(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0009】
本発明者は、ヒトG−CSFR(hG−CSFR)に結合し、G−CSFのシグナル伝達を強力に中和する、例えば、CD34
+骨髄細胞からの顆粒球形成を予防する、および/またはG−CSFに応答した細胞増殖を予防する、および/またはG−CSFの投与によって誘導される好中球増加を低減もしくは予防する、抗体結合部位(例えば、Fabおよび抗体)を含むあるクラスのタンパク質を生成した。本発明者によって同定されたクラスのタンパク質はまた、カニクイザルG−CSFR(cynoG−CSFR)と交差反応するため、該タンパク質を用いた前臨床試験を容易にする。本発明者によって同定されたクラスのタンパク質は、高い親和性でhG−CSFRに結合する。本発明者によって同定されたクラスのタンパク質は、様々な状態の治療に好適なヒト抗体である。
【0010】
本開示は、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質であって、抗原結合部位は、hG−CSFRに結合してG−CSFのシグナル伝達を中和し、タンパク質は、G−CSFの存在下で増殖させたCD34
+骨髄細胞からのコロニー形成単位−顆粒球(CFU−G)の増殖を少なくとも約0.2nMのIC
50で阻害する、タンパク質を提供する。例えば、IC
50は0.1nM以下、例えば、0.09nM以下、または0.08nM以下、または0.07nM以下、または0.06nM以下、または0.05nM以下である。一例において、IC
50は0.04nM以下である。別の例において、IC
50は0.02nM以下である。そのようなアッセイにおいてタンパク質のIC
50を評価するための方法を本明細書に記載する。例えば、IC
50は、10ng/mlのhG−CSFの存在下で決定される。
【0011】
一例において、IC
50は、10ng/mlの幹細胞因子および10ng/mlのhG−CSFの存在下でCD34
+骨髄細胞を培養することにより決定される。例えば、細胞は、半固体細胞培養培地で増殖される。一例において、CFU−Gは、14日の培養後に数えられる。
【0012】
本開示は、付加的または代替的に、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質であって、抗原結合部位は、ヒトおよびカニクイザルの両方のG−CSFRに同様の親和性で結合してG−CSFのシグナル伝達を中和する、タンパク質を提供する。そのようなタンパク質は、非ヒト哺乳動物における前臨床試験を容易にするため、有利である。
【0013】
一例において、タンパク質の親和性は、例えば、表面プラズモン共鳴を用いたバイオセンサを使用して決定される。例えば、リガンド結合領域または可溶性hG−CSFRまたは可溶性cynoG−CSFRまたはhG−CSFR−Fcまたはcyno−G−CSFR−Fcが固定化され、本開示のタンパク質の親和性が決定される。
【0014】
本開示は、付加的に、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質であって、抗原結合部位は、C1.2(配列番号2に記載の配列を含む重鎖可変領域(V
H)および配列番号3に記載の配列を含む軽鎖可変領域(V
L)を含む)またはC1.2G(配列番号4に記載の配列を含むV
Hおよび配列番号5に記載の配列を含むV
Lを含む)によって結合されるものと同じhG−CSFRのエピトープに特異的に結合する、タンパク質を提供する。
【0015】
本開示は、付加的または代替的に、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質であって、(i)タンパク質は、C1.2(配列番号2に記載の配列を含むV
Hおよび配列番号3に記載の配列を含むV
Lを含む)またはC1.2G(配列番号4に記載の配列を含むV
Hおよび配列番号5に記載の配列を含むV
Lを含む)のhG−CSFRへの結合を競合的に阻害し、(ii)タンパク質は、G−CSFのシグナル伝達を中和し、(iii)
(a)配列番号1の287位のアルギニン、
(b)配列番号1の237位のヒスチジン、
(c)配列番号1の198位のメチオニン、
(d)配列番号1の172位のチロシン、
(e)配列番号1の171位のロイシン、または
(f)配列番号1の111位のロイシン
のうちのいずれか1つがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドへのタンパク質の結合のレベルは、配列番号1のポリペプチドへのタンパク質の結合のレベルよりも低い、タンパク質を提供する。
【0016】
本開示は、付加的または代替的に、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質であって、(i)タンパク質は、C1.2(配列番号2に記載の配列を含むV
Hおよび配列番号3に記載の配列を含むV
Lを含む)またはC1.2G(配列番号4に記載の配列を含むV
Hおよび配列番号5に記載の配列を含むV
Lを含む)のhG−CSFRへの結合を競合的に阻害し、(ii)タンパク質は、G−CSFのシグナル伝達を中和し、(iii)
(a)配列番号1の287位のアルギニン、
(b)配列番号1の237位のヒスチジン、
(c)配列番号1の198位のメチオニン、
(d)配列番号1の172位のチロシン、
(e)配列番号1の171位のロイシン、または
(f)配列番号1の111位のロイシン
のうちのいずれか1つがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに結合する能力と比較して優先的に配列番号1のポリペプチドに結合する、タンパク質を提供する。
【0017】
本開示は、付加的または代替的に、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質であって、(i)タンパク質は、hG−CSFRに結合し、(ii)タンパク質は、G−CSFのシグナル伝達を中和し、(iii)
(a)配列番号1の287位のアルギニン、
(b)配列番号1の237位のヒスチジン、
(c)配列番号1の198位のメチオニン、
(d)配列番号1の172位のチロシン、
(e)配列番号1の171位のロイシン、または
(f)配列番号1の111位のロイシン
のうちのいずれか1つがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドへのタンパク質の結合のレベルは、配列番号1のポリペプチドへのタンパク質の結合のレベルよりも低い、タンパク質を提供する。
【0018】
本開示は、付加的または代替的に、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質であって、(i)タンパク質は、hG−CSFRに結合し、(ii)タンパク質は、G−CSFのシグナル伝達を中和し、(iii)
(a)配列番号1の287位のアルギニン、
(b)配列番号1の237位のヒスチジン、
(c)配列番号1の198位のメチオニン、
(d)配列番号1の172位のチロシン、
(e)配列番号1の171位のロイシン、または
(f)配列番号1の111位のロイシン
のうちのいずれか1つがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに結合する能力と比較して優先的に配列番号1のポリペプチドに結合する、タンパク質を提供する。
【0019】
一例において、アラニン置換を含むポリペプチドへのタンパク質の結合のレベルは、配列番号1のポリペプチドへのタンパク質の結合と比較して、少なくとも約10倍、または20倍、または50倍、または100倍、または150倍、または200倍減少する。好ましくは、アラニン置換を含むポリペプチドへのタンパク質の結合のレベルは、少なくとも約50倍減少する。好ましくは、アラニン置換を含むポリペプチドへのタンパク質の結合のレベルは、少なくとも約60倍減少する。
【0020】
一例において、タンパク質の抗原結合部位は、配列番号1の287位のアルギニンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに検出可能に結合しない。
【0021】
一例において、結合のレベルは、例えば、表面プラズモン共鳴を用いたバイオセンサを使用して評価される。例えば、タンパク質が固定化され、配列番号1のポリペプチドまたはアラニン置換を含むポリペプチドの形態への結合のレベルが決定される。
【0022】
本開示のタンパク質によって結合される、または有意に結合されない、または検出可能に結合されない他の置換を含むまたは含まない、配列番号1のアミノ酸を含むポリペプチドの付加的形態が本明細書に記載され、それらは、必要があれば変更を加えて、本開示の本発明の実施例に適用されると解釈されたい。
【0023】
一例において、抗原結合部位は、
(i)配列番号1の167位のリジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチド、および/または
(ii)配列番号1の168位のヒスチジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチド
と交差反応する。
【0024】
一例において、抗原結合部位は、付加的に、配列番号1の169位のロイシンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドと交差反応する。
【0025】
一例において、タンパク質は、C1.2(配列番号2に記載の配列を含むV
Hおよび配列番号3に記載の配列を含むV
Lを含む)またはC1.2G(配列番号4に記載の配列を含むV
Hおよび配列番号5に記載の配列を含むV
Lを含む)の、
(i)配列番号1の167位のリジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチド、および/または
(ii)配列番号1の168位のヒスチジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチド
のうちの1つ以上への結合を競合的に阻害する。
【0026】
一例において、いずれかの例による本明細書に記載されるタンパク質は、配列番号1の111〜115、170〜176、218〜234、および/または286〜300から選択される、1つ、または2つ、または3つ、または4つの領域内の残基を含むエピトープに結合する。
【0027】
一例において、いずれかの例による本明細書に記載されるタンパク質が配列番号1のポリペプチドに結合してから、タンパク質分解酵素を用いて切断すると、タンパク質は、配列番号1のアミノ酸111〜115、または配列番号1のアミノ酸170〜176、または配列番号1のアミノ酸218〜234、または配列番号1のアミノ酸286〜300を含む、またはそれらから構成される、1つ、または2つ、または3つ、または4つのペプチドに結合した状態に留まる。
【0028】
一例において、タンパク質は、立体構造エピトープに結合する。
【0029】
本開示は、付加的または代替的に、hG−CSFRに結合してG−CSFのシグナル伝達を中和するタンパク質であって、
(i)配列番号6に記載の配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号7に記載の配列を含むCDR2、および配列番号8に記載の配列と少なくとも約55%の同一性の配列を含むCDR3を含むV
H、
(ii)配列番号2および/または4に記載の配列と少なくとも約80%、例えば、85%、または90%、または91%、または92%、または93%、または94%、または95%、または96%、または97%、または98%、または99%同一の配列を含むV
H、
(iii)配列番号9に記載の配列を含むCDR1、配列番号10に記載の配列を含むCDR2、および配列番号11に記載の配列と少なくとも約33%の同一性の配列を含むCDR3を含むV
L、ならびに
(iv)配列番号3および/または5に記載の配列と少なくとも約80%、例えば、85%、または90%、または91%、または92%、または93%、または94%、または95%、または96%、または97%、または98%、または99%同一の配列を含むV
L
のうちの少なくとも1つを含むタンパク質を提供する。
【0030】
そのようなタンパク質は、例えば、
(a)配列番号1の287位のアルギニン、
(b)配列番号1の237位のヒスチジン、
(c)配列番号1の198位のメチオニン、
(d)配列番号1の172位のチロシン、
(e)配列番号1の171位のロイシン、または
(f)配列番号1の111位のロイシン
のうちのいずれか1つがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチド結合のレベルと比較して優先的な配列番号1のポリペプチドへの結合等の、本明細書に記載される機能活性のうちのいずれか1つ以上を含むことができる。
【0031】
一例において、(ii)のパーセント同一性は、少なくとも約95%である。
【0032】
一例において、(iv)のパーセント同一性は、少なくとも約94%である。
【0033】
一例において、列挙される配列およびタンパク質の間の違いは置換である。
【0034】
当業者は、例えば、可変領域含有タンパク質のフレームワーク領域内で、本開示のタンパク質に対する突然変異のための部位を決定することができるであろう。さらに、本発明者は、変異させることができるV
HのCDR3およびV
LのCDR3内の多数の部位、ならびに本開示のタンパク質の活性を維持する多数の突然変異を同定した。例えば、突然変異(例えば、置換)は、HCDR3の4つのC末端残基のうちの1つ以上の(例えば、2つ、または3つ、または4つ)、および/またはLCDR3のN末端もしくはC末端残基のうちの1つ以上(例えば、2つ、または3つ、または4つ、または5つ、または6つ)に存在する。一例において、V
HのCDR3のN末端の5つのアミノ酸は、LGELGである。一例において、V
LのCDR3の3つのN末端アミノ酸は、QQSであり、かつ/または、V
LのCDR3の3つのC末端アミノ酸は、PLTである。
【0035】
一例において、V
Hは、配列LGELGX
1X
2X
3X
4を含むCDR3を含み、
X
1は、トリプトファン、グルタミン、メチオニン、セリン、フェニルアラニン、グルタミン酸、およびヒスチジンからなる群から選択され、かつ/または、中性アミノ酸、例えば、トリプトファン、グルタミン、もしくはメチオニンであり、例えば、アミノ酸はトリプトファンであり、
X
2は、フェニルアラニン、チロシン、メチオニン、セリン、グリシン、およびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、フェニルアラニン、チロシン、メチオニン、またはセリンであり、例えば、アミノ酸はフェニルアラニンであり、
X
3は、アスパラギン酸、メチオニン、グルタミン、セリン、ロイシン、バリン、アルギニン、およびヒスチジンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、プロリン、グルタミン酸、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、またはチロシンであり、例えば、アミノ酸はアスパラギン酸であり、
X
