい。再び、捺印操作を行う場合には、外枠体2の解除レバー2bを押せば係止ロックは解除されて、内枠体3は弾性部材6の付勢力により下降し、カム機構9を介して印盤4は反転し、印字体をインキパッド5aに接触させるので、押印操作を行えば新たにインキが印面に付着された印盤4は反転下降して鮮明な捺印が行なわれる。
【符号の説明】
【0025】
1 印判本体
2 外枠体
2a 係止爪
2b 解除レバー
2c 軸孔
3 内枠体
3a 係止爪片
3b 縦溝
4 印盤
4a 水平軸
5 インキパッドケース
5a インキパッド
6 弾性部材
7 印面キャップ
8 天面カバー
9 カム機構
9a 第1カム
9b 第2カム
10 ロック機構
11 保持機構
11a 凹部
11b 隆条部
11c 突子
12 キー機構
12a 縦隆条
12b 縦溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10