(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポールは、床面上に前記車両の車幅方向、車長方向、車高方向のうちの少なくとも一方向に位置調整可能に取り付けられた請求項1から8のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
前記車両拘束治具に着脱自在に取り付けられて前記車両試験装置による前記車両の試験時に生じる当該車両拘束治具の振動を減衰する振動減衰装置をさらに備えた請求項1から13のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
前記車両拘束治具の他端側を当該車両拘束治具がヨーイング運動可能に前記ポールに連結させる連結機構をさらに備えた請求項1から15のいずれか1項に記載の車両拘束装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1,2に示した車両拘束装置1は、シャシダイナモメータ(車両試験装置)のローラ2上にタイヤ34を載せた車両3を拘束する車両拘束装置であって、一端側が車両3のフレーム31における左右のリアエンド(後端部)32近傍に第1リンク機構11を介して回動自在に連結される一方で他端側が床面4上の左右のポール5に第2リンク機構12を介して回動自在に連結される一対の車両拘束治具6を備える。
【0022】
車両拘束治具6,6は、鋼板等の機械的強度に優れた素材により板材や鋼管材など、車両3の前後移動を拘束するために必要な引張強度と圧縮強度を備えた材質により形成されている。また、車両拘束治具6,6は、車両3の車長に合わせてその長さを調整可能なターンバックル等の長さ調整機構7を一端側に備えている。
【0023】
第1リンク機構11は、車両3の左右のリアエンド32近傍に取り付けられる一対の取り付け部材13と、この対向する一対の取り付け部材13を連結する連結軸14と、この連結軸14の両端付近において車両拘束治具6を車両3の後方全方位に回動自在に連結させる連結治具15とを備える。
【0024】
連結軸14は、車両拘束治具6と同様に、長さ調整機構7を備えることにより、車両3の車幅に対応して長さが調整可能となっている。一方、連結治具15としては、連結軸14の一端付近に装着されるピロボールを備えたものが適用される。
【0025】
取り付け部材13の具体的な態様を
図3,4に例示する。
【0026】
図3に示された取り付け部材13は、フレーム31のリアエンド32もしくは近傍に接続固定される台座部21と、この台座部21から車両3の後方に突出する取り付け本体部22と、この取り付け本体部22の両側面に配置されて連結軸14の両端付近を水平支持する一対の軸支持部23とを、一体的に備える。
【0027】
台座部21は、
図3(B)に示したように、車両3のリアパネル(図示省略)をリアエンド32もしくは近傍に固定させる固定穴35に螺着される固定具20によって、リアエンド32もしくは近傍に固定される。尚、台座部21はリアエンド32もしくは近傍に接続固定できればよいので、台座部21の形状及び固定具20の個数は図示された形状及び個数に特に限定されない。
【0028】
図4に示された取り付け部材13は、左右のリアエンド32近傍間で対向する取り付け本体部22の側面に軸支持部23を配置させたこと以外は、
図3の取り付け部材13と同じ構成となっている。
【0029】
また、
図5に示したように、取り付け部材13には、取り付け本体部22を下方から補助的に支持する補助支持部24を取り付け本体部22と一体的に備えると、リアエンド32に対して第1リンク機構11を、より安定的且つ強固に連結できる。補助支持部24の本体部25は、リアエンド32近傍のリアフレーム33の下面部に螺着される固定具20によって固定される。
【0030】
さらに、
図6に示したように、取り付け部材13には、補助支持部24の本体部25の両側面に補助取り付け部26をこの本体部25と一体的に備えると、リアエンド32に対して第1リンク機構11を、より一層、安定的且つ強固に連結できる。補助取り付け部26はリアフレーム33の両側面部に螺着される固定具20によって固定される。
【0031】
第2リンク機構12は、
図1,2に示したように、車両拘束治具6の他端側に嵌装される回動軸16と、ポール5に取り付けられて回動軸16が嵌装される軸受け部材17とを備える。尚、ポール10は、床面4上の台座部50において、車両3の車幅方向、車長方向、車高方向のうちの少なくとも一方向に位置調整可能となるように設置されている。
【0032】
第1リンク機構11は車両3の左右のリアエンド32近傍に取り付けられることにより、
図1,2に示したように、連結軸14がリアエンド32近傍の高さに近づいた位置にて水平に配置される。第2リンク機構12の回動軸16もリアエンド32近傍と略同じ高さの位置するようにポール10に取り付けられている。
