(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、これに限定されるものではない。
【0017】
本発明の電子機器は、筐体に、電磁波シールド層付き基板がアース部により接合された電子機器であって、前記基板上には、グランド回路を含む回路パターンと、前記回路パターンを絶縁保護する絶縁保護膜と、前記絶縁保護膜上に積層され、当該絶縁保護膜に設けられた開口部を介して前記グランド回路と導通し、且つ前記回路パターンをシールドする電磁波シールド層と、前記電磁波シールド層上に形成され、貫通穴を有し、かつ貫通穴の開口面積率が0.001〜40%である絶縁層とを具備し、前記筐体は、熱圧着することにより導通し、前記グランド回路を接地するアース部を有しており、前記電磁波シールド層は、熱により軟化するバインダー樹脂と、導電性フィラーを含有する導電性接着層(I)を熱圧着することにより形成した層を有することを特徴とする。
【0018】
[第1実施形態]
図1に、第1実施形態に係る電子機器の要部の模式的断面図を示す。電子機器1は、電子機器の電磁波シールド層付き基板30が筐体40に接合されたものであり、
図1に示すように、回路基板10、電磁波シールド積層体20、筐体40と接続するアース部50等を有する。
【0019】
《回路基板》
回路基板10は、
図2(c)に示すように、信号回路12、グランド回路13等の回路パターン14が形成された基板11と、これらの上層を被覆する絶縁保護膜(カバーレイ)15等からなる。基板11としては、本発明の趣旨に適合する限り特に限定されず、リジッド基板、フレキシブル基板、リジッドフレキシブル基板等に広く適用できる。回路パターン14の形成方法は特に限定されず公知の方法を利用できる。
【0020】
基板11としてフレキシブルプリント基板を用いる場合には、例えば、厚み5〜100μm程度の絶縁性ベースフィルムと厚み5〜100μm程度の回路パターン14が接着層を介して接合された構造を用いることができる。絶縁性ベースフィルムの材料は特に限定されないが、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂が例示できる。基板11は、折り曲げた状態等で使用してもよい。
【0021】
基板11としてリジッド基板を用いる場合には、例えば、ガラスエポキシ基板、ガラスコンポジット基板、テフロン(登録商標)基板、セラミックス基板等が挙げられる。基板11上には、信号回路12に接続される能動素子を含む電子素子が実装されていてもよい。
【0022】
回路パターン14の材料は特に限定されないが、Cu,Al,Au,Ag、Ni,Pd,Sn,Cr,W,Fe,TiおよびSUS材等の金属ならびにその合金等の導電材料が例示できる。グランド回路13の形成位置は、電磁波シールド積層体20および該電磁波シールド積層体の表面に設けられたアース部50の導電性接着層(II)51で形成された導電層にアースコンタクトが取れればよく、基板11の表面の他、基板の内部あるいは基板の裏面でもよい。信号回路12の形成位置についても同様である。
【0023】
絶縁保護膜15は、回路パターン14を保護する役割を担い、絶縁性を有し、後述する熱圧着工程に耐え得る層であれば特に限定されない。好適な例としては、酸化シリコン、窒化シリコン、窒素含有酸化シリコン等の無機材料膜もしくはポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等の有機材料膜などが例示できる。ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体等の樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤等を含む感光性樹脂組成物を用いてもよい。絶縁保護膜15は単層としてもよく、同一又は異なる複数の層を積層してもよい。絶縁保護膜15には、グランド回路13の上層に開口パターンである開口部16が設けられている。
【0024】
《電磁波シールド積層体》
本発明の電磁波シールド積層体20は、基板上に形成されたグランド回路と、筐体側のアース部とを接地する電磁波シールド積層体であって、前記グランド回路を含む回路パターンが形成された基板が、開口部と、前記回路パターンを絶縁保護する絶縁保護膜を有しており、前記絶縁保護膜上に、電磁波シールド層と貫通穴を有する絶縁層とがこの順に積層され、前記絶縁層の貫通穴の開口面積率が、0.001〜40%であって、前記絶縁保護膜に設けられた開口部を介して前記電磁波シールド層と前記グランド回路とが導通し、かつ、前記絶縁層の貫通穴を介して、前記電磁波シールド層と前記アース部とが電気的に接続するように、熱により軟化するバインダー樹脂と、導電性フィラーを含有し、熱圧着により前記電磁波シールド層として機能する導電性接着層(I)と、前記貫通穴を有する絶縁層との積層体である。
【0025】
