(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記露出させる工程の後であって前記第2導電膜を形成する工程の前に、前記第1導電膜をスパッタエッチングして、前記第1導電膜の粒子を飛散させて、前記コンタクトホール内に前記第1導電膜の粒子を堆積する工程を備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。以下の実施例1から実施例6の構成は例示であり、実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置は実施例1から実施例6の構成に限定されない。
【0012】
〈実施例1〉
実施例1に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図1〜
図20は、実施例1に係る半導体装置の製造方法を示す工程図及び断面図である。実施例1では、プレーナ型の強誘電体キャパシタを有するFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)を例として説明する。FeRAMは、半導体装置の一例である。
【0013】
まず、
図1に示す工程図について説明する。半導体基板1には、素子領域を画定する素子分離絶縁膜(素子分離領域)2が形成されている。半導体基板1は、例えば、シリコン
(Si)基板である。半導体基板1は、基板の一例である。例えば、LOCOS(Local Oxidation Silicon)法又はSTI(Shallow Trench Isolation)法により、半導体基板
1に素子分離絶縁膜2を形成する。半導体基板1内には、pウェル3が形成されている。半導体基板1におけるn型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ形成領域
4にホウ素(B)等のp型不純物をイオン注入することにより、半導体基板1内にpウェル3を形成する。
図1では図示していないが、半導体基板1内には、nウェルが形成されている。半導体基板1におけるp型MOSトランジスタ形成領域にリン(P)等のn型不純物をイオン注入することにより、半導体基板1内にnウェルを形成する。
【0014】
半導体基板1におけるpウェル3及びnウェル上には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して、ゲート電極5が形成されている。例えば、半導体基板1の表面を熱酸化することにより、ゲート絶縁膜を形成する。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気
相成長)法により、半導体基板1上にポリシリコンを形成し、フォトリソグラフィ及び異方性ドライエッチングにより、ポリシリコンをパターニングすることにより、ゲート電極5を形成する。pウェル3内には、n型LDD(Lightly Doped Drain)領域6が形成さ
れている。ゲート電極5をマスクとして、pウェル3にリン等のn型不純物をイオン注入することにより、pウェル3内にn型LDD領域6を形成する。
図1では図示していないが、nウェル内には、p型LDD領域が形成されている。ゲート電極5をマスクとして、nウェルにホウ素等のp型不純物をイオン注入することにより、nウェル内にp型LDD領域を形成する。
【0015】
ゲート電極5の側壁部分にはサイドウォール絶縁膜7が形成されている。例えば、CVD法により、半導体基板1上にシリコン酸化膜(SiO
2)及びシリコン窒化膜(SiN
)等の絶縁膜を形成し、絶縁膜をエッチバックすることにより、サイドウォール絶縁膜7を形成する。pウェル3内には、n型ソース・ドレイン拡散領域8が形成されている。ゲート電極5及びサイドウォール絶縁膜7をマスクとして、pウェル3内にヒ素(As)等のn型不純物をイオン注入することにより、pウェル3内にn型ソース・ドレイン拡散領域8を形成する。
図1では図示していないが、nウェル内には、p型ソース・ドレイン拡散領域が形成されている。ゲート電極5及びサイドウォール絶縁膜7をマスクとして、nウェル内にホウ素等のp型不純物をイオン注入することにより、nウェル内にp型ソース・ドレイン拡散領域を形成する。
【0016】
このように、半導体基板1におけるn型MOSトランジスタ形成領域4には、ゲート絶縁膜、ゲート電極5、n型LDD領域6、サイドウォール絶縁膜7及びn型ソース・ドレイン拡散領域8を有するn型MOSトランジスタ9が形成されている。
図1では図示していないが、半導体基板1におけるp型MOSトランジスタ形成領域には、ゲート絶縁膜、ゲート電極5、p型LDD領域、サイドウォール絶縁膜7及びp型ソース・ドレイン拡散領域を有するp型MOSトランジスタが形成されている。なお、ゲート電極5、n型ソース・ドレイン拡散領域8及びp型ソース・ドレイン拡散領域の表面に、コバルトシリサイド及びチタンシリサイド等のシリサイド層を形成するようにしてもよい。
【0017】
次に、
図2に示す工程において、例えば、プラズマCVD法により、半導体基板1上にストッパ膜11を200nm程度形成する。ストッパ膜11は、例えば、SiON膜である。次いで、例えば、CVD法又はプラズマCVD法により、ストッパ膜11上に層間絶縁膜12を600nm程度形成する。層間絶縁膜12は、例えば、シリコン酸化膜の一例であるTEOS−NSG(Tetra Ethyl Ortho Silicate - Nondoped Silicate Glass)膜である。次に、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)法に
より、層間絶縁膜12を200nm程度研磨して、層間絶縁膜12の表面を平坦化する。
【0018】
次いで、
図3に示す工程において、フォトリソグラフィにより、層間絶縁膜12上にフ
ォトレジスト膜(図示せず)を形成する。次に、フォトレジスト膜をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことにより、層間絶縁膜12にn型MOSトランジスタ9及びp型トランジスタに達するコンタクトホールを形成する。次いで、例えば、アッシングにより、層間絶縁膜12上のフォトレジスト膜を除去する。次に、コンタクトホールの側壁を7nm程度、RFエッチングした後、例えば、CVD法により、層間絶縁膜12上にTi(チタン)膜を10nm程度、TiN(窒化チタン)膜を20nm程度形成する。これにより、コンタクトホール内にTi膜及びTiN膜が形成される。次いで、例えば、CVD法により、層間絶縁膜12上にW(タングステン)膜を形成する。これにより、コンタクトホール内にW膜が形成される。次に、例えば、CMP法により、層間絶縁膜12上のTi膜、TiN膜及びW膜を除去することにより、コンタクトホール内にコンタクトプラグ13を形成する。
【0019】
次に、
図4に示す工程において、例えば、CVD法又はプラズマCVD法により、層間絶縁膜12上にストッパ膜14を100nm程度形成する。ストッパ膜14は、例えば、SiON膜である。
【0020】
次いで、
図5に示す工程において、例えば、CVD法又はプラズマCVD法により、ストッパ膜14上に層間絶縁膜15を100nm程度形成する。層間絶縁膜15は、例えば、シリコン酸化膜の一例であるTEOS−NSG膜である。次に、層間絶縁膜15の脱水処理として、窒素雰囲気中において、650℃程度の温度で、熱処理を行う。次いで、例えば、PVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長)法により、層間絶縁膜15
上に水素バリア膜(水素拡散抑止膜)16を20nm程度形成する。水素バリア膜16は、絶縁膜であり、例えば、ALO膜(酸化アルミニウム膜、アルミナ膜)である。次に、例えば、半導体基板1をRTA(Rapid Thermal Annealing)装置内に載置し、酸素雰囲
気中において、650℃程度の温度で、熱処理を行う。
【0021】
次いで、
図6に示す工程において、例えば、PVD法により、水素バリア膜16上に下部電極膜17を150〜160nm程度形成する。下部電極膜17は、例えば、Pt(白金)膜である。次に、例えば、PVD法により、下部電極膜17上に強誘電体膜18を150〜200nm程度形成する。強誘電体膜18は、例えば、PZT(PbZr
XTi
1-XO
3:x<0.5)膜である。次いで、例えば、半導体基板1をRTA装置内に載置し、
Ar(アルゴン)及び酸素雰囲気中において、570℃程度の温度で、熱処理を行う。次に、例えば、PVD法により、強誘電体膜18上に上部電極膜19を50nm程度形成する。上部電極膜19は、例えば、IrOx(酸化イリジウム)膜である。次いで、例えば、半導体基板1をRTA装置内に載置し、Ar及び酸素雰囲気中において、710℃程度の温度で、熱処理を行う。次いで、例えば、PVD法により、上部電極膜19上に再度、200nm程度の上部電極膜19を形成する。なお、
図6では、上部電極膜19の2層膜を1層膜として表示している。
【0022】
次に、
図7に示す工程において、例えば、フォトリソグラフィ法により、上部電極膜19上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。次いで、上部電極膜19上のフォトレジスト膜をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことにより、上部電極膜19をパターニングする。これにより、強誘電体膜18上に上部電極部21が形成される。次に、例えば、アッシングにより、上部電極部21上のフォトレジスト膜を除去する。次いで、例えば、半導体基板1を縦型炉(加熱炉)内に載置し、酸素雰囲気中において、650℃程度の温度で、熱処理を行うことにより、強誘電体膜18の回復アニールを実施する。次に、例えば、フォトリソグラフィ法により、上部電極部21上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。上部電極膜19上のフォトレジスト膜をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことにより、強誘電体膜18をパターニングする。これにより、下部電極膜17上に強誘電体部22が形成される。次いで、例えば、アッシングにより、上部
電極部21上のフォトレジスト膜を除去する。
【0023】
次に、半導体基板1を縦型炉内に載置し、酸素雰囲気中において、350℃程度の温度で、熱処理を行うことにより、強誘電体膜18の回復アニールを実施する。次いで、強誘電体部22を保護するため、例えば、PVD法により、上部電極部21及び強誘電体部22を覆う水素バリア膜(図示せず)を下部電極膜17上に50nm程度形成する。上部電極部21及び強誘電体部22を覆う水素バリア膜は、絶縁膜であり、例えば、ALO膜である。次に、例えば、半導体基板1を縦型炉内に載置し、酸素雰囲気中において、550℃程度の温度で、熱処理を行う。
【0024】
次に、
図8に示す工程において、例えば、フォトリソグラフィ法により、上部電極部21及び下部電極膜17上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。次いで、上部電極部21及び下部電極膜17上のフォトレジスト膜をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことにより、下部電極膜17をパターニングすることにより、水素バリア膜16上に下部電極部23が形成される。これにより、上部電極部21、強誘電体部22及び下部電極部23を有する強誘電体キャパシタ24が、半導体基板1上方であって、水素バリア膜16上に形成される。下部電極部23上に強誘電体部22が形成され、強誘電体部22上に上部電極部21が形成されている。強誘電体キャパシタ24は、キャパシタの一例である。
【0025】
次いで、例えば、アッシングにより、上部電極部21及び下部電極膜17上のフォトレジスト膜を除去する。次に、例えば、半導体基板1を縦型炉内に載置し、酸素雰囲気中において、650℃程度の温度で、熱処理を行うことにより、強誘電体膜18の回復アニールを実施する。次いで、強誘電体キャパシタ24を保護するため、例えば、PVD法により、強誘電体キャパシタ24を覆う水素バリア膜(水素拡散抑止膜)25を、強誘電体キャパシタ24及び水素バリア膜16上に20nm程度形成する。水素バリア膜25は、絶縁膜であり、例えば、例えば、ALO膜である。
