(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車両制御部は、前記車両の前輪、又は後輪の駆動力を制御することにより、ヒーブに関する変化量、又はピッチに関する変化量を抑制するように制御する請求項1又は2記載の車両。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術においては、制御手段のみにより、ピッチ制御とヒーブ制御の両立を図り、車両機構、及び構造を考慮していないため、制御の消費エネルギーが大きいという問題がある。また、車両機構、及び構造の制約から制御効果には限界があるという問題がある。
【0006】
また、特許文献2の技術においては、静的なモーメントのつり合いだけを考慮しているため、動的なバネ、及びダンパの影響で、振動を完全に消すことができないという問題がある。
【0007】
本発明では、上記問題点を解決するために成されたものであり、制御に伴う消費エネルギーを抑制しつつ、ピッチ、又はヒーブ制御の効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明に係る車両は、ヒーブに関する変化量又はピッチに関する変化量を抑制するように制御する車両制御部を含んで構成されており、前記車両の前輪のサスペンションの弾性係数k
fと、前記車両の後輪のサスペンションの回転中心と前記後輪の接地点との角度θ
rの正接との積が、前記車両の後輪のサスペンションの弾性係数k
rと、前記車両の前輪のサスペンションの回転中心と前記前輪の接地点との角度θ
fの正接との積に対応し、かつ、前記車両の前輪のサスペンションの減衰係数c
fと前記角度θ
rの正接との積が、前記車両の後輪のサスペンションの減衰係数c
rと前記角度のθ
r正接との積に対応する車両である。
【0009】
第1の発明によれば、車両制御部により、ヒーブに関する変化量又はピッチに関する変化量を抑制するように制御し、車両の前輪のサスペンションの弾性係数k
fと、車両の後輪のサスペンションの回転中心と後輪の接地点との角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの弾性係数k
rと、車両の前輪のサスペンションの回転中心と前輪の接地点との角度θ
fの正接との積に対応し、かつ、車両の前輪のサスペンションの減衰係数c
fと角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの減衰係数c
rと角度のθ
r正接との積に対応するように構成されている。
【0010】
このように、第1の発明によれば、車両の前輪のサスペンションの弾性係数k
fと角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの弾性係数k
rと角度θ
fの正接との積に対応し、かつ、車両の前輪のサスペンションの減衰係数c
fと角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの減衰係数c
rと角度θ
rの正接との積に対応するように構成し、ヒーブに関する変化量又はピッチに関する変化量を抑制するように制御することにより、制御に伴う消費エネルギーを抑制しつつ、ピッチ、又はヒーブ制御の効果を高めることができる。
【0011】
また、第1の発明において、前記車両の前輪のサスペンションの弾性係数k
fと前記角度θ
rの正接との積が、前記車両の後輪のサスペンションの弾性係数k
rとの前記角度θ
f正接との積に一致し、かつ、前記車両の前輪のサスペンションの減衰係数c
fと前記角度θ
rの正接との積が、前記車両の後輪のサスペンションの減衰係数c
rと前記角度θ
rの正接との積に一致するように構成してもよい。
【0012】
また、第1の発明において、前記車両制御部は、前記車両の前輪、又は後輪の駆動力を制御することにより、ヒーブに関する変化量、又はピッチに関する変化量を抑制するように制御してもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の車両によれば、車両の前輪のサスペンションの弾性係数k
fと角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの弾性係数k
rと角度θ
fの正接との積に対応し、かつ、車両の前輪のサスペンションの減衰係数c
