特許第6187375号(P6187375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6187375
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20170821BHJP
【FI】
   B65G1/04 537Z
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-84892(P2014-84892)
(22)【出願日】2014年4月16日
(65)【公開番号】特開2015-202960(P2015-202960A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2016年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 輝記
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−186537(JP,A)
【文献】 特開2000−142919(JP,A)
【文献】 特開平10−162473(JP,A)
【文献】 特開平07−179203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00− 1/133
B65G 1/14− 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する収納部を複数の段及び複数の列に並設した物品収納棚と、
物品を搬送する物品搬送装置と、
前記物品搬送装置の作動を制御する制御装置と、を備え、
前記物品搬送装置が、走行方向に沿って走行する走行台車と、当該走行台車に上下方向に沿って昇降移動自在に支持され且つ前記収納部と自己との間で物品を移載する移載装置と、前記走行台車を前記走行方向に沿って走行移動させる走行用駆動部と、前記移載装置を前記走行台車に対して上下方向に沿って昇降移動させる昇降用駆動部と、を備え、
前記制御装置が、前記走行台車を移載対象の前記収納部に対応する目標走行停止位置に停止させ且つ前記移載装置を移載対象の前記収納部に対応する目標昇降停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部及び前記昇降用駆動部の作動を制御する移動制御と、自己から移載対象の前記収納部に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部に収納する又は移載対象の前記収納部から自己に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部から取り出すべく前記移載装置の作動を制御する移載制御と、を実行する物品搬送設備であって、
前記物品搬送装置として、既設の前記物品搬送装置と、当該既設の物品搬送装置と交換された新設の物品搬送装置と、があり、
前記複数の収納部の夫々について前記既設の物品搬送装置にて収納された物品である交換前物品を収納しているか否かの情報を管理情報として管理する管理部を備え、
前記既設の物品搬送装置が、前記物品収納棚における前記収納部の列ごとの前記目標走行停止位置として設定された列停止位置を検出する既設用走行位置検出装置を備え、
前記新設の物品搬送装置が、前記既設用走行位置検出装置に加えて、前記物品収納棚における前記収納部の夫々についての前記目標走行停止位置として設定された個別停止位置を検出する新設用走行位置検出装置を備え、
前記既設の物品搬送装置の前記制御装置は、前記移動制御において、前記既設用走行位置検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記列停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御し、
前記新設の物品搬送装置の前記制御装置は、
前記管理情報に基づいて移載対象の前記収納部が前記交換前物品を収納している収納部であると判別した場合は、前記移動制御において、前記既設用走行位置検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記列停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御し、
前記管理情報に基づいて移載対象の前記収納部が前記交換前物品を収納している収納部ではないと判別した場合は、前記移動制御において、前記新設用走行位置検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記個別停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御する物品搬送設備。
【請求項2】
物品を収納する収納部を複数の段及び複数の列に並設した物品収納棚と、
物品を搬送する物品搬送装置と、
前記物品搬送装置の作動を制御する制御装置と、を備え、
前記物品搬送装置が、走行方向に沿って走行する走行台車と、当該走行台車に上下方向に沿って昇降移動自在に支持され且つ前記収納部と自己との間で物品を移載する移載装置と、前記走行台車を前記走行方向に沿って走行移動させる走行用駆動部と、前記移載装置を前記走行台車に対して上下方向に沿って昇降移動させる昇降用駆動部と、を備え、
前記制御装置が、前記走行台車を移載対象の前記収納部に対応する目標走行停止位置に停止させ且つ前記移載装置を移載対象の前記収納部に対応する目標昇降停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部及び前記昇降用駆動部の作動を制御する移動制御と、自己から移載対象の前記収納部に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部に収納する又は移載対象の前記収納部から自己に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部から取り出すべく前記移載装置の作動を制御する移載制御と、を実行する物品搬送設備であって、
前記物品搬送装置として、既設の前記物品搬送装置と、当該既設の物品搬送装置と交換された新設の物品搬送装置と、があり、
前記複数の収納部の夫々について前記既設の物品搬送装置にて収納された物品である交換前物品を収納しているか否かの情報を管理情報として管理する管理部を備え、
前記既設の物品搬送装置が、前記走行方向に沿って設置された既設用被検出体を検出する既設用被検出体検出装置を備え、
前記新設の物品搬送装置が、前記既設用被検出体検出装置に加えて、前記走行方向に沿って設置された新設用被検出体を検出する新設用被検出体検出装置を備え、
前記既設の物品搬送装置の前記制御装置は、前記移動制御において、前記既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記目標走行停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御し、
前記新設の物品搬送装置の前記制御装置は、
前記管理情報に基づいて移載対象の前記収納部が前記交換前物品を収納している収納部と判別した場合は、前記移動制御において、前記既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記目標走行停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御し、