4は、任意のアミノ酸であるか、またはプロリン、グルタミン酸、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、スレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グリシン、アルギニン、およびリジンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、アミノ酸はプロリンである。
【0036】
一例において、V
Lは、X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9を含むCDR3を含み、
X
1は、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、アラニン、およびセリンからなる群から選択されるアミノ酸であり、かつ/または、親水性アミノ酸、例えば、グルタミンもしくはグルタミン酸であり、例えば、アミノ酸はグルタミンであり、
X
2は、グルタミン、バリン、フェニルアラニン、アスパラギン、およびグルタミン酸からなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、アミノ酸はグルタミンであり、
X
3は、セリンおよびグリシンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、アミノ酸はセリンであり、
X
4は、トリプトファン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン、およびロイシンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、アミノ酸は、トリプトファンまたはチロシンであり、
X
5は、任意のアミノ酸であるか、またはグルタミン酸、メチオニン、グルタミン、トリプトファン、セリン、バリン、アスパラギン、グリシン、アラニン、アルガニン(arganine)、ヒスチジン、チロシン,リジン、およびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、アミノ酸はセリンであり、
X
6は、チロシン、メチオニン、イソロイシン、およびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、アミノ酸は、メチオニン、チロシン、またはスレオニンであり、
X
7は、プロリン、アラニン、ヒスチジン、グリシン、およびリジンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、アミノ酸はプロリンであり、
X
8は、ロイシン、グルタミン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、リジン、ヒスチジン、およびグリシンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、アミノ酸はロイシンであり、
X
9は、任意のアミノ酸であるか、またはスレオニン、フェニルアラニン、チロシン、メチオニン、リジン、セリン、ヒスチジン、プロリン、トリプトファン、イソロイシン、グルタミン、グリシン、およびバリンからなる群から選択されるアミノ酸であり、例えば、アミノ酸はスレオニンである。
【0037】
本開示は、付加的または代替的に、hG−CSFRに結合してG−CSFのシグナル伝達を中和するタンパク質(例えば、抗体)であって、
(i)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(ii)配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(iii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(iv)配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(v)配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(vi)配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(vii)配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(viii)配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(ix)配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(x)配列番号19に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xi)配列番号20に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xii)配列番号21に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xiii)配列番号22に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xiv)配列番号23に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xv)配列番号24に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xvi)配列番号25に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xvii)配列番号26に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xviii)配列番号27に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xix)配列番号28に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xx)配列番号29に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxi)配列番号30に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxii)配列番号31に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xxiii)配列番号32に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxiv)配列番号33に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xxv)配列番号34に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxvi)配列番号35に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxvii)配列番号36に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xxviii)配列番号37に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxix)配列番号38に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xxx)配列番号39に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxxi)配列番号40に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xxxii)配列番号41に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxxiii)配列番号42に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xxxiv)配列番号43に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxxv)配列番号44に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxxvi)配列番号45に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xxxvii)配列番号46に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxxviii)配列番号47に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxix)配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xl)配列番号49に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xli)配列番号50に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xlii)配列番号51に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xliii)配列番号52に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xliv)配列番号53に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xlv)配列番号54に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xlvi)配列番号55に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xlvii)配列番号56に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xlviii)配列番号57に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(xlix)配列番号58に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(l)配列番号59に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(li)配列番号60に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(lii)配列番号61に記載のアミノ酸配列を含むV
H、
(liii)配列番号62に記載のアミノ酸配列を含むV
L、および
(liv)配列番号63に記載のアミノ酸配列を含むV
L
からなる群から選択される抗体の少なくとも1つの可変領域を含むタンパク質(例えば、抗体)を提供する。
【0038】
一例において、本明細書に記載されるタンパク質は、少なくともV
HおよびV
Lを含み、V
HおよびV
Lは、結合して抗原結合ドメインを含むFvを形成する。当業者は、抗原結合ドメインが抗体結合部位を含むことを理解するであろう。
【0039】
一例において、V
HおよびV
Lは、単一のポリペプチド鎖に存在する。例えば、タンパク質は、
(i)一本鎖Fv断片(scFv)、
(ii)二量体scFv(di−scFv)、あるいは
(iii)抗体の定常領域、Fc、または重鎖定常ドメイン(C
H)2および/もしくはC
H3に結合した(i)および/または(ii)のうちの少なくとも1つ
である。
【0040】
一例において、V
LおよびV
Hは、別個のポリペプチド鎖に存在する。
【0041】
例えば、タンパク質は、
(i)二重特異性抗体、
(ii)三重特異性抗体、
(iii)四重特異性抗体、
(iv)Fab、
(v)F(ab’)
2、
(vi)Fv、または
(vii)抗体の定常領域、Fc、または重鎖定常ドメイン(C
H)2および/もしくはC
H3に結合した(i)〜(vi)のうちの1つ
である。
【0042】
上記タンパク質(前述の2つのリストに記載される)はまた、抗体の抗原結合ドメインと称されてもよい。
【0043】
一例において、タンパク質は抗体である。一例において、抗体は裸の抗体である。
【0044】
一例において、タンパク質は、キメラ、脱免疫化、ヒト化、ヒト、または霊長類化タンパク質である。
【0045】
一例において、タンパク質または抗体はヒトタンパク質である。
【0046】
本開示は、付加的または代替的に、hG−CSFRに結合してG−CSFのシグナル伝達を中和する抗体であって、
(i)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(ii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(iii)配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(iv)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(v)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(vi)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(vii)配列番号20に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号19に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(viii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号21に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(ix)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号22に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(x)配列番号24に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号23に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(ix)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号25に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(x)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号26に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xi)配列番号28に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号27に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号29に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xiii)配列番号31に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号30に