fと角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの減衰係数c
rと角度θ
rの正接との積に対応するように構成し、ヒーブに関する変化量又はピッチに関する変化量を抑制するように制御することにより、制御に伴う消費エネルギーを抑制しつつ、ピッチ、又はヒーブ制御の効果を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
<本実施形態に係る車両の原理>
まず、本実施形態に係る車両の原理について説明する。始めに、本実施形態に係る車両の運動方程式について説明する。
図1示す、直進時の車両単体のハーフカーモデルにおいて、下記(1)式の運動方程式が成立する。
【0018】
ここで、θ
bは、車両ピッチ角度[rad]であり、下記(2)式の関係がある。
【0022】
は、車両ピッチ角速度[rad/s]であり、
【0024】
は、車両ピッチ角加速度[rad/s
2]である。
【0025】
θ
fは、車両の前輪のサスペンションの回転中心と前輪の接地点との角度を表す。また、θ
rは、車両の後輪のサスペンションの回転中心と後輪の接地点との角度を表す。
【0026】
また、zは、車両重心の高さ方向位置[m]であり、下記(3)式の関係がある。
【0030】
は、車両重心の高さ方向速度[m/s]であり、
【0032】
は、車両重心の高さ方向加速度[m/s
2]である。また、xは、車両重心前後方向位置[m]であり、
【0034】
は、車両重心前後方向速度[m/s]であり、
【0036】
は、車両重心前後方向加速度[m/s
2]である。また、F
xfは、車両前輪駆動力[N]であり、F
xrは、車両後輪駆動力[N]である。また、z
fbは、車両前輪位置の車体高さ[m]であり、
【0038】
は、車両前輪位置の車体高さ方向速度[m/s]であり、
【0040】
は、車両前輪位置の車体高さ方向加速度[m/s
2]である。また、z
rbは、車両後輪位置の車体高さ[m]であり、
【0042】
は、車両後輪位置の車体高さ方向速度[m/s]であり、
【0044】
は、車両後輪位置の車体高さ方向加速度[m/s
2]である。また、z
fgは、車両前輪接地点の高さ方向位置[m]であり、
【0046】
は、車両前輪接地点の高さ方向速度[m/s]である。また、z
rgは、車両後輪接地点の高さ方向位置[m]であり、
【0048】
は、車両後輪接地点の高さ方向速度[m/s]である。また、z
ftは、車両前輪の高さ方向位置[m]であり、
【0050】
は、車両前輪の高さ方向速度[m/s]であり、
【0052】
は、車両前輪の高さ方向加速度[m/s
2]である。また、z
rtは、車両後輪の高さ方向位置[m]であり、
【0054】
は、車両後輪の高さ方向速度[m/s]であり、
【0056】
は、車両後輪の高さ方向加速度[m/s
2]である。また、m
bは、車両質量[kg]であり、I
bは、車両慣性モーメント[kgm
2]であり、l
fは、車両重心点と前輪間の長さ[m]であり、lrは、車両重心点と後輪間の長さ[m]であり、m
ftは、車両前輪質量[kg]であり、m
rtは、車両後輪質量[kg]であり、k
fは、車両前輪のサスペンション弾性係数[N/m]であり、k
rは、車両後輪のサスペンション弾性係数[N/m]であり、k
ftは、車両前輪弾性係数[N/m]であり、k
rtは、車両後輪弾性係数[N/m]である。また、c
fは、車両前輪のアブソーバ減衰係数[Ns/m]であり、c
rは、車両後輪のアブソーバ減衰係数[Ns/m]であり、c
ftは、車両前輪減衰係数[Ns/m]であり、c
rtは、車両後輪減衰係数[Ns/m]である。
【0057】
次に、本実施形態に係る車両の車両機構、及び構造設計について説明する。車両が定常走行していることを想定した、理想ピッチ加速度抑制
【0059】
を実現する入力は、空気抵抗、転がり抵抗、各部損失を無視すると下記(4)式に示すようになる。
【0061】
上記(4)式の状態において、ヒーブ加速度は下記(5)式に示すようになる。
図2に示すように、
図2の四角で囲った値が小さい程ヒーブ加速度は小さくなる。
【0065】
とすると、
図2の四角で囲った部分は、下記(6)式のようになる。ここで、下記(6)式の理想の状態は、第1項の
【0071】
をピッチ制御で0に収束させた状態である。なお、車両車体のヒーブ変位量Δz
bは、車両前輪位置の車体高さz
fbと車両後輪位置の車体高さz
rbの差分である。また、車両タイヤのヒーブ変位量Δz
