(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186950
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】LED電球
(51)【国際特許分類】
F21K 9/00 20160101AFI20170821BHJP
F21K 9/237 20160101ALI20170821BHJP
F21V 29/75 20150101ALI20170821BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20170821BHJP
【FI】
F21K9/00 100
F21K9/237
F21V29/75
F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-137849(P2013-137849)
(22)【出願日】2013年7月1日
(65)【公開番号】特開2015-11916(P2015-11916A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石倉 明
(72)【発明者】
【氏名】百々 征貴
【審査官】
丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−084441(JP,A)
【文献】
特開2010−170696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/23 − 9/238
F21S 2/00
F21V 29/50 − 29/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側に開口を有し、LED素子を収容する容器状の放熱部を備え、
前記放熱部は、外方に向けて突出する複数のフィンと、外方に向けて突出し、厚みが前記フィンよりも厚く形成される複数の補強フィンとを備えるLED電球であって、
前記LED素子に電力を供給する電源部を収容し、前記放熱部の基端側に配置される電源ケースと、
前記電源ケースを前記放熱部に固定すべく、前記放熱部に挿通される状態で前記電源ケースと係合する凸状の電源ケース固定体とを備え、
前記放熱部は、前記複数のフィン及び前記複数の補強フィンが外周部から突出される筒状のケース本体と、前記電源ケース固定体に挿通される挿通孔部とを備え、
前記挿通孔部は、少なくとも一部を前記ケース本体に配置され、
前記補強フィンは、前記挿通孔部を周方向で挟むようにして隣接されるLED電球。
【請求項2】
前記ケース本体は、前記挿通孔部を挟む前記補強フィンの間にスリットを形成する請求項1に記載のLED電球。
【請求項3】
先端側に開口を有し、LED素子を収容する容器状の放熱部を備え、
前記放熱部は、外方に向けて突出する複数のフィンと、外方に向けて突出し、厚みが前記フィンよりも厚く形成される複数の補強フィンとを備えるLED電球であって、
前記放熱部の先端側を覆うカバーと、
前記カバーを前記放熱部に固定すべく、前記放熱部と係合する凸状のカバー固定体とを備え、
前記放熱部は、前記複数のフィン及び前記複数の補強フィンが外周部から突出される筒状のケース本体と、前記カバー固定体と係合する凹状の係合部とを備え、
前記係合部は、少なくとも一部を前記ケース本体に配置され、
前記補強フィンは、前記係合部を周方向で挟むようにして隣接されるLED電球。
【請求項4】
前記複数の補強フィンは、前記放熱部が回転対称の形状となるように、配置される請求項1〜3の何れか1項に記載のLED電球。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode)素子を収容する容器状の放熱部を備えるLED電球に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED電球として、LED素子を収容する容器状の放熱部を備えるLED電球が知られている(例えば、特許文献1)。放熱部は、外方に向けて突出する複数のフィンを備え、斯かる複数のフィンにより、LED素子から発する熱を外部に放出している。
【0003】
ところで、特許文献1に係る複数のフィンは、LED素子の熱を放出させる効率(放熱効率)を向上させるために、厚みを薄くして形成されている。しかしながら、斯かる厚みの薄いフィンは、外力に対する強度(機械強度)に劣るため、損傷し易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−55055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、放熱効率を維持しつつ、機械強度を向上させるLED電球を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るLED電球は、先端側に開口を有し、LED素子を収容する容器状の放熱部を備え、前記放熱部は、外方に向けて突出する複数のフィンと、外方に向けて突出し、厚みが前記フィンよりも厚く形成される複数の補強フィンとを備える。
【0007】
