(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構成の一例を示すハードウェアブロック図である。画像形成装置1は、紙等の記録材に画像を形成する画像形成部10と、紙等の記録材に記録された画像を読み取る画像読取部20と、ユーザからスキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を用いた動作に関連する指示を受け付けるとともに、ユーザに対してメッセージを表示するユーザインタフェース(UI)30と、通信回線を介して外部のファクシミリ装置等との間でデータの送受信を行う送受信部40と、点灯状態により画像形成装置1の電源供給状態を知らせるLED(Light Emitting Diode)50と、画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40およびLED50の動作を制御する制御部60とを備えている。
【0010】
また、画像形成装置1は、コンセントから電源の供給を受ける電源部80と、主スイッチの一例としての主電源SW(Switch)90と、スイッチの一例としての副電源SW100とを備えている。
さらに、画像形成装置1は、画像形成部10に供給される電源を制御する第1電源制御SW11と、画像読取部20に供給される電源を制御する第2電源制御SW21と、UI30に供給される電源を制御する第3電源制御SW31と、送受信部40に供給される電源を制御する第4電源制御SW41とを備えている。ここで、第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31および第4電源制御SW41をそれぞれ区別しないときは、電源制御SWと表記する。
【0011】
主電源SW90は、一端が電源部80に接続され、他端が制御部60及び第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31および第4電源制御SW41のそれぞれの一端に接続されている。第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31および第4電源制御SW41のそれぞれの他端は、画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40に接続されている。
また、副電源SW100は、制御部60に接続されている。
【0012】
画像形成装置1では、画像形成部10によってプリント機能が実現され、画像読取部20によってスキャン機能が実現され、画像形成部10および画像読取部20によってコピー機能が実現され、画像形成部10、画像読取部20および送受信部40によってファクシミリ機能が実現される。なお、送受信部40は、例えばインターネット回線用のものと電話回線用のものとを、別々に設けるようにしてもかまわない。
画像形成部10、画像読取部20、UI30および送受信部40などは機能手段の一例である。以下の説明では、画像形成部10、画像読取部20、UI30および送受信部40を、まとめて『機能デバイス』と表記することがある。
【0013】
情報処理装置の一例としての制御部60は、命令列である制御プログラムを順に読み込んで種々の演算を実行することにより、画像形成装置1の各部を制御する、実行手段、判断手段、他の判断手段の一例としてのCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)61と、CPU61に接続され、CPU61との間で各種データのやりとりを行うバスブリッジ62とを備えている。制御部60において、バスブリッジ62には、第1のクロックでデータのやりとりを行うメモリバス63と、第1のクロックよりも周波数が低い第2のクロックでデータのやりとりを行うPCI(Peripheral Component Interconnect)バス64とが接続されている。
【0014】
制御部60は、ROM(Read Only Memory)65と、記憶手段の一例としての不揮発性RAM67とを備えている。そして、これらROM65および不揮発性RAM67は、それぞれ、メモリバス63に接続されている。制御部60において、CPU61は、バスブリッジ62及びメモリバス63を介して、ROM65および不揮発性RAM67にアクセスすることが可能となっている。
【0015】
また、制御部60は、画像形成部10を制御するためのプリントインタフェース回路(PrintIF)71と、画像読取部20を制御するためのスキャンインタフェース回路(ScanIF)72と、UI30を制御するためのUIインタフェース回路(UIIF)73と、送受信部40を制御するための汎用インタフェース回路(汎用IF)74と、副電源SW100からの信号の監視や電源制御SWの状態(オン/オフ)を変更することなどが可能なGeneralIO75と、LED50の点灯状態を制御するパルス出力回路76とを備えている。
そして、これらPrintIF71、ScanIF72、UIIF73、汎用IF74およびGeneralIO75は、それぞれ、PCIバス64に接続されている。
以下の説明では、制御部60における、バスブリッジ62、メモリバス63、PCIバス64、ROM65、不揮発性RAM67、PrintIF71、ScanIF72、UIIF73、汎用IF74、GeneralIO75、パルス出力回路76をまとめて『CPU周辺デバイス』と称することがある。
【0016】
そして、制御部60のPrintIF71、ScanIF72、UIIF73、汎用IF74は、それぞれ画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40に接続されている。
【0017】
さらに、制御部60のGeneralIO75は、第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31、第4電源制御SW41、LED50および副電源SW100に接続されている。
さらに、パルス出力回路76は、LED50に接続されている。
【0018】
