特許第6186951号(P6186951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186951
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】コンデンサモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/78 20130101AFI20170821BHJP
   H01G 2/04 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   H01G11/78
   H01G1/03 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-138088(P2013-138088)
(22)【出願日】2013年7月1日
(65)【公開番号】特開2015-12231(P2015-12231A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228578
【氏名又は名称】日本ケミコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】一倉 修
【審査官】 堀 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−317461(JP,A)
【文献】 実開昭58−170826(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G2/04
H01G4/38
H01G9/06
H01G9/08
H01G11/78
H01M2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース部材に複数のコンデンサを装着するコンデンサモジュールであって、
前記ケース部材が第1のケース部材と、第2のケース部材と、これらケース部材を連結する連結部とを含み、
前記連結部が爪部と、該爪部に係合する係合部と、該係合部を収納する凹部とを備え
前記係合部を備える前記第2のケース部材は、前記爪部を備える前記第1のケース部材より柔軟性のある柔軟材で形成されていることを特徴とするコンデンサモジュール。
【請求項2】
前記爪部は、傾斜部を備え、
前記係合部は、前記爪部と係合する連結枠部を備え、
前記連結枠部を前記爪部の前記傾斜部に当てて、前記連結枠部を押し広げて挿入した前記爪部が前記連結枠部に係合することを特徴とする請求項1に記載のコンデンサモジュール。
【請求項3】
前記第1のケース部材と接触させる前記第2のケース部材の接触部に嵌合する凹凸部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンデンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンデンサを備えるコンデンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギを駆動や制動に用いる自動車などの機器では、電気エネルギの蓄積にコンデンサが用いられる。コンデンサは急速充放電特性に優れているので、始動や制動の迅速性が求められる自動車などの機器に適している。
【0003】
搭載機器側の始動や制動に必要な電力に対応するため、コンデンサに大容量化が要請される場合、複数のコンデンサを用いることにより、必要な容量や高圧化が図られる。この場合、複数のコンデンサを集合させたコンデンサモジュールが用いられる。
【0004】
このようなコンデンサモジュールはケース部材に複数のコンデンサを装着している。(たとえば、特許文献1)。また、コンデンサとケース部材の間に絶縁樹脂を充填し、コンデンサを絶縁するとともに、ケース部材内に固定されることが知られている(たとえば、特許文献2および特許文献3)。
【0005】
しかし、コンデンサモジュールについては、絶縁化とともに軽量化が要求されているが、絶縁樹脂を充填した場合、固定強度や絶縁性は高まるものの、軽量化を妨げることになる。そこで、絶縁樹脂を充填しないコンデンサモジュールも検討されている(たとえば、特許文献4)。絶縁樹脂を充填しないコンデンサモジュールにおいては、各コンデンサを設置するケース部材はたとえば、端子側を覆うケース部材、コンデンサの底部側を覆うケース部材に分割され、これらケース部材を連結するセパレートタイプのケース部材が用いられている。
【0006】