【0033】
次に、
図1,2を参照しながら本実施形態の車両拘束装置1の使用例について説明する。
【0034】
先ず、車両3のリアフレームが取り外されてフレーム31の左右のリアエンド32近傍が露出される。次いで、連結治具15が装着された連結軸14が予め取り付けられた第1リンク機構11の取り付け部材13がリアエンド32近傍に固定具20によって固定される。
【0035】
次いで、この左右のリアエンド32近傍に固定された第1リンク機構11の連結治具15に、車両拘束治具6の一端が接続される。この連結治具15に接続された車両拘束治具6は車両3の外側後方全方位に回動自在となる。次いで、車両拘束治具6の長さが長さ調整機構7によって調整される。次いで、車両拘束治具6の他端側が、リアエンド32近傍と略同じ高さの位置において、第2リンク機構12を介してポール5に回動自在に結合される。そして、ポール5は、その高さ,車両3の前後方向若しくは幅方向の配置,車両拘束治具6に対する接続方向が適宜調整される。以上のように、車両3が拘束された後、シャシダイナモメータのローラ2を回転させて車両3の各種試験が実施される。
【0036】
以上のことから本実施形態の車両拘束装置1によれば、リアエンド32近傍に車両拘束治具6の一端が回動自在に連結される一方で車両拘束治具6の他端がリアエンド32近傍と略同じ高さの位置によって車両3が拘束されている。これにより、車両3は車両(並進)前後運動が拘束されるが車両(回転)ピッチング運動と車両(並進)上下運動はフリーとなり、垂直荷重が路上に近似した車両挙動の実現が可能になる。また、車両3のタイヤ34に加わる垂直荷重を加減速状態まで含めて走行状態と一致させることができるため、モード運転による燃費、排ガス試験や車両性能試験の車両挙動を含めた試験が可能となる。
【0037】
また、車両3のフレーム31の要素のうちで比較的剛性の高い左右のリアエンド32近傍に車両拘束治具6の一端側が連結されることにより、車両3のピッチング運動の挙動を再現しながらも、確実、強固に車両3を拘束できる。特に、ドアや窓を閉めた状態にて運転が可能となる。また、車両3の車内を改造することが不要となるので、ドアや窓を閉めた状態による車両3内の騒音を計測する場合であっても、車両3の外の騒音が計測に悪影響を及ぼさなくなる。
【0038】
さらに、左右の第1リンク機構11の取り付け部材13は連結軸14によって連結され、この連結軸14の両端付近に連結治具15を介して車両拘束治具6が連結された状態となっているので、連結軸14に対する車両拘束治具6のモーメント(トルク)の負荷率が軽減する。したがって、連結軸14の変形とこれに伴う取り付け部材13の変形や破断を防止できる。さらに、車両拘束治具6は、連結軸14の両端近傍において連結治具15によって車両3の後方全方位に回動自在となっているので、車両3のリアエンド32近傍において車両拘束治具6を任意の角度で連結できる。
【0039】
また、連結軸14は長さ調整機構7によって長さが調整可能であるので、車両3の車幅サイズに応じて任意に長さを調整できる。さらに、車両拘束治具6も、長さ調整機構7によって長さが調整可能であるので、車両3の車長に応じて長さを任意に調整できる。
【0040】
そして、ポール10は、床面4上において車両3の車幅方向、車長方向、車高方向のうちの少なくとも一方向に位置調整可能であるので、車両3のサイズに応じて、車両拘束治具6の他端をリアエンド32近傍と略同じ高さの位置に調整できる。
【0041】
[第2実施形態]
図7,8に示した第2実施形態の車両拘束装置1は、第1リンク機構11において一対の取り付け部材13の代わりに一対の取り付け部材40を備えたこと以外は、第1実施形態の車両拘束装置1と同じ態様となっている。
【0042】
取り付け部材40は、フレーム31のリアエンド32近傍に固定具20(
図3)によって接続固定される台座部41と、この台座部41から車両3後方に突出する取り付け本体部42と、この取り付け本体部42の後方側面部に配置されて連結軸14の両端付近部を水平支持する横断面コ字状の軸支持部43と、この軸支持部43を鉛直に支持する鉛直支持部44とを、一体的に備える。
【0043】
図5,6の態様と同様に、取り付け本体部42及び軸支持部43を補助的に支持する補助支持部24がこの取り付け本体部42,軸支持部43と一体的に備えられることにより、リアエンド32近傍に対して第1リンク機構11がさらに安定的且つ強固に連結されている。
【0044】
軸支持部43は、車高方向長さが第1実施形態の軸支持部23の車高方向長さよりも長く形成されている。そして、この軸支持部43において、連結軸14の両端付近部が選択的に水平に嵌装される複数の軸受け穴(図示省略)が車高方向に配列形成されることにより、連結軸14の設置高さが車高方向に調整可能となっている。
【0045】
