(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1または複数の機能を実行可能な電子機器との間で第1の通信方式または第2の通信方式により選択的に通信可能に構成され、前記第1の通信方式により通信を行うことにより、前記電子機器から方式優先情報を取得する通信部と、
前記方式優先情報に基づいて、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方を選択し、前記通信部に対してその選択した通信方式により前記電子機器との間で通信を行うように指示する制御部と
を備え、
前記1または複数の機能のそれぞれは、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方または双方と対応づけられ、
前記制御部は、
表示部を制御して、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方に対応づけられた第1の機能に対応づけられた第1のアイコンと、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式の双方に対応づけられた第2の機能に対応づけられた第2のアイコンとを、同じ画面内に表示させ、
機能を指示する指示情報を受け取り、
前記第1の機能が指示されたときは、対応づけられた通信方式を選択し、
前記第2の機能が指示されたときは、前記方式優先情報に基づいて前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方を選択する
制御装置。
前記通信部は、さらに他の制御装置との間で前記第1の通信方式または前記第2の通信方式により選択的に通信可能に構成され、前記第1の通信方式により通信を行うことにより、前記他の制御装置に対して他の方式優先情報を供給し、
前記処理部は、前記他の方式優先情報を生成する
請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
<実施の形態>
[構成例]
図1は、実施の形態に係るオーディオシステムの一構成例を表すものである。オーディオシステム1は、複数の通信手段により通信可能に構成されたものである。なお、本開示の実施の形態に係る制御装置、電子機器、制御システム、および制御方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。オーディオシステム1は、モバイル機器10と、オーディオ機器20と、アクセスポイント31と、メディアサーバ32と、サーバ34とを備えている。
【0017】
モバイル機器10は、この例では多機能携帯電話(いわゆるスマートフォン)である。モバイル機器10は、この例では、ブルートゥース通信C1または
無線LAN通信C2によりオーディオ機器20と通信を行うことにより、オーディオ機器20の動作を制御することができるようになっている。
【0018】
なお、この例では、多機能携帯電話をモバイル機器10として用いたが、これに限定されるものではなく、オーディオ機器20の動作を制御するものであればどのような電子機器でもよい。具体的には、例えば、いわゆるタブレット端末や、ノート型のPC(Personal Computer)が使用可能である。また、このような携帯型電子機器に限定されるものではなく、据置型の電子機器であってもよい。具体的には、例えば、デスクトップ型のPCを用いることができる。
【0019】
図2は、モバイル機器10の一構成例を表すものである。モバイル機器10は、マイク11と、スピーカ12と、電話通信部13と、ブルートゥース通信部14と、無線LAN通信部15と、操作部16と、表示部17と、制御部18とを有している。
【0020】
マイク11は、音を電気信号に変換するものであり、スピーカ12は、電気信号に基づいて音を発するものである。電話通信部13は、携帯電話の基地局との間で、無線通信を行うものである。
【0021】
ブルートゥース通信部14は、ブルートゥース通信C1によりオーディオ機器20との間で通信を行うものである。ブルートゥース通信C1は、近距離無線通信による通信方式であり、例えば、低い消費電力で通信を行うことができるものである。モバイル機器10は、後述するように、いわゆるペアリング手続きをすることにより、オーディオ機器20とブルートゥース通信C1を行うことができる。これにより、モバイル機器10では、ユーザが様々な複雑な設定を行うことなく、容易にオーディオ機器20と通信することができるようになっている。
【0022】
なお、この例では、通信方式としてブルートゥースを用いたが、これに限定されるものではなく、トランスファージェット、NFCなどを用いることができる。また、このような無線通信に限定されるものではなく、例えばUSBのように有線により通信を行うようにしてもよい。
【0023】
無線LAN通信部15は、無線LAN通信C2によりアクセスポイント31を介してオーディオ機器20と通信を行うものである。無線LAN通信C2は、ブルートゥース通信C1に比べ、より高い通信速度で、より多くの電子機器の間で通信することができる通信方式である。また、無線LAN通信部15は、アクセスポイント31を介して、アクセスポイント31に接続されたメディアサーバ32や、インターネット33に接続されたサーバ34とも通信を行うようになっている。
【0024】
なお、この例では、通信方式として無線LANを用いたが、これに限定されるものではなく、メディアサーバ32やサーバ34などと通信できるものであればどのようなものであってもよい。また、無線通信に限定されるものではなく、例えば有線LANのように有線により通信を行うようにしてもよい。
【0025】
操作部16は、ユーザがモバイル機器10を操作するためのユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネルなどを用いて構成されるものである。表示部17は、モバイル機器10の動作状態や機能を表示するユーザインタフェースであり、例えば、液晶表示部や有機EL(Electro Luminescence)表示部などを用いて構成されるものである。
【0026】
制御部18は、操作部16からの指示に基づいて、モバイル機器10のこれらの各ブロックを制御するものである。また、制御部18は、ブルートゥース通信部14を介してブルートゥース通信C1によりオーディオ機器20と通信し、あるいは無線LAN通信部15を介して無線LAN通信C2によりオーディオ機器20と通信することにより、オーディオ機器20を制御する機能をも有している。
【0027】
モバイル機器10は、様々なソフトウェアがプリインストールされており、また、さらに様々なソフトウェアをインストールできるように構成されている。そして、制御部18がこれらのソフトウェアを実行することにより、モバイル機器10が各ソフトウェアに応じた様々な機能を実行できるようになっている。モバイル機器10には、モバイル機器10とオーディオ機器20とを連携して動作させるための機器連携ソフトウェア19がインストールされている。
【0028】
