(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示される印刷システムでは、補助情報が付加された電子文書を印刷する場合、まず、元の電子文書のみを汎用プリンタで印刷した後に、付箋紙プリンタ用のアプリケーションに補助情報を手動で入力して、補助情報を付箋紙プリンタで印刷しなければならない。
【0007】
以上のような実情を踏まえ、本発明は、電子文書に付加された補助情報の付箋紙への印刷を簡単に指示することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、第1のプリンタと第2のプリンタとに接続される印刷指示装置であって、補助情報が付加された電子文書の文書データから、前記補助情報が付加される前の文書データである元文書データと、前記補助情報のデータである第1の補助情報データと、を抽出する抽出部と、前記抽出部で抽出された前記元文書データに基づく印刷指示を、前記第1のプリンタへ送信する第1のプリンタ用のプリンタドライバと、前記抽出部で抽出された前記第1の補助情報データを、前記第2のプリンタ用のプリンタドライバの入力フォーマットに従った第2の補助情報データに変換する変換部と、前記変換部で変換された前記第2の補助情報データに基づく印刷指示を、前記第2のプリンタへ送信する第2のプリンタ用のプリンタドライバと、を備える印刷指示装置を提供する。
上記の印刷指示装置において、前記変換部は、前記第2のプリンタ用のプリンタドライバに設定されたサイズの印刷媒体に当該印刷媒体からはみ出すことなく前記補助情報が印刷されるような前記第2の補助情報データに、前記第1の補助情報データを変換してもよい。
【0009】
本発明の別の態様は、第1のプリンタおよび第2のプリンタと、第1のプリンタと第2のプリンタとに接続される印刷指示装置とを含む印刷システムであって、前記印刷指示装置は、補助情報が付加された電子文書の文書データから、前記補助情報が付加される前の文書データである元文書データと前記補助情報のデータである第1の補助情報データとを抽出する抽出部と、前記抽出部で抽出された前記元文書データに基づく印刷指示を前記第1のプリンタへ送信する第1のプリンタ用のプリンタドライバと、前記抽出部で抽出された前記第1の補助情報データを前記第2のプリンタ用のプリンタドライバの入力フォーマットに従った第2の補助情報データに変換する変換部と、前記変換部で変換された前記第2の補助情報データに基づく印刷指示を前記第2のプリンタへ送信する第2のプリンタ用のプリンタドライバと、を備える印刷システムを提供する。
上記の印刷システムにおいて、前記印刷指示装置の前記変換部は、前記第2のプリンタ用のプリンタドライバに設定されたサイズの印刷媒体に当該印刷媒体からはみ出すことなく前記補助情報が印刷されるような前記第2の補助情報データに、前記第1の補助情報データを変換してもよい。
【0010】
本発明の別の態様は、電子文書の印刷をプリンタに指示するためのプログラムであって、補助情報が付加された前記電子文書の文書データから、前記補助情報が付加される前の文書データである元文書データと、前記補助情報のデータである第1の補助情報データと、を抽出し、前記元文書データを第1のプリンタ用のプリンタドライバに送信し、前記第1の補助情報データを、第2のプリンタ用のプリンタドライバの入力フォーマットに従った第2の補助情報データに変換し、前記第2の補助情報データを前記第2のプリンタ用のプリンタドライバへ送信する処理をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【0011】
上記のプログラムは、前記第2のプリンタ用のプリンタドライバに設定されたサイズの印刷媒体に当該印刷媒体からはみ出すことなく前記補助情報が印刷されるような前記第2の補助情報データに、前記第1の補助情報データを変換する処理をコンピュータに実行させてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電子文書に付加された補助情報の付箋紙への印刷を簡単に指示することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システム100の構成を示す図である。
図2は、
図1に示す印刷指示装置であるPC110のハードウェア構成図である。以下、
図1及び
図2を参照しながら、印刷システム100の構成について説明する。
【0015】