また、左右のリアエンド32近傍に各々配置された左右の軸支持部43は、水平に配置される補強治具45によって連結補強される。この補強治具45も、長さ調整機構7を備えることにより、長さが任意に調整可能となっている。
【0046】
次に、
図7,8を参照しながら本実施形態の車両拘束装置1の使用例について説明する。
【0047】
車両3のリアフレームが取り外されて露出したフレーム31の左右のリアエンド32近傍に対して、第1リンク機構11の取り付け部材40が固定具20によって固定される。取り付け部材40においては、連結治具15が装着された連結軸14の両端付近部が予め所定高さ位置の軸穴に嵌装されて支持されている。次いで、この左右のリアエンド32近傍に固定された第1リンク機構11の連結治具15に、車両拘束治具6の一端が接続される。次いで、車両拘束治具6の長さが長さ調整機構7によって調整される。次いで、この車両拘束治具6の他端側は、連結軸14と略同じ高さの位置において、第2リンク機構12を介してポール5に回動自在に結合される。そして、ポール5は、その高さ,車両3の前後方向若しくは幅方向の配置,車両拘束治具6に対する接続方向が適宜調整される。以上のように車両3が拘束された後、シャシダイナモメータのローラ2を回転させて車両3の各種試験が実施される。
【0048】
本実施形態の車両拘束装置1は、第1リンク機構11において連結軸14の配置が車両3の車高方向に調整可能であるので、第1実施形態の車両拘束装置1の効果に加えて、車両拘束治具6の一端の位置が車両重心点位置30と略同じ高さとなるように任意に調整できる。したがって、一定速度や一定速度に近い緩やかな加減速度などの定常状態にて運転する際に、垂直荷重が路上に近似した車両挙動の実現性が高まる。
【0049】
[第3実施形態]
図9,10に示した第3実施形態の車両拘束装置1は、車両拘束治具6が第一拘束治具6aと第二拘束治具6bとからなること、及び、拘束力検出器8,支持機構9を備えたこと以外は、第1実施形態の車両拘束装置1と同じ態様となっている。
【0050】
車両拘束治具6は、一端側が第1リンク機構11の連結治具15に接続される第一拘束治具6aと、一端側が第一拘束治具6aに回動自在に連結される一方で他端側が第2リンク機構12を介してポール5に回動自在に連結される第二拘束治具6bとからなる。
【0051】
第一拘束治具6aの他端側は、第二拘束治具6bの一端側に回動軸16を介して軸着された連結治具15に接続される。第一拘束治具6aも、長さ調整機構7を備えることにより長さが調整可能となっている。
【0052】
一方、第二拘束治具6bの他端側は、ポール5に取り付けられた軸受け部材17に回動軸16を介して軸着されている。また、第二拘束治具6bは、この第二拘束治具6bの拘束力を検出する拘束力検出器8を備える。さらに、第二拘束治具6bは、車両3のリアエンド32近傍と同じ高さの位置において支持機構9によって支持される。
【0053】
支持機構9は、
図10に示したように、第二拘束治具6bの外周面と弾性当接する緩衝材90を有する治具受け部91と、この治具受け部91を水平方向または垂直方向に回転可能に支持する支柱部92とを備える。
【0054】
治具受け部91は、矩形筒状または円筒状の部材の内面に緩衝材90が備えられた態様を成し、第二拘束治具6bを導入できるように例えば上半部と下半部とに分離可能となっている。緩衝材90としては、ポリエチレンなどに例示される周知の弾性部材から成る厚板等が適用される。
【0055】
支柱部92は、床面4に設置された台座部93において、車両3の車幅方向、車長方向、車高方向のいずれかに位置調整可能に立設されている。
【0056】
図9を参照しながら本実施形態の車両拘束装置1の使用例について説明する。
【0057】
車両3の左右のリアエンド32近傍に固定された第1リンク機構11の連結治具15に、第一拘束治具6aの一端が接続される。次いで、第一拘束治具6aの長さが長さ調整機構7によって調整される。また、予め、第2リンク機構12を介してポール5に連結されてリアエンド32近傍と略同じ高さの位置において支持機構9によって支持された第二拘束治具6bの一端に回動軸16を介して連結治具15が軸着される。この連結治具15に第一拘束治具6aの他端側が接続される。そして、ポール5の配置が、車両3の前後方向若しくは幅方向に調整されることにより、ポール5の車両拘束治具6に対する接続方向が適宜調整される。以上のように車両3が拘束された後、シャシダイナモメータのローラ2を回転させて車両3の各種試験が実施される。
【0058】
以上の本実施形態の車両拘束装置1によれば、車両拘束治具6において拘束力検出器8を備えたことにより、車両3の拘束力を検出できるので、第1実施形態の車両拘束装置1の効果に加えて、車両バネ上の特性を計測及び解析評価することが可能になる。
【0059】