機器連携ソフトウェア19は、モバイル機器10が有する機能のうちのオーディオ機器20に係る機能F10と、オーディオ機器20が有する機能F20とをまとめて管理するものである。ここで、機能F10は、モバイル機器10とオーディオ機器20との間で通信することにより、モバイル機器10がオーディオ機器20に音楽などを再生させる機能である。機能F20は、モバイル機器10とオーディオ機器20との間で通信することにより、オーディオ機器20が、モバイル機器10から指示を受け、その指示に基づいて音楽などを再生する機能である。そして、機器連携ソフトウェア19は、後述するように、ユーザがモバイル機器10を用いてオーディオ機器20を操作する際、これらの機能F10,F20に係るアイコンを一画面内に表示する。これにより、ユーザは、モバイル機器10とオーディオ機器20との間の通信方式(ブルートゥース通信C1または無線LAN通信C2)や、モバイル機器10とオーディオ機器20のどちらが有する機能であるかを意識することなく、シームレスにオーディオ機器20を操作することができるようになっている。
【0029】
オーディオ機器20は、この例では据置型のオーディオ機器であり、例えば、コンパクトディスクまたはメディアサーバ32に記録された音楽データに基づいて音楽を再生し、あるいは、サーバ34から音楽データをダウンロードまたはストリーミングにより取得して音楽を再生するものである。オーディオ機器20は、この例では、ブルートゥース通信C1または
無線LAN通信C2によりモバイル機器10と通信を行い、モバイル機器10と連携して動作することができるようになっている。
【0030】
なお、この例では、据置型のオーディオ機器20を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、携帯型のオーディオ機器を用いてもよいし、オーディオ機器20と同様の機能を有する他の電子機器であってもよい。具体的には、タブレット端末、ノート型のPC、デスクトップ型のPCなどを用いることができる。
【0031】
図3は、オーディオ機器20の一構成例を表すものである。オーディオ機器20は、チューナ21Aと、USBインタフェース21Bと、ディスクドライブ21Cと、操作部22と、表示部23と、ブルートゥース通信部24と、無線LAN通信部25と、制御部28と、パワーアンプ26と、スピーカ27とを有している。
【0032】
チューナ21A、USBインタフェース21B、ディスクドライブ21Cは、オーディオ機器20の音源ソースである。具体的には、チューナ21Aは、FM放送やAM放送などを受信するものである。USBインタフェース21Bは、外部の電子機器とUSB接続をするためのものであり、このUSB接続を介して、例えば、外部の電子機器に記憶された音楽データなどを取得するようになっている。ディスクドライブ21Cは、この例では、コンパクトディスクのドライブであり、コンパクトディスクに記憶された音楽データを読み出すものである。
【0033】
操作部22は、ユーザがオーディオ機器20を操作するためのユーザインタフェースであり、例えば、各種ボタン、ダイヤル、タッチパネルなどを用いて構成されるものである。表示部23は、オーディオ機器20の動作状態や機能を表示するユーザインタフェースであり、例えば、液晶表示部や有機EL表示部などを用いて構成されるものである。
【0034】
ブルートゥース通信部24は、ブルートゥース通信C1によりモバイル機器10との間で通信を行うものである。
【0035】
無線LAN通信部25は、無線LAN通信C2によりアクセスポイント31を介してモバイル機器10と通信を行うものである。また、無線LAN通信部25は、アクセスポイント31を介して、アクセスポイント31に接続されたメディアサーバ32や、インターネット33に接続されたサーバ34とも通信を行うようになっている。
【0036】
制御部28は、操作部22からの指示に基づいて、オーディオ機器20のこれらの各ブロックを制御するものである。また、制御部28は、ブルートゥース通信部24を介してブルートゥース通信C1によりモバイル機器10と通信を行い、あるいは無線LAN通信部25を介して無線LAN通信C2によりモバイル機器10と通信を行うことにより、モバイル機器10から指示を受け、その指示に基づいて、オーディオ機器20のこれらの各ブロックを制御する機能をも有している。具体的には、例えば、制御部28は、例えば、チューナ21A、USBインタフェース21B、ディスクドライブ21Cのうちの1つを音源ソースとして選択して、その音源ソースから供給された音楽データをアナログ信号としてパワーアンプ26に供給する。また、例えば、制御部28は、モバイル機器10からブルートゥース通信C1により供給された音楽データや、メディアサーバ32またはサーバ34から無線LAN通信C2により供給された音楽データをアナログ信号としてパワーアンプ26に供給するようになっている。
【0037】
パワーアンプ26は、制御部28から供給されたアナログ信号を増幅して、スピーカ27を駆動するものである。スピーカ27は、パワーアンプ26による駆動に基づいて、音を発するものである。
【0038】
アクセスポイント31は、無線LANのアクセスポイントであり、モバイル機器10およびオーディオ機器20との間で無線LAN通信C2を行うものである。また、アクセスポイント31は、有線LAN通信C3により、メディアサーバ32と通信を行うとともに、インターネット33を介してサーバ34と通信を行うようになっている。
【0039】
メディアサーバ32は、この例では、音楽データなどを記憶するものであり、モバイル機器10やオーディオ機器20からの指示に応じて、これらのデータをネットワーク経由(無線LAN通信C2および有線LAN通信C3)でモバイル機器10やオーディオ機器20に供給するものである。この例では、メディアサーバ32は、有線LAN通信C3により、アクセスポイント31と通信を行うようになっている。
【0040】
サーバ34は、この例では、音楽配信サービスを行うものである。具体的には、サーバ34は、モバイル機器10やオーディオ機器20からの要求に応じて、モバイル機器10やオーディオ機器20に対して音楽データをダウンロードまたはストリーミングにより供給するようになっている。
【0041】
ここで、モバイル機器10は、本開示における「制御装置」の一具体例に対応する。オーディオ機器20は、本開示における「電子機器」の一具体例に対応する。ブルートゥース通信C1は、本開示における「第1の通信方式」の一具体例に対応し、無線LAN通信C2は、本開示における「第2の通信方式」の一具体例に対応する。ブルートゥース通信部14および無線LAN通信部15は、本開示における「制御装置」の「通信部」一具体例に対応する。ブルートゥース通信部24および無線LAN通信部25は、本開示における「電子機器」の「通信部」一具体例に対応する。制御部28は、本開示における「処理部」一具体例に対応する。
【0042】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のオーディオシステム1の動作および作用について説明する。
【0043】
(全体動作概要)
まず、
図1〜3を参照して、オーディオシステム1の全体動作概要を説明する。モバイル機器10は、ブルートゥース通信C1または
