特許第6187553号(P6187553)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6187553
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/16 20060101AFI20170821BHJP
   B62D 33/067 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   E02F9/16 A
   B62D33/067 L
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-169605(P2015-169605)
(22)【出願日】2015年8月28日
(65)【公開番号】特開2017-44040(P2017-44040A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136250
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 博臣
(72)【発明者】
【氏名】大西 誠一
(72)【発明者】
【氏名】山崎 隆典
(72)【発明者】
【氏名】和田 一朗
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 正和
【審査官】 西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−002178(JP,A)
【文献】 実開昭61−202559(JP,U)
【文献】 実開平01−108820(JP,U)
【文献】 特開平03−036337(JP,A)
【文献】 実開昭56−124068(JP,U)
【文献】 特開2004−076470(JP,A)
【文献】 実開昭49−127005(JP,U)
【文献】 特開2004−257241(JP,A)
【文献】 実開昭58−111247(JP,U)
【文献】 特開2011−256961(JP,A)
【文献】 特開2011−149176(JP,A)
【文献】 実開昭54−065501(JP,U)
【文献】 実開平04−104782(JP,U)
【文献】 特開2010−208804(JP,A)
【文献】 米国特許第8899129(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0239510(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/34
E02F 3/36
E02F 3/38
E02F 5/06
E02F 9/00
E02F 9/16
E02F 9/24
B62D 33/067
B62D 33/07
B66C 23/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械であって、
本体側架台を有する機械本体と、
前記本体側架台に対して回動可能に支持されるキャブ架台と、
前記キャブ架台に支持され、着座状態と前記着座状態から上方に回動したチルトアップ状態との間で回動可能なチルトキャブと、
シリンダロッドとシリンダチューブとを有し、一端が前記本体側架台に接続されると共に他端が前記キャブ架台に接続され、前記シリンダロッドの伸縮に伴って前記キャブ架台を回動させるチルトシリンダと、
を備え、
前記キャブ架台には、前記着座状態から前記チルトアップ状態に向けて上昇した上昇状態にある前記チルトキャブの下降を停止させるロックピンを装着するためのピン挿通孔が形成されており、
前記ピン挿通孔は、前記上昇状態における前記ロックピンの装着時に前記ロックピンが前記シリンダチューブの前記シリンダロッド側の端面に接触又は近接する位置に形成されていることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
前記ロックピンは、第1ロックピン及び第2ロックピンからなり、
前記ピン挿通孔は、前記第1ロックピンを挿脱するための第1ピン挿通孔と前記第2ロックピンを挿脱するための第2ピン挿通孔とからなり、
前記第1ピン挿通孔は、前記ロックピンの装着時において前記第1ロックピンが前記シリンダチューブの前記シリンダロッド側の端面に近接する第1位置に形成され、
前記第2ピン挿通孔は、前記ロックピンの装着時において前記シリンダロッドを挟んで前記第1位置とは反対側の第2位置であって前記第2ロックピンが前記シリンダチューブの前記シリンダロッド側の端面に近接する第2位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記キャブ架台には、前記ロックピンの抜止めに用いられる抜止め部材が設けられ、
