(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る電子機器について、実施形態を示して詳しく説明する。ここでは、本発明に係る電子機器として、人体の手首に装着するリストバンド型やブレスレット型の機器に適用した場合について説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示す概略構造図である。ここで、
図1(a)は、本実施形態に係る電子機器の外観構成を示す概略斜視図であり、
図1(b)は、
図1(a)に示した電子機器を図面左斜め前方向(矢印X方向)から見た正面図であり、
図1(c)は、
図1(a)に示した電子機器を図面右斜め前方向(矢印Y方向)から見た側面図である。また、
図2は、本実施形態に係る電子機器の、人体への装着例を示す概略図である。
図3は、本実施形態に係る電子機器における機能構成を示す概略ブロック図である。
【0015】
(外観構成)
本発明の一実施形態に係る電子機器100は、例えば
図1(a)〜(c)に示すように、大別して、湾曲形状を有する機器本体101と、機器本体101に対して回動可能に設けられた開閉部102と、を備えた外観形状を有している。
【0016】
具体的には、機器本体101は、
図1(a)〜(c)に示すように、略帯状の部材が長手方向に所定の曲率を有して湾曲し、側面側(
図1(c)の矢印Y方向)から見て、略U字形状又は略C字形状に形成された構造を有している。機器本体101の長手方向の一方の端部(
図1(a)、(c)の上方側の端部)には回転軸を備えた回動部103が設けられている。
【0017】
また、開閉部102は、
図1(a)、(c)に示すように、略帯状の部材により形成され、一方の端部(
図1(a)、(c)の上方側の端部)が回動部103を介して、機器本体101に接続されている。そして、開閉部102は、回動部103の回転軸を支点(中心)にして回動することにより、開閉部102の他方の端部(
図1(a)、(c)の下方側の端部)が、機器本体101の他方の端部(
図1(a)、(c)の下方側の端部)に対して、近接又は密着する閉止状態(
図2(b)に実線で示す)と、所定の寸法以上離間する開放状態(
図2(b)に二点鎖線で示す)に変化するように設計されている。
【0018】
(装着例)
このような構造を有する電子機器100において、
図2(b)に二点鎖線で示すように、回動部103の回転軸を支点にして、開閉部102を機器本体101に対して回動させて、機器本体101と開閉部102の他方の端部同士が離間した開放状態にする。これにより、機器本体101の湾曲形状の内方の装着空間101sが開放され、電子機器100の手首UShへの装着、又は、手首UShからの離脱が可能な状態になる。そして、機器本体101と開閉部102の他方の端部同士が離間した開放状態において、機器本体101の装着空間101sに手首UShを挿入し、
図2(b)に実線で示すように、開閉部102を機器本体101に対して回動させて、機器本体101と開閉部102の他方の端部同士が近接又は密着した閉止状態にする。ここで、開閉部102の回動動作は、予め設定された閉止状態となる位置でのみ回動が停止されるものであってもよいし、回動部103に設けられた回動調整部材によって所定の角度ごとに段階的に回動が一時停止できるものであってもよいし、無段階に回動が一時停止されるものであってもよい。これにより、機器本体101の装着空間101sが確定されて、
図1(c)及び
図2(a)、(b)に示すように、機器本体101及び開閉部102の内面側(装着空間101s側の面)が手首UShに接触又は密着して、電子機器100が手首UShに装着される。なお、図示を省略したが、電子機器100は、
図2(b)に実線で示した閉止状態において、近接又は密着した機器本体101と開閉部102の他方の端部同士を、相互に接続するロック、アンロック機構を備えているものであってもよい。これにより、電子機器100を装着しロックすれば、電子機器100の使用中に、機器本体101と開閉部102の他方の端部同士が離間して手首UShから脱落する事故を確実に防止することができる。
【0019】
(機能構成)
本実施形態に係る電子機器100は、例えば、次のような機能構成を有するものを適用することができる。電子機器100は、例えば
図3に示すように、大別して、表示部110と、センサ部120と、操作部130と、通信部140と、制御部150と、記憶部160と、電源部170と、を有している。本実施形態においては、これらの構成が上述した機器本体101に内蔵されている。なお、機器本体101の内部構造(組み付け構造)については後述する。
【0020】
表示部110は、例えば
図1、