特に、車両3の車両(回転)ピッチング運動及び車両(並進)上下運動に伴い車両拘束治具6が重力方向に振動しても、この振動による車両拘束治具6の衝撃が支持機構9の治具受け部91の緩衝材90によって確実に吸収されるので、前記振動による拘束力検出器8の拘束力の計測信号への影響を低減できる。また、第二拘束治具6bの座屈現象による破損をより効果的に防止できる。
【0060】
さらに、支持機構9の支柱部92は車幅方向、車長方向、車高方向のいずれかに配置位置が調整可能であるので、車両3の車幅、車長、車高に応じて治具受け部91の配置を任意に設定できる。
【0061】
そして、第二拘束治具6bには、この第二拘束治具6bの固有振動を減衰させる振動減衰装置89を備えるとよい。振動減衰装置89としては、第二拘束治具6bに対して非同軸に取り付ける周知の振動減衰装置が挙げられる。振動減衰装置89は、例えば、第二拘束治具6bに着脱自在に取り付けられる取り付け部材と、この部材に着脱自在に接続されるゴム,バネに例示される弾性部材と、この部材に着脱自在に接続される重量調整な錘を備える。以上の本態様によれば、車両3の試験時に生じる第二拘束治具6bの固有振動が振動減衰装置89によって減衰されるので、拘束力検出器8は車両拘束治具82の影響を低減させた拘束力の計測信号が検出可能となる。
【0062】
また、上記の振動減衰装置89に代わりに、
図18(A)に示した振動減衰装置89を適用してもよい。振動減衰装置89は、第二拘束治具6bに着脱自在に取り付けられる取り付け部材891と、この取り付け部材891の下端部891cの外側面に着脱自在に接続される弾性部材892と、この弾性部材892に一端が着脱自在に接続される長さ調整可能な軸部893と、この軸部893の他端に着脱自在に接続される重量調整可能な錘部894を備える。
【0063】
取り付け部材891は、第二拘束治具6bに着脱自在に取り付けられる上端部891aと、この上端部891aに着脱自在に接続される本体部891bと、この本体部891bに着脱自在に接続される下端部891cとを備える。
【0064】
本体部891bは上端部891a(第二拘束治具6bに対する取り付け位置)を中心に搖動(全方位回転可能)となっている。前記全方位回転可能とするために、上端部891aは例えば上端にピロボールを備えたものが適用される。
【0065】
本体部891bは上端部891aに対して着脱自在であるので、長さの異なる本体部891bを任意に選択すればよい。尚、本体部891bには、本体部891bの長さLを調整する長さ調整機構(例えば、前述の長さ調整機構7)を具備させると、本体部891bの交換が不要となる。
【0066】
下端部891cは水平方向に回転自在となっている。下端部891cは、例えば本体部891bの下端と螺合する雌ねじ部が形成されたもの適用されると、水平方向任意に回転自在となる。
【0067】
弾性部材892としては、例えば、周知の防振ダンパーに適用されている弾性合成ゴム、コイルバネ等の弾性部材が適用される。軸部893としては、例えば、弾性部材892に螺着される長さ調整可能なネジシャフトが適用される。錘部894としては、例えば、軸部893に螺着される分割可能な周知形状の錘が適宜に適用される。
【0068】
以上の振動減衰装置89は、第二拘束治具6bから離間して非同軸に着脱自在に取り付けが可能となっているので、第二拘束治具6bのような両端が固定されて固有振動数の調整が困難な棒状の部材に対して容易に取り付け可能となる。しかも、取り付け後であっても錘部894の重量調整が可能となるので、第二拘束治具6bの固有振動周波数、減衰率の調整が容易となる。
【0069】
特に、振動減衰装置89においては、取り付け部材891は、上端部891aが第二拘束治具6bに対して、本体部891bが上端部891aに対して、下端部891cが本体部891bに対して、弾性部材892が下端部891cに対して、軸部893が弾性部材892に対して、錘部894が軸部893に対して、それぞれ着脱自在となっている。したがって、第二拘束治具6bに対する上端部891aの取り付け位置、本体部891b,軸部893,弾性部材892の長さ、弾性部材892の弾性力、錘部894の重さを任意個別に設定可能となる。よって、第二拘束治具6bの固有振動周波数に対して柔軟に対応した調整が可能となる。そして、下端部891cを水平方向に回転自在とすることにより、前記調整の効果がさらに一層高まる。
【0070】
尚、
図18(B)に示したように、取り付け部材891の下端部891cの外側面において既存の弾性部材892と対向させて弾性部材892を着脱自在に追加接続し、また、この弾性部材892に対して軸部893を着脱自在に接続し、さらに、この軸部893に対して錘部894を着脱自在に接続するとよい。本態様によれば、第二拘束治具6bの固有振動周波数、減衰率の調整範囲がさらに拡張する。
【0071】
[第4実施形態]