前記管理情報に基づいて移載対象の前記収納部が前記交換前物品を収納している収納部ではないと判別した場合は、前記移動制御において、前記新設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記目標走行停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御する物品搬送設備。
【請求項3】
前記既設用被検出体が、1つの既設用設定高さにおいて前記収納部の列の夫々に対応して前記走行方向に沿って設置され、
前記新設用被検出体が、前記収納部の列を構成する複数段の収納部の夫々に対応した複数の新設用設定高さの夫々において前記収納部の列の夫々に対応して前記走行方向に沿って設置されている請求項2記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記既設の物品搬送装置及び前記新設の物品搬送装置の夫々が、前記走行台車に立設されて前記移載装置を上下方向に案内するマストを備え、
前記新設の物品搬送装置の前記制御装置が、
前記既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を移載対象の前記収納部に対応する前記目標走行停止位置に停止させる場合に、前記既設の物品搬送装置における前記マストの傾きと前記新設の物品搬送装置における前記マストの傾きとの差を示す傾き情報に基づいて、前記目標走行停止位置を前記走行方向に補正する請求項2又は3に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記既設の物品搬送装置から前記新設の物品搬送装置に入れ換えた後において、前記管理情報に基づいて、前記交換前物品を収納している前記収納部が存在しなくなったことを報知する報知部を備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納する収納部を複数の段及び複数の列に並設した物品収納棚と、物品を搬送する物品搬送装置と、前記物品搬送装置の作動を制御する制御装置と、を備え、前記物品搬送装置が、走行方向に沿って走行する走行台車と、当該走行台車に上下方向に沿って昇降移動自在に支持され且つ前記収納部と自己との間で物品を移載する移載装置と、前記走行台車を前記走行方向に沿って走行移動させる走行用駆動部と、前記移載装置を前記走行台車に対して上下方向に沿って昇降移動させる昇降用駆動部と、を備え、前記制御装置が、前記走行台車を移載対象の前記収納部に対応する目標走行停止位置に停止させ且つ前記移載装置を移載対象の前記収納部に対応する目標昇降停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部及び前記昇降用駆動部の作動を制御する移動制御と、自己から移載対象の前記収納部に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部に収納する又は移載対象の前記収納部から自己に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部から取り出すべく前記移載装置の作動を制御する移載制御と、を実行する物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送設備の従来例が、特開2005−263358号公報(特許文献1)や特開2002−006956号公報(特許文献2)に記載されている。
これら特許文献1や特許文献2の物品搬送設備では、走行方向に沿って被検出体を複数設置し、物品搬送装置に、被検出体を検出する被検出体検出装置と走行台車の位置を検出する走行位置検出装置とを備えて、これら検出装置の検出情報と走行位置検出装置の検出情報とに基づいて目標走行停止位置に走行台車を停止させるように構成されている。
【0003】
説明を加えると、特許文献1の物品搬送設備では、走行方向に沿って床面上に収納部の列に対応して設置した反射板を被検出体として設け、物品搬送装置は、反射板を検出する被検出体検出装置(検出センサ26)と走行台車の走行位置を検出する走行位置検出装置(車体側ロータリエンコーダ22)とを備えている。
そして、被検出体検出装置の検出情報に基づいて予め収納部の列ごとの目標走行停止位置(列停止位置)を学習しておき、走行位置検出装置の検出情報に基づいて収納部の列ごとに設定された目標走行停止位置(列停止位置)に停止させるというようにして、被検出体検出装置の検出情報と走行位置検出装置の検出情報とに基づいて収納部の列ごとに設定された目標走行停止位置(列停止位置)に停止させるように構成されている。
【0004】
また、特許文献2の物品搬送設備では、物品搬送装置は、物品収納棚における支柱を被検出体とし、物品搬送装置は、収納部の各段に対応する高さで支柱を検出する被検出体検出装置(光電スイッチ27)と走行台車の走行位置を検出する走行位置検出装置(車体側ロータリエンコーダ21)とを備えている。
そして、被検出体検出装置の検出情報に基づいて予め収納部夫々についての目標走行停止位置(個別停止位置)を学習しておき、走行位置検出装置の検出情報に基づいて収納部夫々についての目標走行停止位置(個別停止位置)に停止させるようにして、被検出体検出装置の検出情報と走行位置検出装置の検出情報とに基づいて複数の収納部夫々についての目標走行停止位置(個別停止位置)に停止させるように構成されている。
【0005】
このように、従来の物品搬送設備には、走行台車を停止させる停止位置を収納部の列ごとに設定している場合と複数の収納部の夫々について設定している場合とがある。また、物品搬送設備には、被検出体検出装置が検出する被検出体が異なる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−263358号公報
【特許文献2】特開2002−006956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、物品搬送設備では、物品搬送装置に故障が生じた場合に新たな物品搬送装置に交換する場合や、物品搬送装置の搬送処理能力等の性能の向上を図るためにより性能が高い物品搬送装置に交換する場合がある。つまり、このように物品搬送設備に設置されている既設の物品搬送装置を新設の物品搬送装置に交換する場合がある。
【0008】
既設の物品搬送装置として、収納部の列ごとに設定した目標走行停止位置に走行台車を停止させる物品搬送装置が設けられていた場合に、この物品搬送装置を、複数の収納部の夫々について設定した目標走行停止位置に走行台車を停止させる新設の物品搬送装置に交換した場合には、次のような問題が生じる。
【0009】
つまり、既設の物品搬送装置では、同じ列に属する収納部については同じ目標走行停止位置が設定されている。しかし、物品収納棚が経年変化や据え付け誤差等により走行方向に傾いた状態となっていると、同じ列に属する収納部であっても段が異なると走行方向の位置が互いにずれる場合があり、このような場合、既設の物品搬送装置では、走行台車を目標走行停止位置(列停止位置)に停止させたときに移載装置が収納部に対して走行方向にずれる場合がある。そのため、既設の物品搬送装置にて物品を収納部に収納すると、収納部における適正な収納位置から走行方向にずれた位置に物品が収納される場合がある。
【0010】
これに対して、新設の物品搬送装置では、複数の収納部の夫々に対応して設定した目標走行停止位置(個別目標停止位置)に走行台車を停止させるため、上述のように同じ列に属する収納部が互いに走行方向にずれている場合でも、個別停止位置に走行台車を停止させることで移載装置を収納部に対して適正な位置に位置させることができる。
