(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなプーリ90の支持構造では、プーリ90と底壁部91aとの間に付着した水滴等が低温環境下で凍結して氷になると、例えばプーリ90等が回転不能になって車両ドアが開閉作動不能になる可能性がある。あるいは、プーリ90やこれに掛けられるロープ部材が氷を巻き込んで、異音を発生する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、プーリ及びこれを支持する支持部材の間に付着した水滴等を速やかに排出してその凍結を抑えることができる車両用ドア開閉駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する車両用ドア開閉駆動装置は、電気的駆動源によって駆動される駆動用のプーリを含む複数のプーリと、前記複数のプーリに掛けられて車両ボデーに形成された開口を開閉する車両ドアに連係されるロープ部材とを備え、前記駆動用のプーリの駆動により前記ロープ部材が移動することで、前記車両ドアが前記開口を開閉するように構成されており、前記複数のプーリのうちの少なくとも一つを回転可能に支持する支持部材を備え、前記支持部材は、前記プーリの車両高さ方向下方に配置される底壁部において、当該方向に延びる軸線周りに当該プーリを回転可能に支持しており、前記底壁部には、前記プーリの軸線を中心とする径方向外側に向かうに従って車両高さ方向下方に傾斜する傾斜面が形成される。
【0008】
この構成によれば、前記底壁部(支持部材)に支持される該当の前記プーリと前記底壁部との間に付着した水滴等を前記傾斜面に沿って円滑に排出してその凍結を抑えることができる。
【0009】
また、前記底壁部に支持される前記プーリは、前記支持部材の車両前後方向先端部に配置されており、前記支持部材は、車両高さ方向に立設されて車両前後方向に延在する縦壁部と、前記縦壁部の前記プーリ側の車両前後方向先端部に接続され、前記縦壁部からその延在方向に対して交差する外側に向かって屈曲する止水壁部とを有す
る。
【0010】
この構成によれば、前記縦壁部を伝って前記底壁部に支持される前記プーリに浸入しようとする水滴等を前記止水壁部で遮ることで、当該プーリ等が濡れて凍結することを抑えることができる。
【0011】
上記車両用ドア開閉駆動装置について、前記支持部材は、前記縦壁部の下端から車両幅方向両側に延出する下側フランジと、前記縦壁部の上端から車両幅方向両側に延出する上側フランジと、前記縦壁部の前記プーリ側の車両前後方向先端部に接続され、前記縦壁部からその延在方向に対して交差する内側に向かって屈曲する補強壁部とを有し、前記止水壁部及び前記補強壁部の上端は前記上側フランジに接続され、前記止水壁部及び前記補強壁部の下端は前記下側フランジに接続されることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、前記縦壁部からその延在方向に対して交差する外側及び内側に前記止水壁部及び前記補強壁部がそれぞれ延出しており、前記止水壁部及び前記補強壁部の上端が前記上側フランジに接続されるとともに、下端が前記下側フランジに接続されることで、前記支持部材の強度を増加することができる。
【0013】
上記車両用ドア開閉駆動装置について、前記ロープ部材は歯付ベルトであり、前記底壁部に支持される前記プーリは、前記歯付ベルトと噛み合う複数の歯の形成されたベルト車部と、前記ベルト車部の下端から径方向外側に延出する抜け止め部と、前記抜け止め部を、隣り合う前記複数の歯間で開口することで形成された排水部とを備えることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、該当の前記プーリ(歯付プーリ)は、該プーリに付着した水滴等を前記排水部を通じて速やかに排出してその凍結を抑えることができる。すなわち、前記抜け止め部が、隣り合う前記複数の歯間で開口されるため、該当の前記プーリに付着した水滴を溜まりにくくしてその凍結を抑えることができる。また、前記抜け止め部を開口する分、当該プーリ(歯付プーリ)の質量を低減することができる。
【0015】
上記車両用ドア開閉駆動装置について、前記止水壁部及び前記補強壁部は、前記縦壁部の互いに同等の車両前後方向の位置に配置されることが好ましい。