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xiv)配列番号33に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号32に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xv)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号34に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xvi)配列番号36に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号35に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xvii)配列番号38に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号37に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xviii)配列番号40に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号39に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xix)配列番号42に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号41に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xx)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号43に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxi)配列番号45に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号44に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号46に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxiii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号47に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxiv)配列番号49に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号48に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxv)配列番号51に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号50に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxvi)配列番号53に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号52に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxvii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号54に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxviii)配列番号55に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxix)配列番号57に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号56に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxx)配列番号59に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号58に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxxi)配列番号61に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号60に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxxii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号62に記載のアミノ酸配列を含むV
L、
(xxxiii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号63に記載のアミノ酸配列を含むV
L、ならびに
(xxxix)(i)〜(xxxiii)のうちのいずれか1つ以上に記載されるV
Hの3つのCDRを含むV
Hおよび(i)〜(xxxiii)のうちのいずれか1つ以上に記載されるV
Lの3つのCDRを含むV
L
を含む抗体を提供する。
【0047】
例示的なV
HおよびV
Lの配列は表3に記載され、本明細書に記載されるように、C1.2またはC1.2GのV
HもしくはV
Lにおける対応する配列が、列挙されるV
HまたはV
LのCDR3配列で置換される。
【0048】
一例において、本開示は、hG−CSFRに結合してG−CSFのシグナル伝達を中和する抗体であって、
(i)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むV
L、または
(ii)配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むV
Hおよび配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むV
L
を含む抗体を提供する。
【0049】
本開示は、付加的または代替的に、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号65に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体を提供する。一例において、抗体は、hG−CSFRに結合してG−CSFのシグナル伝達を中和する。
【0050】
本開示は、付加的または代替的に、配列番号68に記載のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号65に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗体を提供する。一例において、抗体は、hG−CSFRに結合してG−CSFのシグナル伝達を中和する。
【0051】
本開示は、付加的または代替的に、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む1つの重鎖および配列番号68に記載のアミノ酸配列を含む1つの重鎖、ならびに配列番号65に記載のアミノ酸配列を含む2つの軽鎖を含む抗体を提供する。一例において、抗体は、hG−CSFRに結合してG−CSFのシグナル伝達を中和する。
【0052】
本明細書におけるhG−CSFRに「結合する」タンパク質または抗体への言及は、hG−CSFRに「特異的に結合する」タンパク質または抗体に文字通りの支持を提供する。
【0053】
一例において、本明細書に記載されるタンパク質または抗体は、マウスG−CSFRに有意に結合せず、かつ/またはマウスG−CSFRに検出可能に結合しない。
【0054】
一例において、いずれかの例による本明細書に記載されるタンパク質または抗体は、C1.2および/またはC1.2Gの、hG−CSFR、またはそれを発現する細胞、または配列番号1、または可溶性hG−CSFR(例えば、抗体のFc領域に融合された配列番号1のアミノ酸1〜311を含む)への結合を競合的に阻害する。
【0055】
一例において、本明細書に記載されるタンパク質または抗体は、hG−CSFRのリガンド結合領域およびcynoG−CSFRのリガンド結合領域に同様の親和性で結合する。一例において、タンパク質は、可溶性hG−CSFRおよび可溶性cynoG−CSFRに同様の親和性で結合する。一例において、タンパク質は、配列番号1を含むポリペプチドおよび配列番号67を含むポリペプチドに同様の親和性で結合する。一例において、タンパク質は、本明細書に記載されるようなhG−CSFR−FcおよびcynoG−CSFR−Fcに同様の親和性で結合する。一例において、親和性は、少なくとも約2nM、例えば、少なくとも約1.5nM、例えば、少なくとも約1.2nM、1.1nM、または1nMである。一例において、0.5nM、例えば、少なくとも約0.46nM、または0.45nM、または0.40nM、または0.39nMである。別の例において、親和性は、少なくとも約0.1nM、例えば、少なくとも約0.09nM、例えば、少なくとも約0.08nMである。一例において、結合のレベルは、例えば、表面プラズモン共鳴を用いたバイオセンサを使用して評価される。例えば、リガンド結合領域または可溶性hG−CSFRまたは可溶性cynoG−CSFRまたはhG−CSFR−Fcまたはcyno−G−CSFR−Fcが固定化され、本開示のタンパク質への結合のレベルが決定される。
【0056】
別の例において、本開示のタンパク質は、例えば、バイオセンサ上に固定化され、リガンド結合領域または可溶性hG−CSFRまたは可溶性cynoG−CSFRまたはhG−CSFR−Fcまたはcyno−G−CSFR−Fcの結合のレベルが決定される。例えば、hG−CSFRまたはcynoG−CSFRの細胞外ドメインへの結合のレベルが決定される。この例によれば、cynoG−CSFRの細胞外ドメインに対するタンパク質の親和性は、少なくとも約1nM、例えば、少なくとも約0.9nM、例えば、少なくとも約0.75nMである。例えば、親和性は、少なくとも約0.7nM、例えば、少なくとも約0.6nM、例えば、少なくとも約0.5nMである。一例において、親和性は約0.5nMである。代替的または付加的に、hG−CSFRの細胞外ドメインに対するタンパク質の親和性は、少なくとも約7nM、または6nM、または5nM、例えば、少なくとも約4nM、例えば、少なくとも約3nM、例えば、少なくとも約2.5nMである。例えば、親和性は、少なくとも約2.4または2.5nMである。
【0057】
本開示はまた、上記抗体の抗原結合ドメインまたは抗原結合断片も提供する。
【0058】
一例において、本明細書に記載されるようなタンパク質または抗体は、IgG4抗体の定常領域またはIgG4抗体の安定化定常領域を含む。一例において、タンパク質または抗体は、241位にプロリンを有するIgG4定常領域を含む(Kabatのナンバリングシステムによる(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,1987および/または1991))。
【0059】
本開示の全抗体の重鎖定常領域のC末端リジンは、例えば、抗体の生成もしくは精製中に、または抗体の重鎖をコードする核酸を組換えによって遺伝子操作することにより、除去することができる。したがって、全抗体は、全てのC末端リジン残基が除去された抗体集団、C末端リジン残基が除去されていない抗体集団、およびC末端リジン残基を含む抗体と含まない抗体との混合物を有する抗体集団を含み得る。いくつかの例において、抗体集団は、付加的に、重鎖定常領域のうちの1つにおいてC末端リジン残基が除去された抗体を含み得る。同様に、全抗体の組成物は、C末端リジン残基を含むまたは含まない抗体集団の同じかまたは類似する混合物を含み得る。
【0060】
一例において、安定化定常領域は、配列番号64の119位〜445位の配列を含む。一例において、安定化定常領域は、配列番号68の119位〜444位の配列を含む。一例において、本明細書に記載されるようなタンパク質もしくは抗体、または本明細書に記載されるようなタンパク質もしくは抗体の組成物は、C末端リジン残基を完全にまたは部分的に含むまたは含まない配列の混合物を含む安定化重鎖定常領域を含む重鎖定常領域を含む。
【0061】
一例において、本開示の抗体は、IgG4定常領域または安定化IgG4定常領域(例えば、上に開示されるような)に結合または融合された本明細書に開示されるV
Hを含み、V
Lは、κ軽鎖定常領域に結合または融合される。
【0062】
本開示はまた、hG−CSFRを発現するBaF3細胞のG−CSFによって誘導される増殖を、少なくとも約6nMのIC
50で阻害するタンパク質または抗体も提供する。例えば、IC
50は、5.9nM以下である。別の例において、IC
50は、2nM以下、または1nM以下、または0.7nM以下、または0.6nM以下、または0.5nM以下である。一例において、IC
50は、約0.5ng/mlのhG−CSFの存在下で、例えば、約48時間、BaF3細胞(例えば、約2×10
4細胞)を培養することによって決定される。一例において、BaF3細胞の増殖は、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)の減少を測定することによって決定される。
【0063】
本開示はまた、hG−CSFRを発現するBaF3細胞のG−CSFによって誘導される増殖を、少なくとも約10μg/mlのIC
50で阻害するタンパク質または抗体も提供する。例えば、IC
50は、5μg/ml以下である。別の例において、IC
50は、3μg/ml以下、または2μg/ml以下、または1μg/ml以下である。一例において、IC
50は、約0.8μg/mlである。一例において、IC
50は、約10ng/mlのhG−CSFの存在下で、例えば、約48時間、BaF3細胞(例えば、約1×10
4細胞)を培養することによって決定される。一例において、BaF3細胞の増殖は、
3H−チミジンの組込みを測定することによって決定される。
【0064】
一例において、本開示のタンパク質または抗体は、抗体Fc領域との融合物として発現される配列番号1のアミノ酸1〜311を含む可溶性hG−CSFR(hG−CSFR−Fc)に、少なくとも約1.5nMの親和性で結合する。例えば、親和性は、少なくとも約0.5nM、または0.4nM、または0.35nM、または0.33nMである。一例において、タンパク質の親和性は、例えば、表面プラズモン共鳴を用いたバイオセンサを使用して決定される。例えば、hG−CSFR−Fcが固定化され、本開示のタンパク質の親和性が決定される。
【0065】
一例において、本開示のタンパク質または抗体は、少なくとも約1nM、例えば、少なくとも約0.5nM、例えば、少なくとも0.4nM、例えば、少なくとも0.3nM、例えば、少なくとも0.2nMの親和性で細胞の表面上に発現されるhG−CSFRに結合する。
【0066】
一例において、いずれかの例による本明細書に記載されるようなタンパク質は、カニクイザルに投与されたときまたはその場合に、循環する好中球の数を減少させることができる。例えば、タンパク質は、0.05m/kg〜30mg/kg、好ましくは0.1mg/kg−10mg/kgの容量でカニクイザルに投与されたときまたはその場合に、例えば、0.1mg/kg、または1mg/kg、または2mg/kg、または5mg/kg、または10mg/kgの容量で投与されると、循環する好中球の数を減少させる。例えば、タンパク質は、G−CSFもしくはフィルグラスチム、またはそれらのペグ化形態の投与後に投与されたときまたはその場合に、例えば、G−CSFもしくはフィルグラスチム、またはそれらのペグ化形態の投与から約12時間後にタンパク質が投与されたときまたはその場合に、循環する好中球の数を減少させる。一例において、減少は、2倍または3倍の減少である。一例において、好中球は、投与後約10〜24時間、例えば、約12時間で減少する。