そのため、物品搬送装置の交換前に既設の物品搬送装置にて収納部に収納した物品を換後に新設の物品搬送装置にて取り出そうとすると、収納部に収納されている物品は、収納部における適正な位置から走行方向にずれた位置に収納されているにも関わらず、その物品を取り出そうとする移載装置は、収納部に対して適正に位置しているため、収納部に収納されている物品に対して移載装置が走行方向にずれているので、新設の物品搬送装置にて物品を収納部から適切に取り出せない場合がある。
【0011】
また、既設の物品搬送装置として、反射板等を検出する既設用被検出体検出装置が備えられている物品搬送装置が設けられていた場合に、この物品搬送装置を、支柱を検出する新設用被検出体検出装置を備えた新設の物品搬送装置に交換する場合のように、既設の物品搬送装置が検出する既設用被検出体と新設の物品搬送装置が検出する新設用被検出体とが異なる場合では、次のような問題が生じる。
つまり、既設用被検出体や新設用被検出体が経年変化や据え付け誤差等により適正な位置から走行方向にずれていると、同じ収納部に対してでも、既設の物品搬送装置における移載装置が停止する位置と、新設の物品搬送装置における移載装置が停止する位置とが、走行方向にずれる。
そのため、物品搬送装置の交換前に既設の物品搬送装置にて収納部に収納した物品を換後に新設の物品搬送装置にて取り出そうとすると、収納部に収納されている物品に対して移載装置が走行方向にずれているので、新設の物品搬送装置にて物品を収納部から適切に取り出せない場合がある。
【0012】
そこで、既設の物品搬送装置にて収納した物品を交換後の新設の物品搬送装置にて適切に取り出すことができる物品搬送設備が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る物品搬送設備の特徴構成は、物品を収納する収納部を複数の段及び複数の列に並設した物品収納棚と、物品を搬送する物品搬送装置と、前記物品搬送装置の作動を制御する制御装置と、を備え、前記物品搬送装置が、走行方向に沿って走行する走行台車と、当該走行台車に上下方向に沿って昇降移動自在に支持され且つ前記収納部と自己との間で物品を移載する移載装置と、前記走行台車を前記走行方向に沿って走行移動させる走行用駆動部と、前記移載装置を前記走行台車に対して上下方向に沿って昇降移動させる昇降用駆動部と、を備え、前記制御装置が、前記走行台車を移載対象の前記収納部に対応する目標走行停止位置に停止させ且つ前記移載装置を移載対象の前記収納部に対応する目標昇降停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部及び前記昇降用駆動部の作動を制御する移動制御と、自己から移載対象の前記収納部に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部に収納する又は移載対象の前記収納部から自己に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部から取り出すべく前記移載装置の作動を制御する移載制御と、を実行する物品搬送設備において、
前記物品搬送装置として、既設の前記物品搬送装置と、当該既設の物品搬送装置と交換された新設の物品搬送装置と、があり、前記複数の収納部の夫々について前記既設の物品搬送装置にて収納された物品である交換前物品を収納しているか否かの情報を管理情報として管理する管理部を備え、前記既設の物品搬送装置が、前記物品収納棚における前記収納部の列ごとの前記目標走行停止位置として設定された列停止位置を検出する既設用走行位置検出装置を備え、前記新設の物品搬送装置が、前記既設用走行位置検出装置に加えて、前記物品収納棚における前記収納部の夫々についての前記目標走行停止位置として設定された個別停止位置を検出する新設用走行位置検出装置を備え、前記既設の物品搬送装置の前記制御装置は、前記移動制御において、前記既設用走行位置検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記列停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御し、前記新設の物品搬送装置の前記制御装置は、前記管理情報に基づいて移載対象の前記収納部が前記交換前物品を収納している収納部であると判別した場合は、前記移動制御において、前記既設用走行位置検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記列停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御し、前記管理情報に基づいて移載対象の前記収納部が前記交換前物品を収納している収納部ではないと判別した場合は、前記移動制御において、前記新設用走行位置検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記個別停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御する点にある。
【0014】
この構成によれば、交換後の新設の物品搬送装置にて、物品を移載対象の収納部から取り出す場合に、その移載対象の収納部に交換前に既設の物品搬送装置にて収納した交換前物品が収納されているときは、移載対象の収納部が交換前物品を収納している収納部であると判別して、既設の物品搬送装置と同様に、既設用走行位置検出装置の検出情報に基づいて走行台車を列停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御する。
【0015】
つまり、既設の物品搬送装置では、同じ列に属する収納部については同じ目標走行停止位置(列停止位置)が設定されるため、交換前物品を収納部に収納するときに、既設の物品搬送装置における移載装置が移載対象の収納部に対して走行方向にずれていたために、収納部において物品が走行方向で適正な位置からずれている場合がある。しかし、新設の物品搬送装置にて、交換前物品を収納部から取り出すときは、既設の物品搬送装置と同様に、既設用走行位置検出装置の検出情報に基づいて走行台車を列停止位置に停止させることで、既設の物品搬送装置が収納部に収納したときの移載装置の位置と新設の物品搬送装置が収納部から物品を取り出すときの移載装置の位置とを同じ位置にできる。そのため、既設の物品搬送装置にて収納した交換前物品を交換後の新設の物品搬送装置にて適切に取り出すことができる。
【0016】
そして、新設の物品搬送装置にて、移載対象の収納部に交換前物品が収納されていない場合、つまり、物品を移載対象の収納部に物品を収納する場合や、新設の物品搬送装置にて収納した物品を移載対象の収納部から取り出す場合では、新設用位置検出装置の検出情報に基づいて走行台車を個別停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御する。
個別停止位置は、複数の収納部の夫々に対応して設定しているため、物品収納棚が走行方向に傾く等により同じ列に属する収納部が互いに走行方向にずれている場合でも、個別停止位置に走行台車を停止させることで、収納部がいずれの段にあるかに関わらず移載装置を収納部に対して適正な位置に位置させることができる。
【0017】
従って、新設の物品搬送装置にて物品を移載対象の収納部から取り出す場合では、既設の物品搬送装置にて収納した交換前物品を新設の物品搬送装置にて適切に取り出すことができる。そして、新設の物品搬送装置にて物品を移載対象の収納部に収納する場合や、新設の物品搬送装置にて収納した物品を移載対象の収納部から取り出す場合には、収納部の適正な収納位置に物品を収納することができ、また、その収納部の適正な収納位置に収納されている物品を適切に取り出すことができる。