具体的には、導電性接着層(I)25を熱圧着することにより形成される電磁波シールド層21を有する電磁波シールド積層体20は、電磁波シールド層21と貫通穴24を有する絶縁層22とを有し、
図2(b)に示すように、導電性接着層(I)25と、貫通穴24を有する絶縁層22を少なくとも積層した電磁波シールド用積層体28を用いて形成される。
電磁波シールド層21は、導電性接着層(I)から形成される電磁波シールド層21a上に、さらに、
図5に示すように、金属箔等の金属層21bを単層または複数層積層してもよい。金属箔等の導電層である金属層21bを有することで例えば100MHz〜20GHzの高周波信号に対する電磁波シールド性、および伝送特性が向上する。金属層は酸化による導電性の低下を抑制するため、防錆処理されていることが好ましい。防錆処理は、ベンゾトリアゾール試薬等による有機膜の形成や、ニッケル、クロム、亜鉛等の金属メッキすることができるが、耐酸化性の点から金属メッキが好ましい。
【0026】
さらに、後述するように、アース部50と導通を取るために、絶縁層の貫通穴に導電接着層(II)を流入させ、電気的に接続する際、金属層21bが絶縁層22の下地となる場合、熱圧着時の圧力が導電接着層(II)に伝わりやすくなり、流入を促進させ、より確実にアース部50と導通を確保することができる。この場合には、導電性接着層(I)25は、Z軸方向に異方的に導電性を発現する異方導電性であってもよい。
【0027】
<電磁波シールド層>
第1実施形態の電磁波シールド層21は、熱により軟化するバインダー樹脂と、導電性フィラーを含有する導電性接着層(I)25を熱圧着により形成した電磁波シールド層を少なくとも有する。
【0028】
電磁波シールド層21は、回路パターン14から発生する電磁波の外部への漏洩を防ぎ、また、外部から回路への電磁波(ノイズ)を遮蔽する役割を担う。電磁波シールド層21は、絶縁保護膜15の開口部16を介してグランド回路13と導通している。
【0029】
第1実施形態の電磁波シールド層21は、導電性接着層(I)25を熱圧着により得たシールド効果を有する層よりなる。熱圧着により、導電性接着層(I)25は電磁波シールド層21を形成し、グランド回路13および絶縁保護膜15と接着し、且つグランド回路13と電磁波シールド層21を導通させることができる。電磁波シールド層21の形成位置は、シールド特性を効果的に発揮させる観点からは、回路パターン14の形成領域に対向配置することが好ましい。回路パターン14の端部方向からの電磁波の放射や侵入を防止する観点からは、回路パターン14の形成領域よりも広い範囲に電磁波シールド層21を形成することがより好ましい。但し、用途に応じて、回路パターン14の形成領域全てに電磁波シールド層21を対向配置させなくてもよい。
【0030】
導電性接着層(I)25は、150℃、圧力20kg/cm
2の条件で30分熱圧着した場合におけるフロー量が、0.005mm以上、2mm以下であることが好ましく、0.05mm以上、1mm以下がより好ましく、0.05mm以上、0.5mm以下がさらに好ましい。0.005mm以上、2mm以下の範囲とすることにより、開口部16を充填するために適度な流動性が得られる。なお、フロー量とは、導電性接着層(I)を上記条件で圧着した際、導電性接着層(I)25の元のサイズに対して側面部からはみ出した長さをいう。
【0031】
なお、本製造工程の熱圧着工程の温度および圧力は、150℃、20kg/cm
2、30分の条件で行う必要はなく、回路等の構成部材の耐熱性、製造設備あるいはニーズに応じて、電磁波シールド層21の被覆性が確保できる範囲においてそれぞれ独立に任意に設定できる。0.005mm以上、2mm以下のフロー量が得られる温度条件・圧力条件に設定することが好ましい。圧力範囲としては、前記フロー量が得られる圧力であることが好ましく限定されないが、1〜50kg/cm
2程度が好ましく、5〜30kg/cm
2程度がより好ましい。圧着時間は、前記フロー量が得られる時間であることが好ましく限定されないが、1〜30分程度が好ましい。
【0032】
導電性接着層(I)25の厚みは、後述する熱圧着工程の際に開口部16に導電性接着層25を充填せしめ、且つ絶縁保護膜15上にも被覆することが可能な厚みとする。用いるバインダー樹脂の流動性や、開口部16のサイズにより変動し得るが、通常、導電性接着層(I)25の厚みは、1〜100μm程度が好ましく、3〜50μm程度がより好ましく、5〜20μm程度がさらに好ましい。これにより、絶縁保護膜15への被覆性を良好にしつつ、電磁波シールド性を効果的に発揮し、且つ、薄膜化を達成することができる。
【0033】
(バインダー樹脂)