無線LAN通信C2によりオーディオ機器20と通信を行い、オーディオ機器20の動作を制御する。具体的には、ブルートゥース通信部14は、ブルートゥース通信C1によりオーディオ機器20との間で通信を行う。無線LAN通信部15は、無線LAN通信C2によりアクセスポイント31を介してオーディオ機器20と通信を行うとともに、アクセスポイント31を介して、アクセスポイント31に接続されたメディアサーバ32や、インターネット33に接続されたサーバ34と通信を行う。表示部17は、モバイル機器10の動作状態や機能を表示する。ユーザは、操作部16を用いてモバイル機器10を操作する。制御部18は、操作部16からの指示に基づいて、モバイル機器10のこれらの各ブロックを制御する。また、制御部18は、ブルートゥース通信部14を介してブルートゥース通信C1によりオーディオ機器20と通信を行い、あるいは無線LAN通信部15を介して無線LAN通信C2によりオーディオ機器20と通信を行うことにより、オーディオ機器20を制御する。機器連携ソフトウェア19は、モバイル機器10が有する機能のうちのオーディオ機器20に音楽を再生させる機能F10と、オーディオ機器20が有する機能F20とをまとめて管理する。
【0044】
オーディオ機器20は、ブルートゥース通信C1または
無線LAN通信C2によりモバイル機器10と通信を行い、モバイル機器10と連携して動作して、音楽などを再生する。具体的には、チューナ21Aは、FM放送やAM放送などを受信し、USBインタフェース21Bは、外部の電子機器に記憶された音楽データなどを取得し、ディスクドライブ21Cは、コンパクトディスクに記憶された音楽データを読み出す。表示部23は、オーディオ機器20の動作状態や機能を表示する。ユーザは、操作部22を用いてオーディオ機器20を操作する。ブルートゥース通信部24は、ブルートゥース通信C1によりモバイル機器10との間で通信を行う。無線LAN通信部25は、無線LAN通信C2によりアクセスポイント31を介してモバイル機器10と通信を行うとともに、アクセスポイント31を介して、アクセスポイント31に接続されたメディアサーバ32や、インターネット33に接続されたサーバ34と通信を行う。制御部28は、操作部22からの指示に基づいて、オーディオ機器20のこれらの各ブロックを制御する。また、制御部28は、ブルートゥース通信部24を介してブルートゥース通信C1によりモバイル機器10と通信を行い、あるいは無線LAN通信部25を介して無線LAN通信C2によりモバイル機器10と通信を行うことにより、モバイル機器10から指示を受け、その指示に基づいて、オーディオ機器20のこれらの各ブロックを制御する。そして、制御部28は、パワーアンプ26にアナログ信号を供給し、スピーカ27が音を発する。
【0045】
(機器連携ソフトウェア19)
機器連携ソフトウェア19は、モバイル機器10が有する機能のうちのオーディオ機器20に音楽を再生させる機能F10と、オーディオ機器20が有する機能F20とをまとめて管理する。以下に、機器連携ソフトウェア19について詳細に説明する。
【0046】
図4は、機器連携ソフトウェア19を実行したときにモバイル機器10の表示部17に表示される表示画面P1を表すものである。この表示画面P1は、ユーザがモバイル機器10を用いてオーディオ機器20を操作する際に表示されるものである。なお、この例では、表示部17が表示画面P1をそのまま表示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、表示部17が表示画面P1の一部を表示し、ユーザがスクロールバーなどを操作することにより表示画面P1の全部を見ることができるように構成してもよい。この表示画面P1には、オーディオ機器20に関する機能F10,F20が、アイコンIC1〜IC10として表示されている。なお、この例では、オーディオ機器20のデバイス名は“DevA”である。アイコンIC1〜IC6が示す機能は、オーディオ機器20が有する機能F20であり、アイコンIC7〜IC10が示す機能は、モバイル機器10が有する機能F10である。
【0047】
アイコンIC1〜IC10が示す機能は、モバイル機器10とオーディオ機器20との間で、ブルートゥース通信C1のみにより実行することができる機能G1と、無線LAN通信C2のみにより実行することができる機能G2と、ブルートゥース通信C1および無線LAN通信C2のどちらで通信しても実行することができる機能G12に区分される。具体的には、アイコンIC1,IC2が示す機能は、無線LAN通信C2のみにより実行することができる機能G2であり、アイコンIC3〜IC6が示す機能は、ブルートゥース通信C1および無線LAN通信C2のどちらで通信しても実行することができる機能G12であり、アイコンIC7〜IC10が示す機能は、ブルートゥース通信C1のみにより実行することができる機能G1である。以下に、アイコンIC1〜IC10のそれぞれが示す機能について、具体的に説明する。
【0048】
アイコンIC1が示す機能は、オーディオ機器20が有する機能であり、この例では、メディアサーバ32に記録された音楽データに基づいて、音楽を再生する機能である。具体的には、ユーザがこの機能を選択することにより、モバイル機器10は、オーディオ機器20に対して無線LAN通信C2により、この機能が選択されたことを通知する。そして、オーディオ機器20は、無線LAN通信C2によりメディアサーバ32に記録された音楽データを取得して、その音楽データに基づいて音楽を再生する。
【0049】
アイコンIC2が示す機能は、オーディオ機器20が有する機能であり、サーバ34から音楽データをダウンロードまたはストリーミングにより取得して音楽を再生する機能である。具体的には、ユーザがこの機能を選択すると、モバイル機器10は、オーディオ機器20に対して無線LAN通信C2により、この機能が選択されたことを通知する。そして、オーディオ機器20は、無線LAN通信C2によりサーバ34から音楽データをダウンロードまたはストリーミングにより取得して、その音楽データに基づいて音楽を再生する。
【0050】
アイコンIC3が示す機能は、オーディオ機器20が有する機能であり、チューナ21Aを音源ソースとして選択する機能である。アイコンIC4が示す機能は、オーディオ機器20が有する機能であり、USBインタフェース21Bを音源ソースとして選択する機能である。アイコンIC5が示す機能は、オーディオ機器20が有する機能であり、音楽データを自動的に選択して再生する機能である。アイコンIC6は、ディスクドライブ21Cを音源ソースとして選択する機能である。具体的には、ユーザがこれらの機能を選択すると、モバイル機器10は、オーディオ機器20に対して、ブルートゥース通信C1または無線LAN通信C2により、この機能が選択されたことを通知する。そして、オーディオ機器20は、これらの機能に応じた音源ソースを選択する。
【0051】
アイコンIC7〜IC10が示す機能は、モバイル機器10が有する機能であり、オーディオ機器20に、例えば音楽などを再生させる機能である。具体的には、ユーザがこの機能を選択すると、モバイル機器10は、オーディオ機器20に対して、ブルートゥース通信C1により、この機能が選択されたことを通知する。そして、モバイル機器10は、ブルートゥース通信C1によりオーディオ機器20に対して音楽データなどを供給し、オーディオ機器20は、供給された音楽データなどに基づいて、音楽などを再生する。
【0052】