【0018】
本発明に係る物品搬送設備の特徴構成は、物品を収納する収納部を複数の段及び複数の列に並設した物品収納棚と、物品を搬送する物品搬送装置と、前記物品搬送装置の作動を制御する制御装置と、を備え、前記物品搬送装置が、走行方向に沿って走行する走行台車と、当該走行台車に上下方向に沿って昇降移動自在に支持され且つ前記収納部と自己との間で物品を移載する移載装置と、前記走行台車を前記走行方向に沿って走行移動させる走行用駆動部と、前記移載装置を前記走行台車に対して上下方向に沿って昇降移動させる昇降用駆動部と、を備え、前記制御装置が、前記走行台車を移載対象の前記収納部に対応する目標走行停止位置に停止させ且つ前記移載装置を移載対象の前記収納部に対応する目標昇降停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部及び前記昇降用駆動部の作動を制御する移動制御と、自己から移載対象の前記収納部に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部に収納する又は移載対象の前記収納部から自己に物品を移載して当該物品を移載対象の前記収納部から取り出すべく前記移載装置の作動を制御する移載制御と、を実行する物品搬送設備において、
前記物品搬送装置として、既設の前記物品搬送装置と、当該既設の物品搬送装置と交換された新設の物品搬送装置と、があり、前記複数の収納部の夫々について前記既設の物品搬送装置にて収納された物品である交換前物品を収納しているか否かの情報を管理情報として管理する管理部を備え、前記既設の物品搬送装置が、前記走行方向に沿って設置された既設用被検出体を検出する既設用被検出体検出装置を備え、前記新設の物品搬送装置が、前記既設用被検出体検出装置に加えて、前記走行方向に沿って設置された新設用被検出体を検出する新設用被検出体検出装置を備え、前記既設の物品搬送装置の前記制御装置は、前記移動制御において、前記既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記目標走行停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御し、前記新設の物品搬送装置の前記制御装置は、前記管理情報に基づいて移載対象の前記収納部が前記交換前物品を収納している収納部と判別した場合は、前記移動制御において、前記既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記目標走行停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御し、前記管理情報に基づいて移載対象の前記収納部が前記交換前物品を収納している収納部ではないと判別した場合は、前記移動制御において、前記新設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を前記目標走行停止位置に停止させるべく前記走行用駆動部の作動を制御する点にある。
【0019】
この構成によれば、新設の物品搬送装置にて、物品を移載対象の収納部から取り出す場合に、その移載対象の収納部に交換前物品が収納されているときは、移載対象の前記収納部が交換前物品を収納している収納部であると判別して、既設の物品搬送装置と同様に、既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて走行台車を目標走行停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御する。
【0020】
つまり、例えば、既設の物品搬送装置の既設用被検出体検出装置が検出する既設用被検出体が床面上に設置されていたが、新設の物品搬送装置の新設用被検出体検出装置が検出する新設用被検出体を物品収納棚に設置する、又は、物品収納棚の構成の一部(例えば、支柱)を新設用被検出体とする等により、既設用被検出体検出装置と新設用被検出体検出装置とが異なる場合がある。ちなみに、被検出体を物品収納棚に設けることで、床面上に設けた場合に比べて、床面上を移動する作業者の邪魔になり難く、また、上下方向に並ぶ複数段の収納部の夫々に対して適切な停止位置に停止させ易い等の利点がある。
【0021】
既設用被検出体や新設用被検出体が経年変化や据え付け誤差等により適正な位置から走行方向にずれていると、同じ収納部に対してでも、既設の物品搬送装置における移載装置が停止する位置と、新設の物品搬送装置における移載装置が停止する位置とが、走行方向にずれる場合がある。しかし、新設の物品搬送装置にて、交換前物品を収納部から取り出すときは、既設の物品搬送装置と同様に、既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて走行台車を目標走行停止位置に停止させることで、収納部に収納したときの既設の物品搬送装置の移載装置の位置と収納部から物品を取り出すときの新設の物品搬送装置の移載装置の位置とを同じ位置にできる。そのため、既設の物品搬送装置にて収納した交換前物品を新設の物品搬送装置にて適切に取り出すことができる。
そして、新設の物品搬送装置にて、移載対象の収納部に交換前物品が収納されていない場合、つまり、物品を移載対象の収納部へ物品を収納する場合や、新設の物品搬送装置にて収納した物品を移載対象の収納部から取り出す場合では、新設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて走行台車を目標走行停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御することで、新設用位置検出装置の位置に基づいて物品を収納部に収納することや物品を収納部から取り出すことができる。
ちなみに、移動制御において用いる被検出体検出装置(新設用被検出体検出装置及び既設用検出体検出装置)の検出情報は、移動制御の実行中に検出した被検出体検出装置の検出情報でも、移動制御の実行以前に実行する学習制御において検出した被検出体検出装置の検出情報でもよい。
【0022】
また、前記既設用被検出体が、1つの既設用設定高さにおいて前記収納部の列の夫々に対応して前記走行方向に沿って設置され、前記新設用被検出体が、前記収納部の列を構成する複数段の収納部の夫々に対応した複数の新設用設定高さの夫々において前記収納部の列の夫々に対応して前記走行方向に沿って設置されていると好適である。
【0023】
この構成によれば、既設の物品搬送装置では、同じ列に属する収納部については同じ既設用被検出体を既設用被検出体検出装置にて検出することになり、同じ列に属する収納部に対してはこれらが互いに走行方向にずれていたとしても、走行台車は同じ目標走行停止位置に停止する。これに対して、新設の物品搬送装置では、同じ列に属する各段の収納部について夫々異なる新設用被検出体を新設用被検出体検出装置にて検出することになるため、同じ列に属する各段の収納部が互いに走行方向にずれている場合には、複数の収納部の夫々に個別に対応させた適正な停止位置に走行台車を停止させることができる。
このように物品搬送装置の性能の向上を図るために既設の物品搬送装置を新設の物品搬送装置に交換した場合において、新設の物品搬送装置にて、交換前物品を収納部から取り出すときに、既設の物品搬送装置と同様に走行台車を目標走行停止位置に停止させることで、新設の物品搬送装置にて交換前物品を適切に収納部から取り出すことができる。
【0024】