導電性接着層(I)25を構成するバインダー樹脂は、熱により軟化する樹脂であり、Tgは、−20℃以上、100℃以下が好ましく、−10℃以上、80℃以下がより好ましい。バインダー樹脂は、1種類を用いても複数種類を併用してもよい。複数種類を用いる場合は、混合前のTgが上記範囲に含まれているものを主成分とすることが好ましい。導電性接着層(I)25の材料は、熱圧着時に軟化して開口部16の表面に追随する流れ性があり、電磁波シールド性を発揮できる導電特性を有していればよく、特に限定されない。
【0034】
導電性接着層(I)25を形成する組成物中のバインダー樹脂としては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に限定されないが、熱硬化性樹脂が好ましい。また、後工程においてリフロー工程等の加熱工程が無い用途においては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、自己架橋性タイプおよび硬化剤反応タイプが使用できる。硬化剤反応タイプのバインダー樹脂としては、硬化剤と反応可能な反応性官能基が結合された熱硬化性樹脂が好適である。
【0035】
上記熱硬化性樹脂は、エポキシ、アクリル、ウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ウレタンウレア、およびポリイミド等が好ましい。前記熱硬化性樹脂は、通常、自己架橋可能な官能基、または硬化剤と反応可能な官能基を有している。これらの中でも電磁波シールド層付き電子機器1を製造する時(例えば、リフロー時)における過酷な条件を考慮すると、熱硬化性樹脂は、エポキシ、エポキシエステル、ウレタン、ウレタンウレア、およびポリアミドのうちの少なくとも1つを含んでいることが好ましい。また、加熱工程に耐え得る範囲であれば、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を併用できる。
【0036】
(硬化剤)
上記硬化剤は、前記硬化性官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化剤は、エポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン等のアミン化合物、フェノールノボラック樹脂等のフェノール化合物等が好ましい。硬化剤は、熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜50質量部含むことが好ましく、3〜30質量部がより好ましく、3〜20質量部がさらに好ましい。
【0037】
上記熱可塑性樹脂は、ポリエステル、アクリル、ポリエーテル、ウレタン、スチレンエラストマー、ポリカーボネート、ブタジエン、ポリアミド、エステルアミド、イソプレン、およびセルロース等が好ましい。バインダー樹脂は、単独または混合して用いることができる。
【0038】
(導電性フィラー)
導電性接着層(I)25を形成する組成物中の導電性フィラーは、導電特性を有し、電磁波シールド性を発揮できれば特に限定されないが、金、銀、銅、アルミ、ニッケル、ハンダ等の金属およびその合金、導電性高分子、カーボン等が例示できる。また、銀メッキした銀コート銅フィラー、樹脂粒子等に金属めっきを施した粒子等も好適である。導電性フィラーは単独または混合して用いることができる。導電性フィラーの形状は特に限定されず、例えば、球状、フレーク状、樹枝状等が挙げられる。
【0039】
導電性フィラーの平均粒子径は、熱圧着後の電磁波シールド層21の厚みに応じて適宜設計することが好ましい。好ましくは、電磁波シールド層21の厚みに対して、0.05〜2倍の平均粒子径をもつ導電性フィラーを用いることが好ましい。なお、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡の拡大画像(例えば千倍〜一万倍)から約10〜20個程度を平均した数値である。また、導電性フィラーが長さ方向と横方向で長さが大きく異なる場合(アスペクト比が1.5以上の場合)は、長さ方向で平均粒子径を算出する。
【0040】
導電性フィラーの含有量は、電磁波シールド層21の導電性を確保できればよく、用いる導電性フィラーの形状や種類により変動し得るが、バインダー樹脂100質量部に対して、30〜100質量部含むことが好ましく、40〜90質量部がより好ましい。この範囲とすることにより、電磁波シールド性とフロー性を両立し易くなるという効果が得られる。
【0041】
さらに、導電性接着層(I)25を構成する組成物には、着色剤、難燃剤、無機添加剤、滑剤、ブロッキング防止剤等を含んでいてもよい。
着色剤としては、例えば、有機顔料、カーボンブラック、群青、弁柄、亜鉛華、酸化チタン、黒鉛等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン含有難燃剤、りん含有難燃剤、窒素含有難燃剤、無機難燃剤等が挙げられる。
無機添加剤としては、例えば、ガラス繊維、シリカ、タルク、セラミック等が挙げられる。
【0042】
<絶縁層>