本発明に係るLED電球によれば、LED素子を収容する容器状の放熱部には、複数のフィンが外方に向けて突出している。これにより、LED素子から発せられる熱を外部に放出することができる。また、放熱部には、厚みがフィンよりも厚く形成される複数の補強フィンが、外方に向けて突出している。これにより、外力に対する強度を補強することができる。したがって、放熱効率が維持されつつ、機械強度が向上している。
【0008】
また、本発明に係るLED電球は、前記LED素子に電力を供給する電源部を収容し、前記放熱部の基端側に配置される電源ケースと、前記電源ケースを前記放熱部に固定すべく、前記放熱部に挿通される状態で前記電源ケースと係合する凸状の電源ケース固定体とを備え、前記放熱部は、前記複数のフィン及び前記複数の補強フィンが外周部から突出される筒状のケース本体と、前記電源ケース固定体に挿通される挿通孔部とを備え、前記挿通孔部は、少なくとも一部を前記ケース本体に配置され、前記補強フィンは、前記挿通孔部を挟むようにして隣接される、という構成でもよい。
【0009】
斯かる構成によれば、LED素子に電力を供給する電源部を収容する電源ケースが、放熱部の基端側に配置されている。そして、凸状の電源ケース固定体が放熱部に挿通される状態で電源ケースと係合することにより、電源ケースが放熱部に固定される。その電源ケース固定体は、放熱部の挿通孔部に挿通されている。
【0010】
そして、その挿通孔部の少なくとも一部は、複数のフィン及び複数の補強フィンが外周部から突出される筒状のケース本体に配置されている。これにより、複数のフィン及び複数の補強フィンの径方向の寸法を確保できるため、放熱効率を維持することができ、しかも、挿通孔部の少なくとも一部がケース本体に配置されているため、径方向のサイズの小型化が図れる。
【0011】
さらに、補強フィンが挿通孔部を周方向で挟むようにして隣接されている。これにより、補強フィンは、挿通孔部を設けることにより機械強度が低下する部分を補強する。したがって、放熱効率が維持されつつ、径方向のサイズの小型化を図ることができるだけでなく、機械強度を向上することもできる。
【0012】
また、本発明に係るLED電球においては、前記ケース本体は、前記挿通孔部を挟む前記補強フィンの間にスリットを形成する、という構成でもよい。
【0013】
斯かる構成によれば、ケース本体には、挿通孔部を挟む補強フィンの間にスリットが形成されている。これにより、スリットが放熱部の内部と外部とを通じさせているため、LED素子から発せられた熱がスリットを経由して直接外部に放出される。そして、機械強度を向上させている補強フィンの間にスリットを設けることで、機械強度の低下を抑制することができる。したがって、機械強度を維持しつつ、放熱効率を効果的に向上させることができる。
【0014】
また、本発明に係るLED電球は、前記放熱部の先端側を覆うカバーと、前記カバーを前記放熱部に固定すべく、前記放熱部と係合する凸状のカバー固定体とを備え、前記放熱部は、前記複数のフィン及び前記複数の補強フィンが外周部から突出される筒状のケース本体と、前記カバー固定体と係合する凹状の係合部とを備え、前記係合部は、少なくとも一部を前記ケース本体に配置され、前記補強フィンは、前記係合部を周方向で挟むようにして隣接される、という構成でもよい。
【0015】
斯かる構成によれば、凸状のカバー固定体が放熱部の凹状の係合部と係合することにより、放熱部の先端側を覆うカバーが放熱部に固定される。そして、係合部の少なくとも一部は、複数のフィン及び複数の補強フィンが外周部から突出される筒状のケース本体に配置されている。これにより、複数のフィン及び複数の補強フィンの径方向の寸法を確保できるため、放熱効率を維持することができ、しかも、係合部の少なくとも一部がケース本体に配置されているため、径方向サイズの小型化が図れる。
【0016】
さらに、補強フィンが係合部を周方向で挟むようにして隣接されている。これにより、補強フィンは、係合部を設けることにより機械強度が低下する部分を補強する。したがって、放熱効率が維持されつつ、径方向のサイズの小型化を図ることができるだけでなく、機械強度を向上することもできる。
【0017】
また、本発明に係るLED電球においては、前記複数の補強フィンは、前記放熱部が回転対称の形状となるように、配置される、という構成でもよい。
【0018】
斯かる構成によれば、複数の補強フィンが所定の位置に配置されることで、放熱部が回転対称の形状となっている。これにより、放熱効率及び機械強度のバランスがよくなる。
【発明の効果】
【0019】
以上の如く、本発明に係るLED電球は、放熱効率を維持しつつ、機械強度を向上させるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るLED電球の全体斜視図を示す。
【
図2】
図2は、同実施形態に係るLED電球の全体図であって、
図1のII−II線要部断面図を示す。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る放熱部の全体平面図を示す。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る放熱部の全体斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るLED電球における一実施形態について、