【0026】
次に、例えば、半導体基板1を縦型炉内に載置し、酸素雰囲気中において、550℃程度の温度で、熱処理を行う。次いで、例えば、CVD法又はプラズマCVD法により、強誘電体キャパシタ24及び水素バリア膜25を覆う層間絶縁膜26を、水素バリア膜25上に1500nm程度形成する。層間絶縁膜26は、例えば、シリコン酸化膜の一例であるTEOS−NSG膜である。また、埋め込み性の良いHDP(High Density Plasma)
CVD法により、層間絶縁膜26を形成してもよい。次に、例えば、CMP法により、層間絶縁膜26の表面を平坦化する。
【0027】
次いで、
図9に示す工程において、例えば、CVD法又はプラズマCVD法により、層間絶縁膜26上に層間絶縁膜27を100nm程度形成する。層間絶縁膜27は、例えば、シリコン酸化膜の一例であるTEOS−NSG膜である。次に、例えば、PVD法により、層間絶縁膜27上に水素バリア膜(水素拡散抑止膜)28を50nm程度形成する。水素バリア膜28は、絶縁膜であり、例えば、ALO膜である。次いで、例えば、CVD法により、水素バリア膜28上に層間絶縁膜29を100nm程度形成する。層間絶縁膜29は、例えば、シリコン酸化膜の一例であるTEOS−NSG膜である。
【0028】
次に、
図10に示す工程において、例えば、フォトリソグラフィ法により、層間絶縁膜29上にフォトレジスト膜31を形成する。
図10〜
図13では、強誘電体キャパシタ24の周辺を拡大して示している。次いで、
図11に示す工程において、フォトレジスト膜31をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことにより、層間絶縁膜26、27、29及び水素バリア膜25、28に、強誘電体キャパシタ24に達するコンタクトホール32を形成する。すなわち、層間絶縁膜26、27、29及び水素バリア膜25、28
に、強誘電体キャパシタ24の上部電極部21及び下部電極部23に達するコンタクトホール32を形成する。水素バリア膜25、28は、エッチングガスとの反応性が低いため、エッチングによって、エッチング生成物33が、フォトレジスト膜31の開口部の側壁及びコンタクトホール32の側壁に付着する。なお、エッチング生成物33は、上部電極上に水素バリア膜が存在すれば生成され得る。そのため、キャパシタ24上に成膜される層間絶縁膜や水素バリア膜は、
図10の構成に限定されない。
【0029】
次に、
図12に示す工程において、例えば、アッシングにより、フォトレジスト膜31を除去し、硝酸処理等の薬液処理を行う。エッチング生成物33は、アッシングや薬液処理では除去されないため、エッチング生成物33がコンタクトホール32から突き出た状態になる。また、コンタクトホール32から突き出たエッチング生成物33が倒れて、エッチング生成物33が花びら状になる場合がある。次いで、
図13に示す工程において、ブラシスクラバーを用いて、エッチング生成物33を除去する。ブラシスクライバーは、ブラシ及び水によって、対象物を除去する方法である。ブラシスクラバーを用いて、エッチング生成物33を物理的に除去すると、エッチング生成物33が砕け散って、飛散する。
【0030】
ここで、本願発明者が検討した結果、見出した課題について、
図51から
図55を参照して説明する。
図51は、エッチング生成物33が、上部電極部21に達するコンタクトホール32内に落ちて、エッチング生成物33が、上部電極部21上に残存する場合の模式図である。
図52は、エッチング生成物33が、上部電極部21に達するコンタクトホール32内に落ちて、エッチング生成物33が、上部電極部21上に残存する場合の断面図である。エッチング生成物33は、ALO膜、シリコン酸化膜及びフォトレジスト膜が結合したものであり、薬液処理ではエッチング生成物33を除去できないため、ブラシスクラバーを用いて、エッチング生成物33を除去している。しかし、エッチング生成物33が、コンタクトホール32内に落ちると、エッチング生成物33を除去しきれずに、エッチング生成物33が上部電極部21上に残存する場合がある。
【0031】
エッチング生成物33が上部電極部21上に残存すると、コンタクトホール32内にコンタクトプラグを形成する場合、以下の課題がある。コンタクトホール32内にコンタクトプラグを形成する場合、まず、
図53に示すように、例えば、スパッタリング法によって、コンタクトホール32内に導電膜(グルー膜)91を形成する。導電膜91は、例えば、TiN膜である。導電膜91は、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分に成膜される。また、導電膜91は、層間絶縁膜29上、コンタクトホール32の側壁及びエッチング生成物33上に成膜される。上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分には、導電膜91は成膜されていない。すなわち、エッチング生成物33の下側における上部電極部21の上面には導電膜91が成膜されていない。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間には、導電膜91は形成されず、上部電極部21の一部分が露出した状態となっている。
【0032】
次に、
図54に示すように、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜92を形成する。例えば、WF
6(六フッ化タングステン)及び水素をコンタクトホー
ル32内に導入し、WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜
92を形成する。W膜92は、導電膜91を核として成長が始まる。エッチング生成物33と上部電極部21との間には、導電膜91が形成されていない。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間には、W膜92が形成されない。そのため、コンタクトホール32内に水素を導入している間、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が水素に晒される。
【0033】
上部電極部21が水素に晒されることにより、上部電極部21が水素によって還元され、上部電極部21から酸素が奪われる。上部電極部21が、IrOxである場合、IrOxは、ある組成比に調整されてスパッタされている。例えば、IrOxの組成比が、Ir:O=1:3である場合、上部電極部21が水素によって還元されると、IrOxの組成比は、Ir:O=1:2となる。このように、IrOxの組成比が変わると、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化する。また、上部電極部21において、酸素が存在していた部分が、酸素離脱により空になるため、上部電極部21の膜質が悪くなる。このような欠損膜の場合、その後の熱処理により、上部電極部21の低密度化や空孔の発生等の不具合が発生する。
【0034】
上部電極部21が水素に晒されることにより、強誘電体部22が水素によって還元され、強誘電体部22から酸素が奪われる場合がある。強誘電体部22がPZTである場合、PZTの初期組成から、水素還元によって酸素が離脱すると、PZT結晶組成が理想状態から崩れ、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化する。例えば、PZTの酸素離脱が発生すると、強誘電体キャパシタ24の疲労特性が著しく悪くなる。
【0035】
図55に示すように、コンタクトホール32内にW膜92が埋め込まれるまで、WF
6
及び水素をコンタクトホール32内に導入する。したがって、コンタクトホール32内にW膜92が埋め込まれるまで、コンタクトホール32内に水素が導入され、エッチング生成物33の下側における上部電極部21は水素に晒され続ける。このように、コンタクトホール32内にW膜92が埋め込まれるまで、上部電極部21が水素によって還元され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化する。強誘電体特性が劣化した強誘電体キャパシタ24は、予備試験(Preliminary Test)によりリジェクトされれば良いが、強誘電体特性が劣化した強誘電体キャパシタ24は、予備試験ではリジェクトされ難い。リジェクトされなかった強誘電体キャパシタ24を備えるFeRAMは、その後、経時劣化により特性劣化し、デバイス不良となる。なお、上部電極部21上に残存するエッチング生成物33が大きい場合、強誘電体キャパシタ24の導通が確保されなくなる可能性がある。しかし、上部電極部21上に残存するエッチング生成物33が大きい場合、そのような強誘電体キャパシタ24は、予備試験によってリジェクトされる。
【0036】
図14は、エッチング生成物33が、上部電極部21に達するコンタクトホール32内に落ちて、エッチング生成物33が上部電極部21上に残存する場合の断面図である。
図14では、強誘電体キャパシタ24の周辺を拡大して示している。上述のように、エッチング生成物33が上部電極部21上に残存していると、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化する場合がある。実施例1では、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性の劣化を抑止するため、
図15〜
図20に示す工程を行う。
図15〜
図20では、強誘電体キャパシタ24の周辺を拡大して示している。
【0037】
図15に示す工程において、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積
)法により、コンタクトホール32内に水素バリア膜(水素拡散抑止膜)41を1〜5nm程度形成する。水素バリア膜41は、絶縁膜であり、例えば、ALO膜である。ALD法は、成膜チャンバー内に複数種類の成長ガス(反応ガス)を交互に導入することにより、成膜対象物の表面に一原子層ずつ反応生成物を堆積させる薄膜形成方法である。すなわち、第1の成長ガスが成膜対象物上に吸着されている状態で、第1の成長ガスと反応する別の第2の成長ガスを供給することにより、第1の成長ガスと第2の成長ガスとを反応させて、成膜対象物に薄膜を形成する。この場合、第1の成長ガスを成膜対象物上に吸着させた後、吸着しなかった第1の成長ガスを不活性ガスにより排出する。次いで、第2の成長ガスを供給して、成膜対象物上に吸着した第1の成長ガスと反応させた後、反応しなかった第2の成長ガスを不活性ガスにより排出する。
【0038】
例えば、以下の条件を用いたALD法により、コンタクトホール32内に水素バリア膜41を形成してもよい。
・成膜温度:250℃程度
・第1の成長ガス:O
3(オゾン)ガス(O
3ガスをH
2Oガスに代えてもよい)
・第2の成長ガス:TMA(トリメチルアミン)ガス
水素バリア膜41は、層間絶縁膜29上、コンタクトホール32の側壁、エッチング生成物33の周囲及び上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分に成膜される。ALD法によって形成される水素バリア膜41は、狭い隙間にも入り込む。そのため、水素バリア膜41は、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分に成膜される。すなわち、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、水素バリア膜41が成膜される。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間にも、水素バリア膜41が形成されており、コンタクトホール32内における上部電極部21の上面は、水素バリア膜41によって覆われている。
【0039】
次に、
