(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記表示システムを前記第1のモードで動作させる時、前記車両状態を示す情報を出力するよう前記ディスプレイ装置を制御するようにプログラムされることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の表示システム。
前記コントローラは、前記表示システムを前記第1のモードで動作させる時、前記車両状態を示す情報を出力しないよう前記ディスプレイ装置を制御するようにプログラムされることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本書において、例えば、運転環境により集中できるようにするか、車両(自動車)とのさらなる感情的つながりを得るかを選択的に提供する、車両乗員室の照明を制御するためのシステムおよび方法の実施形態を示す。
【0010】
車両内部の前部乗員室10の例を
図1に示す。前部乗員室10は、前部運転席12と前部乗員席14とを含む。ダッシュ16は車両座席12および14の前で車両を横切って延び、前部乗員室10の前部境界としての役割を果たす。ステアリングホイール18は、前部運転席12に対向するダッシュ16から全体として後ろに向かって延びる。ダッシュ16は、前部運転席12に対向し、全体としてステアリングホイール18の上前部に位置する計器パネル20を含む。中央スタック22はダッシュ16から下に延びる。中央スタック22は、車両座席12および14に向かい、全体として前部運転席12と前部乗員席14との間の位置に横に配設される。ルーフ24は車両の長手方向に水平に延び、前部乗員室10の上部境界としての役割を果たす。ルーフ取り付けコンソール26は、車両座席12および14の上でルーフ24に設けられ、全体として前部運転席12と前部乗員席14との間の位置に横に配設される。
【0011】
前部乗員室10は、車両の運転者、又はその他のユーザに1つ以上の車両状態を提示するための特徴を含む。例えば、
図1に示すように、計器パネル20は各種車両状態を示す多数の表示(indicia)を含む。図示の計器パネル20において、かかる表示は運転者その他のユーザが視認可能であって1つ以上の計器(gauge)30および1つ以上のインジケータ32を含むことができる。
【0012】
計器30は計器パネル20に収容され、車両状態を示すよう構成することができる。これら車両状態には、非限定的例として、車両の動力としてのエンジン回転速度、車両の移動速度、燃料タンクの給油状態、エンジンクーラントの温度等を含むことができる。これらは非限定的例として提示されるが、他にも多くの車両状態を計器30によって提示してよいことが理解される。図示の例では、計器30は機械的に作動するアナログ型計器として示される。ただし、本書で用いる「計器(gauge)」という用語は、例えば、かかる計器をLED、有機EL等の表示素子等で模したもの(以下模写という)、デジタルディスプレイあるいは車両状態を車両の運転者その他のユーザに提示するためのその他の方法を含むことができる。
【0013】
インジケータ32は計器パネル20の計器30上またはその周囲に位置し、車両状態を示すよう同様に構成される。インジケータ32は、車両状態が所定の望ましい値または値範囲から逸脱する時に作動する車両警告条件インジケータを含むことができる。例えば、車両警告条件インジケータは、エンジンが正常なオイル圧を失ったこと、タイヤ圧が低いこと、シートベルトが締まっていないこと、または、燃料タンクの給油状態が低いことを車両の運転者その他のユーザに警告するよう構成することができる。これらは非限定的例として示すが、インジケータ32によって他の車両警告条件を提示できることが理解される。
【0014】
図示の例では、インジケータ32は背面照明インジケータとして示す。しかしながら、インジケータは、車両状態を車両の運転者その他のユーザに提示するため、例えばこのようなインジケータを模したもの(模写)、デジタルディスプレイその他方法も含むことができる。
【0015】
前部乗員室10はさらに、車両と車両の運転者その他のユーザとの間の、1つ以上の車両状態に関する相互作用を許可するための特徴を含む。例えば、