絶縁層22は、電磁波シールド層21の表面に設けることにより、電磁波シールド層21を絶縁保護し、他の導電部材との接触時の短絡を防止できる。また、この絶縁層22はアース部50を電磁波シールド層21と導通させるための貫通穴24を有し、貫通穴の開口面積率が、0.001〜40%であることを特徴とする。絶縁層の開口面積率を0.001〜40%にすることで、アースの接続信頼性と、絶縁層の絶縁信頼性を向上することができる。好ましくは、0.01〜30%である。
開口面積率は貫通穴の面積と個数から調整できる。また、開口面積率は下記式1から求められる。
(式1)
開口面積率(%)
=単位面積あたりの貫通穴面積/単位面積あたりの未貫通部面積×100
【0043】
また、貫通穴は、複数有することが好ましく、このとき、絶縁層の開口面積率は、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、2%以上がさらに好ましい。
【0044】
図3は貫通穴の形成形態の一例を示す絶縁層の平面図であり、
図3(a)は平面形状が丸状の貫通穴24a、
図3(b)は平面形状がメッシュ状の貫通穴24b、
図3(c)は平面形状が矩形状の貫通穴24cを形成したものである。尚、貫通穴24aにおいて、貫通穴の形状は丸に限らず、四角系、三角形、楕円形、星形等、任意に形を選択できる。上記貫通穴の形態の中では、丸状が好ましい。
【0045】
貫通穴が、24aのような丸状等である場合、単位面積当たりの個数は、1〜10000個/cm
2であることが好ましく、10〜7000個/cm
2がより好ましい。
また、貫通穴1個あたりの面積平均値は、0.001〜3mm
2が好ましく0.01〜
2mm
2がより好ましい。
【0046】
メッシュ状の貫通穴24bおよび矩形状の貫通穴24cの場合、貫通穴の幅が0.01〜2mmが好ましく、0.1〜1.5mmがより好ましい。
貫通穴の個数及び面積を上記範囲にすることで、絶縁層の絶縁信頼性とアース部の接続信頼性をより向上することができる。
【0047】
この絶縁層22を構成するバインダー樹脂、硬化剤は電磁波シールド積層体で説明したものと同じものを使用することができる。
【0048】
貫通穴24は、絶縁層22の全面または少なくともアース部50の取り付け領域に形成していることが好ましい。貫通穴24は例えばパンチング、レーザー加工、スクリーン印刷によって形成することができる。また、感光性の素材で作成した絶縁性樹脂組成物を用い、コーティングで塗膜を形成し、露光、現像することによっても貫通穴24を形成することができる。
さらには、剥離性フィルム上にあらかじめ貫通穴と同形の突起を形成し、その表面に絶縁性樹脂組成物をコーティングし、導電接着剤層(I)と張り合わせ電磁波シールド用積層体を作製する。その後FPCに張り合わせて絶縁層側の剥離性フィルムを剥がすと突起部の部分のみに貫通穴を形成することができる。
上記方法によらずとも、例えば、絶縁性樹脂組成物を剥離性フィルムにコーティングして塗膜を形成する際に、剥離性フィルムの表面張力と絶縁性樹脂組成物の表面張力及び粘度を適当に調整することで、コーティング後自動的に複数の貫通穴を塗膜上に形成することができる。
【0049】
絶縁層22の厚みは、用途により適宜設計し得るが、絶縁性と薄膜化の観点からは、3〜50μmの範囲が好ましく、5〜30μmの範囲がより好ましく、7〜20μm範囲がより好ましい。絶縁層の厚みを3〜50μmの範囲にすることで、絶縁信頼性が向上し、FPCの薄膜化を可能とすることができる。
【0050】
<電磁波シールド用積層体の製造方法>
電磁波シールド用積層体28の形成方法は特に限定されないが、好ましい方法として以下の方法を挙げることができる。
【0051】
図2(b)は、第1実施形態に係る電磁波シールド用積層体28を製造するための製造工程断面図を示す。
第1実施形態に係る電磁波シールド用積層体28を製造するための製造方法の例としては、まず、離型フィルム26上に、熱により軟化するバインダー樹脂と、導電性フィラーを含有する組成物を塗工して熱圧着前の導電性接着層(I)25を形成する。導電性接着層(I)25は、単層でも複数層でもよい。複数層で形成する場合には、離型フィルム26側の最外層を流動性のより高い層で構成することが好ましい。別途、導電性接着層(I)25上に、絶縁性樹脂と硬化剤を含有する組成物を塗工して、貫通穴24を有する絶縁層22を形成する。
【0052】
次いで、絶縁層22の表面に離型フィルム27を設け、電磁波シールド用積層体28を得る。離型フィルム26及び27の材料は、離型性を有するものであればよく特に限定されないが、例えば、シリコーンやアルキッド処理されたPETフィルム等を使用できる。
【0053】