図1に示す印刷システム100は、文書編集アプリケーションの付箋機能またはコメント機能によって補助情報が付加された電子文書を印刷するためのシステムであり、パーソナルコンピュータ(以降、PCと記す)110と、汎用のプリンタ120と、ラベルプリンタ130と、を備えている。
【0016】
PC110は、プリンタ120及びラベルプリンタ130に接続された印刷指示装置であり、PC110には、プリンタ120用のプリンタドライバとラベルプリンタ130用のプリンタドライバがインストールされている。PC110は、
図2に示すように、PC110の動作を制御する制御プログラムを実行するための構成として、CPU110aと、メモリ110bと、入出力I/F110c、補助記憶装置110dと、可搬記録媒体110fが挿入される可搬記録媒体駆動装置110eと、ネットワーク装置110gとを備え、これらがバス110hによって相互に接続された構成を有する。
【0017】
CPU110aは、PC110全体の制御を行うものである。メモリ110bは、制御プログラムの実行の際に、補助記憶装置110dまたは可搬記録媒体110fに記憶されている制御プログラムや、制御プログラムの実行に必要な情報を一時的に記憶するものであり、例えば、RAM(Random Access Memory)である。入出力I/F110cは、モニタ、キーボード、マウス等とPC110との間のインターフェースである。
【0018】
補助記憶装置110dは、制御プログラムや制御プログラムの実行に必要な情報を不揮発的に記憶するものであり、例えば、ハードディスク装置である。可搬記録媒体駆動装置110eは、光ディスクやコンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬記録媒体110fを収容するものである。可搬記録媒体110fは、補助記憶装置110dと同様に、制御プログラムや制御プログラムの実行に必要な情報を不揮発的に記憶するものである。
【0019】
ネットワーク装置110gは、ネットワークを介して接続された外部の装置と通信するための装置である。PC110は、入出力I/F110cまたはネットワーク装置110gを介してプリンタ120及びラベルプリンタ130と接続されている。
【0020】
プリンタ120は、一般的に使用される汎用のプリンタであり、印刷システム100の第1のプリンタである。プリンタ120は、A3サイズ、A4サイズ、はがきサイズなどの印刷用紙に文書やイメージ等を印刷する。
【0021】
ラベルプリンタ130は、裏面にまたはシールで保護された内面に粘着部を有する印刷媒体を使用するプリンタであり、印刷システム100の第2のプリンタである。ラベルプリンタ130によって印刷された印刷媒体は、付箋紙として使用され、例えばプリンタ120によって印刷された印刷媒体に貼り付けられる。
【0022】
図1では、PC110とプリンタ(プリンタ120及びラベルプリンタ130)がUSBケーブルなどによって直接接続されている例を示したが、PC110とプリンタは例えばLANなどのネットワークを介して接続されても良い。即ち、プリンタ120及びラベルプリンタ130はネットワークプリンタであってもよい。また、PC110とプリンタを接続するネットワークは有線に限られない。PC110とプリンタは、無線LANやBluetooth(登録商標)などを用いて無線で接続されてもよい。
【0023】
図3は、
図1に示す印刷指示装置であるPC110が実行する電子文書の印刷指示処理のフローチャートである。
図4は、
図3に示す電子文書の印刷指示処理におけるデータの流れを示す図である。
図5は、補助情報が付加された電子文書の一例を示した図である。以下、
図3から
図5を参照しながら、
図5に示す電子文書を印刷する場合を例にして、PC110で行われる電子文書の印刷指示処理について説明する。
【0024】
図3に示す電子文書の印刷指示処理は、補助記憶装置110dまたは可搬記録媒体110fに記憶されている印刷指示プログラムがメモリ110bにロードされてCPU110aで実行されることによって開始される。より具体的には、例えば、利用者が文書編集アプリケーションで
図5に示す電子文書を参照中に印刷処理を選択し、文書編集アプリケーションが印刷指示プログラムを呼び出すことによって開始される。また、利用者が
図5に示す電子文書を指定して、PC110に印刷指示プログラムを直接起動させることによって開始されてもよい。
【0025】
図3に示す電子文書の印刷指示処理が開始されると、
図4に示すように、まず、PC110の抽出部111が、補助情報が付加された