図1に示すように、ステアリングホイール18と中央スタック22はそれぞれ多数のユーザ制御装置40を含む。ユーザ制御装置40は、車両のそれぞれの動作条件に有効に関連づけられ、車両の運転者その他のユーザがかかる車両状態を操作して制御または調整できるようにすることができる。このような、ユーザ制御装置40に有効に関連づけられた車両状態の理解を容易にするため、以降、車両動作パラメータと称する。車両動作パラメータは、例えば、オーディオ、メディア、ナビゲーションおよび環境制御システムおよび各種運転者支援または補助車両システムに関連づけることができる。
【0016】
ユーザ制御装置40は「ハードウェア」制御装置または「ソフトウェア」制御装置、あるいはこの2つの組み合わせとすることができる。例えば、ユーザ制御装置40は、ボタン、スイッチ、ノブ、タッチ感知制御装置等の各種ハードウェア制御装置であるか、これを含むことができる。ユーザ制御装置40のうち1つ以上はソフトウェア制御装置でもよく、すなわち、中央スタック22に収容される情報およびエンターテインメントシステムの電子ディスプレイ42(タッチスクリーン等)のようなグラフィカルユーザインタフェースを介してアクセス可能なものでよい。
【0017】
前部乗員室10は、1つ以上の車両動作パラメータの状態を表すよう適合することができる。例えば、車両動作パラメータの状態を、ある基準に関してそれぞれのハードウェアユーザ制御装置40の物理的位置によって提示することができる。1つ以上の車両動作パラメータの状態は、中央スタック22に収容される補助電子ディスプレイ44によって表すこともできる。インジケータ32も、例えばクルーズコントロールがかかっていること、ハイビームインジケータライトが起動していること、または方向指示器が起動していることを車両の運転者その他のユーザに警告するよう構成されるインジケータ等の車両動作パラメータ状態インジケータを含むことができる。これらは非限定的例として示し、他の車両動作パラメータの状態をインジケータ32で表すことができることが理解されよう。
【0018】
前部乗員室10はさらに、前部乗員室10の周囲照明を設けるための特徴を含むことができる。例えば、
図1に示すように、ルーフ取り付けコンソール26は、ルーフ24から下を向いて前部乗員室10を照明する周囲光源(周囲照明部)50を収容する。周囲光源50の構成および設置は非限定的例として表す。周囲光源50は単一照明要素または複数照明要素であるかこれを含み、その1つ以上をルーフ24に隣接する以外のいずれかに位置決めして前部乗員室10を照明することが理解されよう。例えば、周囲光源はダッシュ16、中央スタック22、中央コンソール、車両ピラー、車両ドア、ドアシル、運転席12、乗客席14、ルーフ24、車両の床のうちの1つまたはその一部の組み合わせに沿って位置決めすることができる。
【0019】
周囲光源50に加えて、前部乗員室10は、上記計器30、インジケータ32、ユーザ制御装置40を含む他の照明可能部品を収容する。計器30、インジケータ32、ユーザ制御装置40のそれぞれは1つ以上のそれぞれの光源(表示照明部)と光学的に連結される。図示の例では、計器30は
図2に示すように計器光源(計器照明部)60により背面照明することができ、例示のユーザ制御装置40は
図3に示すようにユーザ制御装置光源(ユーザ制御装置照明部)70により背面照明することができる。さらに、
図3に示し、上述したように、図示のインジケータ32は同様にインジケータ光源(インジケータ照明部)62により背面照明することができる。図示のインジケータ32については、特定の車両状態を表すため、計器パネル20の計器30中またはその周囲に形成したマスクに関して、インジケータ光源62の出力は隔離して向けることができる。
【0020】
光源60と、62と、70は非限定的例として表す。計器光源60の構成は、車両の運転者その他のユーザに、ある車両状態を提示するために選択した方法に従って可変とすることができる。例えば、計器光源60は前部照明計器30の前に位置づけられるか、全体として計器30の模写(gauge facsimile)または電子ディスプレイ計器30と一体化することができる。同様に、インジケータ光源62は前部照明インジケータ32の前に位置づけられるか、全体としてインジケータ32の模写(indicator facsimile)または電子ディスプレイインジケータ32に一体化することができる。ユーザ制御装置光源70の構成は同様に、車両の運転者その他のユーザがある車両動作パラメータを制御または調整できるように選択した方法に従って可変とすることができる。例えば、ユーザ制御装置光源70は前部照明ユーザ制御装置40の前に位置決めするか、全体としてタッチ感知型ユーザ制御装置40に一体化するか、またはソフトユーザ制御装置40とすることができる。