tは、車両前輪の高さ方向位置z
ftと車両後輪の高さ方向位置z
rtとの差分である。
【0073】
以上より、ピッチ制御時にヒーブを抑制できる理想の機構、及び構造特性は、下記(7)式、及び下記(8)式の条件を満たす場合である。
【0075】
次に、車両が定常走行していることを想定した、理想ヒーブ加速度抑制
【0077】
を実現する入力は、空気抵抗、転がり抵抗、各部損失を無視すると下記(9)式に示すようになる。
【0079】
上記(9)式の状態において、ピッチ加速度は下記(10)式に示すようになる。
図3に示すように、
図3の四角で囲った値が小さい程ピッチ加速度は小さくなる。
【0083】
とすると、
図3の四角で囲った部分は、下記(11)式のようになる。ここで、下記(11)式の理想の状態は、第1項の
【0089】
をピッチ制御で0に収束させた状態である。
【0091】
以上より、ヒーブ制御時にピッチを抑制できる理想の機構、及び構造特定は、上記(7)式、及び上記(8)式の条件を満たす場合である。
【0092】
上記、本実施形態に係る車両の車両機構、及び構造設計についての説明によって、理想ピッチ加速度抑制を行う場合に、ヒーブ加速度も同時に抑制できる最適な機構、及び構造特性を明らかにした。また、理想ヒーブ加速度抑制を行う場合に、ピッチ加速度も同時に抑制できる最適な機構、及び構造特性を明らかにした。これにより、制御することを前提として場合の最適な構造特性は、上記(7)式、及び上記(8)式の状態を満たす場合である。
【0093】
次に、本実施形態に係る車両のピッチ制御について説明する。
【0094】
図4に、基本的なピッチ制御についてのブロック線図を示す。ここで、
【0096】
であり、上記(12)式は、上記(1)式の運動方程式を変更したものであり、上記(13)式は、評価関数のパラメータとなる評価出力を表す。また、z
cは定数である。また、
【0098】
であることから、制御入力ξ
zが入力された場合に上記(2)式の分子を0に近づかせるように上記(12)式、上記(13)式、及び上記(14)式から、上記(14)式のゲインであるKを予め設定する。
【0099】
具体的には、下記(14a)式の評価関数を最小化するu
1を求める必要があるため、下記(14b)式の解として得られる正定対称行列Pをもとに、上記(14)式は、下記(14c)式のように表される。そのため、ゲインKは、下記(14d)式のようになる。
【0104】
なお、上記(14a)式のQ,Rは、各重みを表す。また、ζは、C
zを変更することにより、ピッチ制御、及び後述するヒーブ制御において位置、速度、及び加速度と変更することができるため、各々の場合の入力u
1を取得することができる。
【0105】
また、上記(2)式の分子は、車両車体のヒーブ変位量Δz
bを表し、車体に関する車両車体のヒーブ変位量Δz
bを0に近づけることにより、車体と連結しているタイヤに関する車両タイヤのヒーブ変位量Δz
tも0に近づかせることができる。このようにすることにより、上記(6)式の第3項の値(
図3のピッチ制御による値)を0に収束させることができる。また、上記(14)式の制御出力u
1は、車両後輪駆動力F
xrでもよい。また、他のパラメータについては、
【0108】
となる。なお、Tは転置を表す。また、上記(13)式において、ピッチ位置θ
b、又はピッチ速度
【0110】
を評価出力とする場合には、上記(13)は
【0112】
であり、ピッチ位置θ
bを評価出力とする場合、パラメータC
zは、下記(15)式を用いる。
【0116】
を評価出力とする場合には、パラメータC
zは、下記(16)式を用いる
【0118】
また、上記(13)式において、ピッチ加速度
【0120】
を評価出力とする場合には、上記(13)式は、
【0122】
であり、パラメータC
zは、上記(15)式を用いる。本実施形態においては、何れの評価出力を実現するように構成してもよい。
【0123】
次に、本実施形態に係る車両のヒーブ制御について説明する。
【0124】
図5に、基本的なヒーブ制御についてのブロック線図を示す。ヒーブ制御についても、上述のピッチ制御と同様上記(12)式〜(14)式を満たすため、制御入力ξ
zが入力された場合に車両車体のヒーブ変位量Δz
bを0に近づかせるように上記(12)式、上記(13)式、及び上記(14)式から、上記(14)式のゲインであるKを予め設定する。なお、車両車体のヒーブ変位量Δz
bは、車両前輪位置の車体高さz
fb+車両後輪位置の車体高さz