図16に示す工程において、例えば、異方性エッチバックを行うことにより、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分における水素バリア膜41を除去する。したがって、水素バリア膜41が、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分及びコンタクトホール32の側壁に残存する。すなわち、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、水素バリア膜41が残存する。これにより、コンタクトホール32内でキャパシタ24の少なくとも一部が露出する。ここでは、コンタクトホール32の側壁に水素バリア膜41を残存させているが、コンタクトホール32の側壁における水素バリア膜41を除去してもよい。なお、層間絶縁膜29上の水素バリア膜41は、異方性エッチバックを行うことによって除去されている。
【0040】
例えば、ICP(Inductive Coupling Plasma)型エッチング装置で、異方性エッチバ
ックを行うことにより、水素バリア膜41を部分的に除去してもよい。異方性エッチバックの条件としては、例えばAr及びCl
2の雰囲気で行うアルゴンスパッタエッチングや
、Ar雰囲気で行う非反応性デポジションエッチングを用いてもよい。なお、異方性エッチバックを行う際のArやCl
2等の流量及び流量比は適宜調整し得る。また、異方性エ
ッチバックの他に、イオンスパッタエッチングを行うことにより、水素バリア膜41を部分的に除去してもよい。
【0041】
次いで、
図17に示す工程において、例えば、スパッタリング法によって、150℃程度のスパッタ温度にて、コンタクトホール32内に導電膜(グルー膜)42を100nm程度形成する。すなわち、コンタクトホール32内に、露出したキャパシタ24を覆う導電膜42を形成する。これにより、導電膜42が、コンタクトホール32内の底面の一部及び側面に形成される。導電膜42を形成する前に、脱ガス(Degas)処理として、15
0℃程度の温度で、熱処理を行ってもよい。導電膜42は、Tiを含む合金膜であり、例えば、TiN膜又はTiAlN(窒化チタンアルミニウム)膜である。導電膜42は、TiN膜及びTiAlN膜の積層膜であってもよい。また、コンタクトホール32内の側面に形成される導電膜42の膜厚は、コンタクトホール32内の底面に形成される導電膜42の膜厚よりも薄くなってもよい。
【0042】
導電膜42は、層間絶縁膜29上、コンタクトホール32の側壁及びエッチング生成物33上に成膜される。また、導電膜42は、上部電極部21上であって、水素バリア膜41が形成されていない部分に成膜される。すなわち、導電膜42は、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分に成膜される。エッチング生成物33と上部電極部21との間に、水素バリア膜41が形成されている。すなわち、
上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分に、水素バリア膜41が形成されている。水素バリア膜41は、コンタクトホール32内であって、強誘電体キャパシタ24上の第1の部分に接して形成され、導電膜42は、コンタクトホール32内であって、強誘電体キャパシタ24上の第2の部分に接して形成されている。したがって、コンタクトホール32内における上部電極部21の上面は、水素バリア膜41及び導電膜42によって覆われている。
【0043】
次に、
図18に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W膜43は、導電膜の一例である。例えば、WF
6及び水素を
コンタクトホール32内に導入し、WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホー
ル32内にW膜43を形成する。W膜43は、導電膜42を核として成長が始まるため、導電膜42を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。コンタクトホール32内における上部電極部21の上面は、水素バリア膜41及び導電膜42によって覆われている。したがって、コンタクトホール32内に水素を導入している間、上部電極部21が水素に晒されることが抑止される。
【0044】
エッチング生成物33と上部電極部21との間に水素バリア膜41が形成されている。したがって、コンタクトホール32内に水素を導入している間、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。このように、コンタクトホール32内にW膜43を形成する際、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。このため、上部電極部21が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。また、強誘電体部22が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。なお、エッチング生成物33と上部電極部21との間には、導電膜42が形成されていないため、エッチング生成物33と上部電極部21との間には、W膜43は形成されない。
【0045】
次いで、
図19に示す工程において、コンタクトホール32内にW膜43が埋め込まれるまで、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入する。次に、
図20に示す工程
において、例えば、CMP法により、層間絶縁膜29上の導電膜42及びW膜43を除去することにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ(コンタクトホールビア)44を形成する。次いで、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例1に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側(内部)に向かって、水素バリア膜41、導電膜42及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例1に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、水素バリア膜41、導電膜42及びW膜43を順に有している。
【0046】
実施例1を以下のように変形してもよい。以下の実施例1の変形例1から変形例3を適宜組み合わせてもよい。
【0047】
〈実施例1の変形例1〉
実施例1の変形例1に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図21及び
図22は、実施例1の変形例1に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。実施例1の変形例1では、
図17に示す工程を行った後、
図21に示す工程において、例えば、スパッタリング法によって、コンタクトホール32内に導電膜(グルー膜)51を100nm程度形成する。導電膜51を形成する前に、脱ガス処理として、150℃の温度で、熱処理を行ってもよい。導電膜51は、Tiを含む合金膜であり、例えば、TiN膜又はTiAlN膜である。導電膜51は、TiN膜及びTiAlN膜の積層膜であっ
てもよい。導電膜51は、導電膜42上に成膜される。
【0048】
次に、
図22に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。例えば、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入し、
WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W
膜43は、導電膜42、51を核として成長が始まるため、導電膜42、51を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部の近傍に導電膜42、51が形成されており、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部が狭くなっている。また、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部が、導電膜42、51によって塞がれる場合がある。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間に入り込む水素の量が低減するため、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。
【0049】
エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれた後は、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込まなくなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部が狭くなっている。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれる時間が短くなる。そのため、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込む時間が短くなり、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。
【0050】
次いで、
図19及び
図20に示す工程と同様の工程を行うことにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ44を形成する。次に、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例1の変形例1に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側に向かって、水素バリア膜41、導電膜42、51及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例1の変形例1に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、水素バリア膜41、導電膜42、51及びW膜43を順に有している。
【0051】
〈実施例1の変形例2〉
実施例1の変形例2に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図23及び
図24は、実施例1の変形例2に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。実施例1の変形例2では、
図17に示す工程を行った後、
図23に示す工程において、スパッタエッチングを行い、導電膜42を30nm程度削ることにより、導電膜42の粒子を飛散させる。スパッタエッチングは、異方性エッチングであって、スパッタ装置内において、例えば、アルゴン雰囲気中で行う。導電膜42の粒子を飛散させて、コンタクトホール32内に導電膜42の粒子を堆積させる。これにより、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、導電膜42の粒子が堆積する。エッチング生成物33と上部電極部21との間には、水素バリア膜41が形成されているため、導電膜42の粒子が水素バリア膜41上に堆積する。
【0052】
次に、
図24に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。例えば、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入し、
WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W
膜43は、導電膜42を核として成長が始まるため、導電膜42を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。エッチング生成物33と上部電極部21との間に、導電膜42の粒子が堆積している。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間が狭くなり、エッチング生成物33と上部電極部21との間
に入り込む水素の量が低減する。そのため、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。