斯かるセパレートタイプのコンデンサモジュールの連結手段では、爪部を設けるものが知られている(たとえば、特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−204988号公報
【特許文献2】特開2010−87269号公報
【特許文献3】特開2007−14085号公報
【特許文献4】特開2005−94942号公報
【特許文献5】特開2008−204988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、コンデンサモジュールの外表面に突出する爪部を形成すると、爪部が外部と接触し、衝撃を直接受けた場合、はずれたり、壊れるという課題がある。特に、振動環境下で用いられるコンデンサモジュールでは、コンデンサモジュールの固定力が要求される。
【0009】
本発明は複数のコンデンサが装着されるコンデンサモジュールにおいて、ケース部材の小型化とともに連結強度を高め、連結の安定性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサモジュールは、ケース部材に複数のコンデンサを装着するコンデンサモジュールであって、前記ケース部材が第1のケース部材と、第2のケース部材と、これらケース部材を連結する連結部とを含み、前記連結部が爪部と、該爪部に係合する係合部と、該係合部を収納する凹部とを備え、前記係合部を備える前記第2のケース部材は、前記爪部を備える前記第1のケース部材より柔軟性のある柔軟材で形成されている。
【0011】
上記コンデンサモジュールにおいて、前記爪部は、傾斜部を備え、前記係合部は、前記爪部と係合する連結枠部を備え、前記連結枠部を前記爪部の前記傾斜部に当てて、前記連結枠部を押し広げて挿入した前記爪部が前記連結枠部に係合してもよい。
【0012】
上記コンデンサモジュールにおいて、前記第1のケース部材と接触させる前記第2のケース部材の接触部に嵌合する凹凸部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0014】
(1) 第1のケース部材と第2のケース部材とを連結する爪部が凹部に形成されているので、コンデンサモジュールに爪部による突出部が生じない。
【0015】
(2) 爪部が外部と接触して外れたり、壊れたりする可能性を低減できる。
【0016】
(3) 嵌合凸部および嵌合凹部によって第1のケース部材と第2のケース部材の固定力を強化できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施の形態に係るコンデンサモジュールを示す側面図である。
図2】コンデンサモジュールの連結部の連結前後を示す斜視図である。
図3】コンデンサモジュールの連結前後を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、一実施の形態に係るコンデンサモジュールの構成部材を示している。このコンデンサモジュール2には複数のコンデンサの一例として6個のコンデンサ6が用いられる。各コンデンサ6はたとえば、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサが用いられる。各コンデンサ6は外装ケースを備え、この外装ケースの内部にコンデンサ素子を収納している。外装ケースはたとえば、アルミニウムで成形されている。この外装ケースは封口板で封口されている。この封口板は絶縁性合成樹脂などの絶縁板で形成され、この封口板には外部端子として陽極端子と陰極端子、および補助端子が形成されている。陽極端子、陰極端子および補助端子は封口板の成形の際、インサート成形により封口板に一体に取り付けられる。陽極端子にはコンデンサ素子の陽極が接続され、陰極端子にはコンデンサ素子の陰極が接続される。補助端子はコンデンサ6とメインケース4−1との固定などに用いられる。
【0019】
このコンデンサモジュール2には、これらコンデンサ6を覆うケース部材が備えられる。このケース部材はコンデンサ6を覆うケース部材の一例である。このケース部材は第1のケース部材と第2のケース部材に分離されている。この実施の形態では、第1のケース部材としてメインケース4−1、第2のケース部材としてボトムケース4−2を備える。メインケース4−1およびボトムケース4−2はたとえば、熱可塑性合成樹脂で形成する。メインケース4−1およびボトムケース4−2は複数のコンデンサ6を収納する複数の収納部8を備える。
【0020】