rbによって表され、車体に関する車両車体のヒーブ変位量Δz
bを0に近づけることにより、車体と連結しているタイヤに関する車両タイヤのヒーブ変位量Δz
tも0に近づかせることができる。このようにすることにより、上記(11)式の第3項(
図5のヒーブ制御による値)を0に収束させることができる。
【0125】
また、上記(13)式において、ヒーブ位置z
b、又はヒーブ速度
【0127】
を評価出力とする場合には、上記(13)は
【0129】
であり、ヒーブ位置z
bを評価出力とする場合、パラメータC
zは、下記(17)式を用いる。
【0133】
を評価出力とする場合には、パラメータC
zは、下記(18)式を用いる
【0135】
また、上記(13)式において、ピッチ加速度
【0137】
を評価出力とする場合には、上記(13)式は、
【0139】
であり、パラメータC
zは、上記(18)式を用いる。本実施形態においては、何れの評価出力を実現するように構成してもよい。
【0140】
<本発明の第1の実施形態に係る車両について>
次に、本発明の第1の実施形態に係る車両について説明する。本発明の第1の実施形態に係る車両は、上記(7)式、及び上記(8)式に示す条件を満たすように構成されており、また、上述したピッチ制御が行われているものとする。なお、ピッチ制御の評価出力は、ピッチ速度
【0144】
を用い、パラメータC
zは、上記(16)式で表わされ、後述する車両制御部20に制御入力ξ
zが入力された場合に上記(2)式の分子が0に近づくように上記(12)式、上記(13)式、及び上記(14)式から、上記(14)式のゲインであるKが設定されているものとする。
【0145】
<本発明の第1の実施形態に係る車両の構成>
次に、本発明の第1の実施形態に係る車両100の構成について説明する。
図6に示すように、本発明の第1の実施形態に係る車両100は、前輪位置の車体高さレーザー変位計10と、後輪位置の車体高さレーザー変位計12と、前輪レーザー変位計14と、後輪レーザー変位計16と車両制御部20と、モータ90と、モータ92とを含んで構成されている。
【0146】
前輪位置の車体高さレーザー変位計10は、車両100の車両前輪位置の車体高さz
fbを取得し、車両制御部20に出力する。
【0147】
後輪位置の車体高さレーザー変位計12は、車両100の車両後輪位置の車体高さz
rbを取得し、車両制御部20に出力する。
【0148】
前輪レーザー変位計14は、車両100の車両前輪の高さ方向位置z
ftを取得し、車両制御部20に出力する。
【0149】
後輪レーザー変位計16は、車両100の車両後輪の高さ方向位置z
rtを取得し、車両制御部20に出力する。
【0150】
車両制御部20は、前輪位置の車体高さレーザー変位計10から入力される車両前輪位置の車体高さz
fb、後輪位置の車体高さレーザー変位計12から入力される車両後輪位置の車体高さz
rb、前輪レーザー変位計14から入力される車両前輪の高さ方向位置z
ft、及び後輪レーザー変位計16から入力される車両後輪の高さ方向位置z
rtの各々を微分し、車両前輪位置の車体高さ方向速度
【0158】
を取得する。また、車両制御部20は、前輪位置の車体高さレーザー変位計10から入力された車体前輪位置の車体高さz
fb、後輪位置の車体高さレーザー変位計12から入力された車両後輪位置の車体高さz
fb、前輪レーザー変位計14から入力された車両前輪の高さ方向位置z
ft、後輪レーザー変位計16から入力された車両後輪の高さ方向位置z
rt、及び取得した各種情報を合わせた制御入力ξ
zに基づいて、上記(14)式に従って、制御出力である車両前輪駆動力F
xfを計算し、計算された車両前輪駆動力F
xfを実現するためのモータ電流値をモータ90、及びモータ92に出力する。
【0159】
モータ90は、車両100の右前輪のインホイールモータであり、車両制御部20により制御される。
【0160】
モータ92は、車両100の左前輪のインホイールモータであり、車両制御部20により制御される。
【0161】
<本発明の第1の実施形態に係る車両の作用>
次に、本発明の第1の実施形態に係る車両100の作用について説明する。まず、前輪位置の車体高さレーザー変位計10から車両前輪位置の車体高さz
fb、後輪位置の車体高さレーザー変位計12から車両後輪位置の車体高さz
rb、前輪レーザー変位計14から車両前輪の高さ方向位置z
ft、及び後輪レーザー変位計16から車両後輪の高さ方向位置z