GeneralIO75は、電源制御SW(第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31、第4電源制御SW41)をオン/オフする。さらに、GeneralIO75は、副電源SW100から送信され、副電源SW100のオン/オフの状態を通知する信号を監視する。そして、GeneralIO75は、副電源SW100のオン/オフの状態に対応して、LED50に対して信号を送信する。LED50は、受信した信号により、点灯状態をパルス出力回路76を用いて点灯/点滅のいずれかに変化させる。
【0019】
ROM65は、基本プログラムであるOS(Operating System)や、OS上で実行されることにより機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)に予め定められた機能を実現させるためのアプリケーション等(OS/アプリケーション)の制御プログラムを格納しており、所謂マスクROM、各種PROM(Programmable ROM:例えばOTP ROM(One Time Programmable ROM)、UV−EPROM(Ultra−Violet Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM))、フラッシュメモリなどで構成されている。なお、この例では、ROM65として、フラッシュメモリが用いられている。
【0020】
そして、不揮発性RAM67は、MRAM(Magnetoresistive RAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)、PRAM(Phase change RAM)、ReRAM(Resistance RAM)など、電源が供給されなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリによって構成されている。なお、この例では、不揮発性RAM67として、ROM65として用いられるフラッシュメモリよりも高速にデータの読み書きが可能なMRAMが用いられている。
【0021】
本実施の形態における制御部60は、例えば、1チップのマイクロコントローラによって構成されている。ただし、制御部60を、複数のチップで構成してもかまわない。
【0022】
制御部60は、CPU61により、ROM65に格納されたOSやアプリケーション等(OS/アプリケーション)の制御プログラムが不揮発性RAM67にロードされ、起動されることにより、情報処理を実行する。
不揮発性RAM67は、実行状態の制御プログラムを保持するとともに、ワークエリアとして使用され、制御プログラムの実行に使用されるデータ、機能デバイスに送信される画像データ、機能デバイスから受信される画像データ、機能デバイスの状態を表すフラグなど、画像形成装置1を動作させるために必要な情報を保持する。なお、ここでは、これらの情報を制御プログラムと区別せず、制御プログラムに含まれるとする。
【0023】
ここで、主電源SW90、副電源SW100、電源制御SW(第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31および第4電源制御SW41)について説明する。
なお、主電源SW90、副電源SW100及び電源制御SWを「オフからオンに(設定)する」ことを「オンに(設定)する」と、主電源SW90、副電源SW100及び電源制御SWを「オンからオフに(設定)する」ことを「オフに(設定)する」と表記する。
【0024】
主電源SW90、副電源SW100は、ユーザによって、オン又はオフに設定される。そして、ユーザによって、主電源SW90がオンに設定されると、コンセントに接続された電源部80から制御部60及び電源制御SWに、電源(電力)が供給される。一方、ユーザによって、主電源SW90がオフに設定されると、コンセントに接続された電源部80から制御部60及び電源制御SWへの電源の供給が停止される。
すなわち、主電源SW90は、例えば、シーソースイッチなどの機械的なスイッチや、電流制限機構が付属したスイッチであってよい。
【0025】
一方、副電源SW100もユーザによって、オン又はオフに設定される。しかし、副電源SW100は、オン又はオフに設定されることにより、電源(電力)の供給や停止を行うものではない。副電源SW100は、ユーザによってオン又はオフに設定する操作を受け付け、GeneralIO75に通知する。すなわち、副電源SW100は、ユーザによりオン又はオフに設定する操作を受けると、GeneralIO75に対して信号を発信する機能を有している。
副電源SW100は、例えば、押すごとにオンとオフとが交互に設定される押しボタンスイッチであってよく、LED50が組み込まれていてもよい。
ユーザによって副電源SW100がオン又はオフに設定されることを、副電源SW100が操作されると表記することがある。
【0026】
また、電源制御SWは、GeneralIO75によりオフ又はオンに設定される。そして、電源制御SWがオンに設定されると、電源部80から主電源SW90を介して、機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)に電源が供給される。そして、電源制御SWがオフに設定されると、電源部80から主電源SW90を介した機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)への電源の供給が停止される。
すなわち、電源制御SWは、GeneralIO75からの制御信号により、オン又はオフに設定されるスイッチであって、電源を供給又は停止するスイッチである。
【0027】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1の状態を表す3つのモード、動作モード、主電源Off(オフ)モード及び電源Off(オフ)モード(電源Off(A)モード、電源Off(B)モード)について説明する。なお、制御部60についても同様である。
