(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
利用者が行先階を登録するための行先階登録装置と、前記行先階登録装置で登録された行先階に基づいて複数台のエレベータのうちのいずれかを割り当てる制御装置とを備えた、エレベータの群管理システムであって、
前記行先階登録装置は、
利用者により行先階が入力され、入力された行先階に関する信号を出力する操作部と、
前記制御装置との間で信号を送受信するためのインタフェースと、
利用者に号機割当に関する情報を報知する報知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記操作部から行先階に関する信号が入力されたときに、前記インタフェースを介して前記制御装置に、前記行先階に関する信号を送信し、
前記制御装置から号機の割当に関する信号を受信したときに、当該信号が示す情報を前記報知部において報知させ、
前記制御装置は、
前記行先階登録装置から送信されてきた行先階呼びの情報に基づいて、新規の行先階呼びに対して複数の号機のうちのいずれかを割り当て可能か否かを判断し、
前記新規の行先階呼びに対して号機の割当が可能であると判断したときは、前記行先階登録装置に、割り当てる号機を示す情報を前記報知部において報知させるための割当信号を送信し、
前記新規の行先階呼びに対していずれの号機も割り当てられないと判断したときは、前記行先階登録装置に、号機の割当を保留することを示す情報を前記報知部において報知させるための保留信号を送信し、
前記報知部は、号機割当に関する情報を表示する表示部であり、
前記行先階登録装置はロビー階に複数台備えられ、
前記制御装置は、
前記ロビー階が所定の混雑度にないと判断されるとき、前記複数台の行先階登録装置の全てを、利用者による行先階の入力が可能な第1モードで動作させ、
前記ロビー階が所定の混雑度にあると判断されるとき、前記複数台の行先階登録装置のうちの所定の行先階登録装置を、利用者により入力された行先階呼びに対する割当状態を表示部に表示させる第2モードで動作させる、
エレベータの群管理システム。
前記制御装置は、新規に発生した行先階呼びに対して号機の割当を行ったと仮定した場合に、割当済みの行先階呼びに対して満員通過及び/または積み残しが発生するときは、前記新規の行先階呼びに対していずれの号機も割り当てられないと判断する、
請求項1または請求項2記載のエレベータの群管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係るエレベータの群管理システムについて図面を参照して説明する。
【0011】
(実施形態1)
1.構成
図1は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
エレベータの群管理システムは、制御装置10、及び行先階登録装置20を有する。エレベータの群管理システムは、複数台のエレベータ30の走行を統合的に制御する。また、エレベータの群管理システムは、行先階登録装置20で登録された行先階呼びに対して複数台のエレベータ30のうちのいずれかを割当てる制御を行う。本実施形態では、行先階登録装置20は、ビルの各階に配備されているものとする。また、ビルのロビー階には複数台の行先階登録装置20が備えられているものとする。
【0013】
制御装置10は、制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13を備える。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行して種々の制御を行う。記憶部12は、プログラム、種々のデータ、及び割当保留行先階呼びリストを記憶している。
【0014】
入出力インタフェース13は、行先階登録装置20及び複数のエレベータ30との間で信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換して出力する。また、入出力インタフェース13は、行先階登録装置20及び複数のエレベータ30から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
【0015】
図2は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムの制御装置10の機能を示す機能ブロック図である。
【0016】