【0067】
一例において、本明細書に記載されるようなタンパク質または抗体は、単離および/または組換え抗体である。
【0068】
一例において、本開示のタンパク質または抗体は、別の化合物、例えば、検出可能な標識、またはタンパク質もしくは抗体の半減期を延長する化合物、例えば、ポリエチレングリコールまたはアルブミン結合タンパク質にコンジュゲートされる。
【0069】
本開示はまた、本開示のタンパク質または抗体をコードする核酸も提供する。
【0070】
一例において、そのような核酸は、核酸がプロモーターに操作可能に連結された発現コンストラクト中に含まれる。そのような発現コンストラクトは、ベクター、例えば、プラスミド中に存在し得る。
【0071】
単一のポリペプチド鎖タンパク質を対象とする本開示の例において、発現コンストラクトは、そのポリペプチド鎖をコードする核酸に連結されたプロモーターを含み得る。
【0072】
タンパク質を形成する複数のポリペプチド鎖を対象とする例において、発現コンストラクトは、例えば、プロモーターに操作可能に連結されたV
Hを含むポリペプチドをコードする核酸と、例えば、プロモーターに操作可能に連結されたV
Lを含むポリペプチドをコードする核酸と、を含む。
【0073】
別の例において、発現コンストラクトはバイシストロン性発現コンストラクトであり、例えば、5’から3’の順序で操作可能に連結された構成成分である、
(i)プロモーター、
(ii)第1のポリペプチドをコードする核酸、
(iii)配列内リボソーム進入部位、および
(iv)第2のポリペプチドをコードする核酸
を含み、ここで、第1のポリペプチドがV
Hを含み、第2のポリペプチドがV
Lを含むか、またはその逆である。
【0074】
本開示はまた、別個の発現コンストラクトを企図し、それらのうちの一方は、V
Hを含む第1のポリペプチドをコードし、もう一方は、V
Lを含む第2のポリペプチドをコードする。例えば、本開示はまた、
(i)プロモーターに操作可能に連結されたV
Hを含むポリペプチドをコードする核酸を含む第1の発現コンストラクト、および
(ii)プロモーターに操作可能に連結されたV
Lを含むポリペプチドをコードする核酸を含む第2の発現コンストラクト
を含む組成物を提供する。
【0075】
本開示はまた、本開示のタンパク質を発現する単離または組換え細胞を提供する。
【0076】
一例において、細胞は、本開示の発現コンストラクト、または
(i)プロモーターに操作可能に連結されたV
Hを含むポリペプチドをコードする核酸を含む第1の発現コンストラクト、および
(ii)プロモーターに操作可能に連結されたV
Lを含むポリペプチドをコードする核酸を含む第2の発現コンストラクト
を含む。
【0077】
本開示の細胞の例として、バクテリア細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞が挙げられる。
【0078】
本開示は、付加的に、本開示のタンパク質または抗体を生成するための方法を提供する。例えば、そのような方法は、タンパク質が生成されるのに十分な条件下に本開示の発現コンストラクト(複数可)を維持することを含む。
【0079】
一例において、本開示のタンパク質または抗体を生成するための方法は、タンパク質または抗体が生成されるのに十分な条件下で、および任意選択的に、分泌されるのに十分な条件下で、本開示の細胞を培養することを含む。
【0080】
一例において、本開示のタンパク質を生成するための方法は、付加的に、タンパク質または抗体を単離すること、および任意選択的に、タンパク質または抗体を薬学的組成物に配合することを含む。
【0081】
本開示は、付加的に、本開示のタンパク質または抗体、および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。
【0082】
本開示は、付加的に、
(i)配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号65に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖と、を含む抗体、ならびに
(ii)(a)配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号65に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖と、を含む抗体、および/または
(b)配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む1つの重鎖と、配列番号68記載のアミノ酸配列を含む1つの重鎖と、配列番号65に記載のアミノ酸配列を含む2つの軽鎖と、を含む抗体
を含み、薬学的に許容される担体を任意選択的に含む組成物を提供する。
【0083】
本開示はまた、本開示のタンパク質、抗体、または組成物を投与することを含む、対象においてG−CSFによって媒介される状態を治療または予防するための方法を提供する。この点に関して、タンパク質、抗体、または組成物は、状態の再発を予防するために使用することができ、これは、該状態を予防することであるとみなされる。
【0084】
一例において、G−CSFによって媒介される状態は、自己免疫性疾患、炎症性疾患、または癌である。例えば、自己免疫性疾患または炎症性疾患は、関節炎、多発性硬化症、肺炎症、または慢性閉塞性肺疾患である。
【0085】
一例において、方法は、好中球減少症を誘発することなく、対象において好中球の数を減少させるのに十分な量のタンパク質または抗体を投与することを含む。
【0086】
本開示は、代替的または付加的に、好中球減少症を誘発することなく、対象において好中球の数を減少させるための方法を提供し、該方法は、hG−CSFRに結合する(または特異的に結合する)抗体の抗原結合部位を含むタンパク質を対象に投与することを含む。例示的なタンパク質は、抗体であるか、またはその抗原結合ドメイン(例えば、V
Hおよび/もしくはV
L)を含むか、またはその抗原結合断片である。例示的なタンパク質および抗体は本明細書に記載される。
【0087】
一例において、本明細書に記載される方法は、中程度の好中球減少症を誘発することなく、対象において好中球の数を減少させるのに十分な量のタンパク質または抗体を投与することを含む。
【0088】
一例において、本明細書に記載される方法は、重度の好中球減少症を誘発することなく、対象において好中球の数を減少させるのに十分な量のタンパク質または抗体を投与することを含む。
【0089】
一例において、本明細書に記載される方法は、約0.05mg/kg〜30mg/kgのタンパク質または抗体を投与することを含む。例えば、方法は、0.1mg/kg〜10mg/kg、または0.2mg/kg〜5mg/kgのタンパク質または抗体を投与することを含む。一例において、方法は、約0.5〜2.0mg/kgのタンパク質または抗体を投与することを含む。
【0090】
本開示はまた、医薬品の任意の例における、本明細書に記載されるようなタンパク質または抗体の使用を提供する。
【0091】
本開示はまた、G−CSFによって媒介される状態を治療するための薬物の製造におけるいずれかの例による本明細書に記載されるようなタンパク質または抗体の使用を提供する。
【0092】
本開示はまた、G−CSFRを発現する細胞に関連するG−CSFによって媒介される状態の位置を特定するおよび/または検出するおよび/または診断するおよび/または予知するための方法を提供し、該方法は、G−CSFRを発現する細胞に結合した本明細書に記載されるようなタンパク質または抗体が存在する場合、in vivo増幅で検出することを含み、タンパク質または抗体は検出可能なタグにコンジュゲートされる。
【0093】
一例において、方法は、対象にタンパク質を投与することを付加的に含む。
【0094】
本開示はまた、試料中でG−CSFRまたはそれを発現する細胞を検出するための方法を提供し、該方法は、複合体が形成するように、試料をいずれかの例による本明細書に記載されるようなタンパク質または抗体と接触させることと、複合体を検出することと、を含み、複合体の検出は、試料中にG−CSFRまたはそれを発現する細胞が存在することを示唆する。
【0095】
本開示はまた、G−CSFによって媒介される状態を診断または予知するための方法を提供し、該方法は、G−CSFRまたはそれを発現する細胞を検出するためにいずれかの例による本明細書に記載されるような方法を行うことを含み、G−CSFRまたはそれを発現する細胞の検出は状態の兆候または前兆である。
【0096】
本開示はまた、本明細書に記載される方法において使用するための指示とともに梱包された、いずれかの例による本明細書に記載されるようなタンパク質または抗体を含むキットを提供する。
【0097】
配列番号1: C末端ポリヒスチジンタグを有するヒトG−CSFR(hG−CSFR)のアミノ酸25〜335
配列番号2: C1.2のV
H
配列番号3: C1.2のV
L
配列番号4: C1.2GのV
H
配列番号5: C1.2GのV
L
配列番号6: C1.2のHCDR1
配列番号7: C1.2のHCDR2
配列番号8: C1.2のHCDR3
配列番号9: C1.2のLCDR1
配列番号10: C1.2のLCDR2
配列番号11: C1.2のLCDR3
配列番号12: C1.2のHCDR3のコンセンサス配列
配列番号13: C1.2のLCDR3のコンセンサス配列
配列番号14: 抗体987のV
L
配列番号15: 抗体987のV
H
配列番号16: 抗体95のV
L
配列番号17: 抗体79のV
L
配列番号18: 抗体83のV
L
配列番号19: 抗体1003のV
L
配列番号20: 抗体1003のV
H
配列番号21: 抗体44のV
L
配列番号22: 抗体97のV
L
配列番号23: 抗体986のV
L
配列番号24: 抗体986のV
H
配列番号25: 抗体56のV
L
配列番号26: 抗体77のV
L
配列番号27: 抗体54のV
L
配列番号28: 抗体54のV
H
配列番号29: 抗体802のV
L
配列番号30: 抗体967のV
L
配列番号31: 抗体967のV
H
配列番号32: 抗体989のV
L
配列番号33: 抗体989のV
H
配列番号34: 抗体63のV
L
配列番号35: 抗体1002のV
L
配列番号36: 抗体1002のV
H
配列番号37: 抗体994のV
L
配列番号38: 抗体994のV
H
配列番号39: 抗体969のV
L
配列番号40: 抗体969のV
H
配列番号41: 抗体1000のV
L
配列番号42: 抗体1000のV
H
配列番号43: 抗体94のV
L
配列番号44: 抗体975のV
L
配列番号45: 抗体975のV
H
配列番号46: 抗体75のV
L
配列番号47: 抗体814のV
L
配列番号48: 抗体973のV
L
配列番号49: 抗体973のV
H
配列番号50: 抗体977のV
L
配列番号51: 抗体977のV
H
配列番号52: 抗体984のV
L
配列番号53: 抗体984のV
H
配列番号54: 抗体61のV
L
配列番号55: 抗体852のV
H
配列番号56: 抗体996のV
L
配列番号57: 抗体996のV
H
配列番号58: 抗体43のV
L
配列番号59: 抗体43のV
H
配列番号60: 抗体999のV
L
配列番号61: 抗体999のV
H
配列番号62: 抗体870のV
L
配列番号63: 抗体877のV
L
配列番号64: 安定化IgG4定常領域を有するC1.2Gの重鎖
配列番号65: κ定常領域を有するC1.2Gの軽鎖
配列番号66: 例示的なh−GCSFRの配列
配列番号67: C末端ポリヒスチジンタグを有するカニクイザルG−CSFR(cynoG−CSFR)のIgおよびCRHドメインを含むポリペプチド
配列番号68: 安定化IgG4定常領域を有し、C末端リジンを欠損するC1.2Gの重鎖
【発明を実施するための形態】
【0099】
概要:
本明細書の全体を通して、別途具体的に指定のない限り、または文脈上他の意味を有する場合を除いて、単一のステップ、物質の組成物、一群のステップ、または一群の物質の組成物への言及は、1つおよび複数の(すなわち、1つ以上の)これらのステップ、物質の組成物、一群のステップ、または一群の物質の組成物を包含すると解釈されるべきである。
【0100】
当業者は、本開示が具体的に記載されるもの以外の変更および修正を受ける余地があることを認識するであろう。本開示は、全てのそのような変更および修正を含むことを理解されたい。本開示はまた、本明細書において言及されるまたは示される全てのステップ、特徴、組成物、および化合物を個別にまたは集合的に含み、上記ステップまたは特徴のあらゆる組み合わせまたはそれらのうちのいずれか2つ以上を含む。
【0101】
本開示は、本明細書に記載される特定の例によって範囲を限定されるものではなく、該例は、例示のみを目的とすることが意図される。機能的に均等な生成物、組成物、および方法は、明らかに本開示の範囲内に属する。
【0102】
本明細書に記載される本開示のいずれの例も、別途具体的に指定のない限り、必要があれば変更を加えて、本開示のいずれの他の例にも適用されると解釈されるべきである。
【0103】
別途具体的に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、(例えば、細胞培養、分子遺伝学、免疫学、免疫組織化学、タンパク質化学、および生物化学の)当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有すると解釈されるべきである。
【0104】
別途指定のない限り、本開示において用いられる組換えタンパク質、細胞培養、および免疫学の技術は、当業者に周知の標準的な手順である。そのような技術は、J.Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning,John Wiley and Sons(1984)、J.Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory Press(1989)、T.A.Brown(編集),Essential Molecular Biology:A Practical Approach,Volumes 1and2,IRL Press(1991)、D.M.Glover and B.D.Hames(編集),DNA Cloning:A Practical Approach,Volumes1−4,IRL Press(1995and1996)、ならびにF.M.Ausubel et al.(編集),Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley−Interscience(1988,現在までの全ての改訂版を含む)、Ed Harlow and David Lane(編集)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory,(1988)、そしてJ.E.Coligan et al.(編集)Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons(現在までの全ての改訂版を含む)等の出典において文献全体にわたって記載および説明される。