図11に示した第4実施形態の車両拘束装置1は、第1リンク機構11において一対の取り付け部材13の代わりに一対の取り付け部材40を備えたこと以外は、第3実施形態の車両拘束装置1と同じ態様となっている。
【0072】
本実施形態の車両拘束装置1は、第2実施形態の車両拘束装置1と同様に連結軸14の配置が車両3の車高方向に調整可能であるので、車両拘束治具6の一端を車両重心点位置30と略同じ高さ付近において拘束できる。したがって、本実施形態の車両拘束装置1によれば、第3実施形態の車両拘束装置1の効果に加えて、一定速度や一定速度に近い緩やかな加減速度などの定常状態にて運転する際に、垂直荷重が路上に近似した車両挙動の実現性を高めることができる。
【0073】
[第5実施形態]
図12に示した第5実施形態の車両拘束装置1は、車両拘束治具6において第一拘束治具6aを複数備えたこと以外は、第3実施形態の車両拘束装置1と同じ態様となっている。
【0074】
すなわち、第1リンク機構11において水平配置された連結軸14の両端付近にて、連結治具15が複数(図示の態様例では2本)装着されている。この複数の連結治具15に各々接続された複数(同態様例では2本)の第一拘束治具6aは、第二拘束治具6bに回動軸16を介して軸着された複数の連結治具15に各々接続される。尚、連結軸14,回動軸16の両端近傍には、ロックナットなどの離脱防止部材が装着されることにより、当該軸14,16からの連結治具15の脱離防止が図られている。
【0075】
図12を参照しながら本実施形態の車両拘束装置1の使用例について説明する。
【0076】
左右のリアエンド32近傍に固定された第1リンク機構11の個々の連結治具15に、第一拘束治具6aの一端が接続される。個々の第一拘束治具6aは長さ調整機構7によって長さが調整される。また、予め、第2リンク機構12を介してポール5に連結されてリアエンド32近傍と略同じ高さの位置において支持機構9によって支持された第二拘束治具6bの一端にて遊貫する回動軸16の両端近傍に連結治具15が装着される。回動軸16の両端近傍には前記脱離防止部材が装着される。次いで、この回動軸16の両端付近に接続された連結治具15の各々に第一拘束治具6aの他端側が接続される。そして、ポール5の配置が、車両3の前後方向若しくは幅方向に調整されることにより、ポール5の車両拘束治具6に対する接続方向が適宜調整される。以上のように車両3が拘束された後、シャシダイナモメータのローラ2を回転させて車両3の各種試験が実施される。
【0077】
本実施形態の車両拘束装置1によれば、複数の第一拘束治具6aが並列に配置された状態で単一の第二拘束治具6bに回動自在に連結されているので、第3実施形態の車両拘束装置1の効果に加えて、車両拘束治具6の剛性が高まる。したがって、試験者の意図とする路上に近似した様々な車両挙動の実現が可能になる。
【0078】
[第6実施形態]
図13,14に示した第6実施形態の車両拘束装置1は、第1リンク機構11において一対の取り付け部材13の代わりに一対の取り付け部材40を備えたこと以外は、第5実施形態の車両拘束装置1と同じ態様となっている。尚、本実施形態においても、連結軸14,回動軸16の両端近傍には、ロックナットなどの脱離防止部材が装着されることにより、当該軸14,16からの連結治具15の脱離防止が図られている。
【0079】
本実施形態の車両拘束装置1は、第2実施形態の車両拘束装置1と同様に連結軸14の配置が車両3の車高方向に調整可能であるので、車両拘束治具6の一端を車両重心点位置30と略同じ高さ付近において拘束できる。したがって、本実施形態の車両拘束装置1によれば、第5実施形態の車両拘束装置1の効果に加えて、一定速度や一定速度に近い緩やかな加減速度などの定常状態にて運転する際に、垂直荷重が路上に近似した車両挙動の実現性を高めることができる。
【0080】
[第7実施形態]
図15、
図16は第7実施形態を示す。本実施形態の車両拘束装置1は、第1,2実施形態において、シャシダイナモメータによる車両3の試験時に生じる車両拘束治具6の撓みを吸収する撓み吸収機構70を備える。
【0081】
図15に示された撓み吸収機構70は、前記試験時に重力方向の撓みを生じた車両拘束治具と弾性当接する緩衝材700を有する治具受け部701と、この治具受け部701を水平方向または垂直方向に回転可能に支持する支柱部702とを備える。緩衝材700としては、ポリエチレンなどに例示される周知の弾性部材から成る厚板等が適用される。
【0082】
支柱部702は、床面4に設置された台座部703において、車両3の車幅方向、車長方向、車高方向のいずれかに位置調整可能に立設されている。
【0083】
以上の本実施形態によれば、撓み吸収機構70が配置されたことにより、第1,2実施形態の効果に加えて、シャシダイナモメータによる車両3の試験時に重力方向に撓む車両拘束治具6の衝撃を緩衝材700により吸収できる。
【0084】