この構成によれば、前記止水壁部及び前記補強壁部は、それらの協働で前記プーリ近傍の前記支持部材の強度を増加することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、プーリ及びこれを支持する支持部材との間に付着した水滴等を速やかに排出してその凍結を抑えることができる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、車両用ドア開閉駆動装置の一実施形態について説明する。なお、以下では、車両前後方向を「前後方向」といい、車両高さ方向上方及び下方をそれぞれ「上方」及び「下方」という。また、車室内方に向かう車両幅方向内側を「車内側」といい、車室外方に向かう車両幅方向外側を「車外側」という。
【0019】
図4に示すように、自動車などの車両ボデー10には、その側部に形成された開口としての乗降口10aの上縁及び下縁に沿って前後方向に延在するアッパレール11及びロアレール12がそれぞれ設置されている。また、車両ボデー10には、乗降口10aの後方のクォータパネル10bにおいて前後方向に延在するセンターレール13が設置されている。そして、これらアッパレール11、ロアレール12及びセンターレール13には、ガイドローラユニット14,15,16をそれぞれ介してスライドドア20が前後方向に移動可能に支持されている。スライドドア20は、前後方向への移動に伴って乗降口10aを開閉する。
【0020】
図1に示すように、ロアレール12は、例えば金属板からなり、その長手方向中間部に湾曲部12aを有するとともに、該湾曲部12aの前端側で車内側に向かって傾斜する曲成部12bを有し、更に湾曲部12aの後端側で車両後方に延びる直線部12cを有する。
【0021】
車両ボデー10には、ロアレール12の車内側に隣接して、駆動ユニット21が設置されている。この駆動ユニット21は、ロアレール12に沿って前後方向に延在する、例えば樹脂材からなる支持部材としてのフレーム部22を有するとともに、該フレーム部22の前端部に設置される駆動部25を有する。そして、フレーム部22には、その後端部においてプーリとしての従動プーリ23が車両高さ方向に延びる軸線周りに回転可能に支持されるとともに、湾曲部12a近傍となる前後方向中間部においてプーリとしてアイドルプーリ24が車両高さ方向に延びる軸線周りに回転可能に支持されている。
【0022】
一方、駆動部25は、例えば金属板等からなる取付部材26を有するとともに、該取付部材26に固定される減速機付きのモータ27を有する。このモータ27は、その出力軸に連結された駆動用のプーリ27aを車両高さ方向に延びる軸線周りに回転駆動する。また、取付部材26には、プーリ27aの図示下側に隣接してプーリとしてのテンションプーリ28が車両高さ方向に延びる軸線周りに回転可能に支持されるとともに、プーリ27aの図示左下側に隣接してプーリとしての従動プーリ29が車両高さ方向に延びる軸線周りに回転可能に支持されている。
【0023】
従動プーリ23等には、リング状のロープ部材及び歯付ベルトとしての無端歯付ベルト30が巻き掛けられている。すなわち、ロアレール12に近接する側で前側の従動プーリ29から後側の従動プーリ23に向かって車両後方に延びる無端歯付ベルト30は、従動プーリ23に図示反時計回りに巻かれてロアレール12から離隔する側で車両前方に転向する。そして、アイドルプーリ24に向かって車両前方に延びる無端歯付ベルト30は、ロアレール12に近接する側でアイドルプーリ24に図示時計回りに巻かれるとともに、ロアレール12に近接する側でテンションプーリ28に図示時計回りに巻かれる。引き続き、無端歯付ベルト30は、ロアレール12から離隔する側でプーリ27aに図示反時計回りに巻かれるとともに、ロアレール12に近接する側で前側の従動プーリ29に図示反時計回りに巻かれて車両後方に転向し、ロアレール12に近接する側の部位に繋がる。
【0024】
従って、モータ27によりプーリ27aが回転駆動されると、その回転方向に応じた方向に無端歯付ベルト30がフレーム部22(ロアレール12)に沿って移動する。なお、無端歯付ベルト30のロアレール12に近接する側の所定位置(
図1の状態では従動プーリ23近傍の位置)には、例えば金属板からなる略台形状のブラケット31が固着されている。このブラケット31には、前記ガイドローラユニット15が締結される。
【0025】
ここで、