動作モードは、画像形成装置1が動作状態にあるモードである。ここでは、主電源SW90、副電源SW100、電源制御SW(第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31及び第4電源制御SW41)がオンであって、制御部60、画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40のそれぞれに電源が供給され、動作状態にある。すなわち、画像形成装置1により、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を使用することができる状態である。
【0028】
主電源Offモードは、主電源SW90がオフであるモードである。すなわち、画像形成装置1には、電源が供給されていないため、画像形成装置1は停止状態にある。
【0029】
さて、電源Offモードは、主電源SW90がオンであって、副電源SW100及び電源制御SWがオフであるモードである。そして、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75に電源が供給され、GeneralIO75を除く制御部60(CPU61及びCPU周辺デバイス)には電源が供給されていない。
すなわち、電源Offモードは、画像形成装置1は停止状態にあって、GeneralIO75により副電源SW100がオフからオンに移行したか否かを監視している状態である。つまり、ユーザによる副電源SW100の操作を待っている状態である。
そして、電源Offモードには、後述するように、制御部60における不揮発性RAM67に保持された制御プログラムの状態に依存して、電源Off(A)モードと電源Off(B)モードとがある。
ここでは、副電源SW100及びGeneralIO75を、副電源SW100の操作を受け付ける部分とするが、他の部材を含んでいてもよい。
【0030】
なお、動作モード、主電源Offモード及び電源Offモード(電源Off(A)モード、電源Off(B)モード)の間での移行を遷移と表記する。
【0031】
以下では、
図1を参照して、画像形成装置1の動作を説明する。
図2は、
図1に示す画像形成装置1の起動処理を説明するためのフローチャートである。
起動処理とは、不揮発性RAM67にOS/アプリケーションである制御プログラムやデータが記憶されていない状態において、主電源SW90がオンにされた後、不揮発性RAM67に制御プログラムをロードして、画像形成装置1を動作モードに遷移させるまでに行なわれる処理をいう。なお、起動処理には、不揮発性RAM67に制御プログラムがロードされ、実行状態であっても、ハードウエアリセットにより、制御プログラムを再度ロードして、動作モードに遷移することを含む。
また、起動処理には、不揮発性RAM67に制御プログラムがロードされているが、実行されない状態に保持された状態から、制御プログラムを実行して、動作モードに遷移することを含む。
【0032】
主電源SW90が、ユーザによってオンに設定される(ステップ101(
図2においてはS101と表記する。以下同様とする。))。
すると、
図1に示した制御部60及び副電源SW100に電源が供給される(ステップ102)。
そして、制御部60におけるCPU61及びCPU周辺デバイスが初期化される(ステップ103)。ここで、初期化とは、CPU61及びCPU周辺デバイスにおいて、各種レジスタがクリアされ、動作を開始することができる状態になることをいう。
初期化されたCPU61は、ROM65に格納されているプログラムローダを起動し、ROM65に格納されている制御プログラムを不揮発性RAM67にロード(読み込む)する(ステップ104)。
【0033】
ここで、副電源SW100の状態を通知する信号を監視するGeneralIO75によって、副電源SW100がオンにされたか否かが判断される(ステップ105)。前述したように、副電源SW100は、ユーザによりオン又はオフに設定する操作が行われる。よって、主電源SW90がオンに設定される前に、副電源SW100がオンに設定されてもよく、ステップ101からステップ104が実行されている間に、副電源SW100がオンに設定されてもよい。すなわち、ステップ105が実行される前に、副電源SW100がオンに設定されれば、ステップ105において、副電源SW100がオンにされていると判断される。
ここでは、ステップ101からステップ104が実行されている間に、副電源SW100がオンに設定されたとする。
【0034】
ステップ105において、GeneralIO75により、肯定の判断(Yes)がされる。なお、ステップ105において、GeneralIO75により、否定の判断(No)がされる場合、すなわち、副電源SW100がオフである場合については、後述する。
【0035】
ステップ105において、肯定の判断(Yes)がされると、GeneralIO75がCPU61に割り込みを掛ける。すると、CPU61は、不揮発性RAM67にロードされた制御プログラムを起動し、動作可能な状態にする(ステップ106)。
【0036】
また、GeneralIO75は、電源制御SW(第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31、第4電源制御SW41)をオンに設定する(ステップ107)。
これにより、電源制御SW(第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31、第4電源制御SW41)に接続された機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)に電源が供給される。そして、機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)が起動される(ステップ108)。
【0037】
その後、制御プログラム(アプリケーション)と機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)との間で同期が取られる(ステップ109)。なお、同期とは、制御プログラム(アプリケーション)を介して制御部60と機能デバイスとの間で通信が成立して、データ等の送受信が可能になることをいう。