図2に示すように、上述した湾曲形状を有する機器本体101の長手方向に沿って、外面側の略中央領域に帯状に延在するように設けられている。表示部110は、機器本体101の外面側に、例えば現在時刻やユーザの動作中や運動中に取得した生体情報や運動情報等を表示する。このような表示部110は、液晶方式や、有機EL等の発光素子方式、電子ペーパー方式等の各種の表示パネルを適用することができる。ここで、表示部110により表示される各種の情報は、カラー表示されるものであってもよいし、モノクロ表示されるものであってもよい。また、表示部110により表示される各種の情報は、文字情報や静止画像に限らず、動画像であってもよい。
【0021】
センサ部120は、例えば、ユーザの動作中や運動中の脈拍や体温、血圧等の生体情報、加速度や角速度等の運動情報、地理的な位置等の物理情報、気圧や湿度、地磁気等の環境情報を取得するセンサを有している。センサ部120により取得された生体情報や運動情報等は、記憶部160の所定の記憶領域にセンサデータとして保存される。
【0022】
操作部130は、機器本体101や開閉部102の外面に設けられた操作ボタン(押しボタンやスライドボタン、タッチボタン等)や、上述した表示部110の視野側(前面側)に設けられたタッチパネル等のスイッチを有している。操作部130は、例えば電子機器100を起動するための電源操作や、電子機器100における各種の動作(表示部110の表示やセンサ部120の動作等)を設定するための操作に用いられる。
【0023】
通信部140は、電子機器100の外部の機器(例えばスマートフォンやタブレット、パーソナルコンピュータ等)やネットワークとの間で、取得したセンサデータや各種信号の送受信を行うインターフェースとして機能する。ここで、通信部140を介して、電子機器100と外部の機器等との間で、センサデータ等を送受信する手法としては、各種の無線通信方式や有線通信方式が適用される。特に、無線通信方式を適用する場合には、通信部140は、例えばデジタル機器用の近距離無線通信規格であるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))や、低消費電力型の通信規格として策定されたブルートゥースローエナジー(Bluetooth(登録商標) low energy(LE))、NFC(Near field communication)、ワイファイ(Wi-Fi;wireless fidelity(登録商標))等の通信方式を良好に適用することができる。
【0024】
制御部150は、所定のプログラムを実行することにより、表示部110における表示動作や、センサ部120におけるセンシング動作、通信部140におけるセンサデータ等の送受信動作、記憶部160への書込み読出し動作、電源部170における電源供給動作等の、各種の動作を制御する。
【0025】
記憶部160は、例えば、センサ部120により取得されたセンサデータ等を保存する。また、記憶部160は、制御部150により制御される、上記の各種の動作を実行する際に使用又は生成されるデータや情報を保存する。なお、記憶部160は、制御部150で実行されるプログラムを格納するものであってもよい。また、記憶部160は、例えばメモリカード等のリムーバブル記憶媒体としての形態を有し、電子機器100に対して着脱可能に設定されているものであってもよい。
【0026】
電源部170は、上述した湾曲形状を有する機器本体101の長手方向に沿って帯状に延在する、薄型で湾曲した電池を有し、当該電池から出力される駆動電力を、電子機器100の各構成に供給する。ここで、本実施形態に適用される電池としては、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の、繰り返し充放電が可能な二次電池が適用される。この場合、電源部170は、電池から各構成への駆動電力の供給動作に加え、電池への充電動作を行う。なお、電源部170は、上記の二次電池に加え、市販のボタン型電池等の一次電池や、振動や光、熱、電磁波等のエネルギーにより発電する環境発電(エナジーハーベスト)技術による電源等を併用する構造を有するものであってもよい。
【0027】
(組み付け構造/断面構造)
次に、本実施形態に係る電子機器100の組み付け構造(内部構造)について説明する。
【0028】
図4は、本実施形態に係る電子機器における組み付け構造(内部構造)を示す分解斜視図である。また、
図5は、本実施形態に係る電子機器における要部断面図である。ここで、
図5(a)は、
図1(b)に示した電子機器におけるVA−VA線(本明細書においては
図1中に示したローマ数字の「5」に対応する記号として便宜的に「V」を用いる。)に沿った断面構造を示す概略図である。また、