図5に示す電子文書の文書データ(以降、補助情報付き文書データと記す)D1から、補助情報が付加される前の文書データである元文書データD2と、元文書データD2に付加された補助情報のデータである第1の補助情報データD3を抽出する(
図3のステップS1)。ここで、元文書データD2は、
図5に示す電子文書の文書部分DCに対応するデータであり、第1の補助情報データD3は、
図5に示す付箋部分SN1、付箋部分SN2、付箋部分SN3に対応するデータである。
【0026】
なお、
図5に示すように電子文書に複数の補助情報(ここでは、付箋部分SN1、付箋部分SN2、付箋部分SN3)が付加されている場合には、抽出部111は、補助情報毎に第1の補助情報データD3を抽出してもよく、また、複数の補助情報に対応する1つの第1の補助情報データD3を抽出してもよい。以降では、補助情報毎に第1の補助情報データD3が抽出された場合を例にして説明する。
【0027】
抽出部111で抽出された元文書データD2は、
図4に示すように、PC110にインストールされているプリンタ120用のプリンタドライバ112に送信される(
図3のステップS2)。その後、元文書データD2を受信したプリンタドライバ112は、元文書データD2に基づく印刷指示をプリンタ120に送信する。これにより、
図5に示す電子文書の文書部分DCがプリンタ120によって印刷される。
【0028】
一方、抽出部111で補助情報毎に抽出された第1の補助情報データD3は、
図4に示すように、PC110の変換部113によって、ラベルプリンタ130用のラベルプリンタドライバ114の入力フォーマットに従った第2の補助情報データD4に変換される(
図3のステップS3)。
【0029】
変換部113は、単にデータのフォーマットを変換するだけではなく、ラベルプリンタ130で正常に印刷可能なデータにデータの内容を変更してもよい。例えば、第1の補助情報データD3が文字データである場合には、ラベルプリンタ130の印刷媒体の幅に合わせて、文字データのフォント、サイズ、文字間隔などを調整してもよい。また、第1の補助情報データD3がイメージデータである場合には、ラベルプリンタ130の印刷媒体の幅に合わせて、イメージデータを拡大または縮小してもよい。
【0030】
つまり、変換部113は、電子文書に付加された補助情報がラベルプリンタドライバ114に設定されたサイズの印刷媒体にその印刷媒体からはみ出すことなく印刷されるような第2の補助情報データD4に、第1の補助情報データD3を変換する。
【0031】
なお、変換部113は、複数の補助情報に対応する1つの第1の補助情報データD3を受信した場合には、第1の補助情報データD3を補助情報毎に分割して、分割したデータのそれぞれを第2の補助情報データD4に変換してもよい。
【0032】
変換部113での変換により得られた第2の補助情報データD4は、
図4に示すように、PC110にインストールされているラベルプリンタ130用のラベルプリンタドライバ114に送信される(
図3のステップS4)。その後、第2の補助情報データD4を受信したラベルプリンタドライバ114は、第2の補助情報データD4に基づく印刷指示をラベルプリンタ130に送信する。これにより、
図5に示す電子文書の付箋部分(付箋部分SN1、付箋部分SN2、付箋部分SN3)が、それぞれラベルプリンタ130で付箋紙に印刷される。以上により、
図3に示す印刷指示処理が終了する。
【0033】
上述したように、印刷指示装置であるPC110を備える印刷システム100では、補助情報が付加された電子文書の印刷を利用者が指示するだけで、補助情報を除いた文書部分が通常のプリンタ120で印刷され、さらに、補助情報が付箋紙にラベルプリンタ130で印刷される。このため、印刷指示装置であるPC110及び印刷指示プログラムによれば、電子文書に付加された補助情報をラベルプリンタ130用のアプリケーションに手動で入力し直す必要がなく、電子文書に付加された補助情報の付箋紙への印刷を簡単に指示することができる。
【0034】
なお、ラベルプリンタ130により補助情報が印刷された付箋紙は、プリンタ120により印刷された印刷媒体に貼り付けることができる。付箋紙を貼り付ける位置は電子文書上における付箋紙の位置に限られないため、電子文書上で付箋紙が文書部分と重なって表示されている場合であっても、文書部分と重ならないように付箋紙を貼り付けることができる。
【0035】
また、変換部113は付箋紙のサイズに合わせて自動的に補助情報のデータを変換して、ラベルプリンタドライバ114へ出力する。このため、PC110及び印刷指示プログラムによれば、ラベルプリンタ130で使用する付箋紙のサイズに関わらず、補助情報を付箋紙内に印刷することができる。