図1〜
図4を参酌して説明する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るLED電球1は、発光するLED素子21を有する光源部2と、先端側に開口を有し且つ光源部2を内部に収容する容器状の放熱部3と、放熱部3の先端側を覆うカバー4とを備えている。LED電球1は、LED素子21に電力を供給する電源部5と、電源部5を収容し、放熱部3の基端側に配置される電源ケース6とを備えている。
【0023】
LED電球1は、カバー4を放熱部3に固定すべく、放熱部3と係合する凸状のカバー固定体7を備えている。LED電球1は、光源部2を放熱部3に固定すべく、放熱部3と係合する凸状の光源固定体8を備えている。LED電球1は、電源ケース6を放熱部3に固定すべく、放熱部3に挿通された状態で電源ケース6と係合する凸状の電源ケース固定体9を備えている。本実施形態において、各固定体7,8,9は、長尺な雄螺子材としている。
【0024】
光源部2は、LED素子21が搭載されるLED基板部22を備えている。LED基板部22は、光源固定体8に挿通される孔22aを備えている。LED基板部22は、カバー4と係合する凹部22bを備えている。LED基板部22は、LED素子21から発せられた熱を放熱部3に伝導している。本実施形態においては、LED基板部22は、金属(例えば、アルミ)で形成されている。
【0025】
図3及び
図4に示すように、放熱部3は、筒状のケース本体31と、ケース本体31の外周部から外方に向けて突出する複数のフィン32とを備えている。放熱部3は、ケース本体31の外周部から外方に向けて突出し且つ厚みがフィン32よりも厚く形成される複数の第1補強フィン33と、ケース本体31の外周部から外方に向けて突出し、厚みがフィン32よりも厚く且つ第1補強フィン33よりも薄く形成される複数の第2補強フィン34とを備えている。
【0026】
放熱部3は、ケース本体31の内周部から径方向の内方に突出し且つ光源部2及び電源ケース6を軸線方向で支持する支持部35を備えている。放熱部3は、カバー固定体7と係合する凹状の第1係合部36と、光源固定体8と係合する凹状の第2係合部37と、電源ケース固定体9に挿通される挿通孔部38とを備えている。本実施形態においては、放熱部3は、金属(例えば、アルミ)で形成されている。
【0027】
フィン32及び各補強フィン33,34は、ケース本体31の外周部から径方向の外方に突出している。フィン32及び各補強フィン33,34は、それぞれ同じ方向に湾曲して形成されている。フィン32及び各補強フィン33,34のケース本体31からの径方向突出量は、軸線方向の基端側から先端側に向けて大きくなっている。これにより、放熱部3は、軸線方向の先端側に向けて外径が拡径するように形成されている。
【0028】
放熱部3の先端側において、フィン32及び各補強フィン33,34のケース本体31からの径方向突出量は、ケース本体31の径方向厚みと略同じである。複数の補強フィン33,34は、放熱部3が軸線方向を中心として回転対称の形状となるように、それぞれ配置されている。本実施形態において、各補強フィン33,34は、それぞれ6つずつ設けられている。
【0029】
第1補強フィン33は、挿通孔部38を周方向で挟むようにして隣接されている。なお、ケース本体31は、第1補強フィン33,33の間に、放熱部3の内部と外部とを通じさせるスリット31aを形成している。第1補強フィン33の厚みは、フィン32の厚みの2.0倍〜2.5倍に設定されている。第2補強フィン34は、第1係合部36を周方向で挟むようにして隣接されている。第2補強フィン34の厚みは、フィン32の厚みの1.3倍〜1.7倍で設定されている。
【0030】
第1係合部36の一部は、ケース本体31に配置されている。具体的には、第1係合部36の一部は、ケース本体31の外周部に配置されている。第1係合部36は、軸線方向に沿って凹状に形成されている。第1係合部36は、カバー固定体7と螺合する雌螺子である。
【0031】
第2係合部37は、支持部35の内周部に配置されている。第2係合部37は、光源固定体8と螺合する雌螺子である。挿通孔部38の一部は、ケース本体31に配置されている。具体的には、挿通孔部38の一部は、ケース本体31の内周部に配置されている。挿通孔部38は、軸線方向に沿って凹状に形成されている。
【0032】
図2に戻り、カバー4は、放熱部3の先端側の開口を覆う平板状のカバー部41と、LED素子21の光が入射される光学系42とを備えている。カバー4は、LED基板部22の凹部22bと係合する凸部43と、カバー固定体7に挿通される孔44とを備えている。カバー4は、透光性を有して形成されている。本実施形態においては、カバー4は、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の透光性樹脂で形成されている。
【0033】
