【実施例】
【0079】
以下、本発明の具体的な実施例を比較例とともに示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0080】
(実施例1)
ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極薄膜を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。このITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面をUV/O
3洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10
−4Pa以下まで減圧した。
【0081】
次に、減圧状態を保ったまま、例示化合物B−7と、電子アクセプターとしての三酸化モリブデンとを、膜厚比95:5で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして60nmの厚さに蒸着し、正孔注入層とした。
【0082】
次いで、例示化合物B−7のみを蒸着速度0.1nm/secで50nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層とした。
【0083】
さらに、減圧状態を保ったまま、ホスト材料としての例示化合物B−7と、発光ドーパントとしての例示化合物A−1−1とを、体積比97:3で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
【0084】
次に、減圧状態を保ったまま、電子輸送層として例示化合物B−7のみを25nm、続けて電子注入層として下記構造の化39を5nm、蒸着速度0.1nm/secで蒸着した。
【化39】
【0085】
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで1.2nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nm蒸着し、最後にガラス封止して電界発光素子を得た。
【0086】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.8V、520cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.15eVであった。
【0087】
(実施例2)
発光ドーパントとして、例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−9−2を用いた以外、は実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0088】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.9V、1400cd/m
2の緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.33eVであった。
【0089】
(実施例3)
発光ドーパントとして、例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−11−1を用いた以外は、実施例1と同様にして、電界発光素子を得た。
【0090】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.7V、560cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.17eVであった。
【0091】
(実施例4)
発光ドーパントとして、例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−11−2を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0092】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.7V、720cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.2eVであった。
【0093】
(実施例5)
発光ドーパントとして、例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−11−5を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0094】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.8V、830cd/m
2の青緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.22eVであった。
【0095】
(実施例6)
発光ドーパントとして、例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−11−6を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0096】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.9V、820cd/m
2の青緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.24eVであった。
【0097】
(実施例7)
発光ドーパントとして、例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−11−7を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0098】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が4.0V、870cd/m
2の青緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.26eVであった。
【0099】
(実施例8)
正孔注入層および正孔輸送層で用いた例示化合物B−7に変えて例示化合物B−6を、発光ドーパントとして例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−11−1を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0100】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.8V、660cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0.07eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.17eVであった。
【0101】
(実施例9)
正孔注入層および正孔輸送層で用いた例示化合物B−7に変えて例示化合物B−9を、発光ドーパントとして例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−11−1を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0102】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が4.4V、530cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0.2eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.17eVであった。
【0103】
(実施例10)
正孔注入層および正孔輸送層で用いた例示化合物B−7に変えて例示化合物B−11を、発光ドーパントとして例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−11−1を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0104】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が4.0V、550cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0.16eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.17eVであった。
【0105】
(実施例11)
正孔注入層および正孔輸送層で用いた例示化合物B−7に変えて例示化合物B−10を、発光ドーパントとして例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−11−1を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0106】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が4.1V、560cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0.18eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.17eVであった。
【0107】
(実施例12)
発光ドーパントとして、例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−12−2を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0108】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.8V、2000cd/m
2の緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.37eVであった。
【0109】
(実施例13)
発光ドーパントとして、例示化合物A−1−1に変えて例示化合物A−20−2を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0110】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.7V、480cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.15eVであった。
【0111】
(実施例14)
ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極薄膜を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。このITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面をUV/O
3洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10
−4Pa以下まで減圧した。
【0112】
次に、減圧状態を保ったまま、下記構造の化40を蒸着速度0.1nm/sec で30nmの膜厚に蒸着し、正孔注入層とした。
【0113】
【化40】
【0114】
次いで、下記構造の化41を蒸着速度0.1nm/secで10nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層とした。
【0115】
【化41】
【0116】
さらに、減圧状態を保ったまま、ホスト材料としての例示化合物C−3と、発光ドーパントとしての例示化合物A−4−1とを、体積比97:3で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
【0117】
次に、減圧状態を保ったまま、電子輸送層として例示化合物C−3を50nm、続けて電子注入層としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)を4nm、蒸着速度0.1nm/secで蒸着した。
【0118】
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで0.5nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nm蒸着し、最後にガラス封止して電界発光素子を得た。
【0119】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.9V、1710cd/m
2の緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.19eVであった。
【0120】
(実施例15)
発光ドーパントとして、例示化合物A−4−1に変えて例示化合物A−5−3を用いた以外は、実施例14と同様にして、電界発光素子を得た。
【0121】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が4.0V、1970cd/m
2の黄色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.23eVであった。
【0122】
(実施例16)
発光ドーパントとして、例示化合物A−4−1に変えて例示化合物A−14−1を用いた以外、は実施例14と同様にして、電界発光素子を得た。
【0123】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が4.0V、1830cd/m