【0036】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために本発明の具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。印刷指示装置、及び、プログラムは、特許請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0037】
例えば、印刷指示装置はPCに限られず、例えば、タブレット端末などの携帯端末や専用装置などであってもよい。また、印刷システムは、抽出部111が
図3に示すステップS1の処理を行う前に、入力された電子文書に補助情報が付加されているか否かを判定する処理を行うことで、補助情報付き電子文書に限らず、任意の電子文書を印刷してもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0038】
[付記1]
第1のプリンタと第2のプリンタとに接続される印刷指示装置であって、
補助情報が付加された電子文書の文書データから、前記補助情報が付加される前の文書データである元文書データと、前記補助情報のデータである第1の補助情報データと、を抽出する抽出部と、
前記抽出部で抽出された前記元文書データに基づく印刷指示を、前記第1のプリンタへ送信する第1のプリンタ用のプリンタドライバと、
前記抽出部で抽出された前記第1の補助情報データを、前記第2のプリンタ用のプリンタドライバの入力フォーマットに従った第2の補助情報データに変換する変換部と、
前記変換部で変換された前記第2の補助情報データに基づく印刷指示を、前記第2のプリンタへ送信する第2のプリンタ用のプリンタドライバと、を備える
ことを特徴とする印刷指示装置。
【0039】
[付記2]
付記1に記載の印刷指示装置において、
前記変換部は、前記第2のプリンタ用のプリンタドライバに設定されたサイズの印刷媒体に当該印刷媒体からはみ出すことなく前記補助情報が印刷されるような前記第2の補助情報データに、前記第1の補助情報データを変換する
ことを特徴とする印刷指示装置。
【0040】
[付記3]
第1のプリンタおよび第2のプリンタと、第1のプリンタと第2のプリンタとに接続される印刷指示装置とを含む印刷システムであって、
前記印刷指示装置は、
補助情報が付加された電子文書の文書データから、前記補助情報が付加される前の文書データである元文書データと、前記補助情報のデータである第1の補助情報データと、を抽出する抽出部と、
前記抽出部で抽出された前記元文書データに基づく印刷指示を、前記第1のプリンタへ送信する第1のプリンタ用のプリンタドライバと、
前記抽出部で抽出された前記第1の補助情報データを、前記第2のプリンタ用のプリンタドライバの入力フォーマットに従った第2の補助情報データに変換する変換部と、
前記変換部で変換された前記第2の補助情報データに基づく印刷指示を、前記第2のプリンタへ送信する第2のプリンタ用のプリンタドライバと、を備える
ことを特徴とする印刷システム。
【0041】
[付記4]
付記3に記載の印刷システムにおいて、
前記印刷指示装置の前記変換部は、前記第2のプリンタ用のプリンタドライバに設定されたサイズの印刷媒体に当該印刷媒体からはみ出すことなく前記補助情報が印刷されるような前記第2の補助情報データに、前記第1の補助情報データを変換する
ことを特徴とする印刷システム。
【0042】
[付記5]
電子文書の印刷をプリンタに指示するためのプログラムであって、
補助情報が付加された前記電子文書の文書データから、前記補助情報が付加される前の文書データである元文書データと、前記補助情報のデータである第1の補助情報データと、を抽出し、
前記元文書データを第1のプリンタ用のプリンタドライバに送信し、
前記第1の補助情報データを、第2のプリンタ用のプリンタドライバの入力フォーマットに従った第2の補助情報データに変換し、
前記第2の補助情報データを前記第2のプリンタ用のプリンタドライバへ送信する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0043】
[付記6]
付記5に記載のプログラムにおいて、
前記第2のプリンタ用のプリンタドライバに設定されたサイズの印刷媒体に当該印刷媒体からはみ出すことなく前記補助情報が印刷されるような前記第2の補助情報データに、前記第1の補助情報データを変換する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。