例えば、ブレーキ操作試験などにより車両3が急減速し、車両拘束治具6が撓むことがあっても、この撓みが治具受け部701上の緩衝材700によって吸収されるので、拘束力検出器8の拘束力の計測信号への影響を低減できる。また、車両拘束治具6の座屈現象による破損を防止できる。
【0085】
特に、治具受け部701は、車両拘束治具6の下(重力方向)に配置されており、水平方向または垂直方向に回転可能であるので、車両拘束治具6の任意の方向からの撓みに対応して当該撓みを吸収できる。
【0086】
また、
図16に示したように、治具受け部701には、水平方向の撓みを生じた車両拘束治具と弾性当接する緩衝材700を有する一対の受け止め部704を備えるとよい。本態様によれば、重力方向,車幅方向に撓む車両拘束治具6の衝撃が一対の受け止め部704の緩衝材700によって確実に吸収され、車両拘束治具6の影響を、より一層、低減させた拘束力の計測信号が検出可能となる。また、車両拘束治具6の座屈現象による破損をより効果的に防止できる。
【0087】
尚、
図17に示したように、本実施形態においても、第3実施形態と同様に、車両拘束治具6に対して振動減衰装置89を着脱自在に取り付けるとよい。本態様によれば、車両3の試験時に生じる車両拘束治具6の固有振動が振動減衰装置89によって減衰するので、車両3の試験時に生じる車両拘束治具6の影響をさらに低減させた拘束力の計測信号が拘束力検出器8において検出可能となる。
【0088】
[第8実施形態]
図19、
図20は第8実施形態を示す。本実施形態の車両拘束装置1は、第1〜7実施形態のいずれかの態様において、シャシダイナモメータによる車両3の試験時に生じる車両3の横振れを抑制する横振れ抑制機構61をさらに備える。
【0089】
横振れ抑制機構61は車両3の前輪側及び後輪側の位置にて左右一対に配置されている。横振れ抑制機構61は、車両3の本体と弾性当接する緩衝材62と、この緩衝材62の配置位置が車両3の幅方向に調整自在に緩衝材62を支持する支持部材63と、この支持部材63が取り付けられる支柱部64とを備える。
【0090】
緩衝材62はスポンジやエアボールが充填されて成る。支持部材63,支柱部64は、車両拘束治具6と同様に、鋼板等の機械的強度に優れた素材により板材や鋼管材など、車両3の横力を拘束するために必要な引張強度と圧縮強度を備えた材質から成る。
【0091】
支持部材63は、
図20に示したように、支柱部64に固定された水平支持部材65によって水平支持されている。一方、支柱部64は、床面4上に配置固定された台座部67において車両3の車幅方向、車長方向、車高方向のいずれかに位置調整可能に立設支持部材66によって立設支持されている。
【0092】
以上の本実施形態の車両拘束装置1によれば、横振れ抑制機構61が配置されたことにより、第1〜7実施形態の効果に加えて、シャシダイナモメータによる車両3の試験時に発生する車両3の横振れ(横力)を抑制できる。これにより、車両3のピッチング、上下運動以外の動きを抑えることができる。
【0093】
特に、車両拘束装置1は、第1〜7実施形態のいずれかの車両拘束治具6と、横振れ抑制機構61を備えたことにより、車両ピッチング運動の解放を確保しながらも、車両3の試験時に発生する車両3の横力を抑制できる。これにより、垂直荷重が路上に近似した車両挙動をより一層効果的に実現できる。
【0094】
また、横振れ抑制機構61は、車両3の前輪側及び後輪側の位置にて左右一対に配置されることにより、車両3の左右フロントフェンダー部近傍と左右リアフェンダー部近傍する位置において車両3の横振れを抑制できる。したがって、通常、車両3の前方に設置されているエンジンを冷却するための車両3の冷却ファン吐出口に干渉することがなく運転が可能となる。また、乗車時などの車両3のドア開閉にも干渉しないため、計測機器を車両3に搭載する場合の準備時間が短縮する可能となる。
【0095】
さらに、横振れ抑制機構61において、緩衝材62が車両3の本体と弾性当接するので、車両3のピッチング運動を阻害する影響を低減できる。また、緩衝材62の配置位置は支持部材63によって車両3の幅方向に調整自在となっているので、車両3の車幅に応じて緩衝材62の配置を任意に設定できる。
【0096】
そして、支柱部64は車幅方向、車長方向、車高方向のいずれかに配置位置が調整可能であるので、車両3の車幅、車長、車高に応じて緩衝材62の配置を任意に設定できる。
【0097】
[第9実施形態]
図21に示した本実施形態の車両拘束装置1は、第1〜8実施形態のいずれかの態様において、第2リンク機構12の代わりに、以下に述べる第2リンク機構(連結機構)51を備える。
【0098】
第2リンク機構51は、車両拘束治具6の他端側をこの車両拘束治具6がヨーイング運動(
図21の矢印Yで示した水平方向運動)可能にポール5に連結させる。
【0099】
