(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記部品通路の前記第1の開口より前記部品の移動方向上流側に、前記搬送面との間に所定高さの隙間を形成し、前記隙間を通過した前記部品のみが前記部品通路に進入、又は前記第1の開口に接近できるように配置された高さ規制部材をさらに備え、
前記一方の一対の側面間の長さは、前記他方の一対の側面間の長さよりも大きく、
前記所定高さは、前記部品の互いに対向する前記一方の一対の側面間の長さより小さく、かつ、前記部品の互いに対向する前記他方の一対の側面間の長さより大きいことを特徴とする、請求項1に記載の整列供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
部品によっては、端面ではなく側面に電極が形成されている。このような部品は、部品の側面が露出するように収容部材のキャビティに収容すれば、電気特性を測定できる。
【0007】
しかしながら、端面間が長手方向となる直方体形状の部品は、部品の側面が露出するようにキャビティを形成すると、キャビティには、部品の端面からも側面からも挿入可能となり、部品の側面が一定方向に露出しないため、電気特性の測定に支障を来す。部品の側面を一定方向に露出させるためには、キャビティに部品が収容されたときに部品の長手方向が収納部材の主面と平行になるように、部品の向きを揃える必要がある。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑み、互いに対向する一対の矩形の端面を有し端面間が長手方向となる直方体形状の部品を、部品の長手方向が収納部材の主面と平行になるように部品の向きを揃えて収容部材のキャビティに収容することができる整列供給装置及び整列方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した整列供給装置を提供する。
【0010】
整列供給装置は、矩形形状の互いに対向する一対の端面と前記端面間を接続する4つの側面とを有し前記端面間が長手方向となる直方体形状の部品に用いるタイプのものであり、(a)搬送面と、(b)部品通路と、(c)収容部材と、(d)吸引部材とを備えている。(a)前記搬送面は、前記搬送面に載置された前記部品を相対的に移動させる。(b)前記部品通路は、前記搬送面より上側に設けられ、第1及び第2の開口を有し、前記第1の開口から前記第2の開口まで延在する。前記部品通路の幅は、前記部品の互いに対向する一方の一対の前記側面間の長さと他方の一対の前記側面間の長さとのうち少なくとも一方の前記長さより大きく、かつ、前記部品の前記端面間の長さより小さい。(c)前記収容部材は、主面と、複数のキャビティとを有している。前記キャビティは、前記主面から連続して、前記主面と平行な一方向である延在方向に延在し、前記延在方向と前記部品の前記長手方向とが一致するように前記部品を収容可能である。前記収容部材は、前記キャビティが前記搬送面と平行に延在し、当該キャビティの前記延在方向一端側が前記第2の開口に隣接し、当該キャビティの前記延在方向他端側と前記部品通路とが鈍角をなすように配置可能である。(d)前記吸引部材は、前記キャビティが前記搬送面と平行に延在し、当該キャビティの前記延在方向一端側が前記第2の開口に隣接し、当該キャビティの前記延在方向他端側と前記部品通路とが鈍角をなすように、前記収容部材が配置されているとき、当該キャビティの前記延在方向他端側を真空吸引する。
【0011】
上記構成によれば、搬送面に載置された部品を、部品通路を通って収容部材のキャビティに移動させ、キャビティが収容部材の主面と平行に延在する延在方向と部品の長手方向とが一致するように、キャビティに部品を収容することができる。したがって、部品の長手方向が収納部材の主面と平行に延在するように部品の向きを揃えて、収容部材のキャビティに部品を収容することができる。
【0012】
好ましくは、整列供給装置は、前記部品通路の前記第1の開口より前記部品の移動方向上流側に、前記搬送面との間に所定高さの隙間を形成し、前記隙間を通過した前記部品のみが前記部品通路に進入、又は前記第1の開口に接近できるように配置された高さ規制部材をさらに備える。前記一方の一対の側面間の長さは、前記他方の一対の側面間の長さよりも大きい。前記所定高さは、前記部品の互いに対向する前記一方の一対の側面間の長さより小さく、かつ、前記部品の互いに対向する前記他方の一対の側面間の長さより大きい。