図5(b)は、
図1(b)に示した電子機器におけるVB−VB線に沿った断面構造を示す概略図であり、
図5(c)は、
図1(b)に示した電子機器におけるVC−VC線に沿った断面構造を示す概略図である。なお、
図5においては、図示を明瞭にするために、断面を示すハッチングの一部を便宜的に省略して示した。
【0029】
図1に示した外観形状を有する機器本体101は、例えば
図4、
図5(a)に示すように、大別して、本体ケース11と、フレーム12と、電池13(
図3に示した電源部170に対応する)と、回路基板14と、外装カバー15と、表示部16(
図3に示した表示部110に対応する)と、を有している。そして、機器本体101は、本体ケース11と外装カバー15により形成される収納空間11sに、フレーム12や電池13、回路基板14、表示部16を収納した構造を有している。
【0030】
本体ケース11は、例えば
図4に示すように、略帯状の絶縁性の部材により形成され、帯状の長手方向に所定の曲率で湾曲した湾曲形状を有している。また、本体ケース11は、少なくとも帯状の部材の長手方向に沿って、その両辺部が一方向(
図4の外装カバー15方向)に屈曲又は突出した構造を有し、これにより
図4、
図5(a)に示すように、凹状の収納空間11sを備えた断面を有している。また、本体ケース11は、少なくとも帯状の部材の長手方向の一方の端部(
図4の上方側の端部)に、開閉部102側に設けられた回動部103に接続するための取り付け穴H11が複数設けられている。なお、本体ケース11は、少なくとも本体ケース11に後述するフレーム12や外装カバー15が組み付けられた電子機器100を、ユーザが手首に装着して使用した際に、ある程度の変形を許容しつつ、収納空間11sの形状が保持できる程度の剛性や強度を備えるとともに、人体(肌)に接触しても違和感を持たない程度の質感を有していることが好ましい。
【0031】
フレーム12は、例えば
図4に示すように、帯状の平面形状を有する金属の薄板により形成され、本体ケース11が有する所定の曲率に対応した湾曲形状を有している。又は、フレーム12は、上記の所定の曲率に対応して湾曲する可撓性や変形性を有する程度の適度な剛性を有しており、外部からの一時的な小さい力によって機器本体101が撓みすぎたり、変形しすぎたりしないよう設定されている。また、フレーム12は、
図4に示すように、帯状の薄板の長手方向の両端部を除く中間部分の幅方向の両辺部が幅方向に所定寸法だけ内側に位置するように欠落し且つ幅寸法が狭く形成された幅狭部12aが長手方向に沿って設けられている。また、フレーム12は、少なくとも帯状の薄板の長手方向の一方の端部(
図4の上方側の端部)に、本体ケース11の収納空間11s内に組み付け固定するための取り付け穴H12が複数設けられている。また、少なくともフレーム12の長手方向の一方の端部には、後述する回路基板14との組み付け位置を確定するための基板固定ピンP12が設けられている。なお、フレーム12は、例えば鉄やステンレス、アルミニウム合金等の金属材料が適用されるが、適度の剛性を維持できれば金属材料に限らない。
【0032】
電池13は、例えば
図4に示すように、樹脂フィルムによるラミネートパッケージや薄型の金属パッケージ等を有する電池が帯状に形成され、上記のフレーム12の一面側(本体ケース11側)の面に一体的に固定されて、上記の所定の曲率に対応した湾曲形状を有している。又は、電池13は、上記の所定の曲率に対応して湾曲する可撓性や変形性を有している。ここで、電池13は、例えばフレーム12の略全域に対応した寸法の帯状の平面形状を有し、
図4に示すように、フレーム12の一面側の略全域に取り付けられた構造を有している。これにより、フレーム12の幅狭部12aが形成された領域においては、幅狭部12aの両側に、電池13が露出した構造を有している。なお、図示を省略したが、このような電池13の出力端子は、例えばフレーム12の長手方向の両端部に対応する領域において、後述する回路基板14や表示部16に電気的に接続される。
【0033】
回路基板14は、上述した機能構成において説明した通信部140や制御部150、記憶部160等が搭載される機能部品搭載部(第1の基板領域)と、信号配線やアンテナ配線等の配線パターンのみが形成されるパターン形成部(第2の基板領域)と、を有している。回路基板14は、例えば
図4に示すように、上記のフレーム12及び電池13の略全域に対応した寸法の帯状の平面形状を有する絶縁性基板により形成され、帯状の長手方向の両端部には機能部品搭載部が設けられ、また、両端部を除く中間部分にはパターン形成部が設けられる。少なくともパターン形成部が設けられる回路基板14は、フレキシブルプリント基板(FPC)のような薄膜状又はフィルム状の薄型の絶縁性基板が帯状に形成され、例えば
