特許第6187097号(P6187097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6187097
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 7/06 20060101AFI20170821BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20170821BHJP
   H01F 17/00 20060101ALN20170821BHJP
【FI】
   H01Q7/06
   H01Q1/38
   !H01F17/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-201223(P2013-201223)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-70367(P2015-70367A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100127199
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 拓也
(72)【発明者】
【氏名】麻生 裕文
(72)【発明者】
【氏名】友成 寿緒
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 由智
(72)【発明者】
【氏名】大井 康裕
(72)【発明者】
【氏名】國塚 光祐
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−221652(JP,A)
【文献】 特開2005−269537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
H01F 17/00
H01Q 1/38
H01Q 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域を囲むように形成された平面導体パターンによって構成されるアンテナ部と、
おもて面に前記アンテナ部が形成された磁性体である基体と、
前記第1の領域に配置された磁心部とを備え、
前記磁心部は、前記アンテナ部と同一平面内に配置された第1の部分と、前記アンテナ部に比べて前記基体から遠い位置に配置された第2の部分とを含み、
前記第1の部分は、前記第2の部分と前記基体の間に位置し、
前記第1の部分と前記基体とは互いに接触している
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1の部分と前記第2の部分とは、同一の平面形状を有する
ことを特徴とする請求項に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記磁心部は、前記平面導体パターンの径方向周囲に位置する第2の領域にさらに配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ装置に関し、特に近距離無線通信用のアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
NFC(Near Field Communication)と呼ばれる近距離無線通信は、近距離無線通信に対応する端末装置と、リーダ/ライタとの間で行われる通信である。近距離無線通信用の端末装置の具体的な例としては、携帯電話やスマートフォンなどの無線通信装置や、カード型電子マネーに対応する非接触型ICカードなどが挙げられる。
【0003】
近距離無線通信用の端末装置には、リーダ/ライタとの間で信号の送受信を行うためのアンテナ装置が搭載される。特許文献1には、そのようなアンテナ装置の例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−12689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近距離無線通信は、元々ごく短い距離での信号の送受信を目的とした通信である。しかしながら近年では、近距離無線通信にもできるだけ通信距離を長くすることが求められるようになってきている。
【0006】
したがって、本発明の目的のひとつは、従来に比べて長い通信距離を得られる近距離無線通信用のアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明によるアンテナ装置は、第1の領域を囲むように形成された平面導体パターンによって構成されるアンテナ部と、前記第1の領域に配置された磁心部とを備え、前記磁心部は、前記アンテナ部と同一平面内に配置された第1の部分を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、磁心部がアンテナ装置のインダクタンスを高める役割を果たすので、磁心部を有しない従来品に比べて、長い通信距離を得ることが可能になる。
【0009】
上記アンテナ装置において、おもて面に前記アンテナ部が形成された基体をさらに備え、前記磁心部は、前記平面導体パターンに比べて前記基体から遠い位置に配置された第2の部分をさらに含み、前記第1の部分は、前記第2の部分と前記基体の間に位置することとしてもよい。こうすれば、アンテナ装置の通信距離をさらに延ばすことが可能になる。なお、この場合において、前記第1の部分と前記第2の部分とは、同一の平面形状を有することが好適である。