2の橙色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.4eVであった。
【0124】
(実施例17)
発光ドーパントとして、例示化合物A−4−1に変えて例示化合物A−14−1を、電子輸送層として例示化合物C−3に変えて下記構造の化42を用いた以外は、実施例14と同様にして電界発光素子を得た。
【0125】
【化42】
【0126】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.8V、2190cd/m
2の橙色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.4eVであった。
【0127】
(実施例18)
発光ドーパントとして、例示化合物A−4−1に変えて例示化合物A−14−1を、電子輸送層として例示化合物C−3に変えて化42を、電子注入層としてAlq3に変えて下記構造の化43を用いた以外は、実施例14と同様にして電界発光素子を得た。
【0128】
【化43】
【0129】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.5V、2330cd/m
2の橙色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層/発光層界面の注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.4eVであった。
【0130】
(実施例19)
正孔輸送層までを実施例14と同様に成膜した後、減圧状態を保ったまま、ホスト材料としての例示化合物C−3と、発光ドーパントとしての例示化合物A−14−1とを、体積比97:3で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
【0131】
次に、減圧状態を保ったまま、電子輸送層として化42の化合物を50nm、続けて電子注入層としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)とLiFの共蒸着膜を重量比で98:2となるように4nm、蒸着速度0.1nm/secで蒸着した。
【0132】
次いで、保護電極としてAlを100nm蒸着し、最後にガラス封止して電界発光素子を得た。
【0133】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.6V、2120cd/m
2の緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.4eVであった。
【0134】
(実施例20)
発光ドーパントとして、例示化合物A−4−1に変えて例示化合物A−22−1を用いた以外は、実施例14と同様にして電界発光素子を得た。
【0135】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が4.0V、1790cd/m
2の橙色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.42eVであった。
【0136】
(実施例21)
発光ドーパントとして、例示化合物A−4−1に変えて例示化合物A−26−1を用いた以外は、実施例14と同様にして電界発光素子を得た。
【0137】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.9V、1660cd/m
2の緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.25eVであった。
【0138】
(実施例22)
発光ドーパントとして、例示化合物A−4−1に変えて例示化合物A−28−1を用いた以外は、実施例14と同様にして電界発光素子を得た。
【0139】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.8V、1520cd/m
2の緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.22eVであった。
【0140】
(実施例23)
ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極薄膜を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。このITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面をUV/O
3洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10
−4Pa以下まで減圧した。
【0141】
次に、減圧状態を保ったまま、例示化合物D−5と、電子アクセプターとしての三酸化モリブデンとを、膜厚比95:5で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして60nmの厚さに蒸着し、正孔注入層とした。
【0142】
次いで、例示化合物D−5のみを蒸着速度0.1nm/secで50nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層とした。
【0143】
さらに、減圧状態を保ったまま、ホスト材料としての例示化合物D−5と、発光ドーパントとしての例示化合物A−16−7とを、体積比97:3で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
【0144】
次いで、下記構造の化44を蒸着速度0.1nm/secで25nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。
【0145】
【化44】
【0146】
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで1.2nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nm蒸着し、最後にガラス封止して電界発光素子を得た。
【0147】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が4.3V、2800cd/m
2の緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は1eVであった。
【0148】
(実施例24)
発光ドーパントとして、例示化合物A−16−7に変えて例示化合物A−17−3を用いた以外は、実施例23と同様にして電界発光素子を得た。
【0149】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が4.1V、2050cd/m
2の緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.85eVであった。
【0150】
(比較例1)
正孔輸送層までを実施例14と同様に成膜した後、減圧状態を保ったまま、ホスト材料としての例示化合物B−7と、発光ドーパントとしての例示化合物A−11−1とを、体積比97:3で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
【0151】
次に、減圧状態を保ったまま、電子輸送層として例示化合物B−7を50nm、続けて電子注入層として化39を4nm、蒸着速度0.1nm/secで蒸着した。
【0152】
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで1.2nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nm蒸着し、最後にガラス封止して電界発光素子を得た。
【0153】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が8.8V、300cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0.5eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.17eVであった。
【0154】
(比較例2)
発光ドーパントとして、例示化合物A−1−1に変えて下記構造の化45を用いた以外は、実施例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0155】
【化45】
【0156】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.4V、210cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層/発光層界面の注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.09eVであった。
【0157】
(比較例3)
発光ドーパントとして、例示化合物A−11−1に変えて化45を用いた以外は、比較例1と同様にして電界発光素子を得た。
【0158】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が8.3V、260cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0.5eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.09eVであった。
【0159】
(比較例4)
発光ドーパントとして、例示化合物A−4−1に変えて下記構造の化46を用いた以外は、実施例14と同様にして電界発光素子を得た。
【0160】
【化46】
【0161】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が3.9V、660cd/m
2の黄色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.13eVであった。
【0162】
(比較例5)
正孔輸送層までを実施例14と同様に成膜した後、減圧状態を保ったまま、ホスト材料としての例示化合物D−5と、発光ドーパントとしての例示化合物A−16−7とを、体積比97:3で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
【0163】
次いで、化44を蒸着速度0.1nm/secで25nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。
【0164】
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで1.2nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nm蒸着し、最後にガラス封止して電界発光素子を得た。
【0165】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が7.1V、1900cd/m
2の緑色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0.7eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は1eVであった。
【0166】
(比較例6)
正孔注入層までを実施例14と同様に成膜した後、減圧状態を保ったまま、下記構造の化47を蒸着速度0.1nm/secで10nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層とした。
【0167】
【化47】
【0168】
次に、減圧状態を保ったまま、ホスト材料としての例示化合物B−7と、発光ドーパントとしての例示化合物A−11−1とを、体積比97:3で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
【0169】
次に、減圧状態を保ったまま、電子輸送層として例示化合物B−7を50nm、続けて電子注入層として化39を4nm、蒸着速度0.1nm/secで蒸着した。
【0170】
次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで1.2nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nm蒸着し、最後にガラス封止して電界発光素子を得た。
【0171】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が7.6V、340cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0.3eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.17eVであった。
【0172】
(比較例7)
ホスト材料および電子輸送材量として用いたB−7をB−6に変えた以外は、比較例6と同様にして電界発光素子を得た。
【0173】
この電界発光素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm
2の電流密度で、駆動電圧が6.8V、390cd/m
2の青色発光が得られた。このデバイスにおける正孔輸送層と発光層との界面の正孔注入障壁は0.23eV、電子トラップ準位(ホスト材料と発光ドーパントとの電子親和力の差)は0.18eVであった。
【0174】
以下に実施例および比較例の一覧を示す。
【表1】