【0053】
エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれた後は、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込まなくなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間には、導電膜42の粒子が堆積しているため、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、W膜43が形成される。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれる時間が短くなる。そのため、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込む時間が短くなり、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。
【0054】
次いで、
図19及び
図20に示す工程と同様の工程を行うことにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ44を形成する。次に、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例1の変形例2に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側に向かって、水素バリア膜41、導電膜42及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例1の変形例2に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、水素バリア膜41、導電膜42及びW膜43を順に有している。
【0055】
〈実施例1の変形例3〉
実施例1の変形例3に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。実施例1の変形例3では、
図16に示す工程において、異方性エッチバックを行った後、酸素アニール処理(回復アニール処理)を行う。酸素アニール処理を行うことにより、上部電極部21、強誘電体部22及び下部電極部23が受けたダメージを回復させることができる。酸素アニール処理として、例えば、酸素雰囲気中において、500℃程度の温度で、熱処理を行ってもよい。コンタクトホール32内における導電膜42が酸化することを抑止するため、コンタクトホール32内に導電膜42を形成する工程(
図17に示す工程)の前に、酸素アニール処理を行うことが好ましい。
【0056】
〈実施例2〉
実施例2に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図25〜
図30は、実施例2に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。実施例2では、プレーナ型の強誘電体キャパシタを有するFeRAMを例として説明する。FeRAMは、半導体装置の一例である。実施例2において、実施例1と同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例2に係る半導体装置の製造方法では、実施例1の
図1〜
図13に示す工程と同様の工程を行うので、その説明は省略する。実施例2では、実施例1の
図14に示す断面図の状態から、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性の劣化を抑止するため、
図25〜
図30に示す工程を行う。
図25〜
図30では、強誘電体キャパシタ24の周辺を拡大して示している。
【0057】
図25に示す工程において、例えば、スパッタリング法によって、コンタクトホール32内に導電膜42を100nm程度形成する。導電膜42を形成する前に、脱ガス処理として、150℃程度の温度で、熱処理を行ってもよい。導電膜42は、層間絶縁膜29上、コンタクトホール32の側壁及びエッチング生成物33上に成膜される。導電膜42は、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分に成膜される。上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分には、導電膜42は成膜されていない。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間には導電膜42は形成されず、強誘電体キャパシタ24の上部電極部21の
一部分が露出した状態となっている。
【0058】
次に、
図26に示す工程において、例えば、ALD法により、コンタクトホール32内に水素バリア膜41を1〜5nm程度形成する。
【0059】
例えば、以下の条件を用いたALD法により、コンタクトホール32内に水素バリア膜41を形成してもよい。
・成膜温度:250℃程度
・第1の成長ガス:O
3ガス(O
3ガスをH
2Oガスに代えてもよい)
・第2の成長ガス:TMAガス
水素バリア膜41は、導電膜42上、コンタクトホール32の側壁及びエッチング生成物33の周囲に成膜される。ALD法によって形成される水素バリア膜41は、狭い隙間にも入り込む。そのため、水素バリア膜41は、強誘電体キャパシタ24の上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分に成膜される。すなわち、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、水素バリア膜41が成膜される。
【0060】
次に、
図27に示す工程において、例えば、異方性エッチバックを行うことにより、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分における水素バリア膜41を除去する。したがって、水素バリア膜41が、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分及びコンタクトホール32の側壁に残存する。すなわち、エッチング生成物33と上部電極部21との間に水素バリア膜41が残存する。水素バリア膜41は、コンタクトホール32内であって、強誘電体キャパシタ24上の第1の部分に接して形成され、導電膜42は、コンタクトホール32内であって、強誘電体キャパシタ24上の第2の部分に接して形成されている。ここでは、コンタクトホール32の側壁に水素バリア膜41を残存させているが、コンタクトホール32の側壁における水素バリア膜41を除去してもよい。なお、層間絶縁膜29上の水素バリア膜41は、異方性エッチバックを行うことによって除去されている。実施例1に示したエッチング条件1からエッチング条件3の何れかを用いた異方性エッチバックを行うことにより、水素バリア膜41を部分的に除去してもよい。また、実施例1に示したエッチング条件1からエッチング条件3の他に、イオンスパッタエッチングを行うことにより、水素バリア膜41を部分的に除去してもよい。
【0061】
エッチング生成物33と上部電極部21との間に水素バリア膜41が形成されている。すなわち、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分に水素バリア膜41が形成されている。上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分に、導電膜42が形成されている。したがって、コンタクトホール32内における上部電極部21の上面は、水素バリア膜41及び導電膜42によって覆われている。
【0062】
次に、
図28に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。例えば、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入し、
WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W
膜43は、導電膜42を核として成長が始まるため、導電膜42を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。コンタクトホール32内における上部電極部21の上面は、水素バリア膜41及び導電膜42によって覆われている。したがって、コンタクトホール32内に水素を導入している間、強誘電体キャパシタ24の上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0063】
エッチング生成物33と上部電極部21との間に水素バリア膜41が形成されている。したがって、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されるこ
とが抑止される。このように、コンタクトホール32内にW膜43を形成する際、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。このため、上部電極部21が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。また、強誘電体部22が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。なお、エッチング生成物33と上部電極部21との間には、導電膜42が形成されていないため、エッチング生成物33と上部電極部21との間には、W膜43は形成されない。
【0064】
次いで、
図29に示す工程において、コンタクトホール32内にW膜43が埋め込まれるまで、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入する。次に、
図30に示す工程
において、例えば、CMP法により、層間絶縁膜29上の導電膜42及びW膜43を除去することにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ44を形成する。次いで、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例2に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側に向かって、導電膜42、水素バリア膜41及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例2に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、導電膜42、水素バリア膜41及びW膜43を順に有している。
【0065】
実施例2を以下のように変形してもよい。以下の実施例2の変形例1及び変形例2を適宜組み合わせてもよい。
【0066】
〈実施例2の変形例1〉
実施例2の変形例1に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図31及び
図32は、実施例2の変形例1に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。実施例2の変形例1では、
図27に示す工程を行った後、
図31に示す工程において、例えば、スパッタリング法によって、コンタクトホール32内に導電膜(グルー膜)51を100nm程度形成する。導電膜51を形成する前に、脱ガス処理として、150℃程度の温度で、熱処理を行ってもよい。導電膜51は、コンタクトホール32の側壁及び導電膜42上に成膜される。
【0067】
次に、
図32に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。例えば、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入し、
WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W