光学系42は、カバー部41から軸線方向の基端側に向けて突出している。光学系42は、LED素子21の光軸を長軸とした半楕円状のレンズを並列している。凸部43は、カバー部41から基端側に向けて突出しており、端部でLED基板部22の凹部22bと係合する。これにより、光学系42は、LED素子21に対して位置決めされる。
【0034】
電源ケース6は、電源ケース固定体9と係合する第3係合部61を備えている。第3係合部61は、電源ケース固定体9と螺合する雌螺子である。本実施形態においては、電源ケース6は、金属(例えば、アルミ)で形成されている。
【0035】
カバー固定体7は、カバー4の孔44に挿通された状態で放熱部3の第1係合部36と係合することにより、カバー4を放熱部3に固定している。光源固定体8は、LED基板部22の孔22aに挿通された状態で放熱部3の第2係合部37と係合することにより、LED基板部22を放熱部3に固定している。電源ケース固定体9は、放熱部3の挿通孔部38に挿通された状態で電源ケース6の第3係合部61と係合することにより、電源ケース6を放熱部3に固定している。
【0036】
以上より、本実施形態に係るLED電球1によれば、LED素子21を収容する容器状の放熱部3には、複数のフィン32が外方に向けて突出している。これにより、LED素子21から発せられる熱を外部に放出することができる。また、放熱部3には、厚みがフィン32よりも厚く形成される複数の第1及び第2補強フィン33,34が、外方に向けて突出している。これにより、外力に対する強度を補強することができる。したがって、放熱効率が維持されつつ、機械強度が向上している。
【0037】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、LED素子21に電力を供給する電源部5を収容する電源ケース6が、放熱部3の基端側に配置されている。そして、凸状の電源ケース固定体9が放熱部3に挿通される状態で電源ケース6と係合することにより、電源ケース6が放熱部3に固定される。その電源ケース固定体9は、放熱部3の挿通孔部38に挿通されている。
【0038】
そして、その挿通孔部38の一部は、複数のフィン32及び複数の各補強フィン33,34が外周部から突出される筒状のケース本体31に配置されている。これにより、複数のフィン32及び複数の各補強フィン33,34の径方向の寸法を確保できるため、放熱効率を維持することができる。しかも、例えば、挿通孔部38がケース本体31よりも内側に配置されている構成と比較して、本実施形態に係る挿通孔部38の一部がケース本体31に配置されているため、径方向のサイズの小型化が図れている。
【0039】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、フィン32に比べて肉厚な第1補強フィン33が挿通孔部38を周方向で挟むようにして隣接されている。これにより、第1補強フィン33は、挿通孔部38を設けることにより機械強度が低下する部分を補強している。
【0040】
それに対して、例えば、厚みの薄いフィン32が挿通孔部38を周方向で挟むようにして隣接している構成の場合には、機械的強度を確保するために、ケース本体31の径方向の厚みをさらに厚くする必要がある。その場合には、放熱部3の外径を一定に維持するために、各フィン32の径方向の寸法を小さくする必要があるため、放熱効率が低下してしまう。したがって、本実施形態に係るLED電球1によれば、放熱効率が維持されつつ、径方向のサイズの小型化を図ることができるだけでなく、機械強度を向上することもできる。
【0041】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、ケース本体31には、挿通孔部38を挟む第1補強フィン33,33の間にスリット31aが形成されている。これにより、スリット31aが放熱部3の内部と外部とを通じさせているため、LED素子21から発せられた熱がスリット31aを経由して直接外部に放出される。そして、機械強度を向上させている第1補強フィン33,33の間にスリット31aを設けることで、機械強度の低下を抑制することができる。したがって、機械強度を維持しつつ、放熱効率を効果的に向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、凸状のカバー固定体7が放熱部3の凹状の第1係合部36と係合することにより、放熱部3の先端側を覆うカバー4が放熱部3に固定される。そして、第1係合部36の一部は、複数のフィン32及び複数の各補強フィン33,34が外周部から突出される筒状のケース本体31に配置されている。
【0043】
これにより、複数のフィン32及び複数の各補強フィン33,34の径方向の寸法を確保できるため、放熱効率を維持することができる。しかも、例えば、第1係合部36がケース本体31よりも外側に配置されている構成と比較して、本実施形態に係る第1係合部36の一部がケース本体31に配置されているため、径方向サイズの小型化が図れる。
【0044】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、フィン32に比べて肉厚な第2補強フィン34が第1係合部36を周方向で挟むようにして隣接されている。これにより、第2補強フィン34は、第1係合部36を設けることにより機械強度が低下する部分を補強している。