rtの各々が車両制御部20に入力されると、車両制御部20によって、
図7に示すモータ制御処理ルーチンが実行される。
【0162】
まず、ステップS100では、車両制御部20において受け付けた、車両前輪位置の車体高さz
fb、車両後輪位置の車体高さz
rb、車両前輪の高さ方向位置z
ft、及び車両後輪の高さ方向位置z
rtの各々を微分し、車両前輪位置の車体高さ方向速度
【0171】
次に、ステップS102では、ステップS100において算出された各種情報と、車両制御部20に入力された各種情報を合わせた制御入力ξ
zに基づいて、上記(14)式に従って、車両前輪駆動力F
xfを算出する。
【0172】
次に、ステップS104では、ステップS102において取得した車両前輪駆動力F
xfに基づいて、モータ90、及びモータ92を制御して、ステップS100に移行し、ステップS100〜ステップS104を繰り返す。
【0173】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係る車両によれば、車両の前輪のサスペンションの弾性係数k
fと角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの弾性係数k
rと角度θ
fの正接との積に対応し、かつ、車両の前輪のサスペンションの減衰係数c
fと角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの減衰係数c
rと角度θ
rの正接との積に対応するように構成し、ピッチに関する変化量を抑制するように制御することにより、制御に伴う消費エネルギーを抑制しつつ、ヒーブ制御の効果を高めることができる。
【0174】
また、ピッチ及びヒーブ特性の両立を図ることができる。
【0175】
また、車両機構、及び構造を考慮することで、制御に伴う消費エネルギーの最小化が可能である。
【0176】
また、車両機構、及び構造も最適設計することで、制御効果を最大限引き出すことができる。
【0177】
また、ピッチ制御、又はヒーブ制御に加えて、車両機構、及び構造も設計することで、車両機構、及び構造による制約が取り除かれる。
【0178】
また、動的なバネ、及びダンパの影響も考慮して、ヒーブあるいはピッチ制御を行う際に、ピッチあるいはヒーブの振動も最小化するように車両機構、及び構造を設計することができる。
【0179】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0180】
例えば、第1の実施形態においては、制御出力u
1を車両前輪駆動力F
xfとする場合について説明したが、制御出力u
1を車両後輪駆動力F
xrとしてもよい。この場合、車両制御部20により制御される対象は、車両100の後輪のインホイールモータとなる。
【0181】
また、第1の実施形態においては、ピッチ制御の評価出力として、ピッチ速度
【0183】
とする場合について説明したが、ピッチ位置θ
b、又はピッチ加速度
【0185】
を評価出力としてもよい。この場合、上記(12)〜上記(14)式のパラメータを適切に設定する必要がある。
【0186】
また、第1の実施形態においては、車両前輪位置の車体高さz
fbをレーザー変位計を用いて取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ、又はサスペンションストロークセンサ値から計算してもよい。また、カメラ、レーザー変位計、速度計により取得される車両前輪位置の車体高さ方向速度
【0189】
また、第1の実施形態においては、車両前輪位置の車体高さ方向速度
【0191】
を、車両前輪位置の車体高さz
fbを微分して取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ、レーザー変位計、又は加速度センサ等から取得できる車両前輪位置の車体高さ方向加速度
【0194】
また、第1の実施形態においては、車両後輪位置の車体高さz
rbをレーザー変位計を用いて取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ、又はサスペンションストロークセンサ値から計算してもよい。また、カメラ、レーザー変位計、速度計により取得される車両後輪位置の車体高さ方向速度
【0197】
また、第1の実施形態においては、車両後輪位置の車体高さ方向速度
【0199】
を、車両後輪位置の車体高さz