このように、機器連携ソフトウェア19は、モバイル機器10が有する機能のうちのオーディオ機器20に音楽などを再生させる機能F10と、オーディオ機器20が有する機能F20とをまとめて管理し、これらの機能F10,F20に係るアイコンIC1〜IC10を一画面内に表示する。すなわち、機器連携ソフトウェア19は、ブルートゥース通信C1のみにより実行することができる機能G1(アイコンIC7〜IC10が示す機能)、無線LAN通信C2のみにより実行することができる機能G2(アイコンIC1,IC2が示す機能)、ブルートゥース通信C1および無線LAN通信C2のどちらで通信しても実行することができる機能G12(アイコンIC3〜IC6が示す機能)を一画面内に表示する。これにより、オーディオシステム1では、ユーザの利便性を高めることができる。
【0053】
すなわち、このように機能F10,F20をまとめて管理し、これらの機能F10,F20に係るアイコンIC1〜IC10を一画面内に表示しない場合には、ユーザの利便性が低下するおそれがある。具体的には、例えば、機能が通信方式により別々に管理されている場合には、ユーザは、まず、モバイル機器を操作して、ブルートゥース通信C1または無線LAN通信C2を選択してオーディオ機器と通信を行い、機能を選択することとなる。その際、例えば、ブルートゥース通信C1を選択した場合には、ブルートゥース通信C1により実行することができる機能のみが表示され、ユーザはその機能のうちから使用する機能を選択する。また、同様に、無線LAN通信C2を選択した場合には、無線LAN通信C2により実行することができる機能のみが表示され、ユーザはその機能のうちから使用する機能を選択する。よって、ユーザは、各機能が、ブルートゥース通信C1および無線LAN通信C2のうちのどちらにより実行することができる機能であるかを意識する必要がある。
【0054】
また、例えば、モバイル機器10が有する機能F10のみを管理対象とし、オーディオ機器20が有する機能F20を管理対象にしない場合には、例えば、機能F10を実行するときはモバイル機器10を操作し、機能F20を実行するときはオーディオ機器20を直接操作し、ネットワークコンテンツを再生するときはモバイル機器10やオーディオ機器20を操作することとなる。すなわち、この場合には、機能やコンテンツにより操作する対象機器が変わってしまう。よって、ユーザは、各機能がどの機器により実現され、各コンテンツがどの機器により再生されるのかを意識する必要がある。
【0055】
一方、オーディオシステム1では、モバイル機器10が有する機能のうちのオーディオ機器20に音楽などを再生させる機能F10と、オーディオ機器20が有する機能F20とをまとめて管理するようにした。これにより、ユーザは、モバイル機器10とオーディオ機器20との間の通信方式(ブルートゥース通信C1または無線LAN通信C2)や、モバイル機器10とオーディオ機器20のどちらが有する機能であるかを意識することなく、シームレスにオーディオ機器20を操作することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0056】
モバイル機器10の機器連携ソフトウェア19は、オーディオ機器20とブルートゥース通信C1を行うことにより、オーディオ機器20が有する機能F20を取得し、この機能F20と、モバイル機器10が有する機能F10とをまとめて管理する。以下に、機器連携ソフトウェア19の、機能F20の取得動作について説明する。
【0057】
図5は、機器連携ソフトウェア19の動作を模式的に表すものである。機器連携ソフトウェア19は、
図5に示すように、モバイル機器10のソフトウェア群49から、モバイル機器10が有する機能のうちのオーディオ機器20に音楽などを再生させる機能F10(アイコンIC7〜IC10に係る機能)を取得する。また、機器連携ソフトウェア19は、オーディオ機器20から、オーディオ機器20が有する機能F20のうち音源ソースの選択に係るもの(アイコンIC3〜IC6に係る機能)をソース情報Z1として取得するとともに、機能F20のうちメディアサーバ32やサーバ34に係るもの(アイコンIC1,IC2に係る機能)をネットワークコンテンツ情報Z3として取得する。そして、機器連携ソフトウェア19は、これらの機能をまとめて管理する。
【0058】
次に、モバイル機器10とオーディオ機器20との間の通信を開始する際の動作について説明する。
【0059】
図6は、モバイル機器10とオーディオ機器20との間の通信のシーケンス図を表すものである。モバイル機器10は、オーディオ機器20と通信を開始する際、最初にブルートゥース通信C1によりオーディオ機器20と接続し、そのブルートゥース通信C1を利用して無線LAN通信C2の設定を行った後に、無線LAN通信C2によりオーディオ機器20と接続する。そして、モバイル機器10は、各機能を実行する際、機能ごとに通信方式を選択して、オーディオ機器20と通信を行う。以下に、このシーケンスについて詳細に説明する。
【0060】
まず、モバイル機器10は、ペアリング手続きを行い、オーディオ機器20にブルートゥース通信C1により接続する(ステップS1)。具体的には、例えば、モバイル機器10のブルートゥース通信部14は、まず、モバイル機器10の近くに配置された電子機器にブルートゥース通信C1を試みることにより、モバイル機器10の近くにブルートゥース通信C1が可能な電子機器があるか否かを調査する。そして、モバイル機器10の表示部17は、ブルートゥース通信C1が可能な電子機器の一覧を表示する。ユーザは、そのような電子機器の一覧から、オーディオ機器20を選択する。その際、モバイル機器10は、ブルートゥース通信C1におけるオーディオ機器20の識別情報ID1を取得する。これにより、モバイル機器10は、オーディオ機器20に対して、ブルートゥース通信C1を行うことができるようになる。
【0061】
次に、オーディオ機器20は、モバイル機器10に対して、ブルートゥース通信C1を行い、ソース情報Z1を通知する(ステップS2)。これにより、モバイル機器10の機器連携ソフトウェア19は、このソース情報Z1(アイコンIC3〜IC6に係る機能)を取得する。
【0062】
次に、オーディオ機器20は、モバイル機器10に対して、ブルートゥース通信C1を行い、無線LAN通信C2におけるオーディオ機器20の識別情報ID2を通知する(ステップS3)。これにより、モバイル機器10は、無線LAN通信C2におけるオーディオ機器20の識別情報ID2を取得する。その結果、モバイル機器10の制御部18は、ステップS1において取得した識別情報ID1と、このステップS3において取得した識別情報ID2が、同じオーディオ機器20(デバイス名:DevA)に係る識別情報であると判断する。
【0063】