膜43は、導電膜42、51を核として成長が始まるため、導電膜42、51を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部の近傍に導電膜42、51が形成されており、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部が狭くなっている。また、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部が、導電膜42、51によって塞がれる場合がある。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間に入り込む水素の量が低減するため、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。
【0068】
エッチング生成物33と、強誘電体キャパシタ24の上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれた後は、エッチング生成物33と、強誘電体キャパシタ24の上部電極部21との間における空間に水素が入り込まなくなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部が狭くなっている。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれる時間が短くなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に
水素が入り込む時間が短くなり、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。
【0069】
次いで、
図29及び
図30に示す工程と同様の工程を行うことにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ44を形成する。次いで、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例2の変形例1に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側に向かって、導電膜42、水素バリア膜41、導電膜51及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例2の変形例1に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、導電膜42、水素バリア膜41、導電膜51及びW膜43を順に有している。
【0070】
〈実施例2の変形例2〉
実施例2の変形例2に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図33及び
図34は、実施例2の変形例2に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。実施例2の変形例2では、
図27に示す工程を行った後、
図33に示す工程において、スパッタエッチングを行い、導電膜42を30nm程度削ることにより、導電膜42の粒子を飛散させる。スパッタエッチングは、異方性エッチングであって、スパッタ装置内において、例えば、アルゴン雰囲気中で行う。導電膜42の粒子を飛散させることにより、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、導電膜42の粒子を堆積させる。エッチング生成物33と上部電極部21との間には、水素バリア膜41が形成されているため、導電膜42の粒子が水素バリア膜41上に堆積する。
【0071】
次に、
図34に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。例えば、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入し、
WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W
膜43は、導電膜42を核として成長が始まるため、導電膜42を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。エッチング生成物33と上部電極部21との間に、導電膜42の粒子が堆積している。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間が狭くなり、エッチング生成物33と上部電極部21との間に入り込む水素の量が低減する。そのため、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。
【0072】
エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれた後は、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込まなくなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間には、導電膜42の粒子が堆積しているため、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、W膜43が形成される。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれる時間が短くなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込む時間が短くなり、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。
【0073】
次いで、
図29及び
図30に示す工程と同様の工程を行うことにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ44を形成する。次いで、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例2の変形例2に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側に向かって、導電膜42、水素バリア膜41及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例2の変形例2に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、導電膜42、水素バリア膜41及びW膜43を順に有している。
【0074】
〈実施例3〉
実施例3に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図35〜
図38は、実施例3に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。実施例3では、プレーナ型の強誘電体キャパシタを有するFeRAMを例として説明する。FeRAMは、半導体装置の一例である。実施例3において、実施例1と同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例3に係る半導体装置の製造方法では、実施例1の
図1〜
図13及び
図15〜
図17に示す工程と同様の工程を行うので、その説明は省略する。実施例3では、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性の劣化を抑止するため、実施例1の
図17に示す工程と同様の工程を行った後、
図35〜
図38に示す工程を行う。
図35〜
図38では、強誘電体キャパシタ24の周辺を拡大して示している。
【0075】
図35に示す工程において、例えば、ALD法により、コンタクトホール32内に導電膜(グルー膜)61を1〜5nm程度形成する。導電膜61は、例えば、TiN膜である。例えば、成長ガス(反応ガス)として、TiCl
4(四塩化チタン)ガス及びNH
3(アンモニア)ガスを用いてもよい。
【0076】
導電膜61は、コンタクトホール32の側壁及び導電膜41上に成膜される。ALD法によって形成される導電膜61は、狭い隙間にも入り込む。そのため、導電膜61は、エッチング生成物33と上部電極部21との間に成膜される。エッチング生成物33と上部電極部21との間に水素バリア膜41が形成されている。したがって、水素バリア膜41は、導電膜61によって覆われる。
【0077】
ALD法によりTiN膜である導電膜61を形成する場合、その成長ガスとして用いるNH
3は、100℃程度で分解して水素と窒素になる。そのため、上部電極部21が、I
rOxであって、上部電極部21が露出している場合、上部電極部21が水素に晒されると、上部電極部21が還元される。しかし、本実施例では、エッチング生成物33と上部電極部21との間に水素バリア膜41が形成されている。したがって、コンタクトホール32内に導電膜61を形成する際、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0078】
次に、
図36に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。例えば、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入し、
WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W
膜43は、導電膜61を核として成長が始まるため、導電膜61を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。コンタクトホール32内における上部電極部21の上面は、水素バリア膜41及び導電膜42によって覆われている。また、水素バリア膜41及び導電膜42は、導電膜61によって覆われている。したがって、コンタクトホール32内に水素を導入している間、強誘電体キャパシタ24の上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0079】
エッチング生成物33と上部電極部21との間に、水素バリア膜41及び導電膜61が形成されている。したがって、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。このように、コンタクトホール32内にW膜43を形成する際、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。このため、上部電極部21が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。また、強誘電体部22が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。
【0080】
エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれた後は、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込まなくなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間には、導電膜61が形成されているため、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、W膜43が形成される。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれる時間が短くなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込む時間が短くなり、エッチング生成物33の下側における上部極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0081】
次いで、
図37に示す工程において、コンタクトホール32内にW膜43が埋め込まれるまで、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入する。次に、
図38に示す工程
において、例えば、CMP法により、層間絶縁膜29上の導電膜42、61及びW膜43を除去することにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ44を形成する。次いで、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例3に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側に向かって、水素バリア膜41、導電膜42、導電膜61及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例3に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、水素バリア膜41、導電膜42、導電膜61及びW膜43を順に有している。