【0013】
この場合、高さ規制部材と搬送面との間を通過した部品は、互いに対向する他方の一対の側面の一方が搬送面に支持された状態で搬送され、収容部材のキャビティに収容されるため、収容部材のキャビティに、部品の短手方向の向きも揃えて部品を収容することができる。
【0014】
好ましくは、整列供給装置は、前記部品通路より前記部品の移動方向上流側、かつ前記搬送面より上側に、導入ガイド面をさらに備えている。整列供給装置を平面視すると、前記導入ガイド面は屈曲又は湾曲して前記部品通路まで延在し、前記搬送面は前記導入ガイド面の屈曲又は湾曲する形状にあわせて延在し、前記部品が前記導入ガイド面に沿って前記搬送面上を移動するように構成されている。
【0015】
この場合、導入ガイド面の屈曲又は湾曲の外側に、部品が移動可能な空間が形成されるため、導入ガイド面に沿って移動する部品は、導入ガイド面の屈曲又は湾曲に沿って向きを変えるときに、並列する部品や後続の部品に干渉されることなく向きを変えることができる。これによって、導入ガイド面に沿って移動する部品を部品通路まで確実に移動させることができ、キャビティの部品充填率を向上させることができる。
【0016】
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した整列方法を提供する。
【0017】
整列方法は、矩形形状の互いに対向する一対の端面と前記端面間を接続する4つの側面とを有し前記端面間が長手方向となる直方体形状の部品を整列させる整列方法であり、第1乃至第3の工程を備えている。(i)前記第1の工程において、搬送面上に部品を供給する。(ii)前記第2の工程において、前記搬送面上に供給された前記部品を移動させながら、第1及び第2の開口を有し、前記第1の開口から前記第2の開口まで延在し、前記部品の互いに対向する一方の一対の前記側面間の長さと他方の一対の前記側面間の長さとのうち少なくとも一方の前記長さより大きく、かつ、前記部品の前記端面間の長さより小さい幅を有し、前記部品が通過可能である部品通路に進入、又は前記第1の開口に接近させる。(iii)前記第3の工程において、(a)主面と、前記主面から連続し、前記主面と平行な一方向である延在方向に延在し、前記延在方向と前記部品の前記長手方向とが一致するように前記部品を収容可能である複数のキャビティとを有する収容部材を、(b)前記キャビティが前記搬送面と平行に延在し、当該キャビティの前記延在方向一端側が前記第2の開口に隣接し、当該キャビティの前記延在方向他端側と前記部品通路とが鈍角をなすように配置している状態で、当該キャビティ内を前記延在方向他端側から真空吸引して、(c)前記部品通路に進入、又は前記第1の開口に接近している前記部品を、前記部品通路を通って当該キャビティに移動させて、前記部品の前記長手方向と当該キャビティの前記延在方向とが一致する状態で当該キャビティに前記部品を収容する。
【0018】
上記方法によれば、搬送面に載置された部品を、部品通路を通って収容部材のキャビティに移動させ、キャビティが収容部材の主面と平行に延在する延在方向と部品の長手方向とが一致するように、キャビティに部品を収容することができる。したがって、部品の長手方向が収納部材の主面と平行に延在するように部品の向きを揃えて、収容部材のキャビティに部品を収容することができる。
【0019】
好ましくは、前記第1の工程において、前記搬送面との間に所定高さの隙間を形成する高さ規制部材を配置し、前記隙間を通過した前記部品のみを前記部品通路に進入、又は前記第1の開口に接近させる。前記一方の一対の側面間の長さは、前記他方の一対の側面間の長さよりも大きい。前記所定高さは、前記部品の互いに対向する前記一方の一対の側面間の前記長さより小さく、かつ、前記部品の互いに対向する前記他方の一対の側面間の長さより大きい。
【0020】
この場合、高さ規制部材と搬送面との間を通過した部品は、互いに対向する他方の一対の側面の一方が搬送面に支持された状態で搬送され、収容部材のキャビティに収容されるため、収容部材のキャビティに、部品の短手方向の向きも揃えて部品を収容することができる。
【0021】
好ましくは、前記第2の工程において、前記搬送面上に供給された前記部品は、平面視すると、屈曲又は湾曲している導入ガイド面に沿って、前記導入ガイド面の屈曲又は湾曲する形状にあわせて延在する前記搬送面上を移動させて、前記部品通路に進入、又は前記第1の開口に接近させる。