【0010】
このアンテナ装置においてさらに、前記基体は非磁性の材料によって構成され、前記基体のうら面を覆うように配置された磁性基板をさらに備えることとしてもよい。こうすれば、基体のうら面側にバッテリーなどの金属体があったとしても、それによるアンテナ装置のインダクタンスの低下を防止することができる。
【0011】
このアンテナ装置においてさらに、前記磁心部は、前記基体と同一平面内に配置された第3の部分をさらに含み、前記第3の部分と前記磁性基板とは互いに接触していることとしてもよい。また、前記基体は前記第1の領域に設けられた開口部を有し、前記第3の部分は、前記開口部内に設けられることとしてもよい。こうすれば、磁心部と磁性基板とを一体のものとして構成できる。なお、これらの場合において、前記第1の部分と前記第2の部分とは、同一の平面形状を有することが好適である。
【0012】
上記アンテナ装置において、前記基体は磁性基板であり、前記第1の部分と前記基体とは互いに接触していることとしてもよい。これによれば、基体が、アンテナ部の土台としての役割と、基体のうら面側に存在し得る金属体の影響によるインダクタンス低下を防止する役割との両方を果たすので、前者の役割を非磁性の基体に担わせ、かつ後者の役割を該非磁性の基体のうら面に配置した磁性基板に担わせる場合に比べ、アンテナ装置を薄型化することが可能になる。
【0013】
上記各アンテナ装置において、前記磁心部は、前記平面導体パターンの径方向周囲に位置する第2の領域にさらに配置されることとしてもよい。これによれば、アンテナ装置のインダクタンスをより高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、磁心部がアンテナ装置のインダクタンスを高める役割を果たすので、磁心部を有しない従来品に比べて、長い通信距離を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態によるアンテナ装置1aの斜視図である。
図2】(a)は、図1に示したA−A線に対応するアンテナ装置1aの断面図であり、(b)はアンテナ装置1aの上面図である。
図3】本発明の第2の実施の形態によるアンテナ装置1bの分解斜視図である。
図4】(a)はアンテナ装置1bの断面図であり、(b)はアンテナ装置1bの上面図である。
図5】本発明の第3の実施の形態によるアンテナ装置1cの分解斜視図である。
図6】(a)はアンテナ装置1cの断面図であり、(b)はアンテナ装置1cの上面図である。
図7】(i)は本発明の第3の実施の形態によるアンテナ装置1dの断面図であり、(j)はアンテナ装置1dの斜視図である。また、(a)(c)(e)(g)は製造途中におけるアンテナ装置1cの断面図であり、(b)(d)(f)(h)はそれぞれ(a)(c)(e)(g)に対応するアンテナ装置1cの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
本発明の第1の実施の形態によるアンテナ装置1aは、図1及び図2に示すように、基体2aと、アンテナ部3と、磁心部5aとを備えて構成される。アンテナ装置1aは、図示しない制御装置とともに、上述した近距離無線通信用の端末装置(携帯電話やスマートフォンなどの無線通信装置、非接触型ICカードなど)に搭載されるもので、図示しないリーダ/ライタが送信した信号を受信して制御装置に出力するとともに、制御装置が生成した信号をリーダ/ライタに向けて送信する役割を担う。
【0018】
基体2aは、例えば樹脂などの非磁性の材料からなるフィルム状の部材である。基体2aを構成する樹脂としては、ポリイミドを用いることが好適である。具体的には、フレキシブルプリント基板を基体2aとして使用することが好適であるが、フレキシブルプリント基板のような柔軟性を有しない部材であっても、基体2aとして使用することは可能である。
【0019】
アンテナ部3は、基体2aのおもて面に形成された平面スパイラル形状の導体パターンによって構成される。図2に示した第1の領域A1はアンテナ部3の中央領域であり、アンテナ部3を構成する平面導体パターンは、第1の領域A1を囲むように形成されている。アンテナ部3は、基体2aの表面に導体パターンを印刷することによって形成してもよいし、基体2aの全面に形成された導体箔をエッチングすることによって形成してもよい。アンテナ部3の巻回数は、1以上であればよい。図1及び図2には、巻回数が4である場合を例示している。
【0020】
図1及び図2(b)に示したアンテナ部3の端部3a,3bは、図示しない制御回路に接続される。図示しないリーダ/ライタが発する電磁波が第1の領域A1を通過すると、アンテナ部3に誘導電流が発生する。この誘導電流は、端部3a,3bを通じて、図示しない制御回路に供給される。これにより、リーダ/ライタから端末装置への信号の送信が実現される。一方、図示しない制御回路が生成した信号が端部3a,3bを通じてアンテナ部3に供給されると、電磁誘導によって、アンテナ部3の周囲に誘導磁場が発生する。リーダ/ライタがこの誘導磁場を受信することにより、端末装置からリーダ/ライタへの信号の送信が実現される。
【0021】
磁心部5aは、磁性粉含有樹脂やフェライト基板などの高い透磁率を有する磁性材料であり、基体2aのおもて面のうち第1の領域A1内に相当する部分に形成される。磁心部5aの具体的な形成方法としては、磁心部5aが磁性粉含有樹脂である場合には塗布又はスクリーン印刷、磁心部5aがフェライト基板である場合には接着剤による貼り付けを用いることが好適である。