なお、第2実施形態にかかる電磁波シールド用積層体(不図示)の製造方法の例としては、まず、離型フィルム上に導電性接着層(I)を形成し、銅キャリア付電解銅箔の電解銅箔面側に導電性接着剤層を重ねてラミネートした後に、銅キャリアを剥がす。そして、銅キャリアを剥がした面と、別途離型フィルム上に形成した絶縁層とを重ねてラミネートする方法がある。また、離型フィルム上に導電性接着層(I)を形成し、その表面に無電解メッキ処理により金属層を形成し、別途離型フィルム上に形成した絶縁層と前記金属層とを重ねてラミネートする方法等が挙げられる。
【0054】
電磁波シールド用積層体は、導電性接着層(I)に含まれる熱硬化性樹脂と硬化剤が未硬化状態(Bステージ)で存在し、基板と熱圧着により本硬化(Cステージ)することで、所望の接着強度を得ることが出来る。なお、前記未硬化状態は、硬化剤の一部が硬化した半硬化状態を含む。
【0055】
電磁波シールド用積層体28を用いて得られる電磁波シールド層21の厚みは、用途により適宜設計し得る。薄型化が求められている用途の場合には、例えば1〜20μm程度が好ましく、1〜15μm程度がより好ましい。
また、高周波ノイズを精度高くシールドする場合には、例えば、50〜1000μm等の厚膜とすることも可能であるが、通常、5〜200μm程度である。なお、電磁波シールド層21は、等方導電性および異方導電性を適宜選択できるが、導電性接着層(I)のみから電磁波シールド層を構成する場合には、等方導電性を示すものが好ましい。
【0056】
《アース部》
アース部50は、グランド回路13を筐体40に設置するための導体部であり、グランド電位となる。本発明におけるアース部50は、電子機器1において、導電性接着層(II)が絶縁層22の貫通穴24に流入し、この貫通穴を介して電磁波シールド層21と電気的に接続し、導通する役割をはたす。また、
図2(a)に示すように、さらに金属層52を積層したものが導電性接着層(II)の接続信頼性の観点から好ましい。
導電接着層(II)51は、熱により軟化するバインダー樹脂と、導電性フィラーを含有し、いずれも電磁波シールド用積層体28で説明したものと同じものを使用することができる。金属層52は銅箔やステンレス板等が好ましい。必要に応じて表面をニッケルメッキ及び金メッキ処理しても良い。
【0057】
このアース部50を形成する導電性接着層(II)51の大きさおよび厚みは、使用用途に応じて任意に決定できるが、少なくとも熱により軟化して貫通穴24内に流入充填し、電磁波シールド層21と導通した時においても、絶縁層面とアース部50の当接領域を覆うことのできることが必要である。
【0058】
電磁波シールド層付き基板30のグランド回路13を電子機器の筐体40のアース回路に接続するには、上記アース部50を電磁波シールド層付き基板30の貫通穴24を有する絶縁層22の表面に導電性接着層(II)51が接するように配置した後、このアース部50に熱圧力を加える。このとき、加熱により軟化した導電性接着層(II)51が、同時に加えられる圧力によって、貫通穴内に流入充填して電磁波シールド層21に接し、アース部50が電磁波シールド層付き基板30内の電磁波シールド層21と導通する。
【0059】
その後、アース部50を筐体40の導体部に接続することにより、電磁波シールド層付き基板30内のグランド回路13を筐体40のアース回路に接続することができる。
【0060】
《電子機器の製造方法》
本発明の電子機器の製造方法は、筐体に、電磁波シールド層付き基板が接合された電子機器の製造方法であって、グランド回路を含む回路パターンが形成された基板上に、前記回路パターンを保護し、前記グランド回路上の少なくとも一部に開口部を有する絶縁保護膜を形成し、熱により軟化するバインダー樹脂と、導電性フィラーを含有する導電性接着層(I)と、貫通穴を有し、かつ貫通穴の開口率が0.001〜40%である絶縁層とを積層してなる電磁波シールド用積層体を、前記導電性接着層(I)が下層側になるように前記絶縁保護膜上に配置した後、前記電磁波シールド用積層体を熱圧着して電磁波シールド層を形成し、さらに導電性接着層(II)を有するアース部を、導電性接着層(II)が下層側になるように前記絶縁層上に配置し、熱圧着して前記絶縁層の貫通穴に、導電性接着層(II)を流入させ、絶縁層の貫通穴を介して、前記電磁波シールド層と、前記アース部とを電気的に接続させるように、電磁波シールド層付き基板を筐体に接合する方法である。
【0061】
第1実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器の製造方法の一例について説明する。
まず、
図4(a)に示すように、グランド回路13を含む回路パターン14が形成された基板11上に、回路パターン14を保護し、グランド回路13上に配置される開口部16を有する絶縁保護膜15を形成する。開口部16は、例えば、フォトリソグラフィー法等により形成できる。別の方法として、予め開口部16を形成した絶縁保護膜をラミネートしてもよい。
【0062】
次に、
図4(b)に示すように、