【0082】
実施例3と、実施例1の変形例3とを組み合わせてもよい。例えば、実施例3において、実施例1の
図16に示す工程と同様の工程を行う際、異方性エッチバックを行った後、酸素アニール処理を行ってもよい。酸素アニール処理を行うことにより、上部電極部21、強誘電体部22及び下部電極部23が受けたダメージを回復させることができる。
【0083】
〈実施例4〉
実施例4に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図39〜
図42、実施例4に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。実施例4では、プレーナ型の強誘電体キャパシタを有するFeRAMを例として説明する。FeRAMは、半導体装置の一例である。実施例4において、実施例1及び実施例2と同一の構成要素については、実施例1及び実施例2と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例4に係る半導体装置の製造方法では、実施例1の
図1〜
図13に示す工程と同様の工程及び実施例2の
図25〜
図27に示す工程と同様の工程を行うので、その説明は省略する。実施例4では、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性の劣化を抑止するため、実施例2の
図27に示す工程と同様の工程を行った後、
図39〜
図42に示す工程を行う。
図39〜
図42では、強誘電体キャパシタ24の周辺を拡大して示している。
【0084】
図39に示す工程において、例えば、ALD法により、コンタクトホール32内に導電膜61を1〜5nm程度形成する。導電膜61は、例えば、TiN膜である。例えば、成長ガス(反応ガス)として、TiCl
4(四塩化チタン)ガス及びNH
3(アンモニア)ガスを用いてもよい。
【0085】
導電膜61は、コンタクトホール32の側壁及び導電膜42上に成膜される。ALD法によって形成される導電膜61は、狭い隙間にも入り込む。そのため、導電膜61は、エッチング生成物33と上部電極部21との間に成膜される。エッチング生成物33と上部電極部21との間に水素バリア膜41が形成されている。したがって、水素バリア膜41は、導電膜61によって覆われる。
【0086】
NH
3は100℃程度で分解し、水素と窒素になる。成長ガスとして、NH
3ガスを用い
る場合、NH
3は100℃程度で分解し、水素と窒素になる。そのため、上部電極部21
が、IrOxである場合、上部電極部21が水素に晒されると、上部電極部21が還元される。エッチング生成物33と上部電極部21との間に水素バリア膜41が形成されている。したがって、コンタクトホール32内に導電膜61を形成する際、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0087】
次に、
図40に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。例えば、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入し、
WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W
膜43は、導電膜61を核として成長が始まるため、導電膜61を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。コンタクトホール32内における上部電極部21の上面は、水素バリア膜41及び導電膜42によって覆われている。また、水素バリア膜41及び導電膜42は、導電膜61によって覆われている。したがって、コンタクトホール32内に水素を導入している間、上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0088】
エッチング生成物33と上部電極部21との間に、水素バリア膜41及び導電膜61が形成されている。したがって、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。このように、コンタクトホール32内にW膜43を形成する際、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。このため、上部電極部21が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。また、強誘電体部22が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。
【0089】
エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれた後は、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込まなくなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間には、導電膜61が形成されているため、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、W膜43が形成される。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれる時間が短くなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込む時間が短くなり、エッチング生成物33の下側における上部極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0090】
次いで、
図41に示す工程において、コンタクトホール32内にW膜43が埋め込まれるまで、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入する。次に、
図42に示す工程
において、例えば、CMP法により、層間絶縁膜29上の導電膜42、61及びW膜43を除去することにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ44を形成する。次いで、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例4に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側に向かって、導電膜42、水素バリア膜41及び導電膜61及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例4に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、導電膜42、水素バリア膜41及び導電膜61及びW膜43を順に有している。
【0091】
〈実施例5〉
実施例5に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図43〜
図46は、実施例5に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。実施例5では、プレーナ型の強誘電体キャパシタを有するFeRAMを例として説明する。FeRAMは、半導
体装置の一例である。実施例5において、実施例1と同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例5に係る半導体装置の製造方法では、実施例1の
図1〜
図13に示す工程と同様の工程を行うので、その説明は省略する。実施例5では、実施例1の
図14に示す断面図の状態から、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性の劣化を抑止するため、
図43〜
図46に示す工程を行う。
図43〜
図46では、強誘電体キャパシタ24の周辺を拡大して示している。
【0092】
図43に示す工程において、例えば、スパッタリング法によって、150℃程度のスパッタ温度にて、コンタクトホール32内に導電膜42を108nm程度形成する。導電膜42は、層間絶縁膜29上、コンタクトホール32の側壁及びエッチング生成物33上に成膜される。導電膜42は、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分に成膜される。上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分には、導電膜42は成膜されていない。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間には導電膜42は形成されず、上部電極部21の一部分が露出した状態となっている。
【0093】
次に、
図44に示す工程において、導電膜42をスパッタエッチングして、コンタクトホール32内で強誘電体キャパシタ24を露出させつつ、導電膜42の粒子を飛散せて、コンタクトホール32内に導電膜42の粒子を堆積する。例えば、上部電極部21が露出するまで導電膜42を削ることにより、導電膜42の粒子を飛散させてもよい。スパッタエッチングは、異方性エッチングであって、スパッタ装置内において、例えば、アルゴン雰囲気中で行う。導電膜42の粒子を飛散させることにより、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、導電膜42の粒子を堆積させる。これにより、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分に導電膜42の粒子が堆積する。なお、コンタクトホール32の側壁には導電膜42が残存するとともに、コンタクトホール32の側壁に残存する導電膜42に導電膜42の粒子が堆積する。また、上部電極部21が露出するまで導電膜42を削ることにより、上部電極部21の粒子が飛散する場合がある。この場合、コンタクトホール32の側壁に残存する導電膜42に上部電極部21の粒子が堆積する。
図44に示す工程において、上部電極部21が露出するまで導電膜42を削ることに代えて、スパッタエッチングを行い、導電膜42を30nm程度削ることにより、導電膜42の粒子を飛散させてもよい。
【0094】
次いで、
図45に示す工程において、例えば、スパッタリング法によって、コンタクトホール32内に導電膜51を100nm程度形成する。導電膜51を形成する前に、脱ガス処理として、150℃程度の温度で、熱処理を行ってもよい。導電膜51は、層間絶縁膜29上、コンタクトホール32の側壁、エッチング生成物33上及び導電膜42上に成膜される。導電膜51は、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分に成膜される。上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分には、導電膜51は成膜されていない。
【0095】
次に、
図46に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。例えば、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入し、
WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W
膜43は、導電膜42、51を核として成長が始まるため、導電膜42、51を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。エッチング生成物33と上部電極部21との間に、導電膜42の粒子が堆積している。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間が狭くなり、エッチング生成物33と上部電極部21との間に入り込む水素の量が低減する。そのため、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。また、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分に、導電膜42の粒子が形成