【0021】
上述の部品に加えて、前部乗員室10は、
図4に示すように、複数の計器30に隣接する計器パネル20によって収容された適合可能ディスプレイ80を含む。複数の計器30のそれぞれは、車両状態を提示するよう構成される。上述のように、計器30は、車両移動中の速度を示す速度計計器30a、燃料タンクの給油状態を示す燃料計器30b、車両動力のエンジンの回転速度を示すタコメータ計器30c、エンジンクーラントの温度を示す温度計器30dを含むことができる。再び、これらは非限定的例であり、図示および上述に加えて、またはこれに代えて他にも多くの車両状態を計器30によって提示することができることが理解されよう。
【0022】
図示のディスプレイ装置80は、車両の運転者に情報を表示するよう全体として適合可能な電子ディスプレイとすることができる。この情報は、車両自体に関連する情報その他運転者に関連するあらゆる情報とすることができる。例えば、このディスプレイは、天候、各種車両設定、オーディオおよび/またはメディア情報、ナビゲーション機能に関連する情報を表示することができる。
【0023】
ディスプレイ80はまた、計器30および/またはインジケータ32によって提示される1つ以上の車両状態を表示するよう適合可能である。さらに、ディスプレイ80は、ユーザ制御装置40によって制御される1つ以上の車両動作パラメータの状態を表示するよう適合可能である。ディスプレイ80は、それぞれの計器30、インジケータ32、ユーザ制御装置40、電子ディスプレイ42または補助電子ディスプレイ44と同一または異なる方法で車両状態や車両動作パラメータの状態を表示することができることが理解されよう。
【0024】
ディスプレイ80は単体ディスプレイ80として示されるが、ディスプレイ80は例えば複数の離散ディスプレイに具現化することができる。さらに、計器パネル20内の計器30とインジケータ32に対するディスプレイ80の物理的レイアウトは、車両状態を車両の運転者その他のユーザに提示するために選択した方法に従って可変とすることができる。例えば、計器30とインジケータ32もまた計器パネル20中で電子的に表示すると、ディスプレイ80は1つ以上の計器30およびインジケータ32を含むより大きな電子ディスプレイのサブセットとすることができる。さらに、ディスプレイ80は複数の計器30に隣接する計器パネル20に収容して示されるが、ディスプレイ80が車両の運転者が見ることができ、読み取ることができる限り、前部乗員室10内の他の位置とすることができる。1つの非限定的例として、ディスプレイ80は1つ以上のいわゆるヘッドアップディスプレイに具現化することができる。
【0025】
ディスプレイ80の例示的構成を
図5(a)〜(d)に示す。本開示は、車両状態および/または車両動作パラメータの状態に関する一定の情報を、車両の運転中に車両の運転者に提示することが望ましい。提示する情報は、例えば、法的その他規制的要件、一般的な消費者の要求、特定の運転者の好みまたはその組み合わせに従って選択することができる。
【0026】
ディスプレイ80は、ディスプレイ80を
図5(a)に例示されるホームスクリーン80aに従って制御する時、ディスプレイ80によって少なくともこの情報が提示されるよう適合可能である。非限定的図示例として、車両の運転中に提示すべき情報は、車両移動速度、燃料タンクの給油状態、アクティブである場合、クルーズコントロールシステムの状態に関する情報およびナビゲーション機能に関する情報を含むよう決定してよい。図示のホームスクリーン80aは、車両運転中に車両の運転者に提示することが望ましい情報を表示するスクリーンの単なる代表であることが理解されよう。従って、他に提示する情報にかかわらず、この情報を表示するあらゆるスクリーン構成を本書において称するように「ホームスクリーン」と名付ける。
【0027】