【0022】
この場合、導入ガイド面の屈曲又は湾曲の外側に、部品が移動可能な空間が形成されているため、導入ガイド面に沿って移動する部品は、導入ガイド面の屈曲又は湾曲によって向きを変えるときに、並列する部品や後続の部品に干渉されることなく向きを変えることができる。これによって、導入ガイド面に沿って移動する部品を部品通路まで確実に移動させることができ、キャビティの部品充填率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、互いに対向する一対の矩形の端面を有し端面間が長手方向となる直方体形状の部品を、部品の長手方向が収納部材の主面と平行となるように部品の向きを揃えて収容部材のキャビティに収容することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
<実施例1> 実施例1の整列供給装置10について、
図1〜
図9を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、整列供給装置10の概略構成を示す正面略図である。
図1に示すように、整列供給装置10は、円板状のロータ12と、フィーダ16とを備えている。ロータ12は、収容部材であり、部品を収容するための複数のキャビティ13が形成されている。
図1では一部のキャビティ13のみを図示しているが、4連のキャビティ13が、周方向に等角度間隔で同心に形成されている。フィーダ16は、ロータ12に隣接して配置され、部品を所定方向に搬送し、キャビティ13に供給する。例えば、ロータ12は間欠的に回転し、キャビティ13に、順次、部品が収容される。キャビティ13には、それぞれ1つの部品が所定の向きに揃えて収容される。
【0028】
図2は、ロータ12及び部品2の斜視図である。
図2に示すように、ロータ12の主面12a,12b間を貫通する直方体形状のキャビティ13が、キャビティ13の長手方向が主面12aと平行になるように形成されている。すなわち、キャビティ13は、主面12aから連続し、主面12aと平行な一方向(
図2において左右方向)に延在するように形成されている。ここで、
図2に示すように、キャビティ13の延在方向の一端側を延在方向一端側X1と呼び、キャビティ13の延在方向の他端側を延在方向他端側X2と呼ぶことにする。
【0029】
部品2は、直方体形状であり、矩形形状の互いに対向する一対の端面2aと、端面2a間を接続し互いに対向する一方の一対の側面2b及び他方の一対の側面2cとを有し、端面2a間が長手方向となる。すなわち、部品2の端面2a間の長さ(距離)をL、互いに対向する一対の側面2b間の長さ(距離)をW、互いに対向する他方の一対の側面2c間の長さ(距離)をTとすると、L>W、かつ、L>Tである。互いに対向する一対の側面2bをLT面、他方の一対の側面2cをLW面と呼ぶ。一方の一対の側面2b間の長さは、他方の一対の側面2c間の長さよりも大きい。ただし、本発明はそれに限定されるものではない。
【0030】
キャビティ13は、キャビティ13に部品2を収容することができ、収容された部品2の側面2bがロータ12の両側に露出するように形成されている。すなわち、ロータ12の厚みをt、キャビティの短手方向の寸法(
図2において上下方向の寸法)をTc、キャビティの長手方向の寸法(
図2において左右方向の寸法)をLcとすると、t<W、Tc>T、Lc>Lとなるようにする。例えば、W=1.0mm、T=0.8mm、L=1.2mmの部品2の場合、t=0.85mm、Tc=0.9mm、Lc=1.8mmとする。
【0031】
このように主面12aと平行な断面がLT面より若干大きくなるようにキャビティ13を形成し、矢印8で示すように部品2をLT面からキャビティ13に挿入すると、部品2の長手方向が収容部材12の主面12aと平行となる状態で、部品2をキャビティ13に収容することができる。しかしながら、この場合、部品2は、端面2aからキャビティ13に挿入することもできるため、単に部品2を吸引するだけでは、キャビティ13に収容された部品2の向きを揃えることができない。そこで、詳しくは後述するが、キャビティ13に収容された部品2の長手方向が収容部材12の主面12aと平行となるように、部品通路22等を設ける。
【0032】