次に、オーディオ機器20は、モバイル機器10に対して、ブルートゥース通信C1を行い、方式優先情報PIを通知する(ステップS4)。具体的には、オーディオ機器20の制御部28は、まず、ブルートゥース通信C1および無線LAN通信C2のどちらで通信しても実行することができる機能(例えばアイコンIC3〜IC6が示す機能)について、どちらの通信方式を優先すべきかを判断する。具体的には、例えば、制御部28は、オーディオ機器20が据置型であり、電源がAC電源から供給されるので、通信速度の高い無線LAN通信C2を優先すべきと判断する。また、例えば、制御部28は、オーディオ機器20がバッテリを有する場合には、電源がAC電源から供給されているときは通信速度の高い無線LAN通信C2を優先すべきと判断し、電源がバッテリから供給されているときは消費電力が低いブルートゥース通信C1を優先すべきと判断するようにしてもよい。また、制御部28は、このように電源がバッテリから供給されている場合において、バッテリ残量が多いときは無線LAN通信C2を優先すべきと判断し、バッテリ残量が少ないときはブルートゥース通信C1を優先すべきと判断するようにしてもよい。このように、オーディオ機器20は、オーディオ機器20に固有の事情を考慮して、どちらの通信方式を優先すべきかを判断する。そして、オーディオ機器20は、そのようにして判断した通信方式を、方式優先情報PIとしてモバイル機器10に対して通知する。
【0064】
次に、モバイル機器10は、オーディオ機器20に対して、ブルートゥース通信C1を行い、アクセスポイント情報Z2を通知する(ステップS5)。具体的には、モバイル機器10は、アクセスポイント31の識別情報(SSID)と暗号キー(key)をアクセスポイント情報Z2として、オーディオ機器20に通知する。すなわち、モバイル機器10は、モバイル機器10自体のアクセスポイント31へ通信設定が完了している場合には、識別情報(SSID)および暗号キー(key)をすでに有しているため、これらの情報をオーディオ機器20に対して通知する。これにより、オーディオ機器20は、このアクセスポイント情報Z2を取得し、アクセスポイント31に無線LAN通信C2により接続する。その結果、オーディオ機器20は、アクセスポイント31を介して、無線LAN
通信C2によりモバイル機器10と接続できるようになる。
【0065】
なお、この例では、モバイル機器10がすでに有する識別情報(SSID)および暗号キー(key)をオーディオ機器20に対して通知したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、ユーザに暗号キー(key)を入力させ、識別情報(SSID)とユーザが入力した暗号キー(key)とをオーディオ機器20に対して通知してもよい。これにより、ネットワーク通信についての安全性を高めることができる。
【0066】
次に、オーディオ機器20は、モバイル機器10に対して、無線LAN通信C2を行い、ネットワークコンテンツ情報Z3を通知する(ステップS6)。これにより、モバイル機器10の機器連携ソフトウェア19は、このネットワークコンテンツ情報Z3(アイコンIC1,IC2に係る機能)を取得する。
【0067】
そして、モバイル機器10およびオーディオ機器20は、互いに通信を行う(ステップS7)。具体的には、モバイル機器10の制御部18は、表示部17に、
図4に示した表示画面P1を表示する。そして、ユーザは、表示された機能(アイコン)のうちの1つを選択する。その後、モバイル機器10およびオーディオ機器20は、ユーザが選択した機能に応じて、互いに通信を行う。その際、モバイル機器10の制御部18は、機能ごとに通信方式を選択して、オーディオ機器20と通信を行う。具体的には、制御部18は、ブルートゥース通信C1のみにより実行することができる機能(例えばアイコンIC7〜IC10が示す機能)を実行する際には、ブルートゥース通信C1を選択する。また、制御部18は、無線LAN通信C2のみにより実行することができる機能(例えばアイコンIC1,IC2が示す機能)を実行する際には、無線LAN通信C2を選択する。また、制御部18は、ブルートゥース通信C1および無線LAN通信C2のどちらで通信しても実行することができる機能(例えばアイコンIC3〜IC6が示す機能)については、オーディオ機器20から供給された方式優先情報PIとモバイル機器10の事情などに基づいて、通信方式を判断する。具体的には、制御部18は、例えば、モバイル機器10のバッテリ残量が多いときは方式優先情報PIが示す通信方式を選択し、バッテリ残量が少ないときはブルートゥース通信C1を選択する。また、例えば、制御部18は、無線LAN通信部15とアクセスポイント31との間の通信環境が悪く、受信感度が低い場合には、ブルートゥース通信C1を選択する。
【0068】
このように、オーディオシステム1では、ブルートゥース通信C1および無線LAN通信C2のどちらで通信しても実行することができる機能(例えばアイコンIC3〜IC6が示す機能)については、モバイル機器10の制御部18が、オーディオ機器20から供給された方式優先情報PIに基づいて、通信方式を判断するようにした。これにより、オーディオシステム1では、オーディオ機器20の事情と、モバイル機器10の事情の両方を考慮して、通信方式を判断することができる。すなわち、例えば、モバイル機器の制御部が、方式優先情報PIを用いずに通信方式を判断する場合には、オーディオ機器の事情を考慮せずに、モバイル機器の事情のみを考慮して通信方式を判断してしまう。よって、例えば、オーディオ機器がバッテリを有する場合において、バッテリ残量が少ないにも関わらず無線LAN通信C2が選択され、バッテリ駆動時間が短くなってしまうおそれがある。一方、オーディオシステム1では、オーディオ機器20がモバイル機器10に対して方式優先情報PIを通知し、モバイル機器10の制御部18が、その方式優先情報PIに基づいて通信方式を判断するようにしたので、モバイル機器10は、オーディオ機器20の事情とモバイル機器10の事情との両方を考慮して、通信方式を判断することができるため、望ましい通信方式で通信を行うことができる。これにより、ユーザは、オーディオ機器20の事情やモバイル機器10の事情を意識する必要がないため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0069】
また、オーディオシステム1では、モバイル機器10が、ステップS1により、ブルートゥース通信C1におけるオーディオ機器20の識別情報ID1を取得し、このステップS3により、無線LAN通信C2におけるオーディオ機器20の識別情報ID2を取得するようにした。これにより、モバイル機器10は、互いに異なる識別情報ID1,ID2が、同じオーディオ機器20(デバイス名:DevA)に係る識別情報であると判断することができる。その結果、モバイル機器10は、ブルートゥース通信C1のみにより実行することができる機能G1(例えばアイコンIC7〜IC10が示す機能)、ブルートゥース通信C1および無線LAN通信C2のどちらで通信しても実行することができる機能G12(例えばアイコンIC3〜IC6が示す機能)、および無線LAN通信C2のみにより実行することができる機能G2(例えばアイコンIC1,IC2が示す機能)をまとめて管理し、表示画面P1(
図4)のように一画面で表示することができる。
【0070】