また、前記既設の物品搬送装置及び前記新設の物品搬送装置の夫々が、前記走行台車に立設されて前記移載装置を上下方向に案内するマストを備え、前記新設の物品搬送装置の前記制御装置が、前記既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて前記走行台車を移載対象の前記収納部に対応する前記目標走行停止位置に停止させる場合に、前記既設の物品搬送装置における前記マストの傾きと前記新設の物品搬送装置における前記マストの傾きとの差を示す傾き情報に基づいて、前記目標走行停止位置を前記走行方向に補正すると好適である。
【0025】
マストの傾きによって移載装置の位置が走行方向にずれるため、新設の物品搬送装置と既設の物品搬送装置とを同じ目標走行停止位置に走行台車を停止させたとしても、新設の物品搬送装置のマストと既設の物品搬送装置のマストとに傾きに差があれば、移載装置の位置はずれてしまう。
そこで、新設の物品搬送装置の走行台車を移載対象の収納部に対応する目標走行停止位置に停止させる場合に、傾き情報に基づいて目標走行停止位置を走行方向に補正することで、新設の物品搬送装置のマストと既設の物品搬送装置のマストとに傾きに差があったとしても、新設の物品搬送装置の移載装置の位置を、収納前物品を収納したときの既設の物品搬送装置の移載装置の位置に近づけることができる。
【0026】
また、前記既設の物品搬送装置から前記新設の物品搬送装置に入れ換えた後において、前記管理情報に基づいて、前記交換前物品を収納している前記収納部が存在しなくなったことを報知する報知部を備えていると好適である。
【0027】
この構成によれば、作業者は、報知部にて報知される情報に基づいて、交換前物品を収納する収納部が存在しなくなったことを認識することができる。つまり、交換前物品を収納する収納部が存在しなくなった後は、新設の物品搬送装置は既設用走行位置検出装置や既設用被検出体検出装置等の検出情報に基づいて目標走行停止位置に停止させる必要がなくなるので、例えば、既設用被検出体や既設用被検出体検出装置を設けている場合において、これら不必要となるものを物品搬送設備から取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】物品搬送設備の斜視図
図2】既設のスタッカークレーンの側面図
図3】新設のスタッカークレーンの側面図
図4】既設のスタッカークレーンの制御ブロック図
図5】新設のスタッカークレーンの制御ブロック図
図6】既設のスタッカークレーンが列停止位置に停止した状態を示す側面図
図7】新設のスタッカークレーンが個別停止位置に停止した状態を示す側面図
図8】新設のスタッカークレーンが列停止位置に停止した状態を示す側面図
図9】新設のスタッカークレーンが個別停止位置に停止した状態を示す側面図
図10】マストの傾きの差を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明にかかる物品搬送設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品収納設備は、物品Wを収納する収納部1を棚横幅方向及び上下方向に並設した物品収納棚2と、その物品収納棚2の前方側を棚横幅方向に沿って走行して物品Wを搬送する物品搬送装置としてのスタッカークレーン3と、物品Wの四隅を載置支持する状態で物品Wを支持する搬出入用の荷受台4と、を設けて構成されている。
尚、図1において、矢印Xで示す方向が棚横幅方向(走行方向)であり、矢印Yで示す方向が移載方向である。
【0030】
〔物品収納棚〕
物品収納棚2は、互いに対抗するように間隔を隔てた状態で一対設置されている。各物品収納棚2は、棚横幅方向に間隔を隔てた状態で物品支持用部材5を等間隔で複数並設して構成されており、棚横幅方向に隣接する物品支持用部材5に亘って支持された状態で物品Wを収納部1に収納するように構成されている。
【0031】
収納部1における物品Wの収納形態について説明を加えると、物品支持用部材5は、収納部1に隣接する状態で立設された支柱5aと、その支柱5aから棚横幅方向で収納部1内方側に突出する状態で支柱5aに取り付けられた載置支持体5bと、を備えて構成されている。
そして、棚横幅方向に隣接する支柱5aの間に収納部1を形成する形態で、物品収納棚2には棚横幅方向に複数の収納部1が並設されている。また、支柱5aには、複数の載置支持体5bが上下方向に間隔を隔てた状態で取り付けられており、それら載置支持体5bの上方に収納部1を形成する形態で、物品収納棚2には上下方向に複数の収納部1が並設されている。収納部1は、隣接する支柱5aの間に位置する一対の載置支持体5bに亘って物品Wを載置支持する形態で物品Wを収納している。
物品収納棚2は、このように収納部1を複数の段及び複数の列に並設している。
【0032】
図2及び図3に示すように、スタッカークレーン3には、既設のスタッカークレーン3aと、この既設のスタッカークレーン3aから入れ換えられる新設のスタッカークレーン3bと、がある。
説明を加えると、物品搬送設備では、スタッカークレーン3に故障が生じた場合に新たなスタッカークレーン3に交換する場合や、スタッカークレーン3の性能の向上を図るためにより性能が高いスタッカークレーン3に交換する場合があり、交換する前のスタッカークレーン3を既設のスタッカークレーン3aと称し、交換した後のスタッカークレーン3を新設のスタッカークレーン3bと称している。
【0033】
まず、既存のスタッカークレーン3aと新設のスタッカークレーン3bとで共通する構成について説明する。
図2図5に示すように、既存のスタッカークレーン3a及び新設のスタッカークレーン3bの夫々は、一対の物品収納棚2の間に形成された走行経路を棚横幅方向(走行方向)に沿って走行する走行台車8と、その走行台車8に立設されたマスト9に沿って昇降自在な昇降台10と、昇降台10に装備されて収納部1や荷受台4と自己との間で物品Wを移載する移載装置11と、スタッカークレーン3の作動を制御する制御装置Hと、を備えて構成されている。
【0034】
そして、既存のスタッカークレーン3a及び新設のスタッカークレーン3bの移載装置11は、物品Wを載置支持する載置部を棚前後方向の出退自在に備えており、載置部の出退移動と昇降台10の昇降とにより、物品Wを収納部1と移載装置11の載置部上との間で物品Wを移載するように構成されている。また、移載装置11は、昇降台10及びマスト9を介して走行台車8に支持されている。
つまり、移載装置11は、走行台車8及びマスト9に上下方向に沿って昇降移動自在に支持され且つ収納部1と自己との間で物品Wを移載するように構成されている。
【0035】
既存のスタッカークレーン3a及び新設のスタッカークレーン3bは、走行経路に沿って設けられた案内レール12上を転動する走行輪7を走行用電動モータM1にて回転駆動させることにより、走行台車8を棚横幅方向に沿って走行させ、昇降台10に連結されたワイヤ13を巻回する巻取りドラム14を昇降用電動モータM2にて回転駆動させることにより、昇降台10を上下方向に沿って昇降させるように構成されている。
尚、走行用電動モータM1が、走行台車8を走行方向に沿って走行移動させる走行用駆動部に相当し、昇降用電動モータM2が、移載装置11を走行台車8に対して上下方向に沿って移動させる昇降用駆動部に相当し、これら走行用電動モータM1及び昇降用電動モータM2は、スタッカークレーン3に備えられている。
【0036】
既存のスタッカークレーン3a及び新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、上位のコントローラCからの搬送情報に基づいて、移動制御と移載制御とを実行して物品Wを搬送するべく、走行用電動モータM1、昇降用電動モータM2及び移載装置11の作動を制御する。