【0105】
可変領域およびその部分、免疫グロブリン、抗体およびその断片についての説明および定義は、KabatのSequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1987 and 1991、Bork et al.,J Mol.Biol.242,309−320,1994、Chothia and Lesk J.Mol Biol.196:901−917,1987、 Chothia et al.Nature 342,877−883,1989、および/またはAl−Lazikani et al., J Mol Biol 273, 927−948,1997における考察によってさらに明確になり得る。
【0106】
用語「および/または」、例えば、「Xおよび/またはY」は、「XおよびY」または「XもしくはY」のいずれかを意味すると解釈されるべきであり、両方の意味またはいずれかの意味に対する明示的な支持を提供すると解釈されるべきである。
【0107】
本明細書の全体を通して、用語「含む(comprise)」、または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」等の変形は、記載される要素、整数、もしくはステップ、または一群の要素、整数、もしくはステップの包含を暗示するものであって、いずれか他の要素、整数、もしくはステップ、または一群の要素、整数、もしくはステップの除外を暗示するものではないと理解される。
【0108】
本明細書において使用される場合、用語「〜に由来する」は、必ずしもその源から直接的にではなくても、特定の源から指定された整数を得ることができることを示唆すると解釈されるべきである。
【0109】
選択された定義:
制限ではなく命名のみを目的として、ヒトG−CSFRの例示的な配列が、NCBI Reference Sequence:NP_000751.1に提示される(および配列番号66に提示される)。カニクイザルG−CSFRの配列は、本明細書および/もしくは公的に利用可能なデータベースに提供される配列を使用して決定されてもよいか、ならびに/または(例えば、Ausubel et al.,(編集),Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub.Associates and Wiley−Interscience(1988、現在までの全ての改訂版を含む)、またはSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に記載されるような)標準的な技術を使用して決定されてもよい。ヒトG−CSFRへの言及はhG−CSFRと省略されてもよく、カニクイザルG−CSFRへの言及はcynoG−CSFRと省略されてもよい。可溶性G−CSFRへの言及は、G−CSFRのリガンド結合領域を含むポリペプチドを意味する。G−CSFRのIgおよびCRHドメインは、リガンド結合および受容体の二量体化に関与する(Layton et al.,J.Biol Chem.,272:29735−29741,1997、およびFukunaga et al,EMBO J.10:2855−2865,1991)。受容体のこれらのタンパク質を含むG−CSFRの可溶性形態は、種々の受容体の研究に使用されており、受容体の78位、163位、および228位における遊離システインの突然変異は、リガンド結合に影響を及ぼすことなく、可溶性受容体ポリペプチドの発現および単離を補助する(Mine et al.,Biochem.,43:2458−2464 2004)。本発明の研究において、突然変異C78A、C163S、およびC228Sを有するhG−CSFRのアミノ酸25〜335を含む受容体の可溶性形態が使用され(例えば、配列番号1)、システイン突然変異を有するcynoG−CSFRの対応するセグメントが、カニクイザル受容体に関する研究のために使用される(例えば、配列番号67)。配列番号1および配列番号67の可溶性受容体の種々の点変異も用いられている。hG−CSFR−Fcへの言及は、C末端ポリヒスチジンタグがFc配列で置き換えられた配列番号1のポリペプチド(例えば、Fcと融合された配列番号1のアミノ酸1〜311を含むポリペプチド)を意味する。cynoG−CSFR−Fcは、Fc配列がそのC末端に付着したcynoG−CSFRの対応するセグメント(例えば、Fcと融合された配列番号67のアミノ酸1〜311を含むポリペプチド)を意味する。本発明者は、抗体およびその抗原結合部位を含むタンパク質(例えば、Fab)が、野生型hG−CSFポリペプチドおよびそれらの変異タンパク質に同様の高い親和性で結合することを示した。したがって、変異タンパク質を使用する研究は、hG−CSFRおよび/またはcynoG−CSFRを使用する研究のモデルである。
【0110】
本明細書におけるG−CSFへの言及は、G−CSFの天然形態、変異形態(例えば、フィルグラスチム)、およびG−CSFまたはフィルグラスチムのペグ化形態を含む。この用語は、G−CSFR(例えば、hG−CSFR)に結合してシグナル伝達を減少させる能力を保持するG−CSFの変異形態も包含する。
【0111】
用語「単離されたタンパク質」または「単離されたポリペプチド」は、その起源または誘導の源のために、その天然状態においてそれに付随する自然に会合する構成成分と会合しておらず、同じ源に由来する他のタンパク質を実質的に含まない、タンパク質またはポリペプチドである。タンパク質は、自然に会合する構成成分を実質的に含まなくてもよいか、または、当該技術分野において既知のタンパク質精製技術を使用して、単離によって実質的に精製することができる。「実質的に精製される」とは、タンパク質が実質的に汚染物質を含まないこと、例えば、少なくとも約70%、または75%、または80%、または85%、または90%、または95%、または96%、または97%、または98%、または99%汚染物質を含まないことを意味する。
【0112】
用語「組換え」は、人工的な遺伝子組換えの産物を意味すると理解されるべきである。したがって、抗体の抗原結合ドメインを含む組換えタンパク質の文脈において、この用語は、B細胞成熟の間に発生する天然の組換えの産物である、対象の体内で自然に発生する抗体は包含しない。しかしながら、そのような抗体が単離された場合、抗体の抗原結合ドメインを含む単離されたタンパク質であるとみなされるべきである。同様に、タンパク質をコードする核酸を単離し、組換え手段を用いて発現させた場合、得られたタンパク質は、抗体の抗原結合ドメインを含む組換えタンパク質である。組換えタンパク質はまた、例えば、それが発現される細胞、組織、または対象内に存在する場合、人工的な組換え手段によって発現させたタンパク質を包含する。
【0113】
用語「タンパク質」は、単一のポリペプチド鎖、すなわち、ペプチド結合によって連結された一連の連続的なアミノ酸、または共有結合的にもしくは非共有結合的に互いと連結した一連のポリペプチド鎖(すなわち、ポリペプチド複合体)を含むと解釈されるべきである。例えば、一連のポリペプチド鎖は、好適な化学結合またはジスフィルド結合を用いて共有結合的に連結することができる。非共有結合的な結合の例として、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力、および疎水性相互作用が挙げられる。
【0114】
用語「ポリペプチド」または「ポリペプチド鎖」は、上記段落から、ペプチド結合によって連結された一連の連続的なアミノ酸を意味することを理解されたい。
【0115】
本明細書において使用される場合、用語「抗原結合部位」は、抗原に結合するまたは特異的に結合することができるタンパク質によって形成される構造を意味すると解釈されるべきである。抗原結合部位は、一連の連続的なアミノ酸である必要はなく、または単一のポリペプチド鎖内のアミノ酸である必要さえもない。例えば、2つの異なるポリペプチド鎖から生成されるFvにおいて、抗原結合部位は、抗原と相互作用し、必ずではないが、一般に、各可変領域のCDRのうちの1つ以上に存在するV
LおよびV
Hの一連のアミノ酸から構成される。いくつかの例において、抗原結合部位は、V
HまたはV
LまたはFvである。
【0116】
当業者は、一般に、「抗体」は、複数のポリペプチド鎖、例えば、V
Lを含むポリペプチドおよびV
Hを含むポリペプチドから構成される可変領域を含むタンパク質であると解釈されることを認識するであろう。抗体はまた、一般に定常ドメインを含み、それらのうちのいくつかは定常領域内に配置することができ、該領域は、定常断片、または重鎖の場合には結晶化可能断片(Fc)を含む。V
HおよびV
Lは、相互作用して、1つまたは数個の密接に関連する抗原に特異的に結合することができる抗原結合領域を含むFvを形成する。一般に、哺乳動物の軽鎖は、κ軽鎖またはλ軽鎖のいずれかであり、哺乳動物の重鎖は、α、δ、ε、γ、またはμである。抗体は、いずれの型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、クラス(例えば、IgG
1、IgG
2、IgG
3、IgG
4、IgA
1、およびIgA
2)、またはサブクラスであってもよい。用語「抗体」はまた、ヒト化抗体、霊長類化抗体、ヒト抗体、およびキメラ抗体を包含する。
【0117】
用語「全長抗体」、「インタクトな抗体」、または「全抗体」は、抗体の抗原結合断片とは対照的に、実質的にインタクトな形態の抗体を指して交換可能に使用される。具体的には、全抗体は、Fc領域を含む軽鎖および軽鎖を有する抗体を含む。定常ドメインは、野生型配列定常ドメイン(例えば、ヒト野生型配列定常ドメイン)、またはそのアミノ酸配列の変種であり得る。
【0118】
本明細書において使用される場合、「可変領域」は、抗原に特異的に結合することができ、相補性決定領域(CDR)、すなわち、CDRl、CDR2、およびCDR3、ならびにフレームワーク領域(FR)のアミノ酸配列を含む、本明細書に定義されるような抗体の軽鎖および/または重鎖の一部を指す。例示的な可変領域は、3つのCDRとともに、3つまたは4つのFR(例えば、FR1、FR2、FR3、および任意選択的にFR4)を含む。IgNARに由来するタンパク質の場合、タンパク質はCDR2を欠損する可能性がある。V
Hは、重鎖の可変領域を指す。V
Lは、軽鎖の可変領域を指す。
【0119】
本明細書において使用される場合、用語「相補性決定領域」(CDR、すなわち、CDRl、CDR2、およびCDR3と同義)は、抗体可変領域のアミノ酸残基を指し、その存在は抗原の結合に必要である。各可変領域は、典型的にはCDRl、CDR2、およびCDR3と特定される3つのCDR領域を有する。CDRおよびFRに割り当てられるアミノ酸位置は、KabatのSequences of Proteins of Immunological Interest,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1987および1991、あるいは本開示を行う上での他のナンバリングシステム、例えば、Chothia and Lesk J.Mol Biol.196:901−917,1987の古典的なナンバリングシステム、Chothia et al.Nature 342,877−883,1989および/もしくはAl−Lazikani et al.,J Mol Biol273:927−948,1997;Lefranc et al.,Devel.And Compar.Immunol.,27:55−77,2003のIMGTナンバリングシステム、またはHonnegher and Plukthun J.Mol.Biol.,309:657−670,2001のAHOナンバリングシステムに従って規定することができる。例えば、Kabatのナンバリングシステムによれば、V
Hのフレームワーク領域(FR)およびCDRは次のように配置される:残基1〜30(FRl)、31〜35(CDR1)、36−49(FR2)、50〜65(CDR2)、66〜94 (FR3)、95〜102(CDR3)、および103〜113(FR4)。Kabatのナンバリングシステムによれば、V
LのFRおよびCDRは次のように配置される:残基1〜23(FRl)、24〜34(CDR1)、35〜49(FR2)、50〜56(CDR2)、57〜88(FR3)、89〜97(CDR3)、および98〜107(FR4)。本開示は、Kabatのナンバリングシステムによって規定されるFRおよびCDRに限定されるものではなく、上で論じたものを含む全てのナンバリングシステムを含む。一例において、本明細書におけるCDR(またはFR)への言及は、Kabatのナンバリングシステムによるこれらの領域に関する。
【0120】
「フレームワーク領域」(FR)は、CDRの残基以外のこれらの可変領域の残基である。
【0121】
本明細書において使用される場合、用語「Fv」は、V
LおよびV
Hが会合し、抗原結合部位を有する、すなわち、抗原に特異的に結合することができる複合体を形成する、複数のポリペプチドまたは単一のポリペプチドを含む任意のタンパク質を意味すると解釈されるべきである。抗原結合部位を形成するV
HおよびV
Lは、単一のポリペプチド鎖または異なるポリペプチド鎖に存在し得る。さらに、本開示のFv(および本開示の任意のタンパク質)は、同じ抗原に結合し得るまたはし得ない複数の抗原結合部位を有してもよい。この用語は、抗体に直接由来する断片、および組換え手段を用いて生成したそのような断片に対応するタンパク質を包含すると理解されるべきである。いくつかの例において、V
Hは、重鎖定常ドメイン(C
H)1に連結されておらず、かつ/または、V
Lは、軽鎖定常ドメイン(C
L)に連結されていない。例示的なFv含有ポリペプチドまたはタンパク質として、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、scFv、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体もしくはより高次の複合体、あるいは、その定常領域またはドメイン、例えば、C
H2もしくはC
H3ドメインに連結した上述のもののうちのいずれか、例えばミニ抗体が挙げられる。「Fab断片」は、免疫グロブリンの一価の抗原結合断片からなり、インタクトな軽鎖と重鎖の一部とからなる断片をもたらすように酵素パパインで全抗体を消化することによって生成することができるか、または組換え手段を用いて生成することができる。抗体の「Fab’断片」は、インタクトな軽鎖と、V
Hおよび単一の定常ドメインを含む重鎖の一部とからなる分子をもたらすように、全抗体をペプシンで処理した後に還元することによって得ることができる。このように処理した抗体当たり2つのFab’断片が得られる。Fab’断片はまた、組換え手段によって生成することができる。抗体の「F(ab’)2断片」は、2つのジスフィルド結合によって一緒に保持された2つのFab’断片の二量体からなり、その後に還元することなく、酵素パパインで全抗体分子を処理することにより得られる。「Fab
2」断片は、例えば、ロイシンジッパーまたはC
H3ドメインを用いて連結された2つのFab断片を含む組換え断片である。「一本鎖Fv」または「scFv」は、軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域が好適な可塑性ポリペプチドリンカーによって共有結合的に連結された抗体の可変領域断片(Fv)を含有する組換え分子である。