図2(b)に示した電磁波シールド用積層体28の離型フィルム26を剥離し、絶縁保護膜15上に導電性接着層(I)25側が接するように配置し、熱圧着を行う。熱圧着は、例えば、プレス機を用いて電磁波シールド用積層体28を加熱しつつ加圧することにより行う。この熱圧着を行うことにより、熱圧着後の導電性接着層(I)で絶縁保護層15を被覆する電磁波シールド層21が形成される。そして、加熱により、導電性接着層(I)25が軟化し、加圧により開口部16内に流入充填する。導電性接着層(I)の厚み、圧力、温度、熱圧着時間を制御することにより、電磁波シールド層21を所望の厚みにすることができる。
【0063】
圧力の範囲は、平滑性・製造効率の観点から、1kg/cm
2以上であることが好ましく、3kg/cm
2以上であることがより好ましく、5kg/cm
2以上であることが更に好ましい。また、上限値としては、回路パターン14および基板11の耐圧性の観点から、100kg/cm
2以下であることが好ましく、80kg/cm
2以下であることがより好ましく、50kg/cm
2以下であることが更に好ましい。
【0064】
熱圧着時間は、電子部品の耐熱性、導電性シートに用いるバインダー樹脂、および生産工程等に応じて設定できる。バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、1分〜2時間程度の範囲が好適である。なお、熱圧着時間は、1分〜1時間程度がより好ましい。この熱圧着により熱硬化性樹脂は、硬化する。但し、熱硬化性樹脂は、流動が可能であれば熱圧着前に硬化してもよい。
【0065】
熱圧着の温度は、導電性シートに用いるバインダー樹脂、および硬化剤に応じて適宜設定できる。バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、140〜180℃の範囲が好適である。
【0066】
次に
図4(c)に示すように、アース部50を所定のサイズにカットし、このアース部50の導電接着層(II)51の面を、離型フィルム27を剥離した絶縁層22の任意の表面に仮貼りし積層体を作製する。仮貼りは50℃〜130℃に加熱した加熱ロールラミネーターやアイロンによって行う。
【0067】
その後、
図4(d)に示すように、積層体を熱圧着することで、加熱により軟化した導電層50を形成する導電性接着層(II)52が、同時に加えられる圧力によって、貫通穴24内に流入充填して電磁波シールド層21を形成する導電性接着層(I)と接し、アース部50と、電磁波シールド層付き基板30内の電磁波シールド層21との導通が確保される。
【0068】
アース部の熱圧着の時間は、1分〜2時間程度の範囲が好適である。なお、熱圧着時間は、1分〜1時間程度がより好ましい。
【0069】
アース部の熱圧着の圧力の範囲は、平滑性・製造効率の観点から、1kg/cm
2以上であることが好ましく、3kg/cm
2以上であることがより好ましく、5kg/cm
2以上であることが更に好ましい。また、上限値としては、回路パターン14および基板11の耐圧性の観点から、100kg/cm
2以下であることが好ましく、80kg/cm
2以下であることがより好ましく、50kg/cm
2以下であることが更に好ましい。
【0070】
アース部の熱圧着の温度は、140〜180℃が好ましく、150〜180℃がより好ましい。
【0071】
アース部の熱圧着の時間、圧力、温度を上記の範囲にすることで電磁波シールド積層体の変形や破損を抑えつつ、導電性接着層(II)の貫通穴への流入を効率的に促進させ、電磁波シールド層と金属層52の間に信頼性の高い導通路を得ることができる。
【0072】
アース部50が取り付けられた電磁波シールド付き基板30を設計に基づいて組立て、アース部50の金属板52を通して筐体40に接続しグランドを設置する。金属板52と筐体40は不図示のガスケット及び導電粘着テープで接続する。
【0073】
もう一方の製造方法は、回路基板10の絶縁保護膜15上に、電磁波シールド用積層体28の剥離フィルム26を剥がし、導電性接着層(I)25を加熱ラミネートロールにて仮貼りした後、絶縁層22側の剥離シート27を剥がし、所定の形状にカットしたアース部50をさらに仮貼りして積層体作製し、この積層体を熱圧着する方法が挙げられる。この製造方法における熱圧着の際には、絶縁層22がクッション剤に張り付いてしまう恐れがあるため、離形剤処理したシートで挟み込む必要がある。熱圧着の条件は上記と同様である。
【0074】
筐体40は、電子機器1を構成する部材であり、少なくとも回路基板10より大きく、基板を貼り付けることが可能な部材であればよい。好適な例としては、筐体、内部に配置された筐体を構成するボード、着脱自在に構成された蓋等の部材等が例示できる。
【0075】
電子機器1の筐体40側に接続されたアース部50は、グランド回路13を筐体40に接地するための導体部であり、グランド電位となる。
【0076】