この例および上記説明から、ホームスクリーン80aの情報が、1つ以上の計器30、インジケータ32またはユーザ制御装置40によって、情報およびエンターテインメントシステムの電子ディスプレイ42によって、または補助電子ディスプレイ44によって前部乗員室10で提示されたであろう情報と完全あるいは部分的に重なる可能性があることがわかる。
【0028】
これら部品が他の方法で動作可能であっても、ディスプレイ80はまだ任意にホームスクリーン80aに従って選択的に動作制御可能である。しかしながら、ホームスクリーン80aの情報が前部乗員室10で他に提示される情報と重なる範囲において、ディスプレイ80は他の基準や好みに従って制御することができる。
図5に示すように、ディスプレイ80の他の非限定的可能性には、ディスプレイ80が車両の性能計量に関連する情報を表示するよう適合される性能スクリーン80b、ディスプレイ80がナビゲーション機能に関連する情報を表示するよう適合されるナビゲーションスクリーン80c、ディスプレイ80がオーディオおよび/またはメディア情報に関連する情報を表示するよう適合されるメディアスクリーン80dが含まれる。それぞれのスクリーン80bから80dが提示する情報は互いに排他的である必要はなく、スクリーン80aから80dのそれぞれは、任意にホームスクリーン80a情報の一部を提示してもしなくてもよく、まったく提示しないかすべてを提示してもよいことが理解されよう。
【0029】
図6に示すように、前部乗員室10の上記部品は、前部乗員室10のディスプレイシステム100の一部として個々に、および集合的に制御することができる。
【0030】
ディスプレイシステム100を制御するロジックは、コントローラ102に具現化される。コントローラ102は全体として、各種車両状態を検出または推定するセンサ104から発する入力信号、各種車両動作パラメータの状態を検出または推定するセンサ106から発する信号、および車両外部の光レベルを検出または推定する外部光レベルセンサ108から発する信号を受信する。
【0031】
コントローラ102は、前部乗員室10の上記部品に直接または間接通信可能に連結することができる。図示のように、コントローラ102は全体として計器30の動作、それぞれの計器光源60の制御を介した計器30の照明、計器パネル20の車両条件インジケータ32およびディスプレイ80を制御するよう構成される。コントローラ102は同様に、それぞれのユーザ制御装置光源70、情報およびエンターテインメントシステムの電子ディスプレイ42、中央スタック22の補助電子ディスプレイ44の制御を介してユーザ制御装置40の照明を制御するよう構成される。コントローラ102はさらに、1つ以上の周囲光源50の制御を介して前部乗員室10の周囲照明を制御するよう構成される。
【0032】
コントローラ102は、各種入力および出力接続に加えて、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM),中央処理装置(CPU)を含む1つあるいは複数のマイクロコンピュータとすることができる。一般に、本書に述べる制御機能は、内部または外部メモリに記憶された1つ以上のソフトウェアプログラムによって実行することができ、CPUによる実行によって行われる。しかしながら、機能の一部またはすべてはハードウェア部品によって実行することもできる。
【0033】
ディスプレイシステム100は、車両の運転者その他のユーザに提示される前部乗員室10全体の情報の広がりを全体として縮小するため、選択ベースで動作可能である。この動作は、夜間や外部光レベルがその他の場合で低い時に特に有利となるが、ディスプレイシステム100のこのような動作はこれら状況に限定されない。
【0034】
図7に示すように、ディスプレイシステム100は全体として、ノーマルモード(第1のモード)とステルスモード(第2のモード)の内の一方で動作するよう構成される。ステップS200において、ディスプレイシステム100の論理が開始される。ステップS202において、ノーマルモードからステルスモードに変更するよう信号を受信したかを判断する。ノーマルモードからステルスモードに変更する信号を受信していない場合、ディスプレイシステム100はステップS204でノーマルモードに従って動作する。
【0035】