【0022】
磁心部5aは、図2(a)に示すように、同一の平面形状を有する第1及び第2の部分4a,4bによって構成される。第1の部分4aはアンテナ部3と同一平面内に配置された部分であり、第2の部分4bと基体2aの間に位置している。第1の部分4aの平面的な広がりは、基体2aに余白部分を設ける必要があることを考慮して、第1の領域A1より少し小さい程度に設定される。第2の部分4bは、アンテナ部3を構成する平面導体パターンに比べて基体2aから遠い位置に配置された部分であり、基体2aとは反対の方向へ第1の部分4aを延長したと仮定した場合の、第1の部分4aの延長部分に相当する。
【0023】
磁心部5aが存在していることにより、アンテナ装置1aのインダクタンスは、磁心部5aが存在していないと仮定した場合に比べて高められている。したがって、アンテナ装置1aでは、磁心部5aを設けない場合に比べて、長い通信距離を得ることが可能となっている。また、特に第2の部分4bは、アンテナ部3の周囲に発生する誘導磁場を構成する磁束をリーダ/ライタ方向に膨らませる効果を有するので、アンテナ装置1aでは、さらに長い通信距離を得ることが可能になっている。
【0024】
以上説明したように、アンテナ装置1aによれば、磁心部5aがインダクタンスを高める役割を果たすので、磁心部を有しない従来品に比べて、長い通信距離を得ることが可能になる。また、特に磁心部5aが第2の部分4bを含むことにより、より長い通信距離を得ることが実現される。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態によるアンテナ装置1bは、図3及び図4図1及び図2とを比較すると理解されるように、基体2aに開口部2oが設けられている点、磁心部5aが第3の部分4cをさらに含む点、及び、磁性基板6をさらに備える点で第1の実施の形態によるアンテナ装置1aと相違し、他の点ではアンテナ装置1aと同様である。以下、相違点に着目して説明する。
【0026】
基体2aの開口部2oは、図4(a)(b)に示すように、必要な余白部分を残したうえで、第1の領域A1に相当する領域のほぼ全域にわたって設けられる。別の言い方をすれば、基体2aは、アンテナ部3を構成する平面導体パターンの形成領域と、その周囲に必要となる余白領域とだけを残し、その他の部分が切り取られた形状を有している。基体2aは、うら面に貼り付けた両面テープ(不図示)によって、磁性基板6と接着される。
【0027】
磁心部5aの第3の部分4cは、開口部2o内に配置された磁性材料によって構成される。第3の部分4cの平面形状は、第1及び第2の部分4a,4bの平面形状と同一とすることが好ましい。開口部2o内に配置されていることから、第3の部分4cは、基体2aと同一平面内に配置されている。磁心部5aの第1〜第3の部分4a〜4cは一体に形成されており、第3の部分4cは、基体2aの方向へ第1の部分4aを延長したと仮定した場合の、第1の部分4aの延長部分に相当する。
【0028】
磁性基板6は、基体2aのうら面を覆うように配置された平板状の磁性材料であり、具体的にはフェライト基板によって構成される。磁性基板6は、図4(a)から理解されるように、基体2aのうら面の全面及び磁心部5aの第3の部分4cのうら面(磁性基板6側の面)の全面と接している。上述したように、基体2aと磁性基板6の間は両面テープ(不図示)によって接着される。
【0029】
ここで、本実施の形態では、一枚のフェライト基板を加工することによって、磁心部5a及び磁性基板6を一体的に形成することが好適である。具体的に説明すると、フェライト基板の表面を、第1の領域A1に相当する部分のみ残して掘り下げることにより、磁心部5a及び磁性基板6を形成することが好適である。この場合、掘り下げられずに突出した部分が磁心部5aとなり、掘り下げ部の底面より下側に位置する部分が磁性基板6となる。ただし、磁性基板6の表面に磁性粉含有樹脂を塗布又はスクリーン印刷する方法や、他のフェライト基板を貼り付ける方法により、磁心部5aを形成することも可能である。
【0030】
本実施の形態によるアンテナ装置1bによれば、第1の実施の形態によるアンテナ装置1aと同様の効果の他に、磁性基板6による遮蔽効果により、基体2aのうら面側に近接して導体が配置されることによるアンテナ装置1bのインダクタンスの低下を防止することが可能になる。この効果は、アンテナ装置1bが携帯電話やスマートフォンなどの無線通信装置に搭載されるものである場合に、特に有用である。つまり、これらの無線通信装置では、アンテナ装置1bのインダクタンスの低下の原因となり得る金属製バッテリーが、基体2aのうら面側に近接して配置されることが多い。アンテナ装置1bでは、基体2aのうら面側に磁性基板6を設けていることから、このような金属製バッテリーによるアンテナ装置1bのインダクタンスの低下が好適に防止される。
【0031】
さらに、アンテナ装置1bによれば、基体2aに開口部2oを設けてその内部に磁心部5aの第3の部分4cを配置し、磁性基板6と第3の部分4cとが接するようにしているので、上述したように、磁心部5a及び磁性基板6を一体的に形成することが可能になる。したがって、製造コストを下げることが可能になる。
【0032】