【0122】
本明細書において使用される場合、用語「結合する」は、タンパク質またはその抗原結合部位の抗原との相互作用に関連して、該相互作用が抗原上の特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存することを意味する。例えば、抗体は、一般的なタンパク質ではなく特定のタンパク質構造を認識して結合する。抗体がエピトープ「A」に結合する場合、標識化「A」およびタンパク質を含有する反応においてエピトープ「A」(または遊離する非標識化「A」)を含有する分子の存在は、抗体に結合する標識化「A」の量を減少させる。
【0123】
本明細書において使用される場合、用語「特異的に結合する」は、本開示のタンパク質が、代替的な抗原または細胞に対するよりも、より高い頻度で、より迅速に、より長い期間、および/または、より高い親和性で、特定の抗原またはそれを発現する細胞と反応または会合することを意味すると解釈されるべきである。例えば、タンパク質は、多反応性の天然抗体によって(すなわち、ヒトにおいて天然に見られる様々な抗原に結合することが分かっている自然に発生する抗体によって)一般に認識される他のサイトカイン受容体または抗原に対するよりも実質的に高い親和性(例えば、20倍、または40倍、または60倍、または80倍〜100倍、または150倍、または200倍)でG−CSFR(例えば、hG−CSFR)に結合する。本開示の一例において、タンパク質は、hG−CSFRの変異形態、またはその領域(例えば、h−GCSFRのリガンド結合ドメインの変異形態)を含むポリペプチド、または287位の天然アルギニンがアラニンで置換された配列番号1の変異形態に対するよりも、hG−CSFRのある形態、またはその領域(例えば、hG−GCSFRのリガンド結合ドメイン)を含むポリペプチド、または配列番号1のアミノ酸1〜311を含むポリペプチドに、少なくとも20倍、または40倍、または60倍、または80倍、または100倍、または150倍、または200倍高い親和性で「特異的に結合する」。配列番号1に対するさらなる例示的な変更およびそれらが結合に与える影響は、本明細書に記載される。必ずではないが、一般に、結合への言及は特異的結合を意味し、各用語は、他の用語に明示的な支持を提供すると理解されるべきである。
【0124】
本明細書において使用される場合、用語「検出可能に結合しない」は、タンパク質、例えば、抗体が、バックグラウンドよりも10%未満、または8%未満、または6%未満、または5%未満高いレベルで候補抗原に結合することを意味すると理解されるべきである。バックグラウンドは、タンパク質の非存在下でおよび/もしくは陰性対照タンパク質(例えば、アイソタイプ対照抗体)の存在下で検出される結合シグナルのレベルであり得、ならびに/または、陰性対照抗原の存在下で検出される結合のレベルであり得る。結合のレベルは、タンパク質を固定化して抗原と接触させるバイオセンサ分析(例えば、Biacore)を用いて検出される。
【0125】
本明細書において使用される場合、用語「有意に結合しない」は、本開示のタンパク質のポリペプチドへの結合のレベルがバックグラウンドよりも統計的に有意に高くないことを意味すると理解されるべきである(例えば、タンパク質の非存在下および/もしくは陰性対照タンパク質(例えば、アイソタイプ対照抗体)の存在下で検出される結合シグナルのレベル、ならびに/または陰性対照ポリペプチドの存在下で検出される結合のレベル)。結合のレベルは、タンパク質を固定化して抗原と接触させるバイオセンサ分析(例えば、Biacore)を用いて検出される。
【0126】
本明細書において使用される場合、抗原に関連して「結合の減少」または「低レベルでの結合」を指す句は、抗体が、対照エピトープまたは抗原(例えば、配列番号1)よりも少なくとも約20倍、または40倍、または60倍低い親和性で、抗原(例えば、287位、237位、198位、172位、171位、または111位のいずれか1つの配列番号1のアラニン点変異体)に結合することを意味すると理解されたい。例えば、本開示のタンパク質は、配列番号1のポリペプチドに結合するよりも20倍、または40倍、または60倍低いレベルで、237位のヒスチジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに結合することができる。好ましくは、タンパク質は、20倍低いレベルで、より好ましくは40倍低い、さらにより好ましくは60倍低いレベルで結合する。
【0127】
タンパク質または抗体が、別のポリペプチドに対する該タンパク質または抗体の解離定数(K
D)よりも低いK
Dで、あるポリペプチドに結合する場合、該タンパク質または抗体は、そのポリペプチドに「優先的に結合する」と見なすことができる。一例において、タンパク質または抗体が、別のポリペプチドに対する該タンパク質または抗体のK
Dよりも少なくとも約20倍、または40倍、または60倍、または80倍、または100倍、または120倍、または140倍、または160倍高い親和性(すなわち、K
D)で、あるポリペプチドに結合する場合、該タンパク質または抗体は、該ポリペプチドに優先的に結合するとみなされる。
【0128】
本明細書において使用される場合、用語「同様の親和性」は、例えば、2つの抗原(例えば、ヒトおよびカニクイザル由来のG−CSFRのリガンド結合ドメインもしくは細胞外ドメイン)を固定化し、該固定化したタンパク質を本開示のタンパク質と接触させることによって親和性が評価される場合に、本開示のタンパク質が、互いの約5倍以下、例えば、互いの約4、3、2、もしくは1倍以内(互いの約0.5倍等)の親和性で2つの抗原(例えば、ヒトおよびカニクイザル由来のG−CSFRのリガンド結合ドメイン)に結合すること、または結合のレベルが実質的に同一であることを意味すると理解されたい。
【0129】
明確にするために、また本明細書に例示される主題に基づいて当業者には明らかなように、本明細書における「親和性」への言及は、タンパク質または抗体のK
Dへの言及である。
【0130】
明確にするために、また本明細書における説明に基づいて当業者には明らかなように、「少なくとも約〜の親和性」への言及は、親和性(またはK
D)が、列挙される値と等しいかまたはそれよりも高い(すなわち、親和性として列挙される値のほうが低い)こと、すなわち、2nMの親和性は3nMの親和性よりも高いことを意味すると理解されたい。換言すると、この用語は、「X以下の親和性」(Xは本明細書に列挙される値である)であってもよい。
【0131】
「少なくとも約〜のIC
50」は、IC
50が、列挙される値と等しいかまたはそれよりも高い(すなわち、IC
50として列挙される値のほうが低い)こと、すなわち、2nMのIC
50は3nMのIC
50よりも高いことを意味すると理解されたい。換言すると、この用語は、「X以下の親IC
50」(Xは本明細書に列挙される値である)であってもよい。
【0132】
本明細書において使用される場合、用語「エピトープ」(同義語:「抗原決定基」抗原)は、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質が結合するhG−CSFRの領域を意味すると理解されるべきである。この用語は、必ずしも、タンパク質が接触する特定の残基または構造に限定されない。例えば、この用語は、タンパク質によって接触されたアミノ酸に及ぶ領域、および/またはこの領域外の5〜10個、もしくは2〜5個、もしくは1〜3個のアミノ酸を含む。いくつかの例において、hG−CSFRが折り畳まれている場合、すなわち「立体構造エピトープ」である場合、エピトープは、互いの近くに配置された一連の非連続的なアミノ酸を含む。例えば、立体構造エピトープは、配列番号1の111〜115、170〜176、218〜234および/または286〜300に対応する領域の1つ以上または2つ以上または全てにアミノ酸を含む。当業者はまた、用語「エピトープ」は、ペプチドまたはポリペプチドに限定されるものではないことを認識するであろう。例えば、用語「エピトープ」は、糖側鎖、ホスホリル側鎖、またはスルホニル側鎖等の分子の化学的に活性な表面基を含み、特定の例において、特異的な三次元構造特性および/または特異的な荷電特性を有し得る。
【0133】
用語「競合的に阻害する」は、本開示のタンパク質(またはその抗原結合部位)が、列挙される抗体またはタンパク質の、G−CSFR、例えば、hG−CSFRへの結合を低減させるまたは防止することを意味すると理解されるべきである。これは、タンパク質(またはその抗原結合部位)および抗体が、同じまたは重複するエピトープに結合することに起因し得る。上記から、タンパク質は、統計的に有意な量だけ、例えば、少なくとも約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%、または95%だけ結合を低減させる必要があるのであって、抗体の結合を完全に阻害する必要はないことが明白であろう。好ましくは、タンパク質は、少なくとも約30%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%、さらにより好ましくは少なくとも約75%、さらにより好ましくは少なくとも約80%もしくは85%、またさらにより好ましくは少なくとも約90%抗体の結合を低減させる。結合の競合的な阻害を測定するための方法は、当該技術分野において既知であり、かつ/または本明細書に記載される。例えば、抗体は、タンパク質の存在下または非存在下のいずれかでG−CSFRに暴露される。タンパク質の非存在下においてタンパク質の存在下よりも少ない抗体が結合する場合、該タンパク質は、抗体の結合を競合的に阻害するとみなされる。一例において、競合的な阻害は、立体障害に起因するものではない。
【0134】
2つのエピトープに関連して「重複する」は、2つのエピトープが、一方のエピトープに結合するタンパク質(またはその抗原結合部位)が、他方のエピトープに結合するタンパク質(または抗原結合部位)の結合を競合的に阻害することを許容するのに十分な数のアミノ酸残基を共有することを意味すると解釈されるべきである。例えば、「重複する」エピトープは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または20個のアミノ酸を共有する。
【0135】
本明細書において使用される場合、用語「中和する」は、タンパク質が、G−CSFRを介して細胞中のG−CSFによって媒介されるシグナル伝達をブロック、減少、または防止することができることを意味すると解釈されるべきである。中和を測定するための方法は当該技術分野において既知であり、かつ/または本明細書に記載される。
【0136】
本明細書において使用される場合、用語「状態」は、正常な機能の崩壊または妨害を指し、いずれか特定の状態に限定されるものではなく、疾患または障害を含む。
【0137】
本明細書において使用される場合、「G−CSFに関連する状態」は、好中球、G−CSFもしくはG−CSFRを発現する細胞の超過、またはG−CSFの投与によって引き起こされる、あるいはそれに関連する任意の状態を指す。当業者は、そのような状態を容易に判定することができるであろう。この点に関して、いくつかの例において、状態は、炎症性状態、自己免疫性状態、または癌(転移を含む)である。
【0138】
本明細書において使用される場合、用語「予防すること」、「予防する」、または「予防」は、本開示のタンパク質を投与し、それによってある状態の少なくとも1つの症状の発生を停止または遅延させることを含む。この用語はまた、再発を予防するまたは遅延させるための、寛解期にある対象の治療を包含する。例えば、再発寛解型多発性硬化症に罹患する対象は寛解期の間に治療を受け、それによって再発を予防する。
【0139】
本明細書において使用される場合、用語「治療すること」、「治療する」、または「治療」は、本明細書に記載されるタンパク質を投与し、それによって特定された疾患または状態の少なくとも1つの症状を減少させるまたは排除することを含む。
【0140】
本明細書において使用される場合、用語「好中球減少症」は、軽度の好中球減少症(1000<=ANC<1500)、中程度の好中球減少症(500<=ANC<1000)、および重度の好中球減少症(血液1マイクロリットル当たりの細胞中のANC<500)(絶対好中球数(ANC))を包含すると理解されたい。
【0141】
本明細書において使用される場合、用語「対象」は、ヒトを含む任意の動物、例えば、哺乳動物を意味すると解釈されるべきである。例示的な対象として、限定されないが、ヒトおよび非ヒト霊長類が挙げられる。例えば、対象はヒトである。
【0142】
抗体:
一例において、いずれかの例による本明細書に記載されるようなタンパク質は、抗体である。
【0143】
抗体を生成するための方法は、当該技術分野において既知であり、かつ/またはHarlow and Lane(編集)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,(1988)に記載される。一般的に、そのような方法において、任意選択的に、任意の好適なもしくは所望の担体、アジュバント、または薬学的に許容される賦形剤とともに配合された、G−CSFR(例えば、hG−CSFR)もしくはその領域(例えば、細胞外ドメイン)、またはその免疫原性断片もしくはエピトープ、またはそれらを発現および提示する細胞(すなわち、免疫原)が、非ヒト動物、例えば、マウス、ニワトリ、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ウマ、牛、ヤギ、またはブタに投与される。免疫原は、経鼻的に、筋肉内に、皮下に、静脈内に、皮内に、または他の既知の経路によって投与することができる。
【0144】
ポリクローナル抗体の産生は、免疫後の種々の時点で免疫した動物の血液を採取することにより監視することができる。所望の抗体力価を達成することが要求される場合、1回以上の付加的な免疫が付与されてもよい。好適な力価に達するまで、追加免疫および力価測定のプロセスが繰り返される。所望のレベルの免疫原性が得られたら、免疫した動物から採血して血清を単離および保存する、ならびに/または、モノクローナル抗体(mab)を生成するために該動物を使用する。
【0145】
モノクローナル抗体は、本開示によって企図される抗体の1つの例示的な形態である。用語「モノクローナル抗体」または「mAb」は、同じ抗原(複数)、例えば、抗原内の同じエピトープに結合することができる均一な抗体集団を指す。この用語は、抗体の源または抗体が作成される様式について限定されることを意図するものではない。
【0146】
mAbの生成のために、例えば、米国特許第4196265号またはHarlow and Lane(1988)(上記参照)に例示される手順等の多くの既知の技術のうちのいずれか1つが使用されてもよい。
【0147】
例えば、抗体産生細胞を刺激するのに十分な条件下で、好適な動物が免疫原で免疫される。ウサギ、マウス、およびラット等のげっ歯類が、例示的な動物として挙げられる。ヒト抗体を発現するように、かつ、例えば、マウス抗体を発現しないように遺伝子操作されたマウスも、(例えば、国際公開公報第WO2002/066630号に記載されるように)本開示の抗体を生成するために使用することができる。
【0148】