移動制御は、走行台車8を移載対象の収納部1に対応する目標走行停止位置に停止させ且つ移載装置11を移載対象の収納部1に対応する目標昇降停止位置に停止させるべく、走行用電動モータM1及び昇降用電動モータM2の作動を制御する制御である。
移載制御は、自己から移載対象の収納部1に物品Wを移載して当該物品Wを移載対象の収納部1に収納する又は移載対象の収納部1から自己に物品Wを移載して当該物品Wを移載対象の収納部1から取り出すべく、移載装置11の作動を制御する制御である。
図1に示すように、コントローラCは、走行経路の端部に設けられており、このコントローラCには、コントローラCに情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力装置31、及び、コントローラCの情報を表示するためのモニタ32が接続されている。
【0037】
〔既設のスタッカークレーン〕
次に、既設のスタッカークレーン3aについて説明する。
図2及び図4に示すように、既設のスタッカークレーン3aには、走行台車8の走行位置を検出する走行用ロータリーエンコーダ16と、昇降台10の昇降位置を検出する昇降用ロータリーエンコーダ17と、が設けられている。走行用ロータリーエンコーダ16は走行台車8に設けられており、走行台車8の走行移動に応じて検出情報(パルス)を出力するように構成されている。昇降用ロータリーエンコーダ17は昇降台10に設けられており、昇降台10の昇降移動に応じて検出情報(パルス)を出力するように構成されている。
これら、走行用ロータリーエンコーダ16から出力された検出情報や昇降用ロータリーエンコーダ17から出力された検出情報は既設のスタッカークレーン3aの制御装置Hに入力され、既設のスタッカークレーン3aの制御装置Hは、これらの検出情報に基づいて走行台車8の走行位置や昇降台10の昇降位置を判別するように構成されている。
【0038】
次に、既設のスタッカークレーン3aの制御装置Hについて、移動制御における走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御する移動制御について説明する。
図1に示すように、既設用被検出体としてのドグ19が、走行経路の床面上に走行方向に沿って複数設置され、図2に示すように、ドグ19を検出する既設用被検出体検出装置としてのドグ検出センサ20が既設のスタッカークレーン3aの走行台車8に備えられている。複数のドグ19は、走行経路の床面から設定距離高い高さを既設用設定高さとして、その1つの規定用設定高さにおいて収納部1の列の夫々に対応して列数と同じ数だけ設置されている。
【0039】
そして、既設のスタッカークレーン3aの制御装置Hには、棚横幅方向に並ぶ複数の収納部1の列の夫々に対して目標走行停止位置の情報が記憶されている。つまり、上下方向に並ぶ同じ列に属する複数の収納部1については同じ目標走行停止位置が設定されており、棚横幅方向に並ぶ同じ段に属する複数の収納部1については収納部1ごとに個別の目標走行停止位置が設定されている。
【0040】
既設のスタッカークレーン3aの制御装置Hが実行する移動制御では、走行用ロータリーエンコーダ16の検出情報及びドグ検出センサ20の検出情報に基づいて、走行台車8を移載対象の収納部1が属する列に対する目標走行停止位置(列停止位置)に停止させるべく、走行用電動モータM1の作動を制御する。
説明を加えると、走行台車8の走行速度を走行目標速度に向けて加速した後に走行速度で走行し、走行台車8の走行位置が目標走行停止位置(移載対象の収納部1に対して設定されている目標走行停止位置)より設定距離手前に設定された減速用位置に達すると、走行台車8の走行速度を停止用速度に減速させ、その後、ドグ検出センサ20にてドグ19の走行方向の上流側端部が検出されると走行台車8を設定距離走行させた後に停止させて、走行台車8を列停止位置に停止させる(図6参照)。
【0041】
このように既設の物品搬送装置の制御装置Hは、移動制御において、移動制御の実行中に検出した走行用ロータリーエンコーダ16の検出情報及び移動制御の実行中に検出したドグ検出センサ20の検出情報に基づいて、走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御するように構成されている。そして、走行用ロータリーエンコーダ16及びドグ検出センサ20が、物品収納棚2における収納部1の列ごとの目標走行停止位置として設定された列停止位置を検出する既設用走行位置検出装置に相当する。
【0042】
〔新設のスタッカークレーン〕
次に、新設のスタッカークレーン3bについて説明する。
図3及び図5に示すように、新設のスタッカークレーン3bには、走行台車8の走行位置を検出する新設用走行位置検出装置としての走行用レーザー測距計22と、昇降台10の昇降位置を検出する昇降用レーザー測距計23と、が設けられている。走行用レーザー測距計22は走行台車8に設けられており、走行経路の端部に設けられた走行用反射板24までの距離を検出するように設けられている。昇降用レーザー測距計23は、走行台車8に設けられており、昇降台10に設けられた昇降用反射板25までの距離を検出するように設けられている。
これら、走行用レーザー測距計22から出力された検出情報や昇降用レーザー測距計23から出力された検出情報は新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hに入力される。新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hはこれらの検出情報に基づいて、走行台車8の走行位置や昇降台10の昇降位置を判別するように構成されている。
【0043】
次に、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hについて、移動制御における走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御する第1移動制御、及び、移動制御における走行台車8を個別停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御する第2移動制御について説明する。
ドグ19を検出する既設用被検出体検出装置としてのドグ検出センサ20が新設のスタッカークレーン3bの走行台車8に備えられている。支柱5aを検出する新設用被検出体検出装置としての支柱検出センサ26が新設のスタッカークレーン3bの昇降台10に備えられている。
このように新設のスタッカークレーン3bには、ドグ19を検出するドグ検出センサ20に加えて、支柱5aを検出する支柱検出センサ26が設けられている。
【0044】
そして、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hには、物品収納棚2における複数の収納部1の夫々に対して設定された個別停止位置の情報と、物品収納棚2における収納部1の列ごとに設定された列停止位置の情報と、が記憶されている。これら個別停止位置の情報や列停止位置の情報は、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hが実行する学習制御による学習により記憶される。
【0045】
新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hが実行する学習制御では、複数段の収納部1における検出対象の段に対応する高さに昇降台10を昇降移動させ、その後、走行台車8を棚横幅方向に走行させる。そして、支柱検出センサ26の検出情報と支柱検出センサ26にて支柱5aを検出したときの走行用レーザー測距計22の検出情報とに基づいて、検出対象の段に属する複数の収納部1に対する目標走行停止位置を設定する。これを収納部1の複数段の夫々に対して行って、物品収納棚2の収納部1の夫々に対する目標走行停止位置(個別停止位置)を設定する。