また、オーディオシステム1では、ステップS5において、モバイル機器10がオーディオ機器20に対してアクセスポイント情報Z2を通知するようにしたので、ユーザの利便性を高めることができる。すなわち、例えば、モバイル機器がオーディオ機器に対してアクセスポイント情報を通知しない場合には、ユーザは、なんらかの方法でオーディオ機器のアクセスポイント31への通信設定を行う必要がある。例えば、オーディオ機器に対して通信設定を直接行う場合には、オーディオ機器にその設定のためのユーザインタフェースを設ける必要があるとともに、ユーザは識別情報(SSID)および暗号キー(key)を入力する必要があるため手間がかかる。また、例えば、オーディオ機器を一時的にアクセスポイントとして動作させ、そのオーディオ機器にPCなどから無線LAN通信を行うことにより、オーディオ機器のアクセスポイント31への通信設定を行うようにした場合にも、ユーザは識別情報(SSID)および暗号キー(key)を入力する必要があるため手間がかかる。一方、オーディオシステム1では、モバイル機器10がオーディオ機器20に対してアクセスポイント情報Z2を通知し、オーディオ機器20がそのアクセスポイント情報Z2に基づいてアクセスポイント31への通信設定を行うようにした。これにより、ユーザは識別情報(SSID)および暗号キー(key)を入力する必要がなく、ネットワークの知識に乏しいユーザも通信設定を容易に行うことができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0071】
[効果]
以上のように本実施の形態では、ブルートゥース通信および無線LAN通信のどちらで通信しても実行することができる機能については、モバイル機器の制御部が、オーディオ機器から供給された優先情報に基づいて、通信方式を判断するようにしたので、オーディオ機器の事情と、モバイル機器の事情の両方を考慮して、通信方式を選択することができるため、望ましい通信方式を選択することができる。
【0072】
本実施の形態では、モバイル機器が有する機能のうちのオーディオ機器に音楽などを再生させる機能と、オーディオ機器が有する機能とをまとめて管理し、これらの機能に係るアイコンを一画面内に表示したので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0073】
本実施の形態では、モバイル機器がオーディオ機器に対してアクセスポイント情報を通知するようにしたので、ユーザは識別情報(SSID)などを入力する必要がないため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0074】
[変形例1]
上記実施の形態では、
図6に示したように、モバイル機器10がオーディオ機器20と通信を開始する際に、オーディオ機器20がモバイル機器10に対して方式優先情報PIを通知したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、
図7に示すオーディオシステム1Aのように、その後も間欠的に方式優先情報PIを通知してもよい。オーディオシステム1Aのオーディオ機器20Aは、モバイル機器10Aに対して、間欠的に、方式優先情報PIを通知する(ステップS14,S24)。これにより、オーディオシステム1Aでは、オーディオ機器20Aの事情が変化した場合において、その事情に応じた望ましい通信方式で通信を行うことができる。具体的には、例えば、最初の通信S7において無線LAN通信C2が選択された場合において、オーディオ機器20Aとアクセスポイント31との間の通信環境が悪く、受信感度が低い場合には、オーディオ機器20Aの制御部28Aは、ブルートゥース通信C1を優先すべきと判断し、ステップS14において、方式優先情報PIをモバイル機器10Aに対して通知するようにしてもよい。また、例えば、オーディオ機器20Aがバッテリを有する場合において、通信開始時にはバッテリ残量が多かったが、通信によりバッテリ残量が少なくなってきた場合には、オーディオ機器20Aの制御部28Aは、バッテリ残量の低下を抑えるため、消費電力の低いブルートゥース通信C1を優先すべきと再判断することができる。
【0075】
[変形例2]
上記実施の形態では、据置型のオーディオ機器20を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、
図8に示すように、バッテリ29を有する携帯型のオーディオ機器20Bを用いてもよい。この場合、例えば、オーディオ機器20Bの制御部28Bは、バッテリ残量の低下を抑えるため、消費電力の低いブルートゥース通信C1を優先すべきと判断する。このように、本技術では、オーディオ機器が据置型(オーディオ機器20)であるか、携帯型(オーディオ機器20B)であるかに応じて、方式優先情報PIを生成することができるため、ユーザが通信の相手(この例ではオーディオ機器)の特徴を意識することなく、モバイル機器10が望ましい通信方式を判断することができる。
【0076】
[変形例3]
上記実施の形態では、モバイル機器10がオーディオ機器20と通信をする度に、
図6に示したシーケンスで通信したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、
図9に示すオーディオシステム1Cのように、2回目以降の通信を開始する際には、より簡略化したシーケンスで通信してもよい。オーディオシステム1Cでは、2回目以降の通信を開始する際、まず、モバイル機器10Cは、ペアリング手続きを行い、オーディオ機器20Cにブルートゥース通信C1により接続する(ステップS1)。次に、オーディオ機器20Cは、モバイル機器10Cに対して、方式優先情報PIを通知し(ステップS4)、その後、モバイル機器10Cおよびオーディオ機器20Cは、互いに通信を行う(ステップS7)。すなわち、ステップS2,S3,S5,S6(
図6)は過去に行っているため、2回目以降の通信を開始する際には、これらのステップを省略している。言い換えれば、2回目以降の通信を開始する際には、これらのステップを行わなくても、モバイル機器10Cの表示部
17には、
図4に示した表示画面P1のように、機能F10,F20がアイコンIC1〜IC10として表示される。
【0077】
[変形例4]
上記実施の形態では、モバイル機器10は、オーディオ機器20と通信を開始する際、最初にブルートゥース通信C1によりオーディオ機器20と接続し、そのブルートゥース通信C1を利用して無線LAN通信C2の設定を行った後に、無線LAN通信C2によりオーディオ機器20と接続したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、
図10に示すオーディオシステム1Dのように、最初に無線LAN通信C2によりオーディオ機器20と接続し、その無線LAN通信C2を利用してブルートゥース通信C1の設定を行った後に、ブルートゥース通信C1によりオーディオ機器20と接続してもよい。オーディオシステム1Dでは、まず、モバイル機器10Dは、オーディオ機器20Dに無線LAN通信C2により接続する(ステップS31)。次に、オーディオ機器20Dは、モバイル機器10Dに対して、無線LAN通信C2を行いソース情報Z1およびネットワークコンテンツ情報Z3を通知する(ステップS32)。次に、オーディオ機器20Dは、モバイル機器10Dに対して、無線LAN通信C2を行い、ブルートゥース通信C1におけるオーディオ機器20Dの識別情報ID1を通知する(ステップS33)。次に、オーディオ機器20Dは、モバイル機器10Dに対して、無線LAN通信C2を行い、方式優先情報PIを通知する(ステップS34)。その後、モバイル機器10Dおよびオーディオ機器20Dは、互いに通信を行う(ステップS35)。その際、モバイル機器10Dは、上記実施の形態に係るモバイル機器10と同様に、機能ごとに通信方式を選択して、オーディオ機器20Dと通信を行う。