前記ロックピンには、前記ロックピンの延伸方向に直交する方向に平らな形状を有すると共に穴が形成された板部材が設けられ、
前記ロックピンの装着時おいて、前記板部材に形成された穴に前記抜止め部材が挿通し、前記抜止め部材に対して抜止めが施されることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記ロックピンの外周面のうち、前記シリンダチューブの前記シリンダロッド側の端面に対向する少なくとも一部に平面が形成されていることを特徴とする請求項1から3のうち何れかに記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に関し、より詳細には、着座状態と当該着座状態から上方に回動したチルトアップ状態との間で回動可能なチルトキャブを備える作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、機体に対して昇降可能なキャブを備える作業機械において、キャブ下側のメンテナンス作業を行う際に、ロックピンを用いてキャブの落下を防止する技術が提案されている。
【0003】
具体的には、特許文献1の図1(a)(b)に示されるように、昇降機構(16)は、機体上に立設したタワー(31)とキャブ(17)との間に平行リンク(32)を備えている。平行リンク(32)は、常に平行を保つように回動自在に軸支した上リンク(43)および下リンク(44)を有する。タワー(31)にはピン挿入穴(51)が形成され、下リンク(44)にはキャブ(17)がメンテナンス位置まで上昇した状態でタワー(31)のピン挿入穴(51)と合致するピン挿入穴(53)が形成されている。そして、これらのピン挿入穴(51)及びピン挿入穴(53)にはロックピン55が挿入され、キャブ(17)の落下が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−37604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、作業機械の中には、着座状態と当該着座状態から上方に回動したチルトアップ状態との間で回動可能なチルトキャブを備えるものが存在する。チルトキャブを備える作業機械では、特許文献1記載の平行リンク(32)に相当する構造が存在しないため、特許文献1と同じ構成を採用してキャブの下降を防止することはできない。
【0006】
そこで本発明は、チルトキャブを備える作業機械においてチルトキャブの下降を防止することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、作業機械であって、本体側架台を有する機械本体と、前記本体側架台に対して回動可能に支持されるキャブ架台と、前記キャブ架台に支持され、着座状態と前記着座状態から上方に回動したチルトアップ状態との間で回動可能なチルトキャブと、シリンダロッドとシリンダチューブとを有し、一端が前記本体側架台に接続されると共に他端が前記キャブ架台に接続され、前記シリンダロッドの伸縮に伴って前記キャブ架台を回動させるチルトシリンダと、を備え、前記キャブ架台には、前記着座状態から前記チルトアップ状態に向けて上昇した上昇状態にある前記チルトキャブの下降を停止させるロックピンを装着するためのピン挿通孔が形成されており、前記ピン挿通孔は、前記上昇状態における前記ロックピンの装着時に前記ロックピンが前記シリンダチューブの前記シリンダロッド側の端面に接触又は近接する位置に形成されていることを特徴とする作業機械を提供している。
【0008】
また、前記ロックピンは、第1ロックピン及び第2ロックピンからなり、前記ピン挿通孔は、前記第1ロックピンを挿脱するための第1ピン挿通孔と前記第2ロックピンを挿脱するための第2ピン挿通孔とからなり、前記第1ピン挿通孔は、前記ロックピンの装着時において前記第1ロックピンが前記シリンダチューブの前記シリンダロッド側の端面に近接する第1位置に形成され、前記第2ピン挿通孔は、前記ロックピンの装着時において前記シリンダロッドを挟んで前記第1位置とは反対側の第2位置であって前記第2ロックピンが前記シリンダチューブの前記シリンダロッド側の端面に近接する第2位置に形成されているのが好ましい。
【0009】
また、前記キャブ架台には、前記ロックピンの抜止めに用いられる抜止め部材が設けられ、前記ロックピンには、前記ロックピンの延伸方向に直交する方向に平らな形状を有すると共に穴が形成された板部材が設けられ、前記ロックピンの装着時おいて、前記板部材に形成された穴に前記抜止め部材が挿通し、前記抜止め部材に対して抜止めが施されるのが好ましい。