図4に示すように、上記の所定の曲率に対応した湾曲形状を有している。又は、パターン形成部が設けられる回路基板14は、上記の所定の曲率に対応して湾曲する可撓性や変形性を有している。また、パターン形成部が設けられる回路基板14は、
図4に示すように、帯状の長手方向の両端部を除く中間部分に、略中央部が幅方向に所定寸法だけ欠落され且つ長手方向に延在する開口部14hが設けられている。すなわち、回路基板14は、開口部14hの幅方向両側にそれぞれ形成された2本の幅狭部14aにより長手方向の両端部が接続された構造を有している。ここで、回路基板14に設けられる開口部14hの幅寸法は、上記のフレーム12に設けられる幅狭部12aの幅寸法よりも大きくなるように設定されている。これにより、後述するように、本体ケース11に、フレーム12や電池13、回路基板14からなるユニットが略密着して組み付けられた状態で、
図5(a)に示すように、回路基板14の開口部14hを形成する幅狭部14a、14a間に、フレーム12の幅狭部12aが位置するように形成されている。すなわち、フレーム12の幅狭部12aと回路基板14の幅狭部14aとは、フレーム12と回路基板14との積層方向(
図4の左斜め前方向、又は、
図5(a)の下方)から見て平面的に相互に重ならないように形成されているので、仮に機器本体101を撓ませたり、変形させたりしても回路基板14の幅狭部14aは、フレーム12の幅狭部12aと接触することがないように設定されている。また、電池13が経時的に膨張してフレーム12の幅狭部12aを回路基板14側に押しつけても、フレーム12の幅狭部12aは開口部14h内の収納空間11sにあるので、幅狭部14aがフレーム12の幅狭部12aと接触することがない。また、少なくとも回路基板14の長手方向の一方の端部(
図4の上方側の端部)には、上記フレーム12との組み付け位置を確定するための位置決め穴H14が設けられている。なお、パターン形成部が設けられる回路基板14の幅狭部14aには、具体的には、例えばセンサ部120から出力される検出信号を制御部150に送信するためのセンサ信号線や、電源部170から供給される駆動電力を各構成に供給するための電源線、通信部140に適用される無線通信方式に対応したアンテナ配線等の配線パターンが形成される。ここで、開口部14hを形成する2本の幅狭部14aのうちの一方にセンサ信号線を形成し、他方に電源線を形成して、両者を開口部14hにより隔離することにより、電源線において発生する電界の影響を抑制して、センサ部120から出力される微弱な検出信号を制御部150に良好に送信することができる。また、回路基板14は、上記の機能部品や配線パターンが絶縁性基板の一面側にのみ搭載又は形成されているものであってもよいし、裏表両面側に搭載又は形成されているものであってもよい。ここで、回路基板14に搭載又は形成される機能部品や配線パターンは、周知の絶縁保護膜により被覆されて保護されている。
【0034】
外装カバー15は、例えば
図4に示すように、帯状の平面形状を有する絶縁性の薄板により形成され、上記の本体ケース11の湾曲形状に対応した湾曲形状を有している。又は、外装カバー15は、本体ケース11の湾曲形状に対応して湾曲する可撓性や変形性を有している。また、外装カバー15は、
図5(a)に示すように、上記の本体ケース11に設けられた収納空間11sの開放端側(図面下方側)を閉止して密閉するように組み付けられる。ここで、外装カバー15は、少なくとも電子機器100の外部からの圧力(外圧)や周辺環境(温度や湿度、薬品等)に対して、収納空間11sに収納される各構成を保護することができる程度の特性(剛性や耐熱性、耐湿性、耐薬品性等)を有している。また、本実施形態においては、外装カバー15は、例えば透明な樹脂材料やガラス材料により形成され、外装カバー15の一面側(収納空間11s側)の面に、後述する表示部16が一体的に設けられた構造を有している。これにより、表示部16に表示された情報が、透明な外装カバー15を介して視野側に透過されて、ユーザに視認される。また、外装カバー15は、少なくとも帯状の薄板の長手方向の一方の端部(
図4の上方側の端部)に、本体ケース11の収納空間11sを閉止するための取り付け穴H15が複数設けられている。
【0035】
表示部16は、例えば