また、走行台車8を棚横幅方向に走行させて、ドグ検出センサ20の検出情報とドグ検出センサ20にてドグ19を検出したときの走行用レーザー測距計22の検出情報とに基づいて、物品収納棚2における収納部1の列ごとに目標走行停止位置(列停止位置)を設定する。
【0046】
棚横幅方向に並ぶ複数の支柱5aにおける収納部1の段に対応する部分が、学習制御において支柱検出センサ26にて検出される。つまり、この支柱検出センサ26にて検出される支柱5aにおける収納部1の段に対応する部分の夫々が、上下方向に並設された各段の収納部1の夫々に対応した新設用設定高さの夫々において収納部1の列の夫々に対応して走行方向に沿って設置された新設用被検出体に相当する。
【0047】
新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hには、複数の収納部1の夫々についてスタッカークレーン3の交換時に交換前物品Wa(既設のスタッカークレーン3aにて収納された物品W)が収納されている収納部1の情報を管理情報として入力されており、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、上位のコントローラCからの搬送情報に基づいて管理情報を更新するようになっている。つまり、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、複数の収納部1の夫々について交換前物品Waを収納しているか否かの情報を管理情報として管理する管理部として機能する。
【0048】
新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hには、既設のスタッカークレーン3aにおけるマスト9の傾きと新設のスタッカークレーン3bにおけるマスト9の傾きとの差を示す傾き情報が記憶されている。
例えば、図10に示すように、既設のスタッカークレーン3aにおけるマスト9が鉛直姿勢から走行方向に傾いているのに対して新設のスタッカークレーン3bにおけるマスト9が鉛直姿勢である等により、新設のスタッカークレーン3bのマスト9が既設のスタッカークレーン3aのマスト9に対して相対的に走行方向に傾いている場合がある。
このような場合には、傾き情報として、新設のスタッカークレーン3bのマスト9と既設のスタッカークレーン3aのマスト9とのずれ量の情報が新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hに記憶されている。尚、このずれ量の情報は、図10に示すように、収納部1の各段に対応する高さ夫々におけるずれ量d1〜d5の情報である。
【0049】
次に、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hについて、移動制御における走行台車8を列停止位置又は個別停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御する移動制御について説明する。
【0050】
新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、管理情報に基づいて移載対象の収納部1が交換前物品Waを収納している収納部1と判別した場合は、既設のスタッカークレーン3aと同様に、ドグ検出センサ20の検出情報と走行台車8の位置を検出する走行位置検出装置(走行用レーザー測距計22)の検出情報とに基づいて走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御する第1移動制御を実行する。
つまり、移載対象の収納部1には交換前物品Waが収納されており、新設のスタッカークレーン3bにて移載対象の収納部1から交換前物品Waを取り出すときは、ドグ検出センサ20の検出情報に基づいて列停止位置を設定し、走行用レーザー測距計22の検出情報に基づいて、走行台車8を移載対象の収納部1に対して設定されている列停止位置に停止させる(図8参照)。
このように、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、移動制御において、移動制御の実行以前に実行する学習制御において検出したドグ検出センサ20の検出情報と移動制御の実行中に検出した走行用レーザー測距計22の検出情報とに基づいて、走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御する。
ちなみに、走行台車8を移載対象の収納部1に対して設定されている個別停止位置に停止させると図7に示す状態となる。
【0051】
そして、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、このように新設のスタッカークレーン3bの走行台車8を、移載対象の収納部1に対して設定されている列停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御する場合、傾き情報に基づいて列停止位置を走行方向に補正する。つまり、新設のスタッカークレーン3bの走行台車8が実際に停止する位置は、列停止位置から収納部1の段に対応するずれ量だけ走行方向にずらした位置となる。
このように、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、ドグ検出センサ20の検出情報に基づいて走行台車8を移載対象の収納部1に対応する目標走行停止位置に停止させる場合に、既設のスタッカークレーン3aにおけるマスト9の傾きと新設のスタッカークレーン3bにおけるマスト9の傾きとの差を示す傾き情報に基づいて、目標走行停止位置を走行方向に補正する。
【0052】
また、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、管理情報に基づいて移載対象の収納部1が交換前物品Waを収納している収納部1ではないと判別した場合は、既設のスタッカークレーン3aとは異なり、支柱検出センサ26の検出情報と走行用レーザー測距計22の検出情報とに基づいて走行台車8を個別停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御する第2移動制御を実行する。
つまり、移載対象の収納部1に物品Wが収納されておらず新設のスタッカークレーン3bにて移載対象の収納部1に物品Wを収納するとき、又は、移載対象の収納部1に新設のスタッカークレーン3bにて収納された物品Wが収納されており当該物品Wを新設のスタッカークレーン3bにて移載対象の収納部1から取り出すときは、走行用レーザー測距計22の検出情報とに基づいて、走行台車8を移載対象の収納部1に対して設定されている個別停止位置に停止させる(図9参照)。
このように、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、移動制御において、移動制御の実行以前に実行する学習制御において検出した支柱検出センサ26の検出情報と移動制御の実行中に検出した走行用レーザー測距計22の検出情報とに基づいて、走行台車8を個別停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御する。
【0053】