【0010】
また、前記ロックピンの外周面のうち、前記シリンダチューブの前記シリンダロッド側の端面に対向する少なくとも一部に平面が形成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、チルトキャブを備える作業機械においてチルトキャブの下降を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による解体機を示す側面図。
図2】チルトキャブの着座状態を示す側面図。
図3】チルトキャブのチルトアップ状態を示す側面図。
図4】キャブ架台の側面に形成された挿通孔を説明するための図。
図5】挿通孔にロックピンが装着された状態を示す図。
図6】ロックピンを示す平面図(A)、正面図(B)及び側面図(C)。
図7図5のVII−VII位置で切った断面を左上方から見た図。
図8図7のVIII矢視図。
図9】変形例に係るキャブ架台の底板を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<1.構成>
本発明の実施形態による作業機械について図1乃至図8に基づき説明する。以下では、本発明に係る作業機械の一例として、解体機1を例にとって説明する。なお、説明の都合上、各図面では必要に応じて前後方向及び左右方向を定義している。
【0014】
図1に示すように、解体機1は、クローラ式の下部走行体2と上部旋回体3とを備えている。
【0015】
上部旋回体3は、下部走行体2上に搭載されており、下部走行体2に対して鉛直軸まわりに旋回することが可能である。上部旋回体3は、機械本体4と、上方に回動可能なチルトキャブ(運転室)5と、機械本体4に接続されるアタッチメント6とを備えている。
【0016】
図2に示すように、機械本体4には、チルトキャブ5の後方において立設する本体側架台41が備えられている。本体側架台41は、下側架台411と、その下側架台411の上に立設する上側架台413とにより構成される。下側架台411は、図示しないメインフレームに取り付けられている。
【0017】
チルトキャブ5は、キャブ架台51に支持されている。図2に示すように、キャブ架台51は、前後方向に延伸する前後延伸部511と、前後延伸部511の後端からやや後方に傾斜しつつ上側に延伸する上下延伸部513とを備え、側面視略L字状を有している。
【0018】
キャブ架台51は、本体側架台41に対して回動可能に支持されている。具体的には、上下延伸部513の挿通孔513hと、上側架台413の挿通孔413hとに回動ピン7が挿通され、キャブ架台51が本体側架台41に対して回動可能に接続されている。
【0019】
また、図2及び図3に示すように、キャブ架台51の前後延伸部511には、チルトシリンダ53が内部に設けられている。チルトシリンダ53は、シリンダロッド531と、シリンダロッド531よりも大きな直径を有するシリンダチューブ533とを備えて構成される。チルトシリンダ53のうち、シリンダチューブ533側の一端は本体側架台41の下側架台411に接続され、シリンダロッド531側の他端はキャブ架台51の前後延伸部511に接続されている。
【0020】
そして、図2の状態ST1からチルトシリンダ53のシリンダロッド531が徐々に延伸すると、回動ピン7を支軸としてキャブ架台51が上方に回動し、図3の状態ST2に移行する。
【0021】
一方、図3の状態ST2からチルトシリンダ53のシリンダロッド531が徐々に縮むと、上下延伸部513の挿通孔513hに挿通された回動ピン7を支軸としてキャブ架台51が下側に回動し、図2の状態ST1に移行する。
【0022】
なお、図2の状態ST1は本発明に係る「着座状態」の一例であり、図3の状態ST2は本発明に係る「チルトアップ状態」の一例である。
【0023】
続いて、図4図8を参照しながら、チルトキャブ5の下降を防止するためのより詳細な構成ついて説明する。図4に示すように、前後延伸部511の左側板511Lには、後述のロックピン9(図5,6参照)をキャブ架台51の内部に挿通させるための挿通孔81A,81Bが形成されている。なお、挿通孔81A,81Bは、本発明に係る第1挿通孔及び第2挿通孔の一例である。
【0024】
また、前後延伸部511の左側板511Lには、ロックピン9に後述の抜止め85(図8参照)を施すための抜止め部材83が突設されている。
【0025】