このようにして、画像形成装置1の起動処理が完了(起動完了)し、画像形成装置1はスキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能が可能な状態である動作モードに遷移する(ステップ110)。
【0038】
ステップ105において、GeneralIO75により、否定の判断(No)がされた場合、すなわち、副電源SW100がオフである場合には、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75には電源が供給され、GeneralIO75を除いた制御部60には電源が供給されない電源Off(A)モードになる。
なお、電源Off(A)モードでは、電源制御SW(第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31、第4電源制御SW41)はオフであるので、機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)には、電源が供給されていない(電源オフ)。
よって、電源Off(A)モードでは、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75には電源が供給されているが、機能デバイス及びGeneralIO75を除く制御部60には電源が供給されていない。よって、電源Off(A)モードは、制御部60に電源が供給されている場合に比べ、消費電力が少ない。
すなわち、電源Off(A)モードでは、GeneralIO75により副電源SW100がオンにされたか否かを監視する、すなわち、ユーザによって副電源SW100がオンに操作されたことを検知するために必要な電力しか消費しない。
【0039】
なお、電源Off(A)モードにおいては、不揮発性RAM67には制御プログラムがロードされているが、起動されていない。
【0040】
次に、電源Off(A)モードから動作モードへの移行を説明する。
図3は、電源Off(A)モードから動作モードへの遷移を説明するためのフローチャートである。なお、
図2と共通の部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
前述したように、電源Off(A)モードでは、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75に電源が供給されている。
GeneralIO75は、副電源SW100がオンにされたか否かを判断する(ステップ201)。ステップ201で、否定(No)の判断がされた場合には、ステップ201に戻って、再び副電源SW100がオンにされたか否かが判断される。副電源SW100がオンにされるまで、電源Off(A)モードが維持される。
【0041】
一方、ステップ201において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、副電源SW100がオンにされたことが検知された場合には、GeneralIO75を除く制御部60に電源が供給される(ステップ202)。
これにより、制御部60が起動され、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が実行される(ステップ203)。
以下は、
図2に示したステップ106〜ステップ110が実行されて、動作モードに遷移する。
【0042】
すなわち、電源Off(A)モードから動作モードへの遷移は、制御プログラムの不揮発性RAM67へのロードを除いて、
図2で説明した起動処理が実行される。よって、起動処理における立上り時間において短縮される時間は短い。
【0043】
なお、ユーザによって主電源SW90がオフに設定されることで、電源Off(A)モードから、画像形成装置1に電源の供給がない主電源Offモードに遷移する。この場合、ユーザによって主電源SW90がオンにされると、電源Off(A)モードに戻る。よって、主電源Offモードからでも、上述した手順により、動作モードに遷移する。
【0044】
次に、動作モードから電源Off(B)モードへの遷移を説明する。
後述するように、電源Off(B)モードは、電源Off(A)モードと同様に、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75には電源が供給されているが、GeneralIO75を除く制御部60及び機能デバイスには電源が供給されていない状態である。しかし、制御部60の不揮発性RAM67の状態が異なる。
【0045】
図4は、動作モードから電源Off(B)モードへの遷移を説明するためのフローチャートである。動作モードは、主電源SW90、副電源SW100及び電源制御SWがオンであって、画像形成装置1の制御部60及び機能デバイスに電源が供給されている。よって、画像形成装置1により、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を使用することができる状態である。
副電源SW100のオン/オフの状態を通知する信号を監視するGeneralIO75によって、副電源SW100がオフにされたか否かが判断される(ステップ301)。そして、ステップ301において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、副電源SW100がオンの場合には、ステップ301に戻って、再び副電源SW100がオフにされたか否かが判断される。副電源SW100がオフにされるまで、動作モードが維持される。
【0046】
一方、ステップ301において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、副電源SW100がオフにされた場合には、GeneralIO75が、副電源SW100からオフにされたことを通知する信号を受信し、CPU61に割り込みを掛ける。すると、CPU61により、遷移(A)が可能か否かが判断される(ステップ302)。
ここで、遷移(A)が可能である(遷移(A)可)とは、動作モードから電源Off(B)モードに移行できることをいう。そして、遷移(A)が可能でない(遷移(A)可でない)とは、動作モードから電源Off(B)モードに移行できないことをいう。