図4に示すように、薄型の表示デバイスが帯状の平面形状を有するように形成され、上記の外装カバー15の一面側(収納空間11s側)の面に一体的に設けられ、外装カバー15の湾曲形状に対応した湾曲形状を有している。又は、表示部16は、外装カバー15の湾曲形状に対応して湾曲する可撓性や変形性を有している。表示部16は、可撓性のフィルム樹脂基板間に液晶が封入された液晶表示パネルや、可撓性のフィルム樹脂基板に有機EL層が設けられた有機EL表示パネルや、可撓性のフィルム樹脂基板間に色粒子が封入された電子ペーパー表示パネルのように、撓んだり、変形したりしても表示を維持することが可能である。ここで、表示部16に表示される各種の情報は、透明な外装カバー15を介してユーザの視野側に透過されて視認される。なお、図示を省略したが、例えば表示部16又は外装カバー15の長手方向の一方の端部には、表示部16のドライバICが設けられ、その近傍において回路基板14や電池13に電気的に接続される。
【0036】
また、開閉部102は、例えば
図4に示すように、略帯状の部材の長手方向の一方の端部(
図4の上方側の端部)に、回動部103が設けられた構造を有している。回動部103は、回転軸を備え、回転軸を支点にして開閉部102が回動するように形成されている。また、回動部103は、少なくとも機器本体101と接続するための取り付け穴H13が複数設けられている。
【0037】
(組み付け手順例)
次に、上述した電子機器の組み付け手順について、
図4及び
図5を用いて説明する。まず、
図4及び
図5(b)に示すように、回動部103に設けられた取り付け穴H13と、本体ケース11に設けられた取り付け穴H11と、フレーム12に設けられた取り付け穴H12との各位置を整合させて、本体ケース11及び回動部103の内方側(装着空間101s側;
図5(b)の下方側)から雄ネジB11を挿通させて、ホルダーP11に設けられた雌ネジにネジ止めして固定する。これにより、本体ケース11の収納空間11sに、フレーム12、及び、フレーム12に一体的に設けられた電池13が、湾曲した状態で組み付けられる。
【0038】
次いで、回路基板14に設けられた位置決め穴H14に、フレーム12に設けられた基板固定ピンP12を嵌合させて、フレーム12に対する回路基板14の組み付け位置を確定する。そして、フレーム12と回路基板14の長手方向の端部同士を、例えば接着剤や両面接着テープ等により接着して固定する。これにより、本体ケース11の収納空間11sに、各種の機能部品が搭載された回路基板14が、フレーム12に略密着して湾曲した状態で組み付けられる。また、このとき、フレーム12と回路基板14の長手方向の端部に対応する領域において、電池13と回路基板14が電気的に接続される。なお、フレーム12と回路基板14とを位置決めして固定する手法としては、上記の接着剤や両面接着テープの他に、ネジ固定や樹脂による溶着やホットメルト等を適用することができる。
【0039】
次いで、
図4及び
図5(c)に示すように、本体ケース11の収納空間11sを閉止するように、表示部16が一体的に設けられた外装カバー15を配置し、外装カバー15に設けられた取り付け穴H15に外方側(
図4及び
図5(c)の上方側)から雄ネジB12を挿通させて、ホルダーP11に設けられた雌ネジにネジ止めして固定する。これにより、フレーム12と、電池13と、回路基板14とが組み付けられ、さらに表示部16が収納された本体ケース11の収納空間11sが密閉される。また、このとき、外装カバー15と回路基板14の長手方向の端部に対応する領域において、外装カバー15側に設けられた表示部16のドライバIC16aと、回路基板14のコネクタ16bや電池13とがフラットケーブルやバネ性の電極端子等を介して電気的に接続される。
【0040】
そして、外装カバー15を、ホルダーP11を介して本体ケース11にネジ止め固定した雄ネジB12及び取り付け穴H15の周辺を覆うようにカバー部品C11を取り付ける。これにより、密閉された本体ケース11の収納空間11sへの水分等の侵入を防止するとともに、電子機器100のデザイン性が高まる。なお、
図4及び
図5(b)、(c)においては、図示の都合上、回動部103が接続される機器本体101の一方の端部(
図4の上方側の端部)について詳しく説明したが、他方の端部(
図4の下方側の端部)についても同様にして組み付けを行って、フレーム12及び回路基板14、外装カバー15の両端部において本体ケース11に固定するものであってもよい。また、
図4において、C12は、外装カバー15の他方の端部を、本体ケース11に固定する雄ネジ(図示を省略)周辺を覆うカバー部品であり、C13は、本体ケース11の他方の端部に取り付けられる、その他のカバー部品である。
【0041】
次に、本実施形態に係る電子機器における作用効果について説明する。
図6は、本実施形態に係る電子機器における作用効果を説明するための概略断面図である。ここでは、
図5(a)に示した断面図に基づいて作用効果を説明する。
【0042】