本制御装置10の制御部11は、割当計算部11A、割当候補号機選択部11B、保留呼び再割当計算部11Cの各機能を実現する。割当候補号機選択部11Bは、入出力インタフェース13を介して行先階登録装置20から、行先階呼びに対する号機の割当依頼を受信すると、割当候補号機の即時決定が可否を判断する。候補号機を即時割当可能な場合と、割当候補号機選択部11Bは、割当計算部11Aに、割当候補号機、呼び発生階、及び行先階に関する信号を出力する。割当候補号機選択部11Bから、割当候補号機、呼び発生階、及び行先階が入力されると、割当計算部11Aは、割当候補号機の中から割当号機を決定し、割当号機を示す信号を、入出力インタフェース13を介して行先階登録装置20に出力する。
【0017】
一方、割当候補号機を即時に決定できないときは、割当候補号機選択部11Bは、即時割当不能信号を、入出力インタフェース13を介して行先階登録装置20に送信するとともに、呼び発生階及び行先階を保留呼び再割当計算部11Cに出力する。呼び発生階及び行先階を受信すると、保留呼び再割当計算部11Cは、保留呼びに対する割当を再計算し、割当が可能となると、割当号機を、入出力インタフェース13を介して行先階登録装置20に出力する。
【0018】
図3は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムの行先階登録装置20の構成を示すブロック図である。
【0019】
行先階登録装置20は、制御部21、記憶部22、入出力インタフェース23、表示部24、及び操作部25を有する。
【0020】
制御部21は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行して種々の制御を行う。
【0021】
記憶部22は、プログラム、及び種々のデータを記憶している。データとして、例えば、当該行先階登録装置20のIDや設置階を記憶している。
【0022】
入出力インタフェース23は、制御装置10との間で信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース23は、制御部21から出力される信号を所定の形式の信号に変換して出力する。また、入出力インタフェース23は、制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部21に出力する。
【0023】
表示部24は、制御部21から出力される表示信号に基づく表示を行う。
【0024】
操作部25は、利用者が行先階を入力するためのインタフェースである。本実施形態では、操作部25として、例えば、
図1等に示すように、テンキーを採用している。操作部25は、操作部25の操作内容に対応する信号を制御部21に出力する。
【0025】
2.動作
エレベータの群管理システムにおいて実行される動作を説明する。
図4は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて実行される動作の流れを示すフローチャートである。
【0026】
行先階登録装置20の操作部25に対して利用者により行先階(D階)の指定操作が行われると、操作部25は指定操作に対応する行先階呼びの信号を行先階登録装置20の制御部21に出力する。制御部21は、指定操作に対応する行先階呼びの信号に所定の処理を施した後、当該処理後の信号を入出力インタフェース23を介して制御装置10に出力する(S10)。
【0027】
行先階登録装置20からの行先階呼びの信号を受信すると、制御装置10は、当該行先階呼びの信号に基づいて、複数台のエレベータ30のうちの割当可能な号機(以下、適宜「割当候補号機」という)を決定する(S11)。当該判断の詳細については後述する。
【0028】
制御装置10は、当該行先階呼びに対して割当候補号機が存在したか否かを判断する(S12)。
【0029】
割当候補号機があるときは(S12でYES)、制御装置10は、割当候補号機の中から1台の割当号機を選択し、選択した割当号機を示す信号を行先階登録装置20に出力する、選択した割当号機を示す信号を受信すると、行先階登録装置20は、割当号機を示す情報を表示部24に表示する。例えば、B号機が割当号機である場合、行先階登録装置20は、例えば
図5(a)に示すように、「B」という情報を表示部24に表示する(S13)。なお、割当候補号機の中からの1台の割当号機の選択は、所定の手順にしたがって行われる。この所定の手順は、公知の技術が利用可能である。
【0030】
これに対し、割当候補号機がないときは(S12でNO)、制御装置10は、行先階呼びの情報を割当保留行先階呼びリストに登録する(S14)。
【0031】
図6は、実施形態1に係る割当保留行先階呼びリストの構成を示す図である。割当保留行先階呼びリストには、行先階呼びの情報として、待番号X、呼び発生階F、行先階D、及び登録装置IDが登録される。待番号Xは、割当候補号機がないと判断されたときに、制御装置10によって、例えば1から順番に昇順で付与される。呼び発生階Fは、利用者によって入力操作が行われた行先階登録装置20が配置されている階を示す情報である。行先階Dは、行先階登録装置20によって指定された行先の階を示す情報である。登録装置IDは、当該行先階呼びの操作が行われた行先階登録装置20のIDを示す情報である。例えば、