図5に示すように、ロックピン9は、挿通孔81A,81Bを介してキャブ架台51に装着される。ロックピン9は、上昇状態にあるチルトキャブ5の下降を緊急時に停止させるためのピンである。ここで、上昇状態とは、着座状態ST1(図2)からチルトアップ状態ST2(図3)に向けて上昇した状態をいう。すなわち、上昇状態とは、チルトキャブ5が最も上昇したチルトアップ状態ST2に限られず、チルトアップ状態ST2から若干下降した状態等を含む状態である。
【0026】
図6に示すように、ロックピン9は、把持部91と、把持部91に固定された2本のピン93A,93Bと、穴95hが形成された平板95とを備えて構成される。
【0027】
把持部91は、作業者がロックピン9を挿脱する際に、ロックピン9の持ち手として機能する部分である。
【0028】
また、ピン93A,93Bは、把持部91に対して固定され、隙間を隔てて略平行に延伸する円筒部材である。ピン93A,93Bには、外周面の一部に平面931A,931Bが形成されている。ピン93A,93Bは、本発明に係る第1ロックピン及び第2ロックピンの一例である。
【0029】
また、平板95は、ピン93A,93Bの延伸方向に直交する方向に平らで穴95hが形成された板部材である。平板95は、本発明に係る板部材の一例である。
【0030】
図7に示すように、ピン93A,93Bは、ロックピン9を挿入した際にシリンダロッド531を挟む位置に配置される。なお、本実施形態では、ピン93A,93Bの隙間はシリンダロッド531の直径よりも大きく、ピン93A,93Bはシリンダロッド531に干渉しない。また、ピン93A,93Bの平面931A,931Bは、シリンダチューブ533のシリンダロッド側の端面533Eに近接して対向する。
【0031】
なお、上述の挿通孔81A,81B(図4)は、上記のピン93A,93Bに対応した位置に形成される。具体的には、挿通孔81A,81B(図4)は、ロックピン9の装着時にピン93A,93Bがシリンダチューブ533のシリンダロッド531側の端面533Eに近接し且つシリンダロッド531に干渉しない位置に形成される。
【0032】
また、図8に示すように、ロックピン9の装着時において、平板95に形成された穴95hには、キャブ架台51の左側板511Lに突設された抜止め部材83が挿通する。そして、抜止め部材83には円筒外周部を貫通する貫通孔が設けられており、当該貫通孔には抜止め85が施される。
【0033】
なお、チルトキャブ5が着座状態ST1(図2)である場合、ロックピン9は使用されない。この場合、図2に示すように、ロックピン9は本体側架台41の背面に固定されて収納される。
【0034】
<2.効果>
本実施形態では、挿通孔81A,81Bは、ロックピン9の装着時にピン93A,93Bがシリンダチューブ533のシリンダロッド531側の端面533Eに近接し且つシリンダロッド531に干渉しない位置に形成されている。そのため、チルトキャブ5が意図せず下降しようとした場合に、ピン93A,93Bがそれぞれシリンダロッド531側の端面533Eに当接し、チルトキャブ5の下降を防止することが可能である。
【0035】
また、本実施形態では、作業者はロックピン9を抜き差しする操作のみによって簡単且つ確実にチルトキャブ5の下降を防止することが可能である。
【0036】
また、本実施形態では、挿通孔81A,81Bは、キャブ架台51の回動支軸である回動ピン7から比較的遠い位置に形成されている。そのため、チルトキャブ5及びキャブ架台51の荷重を回動ピン7から比較的遠い位置(シリンダチューブ533のシリンダロッド側の端面533E)で受けることになる(つまり、モーメントバーが大きい)。したがって、当該荷重を回動ピン7に近い位置で受ける場合に比べて、ロックピン9及び端面533Eにかかる荷重を低減でき、強度面で有利になる。
【0037】
また、本実施形態では、キャブ架台51に挿通孔81A,81Bを形成すればよく、製作工数やコストを低減することも可能である。
【0038】
また、本実施形態では、ロックピン9が2本のピン93A,93Bで構成されているため、ロックピン9及び挿通孔81A,81Bにかかる荷重が分散され、強度面で有利になる。また、ロックピン9が1本のピンで構成される場合に比べて、各々のピン93A,93Bの太さを細くすることが可能である。特に、本実施形態では、2本のピン93A,93Bはシリンダロッド531を挟む位置に配置されるので、ロックピン9を抜け難くすることも可能である。
【0039】
また、本実施形態では、図6に示すように、2本のピン93A,93Bが把持部91に固定されているので、把持部91を把持してロックピン9を抜き差しすることによって、2本のピン93A,93Bを同時に抜き差しすることができ、作業効率が向上する。