上述した背景技術において説明したように、手首や腕等に装着するリストバンド型の電子機器においては、薄型で、かつ、所定の曲率の湾曲形状を有している必要がある。このような電子機器を実現するためには、機器に内蔵される回路基板として、可撓性を有するFPCを適用する構造が考えられるが、この場合、回路基板自体の剛性や強度が低いため、電子機器の製造時や使用時に加わる外圧により撓みや変形が生じやすくなり、内蔵される各種の機能部品や構造部材が回路基板に接触して破損や剥離等を招く可能性がある。
【0043】
本実施形態に係る電子機器100においては、ある程度の剛性や強度を有する薄板により形成され、所定の曲率に対応した湾曲形状を有するフレーム12を備え、当該フレーム12に電池13や回路基板14が一体的又は部分的に固定された構造を有している。具体的には、
図4及び
図5に示したように、電子機器100は、フレーム12の一面側に二次電池からなる電池13が一体的に固定され、他面側(外装カバー15側)に通信部140や制御部150、記憶部160等の機能部品が搭載された回路基板14が両端固定された構造を有している。すなわち、電池13及び回路基板14は、フレーム12によりそれぞれの配置領域が確定(位置決め)されているとともに、
図5(a)に示すように、フレーム12をはさむように両面側に密着して配置されている。これにより、本実施形態によれば、電子機器の製造時や使用時に加わる外圧に対して撓みや変形を抑制して、内蔵される機能部品や構造部材の破損や剥離等を抑制することができる。
【0044】
これに加えて、本実施形態に係る電子機器においては、
図4に示したように、フレーム12の両端部を除く中間部分に、長手方向に延在する幅狭部12aが設けられ、また、フレーム12に両端固定された回路基板14の両端部を除く中間部分に、長手方向に延在する開口部14h、及び、長手方向の両辺部に沿って(又は、開口部14hの両側に)延在する2本の幅狭部14aが設けられた構造を有している。ここで、開口部14hは、フレーム12に設けられた幅狭部12aに対応する領域に設けられるとともに、当該幅狭部12aよりも幅寸法が大きくなるように設定されている。
【0045】
そして、本実施形態において、フレーム12に電池13や回路基板14を積層するように一体的又は部分的に固定したユニットを、本体ケース11に組み付けた場合、フレーム12及び回路基板14の中間部分では、
図5(a)に示したように、回路基板14の開口部14hを形成する幅狭部14a間に、フレーム12の幅狭部12aが位置して、両者が離間した状態となる。また、このフレーム12及び回路基板14の中間部分においては、機器本体101を厚み方向(
図5(a)の上下方向)に見ると、フレーム12の一面側に設けられる電池13と、フレーム12の他面側に設けられる回路基板14の幅狭部14aとの間に、隙間11cが形成される。この隙間11cは、フレーム12に対して回路基板14を両端部で位置決め固定することにより、両者間に形成されるものである。そして、この隙間11cは、少なくとも電子機器を構成する部品や部材の製造ばらつきや組立て時の作業ばらつき、電子機器の使用時に生じる撓みや変形により、フレーム12及び回路基板14の曲率の違いに応じて周長が微妙に変化して生じる寸法差に対して、両者が接触しない程度の隙間に設定されている。
【0046】
このように、本実施形態においては、フレーム12に電池13や回路基板14を積層するように固定し、かつ、フレーム12及び回路基板14の両端部を除く中間部分に形成された幅狭部12a及び14aが、フレーム12と回路基板14との積層方向から見て、平面的に重ならないように相互に離間して配置される。さらに、回路基板14の幅狭部14aが電池13に接触しないように所定の隙間11cを有するように形成される。これにより、本実施形態に係る構成を、薄型で所定の曲率の湾曲形状を有する電子機器に適用した場合、次のような作用効果を有している。
【0047】
すなわち、
図6(a)、(b)に示すように、フレーム12や回路基板14、電池13等を機器本体101に組み付ける際の、部品や部材の製造ばらつきや作業ばらつき、また、電子機器100の使用時に加わる外圧に起因して生じる寸法差に対して、回路基板14の開口部14h内に、フレーム12の幅狭部12aが入り込んで、幅狭部12a、14a同士が接触することがない。また、このとき、回路基板14と電池13との間に形成された隙間11cがなくならない程度に確保される。これにより、本実施形態によれば、上記のばらつきや寸法差を吸収することができ、電子機器の製造時や使用時における部品や部材の破損や剥離等の発生を防止して、良好な製品品質を実現することができる。
【0048】