図1の例では、待番号Xが1の行先階呼びは、呼び発生階Fが1階、行先階Dが12階、操作された登録装置IDが1であることを示している。
【0032】
また、割当候補号機がないとき(S12でNO)、制御装置10は、利用者によって当該行先階呼びの指定操作が行われた行先階登録装置20の表示部24に、号機案内するまで待つよう利用者に報せるメッセージ(情報)を表示させる(S15)。具体的に、制御装置10は、号機の即時割当が不能であることを示す信号(即時割当不能信号)を当該行先階登録装置20にそのIDに基づき送信する。即時割当信号を受信すると、行先階登録装置20は、例えば、
図5(b)に示すように、「号機案内するまでしばらくお待ちください」というメッセージを表示部24に表示する。
【0033】
割当保留行先階呼びリストに行先階呼びが登録されているとき、制御装置10は、号機の再割当動作を行う。
図7は、実施形態1に係るエレベータの群管理システムにおいて実行される号機の再割当動作の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、所定時間間隔で繰り返し行われる。所定時間は例えば1秒である。
【0034】
まず、制御装置10は、「割当保留行先階呼びリスト」に登録されている全ての行先階呼びに対して、号機の割当を試みる(S16)。号機の割当は、各号機の停止予定階、各号機のかごの乗車人数等に基づいて、所定の手順で行われる。
【0035】
制御装置10は、「割当保留行先階呼びリスト」に登録されている行先階呼びにおいて、割当て可能な行先階呼びがあったか判定する(S17)。
【0036】
割当号機があるときは(S17でYES)、制御装置10は、割当保留行先階呼びリストから、割当てが完了した行先階呼びに関する待番号X、呼び発生階F、行先階D、及び登録装置IDを削除する(S18)。
【0037】
次に、制御装置10は、割当が完了した行先階呼びを送信してきた行先階登録装置20の表示部24に、割当号機に関する情報を表示させる。具体的に、制御装置10は、割当号機を示す信号を、登録装置IDに基づき、行先階登録装置20に出力する、割当号機を示す信号を受信すると、行先階登録装置20は、割当号機を示す情報を表示部24に表示する。例えば、B号機が割当号機である場合、行先階登録装置20は、
図5(a)に示すように、「B」という情報を表示部24に表示する(S19)。
【0038】
前述のステップS11における割当候補号機に関する判断について詳細に説明する。
図8は、実施形態1に係る割当候補号機に関する判断動作の流れを示すフローチャートである。
【0039】
制御装置10は、かご番号iとして1を設定する(S20)。なお、かごと号機は1対1で対応するのでかご番号iは号機の番号でもある。
【0040】
制御装置10は、呼び発生階Fから行先階Dへの新規の行先階呼び(以下、適宜「新規呼び」という)を仮にi号機に割り当てる(S21)。
【0041】
制御装置10は、新規呼びと、当該新規呼びの発生迄に既に発生している行先階呼び(以下、適宜「既存呼び」という)との干渉範囲を求める(S22)。干渉範囲とは、新規呼びへのかごの割当を決める際に、既存呼びとの関係で計算の必要な階数の範囲である。干渉範囲は、開始階f_startと終了階f_endとの間の範囲で示す。干渉範囲の求め方は後述する。
【0042】
制御装置10は、かごiが開始階f_startに到着するときのかごi内の人数を求める(S23)。この人数は、現在のかご内の人数と、現在階から開始階f_startに到着するまでの間での既存呼びによる乗車人数と降車人数とにより求めることができる。
【0043】
制御装置10は、演算対象階fとして開始階f_startを設定する(S24)。
【0044】
制御装置10は、かごiが、(1)演算対象階fにかご呼びを有するという条件と、(2)演算対象階fが行先階Dであるとの条件との少なくとも一方を満たすか判定する(S25)。ある階でのかご呼びとは、その階において降車することを要求する行先階呼びである。
【0045】
ステップS25の条件(1)、(2)の少なくとも一方が満たされるとき(S25でYES)、制御装置10は、かごi内の人数Pから演算対象階fでの降車人数を減算してかごi内の人数Pを更新する(S26)。
【0046】
ステップS26を実行すると、制御装置10は、かごiが、(1)演算対象階fに割当乗車呼びを有するという条件と、(2)演算対象階fが呼び発生階Fであるとの条件との少なくとも一方を満たすか判定する(S27)。ある階での割当乗車呼びとは、その階において乗車することを要求する行先階呼びである。