図3(a)は、フィーダ16の概略構成を示す平面略図である。
図3(b)は、フィーダ16の概略構成を示す要部正面略図である。
図3(a)に示すように、フィーダ16は、矢印17aで示すようにフィーダ16の一端16x側から他端16y側に部品を搬送する第1部分16aと、矢印17bで示すように逆方向に部品を搬送する第2部分16bとを有している。第1及び第2部分16a,16bは、搬送面16s,16t,16uの振動によって、搬送面16s,16t,16uに載置された部品を移動させる。
図3(a)では図示を省略しているが、第1部分16a及び第2部分16bには、部品の搬送経路を規制し、フィーダ16から部品がこぼれないようにするガイド部が形成されている。
【0033】
フィーダ16の第1部分16aの中間位置には、搬送面16sとの間に所定の高さの隙間を形成するスクレーパ16p〜16rを有する選別部30が設けられている。選別部30より他端16y側には、第1部分16aに隣接してロータ12が配置されている。ロータ12の第1部分16aとは反対側に、吸引部材14が配置され、矢印15で示すように、ロータ12のキャビティ13内を吸引するように構成されている。
【0034】
第1部分16aは、一端16x側の搬送面16s上に、不図示のホッパーから、適宜、部品が供給され、このとき、搬送面16s上の部品は任意の姿勢である。すなわち、LW面が搬送面16sに支持された部品や、LT面が搬送面16sに支持された部品が混在している。
【0035】
図3(a)及び(b)に示すように、第1部分16aの搬送面16s上を一端16x側から他端16yに向けて搬送される部品は、選別部30において、所定の高さ(搬送面16sとスクレーパ16p〜16rとの間の隙間の高さ)を越える部品は、矢印17p〜17rで示すように、搬送面16sより低い搬送面16tに導かれ、所定の高さを越えない部品は、破線の矢印で示すようにスクレーパ16p〜16rの下を通過する。スクレーパ16p〜16rは、高さ規制部材である。
【0036】
例えば、W>Tの部品(
図2参照)の場合、すべてのスクレーパ16p〜16rと搬送面16sとの間の隙間の高さをTより大きくし、少なくとも一つのスクレーパ16p〜16rと搬送面16sとの間の隙間の高さをWより小さくすると、LW面が搬送面16sに支持されている部品のみが、スクレーパ16p〜16rの下を通過する。
【0037】
スクレーパ16p〜16rの下を通過した部品の一部は、
図3(a)において矢印17cで示すように、第1部分16aに隣接して配置されたロータ12のキャビティ13に移動する。それ以外の部品は、第1部分16aの他端16y側まで搬送されると、矢印18y,18zで示すように、第2部分16bの搬送面16uへと導かれ、矢印18xで示すように、第1部分16aの一端16x側の搬送面16s上に戻される。
【0038】
図4(a)は、フィーダ16からロータ12への部品受渡し部分の概略構成を示す平面略図である。
図4(b)は、
図4(a)の線B−Bに沿って見た正面略図である。
図4(c)は、
図4(a)の線C−Cに沿って見た正面略図である。
図5(a)〜(d)は、フィーダ16からロータ12への部品受渡しの部分での部品の移動の様子を示す平面略図である。
【0039】
図4(a)及び(b)に示すように、フィーダ16の第1部分16aには、第1部分16aの外周16kに沿ってガイド部20が設けられている。ガイド部20は、搬送面16sに対して垂直に延在し、フィーダ16の外への部品2の移動を阻止するガイド面20kを有している。
【0040】
また、ガイド部20には、搬送面16sに対して垂直かつ互いに対向する対向面22a,22bが形成され、対向面22a,22bの間に部品通路22が形成される。対向面22a,22bは、基本的には、互いに平行な平面である。部品通路22は、フィーダ16の内側の第1の開口22sと、第1部分16aの外周16kに形成された第2の開口22tを有し、第1の開口22sから第2の開口22tまで延在している。
【0041】
図4(a)及び
図5(a)〜(d)に示すように、部品通路22は、ロータ12に対して斜めに延在しており、
図5(c)に示す角α、すなわち、ロータ12の垂直方向12yと部品通路22が延在する一方向22xとがなす角αは、例えば10〜80°である。
【0042】