そして、新設のスタッカークレーン3bの制御装置Hは、管理情報を随時コントローラCに送信している。そして、コントローラCは、入力装置31にて表示要求が入力されるに伴って、管理情報に基づいて物品収納棚2の収納状態をモニタ32に表示する。このモニタ32には、交換前物品Waを収納した収納部1と、物品Wが収納されていない空き収納部1と、新設のスタッカークレーン3bにて物品Wが収納された収納部1と、を異なる表示形態で表示されており、作業者は、モニタ32の表示により物品収納棚2に交換前物品Waがなくなったことを認識できるようになっている。尚、モニタ32が、既設のスタッカークレーン3aから新設のスタッカークレーン3bに入れ換えた後において、管理情報に基づいて、交換前物品Waを収納している収納部1が存在しなくなったことを報知する報知部に相当する。
【0054】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、既設用走行位置検出装置を、走行台車8の走行位置を検出する検出装置(走行用ロータリーエンコーダ16)と走行台車8が設定位置に位置することを検出する検出装置(ドグ検出センサ20)とで構成したが、既設用走行位置検出装置を、走行台車8の走行位置を検出する検出装置のみで構成してもよい。つまり、例えば、既設用走行位置検出装置を走行用ロータリーエンコーダ16にて構成して、走行用ロータリーエンコーダ16の検出情報のみに基づいて走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用電動モータM1の作動を制御してもよい。
また、上記実施形態では、既設の物品搬送装置の制御装置Hが、既設用走行位置検出装置の検出情報と既設用被検出体検出装置の検出情報(既設用走行位置検出装置の検出情報に含まれるが便宜上併記している)とに基づいて、走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御したが、既設の物品搬送装置の制御装置Hが、既設用被検出体検出装置の検出情報のみに基づいて、走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御するように構成してもよい。
【0055】
(2)上記実施形態では、新設の物品搬送装置の制御装置Hが、新設用走行位置検出装置の検出情報と既設用被検出体検出装置の検出情報とに基づいて、走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御したが、新設の物品搬送装置の制御装置Hが、新設用走行位置検出装置の検出情報と既設用被検出体検出装置の検出情報とのうちの何れか一方の検出情報のみに基づいて、走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、新設の物品搬送装置の制御装置Hが、新設用走行位置検出装置の検出情報と新設用被検出体検出装置の検出情報とに基づいて、走行台車8を個別停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御したが、新設の物品搬送装置の制御装置Hが、新設用走行位置検出装置の検出情報と新設用被検出体検出装置の検出情報とのうちの何れか一方の検出情報のみに基づいて、走行台車8を個別停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御するように構成してもよい。
【0056】
(3)上記実施形態では、新設の物品搬送装置の新設用走行位置検出装置を、新設の物品搬送装置の既設用走行位置検出装置に兼用したが、新設の物品搬送装置に、新設用走行位置検出装置とは別に既設用走行位置検出装置を設けてもよい。具体的には、例えば、新設のスタッカークレーン3bに走行用ロータリーエンコーダ16と走行用レーザー測距計22とを設けて、走行台車8を列停止位置に停止させるときは走行用ロータリーエンコーダ16の検出情報に基づいて走行用電動モータM1の作動を制御し、走行台車8を個別停止位置に停止させるときは走行用レーザー測距計22の検出情報に基づいて走行用電動モータM1の作動を制御してもよい。
【0057】
(4)上記実施形態では、既設の物品搬送装置の制御装置Hが、移動制御の実行中の既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御したが、既設の物品搬送装置の制御装置Hが、移動制御の実行以前に実行する列学習制御における既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御してもよい。
新設の物品搬送装置の制御装置Hが、移動制御の実行以前に実行する学習制御における既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御したが、移動制御の実行中の既設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて走行台車8を列停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御してもよい。
また、新設の物品搬送装置の制御装置Hが、移動制御の実行以前に実行する学習制御における新設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて走行台車8を個別停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御したが、移動制御の実行中の新設用被検出体検出装置の検出情報に基づいて走行台車8を個別停止位置に停止させるべく走行用駆動部の作動を制御してもよい。
【0058】
(5)上記実施形態では、報知部として、物品Wの収納状態を表示するモニタ32を設けたが、報知部として、物品収納棚2に交換前物品Waがなくなったときに点灯する点灯部や、物品収納棚2に交換前物品Waがなくなったときに音を発するスピーカ等を設けてもよく、また、報知部を設けなくてもよい。
【0059】
(6)上記実施形態では、既設用被検出体を、床面上に設置したドグ19としたが、既設用被検出体を支柱5aの下端部にする等、既設用被検出体は適宜変更してもよい。
新設用被検出体を、物品収納棚2の支柱5aにおける収納部1の各段に対応する部分としたが、新設用被検出体を物品収納棚2の支柱5aに設置した反射板や物品収納棚2の載置支持体5bにする等、新設用被検出体は適宜変更してもよい。
【0060】
(7)上記実施形態では、傾き情報として、収納部1の各段における新設の物品搬送装置のマスト9と既設の物品搬送装置のマスト9とのずれ量を新設の物品搬送装置の制御装置Hに入力したが、傾き情報として、既設の物品搬送装置のマスト9に対する新設の物品搬送装置のマスト9の傾き量を新設の物品搬送装置の制御装置Hに入力してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 収納部
2 物品収納棚
3 スタッカークレーン(物品搬送装置)
3a 既設のスタッカークレーン(既設の物品搬送装置)
3b 新設のスタッカークレーン(新設の物品搬送装置)
8 走行台車
9 マスト
11 移載装置
16 走行用ロータリーエンコーダ(既設用走行位置検出装置)
19 ドグ(既設用被検出体)
20 ドグ検出センサ(既設用被検出体検出装置、既設用走行位置検出装置)
22 走行用レーザー測距計(新設用走行位置検出装置)
26 支柱検出センサ(新設用被検出体検出装置)
32 モニタ(報知部)
H 制御装置(管理部)
M1 走行用電動モータ(走行用駆動部)
M2 昇降用電動モータ(昇降用駆動部)
W 物品
Wa 交換前物品
図1
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