【0047】
ステップS29の条件(1)、(2)の少なくとも一方が満たされるとき(S27でYES)、制御装置10は、かごi内の人数Pに演算対象階fでの乗車人数を加算してかご内人数Pを更新する(S28)。
【0048】
上記ステップS25の条件(1)、(2)のいずれもが満たされないとき(S25でNO)、制御装置10は、(1)演算対象階fに割当乗車呼びを有するという条件と、(2)演算対象階fが呼び発生階Fであるとの条件との少なくとも一方の条件が満たされ、かつ、(3)かごi内の人数Pが満員人数(積載可能重量等から定まる乗車可能な人数)であるとの条件が満たされるか否かを判定する(S29)。なお、満員人数でなく、それよりも少ない所定人数としてもよい。
【0049】
ステップS27の条件が満たされるとき(S29でYES)、制御装置10は、演算対象階fで満員通過が発生すると判定する(S30)。
【0050】
このとき、制御装置10は、現在の演算対象のi号機を割当候補号機としないことを決定する(S31)。
【0051】
ステップS28の実行後、制御装置10は、算出されたかご内人数Pが満員人数より大きいか否かを判定する(S32)。
【0052】
算出されたかご内人数Pが満員人数より大きいとき(S32でYES)、制御装置10は、演算対象階fで積み残しが発生すると判定する(S33)。
【0053】
このとき、制御装置10は、現在の演算対象であるi号機を割当候補号機としないことを決定する(S31)。
【0054】
上記満員通過判定及び積み残し判定は、以下の考え方に基づいて行われる。
図9は、実施形態1に係る割当動作における満員通過判定の考え方を示す図である。
図9(a)に示すように、かごの満員人数を15人とする。また、1階において15階行きの14人の乗客に、また10階において15階行きの1人の乗客に複数台のうちのある号機が割り当てられているものとする。
【0055】
この状態において、1階で14階行きの1人の新規乗客が発生したものとする。この場合、1階の新規乗客に当該号機を割り当てると、
図9(b)に示すように、1階からの出発時に当該号機が15人で満員となり、先に割当を受けた乗客が待っている10階を満員通過せざるを得ない。
【0056】
一方、1階で9階行きの1人の新規乗客が発生したものとする。この場合、1階の新規乗客に当該号機を割り当てて、
図9(c)に示すように、1階からの出発時に当該号機が15人で満員となっても、当該新規の乗客は9階で降車して当該号機の乗員は14人になるので、先に割当を受けた乗客が待っている10階で停止することができる。
【0057】
図10は、実施形態1に係る割当動作における積み残し判定の考え方を示す図である。
図10(a)に示すように、かごの満員人数を15人とする。また、1階において15階行きの13人の乗客に、また10階において15階行きの2人の乗客に複数台のうちのある号機が割り当てられているものとする。
【0058】
この状態において、1階で14階行きの1人の新規乗客が発生したものとする。この場合、1階の新規乗客に当該号機を割り当てると、
図10(b)に示すように、1階からの出発時に当該号機の乗客が14人となり、10階では、先に割当を受けた2人の乗客のうち1人しか当該号機に乗車できず、残りの1人は待つ必要がある。
【0059】
一方、1階で9階行きの1人の新規乗客が発生したものとする。この場合、1階の新規乗客に当該号機を割り当てて、
図10(c)に示すように、1階からの出発時に当該号機の乗員が14人になっても、当該新規の乗客は9階で降車して当該号機の乗員は13人になるので、10階では、先に割当を受けた2人の乗客の両方が当該号機に乗車することができる。
【0060】
フローチャートに戻り、算出されたかご内人数Pが満員人数より大きくないとき(S32でYES)、制御装置10は、現在の行先階呼びが上方向行きの行先階呼びか下方向行きの行先階呼びかを判定する(S34)。
【0061】
現在の行先階呼びが上方向行きの行先階呼びのとき(S34でYES)、制御装置10は、演算対象階fとして1を加算した階数(f=f+1)を設定し(S35)、新たな演算対象階fが終了階f_endより大きいかを判定し(S36)、大きくないとき(S36でNO)、前記ステップS25以後を繰り返し実行する。つまり、i号機における、上方向行きの行先階呼びの干渉範囲の全ての演算対象階fに対する演算が終了するまで、前記ステップS25以後を繰り返し実行する。
【0062】