図1において、例えば駆動用のプーリ27aが図示時計回りに回転したとする。このとき、無端歯付ベルト30が全体として図示時計回りに回転することで、ガイドローラユニット15の固定されるブラケット31が車両前方に移動し、スライドドア20が閉作動する。反対に、駆動用のプーリ27aが図示反時計回りに回転したとする。このとき、無端歯付ベルト30が全体として図示反時計回りに回転することで、ガイドローラユニット15の固定されるブラケット31が車両後方に移動し、スライドドア20が開作動する。
【0026】
特に、スライドドア20は、ガイドローラユニット15が湾曲部12a又は曲成部12bに案内されることで、例えば全閉位置から開作動する直後に車外側に押し出され、あるいは全閉位置になる直前に車内側に引き込まれる。これは、スライドドア20の開作動時にその後方へのスライドを許容し、全閉時にこれを車両ボデー10の側面と面一になるように配置するためである。
【0027】
次に、フレーム部22等の構造について説明する。
図2(a)に示すように、フレーム部22は、基本的には 車両高さ方向に立設されて前後方向に延在する縦壁部22aと、該縦壁部22aの下端から車両幅方向両側に延出する下側フランジ22bと、縦壁部22aの上端から車両幅方向両側に延出する上側フランジ22cとを一体的に有して断面略I字状に成形されている。なお、無端歯付ベルト30の従動プーリ23,29間に掛け渡される車外側の部位と、従動プーリ23及びテンションプーリ28間に掛け渡される車内側の部位とは、縦壁部22aによって互いに隔てられている。
【0028】
図2(b)に示すように、縦壁部22aの従動プーリ23に近接する後端には、車外側及び車内側にそれぞれ屈曲する止水壁部41及び補強壁部42が接続されている。なお、これら止水壁部41及び補強壁部42の下端は下側フランジ22bに接続されており、上端は上側フランジ22cに接続されている。
【0029】
図2(c)に示すように、下側フランジ22bの後端部は、従動プーリ23の下方に配置されて該従動プーリ23を回転可能に支持する底壁部43を形成する。この底壁部43上面には、従動プーリ23の軸線を中心とする径方向外側に向かうに従って下方に傾斜する傾斜面43aが形成されている。一方、フレーム部22は、底壁部43と略平行となるようにその上方に配置された蓋壁部44を一体的に有する。この蓋壁部44は、従動プーリ23の上方に配置されて該従動プーリ23を回転可能に支持する。
【0030】
すなわち、フレーム部22には、車両高さ方向に延びる中心線を有して底壁部43及び蓋壁部44を貫通する略段付き円柱状の支持ピン47が回転不能に支持されており、該支持ピン47周りに従動プーリ23が回転可能に支持されている。
【0031】
また、
図2(d)に示すように、フレーム部22の前後方向中間部には、下側フランジ22bの車内側に向かう突出部に代えて、該下側フランジ22bよりも上方に隆起する底壁部45が形成されている。この底壁部45は、アイドルプーリ24の下方に配置されて該アイドルプーリ24を回転可能に支持する。この底壁部45上面にも、アイドルプーリ24の軸線を中心とする径方向外側に向かうに従って下方に傾斜する傾斜面45aが形成されている。
【0032】
さらに、フレーム部22の前後方向中間部には、上側フランジ22cの車内側に向かう突出部に代えて、該上側フランジ22cよりも下方に隆起する蓋壁部46が形成されている。この蓋壁部46は、アイドルプーリ24の上方に配置されて該アイドルプーリ24を回転可能に支持する。
【0033】
すなわち、フレーム部22には、車両高さ方向に延びる中心線を有して底壁部45及び蓋壁部46を貫通する略段付き円柱状の支持ピン48が回転不能に支持されており、該支持ピン48周りにアイドルプーリ24が回転可能に支持されている。
【0034】
図3に併せ示すように、従動プーリ23は、例えば樹脂材にて成形されており、車両高さ方向に軸線の延びるベルト車部51を有するとともに、該ベルト車部51の下端及び上端から径方向外側にそれぞれ延出する一対の抜け止め部52,53を有する。そして、ベルト車部51の外周部には、軸線方向と平行に延びる複数の歯51aが全周に亘って等角度間隔に形成されている。これら複数の歯51aは、無端歯付ベルト30と噛み合うように成形されている。
【0035】