第2リンク機構51は、ポール5に具備されたブラケット部52に挿通される一方で車両拘束治具6の他端側に具備された一対のブラケット部601に支持される軸部53と、この軸部53に装着される一方でブラケット部52に嵌装されるピロボール(球面滑り軸受け)54を備える。
【0100】
また、ブラケット部601から軸部53の脱離を防止するために、軸部53の両端にはナット等の締結具55が装着されている。
【0101】
以上の第2リンク機構51を備えた車両拘束装置1によれば、第1〜8実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0102】
床面4におけるポール5の台座部50の配置を厳密に調整しなくても、ピロボール54によってポール5のブラケット部52に対する車両拘束治具6の設置角度を任意に設定できる。これにより、車両拘束装置1の取付け作業時間の短縮が可能となる。
【0103】
ところで、特許文献9に開示された従来の車両拘束装置は、車両を拘束するチェーンが連結されるフックを備えた移動金具を有するスライドベアリングをポールの任意の位置に設けることによりポールの上下方向及びポールを軸心に回転可能に移動金具の移動できる。
【0104】
しかしながら、前記従来の車両拘束装置においては、一旦、移動金具をポールに固定した後はポールの位置を微調整できない。さらに、前記車両のヨーイング運動が拘束される問題がある。
【0105】
特に、前記車両を前記ポールに結合させた後は、当該ポールの過回転防止などの保護協調を確保するため、当該車両の可動範囲が固定または制限される。つまり、車両のヨーイング運動が著しく拘束される。また、車両拘束後の走行状態においては、車両のヨーイングも考慮する必要があるので、前記チェーンと前記ポールとの結合部分にある程度の角度を許容しようとした場合に隙間等の機械的な遊びが大きくなる可能性がある。
【0106】
これに対して、本態様の車両拘束装置1においては、車両拘束治具6側のブラケット部601において支持された軸部53に装着されたピロボール54はポール5側のブラケット部52に嵌装された状態となっているので、軸部53とブラケット部52との隙間が最小限に抑えられる。したがって、車両3と床面4上のポール5とを確実、強固に連結でき、車両3の前後方向の運動を制限できる。
【0107】
また、床面4上のポール5の保護協調に加え、ピロボール54にて車両3の車幅方向の回転を拡張することにより、ピロボール54の可動範囲において車両3のヨーイング運動を許容することが可能となる。
【0108】
さらに、軸部53におけるポール5のブラケット部52と車両拘束治具6のブラケット部601との間の部位にはピロカラー(中間部材)56を装着させるとよい。ブラケット部52,601間の機械的な遊びがさらに解消されるので、車両3とポール5とを、より一層、確実及び強固に連結できる。
【0109】
以上のように本実施形態の車両拘束装置1によれば、試験者の意図とする路上に近似した車両挙動を、より一層、効果的に再現できる。
【0110】
また、上記の第2リンク機構51の代わりに、
図22に示した以下の第2リンク機構(連結機構)51を採用してもよい。
【0111】
第2リンク機構51は、車両拘束治具6の他端側にこの治具6と同軸に具備されたブラケット部602に挿通される一方でポール5に具備された一対のブラケット部57に支持される軸部53と、この軸部53に装着される一方で車両拘束治具6のブラケット部602に嵌装されるピロボール54を備える。このような態様により、この車両拘束治具6がヨーイング運動(
図22の矢印Yで示した水平方向運動)可能にポール5に連結される。
【0112】
前記一対のブラケット部57はポール5に具備されたブラケット部52の一端に固定されている。そして、このブラケット部57からの軸部53の脱離を防止するために、軸部53の両端には締結具55が装着されている。
【0113】
以上の第2リンク機構51を備えた車両拘束装置1によれば、上述の
図21の第2リンク機構51を備えた車両拘束装置1と実質的に同等の効果が得られることは明らかである。
【0114】
尚、第2リンク機構51においても、軸部53におけるポール5のブラケット部57と車両拘束治具6のブラケット部602との間の部位にピロカラー56を装着させるとよい。本態様によれば、ブラケット部57,602間の機械的な遊びがさらに解消されるので、車両3とポール5とを、より一層、確実及び強固に拘束できる。
【0115】
[第10実施形態]
また、第8実施形態の第2リンク機構51の代わりに、
図23に示された第2リンク機構(連結機構)51を採用してもよい。
【0116】
本態様の第2リンク機構51は、ピロボール54の代わりに軸受け58を備えたこと以外は、
図21の第2リンク機構51と実質的に同じ態様となっている。
【0117】