これに対し、現在の行先階呼びが下方向行きの行先階呼びのとき(S34でNO)、制御装置10は、演算対象階fとして1を減算した階数(f=f−1)を設定し(S37)、新たな演算対象階fが終了階f_endより小さいかを判定し(S38)、小さくないとき(S38でNO)、前記ステップS25以後を繰り返し実行する。つまり、i号機における、下方向行きの行先階呼びの干渉範囲の全ての演算対象階fに対する演算が終了するまで、前記ステップS25以後を繰り返し実行する。
【0063】
制御装置10は、干渉範囲の全ての演算対象階fに対する演算が終了すると、i号機を割当候補号機として設定する(S39)。なお、本ステップS39でi号機を割当候補号機として設定するのは、ステップS30で満員通過判定がなされず、かつステップS34で積み残し判定がなされなかったときである。
【0064】
制御装置10は、全かごについて割当の計算が完了したか否かを判定する(S40)。全かごの計算が完了していないとき(S40でNO)、制御装置10は、演算対象号機番号に1を加算し(i=i+1)、新たな号機について前記ステップS21以後の演算処理を行う。
【0065】
全かごの計算が完了すると(S40でYES)、制御装置10は、割当候補号機に関する判断動作を終了する。
【0066】
次に、
図8のフローチャートの上記ステップS22における干渉範囲の決定方法について説明する。
図11は、実施形態1に係る割当動作における、新規呼びと既存呼びとの干渉範囲の決定の流れを示すフローチャートである。
【0067】
制御装置10は、行先階呼びが上方向の行先階呼びか、下方向の行先階呼びかを判定する(S50)。
【0068】
行先階呼びが上方向の行先階呼びのとき(S50でYES)、制御装置10は、かごiが上方向に走行中か否かを判定する(S51)。かごiが上方向に走行中のとき(S51でYES)、制御装置10は、かごiが呼び発生階Fよりも下の階にいるか否かを判定する(S52)。かごiが現在、呼び発生階Fよりも下の階にいるときは(S52でYES)、制御装置10は、呼び発生階Fから行先階Dまでを干渉範囲と決定する(S53)。また、かごiが上方向に走行中でないとき(S51でNO)も、制御装置10は、呼び発生階F階から行先階Dまでを干渉範囲と決定する(S53)。かごiが現在、呼び発生階F階よりも下の階にいないときは(S52でNO)、制御装置10は、呼び発生階Fから(現在のかご位置−1)階までを干渉範囲と決定する(S54)。
【0069】
これに対し、行先階呼びが上方向の行先階呼びでないとき(S50でNO)、つまり、行先階呼びが下方向の行先階呼びのとき、制御装置10は、かごiが下方向に走行中か否かを判定する(S61)。かごiが下方向に走行中のとき(S61でYES)、制御装置10は、かごiが現在、呼び発生階Fよりも上の階にいるか否かを判定する(S62)。かごiが呼び発生階Fよりも上の階にいるときは(S62でYES)、制御装置10は、呼び発生階Fから行先階Dまでを干渉範囲と決定する(S63)。また、かごiが下方向に走行中でないとき(S61でNO)も、制御装置10は、呼び発生階Fから行先階Dまでを干渉範囲と決定する(S63)。かごが現在、呼び発生階Fよりも上の階にいないときは(S62でNO)、制御装置10は、呼び発生階Fから(現在のかご位置+1)階までを干渉範囲と決定する(S64)。
【0070】
本実施形態の群管理システムによる割当動作による効果を説明する。
(満員通過に対する効果)
図12は、満員通過に対する、実施形態1に係る割当動作による効果を説明するための図である。
図12(a)に示すように、かごの満員人数を15人とする。また、1階において15階行きの14人の乗客に、また10階において15階行きの1人の乗客に複数台のうちのある号機が割り当てられているものとする。そして、この状態において、1階で14階行きの1人の新規乗客が発生したが、全ての号機において割当条件を満足することができないものとする。
【0071】
この場合、従来においては、10階の1人の乗客に当該号機を割り当てているにもかかわらず、1階の新規乗客に当該号機を割り当てていた。そのため、
図12(b)に示すように、1階からの出発時に当該号機が満員となり、
図12(c)に示すように、先に割当を受けた乗客が待っている10階を満員通過せざるを得なかった。
【0072】
しかし、本実施形態では、1階の新規乗客に対して割当を保留する。そのため、
図12(d)に示すように、当該号機は1階を14人で出発する。つまり、当該号機は満員に対して1人余裕がある状態で出発する。そのため、当該号機は10階で停止可能であり、
図12(e)に示すように、1階の新規乗客よりも先に割当を受けた10階の乗客が当該号機に乗車することができる。つまり、先に割当を受けた乗客が待っている10階を満員通過する必要がなくなる。
【0073】
(積み残しに対する効果)
図13は、積み残しに対する、実施形態1に係る割当動作による効果を説明するための図である。