また、本実施形態においては、電子機器の各構成に駆動電流を供給するための電池13として、リチウムイオン電池等の二次電池を適用した構成を示した。このような電池においては、充電時や、使用による経年劣化により電池の筐体に膨れが生じることが知られている。本実施形態においては、上述したように、フレーム12及び回路基板14の両端部を除く中間部分において、幅狭部12a、14a同士が接触しないように離間して配置されているとともに、電池13と回路基板14の幅狭部14aとの間に隙間11cが形成されている。したがって、電池13で発生する膨れを隙間11cにより吸収することができ、機器本体101に内蔵される部品や部材相互の接触や干渉を防止して、良好な製品品質を実現することができる。
【0049】
(変形例)
次に、上述した実施形態に係る電子機器の変形例について説明する。
上述した実施形態においては、電子機器100を構成する機器本体101の本体ケース11に組み付けるフレーム12として、本体ケース11の曲率に対応して湾曲する金属の薄板が適用されることを説明した。ここで、本発明は、フレームを次の変形例のように構成することにより、新たな作用効果をさらに得ることができる。
【0050】
すなわち、近年の携帯機器や情報機器においては、高機能化や高性能化により、制御部の演算処理スピードも高速化している。そのため、機器内部で発生する熱量も増大する傾向にある。また、近年のほとんどの携帯機器は、通信機能を備えており、外部の機器とのデータの送受信や連携動作は必要不可欠な機能になっている。このような状況に鑑み、本実施形態は以下のような変形例を有している。
【0051】
本実施形態に係る電子機器の第1の変形例は、上述した回路基板14に搭載される機能部品等のうち、動作に伴う発熱が生じる箇所又は機能部品搭載部、あるいは、その近傍の領域の回路基板14の裏面側(フレーム12側)において、フレーム12に接続固定した構造を有している。ここで、回路基板14とフレーム12との接続固定の手法としては、熱伝導性が高い材料を用いて接続することが好ましく、例えば熱伝導性の高い接着剤や、熱伝導性シートを挟んだ構造を適用することができる。これにより、回路基板14で発生する熱をフレーム12に良好に伝達して拡散させることができ、電子機器100の内部温度の上昇を抑えることができる。
【0052】
本実施形態に係る電子機器の第2の変形例は、上述した第1の変形例において、本体ケース11に組み付け固定されるフレーム12を、例えば長手方向に2分割(又は複数に分割)して熱源側と冷却側に分け、それぞれをヒートパイプにより接続した構造を有している。これにより、2分割したフレーム12間の熱の伝達、拡散を促進することができ、電子機器100の内部温度の上昇を抑えることができる。
【0053】
本実施形態に係る電子機器の第3の変形例は、上述したフレーム12として、アルミニウム合金や銅合金等の熱伝導性の高い材料を適用し、さらに、当該フレーム12の一部を、機器本体101を構成する本体ケース11や外装カバー15から露出させて、外気に触れるように延在させた構造を有している。ここで、フレーム12の露出箇所は、一箇所であってもよいし、複数箇所であってもよい。このとき、露出したフレーム12が人体(ユーザの身体)に直接触れないように露出箇所が配置されていることが好ましい。これにより、フレーム12を放熱板として利用して、機器内部で発生した熱を電子機器100の外部に良好に放出することができ、内部温度の上昇を抑えることができる。
【0054】
本実施形態に係る電子機器の第4の変形例は、上述したフレーム12に設けられた幅狭部12aに、通信部140に適用される無線通信方式に対応したアンテナ配線を配置した構造を有している。ここで、フレーム12に設けられた幅狭部12aにおいては、その周辺に回路部品等が搭載されておらず、ノイズの発生も少ないので、電波環境が比較的良好な状態にある。これにより、電子機器の外部の機器との間で良好な通信を実現することができる。
【0055】
本実施形態に係る電子機器の第5の変形例は、上述したフレーム12として、ある程度の柔軟性を有する材料を適用した構造を有している。これにより、電子機器100を装着した際の人体への密着性を確保することができるとともに、外力による電子機器100の撓みや変形を抑制して、内蔵される部品や部材の破損や剥離等を抑制することができる。
【0056】
本実施形態に係る電子機器の第6の変形例は、上述したフレーム12として、常温での形状保持性を有する形状記憶合金を適用した構造を有している。これにより、電子機器100を装着して常温で使用する際に、外力による電子機器100の撓みや変形に対して対抗力(耐性)を持たせることができる。
【0057】
本実施形態に係る電子機器の第7の変形例は、上述したフレーム12として、熱による形状復元性を有する形状記憶合金を適用した構造を有している。これにより、外力による電子機器100の撓みや変形が生じた場合であっても、電子機器100を装着した際の体温等により形状を復元させることができる。