【0047】
遷移(A)が可能でない(遷移(A)可でない)とは、画像形成装置1が、画像形成、画像読取などの動作中(ジョブ実行中)である場合、故障が発生している場合、診断(ダイアログ)がされている場合など、画像形成装置1が何等かの動作をしている場合が該当する。本明細書において、画像形成装置1がこのような場合を「特殊モード」と表記することがある。
一方、遷移(A)が可能である(遷移(A)可)とは、画像形成装置1が上記の特殊モードでなく、制御部60及び機能デバイスが電源オンであって、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を実行可能であること、すなわち、ジョブを受け付けることができる状態であることをいう。所謂アイドル状態である。
制御部60は、画像形成装置1を制御している。よって、制御部60は、画像形成装置1が特殊モードにあるか否か判断できる。
【0048】
ステップ302において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、動作モードから電源Off(B)モードに移行できる場合には、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75には電源の供給が継続されるが、GeneralIO75を除く制御部60への電源の供給が停止される(ステップ303)。これにより、制御部60においてGeneralIO75を除くCPU61及びCPU周辺デバイスが停止する。
【0049】
なお、ステップ301において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、副電源SW100がオフにされた場合には、GeneralIO75は、機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)に電源を供給していた電源制御SW(第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31、第4電源制御SW41)をオフにする(ステップ304)。
これにより、画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40は、停止する。
なお、副電源SW100がオフにされると、CPU61は、GeneralIO75からの割り込みを受ける。この後、CPU61が、PrintIF71、ScanIF72、UIIF73、汎用IF74を介して、画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40にオフになることを指示する命令を送信し、画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40がオフになった後に、GeneralIO75を介して、第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31、第4電源制御SW41をオフにしてもよい。
【0050】
このようにして、画像形成装置1は、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75に電源が供給された電源Off(B)モードに遷移する。
【0051】
この後、ユーザによって主電源SW90がオフに設定されると、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75も電源の供給が停止されて、主電源Offモードになる(ステップ305)。
なお、電源Off(B)モードでは、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75に電源が供給されているが、状態の変化がないため、主電源SW90がオフに設定されてもかまわない。
【0052】
そして、電源Off(B)モードは、動作モードから遷移するので、不揮発性RAM67には、OS/アプリケーションなどの制御プログラムが起動された状態で保持されている。なお、ステップ302において、遷移(A)可と判断される場合には、画像形成装置1はアイドル状態である。すなわち、不揮発性RAM67上に保持された制御プログラムには変化が生じない。
よって、ステップ303において、GeneralIO75を除く制御部60への電源の供給を停止しても、不揮発性RAM67は、電源Off(B)モードへ遷移するタイミングにおける動作モードの状態を保持している。
【0053】
なお、ステップ302において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、画像形成装置1が特殊モードにあって、電源Off(B)モードへの遷移ができない場合には、矢印Sで示すように、
図2におけるステップ103に移行する。
すなわち、ユーザは、画像形成装置1を停止させるために、副電源SW100をオフにしている。よって、画像形成装置1が例えジョブ実行中などの特殊モードにあっても、画像形成装置1を停止することを優先させる。
【0054】
このため、ステップ103に戻って、強制的にCPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が実行される(ハードウエアリセット)。ついで、ステップ104における制御プログラムのロードが実行される。そして、ステップ105において、副電源SW100がオフにされたか否かが判断される。このとき、
図4のステップ301において、副電源SW100は既にオフにされている。よって、ステップ105において、否定(No)の判断がされる。そして、ステップ111において、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75へは電源の供給が継続されるが、GeneralIO75を除く制御部60への電源の供給が停止される。このようにして、電源Off(A)モードに遷移する。
【0055】
なお、前述したように、電源Off(A)モードでは、不揮発性RAM67には、制御プログラムがロードされているが、起動されていない。よって、