ノーマルモードでは、計器パネル20の1つ以上の計器30のそれぞれがステップS206で起動し、動作可能となってそれぞれの車両状態を示す。ステップS208において、計器光源60が起動し、計器パネル20の計器30を照明し、ユーザ制御装置光源70が起動し、中央スタック22のユーザ制御装置40を照明する。必要に応じて、インジケータ光源62もノーマルモードで起動し、現在の車両条件に従って計器パネル20のインジケータ32を選択的に照明する。さらに、情報およびエンターテインメントシステムの電子ディスプレイ42、補助電子ディスプレイ44その他中央スタック22の照明可能部品がステップS208でフルに照明されるよう制御可能である。
【0036】
本明細書に述べる各種照明可能部品の照明レベルは、例えば車両所定および/またはユーザの好みに従ってノーマルモードにおいて可変でよいことが理解されよう。すなわち、ノーマルモードの「フル」照明は、動作照明の最大量に対応する必要はない。むしろ、ノーマルモードのフル照明とは通常の車両動作中にこれら部品について選択される照明の量である。計器30が起動し、照明され、中央スタック22がフル照明されると、車両状態および/または車両動作パラメータの状態に関して利用可能なあらゆる情報を、ノーマルモードのディスプレイシステム100によって車両の運転者その他のユーザに提示することができる。
【0037】
ノーマルモードでは、ホームスクリーン80aの情報は他の場合にディスプレイシステム100によって提示される情報と完全あるいは部分的に重なる可能性がある。ステップS210では、ディスプレイ80はまだホームスクリーン80aまたはホームスクリーン80aの何らかの変形例に従って任意に制御することも可能である。しかしながら、ホームスクリーン80aの情報が前部乗員室10の他に提示される情報と重なる範囲において、ディスプレイ80は、例えば、他の所定の基準や運転者の好みまたはその両方に従って任意に制御することができ、または非動作とすることができる。
【0038】
最後に、ステップS212において、あらゆる周囲光源50を任意に起動し、前部乗員室10をフル周囲光レベルまで照明することができる。
【0039】
コントローラ102は、一定の間隔で、ノーマルモードまたはステルスモードのいずれが選択されているか判断することができる。最前の判断と現在の判断とが同一である場合、現在のモードを維持する。現在の判断が最前の判断と異なる場合、制御装置は現在のモードから切り換える制御を実施する。ステップS212の後、再び、ステップS202でノーマルモードからステルスモードに変更する信号を受信したか否か判断する。ノーマルモードからステルスモードへ変更する信号を受信していない場合、ディスプレイシステム100はステップS204でノーマルモードに従って動作を続ける。しかしながら、ノーマルモードからステルスモードへ変更する信号をステップS202で受信している場合、ステップS220でステルスモードを選択する。
【0040】
ステルスモードでは、計器パネル20の1つ以上の計器30はそれぞれステップS222で非起動とされ、非動作状態となりそれぞれの車両状態を示さなくなる。ステップS224において、計器光源60は非起動となり、計器パネル20の計器30の照明は停止する。
【0041】
ステップS226において、中央スタック22のユーザ制御装置40の照明が、ノーマルモードのユーザ制御装置40の照明に比べて低減される。本書で用いるように、「低減」という用語とその派生語は、照明の停止を含み、ノーマルモードに比べて照明が低減することを意味する。そのため、ユーザ制御装置光源70は、例えば暗くしたり、完全に非動作として、ユーザ制御装置40の照明を停止することができる。さらに、情報およびエンターテインメントシステムの電子ディスプレイ42、補助電子ディスプレイ44、中央スタック22のその他照明可能部品を同様にフル照明より小さいレベルに制御する。
【0042】
図示のアナログ型計器30では、ステップS224で照明を停止するのに加えて、ステップS222で計器30を非動作とすることが望ましい。これは、計器30が照明されていないのに動作可能である場合に、計器光源60が壊れていないかとの混乱をもたらさないためのものである。しかしながら、計器30を別個に非動作として照明を停止することが必要でない場合もあることが理解されよう。例えば、計器の模写30または電子的表示計器30を実装している場合、計器30を非動作とすることがそのまま計器30の照明の停止となる場合がある。
【0043】