図13(a)に示すように、かごの満員人数を15人とする。また、1階で15階行きの13人の乗客に、また10階で15階行きの2人の乗客に複数台のうちのある号機が割り当てられているものとする。そして、この状態において、1階で14階行きの2人の新規乗客が発生したが、全ての号機において割当条件を満足することができないものとする。
【0074】
この場合、従来においては、10階の2人の乗客に当該号機を割り当てているにもかかわらず、1階の2人の新規乗客に当該号機を割り当てていた。そのため、
図13(b)に示すように、当該号機は1階を14人で出発することとなり、
図13(c)に示すように、先に割当を受けた2人の乗客のうち1人は当該号機に乗車できるが、もう1人は乗車できない事態が生じていた。
【0075】
しかし、本実施形態では、1階の1人の新規乗客に対して割当を保留する。そのため、
図13(d)に示すように、当該号機は1階を13人で出発する。つまり、当該号機は満員に対して2人余裕がある状態で出発する。そのため、当該号機は10階で停止可能であり、
図13(e)に示すように、1階の新規乗客よりも先に割当を受けた10階の2人の乗客が当該号機に乗車することができる。
【0076】
3.まとめ
本実施形態のエレベータの群管理システムは、
利用者が行先階を登録するための行先階登録装置20と、行先階登録装置20で登録された行先階に基づいて複数台のエレベータ30ののうちのいずれかを割り当てる制御装置10とを備えた、エレベータの群管理システムである。行先階登録装置20は、利用者により行先階が入力され、入力された行先階に関する信号を出力する操作部25と、制御装置10との間で信号を送受信するための入出力インタフェース23と、利用者に号機割当に関する情報を報知する報知部(表示部24)と、制御部21と、を備える。
制御部21は、操作部25から行先階に関する信号が入力されたときに、入出力インタフェース23を介して制御装置10に、行先階に関する信号を送信し、制御装置10から号機の割当に関する信号を受信したときに、当該信号が示す情報を報知部(表示部24)において報知させる。
制御装置10は、行先階登録装置20から送信されてきた行先階呼びの情報に基づいて、新規の行先階呼びに対して複数の号機のうちのいずれかを割当可能か否かを判断し、新規の行先階呼びに対して号機の割当が可能であると判断したときは、行先階登録装置20に、割り当てる号機を示す情報を報知部において報知させる割当信号を送信し、新規の行先階呼びに対していずれの号機も割り当てられないと判断したときは、行先階登録装置20に、号機の割当を保留することを示す情報を報知部において報知させる保留信号を送信する。
【0077】
これにより、利用者は、即座にはエレベータが割当てられないが新たに行先階を登録しなくても号機が割り当てられることを認識することができる。したがって、登録された行先階に基づいて複数台のエレベータのうちのいずれかを割当可能なエレベータの群管理システムにおいて、いずれの号機も割り当てられないときの利用者の利便性を改善することができる。
【0078】
本実施形態のエレベータの群管理システムにおいて、制御装置10は、新規の行先階呼びに対していずれの号機も割り当てられないと判断した場合において、行先階登録装置20に保留信号を送信した後、所定時間間隔で、新規の行先階呼びに対して複数の号機のうちのいずれかを割り当て可能か否かを判断し、新規の行先階呼びに対して号機の割当が可能となったと判断したときに、行先階登録装置20に割当信号を送信する。
【0079】
これにより、利用者が再度登録操作を行うことなく、既登録の行先階呼びに基づいて号機が割り当てられることとなる。したがって、利用者の利便性が改善されることとなる。
【0080】
本実施形態のエレベータの群管理システムにおいて、制御装置10は、新規に発生した行先階呼びに対して号機の割当を行ったと仮定した場合に、割当済みの行先階呼びに対して満員通過及び/または積み残しが発生するときは、新規の行先階呼びに対していずれの号機も割り当てられないと判断する。
【0081】
これにより、割当済みの行先階呼びに対して満員通過及び/または積み残しが発生するのが防止される。
【0082】
本実施形態のエレベータの群管理システムにおいて、報知部は、号機割当に関する情報を表示する表示部24である。
【0083】
これにより、利用者は、視覚的に号機割当に関する情報を把握することができる。
【0084】
なお、本実施形態のエレベータの群管理システムにおいて、報知部は、号機割当に関する情報を音声で報知する音声出力部であってもよい。
【0085】
これにより、利用者は、聴覚的に号機割当に関する情報を把握することができる。