免疫後、抗体を産生する可能性を有する体細胞、具体的にはBリンパ球(B細胞)が、mAb生成プロトコルにおける使用するために選択される。これらの細胞は、脾臓、扁桃腺、もしくはリンパ腺の生検から、または末梢血試料から得ることができる。次に、免疫した動物のB細胞を、通常、免疫原で免疫された動物と同じ種に由来する、不死化骨髄腫細胞の細胞と融合する。
【0149】
組織培養培地中のヌクレオチドの新規合成をブロックする薬剤を含む選択的な培地において培養することにより、ハイブリッドが増幅される。例示的な薬剤として、アミノプテリン、メトトレキサート、およびアザセリンが挙げられる。
【0150】
増幅された融合細胞は、例えば、フローサイトメトリーおよび/または免疫組織化学および/または免疫測定法(例えば、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、細胞毒性試験、プラークアッセイ、点免疫測定法等)等によって、抗体特異性および/または力価についての機能的選択に供される。
【0151】
代替的に、MAbを分泌する細胞株を生成するために、(例えば、Largaespada et al,J.Immunol.Methods.197:85−95,1996に記載されるように)ABL−MYC技術(NeoClone、Madison WI 53713,USA)が使用される。
【0152】
抗体はまた、ディスプレイライブラリー、例えば、ファージディスプレイライブラリー(例えば、米国特許第6300064号および/または米国特許第5885793に記載されるような)をスクリーニングすることによって生成または単離することができる。例えば、本発明者はファージディスプレイライブラリーから完全ヒト抗体を単離した。
【0153】
本明細書に記載されるように、hG−CSFRに結合するいくつかの本開示のタンパク質は、cynoG−CSFRと交差反応し、かつ/または、hG−CSFRの特定の変異形態、もしくは変異されたhG−CSFRの領域を含むポリペプチドに結合し、かつ/または他には結合しない、かつ/あるいは、hG−CSFR内の特異的エピトープに結合する。これらの特性は、その結合部位を含む抗体またはタンパク質の生成において使用することができる。
【0154】
例えば、hG−CSFRのリガンド結合ドメインを含むポリペプチドでファージディスプレイライブラリーをスクリーニングし、それに結合するタンパク質を同定する。次に、タンパク質が検出可能に結合しないhG−CSFRのリガンド結合ドメインの変異形態(例えば、287位の配列番号1のアラニン点変異体)を使用して交差反応性タンパク質を除去し、タンパク質が結合するhG−CSFRのリガンド結合ドメインの変異形態またはその領域(例えば、168位の配列番号1のアラニン点変異体)を使用して正確に交差反応性であるタンパク質を単離する。上記に基づいて、非ヒト哺乳動物の免疫のためのスクリーニングプロセスも考案することができる。
【0155】
別の例において、ファージディスプレイライブラリーをスクリーニングするか、またはcynoG−CSFRのリガンド結合ドメインを含むポリペプチドで動物を免疫し、同定されたタンパク質および/または抗体をスクリーニングしてhG−CSFRおよび/またはそのリガンド結合ドメインと交差反応性であるものを同定する。
【0156】
さらなる例において、G−CSFRまたはそのリガンド結合ドメイン(任意選択的に、C1.2もしくはC1.2Gが結合する変異形態)を、C1.2またはC1.2Gと接触させる。次に、ファージディスプレイライブラリーをG−CSFRまたはリガンド結合ドメインと接触させ、結合についてC1.2またはC1.2Gと競合することができるタンパク質を発現するファージを選択する。
【0157】
さらなる例において、例えば、hG−CSFR由来の対象となるエピトープが対応するマウス配列で置換されたマウスG−CSFRを含むキメラタンパク質。このキメラタンパク質は、次にマウス(マウスタンパク質に対する免疫応答を誘導する可能性が低い)を免疫するため、および/またはファージディスプレイライブラリーをスクリーニングするために使用される。得られた抗体/タンパク質を次いでスクリーニングし、(特に、対象となるエピトープで)hG−CSFRに結合するが、マウスG−CSFRには結合しないものを同定する。
【0158】
本開示の抗体は、合成抗体であり得る。例えば、抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、または脱免疫化抗体である。
【0159】
キメラ抗体:
一例において、本明細書に記載される抗体はキメラ抗体である。用語「キメラ抗体」は、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種(例えば、マウス等のネズミ科の動物)に由来する抗体の対応する配列と同一もしくは相同であるか、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する一方で、残りの鎖(複数可)が、別の種(例えば、ヒト等の霊長目の動物)に由来する抗体の配列と同一もしくは相同であるか、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体を指す。典型的には、キメラ抗体は、大部分がヒトドメインである抗体を生成するために、げっ歯類またはウサギの可変領域およびヒト定常領域を用いる。キメラ抗体を生成するための方法は、例えば、米国特許第4816567号および米国特許第5807715号に記載されている。
【0160】
ヒト化抗体およびヒト抗体:
本開示の抗体は、ヒト化抗体またはヒト抗体であり得る。
【0161】
用語「ヒト化抗体」は、非ヒト種からの抗体に由来する抗原結合部位または可変領域と、ヒト抗体の構造および/または配列に基づく残りの抗体構造と、を有する、キメラ抗体のサブクラスを指すと理解されたい。ヒト化抗体において、抗原結合部位は、一般に、ヒト抗体の可変領域内の適切なFR上に移植された非ヒト抗体からの相補性決定領域(CDR)と、ヒト抗体からの残りの領域と、を有する。抗原結合部位は、野生型(すなわち、非ヒト抗体のものと同一)であり得るか、または1つ以上のアミノ酸置換によって修飾されてもよい。特定の場合、ヒト抗体のFR残基は対応する非ヒト残基によって置き換えられる。
【0162】
非ヒト抗体またはその一部(例えば、可変領域可変領域)をヒト化するための方法は、当該技術分野において既知である。ヒト化は、米国特許第5225539号または米国特許第5585089号の方法に従って行うことができる。抗体をヒト化するための他の方法も除外されない。
【0163】
本明細書において使用される場合の用語「ヒト抗体」は、可変領域(例えば、V
H、V
L)と、任意選択的に、ヒトにおいて、例えば、ヒト生殖細胞または体細胞に見られる配列に由来するまたは対応する定常領域と、を有する抗体を指す。「ヒト抗体」は、ヒト配列によってコードされていないアミノ酸残基、例えば、in vitroでのランダム突然変異または部位特異的突然変異によって導入された突然変異(抗体の残基のうちの少数、例えば、抗体の残基のうちの1個、2個、3個、4個、5個、または6個における、例えば、抗体のCDRのうちの1つ以上を構成する残基のうちの1個、2個、3個、4個、5個、または6個における、保存的置換または保存的突然変異を含む特定の突然変異)を含むことができる。これらの「ヒト抗体」は、実際にヒトによって生成される必要はなく、むしろ、それらは組換え手段を用いて生成されてもよいか、ならびに/またはヒト抗体の定常領域および/もしくは可変領域(例えば、上述のような)をコードする核酸を含むトランスジェニック動物(例えば、マウス)から単離されてもよい。ヒト抗体は、(例えば、米国特許第5885793号に記載されるように)ファージディスプレイライブラリーを含む当該技術分野において既知の種々の技術を使用して生成することができる。
【0164】
選択されたエピトープを認識するヒト抗体も、「誘導選択」と称される技術を使用して生成することができる。この手法では、(例えば、米国特許第5565332号に記載されるように)選択された非ヒトモノクローナル抗体、例えば、マウス抗体が、同じエピトープを認識する完全ヒト抗体の選択を誘導するために使用される。
【0165】
例示的なヒト抗体は、本明細書に記載され、C1.2およびC1.2Gならびに/またはその可変領域を含む。これらのヒト抗体は、非ヒト抗体と比較して低い免疫原性という利点をヒト抗体に提供する。
【0166】
抗体結合ドメイン含有タンパク質:
単一ドメイン抗体:
いくつかの例において、本開示のタンパク質は、単一ドメイン抗体(用語「ドメイン抗体」もしくは「dAb」と交換可能に用いられる)であるか、またはそれを含む。単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変領域の全てまたは一部を含む単一のポリペプチド鎖である。特定の例において、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham,MA;例えば、米国特許第6248516号を参照)。
【0167】
二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体:
いくつかの例において、本開示のタンパク質は、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体、またはより高次のタンパク質複合体(国際公開公報第WO98/044001号および/または国際公開公報第WO94/007921号に記載されるもの等)であるか、またはそれを含む。
【0168】
例えば、二重特異性抗体は2つの会合するポリペプチド鎖を含むタンパク質であり、各ポリペプチド鎖は構造V
L−X−V
HまたはV
H−X−V
Lを含み、V
Lは抗体軽鎖可変領域であり、V
Hは抗体重鎖可変領域であり、Xは、単一のポリペプチド鎖内のV
HおよびV
Lが会合する(もしくはFvを形成する)ことを可能にするには不十分な残基を含むリンカーであるか、または存在せず、一方のポリペプチド鎖のV
Hは他方のポリペプチド鎖のV
Lに結合して抗原結合部位を形成する、すなわち、1つ以上の抗原に特異的に結合することができるFv分子を形成する。V
LおよびV
Hは、各ポリペプチド鎖において同じであってもよいか、またはV
LおよびV
Hは、二重特異性抗体(すなわち、異なる特異性を有する2つのFvを含む)を形成するように各ポリペプチド鎖において異なってもよい。
【0169】
一本鎖Fv(scFv):
当業者は、scFvが、単一のポリペプチド鎖内のV
HおよびV
L領域と、scFvが抗原結合にとって(すなわち、単一のポリペプチド鎖のV
HおよびV
Lが互いに会合してFvを形成するために)所望の構造を形成することを可能にするV
HとV
Lとの間のポリペプチドリンカーと、を含むことを認識するであろう。例えば、リンカーは、scFvにとってより好ましいリンカーのうちの1つである(Gly
4Ser)
3を有する、12個を超えるアミノ酸残基を含む。
【0170】
本開示はまた、V
HのFRおよびV
LのFRに単一のシステイン残基が導入され、システイン残基がジスフィルド結合によって連結されて安定したFvを生じる、ジスフィルド安定化Fv(またはdiFvもしくはdsFv)を企図する。
【0171】
代替的に、または加えて、本開示は、二量体scFv、すなわち、非共有結合または共有結合による連結、例えば、ロイシンジッパードメイン(例えば、FosもしくはJunに由来する)によって連結された2つのscFv分子を含むタンパク質を包含する。代替的に、例えば、US20060263367号に記載されるように、2つのscFvsは、両方のscFvが抗原を形成することおよびそれに結合することを可能にするのに十分な長さのペプチドリンカーによって連結される。
【0172】
重鎖抗体:
重鎖抗体は、重鎖を含むが軽鎖は含まないという点に限って言えば、多くの他の形態の抗体と構造的に異なる。したがって、これらの抗体は「重鎖のみ抗体」とも称される。重鎖抗体は、例えば、ラクダ類および軟骨魚類(IgNARとも称される)に見られる。
【0173】
自然に発生する重鎖抗体に存在する可変領域は、従来の4本鎖抗体に存在する重鎖可変領域(「V
Hドメイン」と称される)および従来の4本鎖抗体に存在する軽鎖可変領域(「V
Lドメイン」と称される)と区別するために、ラクダ類抗体では「V
HHドメイン」、IgNARではV−NARと一般的に称される。
【0174】
ラクダ類由来の重鎖抗体およびその可変領域の概要と、それらの生成および/または単離および/または使用のための方法は、とりわけ次の参考文献中に見出だされる:国際公開公報第WO94/04678号、国際公開公報第WO97/49805号、および国際公開公報第WO97/49805号。
【0175】
軟骨魚類由来の重鎖抗体およびその可変領域の概要と、それらの生成および/または単離および/または使用のための方法は、とりわけ国際公開公報第WO2005/118629号に見出される。
【0176】
他の抗体および抗体断片:
本開示はまた、
(i)米国特許第5,731,168号に記載されるような「鍵と鍵穴」構造の二重特異性タンパク質、
(ii)例えば、米国特許第4,676,980号に記載されるようなヘテロコンジュゲートタンパク質、
(iii)例えば、米国特許第4,676,980号に記載されるような、化学的架橋剤を使用して生成されるヘテロコンジュゲートタンパク質、
(iv)Fab
3(例えば、欧州特許第19930302894号に記載されるような)
等の、他の抗体および抗体断片を企図する。
【0177】
脱免疫化抗体およびタンパク質:
本開示はまた、脱免疫化抗体またはタンパク質を企図する。脱免疫化抗体およびタンパク質は、1つ以上のエピトープ、例えば、B細胞エピトープまたはT細胞エピトープが除去されて(すなわち、変異されて)おり、それによって哺乳動物が抗体またはタンパク質に対する免疫応答を生じる可能性を低下させる。脱免疫化抗体およびタンパク質を生成するための方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、国際公開公報第WO00/34317号、国際公開公報第WO2004/108158号、および国際公開公報第WO2004/064724に記載されている。
【0178】
好適な突然変異を導入し、得られたタンパク質を発現させるおよびアッセイする方法は、本明細書の説明に基づいて当業者には明白であろう。
【0179】
タンパク質に対する突然変異:
本開示はまた、本開示のタンパク質の変異形態を企図する。この点に関して、本明細書に提示されるデータは、行われ得る例示的な変更に加えて変更することができる、本開示のタンパク質のCDR内の部位を示す。当業者は、付加的または代替的に、本開示に照らしてその機能を阻害するまたは著しく低下させることなく、可変領域含有タンパク質のFR内で変更が行われてもよいことを理解するであろう。
【0180】
例えば、そのような変異タンパク質は、本明細書に記載される配列と比較して、1つ以上の保存的アミノ酸置換を含む。いくつかの例において、タンパク質は、30個以下、または20個以下、または10個以下、例えば、9個、または8個、または7個、または6個、または5個、または4個、または3個、または2個の保存的アミノ酸置換を含む。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が同様の側鎖および/または疎水性親水性指標および/または親水性を有するアミノ酸残基で置き換えられたアミノ酸置換である。
【0181】