非動作とされかつ照明されない計器30と、フル照明未満となるよう制御された中央スタック22の照明可能部品では、ディスプレイシステム100がノーマルモードで提示する車両状態および/または車両動作パラメータの状態に関する情報の多くが提示されなくなるか、フル照明でなく提示されることになる。従って、ステルスモードでは、ステップS228でディスプレイ80をホームスクリーン80aに従って制御して、全ての所望の情報が計器パネル20に提示されるようにする。上述のように、ホームスクリーン80aはホームスクリーン80aの情報を表示するスクリーンの単なる代表例である。ステルスモードのディスプレイ80の特定の構成は、ノーマルモードのホームスクリーン80aの構成と同じかまたは類似とすることができ、または、例えば、ディスプレイ80をステルスモードのホームスクリーン80aに従って構成することができる。
【0044】
ステップS230において、周囲光源50を例えば任意に暗くするか、前部乗員室10がフル照明未満になるよう完全に非動作とすることができる。
【0045】
ノーマルモードからステルスモードへの切り替えの効果は、車両の運転者その他のユーザに対するディスプレイシステム100の提示する情報が全体として整理統合されることであるとわかる。
図8に示すように、計器30のそれぞれを非動作として照明せずディスプレイ80をホームスクリーン80aに従って制御する。ステルスモードでは、計器パネル20のディスプレイ80が所望の情報をすべて提示することができ、その結果、前部乗員室10の運転環境により集中することができる。
【0046】
ステルスモードでディスプレイ80に提示される情報とノーマルモード中に前部乗員室10で他に提示される情報との間に完全あるいは部分的な重なりがある場合、ノーマルモードからステルスモードへの切り替えによって重なりを除くことができ、不要な情報の提示を選択的に減らすこともできる。一方、ステルスモードでディスプレイ80が提示する情報とノーマルモード中に前部乗員室10で他に提示される情報との間に重なりがない場合、ノーマルモードからステルスモードへの切り替えにより、不要の情報提示を減らすのに加えて、ディスプレイ80に所望の情報すべてを完全に整理統合することができる。
【0047】
ステップS230の後、ステップS232でステルスモードからノーマルモードへ変更する信号を受信したか否かを判断する。ステルスモードからノーマルモードへ変更する信号を受信していない場合、ディスプレイシステム100はステップS220でステルスモードに従って動作を続ける。しかしながら、ステップ232でステルスモードからノーマルモードへ変更する信号を受信している場合、ステップS202でノーマルモードが選択される。ステップS202でノーマルモードからステルスモードへ切り替えるか否かの判断を
図9に示す。
【0048】
ステップS250において、ノーマルモードからステルスモードへ切り替えるか否かの判断には、あらゆる数の基準を評価してよい。例えば、車両の運転者その他のユーザがノーマルモードからステルスモードへの切り替えを要求したか否かを判断することができる。このような要求は、例えばユーザ制御装置40の動作を介して達成することができる。この要求は場合によってはディスプレイシステム100によって無効にされることがある。上述のようにノーマルモードでは、ディスプレイ80はホームスクリーン80aに従って任意に制御することができる。非限定的例として、ノーマルモードからステルスモードへの切り替えは、ノーマルモードからステルスモードへの切り替え中にディスプレイ80の構成が全体的に変わらないよう、あるいは構成の変更が最小限になるよう、ディスプレイ100をノーマルモードでホームスクリーン80aに従って制御しない限り、実行してはならない。そのため、本実施例では、ノーマルモードからステルスモードへの切り替え後、計器30を非動作にして照明せず、中央スタック22の照明可能部品をフル照明未満に制御し、周囲光源50は任意で暗くし、ディスプレイ80はホームスクリーン80aに従って制御し続ける。
【0049】
低照明条件でステルスモードを利用した方が有利な場合、外部光レベルセンサ108の判断する外部光レベルが所定の閾値より下がったか否かをステップS250で判断することもできる。所定の閾値は、例えば、夜間条件を示す閾値である。
【0050】