【0086】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係るエレベータの群管理システムについて説明する。
【0087】
図14は、実施形態2に係るエレベータの群管理システムにおけるエレベータ30及び行先階登録装置20の配置例を示す図である。本実施形態では、6台のエレベータ30が設けられているとともに、4台の行先階登録装置20がロビー階のエレベータホールの壁面に配置されている。
【0088】
本実施形態では、行先階登録装置20は、タッチパネル式表示装置を備え、表示部24だけでなく操作部25もタッチパネル式表示装置により構成されている。制御装置10は、通常時、全ての行先階登録装置20に対して、第1の表示モードで画面を表示させる。一方、非通常時、例えばエレベータホールから人があふれ、行列ができるほどの所定の混雑状況であるとき、制御装置10は、4台の行先階登録装置20のうち例えばXで示す1台の行先階登録装置20に第2の表示モードで画面を表示させる。つまり、制御装置10は、Xで示す所定の行先階登録装置20の画面の表示モードを第1の表示モードから第2の表示モードに切り替える。エレベータホールが混雑していることの判断は、例えば、現在の行先階呼びの発生頻度等に基づいて推定することができる。また、時間帯や、カメラ等で撮像された画像に基づいて判断可能である。
【0089】
図15は、実施形態2に係る行先階登録装置20の表示部24への第1の表示モード時の表示例を示す図である。
【0090】
制御装置10は、割当を即座に行えないときは、行先階登録装置20の表示部24に、例えば
図15(a)に示すような「右隣の登録装置前でお待ちください」というメッセーを表示させる。そして、メッセージを表示させてから所定時間後(例えば2秒後)、制御装置10は、例えば
図15(b)に示すように待番号を表示させる。これにより、利用者は、割当までしばらく待つ必要があることを認識することができる。
【0091】
図16は、実施形態2に係る行先階登録装置20の表示モードを第2の表示モード(行先階案内表示モード)に切り替えた状態での表示部24への表示例を示す図である。
【0092】
制御装置10は、行先階登録装置20に前述の
図15(b)に示すような待番号の表示を行わせると、表示モードを切り替えた行先階登録装置20の表示部24に、
図16(a)に示すように、行先階案内リストにおいて、当該待番号に行先階を対応付けて表示を行う。なお、この行先階案内リストには、他の待番号及び当該待番号に対応する行先階も表示される。制御装置10は、待番号を発行している行先階呼びに対する号機の割当が可能となると、
図16(b)に示すように、割り当てる号機名を表示する。この例では、待番号1の行先階呼びに対してA号機を割り当てたことを示している。そして、
図16(b)に示す画面の表示後、例えば所定時間経過すると、
図16(c)に示すように、割当の完了した待番号1の行先階呼びに関する表示を削除する。なお、所定時間経過後でなく、例えば当該号機がロビー階を出発したときに、割当の完了した行先階呼びに関する表示を削除してもよい。
【0093】
以上説明したように、本実施形態のエレベータの群管理システムにおいては、
行先階登録装置20はロビー階に複数台備えられ、
制御装置10は、
ロビー階が所定の混雑度にないと判断されるとき、複数台の行先階登録装置20の全てを、利用者による行先階の入力が可能な第1モードで動作させ、
ロビー階が所定の混雑度にあると判断されるとき、複数台の行先階登録装置20のうちの所定の行先階登録装置20を、利用者により入力された行先階呼びに対する割当状態を表示部24に表示させる第2モードで動作させる。
【0094】
これにより、行先階呼びに対する割当が即座にできないようなときに、所定の行先階登録装置20以外の行先階登録装置20を、当該即座に割当不能な利用者から解放することができる。したがって、行先階登録装置20を、行先階を登録しようとする後続の利用者に迅速に受け渡すことができる。そのため、行先階を登録しようとする利用者によりロビー階が混雑するのが抑制される。
【0095】
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係るエレベータの群管理システムについて説明する。
【0096】
図17は、実施形態3に係るエレベータの群管理システムにおけるエレベータ30、行先階登録装置20、及び割当号機案内表示装置40の配置例を示す図である。本実施形態では、6台のエレベータ30が設けられているとともに、4台の行先階登録装置20がロビー階のエレベータホールの壁面に配置されている。また、本実施形態では、実施形態2に係るエレベータの群管理システムにおいて、エレベータホールには、割当号機案内表示装置40が設けられている。
【0097】