すなわち、第2リンク機構51は、ポール5に具備されたブラケット部52に挿通される一方で車両拘束治具6の他端側に具備された一対のブラケット部601に支持される軸部53と、この軸部53に装着される一方でブラケット部52に嵌装される軸受け58とを備える。
【0118】
軸受け58は弾性部材を備える。すなわち、軸受け58は、
図25に示したように、軸部53に装着される内側軸受け部581と、ブラケット部52に嵌装される外側軸受け部582と、この内側軸受け部581と外側軸受け部582との間に介在させる弾性部材583とを備える。また、緩衝材である弾性部材583は例えば弾性合成ゴムからなる。
【0119】
このような第2リンク機構51の態様により、この車両拘束治具6がヨーイング運動(
図23の矢印Yで示した水平方向運動)可能にポール5に連結される。
【0120】
以上の第2リンク機構51を備えた車両拘束装置1によっても第8実施形態と同様の効果が得られることは明らかである。
【0121】
すなわち、床面4におけるポール5の台座部50の配置を厳密に調整しなくても、弾性部材583を備えた軸受け58によってポール5のブラケット部52に対する車両拘束治具6の設置角度を任意に設定できる。これにより、車両拘束装置1の取付け作業時間の短縮が可能となる。
【0122】
また、車両拘束治具6側のブラケット部601において支持された軸部53に装着された軸受け58はポール5側のブラケット部52に嵌装された状態となっているので、軸受け58の弾性部材583の緩衝材特性によって微小な車両3の前後方向の運動を許容する。さらには、車両拘束治具6において比較的大きな捻じり角が得られるので、車両拘束治具6とポール5とが連結された際の車両拘束治具6並びにポール5に対する応力負荷が軽減する。そして、床面4上のポール5の保護協調に加え、弾性部材583にて車幅方向の回転が拡張し、弾性部材583の緩衝材特性において車両3のヨーイング運動を許容することが可能となる。
【0123】
以上のように本実施形態の車両拘束装置1によれば試験者の意図とする路上に近似した車両挙動をより一層効果的に再現できる。
【0124】
また、上記の第2リンク機構51の代わりに、
図24に示した第2リンク機構(連結機構)51を採用してもよい。本態様の第2リンク機構51は、ピロボール54の代わりに軸受け58を備えたこと以外は、
図22の第2リンク機構51と実質的に同じ態様となっている。
【0125】
すなわち、第2リンク機構51は、車両拘束治具6の他端側にこの治具6と同軸に具備されたブラケット部602に挿通される一方でポールに具備された一対のブラケット部57に支持される軸部53と、この軸部53に装着される一方で車両拘束治具6のブラケット部602に嵌装される軸受け58を備える。このような態様により、この車両拘束治具6がヨーイング運動(
図24の矢印Yで示した水平方向運動)可能にポール5に連結される。
【0126】
以上の第2リンク機構51を備えた車両拘束装置1によれば、上述の
図22の第2リンク機構51を備えた車両拘束装置1と実質的に同等の効果が得られることは明らかである。
【0127】
また、
図21のブラケット部52、
図22のブラケット部602は、ピロボール54の代わりに、
図26に示したような弾性部材593を備えたピロボール(球面滑り軸受け)59を備えるとよい。
【0128】
さらに、
図1〜4,7〜9,11〜14の連結治具15は、
図26のピロボール59を備えるとよい。そして、この連結治具15を、
図21〜24の第2リンク機構51,上述のピロボール59を有するブラケット部52,602のいずれかと組み合わせて、車両拘束装置1に備えてもよい。
【0129】
ピロボール59は、
図21,22の軸部53及びまたは
図1〜4,7〜9,11〜14の連結軸14及びまたは
図9,11〜13の回
動軸16に装着される。
【0130】
図21,22の軸部53に装着されるピロボール59は、軸部53に装着される一方で外周面が球面状を成す内筒部591と、ブラケット部52,602の一端に接続される外筒部592と、この内筒部591と外筒部592との間に介在させる弾性合成ゴムからなる弾性部材593とを備える。
【0131】
図1〜4,7〜9,11〜14の連結軸14、
図9,11〜13の回
動軸16に装着されるピロボール59は、連結軸14,回
動軸16に装着される一方で外周面が球面状を成す内筒部591と、連結治具15の本体部の一端に接続される外筒部592と、この内筒部591と外筒部592との間に介在させる弾性合成ゴムからなる弾性部材593とを備える。
【0132】
以上のピロボール59を備えた態様によれば、第1〜10実施形態の車両拘束治具6において、さらに比較的大きな捻じり角が得られる。したがって、第1〜10実施形態の効果に加えて、車両拘束治具6が第1リンク機構11とポール5とに連結された際の第1リンク機構11、車両拘束治具6並びにポール5に対する応力負荷が軽減する。