抜け止め部52は、複数の歯51aの凹凸に合わせて等角度間隔で凹凸する複数の抜け止め爪52aで構成されている。従って、周方向において、各歯51aの歯先及び歯底の位置は、抜け止め爪52aの歯先及び歯底の位置とそれぞれ一致している。隣り合う複数の抜け止め爪52a間は、車両高さ方向に連通する複数の略V字溝状の排水部52bをそれぞれ形成する。換言すれば、複数の排水部52bは、抜け止め部52が隣り合う複数の歯51a間で開口することで形成されている。
【0036】
同様に、抜け止め部53も、複数の歯51aの凹凸に合わせて等角度間隔で凹凸する複数の抜け止め爪53aで構成されている。従って、周方向において、各歯51aの歯先及び歯底の位置は、抜け止め爪53aの歯先及び歯底の位置とそれぞれ一致している。隣り合う複数の抜け止め爪53a間は、車両高さ方向に連通する複数の略V字溝状の排水部53bをそれぞれ形成する。
【0037】
このように構成された従動プーリ23は、その中心部を車両高さ方向に開口する略円形の軸受孔23aに前記支持ピン47が挿通されることで、該支持ピン47周りに回転可能に支持される。
【0038】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2(c)に示すように、フレーム部22は、従動プーリ23の下方に配置される底壁部43において、車両高さ方向に延びる軸線周りに従動プーリ23を回転可能に支持している。そして、この底壁部43には傾斜面43aが形成されている。このため、例えば雨天走行時や洗車時等に従動プーリ23と底壁部43との間に付着した水滴等は、傾斜面43aに沿って円滑に排出される。
【0039】
また、
図2(d)に示すように、フレーム部22は、アイドルプーリ24の下方に配置される底壁部45において、車両高さ方向に延びる軸線周りにアイドルプーリ24を回転可能に支持している。そして、この底壁部45には傾斜面45aが形成されている。このため、同様にアイドルプーリ24と底壁部45との間に付着した水滴等は、傾斜面45aに沿って円滑に排出される。
【0040】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、従動プーリ23と底壁部43との間に付着した水滴等を傾斜面43aに沿って円滑に排出してその凍結を抑えることができる。また、アイドルプーリ24と底壁部45との間に付着した水滴等を傾斜面45aに沿って円滑に排出してその凍結を抑えることができる。そして、例えば従動プーリ23又はアイドルプーリ24が氷の影響により回転不能になってスライドドア20が開閉作動不能になったり、あるいは、従動プーリ23又はアイドルプーリ24や無端歯付ベルト30が氷を巻き込んで異音を発生したりすることを防止できる。
【0041】
(2)本実施形態では、フレーム部22は、縦壁部22aの後端に接続され該縦壁部22aから車外側に向かって屈曲する止水壁部41を有する。従って、縦壁部22aを伝って底壁部43に支持される従動プーリ23に浸入しようとする水滴等を止水壁部41で遮ることで、従動プーリ23等が濡れて凍結することを抑えることができる。また、止水壁部41は、特に高圧洗浄を行った場合の止水に有効である。
【0042】
(3)本実施形態では、縦壁部22aを挟んでその車両幅方向両側に止水壁部41及び補強壁部42がそれぞれ延出しており、止水壁部41及び補強壁部42の上端が上側フランジ22cに接続されるとともに、下端が下側フランジ22bに接続されることで、フレーム部22の強度を増加することができる。
【0043】
特に、止水壁部41及び補強壁部42は、縦壁部22aの互いに同等の前後方向の位置(後端)に配置されることで、それらの協働で従動プーリ23近傍のフレーム部22の強度を増加することができる。
【0044】
(4)本実施形態では、従動プーリ23は、抜け止め部52を、隣り合う複数の歯51a間で開口することで形成された排水部52bを備える。このため、従動プーリ23(歯付プーリ)は、これに付着した水滴等を下側の複数の排水部52bを通じて速やかに排出してその凍結を抑えることができる。すなわち、抜け止め部52が、隣り合う複数の歯51a間で開口されるため、従動プーリ23に付着した水滴を溜まりにくくしてその凍結を抑えることができる。また、抜け止め部52を開口する分、従動プーリ23の質量を低減することができる。
【0045】