【0078】
[変形例5]
上記実施の形態では、1つのモバイル機器10を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、複数のモバイル機器を用いてもよい。以下に、2つのモバイル機器を用いるオーディオシステム1Eについて、詳細に説明する。
【0079】
図11は、オーディオシステム1Eの一構成例を表すものである。オーディオシステム1Eは、2つのモバイル機器30,40と、オーディオ機器20Eとを備えている。モバイル機器30,40は、上記実施の形態に係るモバイル機器10と同様の構成を有するものである。オーディオ機器20Eは、上記実施の形態に係るオーディオ機器20と同様の構成を有するものであり、2つのモバイル機器30,40と通信を行うことができるものである。
【0080】
図12は、モバイル機器30,40とオーディオ機器20Eとの間の通信のシーケンス図を表すものである。この例では、まず、モバイル機器30がオーディオ機器20Eと通信を開始し、その後に、モバイル機器40がオーディオ機器20Eと通信を開始している。以下に、このシーケンスについて詳細に説明する。
【0081】
モバイル機器30は、ステップS41〜S46において、上記実施の形態に係るステップS1〜S6と同様の続きを行い、ステップS47においてオーディオ機器20Eとの間で通信を開始する。
【0082】
次に、モバイル機器40は、ペアリング手続きを行い、オーディオ機器20Eにブルートゥース通信C1により接続する(ステップS51)。そして、オーディオ機器20Eは、モバイル機器40に対して、ブルートゥース通信C1を行い、ソース情報Z1を通知する(ステップS52)。次に、オーディオ機器20Eは、モバイル機器40に対して、ブルートゥース通信C1を行い、無線LAN通信C2におけるオーディオ機器20Eの識別情報ID2を通知する(ステップS53)。
【0083】
次に、オーディオ機器20Eは、モバイル機器40に対して、ブルートゥース通信C1を行い、方式優先情報PI(PI40)を通知するとともに(ステップS54)、モバイル機器30に対して、ブルートゥース通信C1を行い、方式優先情報PI(PI30)を通知する(ステップS55)。具体的には、オーディオ機器20Eの制御部28Eは、ブルートゥース通信C1および無線LAN通信C2のどちらで通信しても実行することができる機能について、どちらの通信方式を優先すべきかを、モバイル機器30,40のそれぞれについて判断する。具体的には、制御部28Eは、例えば、オーディオ機器20Eが2つのモバイル機器30,40と通信を行うことを考慮し、モバイル機器30,40の両方について、無線LAN通信C2を優先すべきと判断する。また、例えば、モバイル機器30からブルートゥース通信C1で通信したい旨の通知があった場合には、そのモバイル機器30との間ではブルートゥース通信C1を優先すべきと判断し、モバイル機器40との間では無線LAN通信C2を優先すべきと判断するようにしてもよい。
【0084】
次に、オーディオ機器20Eは、モバイル機器40に対して、無線LAN通信C2を行い、ネットワークコンテンツ情報Z3を通知する(ステップS56)。なお、この例では、このステップS56の前において、モバイル機器40は、オーディオ機器20Eに対して、アクセスポイント情報Z2を通知しない。オーディオ機器20Eは、すでにステップS45においてアクセスポイント情報Z2を取得し、アクセスポイント31への無線LAN通信C2を行っているからである。
【0085】
そして、モバイル機器40およびオーディオ機器20Eは、互いに通信を行い(ステップS57)、モバイル機器30およびオーディオ機器20Eは、互いに通信を行う(ステップS58)。その際、モバイル機器30,40は、それぞれ、上記実施の形態に係るモバイル機器10と同様に、機能ごとに通信方式を選択して、オーディオ機器20Eと通信を行う。
【0086】
[変形例6]
上記実施の形態では、1つのオーディオ機器20を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、複数のオーディオ機器を用いてもよい。以下に、2つのオーディオ機器を用いるオーディオシステム1Fについて、詳細に説明する。
【0087】
図13は、オーディオシステム1Fの一構成例を表すものである。オーディオシステム1Fは、モバイル機器10Fと、2つのオーディオ機器50,60とを備えている。モバイル機器10Fは、上記実施の形態に係るモバイル機器10と同様の構成を有するものであり、2つのオーディオ機器50,60と通信を行うことができるものである。オーディオ機器50,60は、上記実施の形態に係るオーディオ機器20の同様の構成を有するものである。
【0088】
図14は、モバイル機器10Fとオーディオ機器50,60との間の通信のシーケンス図を表すものである。モバイル機器10Fは、ステップS61〜S66において、オーディオ機器50との間で、上記実施の形態に係るステップS1〜S6と同様の続きを行い、ステップS67において通信を開始する。その際、モバイル機器10Fは、上記実施の形態に係るモバイル機器10と同様に、機能ごとに通信方式を選択して、オーディオ機器50と通信を行う。その後、モバイル機器10Fは、ステップS71〜S76において、オーディオ機器60との間で、上記実施の形態に係るステップS1〜S6と同様の続きを行い、ステップS77において通信を開始する。その際、モバイル機器10Fは、上記実施の形態に係るモバイル機器10と同様に、機能ごとに通信方式を選択して、オーディオ機器60と通信を行う。
【0089】
図15は、モバイル機器10Fの機器連携ソフトウェア19を実行したときに表示部17に表示される表示画面P2の一例を表すものである。表示画面P2は、上下2つのセグメントP11,P12に区分されている。そして、セグメントP11には、オーディオ機器50(デバイス名:DevB)の機能が表示され、セグメントP12には、オーディオ機器60(デバイス名:DevC)の機能が表示される。なお、各セグメントP11,P12には、スクロールバー9が設けられ、このスクロールバー9を操作することにより、すべての機能を表示することができるようになっている。
【0090】
なお、この例では、1画面内に、オーディオ機器50(デバイス名:DevB)の機能と、オーディオ機器60(デバイス名:DevC)の機能の両方を表示したが、これに限定されるものではなく、
図16Aに示すように、オーディオ機器50(デバイス名:DevB)およびオーディオ機器60(デバイス名:DevC)の一方の機器を選択することにより、
図16Bに示すように、その選択した機器の機能を表示するようにしてもよい。
【0091】
[変形例7]
上記実施の形態では、モバイル機器10がオーディオ機器20を制御するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば複数の動作モードM1,M2を有し、動作モードM1ではモバイル機器10がオーディオ機器20を制御し、動作モードM2ではオーディオ機器20がモバイル機器10を制御するようにしてもよい。
【0092】
[その他の変形例]
また、上記変形例のうちの2つ以上を組み合わせてもよい。