されている。したがって、エッチング生成物33の下側における上部電極部21の露出面積が小さくなっている。そのため、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0096】
エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれた後は、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込まなくなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間には、導電膜42の粒子が堆積しているため、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、W膜43が形成される。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれる時間が短くなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込む時間が短くなり、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0097】
次いで、
図19及び
図20に示す工程と同様の工程を行うことにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ44を形成する。次いで、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例5に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側に向かって、導電膜42、導電膜51及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例5に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、導電膜42、導電膜51及びW膜43を順に有している。
【0098】
実施例5を以下のように変形してもよい。
【0099】
〈実施例5の変形例〉
実施例5の変形例に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。実施例5の変形例では、
図45に示す工程を行った後、導電膜51をスパッタエッチングして、導電膜51を30nm程度削ることにより、導電膜51の粒子を飛散させて、コンタクトホール32内に導電膜51の粒子を堆積する。スパッタエッチングは、異方性エッチングであって、スパッタ装置内において、例えば、アルゴン雰囲気中で行う。導電膜51の粒子を飛散させることにより、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、導電膜51の粒子を堆積させる。これにより、エッチング生成物33と上部電極部21との間に、導電膜42、51の粒子が堆積する。したがって、
図46に示す工程において、コンタクトホール32内にW膜43を形成する際、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間が更に狭くなり、エッチング生成物33と上部電極部21との間に入り込む水素の量が更に低減する。そのため、エッチング生成物33の下側における強誘電体キャパシタ24の上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。また、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分に、導電膜42、51の粒子が形成されている。したがって、エッチング生成物33の下側における上部電極部21の露出面積が更に小さくなっている。そのため、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが更に抑止される。
【0100】
〈実施例6〉
実施例6に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法について説明する。
図47〜
図49は、実施例6に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。実施例6では、プレーナ型の強誘電体キャパシタを有するFeRAMを例として説明する。FeRAMは、半導体装置の一例である。実施例6において、実施例1と同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例6に係る半導体装置の製造方法では、実施例1の
図1〜
図13に示す工程と同様の工程を行うので、その説明は省略する。実施例5では、実施例1の
図14に示す断面図の状態から、強誘電体キャパシタ24の強誘
電体特性の劣化を抑止するため、
図47〜
図49に示す工程を行う。
図47〜
図49では、強誘電体キャパシタ24の周辺を拡大して示している。
【0101】
図47に示す工程において、例えば、スパッタリング法によって、コンタクトホール32内に導電膜42を100nm程度形成する。導電膜42は、層間絶縁膜29上、コンタクトホール32の側壁及びエッチング生成物33上に成膜される。導電膜42は、上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されていない部分に成膜される。上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分には、導電膜42は成膜されていない。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間には導電膜42は形成されず、上部電極部21の一部分が露出した状態となっている。
【0102】
次に、
図48に示す工程において、例えば、スパッタリング法によって、コンタクトホール32内に導電膜(グルー膜)71を100nm程度形成する。導電膜71は、コンタクトホール32の側壁及び導電膜42上に成膜される。上部電極部21上であって、エッチング生成物33によって遮蔽されている部分には、導電膜71は成膜されていない。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間には導電膜71は形成されず、強誘電体キャパシタ24の上部電極部21の一部分が露出した状態となっている。
【0103】
次に、
図49に示す工程において、例えば、CVD法によって、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。例えば、WF
6及び水素をコンタクトホール32内に導入し、
WF
6を水素で還元することにより、コンタクトホール32内にW膜43を形成する。W
膜43は、導電膜42、71を核として成長が始まるため、導電膜42、71を覆うようにして、W膜43がコンタクトホール32内に形成される。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部の近傍に導電膜42、71が形成されており、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部が狭くなっている。また、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部が、導電膜42、71によって塞がれる場合がある。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間に入り込む水素の量が低減するため、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0104】
エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれた後は、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込まなくなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部が狭くなっている。したがって、エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間の開口部がW膜43によって塞がれる時間が短くなる。エッチング生成物33と上部電極部21との間における空間に水素が入り込む時間が短くなり、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。
【0105】
次いで、
図19及び
図20に示す工程と同様の工程を行うことにより、コンタクトホール32内にコンタクトプラグ44を形成する。次いで、コンタクトプラグ44に接続された配線等を形成した後、所望のバックエンドプロセスが行われ、半導体装置100が製造される。実施例6に係る半導体装置100が備えるコンタクトホール32の側壁には、コンタクトホール32の内側に向かって、導電膜42、導電膜71及びW膜43が順に形成されている。したがって、実施例6に係る半導体装置100が備えるコンタクトプラグ44は、側壁部分から中央部分に向かって、導電膜42、導電膜71及びW膜43を順に有している。
【0106】
実施例6と、実施例1から実施例5(各変形例を含む。以下、同様とする。)とを組み合わせてもよい。例えば、実施例1から実施例5において、コンタクトホール32内に導
電膜42を形成する工程の後、コンタクトホール内に導電膜71を形成してもよい。
【0107】
図14では、上部電極部21に達するコンタクトホール32内に、エッチング生成物33が落ちて、エッチング生成物33が上部電極部21上に残存する例を示した。下部電極部23に達するコンタクトホール32内に、エッチング生成物33が落ちて、エッチング生成物33が下部電極部23上に残存する場合もある。エッチング生成物33が下部電極部23上に残存する場合、コンタクトホール32内に水素が導入されると、エッチング生成物33の下側における下部電極部23が水素に晒される。下部電極部23が水素に晒されることにより、強誘電体部22が水素によって還元され、強誘電体部22から酸素が奪われる場合がある。したがって、下部電極部23に達するコンタクトホール32内に、W膜92が埋め込まれる際、強誘電体部22が水素によって還元され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化する場合がある。
【0108】
実施例1から実施例6(各変形例を含む。以下、同様とする。)において、下部電極部23に達するコンタクトホール32に対して、上部電極部21に達するコンタクトホール32における工程と同様の工程を行ってもよい。これらの工程を行うことにより、下部電極部23に達するコンタクトホール32内にW膜43を形成する際、エッチング生成物33の下側における下部電極部23が、水素に晒されることが抑止される。したがって、強誘電体部22が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。
【0109】
実施例1から実施例6において、上部電極部21を、IrOxからPtに代えてもよい。この場合、上部電極部21は、水素によって還元されなくなる。しかし、上部電極部21が水素に晒されることにより、強誘電体部22が水素によって還元され、強誘電体部22から酸素が奪われる場合がある。実施例1から実施例6によれば、コンタクトホール32内にW膜43を形成する際、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。したがって、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が水素に晒されることを抑止することにより、強誘電体部22が水素によって還元されることが抑止され、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。
【0110】
実施例1から実施例6によれば、強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止されるため、強誘電体キャパシタ24のデータ保持特性が向上する。したがって、半導体装置100の歩留まりの向上、市場での初期不良の改善、長期寿命の安定化を図ることが可能となる。