図4(a)及び(c)に示すように、フィーダ16の第1部分16aに隣接してロータ12が配置され、ロータ12の一方の主面12aがフィーダ16の第1部分16aの外周16kに対向している。また、ロータ12の他方の主面12b側には、ロータ12に隣接して吸引部材14が配置されている。ロータ12の他方の主面12bには、キャビティ13に連通する溝12cが形成されている。吸引部材14には、第1及び第2の吸引孔15a,15bが形成され、第1及び第2の吸引孔15a,15bは不図示の減圧源に接続されている。ロータ12と吸引部材14との間には図示しない隙間が設けられている。ただしその隙間は僅かであり、ロータ12の他方の主面12bは吸引部材14にて実質的に覆われていることになる。なお、その隙間がなくロータ12と吸引部材14とが接していても、ロータ12が回転する際の摺動抵抗が問題のない程度であれば構わない。
【0043】
ロータ12は、間欠的に回転し、
図4及び
図5に示すように、キャビティ13の延在方向一端側X1(
図4及び
図5において左側)が部品通路22の第2の開口22tに隣接する所定位置で回転を停止する。このとき、キャビティ13は搬送面16sと平行に延在し、キャビティ13の延在方向他端側X2(
図4及び
図5において右側)と部品通路22とが鈍角βをなす。
【0044】
ロータ12が所定位置に配置されているときに、吸引部材14の第1の吸引孔15aはキャビティ13の延在方向他端側X2に連通し、吸引部材14の第2の吸引孔15bは、溝12cを介してキャビティ13の延在方向他端側X2に連通する。これにより、矢印15で示す真空吸引によって、キャビティ13内が延在方向他端側X2から真空吸引される。そのため、部品通路22に進入、又は部品通路22の第1の開口22sに接近している部品2は、吸引され、部品通路22を通り、キャビティ13に移動する。
【0045】
すなわち、
図5(a)に示すように部品通路22の第1の開口22sの近傍まで搬送された部品2は、
図5(b)において破線で示すように向きを変え、一方の端面2aを先頭に、部品通路22に入る。そして、
図5(c)に示すように、一方の端面2aを先頭に、キャビティ13に向かって移動し、
図5(d)に示すように、部品2の長手方向がキャビティ13の延在方向と一致し、部品2の側面2bがロータ12の一方の主面12a側に露出する状態で、キャビティ13に収容される。
【0046】
図5(a)に示す部品通路22の幅bは、部品2の互いに対向する一対の側面2b間の長さWより大きく、かつ、部品2の互いに対向する端面2a間の長さLより小さくする。
【0047】
部品通路22の幅bは、2個以上の部品が並んだ寸法を避ける。すなわち、部品のT寸の倍数、及び、T寸とW寸の足し算で構成される寸法、T×n
t+W×n
W、とならないようにする、ここで、n
tはT寸の個数、n
WはW寸の個数である。2×T>bが可能であれば、T寸方向の2個入りのリスクがなくなる。L=1.4mm、W=1.0mm、T=0.8mmの部品2の場合、例えば、b=1.3mmとする。
【0048】
b>W、かつ、b>Tの場合、部品2は、LW面2cが搬送面に支持された状態でも、LT面2bが搬送面に支持された状態でも部品通路22を通過できるため、キャビティ13に収容されたときに、ロータ12の主面12a,12bから部品2のLT面2bが露出することも、LW面2cが露出することもある。そのため、キャビティ13に収容された部品2の短手方向の向きが揃わない。
【0049】
部品2の短手方向の向きも揃えるには、W>Tの部品(
図2参照)の場合、選別部30のスクレーパ16p〜16rと搬送面16sとの間の隙間の高さを前述したように設定し、LW面が搬送面16sに支持されている部品のみが、スクレーパ16p〜16rの下を通過し、選別部30から部品通路22へと導かれるようにする。これによって、ロータ12の主面12a,12bから部品2のLT面2bが露出するように、部品2の短手方向の向きが揃え、キャビティ13に部品2を収容することができる。
【0050】
部品2がキャビティ13に収容されるとき、
図4(a)において破線の円で囲んだ角21を中心に部品2が回転して向きを変えながら移動する。後述する
図6及び
図8に示すように、この角21を丸くすると、部品2は、円滑に向きを変えながら移動する。
【0051】
図4(a)及び(c)に示すように、ロータ12の一方の主面12aには、キャビティ13の周囲にテーパ部13sを形成しても構わない。キャビティ13の周囲にテーパ部13sを形成すると、