図3に示したように、電源Off(A)モードから動作モードに遷移するためには、起動処理(
図3におけるステップ203、ステップ106〜110)を行なうことが必要となる。
これは、ユーザによって副電源SW100がオフにされたことで、画像形成装置1を速やかに停止させることを優先するためである。
【0056】
次に、
図4に示した主電源Offモードから動作モードへの遷移を説明する。
図5は、主電源Offモードから動作モードへの遷移を説明するためのフローチャートである。ここでの主電源Offモードは、
図4に示したように電源Off(B)モードから遷移したとする。
主電源Offモードにおいて、ユーザにより画像形成装置1の主電源SW90がオンにされる(ステップ401)。
すると、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75に電源が供給される(ステップ402)。これにより、電源Off(B)モードに遷移する。
【0057】
電源Off(B)モードでは、副電源SW100がオンにされたか否かが判断される(ステップ403)。ステップ403において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、副電源SW100がオフである場合には、ステップ403に戻って、再び副電源SW100がオンにされたか否かが判断される。副電源SW100がオンにされるまで、電源Off(B)モードが維持される。
なお、電源Off(B)モードにおいて、ユーザが主電源SW90をオフにすること(
図4のステップ305参照)により、主電源Offモードに遷移してもよい。
【0058】
電源Off(B)モードにおいて、ユーザによって副電源SW100がオンにされると、GeneralIO75は、副電源SW100からオンにされたことを通知する信号を受信する。
そして、ステップ403において、GeneralIO75によって、肯定(Yes)の判断がされる。すると、GeneralIO75は、すでに電源が供給されている制御部60のGeneralIO75を除く制御部60に電源を供給する(ステップ404)。そして、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が実行される(ステップ405)。
【0059】
次に、CPU61により、動作モードへの遷移が可能(遷移(B)可)か否か判断される(ステップ406)。遷移(B)が可能(遷移(B)可)か否かは、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化後に判断される。CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が正常に完了していれば、遷移(B)可と判断され、CPU61又はCPU周辺デバイスの初期化が正常に完了していなければ、遷移(B)可でないと判断される。
【0060】
一方、ステップ403において、CPU61により、肯定(Yes)の判断がされると、ステップ404に並行して、GeneralIO75は、電源制御SW(第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31、第4電源制御SW41)をオンにする(ステップ407)。
これにより、機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)に電源が供給されて起動される(ステップ408)。
【0061】
ステップ406において、CPU61により、肯定(Yes)と判断された場合、すなわち、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が正常に完了した場合には、起動が完了した機能デバイスと制御部60で起動された制御プログラム(特にアプリケーション)との間で同期が取られる(ステップ409)。
そして、画像形成装置1の起動が完了(起動完了)して、動作モードに遷移する(ステップ410)。
【0062】
なお、電源Off(B)モードでは、不揮発性RAM67には、電源Off(B)モードに遷移する前の制御プログラムが動作可能な状態で保持されている。よって、制御プログラムを再度ロードすること及び起動することを要しない。
したがって、ステップ405において、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が完了し、ステップ406において、遷移(B)可と判断されれば、不揮発性RAM67上に保持された制御プログラムは機能デバイスと同期をとることができる。さらに、
図3において示したように、動作モードに遷移する前に、制御プログラムは機能デバイスと同期を取っている(
図3のステップ109参照)。よって、ステップ409においては、例えば通信が確立することを確認するなど、
図3のステップ109における同期に比べて、必要とする処理時間が短い。
【0063】
以上説明したように、電源Off(B)モードから動作モードに遷移させる場合に、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化と、制御プログラムと機能デバイスとの間の同期とを行うことで、画像形成装置1の起動が完了(起動完了)し、動作モードに遷移する(ステップ410)。
【0064】
一方、ステップ406において、否定(No)の判断がされ、遷移(B)が可能でない(遷移(B)可でない)と判断された場合、すなわち、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化に失敗した場合には、矢印Sで示すように、
図2のステップ103に移行する。すなわち、このままでは、画像形成装置1を動作モードに遷移させることができない。
【0065】
このため、ステップ103に戻って、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が再度実行される(ハードウエアリセット)。ついで、ステップ104において、制御プログラムのロードが実行される。そして、ステップ105において、副電源SW100がオンにされたか否かが判断される。このとき、