本実施形態における行先階登録装置20は、実施形態1と同じ行先階登録装置20を利用している。なお、実施形態2同様、行先階登録装置20を、タッチパネル式表示装置で構成してもよい。この場合、行先階登録装置20は、実施形態2における第1の表示モードと同様の画面を表示する。
【0098】
割当号機案内表示装置40は、
図18に示す画面を表示する。
図18は、実施形態3に係る割当号機案内表示装置40の表示部24への表示例を示す図である。
【0099】
制御装置10は、行先階登録装置20に前述の
図15(b)に示すような待番号の表示を行わせると、割当号機案内表示装置40に、
図18(a)に示すように、案内リストにおいて、当該待番号に割当号機を対応付けて表示を行う。なお、この案内リストには、他の待番号及び当該待番号に対応する割当号機も表示される。
【0100】
制御装置10は、待番号を発行している行先階呼びに対して号機の割当が可能である場合、
図18(a)に示すように、割当号機案内表示装置40に、案内リストにおいて、待番号及び当該待番号に対応する割当号機を表示させる。これに対し、待番号を発行している行先階呼びに対して号機の割当が不可能である場合、制御装置10は、
図18(b)に示すように、割当号機案内表示装置40に、案内リストにおいて、待番号及び「お待ちください」とのメッセージを表示させる。
【0101】
なお、
図18(c)は、複数の待番号が発行された場合を示す。この例では、案内リストには、他の待番号及び当該待番号に対応する割当号機も表示されている。制御装置10は、行先階呼びを効率的に処理しつつ、停止階ができるだけ少なくなるように、各号機の割当を行う。そのため、本図に示すように、先に登録された待番号2の行先階呼びよりも、後で登録された待番号3の行先階呼びに対して号機が割り当てられることもある。
【0102】
本実施形態のエレベータの群管理システムは、
利用者が行先階を登録するための行先階登録装置20と、行先階登録装置20で登録された行先階に基づいて複数台のエレベータ30のうちのいずれかを割り当てる制御装置10とを備えた、エレベータの群管理システムである。
エレベータの群管理システムは、行先階呼びに対する割当状態を表示する割当状態表示装置をさらに備える。
割当状態表示装置40及び行先階登録装置20はロビー階に備えられる。
行先階登録装置20は、利用者により行先階が入力され、入力された行先階に関する信号を出力する操作部25と、制御装置10との間で信号を送受信するための入出力インタフェース23と、制御部21と、を備える。
制御部21は、操作部25から行先階に関する信号が入力されたときに、入出力インタフェース23を介して制御装置10に、行先階に関する信号を送信する。
割当状態表示装置40は、制御装置10から号機の割当に関する信号を受信したときに、当該信号が示す情報を表示させ、制御装置10から号機の割当に関する信号を受信したときに、当該情信号が示す情報を表示する。
制御装置10は、行先階登録装置20から送信されてきた行先階呼びの情報に基づいて、新規の行先階呼びに対して複数の号機のうちのいずれかを割り当て可能か否かを判断し、新規の行先階呼びに対して号機の割当が可能であると判断したときは、割当状態表示装置40に、待番号及び割り当てる号機を示す割当信号を送信し、新規の行先階呼びに対していずれの号機も割り当てられないと判断したときは、割当状態表示装置40に、待番号及び号機の割当を保留することを示す保留信号を送信する。
【0103】
これにより、行先階呼びに対する割当が即座にできないようなときに、所定の行先階登録装置20以外の行先階登録装置20を、当該即座に割当不能な利用者から解放することができる。したがって、行先階登録装置20を、行先階を登録しようとする後続の利用者に迅速に受け渡すことができる。そのため、行先階を登録しようとする利用者によりロビー階が混雑するのが抑制される。また、利用者は、行先階登録装置20で行先階の登録後、即時割当の可否にかかわらず、迷うことなく、割当状態表示装置40の前に行けばよい。そのため、この点においても利用者の利便性が改善される。
【0104】
本実施形態のエレベータの群管理システムにおいて、制御装置10は、新規の行先階呼びに対していずれの号機も割り当てられないと判断した場合において、割当状態表示装置40に保留信号を送信した後、所定時間間隔で、新規の行先階呼びに対して複数の号機のうちのいずれかを割り当て可能か否かを判断し、新規の行先階呼びに対して号機の割当が可能となったと判断したときに、割当状態表示装置40に割当信号を送信する。
【0105】
これにより、利用者が再度登録操作を行うことなく、既登録の行先階呼びに基づいて号機が割り当てられることとなる。したがって、利用者の利便性が改善されることとなる。