【0093】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0094】
例えば、上記の各実施の形態では、主に音楽データを扱うようにしたが、これに限定されるものではなく、写真データや映像データなど、様々な種類のデータを扱うように構成することが可能である。
【0095】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0096】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0097】
(1)1または複数の機能を実行可能な電子機器との間で第1の通信方式または第2の通信方式により選択的に通信可能に構成され、前記第1の通信方式により通信を行うことにより、前記電子機器から方式優先情報を取得する通信部と、
前記方式優先情報に基づいて、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方を選択し、前記通信部に対してその選択した通信方式により前記電子機器との間で通信を行うように指示する制御部と
を備えた制御装置。
【0098】
(2)前記1または複数の機能のそれぞれは、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方または双方と対応づけられ、
前記制御部は、機能を指示する指示情報を受け取り、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方に対応づけられた第1の機能が指示されたときは、対応づけられた通信方式を選択し、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式の双方に対応づけられた第2の機能が指示されたときは、前記方式優先情報に基づいて前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方を選択する
前記(1)に記載の制御装置。
【0099】
(3)前記制御部は、表示部を制御して、前記第1の機能に対応づけられた第1のアイコンと、前記第2の機能に対応づけられた第2のアイコンとを、同じ画面内に表示させる
前記(2)に記載の制御装置。
【0100】
(4)前記第1の通信方式は、近距離無線通信方式であり、
前記第2の通信方式は、ネットワーク通信方式であり、
前記第2の通信方式に対応づけられた機能は、ネットワークに接続されたサーバを制御するものである
前記(2)または(3)に記載の制御装置。
【0101】
(5)前記第1の通信方式は、ネットワーク通信方式であり、
前記第2の通信方式は、近距離無線通信方式であり、
前記(1)から(3)のいずれかに記載の制御装置。
【0102】
(6)前記通信部は、さらに、1または複数の機能を実行可能な他の電子機器との間で第1の通信方式または第2の通信方式により選択的に通信可能に構成され、前記第1の通信方式により通信を行うことにより、前記他の電子機器から他の方式優先情報を取得し、
前記制御部は、
前記他の方式優先情報に基づいて、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方を選択し、前記通信部に対してその選択した通信方式により前記他の電子機器との間で通信を行うように指示し、
表示部を制御して、前記電子機器の各機能に対応づけられた1または複数のアイコンと、前記他の電子機器の各機能に対応づけられた1または複数のアイコンを、同じ画面内に表示させる
前記(1)から(5)のいずれかに記載の制御装置。
【0103】
(7)前記通信部は、前記第1の通信方式により前記電子機器と通信することにより、前記第2の通信方式における前記電子機器の識別情報を取得する。
前記(1)から(6)のいずれかに記載の制御装置。
【0104】
(8)前記通信部は、前記第1の通信方式により前記電子機器と通信することにより、前記電子機器に対して前記第2の通信方式における通信設定情報を供給する
前記(1)から(7)のいずれかに記載の制御装置。
【0105】
(9)前記制御部は、前記方式優先情報に加え、前記制御装置の装置状態または装置環境にも基づいて、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方を選択する
前記(1)から(8)のいずれかに記載の制御装置。
【0106】
(10)制御装置との間で第1の通信方式または第2の通信方式により選択的に通信可能に構成され、前記第1の通信方式により通信を行うことにより、前記制御装置に対して方式優先情報を供給する通信部と、
1または複数の機能を実行可能に構成され、前記方式優先情報を生成する処理部と
を備えた電子機器。
【0107】
(11)前記処理部は、前記電子機器の装置状態または装置環境に基づいて、前記方式優先情報を生成する
前記(10)に記載の電子機器。
【0108】
(12)前記装置状態は、バッテリの充電状態、または前記バッテリおよびAC電源のどちらから電源が供給されているかを示す電源供給状態である
前記(11)に記載の電子機器。
【0109】
(13)前記装置環境は、前記第1の通信方式または前記第2の通信方式による通信環境である
前記(11)または(12)に記載の電子機器。
【0110】
(14)前記処理部は、間欠的に前記方式優先情報を生成する
前記(10)から(13)のいずれかに記載の電子機器。
【0111】
(15)前記通信部は、さらに他の制御装置との間で第1の通信方式または第2の通信方式により選択的に通信可能に構成され、前記第1の通信方式により通信を行うことにより、前記他の制御装置に対して他の方式優先情報を供給し、
前記処理部は、前記他の方式優先情報を生成する
前記(10)から(14)のいずれかに記載の電子機器。
【0112】
(16)制御装置と、
電子機器と
を備え、
前記制御装置は、
前記電子機器との間で第1の通信方式または第2の通信方式により選択的に通信可能に構成され、前記第1の通信方式により通信を行うことにより、前記電子機器から方式優先情報を取得する第1の通信部と、
前記方式優先情報に基づいて、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方を選択し、前記第1の通信部に対してその選択した通信方式により前記電子機器との間で通信を行うように指示する制御部と
を有し、
前記電子機器は、
前記制御装置との間で前記第1の通信方式または前記第2の通信方式により選択的に通信可能に構成され、前記第1の通信方式により通信を行うことにより、前記制御装置に対して方式優先情報を供給する第2の通信部と、
1または複数の機能を実行可能に構成され、前記方式優先情報を生成する処理部と
を有する
制御システム。
【0113】
(17)制御装置との間で、第1の通信方式または第2の通信方式により選択的に通信可能に構成された電子機器が、方式優先情報を生成して、前記第1の通信方式により前記制御装置に対して前記方式優先情報を供給し、
前記制御装置が、前記方式優先情報に基づいて、前記第1の通信方式および前記第2の通信方式のうちの一方を選択し、前記電子機器との間でその選択した通信方式により通信を行い、
前記電子機器が、前記制御装置との通信に応じて1または複数の機能を実行する
制御方法。