【0111】
実施例1から実施例6では、プレーナ型の強誘電体キャパシタを有するFeRAMを例として説明したが、実施例1から実施例6に半導体装置及び半導体装置の製造方法を、スタック型の強誘電体キャパシタを有するFeRAMに適用してもよい。
図50は、スタック型の強誘電体キャパシタを有するFeRAMの製造方法を示す工程図である。
【0112】
半導体基板1には、素子分離絶縁膜2が形成されている。半導体基板1内には、pウェル3が形成されている。
図50では図示していないが、半導体基板1内には、nウェルが形成されている。半導体基板1におけるpウェル3及びnウェル上には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して、ゲート電極5が形成されている。pウェル3内には、n型LDD領域6及びn型ソース・ドレイン拡散領域8が形成されている。
図50では図示していないが、nウェル内には、p型LDD領域及びp型LDD領域が形成されている。
【0113】
半導体基板1上にストッパ膜11が形成され、ストッパ膜11上に層間絶縁膜12が形成され、層間絶縁膜12にコンタクトプラグ13が形成されている。層間絶縁膜12上に
水素バリア膜16が形成され、水素バリア膜16上に層間絶縁膜15が形成されている。上部電極部21、強誘電体部22及び下部電極部23を有する強誘電体キャパシタ24が、半導体基板1上方であって、Ir膜81上に形成されている。強誘電体キャパシタ24の下部電極部23は、Ir膜81を介して、コンタクトプラグ13に電気的に接続されている。水素バリア膜16上に層間絶縁膜15が形成されている。強誘電体キャパシタ24を覆う水素バリア膜25が、層間絶縁膜15及び強誘電体キャパシタ24上に形成されている。強誘電体キャパシタ24及び水素バリア膜25を覆う層間絶縁膜26が、水素バリア膜25上に形成されている。層間絶縁膜26上に層間絶縁膜27が形成され、層間絶縁膜27上に水素バリア膜28が形成され、水素バリア膜28上に層間絶縁膜29が形成されている。
【0114】
層間絶縁膜29上に形成されたフォトレジスト膜31をマスクとして、異方性ドライエッチングを行うことにより、層間絶縁膜26、27、29及び水素バリア膜25、28に、上部電極部21に達するコンタクトホール32が形成されている。スタック型の強誘電体キャパシタ24の上部電極部21に達するコンタクトホール32内に、エッチング生成物33が落ちて、エッチング生成物33が上部電極部21上に残存する場合もある。スタック型の強誘電体キャパシタ24を有するFeRAMを製造する際、実施例1から実施例6に示す工程と同様の工程を行ってもよい。これらの工程を行うことにより、スタック型の強誘電体キャパシタ24の上部電極部21に達するコンタクトホール32内にW膜43を形成する際、エッチング生成物33の下側における上部電極部21が、水素に晒されることが抑止される。したがって、スタック型の強誘電体キャパシタ24の上部電極部21が水素によって還元されることが抑止され、スタック型の強誘電体キャパシタ24の強誘電体特性が劣化することが抑止される。
【0115】
以上の実施例1から実施例6を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
基板と、
前記基板上方に形成されたキャパシタと、
前記キャパシタを覆う層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜に形成され、前記キャパシタに達するコンタクトホールと、
前記コンタクトホール内であって、前記キャパシタ上の第1の部分に接して形成された水素バリア膜と、
前記コンタクトホール内であって、前記第1の部分とは異なる前記キャパシタ上の第2の部分に接して形成された導電膜と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記コンタクトホール内であって、前記水素バリア膜及び前記導電膜上に形成された第2導電膜を備えることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記コンタクトホール内に形成された第3導電膜と、
前記コンタクトホール内に形成され、前記水素バリア膜、前記導電膜及び前記第3導電膜を有するコンタクトプラグと、
を備え、
前記コンタクトプラグは、側壁部分から中央部分に向かって、前記水素バリア膜、前記導電膜及び前記第3導電膜を順に有していることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記4)
前記コンタクトホール内に形成された第3導電膜と、
前記コンタクトホール内に形成され、前記水素バリア膜、前記導電膜及び前記第3導電膜を有するコンタクトプラグと、
を備え、
前記コンタクトプラグは、側壁部分から中央部分に向かって、前記導電膜、前記水素バリア膜及び前記第3導電膜を順に有していることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記5)
前記コンタクトホール内に形成された第3導電膜と、
前記コンタクトホール内に形成され、前記水素バリア膜、前記導電膜、前記第2導電膜及び前記第3導電膜を有するコンタクトプラグと、
を備え、
前記コンタクトプラグは、側壁部分から中央部分に向かって、前記水素バリア膜、前記導電膜、前記第2導電膜及び第3導電膜を順に有していることを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記6)
前記コンタクトホール内に形成された第3導電膜と、
前記コンタクトホール内に形成され、前記水素バリア膜、前記導電膜、前記第2導電膜及び前記第3導電膜を有するコンタクトプラグと、
を備え、
前記コンタクトプラグは、側壁部分から中央部分に向かって、前記導電膜、前記水素バリア膜、前記第2導電膜及び第3導電膜を順に有していることを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記7)
基板上方にキャパシタを形成する工程と、
前記キャパシタを覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜をエッチングして、前記層間絶縁膜に、前記キャパシタに達するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内にALD法により水素バリア膜を形成する工程と、
前記水素バリア膜をエッチバックして、前記コンタクトホール内で前記キャパシタの少なくとも一部を露出させる工程と、
前記露出させる工程の後、前記コンタクトホール内に、露出した前記キャパシタを覆う第1導電膜を形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記水素バリア膜は酸化アルミニウム膜であることを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記第1導電膜を形成する工程の後、ALD法により、前記コンタクトホール内に第2導電膜を形成する工程を備えることを特徴とする付記7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記露出させる工程の後、前記第1導電膜をスパッタエッチングして、前記第1導電膜の粒子を飛散させて、前記コンタクトホール内に前記第1導電膜の粒子を堆積する工程を備えることを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記第1導電膜を形成する工程の後、前記コンタクトホール内に第2導電膜を形成する工程を備えることを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記水素バリア膜を形成する工程は、前記コンタクトホール内で、前記コンタクトホールを形成する際に生成されたエッチング生成物と前記キャパシタとの間に前記水素バリア膜を形成することを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記水素バリア膜を残存させる工程の後、前記導電膜を形成する工程の前に、酸素アニールを行う工程を備えることを特徴とする付記7から12の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)
基板上方にキャパシタを形成する工程と、
前記キャパシタを覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜をエッチングして、前記層間絶縁膜に、前記キャパシタに達するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内に第1導電膜を形成する工程と、
前記第1導電膜を形成する工程の後、前記コンタクトホール内に水素バリア膜を形成する工程と、
前記水素バリア膜をエッチバックして、前記コンタクトホール内で前記第1導電膜の少なくとも一部を露出させる工程と、
前記露出させる工程の後、前記コンタクトホール内に第2導電膜を形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記水素バリア膜は酸化アルミニウム膜であることを特徴とする付記14に記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)
前記露出させる工程の後、ALD法により、前記コンタクトホール内に第2導電膜を形成する工程を備えることを特徴とする付記14又は15に記載の半導体装置の製造方法。(付記17)
前記露出させる工程の後であって前記第2導電膜を形成する工程の前に、前記第1導電膜をスパッタエッチングして前記第1導電膜の粒子を飛散させて、前記コンタクトホール内に前記第1導電膜の粒子を堆積する工程を備えることを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記18)
前記第2導電膜は窒化チタン膜であることを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記19)
前記露出させる工程の後、前記コンタクトホール内に第3導電膜を形成する工程を備えることを特徴とする請求項付記14に記載の半導体装置の製造方法。
(付記20)
前記水素バリア膜を形成する工程は、前記コンタクトホール内で、前記コンタクトホールを形成する際に生成されたエッチング生成物と前記キャパシタとの間に前記水素バリア膜を形成することを特徴とする付記14に記載の半導体装置の製造方法。
(付記21)
基板上方にキャパシタを形成する工程と、
前記キャパシタを覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜をエッチングして、前記層間絶縁膜に、前記キャパシタに達するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内に第1導電膜を形成する工程と、
前記第1導電膜をスパッタエッチングして、前記コンタクトホール内で前記キャパシタを露出させつつ、前記第1導電膜の粒子を飛散させて、前記コンタクトホール内に前記第1導電膜の粒子を堆積する工程と、
前記第1導電膜の粒子を堆積する工程の後、前記コンタクトホール内に第2導電膜を形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記22)
前記第2導電膜をスパッタエッチングして前記第2導電膜の粒子を飛散させて、前記コ
ンタクトホール内に前記第2導電膜の粒子を堆積する工程を備えることを特徴とする付記21に記載の半導体装置の製造方法。
(付記23)
前記第1導電膜の粒子を堆積する工程は、前記コンタクトホール内で、前記コンタクトホールを形成する際に生成されたエッチング生成物と前記キャパシタとの間に前記第1導電膜の粒子を堆積することを特徴とする付記21に記載の半導体装置の製造方法。
(付記24)
前記第2導電膜の粒子を堆積する工程は、前記コンタクトホール内で、前記コンタクトホールを形成する際に生成されたエッチング生成物と前記キャパシタとの間に前記第2導電膜の粒子を堆積することを特徴とする付記22に記載の半導体装置の製造方法。