図4(a)に示したように、キャビティ13に収容されている部品2xに後続の部品2が接近している状態で、ロータ12が回転するときに、後続の部品2をテーパ部13sでロータ12から後退させ、後続の部品2がロータ12のキャビティ13に噛み込まないようにすることができる。
【0052】
さらに、
図4(b)において鎖線で示す天板23を、部品通路22の上に設けても構わない。この場合、後続の部品2がテーパ部13sによってロータ12から後退させられるときに、後続の部品2が起き上がる等の姿勢の乱れを防ぐことができる。また、部品通路22に進入、又は部品通路22の第1の開口22sに接近している部品2の吸引を安定させることができる。天板23と搬送面16sとの間の隙間の高さをhとすると、W>Tの部品(
図2参照)の場合、T<h<Wとなるようにする。例えば、T=0.8mm、W=1.0mmの部品2の場合、h=0.9mmとする。
【0053】
また、部品通路22からキャビティ13までの経路で部品2のロックを検知したら、空気の噴射やピンの駆動によって部品2を押し戻すように構成しても構わない。
【0054】
図6〜
図8は、フィーダ16の第1部分16aの詳細構成を示す要部斜視図である。
図6〜
図8に示すように、フィーダ16の第1部分16aの搬送面には、段差や傾斜が形成され、部品2は、ガイド部20に形成された4つの部品通路22に分散しながら移動するように構成されている。
【0055】
すなわち、選別部30においてスクレーパ16p〜16r(
図3参照)の下を通過した部品2は、
図6に示すようにガイド面30tに沿って前後に部品2同士が密集し並列状態で第1の水平な搬送面30s上を移動し、段差を通過して第2の水平な搬送面40aに移動し、部品2の前後が分離された状態となる。次いで、第1の傾斜した搬送面40bを下り、第3の水平な搬送面40cを進む。第2の水平な搬送面40aと第1の傾斜した搬送面40bとの交線40xは、部品送り方向(フィーダ16の一端16x側から他端16y側の方向)とは斜めに交差している。そのため、第3の水平な搬送面40c上では、部品2の各列の間隔が、部品送り方向に対して直角方向に広がる。次いで、各列の部品は、第2の傾斜した搬送面40dを下り、それぞれ、部品通路22に向かって移動する。第3の水平な搬送面40cと第2の傾斜した搬送面40dとの交線40yは、部品送り方向とは斜めに交差しているため、部品2は、第3の傾斜した搬送面40d上を部品送り方向に対して斜めに移動する。第2の傾斜した搬送面40dは、部品通路22の途中まで延在しており、部品通路22内において、第2の傾斜した搬送面40dに水平な搬送面40e〜40gが接続されている。
【0056】
図6に示したように、ガイド部20は、部品通路22より部品2の移動方向上流側、かつ搬送面40a〜40dより上側に、それぞれ、導入ガイド面42a,42b;44a,44b;46a,46b;48a,48bが形成されている。整列供給装置10を平面視すると、導入ガイド面42a,42b;44a,44b;46a,46b;48a,48bは、屈曲又は湾曲して部品通路22まで延在している。また、搬送面40a〜40dは、導入ガイド面42a,42b;44a,44b;46a,46b;48a,48bの屈曲又は湾曲する形状にあわせて延在している。
【0057】
具体的には、搬送面40d上において、導入ガイド面42a,42b;44a,44b;46a,46b;48a,48bの屈曲又は湾曲する形状にあわせて前記収容部材の配置された方向に、部品2が移動可能な空間が形成されている。そのため、導入ガイド面42a,42b;44a,44b;46a,46b;48a,48bに沿って搬送面40d上を移動する部品2は、導入ガイド面42a,42b;44a,44b;46a,46b;48a,48bの屈曲又は湾曲によって向きを変えるときに、並列する部品や後続の部品に干渉されることなく向きを変えることができる。これによって、導入ガイド面42a,42b;44a,44b;46a,46b;48a,48bに沿って移動する部品2を部品通路22まで確実に移動させることができ、キャビティ13の部品充填率を向上させることができる。
【0058】
整列供給装置10を用いると、
図3〜