【0045】
それに対して、例えば、厚みの薄いフィン32が第1係合部36に周方向で挟むようにして隣接している構成の場合には、機械的強度を確保するために、ケース本体31の径方向の厚みをさらに厚くする必要がある。その場合には、放熱部3の外径を一定に維持するために、各フィン32の径方向の寸法を小さくする必要があるため、放熱効率が低下してしまう。したがって、本実施形態に係るLED電球1によれば、放熱効率が維持されつつ、径方向のサイズの小型化を図ることができるだけでなく、機械強度を向上することもできる。
【0046】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、複数の各補強フィン33,34が所定の位置に配置されることで、放熱部3が回転対称の形状となっている。これにより、放熱効率及び機械強度のバランスがよくなる。
【0047】
なお、本発明に係るLED電球は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、本発明に係るLED電球は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0048】
上記実施形態に係るLED電球1においては、挿通孔部38の一部がケース本体31に配置されている、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、挿通孔部38の全部がケース本体31に配置されている、という構成でもよい。なお、挿通孔部38の少なくとも一部がケース本体31に配置されている、という構成は、本発明において必須の構成ではない。
【0049】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、第1係合部36の一部がケース本体31に配置されている、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、第1係合部36の全部がケース本体31に配置されている、という構成でもよい。なお、第1係合部36の少なくとも一部がケース本体31に配置されている、という構成は、本発明において必須の構成ではない。
【0050】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、第1補強フィン33は、6つ設けられ、挿通孔部38を周方向で挟むように隣接されている、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、第1補強フィン33の数や配置は、特に限定されない。
【0051】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、第2補強フィン34は、6つ設けられ、第1係合部36を周方向で挟むように隣接されている、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、第2補強フィン34の数や配置は、特に限定されない。
【0052】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、第1補強フィン33と第2補強フィン34とが設けられる、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、第1補強フィン33又は第2補強フィン34の何れか一方のみが設けられる、という構成でもよく、また、厚みの異なる3つ以上の補強フィンが設けられる、という構成でもよい。
【0053】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、各固定体7,8,9は、雄螺子材である、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、カバー固定体7は、カバー部41から軸線方向の基端側に向けて突出し、放熱部3の凹状の第1係合部36と嵌合する、という構成でもよい。
【0054】
要するに、カバー固定体7は、カバー4を放熱部3に固定できれば、どのような構成でもよく、光源固定体8は、光源部2を放熱部3に固定できれば、どのような構成でもよく、また、電源ケース固定体9は、電源ケース6を放熱部3に固定できれば、どのような構成でもよく、特に限定されない。
【0055】
また、本発明に係るLED電球1においては、各構成の材料は、上記実施形態に係る各構成の材料に特に限定されない。
【符号の説明】
【0056】
1…LED電球、2…光源部、3…放熱部、4…カバー、5…電源部、6…電源ケース、7…カバー固定体、8…光源固定体、9…電源ケース固定体、21…LED素子、22…LED基板部、22a…孔、22b…凹部、31…ケース本体、31a…スリット、32…フィン、33…第1補強フィン、34…第2補強フィン、35…支持部、36…第1係合部、37…第2係合部、38…挿通孔部、41…カバー部、42…光学系、43…凸部、44…孔、61…第3係合部