(5)本実施形態では、両抜け止め部52,53にそれぞれ排水部52b,53bを形成して、従動プーリ23を実質的に上下対称構造としたことで、上下逆向きの姿勢でも従動プーリ23を組み付けることができる。このため、従動プーリ23の設置姿勢の自由度を増すことができ、組付性を向上させることができる。
【0046】
なお、上下逆向きの姿勢で従動プーリ23を組み付けた際、従動プーリ23は、それに付着した水滴等をこの場合の下側の排水部53bを通じて速やかに排出してその凍結を抑えることができる。特に、下側の抜け止め部53が、隣り合う複数の歯51a間で開口されるため、従動プーリ23に付着した水滴を溜まりにくくしてその凍結を抑えることができる。また、抜け止め部53を開口する分、従動プーリ23の質量を低減することができる。
【0047】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、隣り合う複数の歯51a間の一部(例えば1つおきなど)に排水部52bを設けるようにしてもよい。
【0048】
・前記実施形態において、従動プーリ23の上側の抜け止め部53は、円環状であってもよい。つまり、抜け止め爪53a及び排水部53bを割愛してもよい。
・前記実施形態において、従動プーリ23の下側の抜け止め部52は、円環状であってもよい。つまり、抜け止め爪52a及び排水部52bを割愛してもよい。この場合、従動プーリ23は歯付きでなくてもよい。
【0049】
・前記実施形態において、従動プーリ23は、単独部材で構成されていてもよいし、複数部材の組み合わせで構成されていてもよい。
・前記実施形態において、アイドルプーリ24を、従動プーリ23と同様の構造にしてもよい。
【0050】
・前記実施形態において、アイドルプーリ24は、単独部材で構成されていてもよいし、複数部材の組み合わせで構成されていてもよい。また、アイドルプーリ24は、歯付きであってもよい。
【0051】
・前記実施形態において、車両搭載状態における従動プーリ23又はアイドルプーリ24の軸線方向は、車両高さ方向(重力方向)に完全に合致していなくてもよい。
・前記実施形態において、止水壁部41及び補強壁部42は、縦壁部22aの互いに異なる前後方向の位置に配置されていてもよい。例えば、止水壁部41及び補強壁部42の少なくとも一方は、縦壁部22aの後端部であれば後端に配置されていなくてもよい。
【0052】
・前記実施形態において、止水壁部41の延出方向は、縦壁部22aの延在方向に対して交差する外側に向いているのであれば車両幅方向に完全に一致していなくてもよい。同様に、補強壁部42の延出方向は、縦壁部22aの延在方向に対して交差する内側に向いているのであれば車両幅方向に完全に一致していなくてもよい。
【0053】
・前記実施形態において、補強壁部42を割愛してもよい。この場合、フレーム部22の下側フランジ22b及び上側フランジ22cを割愛してもよい。
・前記実施形態において、止水壁部41を割愛してもよい。この場合、フレーム部22は、前後方向に延在するのであればその断面形状は任意である。
【0054】
・前記実施形態において、傾斜面43aは、従動プーリ23の軸線を中心とする周方向の全体に亘って底壁部43に形成されていてもよいし、一部のみ(例えば底壁部43の支持ピン47よりも先端側など)に形成されていてもよい。同様に、傾斜面45aは、アイドルプーリ24の軸線を中心とする周方向の全体に亘って底壁部45に形成されていてもよいし、一部のみ(例えば底壁部45の支持ピン48よりも先端側など)に形成されていてもよい。
【0055】
・前記実施形態において、底壁部43は、下側フランジ22bとは独立していてもよい。この場合、底壁部43は、例えば縦壁部22a(止水壁部41等)の下端に接続すればよい。
【0056】
・前記実施形態において、底壁部45は、下側フランジ22bの一部として構成してもよい。
・前記実施形態において、蓋壁部44に代えて、支持ピン47の上端部に形成した適宜のフランジにより従動プーリ23の上方への抜け止めを行ってもよい。同様に、蓋壁部46に代えて、支持ピン48の上端部に形成した適宜のフランジによりアイドルプーリ24の上方への抜け止めを行ってもよい。
【0057】
・前記実施形態において、フレーム部22は金属製であってもよい。例えばフレーム部22は、1又は複数枚の金属板で成形されていてもよい。
・前記実施形態において、ロープ部材としての無端歯付ベルト30に代えて、例えばワイヤやケーブル、歯無しのベルトなどを採用してもよい。