【0058】
なお、上述した実施形態においては、鉄やステンレス、アルミニウム合金等の金属材料からなるフレーム12を適用した構造を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、ある程度の剛性や強度を有する非金属の材料や構造を適用するものであってもよいし、熱伝導性の高い部材を適用するものであってもよい。
【0059】
また、上述した実施形態においては、フレーム12の両端部を除く中間部分に1本の幅狭部12aを設け、回路基板14の両端部を除く中間部分に2本の幅狭部14aからなる開口部14hを設けた構造を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、上述した作用効果において説明したように、部品や部材の製造ばらつきや作業ばらつき、電子機器100の使用時に加わる外圧に起因する寸法差を、フレーム12や回路基板14の形状やその配置、隙間により吸収することができるものであれば、他の構造を有するものであってもよい。例えば、本発明は、フレームの両端部を除く中間部分に2本の幅狭部からなる開口部を設け、回路基板の両端部を除く中間部分に1本の幅狭部を設けた構造を有するものであってもよいし、フレーム及び回路基板のそれぞれの両端部を除く中間部分に、それぞれ1本の幅狭部を設けた構造を有するものであってもよい。
【0060】
また、上述した実施形態においては、電子機器100に表示部110を備え、各種の情報を表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、表示部110を備えず、センサ部120により取得したセンサデータを記憶部160に蓄積する機能のみを有する電子機器であってもよい。この場合、外装カバー15は、外圧や周辺環境に対して、機器本体101に内蔵された回路基板14や電池13等を保護する機能のみを有することになる。
【0061】
また、上述した実施形態においては、電子機器100を人体の手首に装着する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、手首や腕に装着する場合のほか、足首等の所定の曲率を有する部位に良好に装着して使用することができる。また、本発明は、装着対象を人体に限るものではなく、例えばペットの生体情報や物理情報等を取得するための首輪型の機器等に適用するものであってもよい。
【0062】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0063】
(付記)
[1]
少なくとも湾曲形状を有する本体ケースと、
前記本体ケースに設けられた収納空間に、前記湾曲形状に対応して組み付けられ、第1の幅狭部を有するフレームと、
前記収納空間に、前記フレームに密着して組み付けられ、第2の幅狭部を有する回路基板と、
を備え、
前記フレーム及び前記回路基板の積層方向から見て、前記第1の幅狭部及び前記第2の幅狭部が平面的に重ならないように配置されていることを特徴とする電子機器。
【0064】
[2]
前記第1の幅狭部及び前記第2の幅狭部は、それぞれ、前記フレーム及び前記回路基板の長手方向の両端部を除く中間部分に設けられていることを特徴とする[1]に記載の電子機器。
【0065】
[3]
前記回路基板は、少なくとも、機能部品が搭載される第1の基板領域と、所定の配線パターンのみが設けられる第2の基板領域と、を有し、
前記第2の幅狭部に前記第2の基板領域が設定されていることを特徴とする[1]又は[2]に記載の電子機器。
【0066】
[4]
前記第2の基板領域は、所定の信号が伝送される信号線、前記機能部品を駆動させるための電力を供給するための電源線、又は、前記機能部品において所定の電波を送受信するためのアンテナ線のいずれか一つ以上が設けられていることを特徴とする[3]に記載の電子機器。
【0067】
[5]
前記フレームは、少なくとも前記本体ケースに外圧が加わった場合であっても、前記湾曲形状に復元させる材料特性を有していることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の電子機器。
【0068】
[6]
前記フレームの一面側に配置された電池を備え、
前記回路基板は、前記フレームの他面側に配置されていることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の電子機器。
【0069】
[7]
少なくとも前記回路基板と前記電池との間に所定の隙間を有していることを特徴とする[6]に記載の電子機器。