次に、本発明の第3の実施の形態によるアンテナ装置1cは、図5及び図6図3及び図4とを比較すると理解されるように、磁心部5bをさらに備える点、及び、磁心部5bに対応して磁性基板6の面積が拡大している点で第2の実施の形態によるアンテナ装置1bと異なり、他の点ではアンテナ装置1bと同様である。以下、相違点に着目して説明する。
【0033】
磁心部5bは、アンテナ部3の径方向周囲に位置する第2の領域A2に配置される。具体的には、アンテナ部3を径方向から取り囲むように配置された一定幅の線状の磁性体であり、磁心部5aと同様、第1〜第3の部分4a〜4cを含んで構成される。磁心部5aと磁心部5bとの間には溝5gが形成されており、基体2a及びアンテナ部3はこの溝5gの内部に収納される。なお、磁心部5bは、磁心部5aと同様の形成方法により、磁心部5aと同一の工程で形成することが好適である。
【0034】
アンテナ装置1cによれば、磁心部5bが存在していることにより、アンテナ装置1bに比べてさらに高いインダクタンスが実現される。したがって、アンテナ装置1cによれば、アンテナ装置1bよりもさらに長い通信距離を得ることが可能になる。
【0035】
次に、本発明の第4の実施の形態によるアンテナ装置1dは、図7(i)(j)と図3及び図4とを比較すると理解されるように、基体2a及び磁性基板6に代えて基体2bを有するとともに、磁心部5a,5bが第3の部分4cを含まない点で第3の実施の形態によるアンテナ装置1cと相違し、他の点ではアンテナ装置1cと同様である。以下、相違点に着目して説明する。
【0036】
基体2bは、アンテナ装置1cを構成する磁性基板6と同様の平板状の磁性材料であり、具体的にはフェライト基板によって構成される。本実施の形態によるアンテナ部3は、基体2bのおもて面に形成される。また、本実施の形態による磁心部5aの第1の部分4aは、基体2bのおもて面に接している。
【0037】
本実施の形態によるアンテナ装置1dによれば、磁性基板である基体2bが、アンテナ部3の土台としての役割と、基体2bのうら面側に存在し得る金属体の影響によるインダクタンス低下を防止する役割との両方を果たす。したがって、前者の役割を非磁性の基体2aに担わせ、かつ後者の役割を該基体2aのうら面に配置した磁性基板6に担わせるアンテナ装置1cに比べ、アンテナ装置の薄型化が実現される。
【0038】
以下、アンテナ装置1dの製造方法について、図7を参照しながら説明する。
【0039】
まず、図7(a)(b)に示すように、磁性基板である基体2bを用意する。そして、図7(c)(d)に示すように、基体2bのおもて面にアンテナ部3を形成する。この工程は、導体膜の印刷によって行うことが好適である。
【0040】
次に、図7(e)(f)に示すように、基体2bのおもて面に樹脂膜7を印刷する。このとき、樹脂膜7の膜厚をアンテナ部3の全体を覆う程度とする一方、磁心部5a,5bの形成領域が樹脂膜7に覆われないようにする必要がある。こうして形成した樹脂膜7は、次工程におけるフェライトの印刷時に、アンテナ部3を構成する平面導体パターンが移動してしまうことを防止する役割を果たす。
【0041】
続いて、図7(g)(h)に示すように、基体2bのおもて面に磁心部5a,5bを形成する。この工程は、ペースト状のフェライトを印刷することによって行うことが好適である。
【0042】
最後に、焼成を行うことにより、磁心部5a,5bを基体2bに固着させるとともに、樹脂膜7を蒸発させる。以上の工程により、図7(i)(j)に示すアンテナ装置1dが完成する。
【0043】
以上説明したように、図7に示した製造方法によれば、非磁性の基体2a及び磁性基板6に代えて磁性基板である基体2bを有するアンテナ装置1dを形成することが可能になる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0045】
例えば、上記各実施の形態では、磁心部5aの第1及び第2の部分4a,4bの平面形状が同一であるとしたが、第1及び第2の部分4a,4cの平面形状は必ずしも同一でなくてもよい。そのような場合の例としては、例えば、磁心部5aの上面が膨らんでおり、膨らんだ部分の上端の一部分のみが、アンテナ部3を構成する平面導体パターンに比べて基体2aから遠い位置に位置して第2の部分4bを構成している例などが挙げられる。第3の部分4cの平面形状についても同様であり、第1及び第2の部分4a,4cの平面形状と必ずしも同一でなくてもよい。
【0046】
また、上記各実施の形態では、アンテナ部3の平面的な形状を角丸正方形としているが、アンテナ部3の平面的な形状はアンテナ装置が搭載される端末装置内の空間の形状によって決定されるものであり、長方形、角丸長方形、円形、長円形など各種の形状となることがあり得る。本発明は、アンテナ部3の平面的な形状によらず適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1a〜1d アンテナ装置
2a 基体(非磁性の部材)
2b 基体(磁性基板)
2o 開口部
3 アンテナ部
3a,3b アンテナ部の端部
4a 磁心部5a,5bの第1の部分
4b 磁心部5a,5bの第2の部分
4c 磁心部5a,5bの第3の部分
5a 第1の領域A1に配置される磁心部
5b 第2の領域A2に配置される磁心部
5g 溝
6 磁性基板
7 樹脂膜
A1 第1の領域
A2 第2の領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7