第1実施形態によれば、貫通穴を有する絶縁層を備えた電磁波シールド用積層体を用いて、上記絶縁層の表面に配置したアース部によって上記貫通穴を通じて該絶縁層の厚み方向に導電路を形成しているので、金属バンプ等を絶縁保護膜に突き刺す従来の方法と比較して、シールド層とアース部の接続信頼性が高い電子機器を製造することができるようになる。加えて、絶縁保護膜にエキシマーレーザを用いて開口部を設ける従来の方法と比較して、電子機器及び回路基板の製造歩留りを高めることができる。また、上記のアース部は絶縁層の表面のいずれの位置に配置しても、上記と同様に貫通穴を通じて該絶縁層の厚み方向に導電路を形成することができるもので、筐体の位置に影響を受けることなく、回路基板のグランド回路と筐体との導電路を形成することができる。
【0077】
また、第1実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器によれば、基板の厚み方向にグランド電位を逃すルートを形成するので、グランドの接地のための領域を基板端部に確保せずとも接地することができ、小型化を実現できる。なお、グランド回路の接地のために、基板端部で導通を図る構造を排除する趣旨ではなく、本発明と併用して用いることも可能である。基板の端部にアース接続構造を設ける構造と併用することにより、電磁波シールド効果をより効果的に実現できる。
【0078】
また、第1実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器によれば、回路パターンと、電磁波シールド層と、アース部を構成する導電層とが、互いに対向配置される構造を有し、且つグランド電位を逃す構造を採用しているので、EMIをより効果的に抑制し、且つEMCの向上をより効果的に図ることができる。
【0079】
[第2実施形態]
次に、第1実施形態とは異なる電磁波シールド層付き電子機器の一例について説明する。第2実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器2は、以下の点を除く基本的な構造および製造方法が上記第1実施形態と同様である。即ち、第2実施形態の電磁波シールド用積層体28は、導電性接着層(I)と金属層とを有し、熱圧着後の電磁波シールド層21が、導電性接着層(I)により形成される電磁波シールド層と、金属層とからなる点において、導電性接着層(I)を熱圧着することにより得た層のみを電磁波シールド層21として用いた第1実施形態と相違する。なお、以降の図において、同一の要素部材には同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0080】
図5に、第2実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器2の要部の模式的断面図を示す。電子機器2に用いられた電磁波シールド積層体20は、電磁波シールド層21とグランド回路16とを導通接続するための導電性接着層21aと貫通穴24を有する絶縁層22の間に、電磁波シールド層として金属層21bも設けられている。この金属層21bは、要求されるシールド特性に応じて金属層の材料や厚みを適宜選択し得る。例えば、アルミニウム、銅、銀、金などの材料を用いて、0.1〜40μm程度の厚みで形成することができる。耐折り曲げ性の観点からは、0.1〜20μmの範囲とすることが好ましく、0.1〜10の範囲とすることがより好ましい。金属層21bの形成方法は特に限定されないが、真空蒸着、スパッタリング、CVD法、めっき処理により形成することができる。
【0081】
第2実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器2によれば、電磁波シールド積層体20を用いて電磁波シールド層を積層しているので第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1電磁波シールド層を形成する導電性接着層21aと貫通穴24を有する絶縁層22の間に、第2電磁波シールド層を形成する金属層21bを設けることにより、より効果的にシールド効果を発揮できる。また、インピーダンス対策をより効果的に発揮させることができるので、高周波用途に特に好適である。
【0082】
[第3実施形態]
次に、第1実施形態とは異なる電磁波シールド層付き電子機器3の一例について説明する。第3実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器3は、以下の点を除く基本的な構造および製造方法が上記第1実施形態と同様である。即ち、第3実施形態においては、基板11の両面に信号回路12、グランド回路13、これらの上層を被覆する絶縁保護層15を設け、それぞれの絶縁保護層の表面に電磁波シールド積層体20を接合している点において、片面のみに電磁波シールド積層体20に接合した第1実施形態と相違する。
【0083】