rbを微分して取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ、レーザー変位計、又は加速度センサ等から取得できる車両後輪位置の車体高さ方向加速度
【0202】
また、第1の実施形態においては、車両前輪の高さ方向位置z
ftをレーザー変位計を用いて取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラを用いて取得してもよい。また、カメラ、レーザー変位計、又は速度計等により取得された、車両前輪の高さ方向速度
【0205】
また、第1の実施形態においては、車両前輪の高さ方向速度
【0207】
を、取得した車両前輪の高さ方向位置z
ftを微分して取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ、レーザー変位計、加速度センサ等を用いて取得される車両前輪の高さ方向加速度
【0210】
また、第1の実施形態においては、車両後輪の高さ方向位置z
rtをレーザー変位計を用いて取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラを用いて取得してもよい。また、カメラ、レーザー変位計、又は速度計等により取得された、車両後輪の高さ方向速度
【0213】
また、第1の実施形態においては、車両後輪の高さ方向速度
【0215】
を、取得した車両後輪の高さ方向位置z
rtを微分して取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ、レーザー変位計、加速度センサ等を用いて取得される車両後輪の高さ方向加速度
【0220】
を取得し、加速度センサを用いて車両重心の高さ方向加速度
【0225】
また、第1の実施形態においては、車両の構造を上記(7)式、及び上記(8)式に示す条件を満たすように構成する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、下記(19)式、及び下記(20)式に示す条件を満たすように、車両を構成してもよい。
【0227】
次に、第2の実施形態に係る車両について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0228】
第2の実施形態では、車両がヒーブ制御を行っている点が、第1の実施形態と主に異なっている。
【0229】
<本発明の第2の実施形態に係る車両について>
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両について説明する。本発明の第2の実施形態に係る車両は、上記(7)式、及び上記(8)式に示す条件を満たすように構成されており、また、上述したヒーブ制御が行われているものとする。なお、ヒーブ制御の評価出力は、ヒーブ速度
【0233】
を用い、パラメータC
zは、上記(18)式で表わされ、車両制御部20に制御入力ξ
zが入力された場合に車両車体のヒーブ変位量Δz
bが0に近づくように上記(12)式、上記(13)式、及び上記(14)式から、上記(14)式のゲインであるKが予め設定されているものとする。
【0234】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態に係る車両によれば、車両の前輪のサスペンションの弾性係数k
fと角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの弾性係数k
rと角度θ
fの正接との積に対応し、かつ、車両の前輪のサスペンションの減衰係数c
fと角度θ
rの正接との積が、車両の後輪のサスペンションの減衰係数c
rと角度θ
rの正接との積に対応するように構成し、ヒーブに関する変化量を抑制するように制御することにより、制御に伴う消費エネルギーを抑制しつつ、ピッチ制御の効果を高めることができる
【0235】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0236】
例えば、第2の実施形態においては、ヒーブ制御の評価出力として、ヒーブ速度
【0238】
を評価出力とする場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ヒーブ位置z
b、又はヒーブ加速度
【0240】
を評価出力としてもよい。この場合、上記(12)〜上記(14)式のパラメータを適切に設定する必要がある。