【0040】
また、本実施形態では、図8に示すように、抜止め部材83の円筒外周部を貫通する貫通孔に抜止め85が施されているため、ロックピン9が抜け出るのを確実に防止することが可能である。
【0041】
また、本実施形態では、ピン93A,93Bには外周面の一部に平面931A,931Bが形成され(図6参照)、その平面931A,931Bはロックピン9の装着時にシリンダチューブ533のシリンダロッド側の端面533Eに近接して対向する。そのため、チルトキャブ5が意図せず下降しようとした場合に、平面931A,931Bと端面533Eとが面接触する。したがって、ピン93A,93Bの外周面(曲面)がそのまま端面533Eに接触する場合に比べて、確実に接触し、強度面で有利になる。
【0042】
また、本実施形態では、図7,8に示すように、ロックピン9の装着時において平面931A,931B側に延伸する平板95の穴95hに抜止め部材83が挿通される。そのため、挿通孔81A,81Bに対してピン93A,93Bを誤って逆に取り付けずに済み、平面931A,931Bを端面533Eに対して確実に対向させることが可能である。
【0043】
<3.変形例>
本発明による作業機械は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0044】
上記実施形態では、図4に示すように、キャブ架台51の左側板511Lに挿通孔81A,81Bが形成され、ロックピン9がキャブ架台51の側方から装着される場合(図5参照)を例示したが、これに限定されない。
【0045】
例えば、図9に示すように、キャブ架台51の底板511Uに挿通孔85A,85Bを形成し、ロックピン9をキャブ架台51の下側から装着するようにしてもよい。この場合も、上記実施形態と同様に、挿通孔85A,85Bは、ロックピン9の装着時にピン93A,93Bがシリンダチューブ533のシリンダロッド531側の端面533Eに近接し且つシリンダロッド531に干渉しない位置に形成されればよい。
【0046】
また、上記実施形態では、ロックピン9が2本のピン93A,93Bにより構成される場合を例示したが、これに限定されず、1本のピンにより構成されるようにしてもよい。この場合、キャブ架台51の左側板511Lには挿通孔を1つ形成すれば済む。
【0047】
また、上記実施形態では、挿通孔81A,81Bは、ピン93A,93Bがシリンダチューブ533のシリンダロッド531側の端面533Eに近接する位置に配置される場合を例示したが、これに限定されない。ピン93A,93Bが挿通可能であれば、挿通孔81A,81Bは、ピン93A,93Bがシリンダチューブ533のシリンダロッド531側の端面533Eに接触する位置に配置されるようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、挿通孔81A,81Bは、ピン93A,93Bがシリンダロッド531に干渉しない位置に形成される場合を例示したが、これに限定されない。シリンダロッド531の損傷を抑制できれば、挿通孔81A,81Bは、ピン93A,93Bがシリンダロッド531に干渉する位置に形成されるようにしてもよい。この場合、シリンダロッド531の損傷を抑制すべく、例えば、損傷防止用のゴムをピン93A,93Bに巻くようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように本発明にかかる構成は、着座状態と当該着座状態から上方に回動したチルトアップ状態との間で回動可能なチルトキャブを備える解体機等に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0050】
1 解体機、2 下部走行体、3 上部旋回体、4 機械本体、5 チルトキャブ、
6 アタッチメント、7 回動ピン、9 ロックピン、41 本体側架台、
51 キャブ架台、53 チルトシリンダ、55 ロックピン、81A,81B 挿通孔、
83 抜止め部材、85A,85B 挿通孔、91 把持部、93A,93B ピン、
95 平板、95h 穴、411 下側架台、413 上側架台、413h 挿通孔、
511 前後延伸部、511L 左側板、511U 底板、513 上下延伸部、
513h 挿通孔、531 シリンダロッド、533 シリンダチューブ、
533E 端面、931A,931B 平面、
ST1 着座状態、ST2 チルトアップ状態
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9