図6に、第3実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器3の要部の模式的断面図を示す。電子機器3に用いられた電磁波シールド層付き基板30は、回路基板10、10のそれぞれの表面に、電磁波シールド層21および貫通穴24を有する絶縁層22からなる電磁波シールド積層体20が積層されており、基板11の両面に設けたグランド回路13は、基板11を貫通して形成されたビアホール17を通じて接続されている。そして、回路基板10の両面の電磁波シールド層付き基板30を形成する絶縁層22の表面には、それぞれアース部50が接続されている。
【0084】
第3実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器によれば、電磁波シールド用積層体を用いて電磁波シールド層を積層しているので第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、基板の両面に電磁波シールド層を積層することにより、EMIをより効果的に抑制し、且つEMCの向上をより効果的に図ることができる。
【0085】
[第4実施形態]
第4実施形態に係る電磁波シールド層付き電子機器に用いる電磁波シールド層付き基板30は、以下の点を除く基本的な構造および製造方法が上記第1実施形態で用いた電磁波シールド層付き基板30と同様である。即ち、第4実施形態においては、回路基板10の上面、即ち、絶縁保護膜15上に金属薄膜18を設け、電磁波シールド層21に含まれる導電性フィラーが絶縁保護膜15に侵入するのを防止する点において、当該金属薄膜を設けない第1実施形態と相違する。
【0086】
図7に、第4実施形態に係る電磁波シールド層付き基板30の要部の模式的断面図を示す。第4実施形態に係る電磁波シールド層付き基板30は、回路基板10の最上面に金属薄膜18が積層されている。金属薄膜18により、電磁波シールド層21に含まれる導電性フィラーが絶縁保護膜15に侵入することを効果的に防止できる。金属薄膜18は、絶縁保護膜15の表面に例えば、真空蒸着、スパッタリング、CVD法、めっき処理により形成することができる。開口部16を形成する前に金属薄膜を形成し、
図7に示すように、回路基板10の最上面に金属薄膜18を形成できる。また、開口部16を形成した後に回路基板10の最上面と開口部16内に金属薄膜18を形成することも可能である。
【0087】
第4実施形態に係る電磁波シールド層付き基板30によれば、電磁波シールド用積層体20を用いて電磁波シールド層21を積層しているので第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、金属薄膜18を設けることにより、金属薄膜18に電磁波シールド機能を付与させることができると共に、電磁波シールド層21に含まれる導電性フィラーが絶縁保護膜15に侵入することを効果的に防止できる。その結果、絶縁保護膜15の膜厚を薄膜化することも可能となる。また、導電性フィラーの選択肢を増やすことができるというメリットも有する。このため、より導電特性を得やすい導電性フィラーを利用することも可能となる。
【0088】
その他の実施形態としては、アース部50にかえて、絶縁性のフィルムと、導電性接着剤層(II)とを有する場合であっても良い。すなわち、金属層52の代わりにポリイミドフィルム等の絶縁性のフィルムを用いた場合である。この場合、絶縁性フィルムは補強板、導電性接着剤層(II)は電磁波シールド層として機能する。このとき、電子機器の筐体とグランド回路とが導通しないため、アース部を有する場合のほうが電磁波シールド性は優れるが、電磁波シールド積層体20上面のいかなる箇所においても必要に応じて補強板と電磁波シールド性を付与することができる。
【0089】
すなわち、電磁波シールド層付き基板が絶縁性フィルムと導電性接着剤層(II)により接合された電子機器であって、前記基板上には、グランド回路を含む回路パターンと、前記回路パターンを絶縁保護する絶縁保護膜と、前記絶縁保護膜上に積層され、当該絶縁保護膜に設けられた開口部を介して前記グランド回路とを接合し、且つ前記回路パターンをシールドする電磁波シールド層と、前記電磁波シールド層上に形成され、貫通穴を有し、かつ貫通穴の開口面積率が0.001〜40%である絶縁層とを具備し、前記絶縁保護膜に設けられた開口部を介して前記電磁波シールド層と前記グランド回路が導通し、かつ、前記絶縁層の貫通穴を介して、前記グランド回路と接合する導電性接着層(II)および補強板である絶縁性フィルムを有しており、前記電磁波シールド層は、熱により軟化するバインダー樹脂と、導電性フィラーを含有する導電性接着層(I)を熱圧着することにより形成した層を有する電子機器である。
【0090】
本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、上記実施形態は、互いに好適に組み合わせられる。