これら基準は非限定的例として示すもので、ノーマルモードからステルスモードへ切り替えるか否かの判断で述べたものに代えてあるいは加えて用いることができることが理解されよう。ステップS250に述べた基準のいずれかを満足したら、ステップS252においてノーマルモードからステルスモードへ変更する信号を生成する。この信号は
図7のステップS202でコントローラ102が読み取り、ディスプレイシステム100がステルスモードに従って動作するよう制御される。
【0051】
ステップS232においてステルスモードからノーマルモードへ切り替えるか否かの判断を
図10に示す。ステップS270において、ステルスモードからノーマルモードへ切り替えるか否かを判断するため、あらゆる数の基準を評価してよい。例えば、車両の運転者その他のユーザがステルスモードからノーマルモードへの切り替えを要求したか否かを判断することができる。このような要求は、例えばユーザ制御装置40の動作を介して達成することができる。この要求は、例えばノーマルモードおよび/またはステルスモードの選択に動作可能に連結されたユーザ制御装置40の動作を介して直接行うことができるが、ユーザ制御装置40のいずれかの動作を介して全体として発生することを追加的に判断することができる。外部光レベルセンサ108によって判断される外部光レベルが所定の閾値より上がったか否かをステップS270で判断することもできる。この所定の閾値は、例えば昼間条件を示す閾値とすることができる。
【0052】
ステルスモードからノーマルモードへの切り替えも、車両の運転者その他のユーザがホームスクリーン80aの終了を開始する一定の局面で適切である。例えば、計器30のそれぞれをステルスモードで非動作にして照明していないため、ホームスクリーン80aの終了は、もはや所望または必要な情報が前部乗員室10に提示されなくなる状況を意味する。この場合、計器30のそれぞれを起動して照明し、中央スタック22をフル照明するノーマルモードへの切り替えが望ましい。ステルスモードからノーマルモードへの切り替えは、車両の運転者に警告条件を知らせるため、車両警告条件インジケータ32を動作させる場合にさらに適切となり得る。
【0053】
ステップS270に述べる基準は非限定的例として示すもので、ステルスモードからノーマルモードへ切り替えるか否かの判断で述べたものに代えてあるいは加えて他の基準を用いることができることが理解されよう。ステップS270に述べた基準のいずれかを満足したら、ステップS272においてステルスモードからノーマルモードへ変更する信号を生成する。この信号は
図7のステップS232でコントローラ102が読み取り、ディスプレイシステム100がノーマルモードに従って動作するよう制御される。
【0054】
ステルスモードからノーマルモードへの完全切替はステップS270で実施することができ、すなわち、ステップS250でノーマルモードからステルスモードへ切り替える判断をするまで、ノーマルモードを選択することができる。あるいは、一時的にノーマルモードを選択し、その後にディスプレイシステム100を再び制御してステルスモードに従って動作するようにする。例えば、警告条件インジケータ32が動作している間はノーマルモードを選択し、特定の車両警告条件が停止し、車両警告条件インジケータ32が動作しなくなったらディスプレイシステム100を再びステルスモードに従って動作するよう制御することができる。さらなる例として、車両の運転者その他のユーザがユーザ制御装置40の操作を介してステルスモードからノーマルモードへの切り替えを要求したと判断された場合、ディスプレイシステム100を一定期間後に再びステルスモードに従って動作するよう制御することができる。
【0055】
本発明によれば、車両状態に関する表示がユーザに対して表示すべきもののみに限定されるため、ユーザは煩わしさが低減し運転環境に集中することができる。
【0056】
また、車両運転者又はその他のユーザの意図に合わせて表示が切り替わるので、車両の運転者又はユーザと車両との間に共鳴感、一体感などの感情的なつながりが生じる。
【0057】
本発明を、現在最も実用的で好ましいと考えられる実施例に関連して説明したが、本発明は開示された実施例に限定されるものではなく、添付の請求項の精神と範囲に含まれる各種修正や同等の配置をカバーし、その範囲は最も広い解釈に一致し、法の下に許される修正および同等の構造をすべて含むものであることが理解される。