図5のステップ403において、副電源SW100は既にオンにされている。よって、ステップ105において、肯定(Yes)の判断がされる。そして、ステップ106において制御プログラムが起動されるとともに、ステップ107において電源制御SW(第1電源制御SW11、第2電源制御SW21、第3電源制御SW31、第4電源制御SW41)がオンにされ、ステップ108において機能デバイス(画像形成部10、画像読取部20、UI30、送受信部40)が起動される。その後、ステップ109で、制御プログラムと機能デバイスとの間において同期が取られる。そして、ステップ110において、画像形成装置1の起動が完了する。これにより、画像形成装置1が動作モードに遷移する。
すなわち、ステップ406において、否定(No)の判断がされ、遷移(B)不可と判断された場合には、
図2に示した起動処理(ステップ103〜ステップ110)が実行されることになる。
【0066】
本実施の形態では、前述したように、画像形成装置1(制御部60)は、主電源Offモード、電源Off(A)モード、電源Off(B)モード及び動作モードの複数のモードを備えている。
図6は、
図2から
図5に示したフローチャートに基づいて、主電源Offモード、電源Off(A)モード、電源Off(B)モード及び動作モードの関係を説明するためのフローチャートである。
まず、画像形成装置1が、動作モードから主電源Offモードに遷移する場合(ステップ501〜ステップ504)を説明する。
画像形成装置1は、動作モードにあるとする(ステップ501)。
ユーザにより副電源SW100がオフにされると、遷移(A)可であるか否かが判断される(ステップ502)。ステップ502において、肯定(Yes)の判断がされる場合、すなわち、遷移(A)可である場合には、電源Off(B)モードに遷移する(ステップ503)。そして、ユーザにより主電源SW90がオフにされると、主電源Offモードに遷移する(ステップ504)。
なお、ステップ502において、否定(No)の判断がされる場合、すなわち、遷移(A)可でない場合には、矢印Sにしたがって
図2のステップ103に移行して、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が実行される(ハードウエアリセット)。
【0067】
次に、画像形成装置1が、主電源Offモードから動作モードに遷移する場合(ステップ504〜ステップ508)を説明する。ステップ504の主電源Offモードは、電源Off(B)モードから遷移している。よって、
図5で説明したように、主電源Offモードにおいて、ユーザにより主電源SW90がオンにされると、電源Off(B)モードに遷移する(ステップ505)。そして、ユーザにより副電源SW100がオンにされると、遷移(B)可か否かが判断される(ステップ506)。ステップ506において、肯定(Yes)の判断がされる場合、すなわち、遷移(B)可である場合には、動作モードに遷移する(ステップ508)。
【0068】
一方、ステップ506において、否定(No)の判断がされる場合、すなわち、遷移(B)可でない場合には、起動処理を実行する(ステップ507)。なお、起動処理は、
図2におけるステップ103〜ステップ110である。この後、動作モードに遷移する(ステップ508)。
図6から分かるように、遷移(B)可であれば、ステップ507の起動処理を必要としないので、起動処理を必要とする場合に比べて、動作モードへの高速な(短時間での)起動(復帰)ができることになる。
【0069】
そして、遷移(B)可でなければ、起動処理を伴う通常の起動となる。すなわち、遷移(B)可でなくとも、画像形成装置1を動作モードに遷移させることができる。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態では、動作モードから電源Off(B)モードへ遷移している場合には、例え主電源Offモードから起動する場合であっても、遷移(B)可であれば、動作モードへ高速に起動(復帰)することができる。
すなわち、ユーザは、画像形成装置1に全く電力が供給されていない状態から高速に起動できる。ユーザは、画像形成装置1を使用しない場合は、全く電力が供給されていない主電源Offモードに設定し、画像形成装置1を使用する際に、主電源SW90及び副電源SW100をオンにして、動作モードに遷移させればよい。
つまり、ユーザは、省エネルギを達成しつつ、動作モードへ遷移するまでに要する時間(起動時間、復帰時間)を抑制できる。すなわち、全く電力が供給されていない主電源Offモードから動作モードへ遷移する場合であっても、ユーザの操作性を損なわない。
【0071】
また、ユーザが、画像形成装置1を主電源SW90がオンである電源Off(B)モードに維持しても、電源Off(B)モードでは、副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75には電源を供給するが、GeneralIO75を除く制御部60への電源の供給を停止するので、消費される電力は、制御部60に電源が供給されている場合に比べて少ない。よって、ユーザが、画像形成装置1を電源Off(B)モードで維持しても、省エネルギを達成しつつ、動作モードへ遷移するまでに要する時間(起動時間、復帰時間)を抑制できる。
すなわち、本実施の形態では、二回目以降の起動(復帰)では、動作モードへ遷移するまでに要する時間(起動時間、復帰時間)が抑制できる。
【0072】
さらに、本実施の形態では、動作モードから電源Off(B)モードに遷移する場合において、画像形成装置1が特殊モードになければ遷移(A)可であって、動作モードから電源Off(B)モードへ遷移できる。
一方、遷移(A)可でなければ、
図4及び
図6に示すように、矢印Sにしたがって、
図2のステップ103に移行し、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が行われるようになっている(ハードウエアリセット)。
よって、ユーザは、画像形成装置1のモードに関わらず、起動モードに遷移させることができる。
【0073】