メインケース4−1は、収納部8の直径方向に突出し、収納部8の開口側に形成されているフランジ部32を備える。フランジ部32のボトムケース4−2側には、嵌合凹部28(図3)が形成されている。メインケース4−1の形状を各コンデンサ6の外形を覆う複数の筒部状にしたことによって、筒部間を樹脂で埋める形状に比べ、軽量化とともに絶縁化を実現できる。また、フランジ部32を、収納部8の間を連結するように形成している。そのため、収納部8間に樹脂がないことによるコンデンサモジュールの強度の低下を防止し、コンデンサモジュール2を補強する効果がある。
【0021】
メインケース4−1の収納部8は天井部を有している。この天井部には、コンデンサ6の外部端子および補助端子を貫通させる貫通孔が形成されている。貫通孔から貫通させた補助端子に固定ねじをねじ込むことで、各コンデンサ6がメインケース4−1に固定されるとともに、収納部8で覆われる。また、陽極端子と陰極端子についても、メインケース4−1の天井部に設けられた貫通孔から端子を貫通させる。貫通させた外部端子をバスバーで電気的に接続し、複数のコンデンサ6を直列接続、並列接続または直並列接続などにより連結する。このように、所望の容量や耐電圧を実現するため、回路パターンを形成した配線基板を天井部に形成している。なお、補助端子を設けず、外部端子のバスバーとの接続をメインケース4−1との固定を兼ねる構造としてもよい。
【0022】
ボトムケース4−2は、収納部8の直径方向に突出し、収納部8の開口側に形成されているフランジ部14を備える。フランジ部14は、各収納部8の直径方向に突出し、各収納部8の上面側に形成されている。フランジ部14にはメインケース4−1側に向かう嵌合凸部30(図3)が形成されている。ボトムケース4−2の形状を各コンデンサ6の外形を覆う複数の筒部状にしたことによってメインケース4−1と同様に、収納部間を樹脂で埋める形状に比べ、軽量化を実現できる。また、フランジ部14を、収納部8の間を連結するように形成している。そのため、収納部間に樹脂がないことによるコンデンサモジュールの強度の低下を防止し、コンデンサモジュール2を補強する効果がある。
【0023】
メインケース4−1とボトムケース4−2を連結する連結部34は爪部10および連結枠部16を備えている。連結枠部16は係合部の一例である。
【0024】
メインケース4−1には、ボトムケース4−2と連結するための連結部34を構成する一対の爪部10を形成し、この爪部10を収納する凹部を形成する。この実施の形態では、凹部として、各収納部8の間にある谷部によって形成された溝部12を用いる。このような構成によって、コンデンサモジュール2の外表面から突出して爪部10を配置しなくてよくなる。
【0025】
ボトムケース4−2のフランジ部14には、連結部34を構成する爪部10と係合する連結枠部16を形成する。爪部10が連結枠部16に係合することにより、メインケース4−1とボトムケース4−2とが連結される。
【0026】
図2のAは、連結前の爪部10を拡大して示している。各爪部10は一定の間隔を設けて平行に配置されている。各爪部10は溝部12に平行に立設されており、基部18と、突部20と、傾斜部22とを備える。突部20は板状の基部18から溝部12と直交方向に突出している。傾斜部22は、突部20の頂部から基部18の下端側に後退方向に傾斜している。
【0027】
隣接する収納部8の壁面には、爪部10を挟んで一対の係合壁部24が形成され、この係合壁部24の間にはボトムケース4−2側の連結枠部16を挿入する。この係合壁部24のメインケース4−1からの突出幅は、爪部10の突出長より大きく設定する。
【0028】
図2のBは、連結前の連結枠部16を拡大して示している。連結枠部16は、フランジ部14の外縁側からメインケース4−1の溝部12の方向に突出している。この連結枠部16は、爪部10の突部20を挿入する係合窓部26を形成する。
【0029】
図2のCは、爪部10と連結枠部16との連結状態を示している。メインケース4−1の収納部8の開口縁部にボトムケース4−2のフランジ部14を接触し、ボトムケース4−2の連結枠部16の係合窓部26に爪部10を挿入する。係合壁部24は、爪部10を挿入した連結枠部16を拘束している。
【0030】
図3のAは、メインケース4−1とボトムケース4−2の連結前の状態を示している。爪部10および係合壁部24は、メインケース4−1の溝部12内に設置されている。ボトムケース4−2の連結枠部16も、ボトムケース4−2の溝部12内に設置されている。
【0031】
メインケース4−1にコンデンサ6が装着された状態で、ボトムケース4−2にメインケース4−1側のコンデンサ6を挿入すると、連結枠部16に爪部10の傾斜部22が当たり、各連結枠部16が押し広げられる。連結枠部16はボトムケース4−2と一体に合成樹脂で形成されているので、押し広げ可能で元位置に復帰可能な弾力性を備えている。