図5に示したように、以下の工程で、整列供給装置10は、搬送面16sに載置された部品2を、部品通路22を通ってキャビティ13に移動させることができる。すなわち、まず、フィーダ16の一端16x側の搬送面16s上に部品2を供給する。次いで、フィーダ16の搬送面16s上に供給された部品2を移動させて、部品2を、部品通路22に進入、又は部品通路22の第1の開口22sに接近させる。次いで、キャビティ13が搬送面16sと平行に延在し、キャビティ13の延在方向一端側X1が部品通路22の第2の開口22tに隣接し、キャビティ13の延在方向他端側X2と部品通路22とが鈍角βをなすように、ロータ12を配置している状態で、キャビティ13内を延在方向他端側X2から真空吸引して、部品通路22に進入、又は部品通路22の第1の開口22sに接近している部品2を、部品通路22を通ってキャビティ13に移動させて、部品2の長手方向とキャビティ13の延在方向とが一致する状態でキャビティ13に部品2を収容する。
【0059】
キャビティ13は、ロータ12の主面12a,12bと平行に延在しているので、部品2の長手方向がロータ12の主面12a,12bと平行に延在するように部品2の向きを揃えて、キャビティ13に部品2を収容することができる。
【0060】
なお、整列供給装置10は、部品2以外の直方体形状の部品についても使用可能である。例えば、
図9(a)の斜視図に示すように側面2b,2cを1周する電極3pが形成された部品2pや、
図9(b)の斜視図に示すように、互いに対向する一対の側面2b全体をそれぞれ覆う一対の電極3qが形成された部品2qについても、使用可能である。
【0061】
また、キャビティ13は、ロータ12の主面12a,12b間を貫通するものに限らず、フィーダ16に対向するロータ12の一方の主面にのみ開口を有するものであっても構わない。この場合も、ロータ12の一方の主面と平行に延在するキャビティ13の延在方向一端側X1が部品通路22の第2の開口22tに隣接し、キャビティ13の延在方向他端側X2と部品通路22とが鈍角βをなすようにロータ12が配置された状態で、キャビティ13内を延在方向他端側X2から吸引することによって、搬送面40a〜40dに載置された部品2を、部品通路22を通ってキャビティ13に移動させ、部品2の長手方向がロータ12の一方の主面と平行に延在するように部品2の向きを揃えて、キャビティ13に部品2を収容することができる。
【0062】
<実施例2>
図10は、実施例2の整列供給装置10aの概略構成を示す斜視図である。
図10に示すように、整列供給装置10aは、実施例1と同じ構成のフィーダ16に隣接して、水平方向に循環する水平搬送ベルト50が配置されている。水平搬送ベルト50には、部品を収納するためのキャビティ52が形成されている。水平搬送ベルト50は収容部材であり、水平搬送ベルト50の内側には、部品をキャビティ52に吸引するための不図示の吸引部材が設けられている。
【0063】
<実施例3>
図11は、実施例3の整列供給装置10bの概略構成を示す斜視図である。
図11に示すように、整列供給装置10bは、実施例1と同じ構成のフィーダ16に隣接して、垂直方向に循環する垂直搬送ベルト54が配置されている。垂直搬送ベルト54には、部品を収納するためのキャビティ56が形成されている。垂直搬送ベルト56は収容部材であり、垂直搬送ベルト54の内側には、部品をキャビティ56に吸引するための不図示の吸引部材が配置されている。
【0064】
<実施例4>
図12は、実施例4の整列供給装置10cの概略構成を示す斜視図である。
図12に示すように、整列供給装置10cは、実施例1と同じ構成のフィーダ16に隣接して、円筒形状の回転ドラム60が配置されている。回転ドラム60の外周面には、部品を収納するためのキャビティ62が形成されている。回転ドラム60は収容部材であり、回転ドラム60の内側には、部品をキャビティ62に吸引するための不図示の吸引部材が配置されている。
【0065】
<まとめ> 以上に説明した整列供給装置を用いると、互いに対向する一対の矩形の端面を有し端面間が長手方向となる直方体形状の部品を、部品の長手方向が収納部材の主面と平行となるように部品の向きを揃えて収容部材のキャビティに収容することができる。
【0066】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
【0067】
例えば、搬送面は、載置された部品を振動によって搬送面に対して相対的に移動させるものに限らず、ベルトコンベアのように搬送面自体が所定方向に移動し、載置された部品を搬送面とともに移動させる構成としても構わない。