なお、ユーザによって副電源SW100がオフにされる際に、画像形成装置1が特殊モードにあって、
図4のステップ302において遷移(A)可でない(否定(No))と判断されることは稀であると思われる。また、ユーザによって副電源SW100がオンにされる際に、CPU61及びCPU周辺デバイスの初期化が正常に完了せず、
図5のステップ406において遷移(B)可でない(否定(No))と判断されることも稀であると思われる。
したがって、画像形成装置1は、多くの場合において、動作モードから電源Off(B)モードに遷移し、電源Off(B)モードから動作モードに遷移できると考えられる。これらの場合には起動処理を伴わないので、起動処理を伴う場合に比べ、画像形成装置1を高速(短い時間)に停止及び起動(復帰)できる。
【0074】
なお、画像形成装置1を高速で起動(高速起動)するためには、主電源Offモードが電源Off(B)モードから遷移していることが必要である。前述したように、
図2における電源Off(A)モードから主電源Offモードに遷移した場合には、
図3に示したように、制御プログラムのロードを除いた起動処理(ステップ203、ステップ106〜110)を行なわなければならない。
このため、画像形成装置1を高速起動するには、主電源Offモードが電源Off(B)モードから遷移したか否かを判断することが必要となる。
【0075】
これには、電源Off(B)モードから主電源Offモードに遷移する際に、電源Off(B)モードから主電源Offモードに遷移したことを示す情報(フラグなど)を不揮発性RAM67に記憶させればよい。
ユーザにより主電源SW90がオンにされて、主電源Offモードから電源Off(A)モード又は電源Off(B)モードに移行する際に、GeneralIO75などがこの情報を読み出して、主電源Offモードが電源Off(B)モードから遷移したか否かを判断すればよい。
また、本実施の形態では、電源Off(A)モードでは、
図2に示すように、不揮発性RAM67に制御プログラムがロードされた状態にあり、電源Off(B)モードでは、
図4に示すように、制御プログラムが起動されて動作可能な状態にある。よって、不揮発性RAM67に保持された制御プログラムの状態から、主電源Offモードが電源Off(B)モードから遷移したか否かを判断してもよい。
【0076】
また、画像形成装置1が通信回線を介して外部サーバーなどと接続されている場合には、動作モードにおいて、制御部60は、その外部サーバーなどに関するIPアドレス等の情報を保持している。本実施の形態では、画像形成装置1の制御部60は、不揮発性RAM67を備え、制御プログラムは、不揮発性RAM67にロードされて実行される。よって、電源Off(B)モードにおいても、外部サーバーなどに関するIPアドレスなどの情報が不揮発性RAM67に保持されて消去されない。
よって、画像形成装置1を高速起動した場合には、不揮発性RAM67に保持された外部サーバーなどのIPアドレス等の情報と、高速起動された際に接続される外部サーバーなどのIPアドレス等の情報とで整合が取れなくなるおそれがある。
【0077】
これを防ぐには、電源Off(B)モードにおいて、接続されていた外部サーバーのIPアドレスなどの情報が不揮発性RAM67に残る場合には、動作モードから電源Off(B)モードに遷移する際に、外部サーバーなどとの接続を遮断して、外部サーバーのIPアドレスなどの情報を破棄すればよい。
また、電源Off(B)モードから動作モードに遷移する際に、外部サーバーと再接続を試みて、IPアドレスなどの情報を更新するようにしてもよい。
【0078】
さらに、電源Off(B)モードでは、不揮発性RAM67には、制御プログラムが実行可能な状態で保持されている。しかし、制御部60において、GeneralIO75を除くCPU61及びCPU周辺デバイスには電源が供給されていないので、不揮発性RAM67に保持された画像形成装置1が管理する時刻は更新されない。よって、電源Off(B)モードから動作モードに遷移した場合に、外部の時刻(絶対時間)と、画像形成装置1の制御部60が管理する時刻とが不整合になってしまう。
これを防ぐには、電源Off(B)モードから動作モードに遷移させる際に、外部の時刻(絶対時間)を取得するようにして、時刻の整合を図るようにすればよい。
【0079】
また、本実施の形態では、
図4において、動作モードから電源Off(B)モードに遷移させる際に、ステップ302で遷移(A)可でない(否定(No)の)場合には、電源Off(A)モードに遷移させている。すなわち、ステップ302で遷移(A)可でない(否定(No)の)場合に、
図2のステップ103に戻り、ステップ104の制御プログラムのロードの後、ステップ111において副電源SW100及び制御部60のGeneralIO75には電源の供給を継続し、GeneralIO75を除く制御部60への電源の供給を停止して、電源Off(A)モードに遷移する。
これは、
図2におけるステップ104の制御プログラムのロードの後、ステップ106の制御プログラムを起動して動作モードに戻すように構成した場合、
図4におけるステップ302において再び遷移(A)可でないと判断されると、無限ループに陥って電源の供給を停止できなくなることを抑制するためである。
すなわち、ユーザによって副電源SW100がオフにされた場合に、画像形成装置1への給電を停止することを優先するようにしている。
【0080】
なお、本実施の形態では、画像形成装置1は主電源SW90と副電源SW100とを備えている。しかし、副電源SW100を省略してもよい。このとき、ユーザによって、主電源SW90がオフに設定されても、直ちに画像形成装置1への電源の供給を停止するのではなく、予め定められた時間において電源の供給が継続されるようにする。つまり、
図4におけるステップ301〜304が実行されたのち、主電源SW90がオフになって、画像形成装置1への電源の供給を停止する。
すなわち、主電源SW90がディレイドシャットダウンされれば、副電源SW100を設けなくともよい。
【0081】
また、本実施の形態では、制御部60は、画像形成装置1を制御するとしたが、画像形成装置1以外を制御する情報処理装置であってもよい。