【0032】
図3のBは、メインケース4−1とボトムケース4−2の連結後の状態を示している。連結枠部16に爪部10を挿入すると、その挿入完了時点で、連結枠部16と爪部10が係合し、連結枠部16に爪部10が係止される。これにより、メインケース4−1とボトムケース4−2とが連結される。
【0033】
この連結において、連結枠部16は係合壁部24の間で移動がガイドされ、連結枠部16の係合窓部26に爪部10の係合位置が決定され、両者がずれることがない。
【0034】
また、フランジ部32に形成した嵌合凹部28は、ボトムケース4−2の嵌合凸部30に挿入されて嵌合し、これにより、メインケース4−1とボトムケース4−2が合体し、メインケース4−1とボトムケース4−2の連結強度の向上に寄与する。
【0035】
<一実施の形態の効果>
【0036】
(1) 爪部10がコンデンサモジュール2から突出しないので、何らかに接触してはずれたり、壊れるなどの不都合を低減できる。コンデンサモジュール2の連結状態を維持し、安定した固定状態が得られる。
【0037】
(2) 爪部10がコンデンサモジュール2から突出しないので、爪部10を配置した面を配置面とする横置きとすることが可能となり、コンデンサモジュール2の配置形態の制限がなくなる。つまり、配置場所により配置形態を適宜選択できるようになる。
【0038】
(3) 嵌合凹部28および嵌合凸部30を備えたことにより、メインケース4−1とボトムケース4−2の固定が強化される。
【0039】
(4) コンデンサ6の間にある溝部12に爪部10を形成するので、爪部10によるコンデンサモジュール2の表面側への突出を抑えることができる。これにより、コンデンサモジュール2の小型化・薄型化を実現できる。
【0040】
〔他の実施の形態〕
【0041】
上記実施の形態では、メインケース4−1およびボトムケース4−2は合成樹脂の成形体である。これに対し、それぞれが合成樹脂である場合に、メインケース4−1では硬質の合成樹脂を使用し、ボトムケース4−2には硬度の低い、つまり、柔軟性のある合成樹脂を使用してもよい。
【0042】
斯かる構成とすれば、メインケース4−1ではその剛性を利用し、爪部10を強固に保つことができ、より破壊され難い構造となる。これに対し、ボトムケース4−2では素材が持つ柔軟性を利用し、連結枠部16が爪部10に係合する際、連結枠部16が柔軟に可動するので、連結枠部16の弾力性を高められ、より強固に連結できる。
【0043】
また、上記実施の形態では、爪部10を収納する凹部として、収納部8間の溝部12を用いたが、これに限らない。収納部8の間の溝部12ではなく、別途、コンデンサモジュール2の外表面に凹部を形成してもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、爪部10を形成した第1のケース部材をメインケース4−1とし、連結枠部16を形成した第2のケース部材をボトムケース4−2としたが、これに限らない。たとえば、上記実施の形態とは、反対に爪部10を形成した第1のケース部材をボトムケースとし、連結枠部16を形成した第2のケース部材をメインケースにしてもよい。
【0045】
また、上記実施の形態では、嵌合凹部28、嵌合凸部30をそれぞれフランジ部32、フランジ部14に形成したが、これに限らない。たとえば、収納部8の開口部周囲に形成してもよい。このような構造とすることで、さらに軽量化できる。
【0046】
また、メインケース4−1の天井部に配置した回路基板を覆うカバーケースを配置してもよい。その場合、上記実施の形態で用いた連結部の構造を用いてメインケース4−1とカバーケースを連結してもよい。つまり、メインケース4−1の天井部近傍の溝部12に爪部10と同様の爪部を形成し、既述のカバーケースに連結枠部16と同様の連結枠部を形成してメインケース4−1を連結してもよい。
【0047】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
複数のコンデンサが装着されるコンデンサモジュールの小型化とともに、セパレートタイプのコンデンサモジュールのケース部材の連結強度を高め、連結の安定性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0049】
2 コンデンサモジュール
4−1 メインケース
4−2 ボトムケース
6 コンデンサ
8 収納部
10 爪部
12 溝部(凹部)
14 フランジ部
16 連結枠部
18 基部
20 突部
22 傾斜部
24 係合壁部
26 係合窓部
28 嵌合凹部
30 嵌合凸部
32 フランジ部
34 連結部
図1
図2
図3