一例において、変異タンパク質は、自然に発生するタンパク質と比較して、1つ、もしくは2つ、もしくは3つ、もしくは4つ、もしくは5つ、もしくは6つのみ、またはそれよりも少ない保存的アミノ酸変化を有する。保存的アミノ酸変化の詳細を次に提供する。当業者は、例えば、本明細書に記載される本開示から認識するように、そのようなわずかな変化はタンパク質の活性を変化させないと当然予測することができる。
【0182】
塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば,グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む、同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが、当該技術分野において定義されている。
【0183】
本開示はまた、例えば、CDR、例えば、CDR3等における、本開示のタンパク質の非保存的アミノ酸変化(例えば、置換)を企図する。例えば、本発明者は、本開示のタンパク質の活性を保持しながら作製することができるいくつかの非保存的アミノ酸置換を同定した。一例において、タンパク質は、例えば、6個、または5個、または4個、または3個、または2個、または1個よりも少ない非保存的アミノ酸置換を、例えば、CDR3に、例えばCDR3等に含む。
【0184】
本開示はまた、本明細書に記載される配列と比較して、1つ以上の挿入または欠失を企図する。いくつかの例において、タンパク質は、10個以下、例えば、9個、または8個、または7個、または6個、または5個、または4個、または3個、または2個の挿入および/または欠失を含む。
【0185】
定常領域:
本開示は、抗体の定常領域を含む本明細書に記載されるタンパク質および/または抗体を包含する。これは、Fcに融合された抗体の抗原結合断片を含む。
【0186】
本開示のタンパク質を生成するために有用な定常領域の配列は、多くの異なる源から得ることができる。いくつかの例において、タンパク質の定常領域またはその一部は、ヒト抗体に由来する。定常領域またはその一部は、IgM、IgG、IgD、IgA、およびIgEを含むいずれの抗体クラス、ならびにIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含むいずれの抗体アイソタイプに由来してもよい。一例において、定常領域は、ヒトアイソタイプIgG4または安定化IgG4定常領域である。
【0187】
一例において、定常領域のFc領域は、例えば、天然または野生型のヒトIgG1もしくはIgG3Fc領域と比較して、エフェクター機能を誘導する能力が低い。一例において、エフェクター機能は、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)および/または抗体依存性細胞性食作用(ADCP)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)である。Fc領域含有タンパク質のエフェクター機能のレベルを評価するための方法は、当該技術分野において既知であり、かつ/または本明細書に記載される。
【0188】
一例において、Fc領域は、IgG4のFc領域(すなわち、IgG4定常領域に由来する)、例えば、ヒトIgG4のFc領域である。好適なIgG4のFc領域の配列は、当業者に明白であり、かつ/または公的に利用可能なデータベースにおいて入手可能である(例えば、National Center for Biotechnology Informationから入手可能)。
【0189】
一例において、定常領域は、安定化IgG4定常領域である。用語「安定化IgG4定常領域」は、Fabアーム交換もしくはFabアーム交換を受ける傾向、または半抗体の形成もしくは半抗体を形成する傾向を低減するように修飾されたIgG4定常領域を意味すると理解されたい。「Fabアーム交換」とは、IgG4重鎖および付着する軽鎖(半分子)が別のIgG4分子からの重鎖−軽鎖対と交換される、ヒトIgG4に対するタンパク質の修飾の一種を指す。よって、IgG4分子は、2つの異なる抗原を認識する2つの別個のFabアームを獲得することができる(二重特異性分子が生じる)。Fabアーム交換は、in vivoで自然に起こり、精製された血液細胞または還元グルタチオン等の還元剤によりin vitroで誘導することができる。IgG4抗体が解離して、各々が単一の重鎖および単一の軽鎖を含有する2つの分子を形成する場合、「半抗体」が形成する。
【0190】
一例において、安定化IgG4定常領域は、Kabatのシステムによるヒンジ領域の241位にプロリンを含む(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,1987および/または1991)。この位置は、EUナンバリングシステムによるヒンジ領域の228位に対応する(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,2001 and Edelman et al.,Proc.Natl.Acad.USA,63,78−85,1969)。ヒトIgG4において、この残基は一般にセリンである。プロリンをセリンで置換した後、IgG4ヒンジ領域は、配列CPPCを含む。これに関して、当業者は、「ヒンジ領域」は、FcおよびFab領域を結合して抗体の2本のFabアームに可動性を付与する、抗体重鎖定常領域のプロリンに富んだ部分であることを認識するであろう。ヒンジ領域は、重鎖間ジスフィルド結合に関与するシステイン残基を含む。Kabatのナンバリングシステムによれば、該領域は、ヒトIgG1のGlu226からPro243に及ぶと一般に定義される。他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、重鎖間ジスフィルド(S−S)結合を形成する最初および最後のシステイン残基を同じ位置に配置することにより、IgG1配列と整合させることができる(例えば、国際公開公報第WO2010/080538号を参照)。
【0191】
安定化IgG4抗体の付加的な例として、ヒトIgG4の重鎖定常領域の409位のアルギニン(EUナンバリングシステムによる)が、リジン、スレオニン、メチオニン、またはロイシンで置換された抗体が挙げられる(例えば、国際公開公報第WO2006/033386号に記載されるような)。定常領域のFc領域は、付加的または代替的に、アラニン、バリン、グリシン、イソロイシン、およびロイシンからなる群から選択される残基を(EUナンバリングシステムによる)405に対応する位置に含み得る。任意選択的に、ヒンジ領域は、241位にプロリン(すなわち、CPPC配列)を含む(上述の通り)。
【0192】
別の例において、Fc領域は、低いエフェクター機能を有するように修飾された領域、すなわち、「非免疫賦活性Fc領域」である。例えば、Fc領域は、268、309、330、および331からなる群から選択される1つ以上の位置に置換を含むIgG1のFc領域である。別の例において、Fc領域は、E233P、L234V、L235A、およびG236の欠失といった変更のうちの1つ以上、ならびに/またはA327G、A330S、およびP331Sといった変更のうちの1つ以上を含むIgG1のFc領域である(Armour et al.,Eur J Immunol.29:2613−2624,1999;Shields et al.,J Biol Chem.276(9):6591−604,2001)。非免疫賦活性Fc領域の付加的な例は、例えば、Dall’Acqua et al.,J Immunol.177:1129−1138 2006;および/またはHezareh J Virol;75:12161−12168,2001)に記載されている。
【0193】
別の例において、Fc領域は、例えば、IgG4抗体由来の少なくとも1つのC
H2ドメインおよびIgG1抗体由来の少なくとも1つのC
H3ドメインを含むキメラFc領域であり、Fc領域は、240、262、264、266、297、299、307、309、323、399、409、および427(EUナンバリング)(例えば、国際公開公報第WO2010/085682号に記載される)からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸位置に置換を含む。例示的な置換として、240F、262L、264T、266F、297Q、299A、299K、307P、309K、309M、309P、323F、399S、および427Fが挙げられる。
【0194】
追加的修飾:
本開示はまた、抗体に対する追加的修飾を企図する。
【0195】
例えば、抗体は、タンパク質の半減期を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含む。例えば、抗体は、新生児型Fc領域(FcRn)に対するFc領域の親和性を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含むFc領域を含む。例えば、Fc領域は、より低いpH、例えば、約pH6.0で、FcRnに対する増加した親和性を有し、エンドソームにおけるFc/FcRn結合を促進する。一例において、Fc領域は、約pH7.4でのその親和性と比較して、約pH6でFcRnに対する増加した親和性を有し、これが細胞リサイクル後の血液中へのFcの再放出を促進する。これらのアミノ酸置換は、血液からのクリアランスを低減することにより、タンパク質の半減期を延長するのに有用である。
【0196】
例示的なアミノ酸置換としては、EUナンバリングシステムによるT250Qおよび/またはM428LまたはT252A、T254SおよびT266FまたはM252Y、S254TおよびT256EまたはH433K、ならびにN434Fが挙げられる。付加的または代替的なアミノ酸置換は、例えば、US20070135620またはUS7083784に記載されている。
【0197】
タンパク質産生:
一例において、いずれかの例による本明細書に記載されるタンパク質は、例えば、本明細書に記載の、および/または当該技術分野において既知であるように、タンパク質の産生に十分な条件下で融合細胞を培養することにより産生される。
【0198】
組換え発現:
別の例において、いずれかの例による本明細書に記載されるタンパク質は組換え型である。
【0199】
組換えタンパク質の場合、これをコードする核酸は、発現コンストラクトまたはベクターにクローン化されてもよく、これは次いで、宿主細胞、例えば大腸菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞、例えばシミアンCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞、または、別様にはタンパク質を産生しない骨髄腫細胞にトランスフェクトされる。タンパク質を発現するために使用される例示的な細胞は、CHO細胞、骨髄腫細胞またはHEK細胞である。これらの目的を達成するための分子クローニング技術は、当該技術分野において既知であり、例えば、Ausubel et al.,(編集),Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley−Interscience(1988、現在までの全ての更新版を含む)またはSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に記載されている。多種多様なクローニングおよびin vitro増幅方法が組換え核酸の構築に好適である。組換え抗体を生成する方法もまた当該技術分野において既知であり、例えば、US4816567またはUS5530101を参照されたい。
【0200】
単離後、核酸は、さらなるクローニング(DNAの増幅)のために、または無細胞系もしくは細胞における発現のために、発現コンストラクトまたは発現ベクターに挿入され、プロモーターに操作可能に連結される。
【0201】
本明細書において使用される場合、用語「プロモーター」は、その最も広い文脈において解釈され、正確な転写開始に必要なTATAボックスまたは開始要素を含むゲノム遺伝子の転写制御配列を含み、例えば、発生的および/もしくは外部刺激に応答して、または組織特異的な様式で核酸の発現を改変する、追加的な制御要素(例えば、上流活性化配列、転写因子結合部位、エンハンサーおよびサイレンサー)を有する、または有さない。この文脈において、用語「プロモーター」はまた、操作可能に連結された核酸の発現をもたらす、活性化する、または促進する、組換え、合成もしくは融合核酸、または誘導体を説明するように使用される。例示的なプロモーターは、前記核酸の発現をさらに促進し、ならびに/またはその空間的発現および/もしくは時間的発現を改変するために、1つ以上の特異的制御要素の追加の複製を含有することができる。
【0202】
本明細書において使用される場合、用語「〜に操作可能に連結された」は、核酸の発現がプロモーターにより制御されるように、核酸に対しプロモーターを位置付けることを意味する。
【0203】
細胞内の発現のための多くのベクターが利用可能である。ベクター構成成分は、一般に、シグナル配列、タンパク質をコードする配列(例えば、本明細書に記載の情報から得られる)、エンハンサー要素、プロモーター、および転写停止配列のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。当業者は、タンパク質の発現のための好適な配列を認識するであろう。例示的なシグナル配列としては、原核生物分泌シグナル(例えば、pelB、アルカリホスファターゼ、Ipp、もしくは耐熱性エンテロトキシンII)、酵母分泌シグナル(例えば、インベルターゼリーダー、α因子リーダー、もしくは酸ホスファターゼリーダー)または哺乳動物分泌シグナル(例えば、単純ヘルペスgDシグナル)が挙げられる。
【0204】
哺乳動物細胞において活性である例示的なプロモーターとしては、サイトメガロウイルス前初期プロモーター(CMV−IE)、ヒト伸長因子1−αプロモーター(EF1)、核内低分子RNAプロモーター(U1aおよびU1b)、α−ミオシン重鎖プロモーター、シミアンウイルス40プロモーター(SV40)、ラウス肉腫ウイルスプロモーター(RSV)、アデノウイルス主要後期プロモーター、β−アクチンプロモーター;CMVエンハンサー/β−アクチンプロモーターもしくは免疫グロブリンプロモーター、またはそれらの活性断片を含むハイブリッド調整要素が挙げられる。有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、SV40(COS−7、ATCC CRL 1651)により転換されたサル腎臓CV1株;ヒト胎児腎臓株(293もしくは懸濁液培養における成長のためにサブクローニングされた293細胞;新生ハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);またはチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)である。
【0205】
酵母細胞、例えばPichia pastoris、Saccharomyces cerevisiaeおよびS. pombeを含む群から選択される酵母細胞等における発現に好適な典型的なプロモーターは、ADH1 プロモーター、GAL1プロモーター、GAL4プロモーター、CUP1プロモーター、PHO5プロモーター、nmtプロモーター、RPR1プロモーター、またはTEF1プロモーターを含むが、これらに限定されない。
【0206】
単離された核酸またはそれを含む発現コンストラクトを発現用の細胞に導入する手段は、当業者に既知である。所与の細胞に使用される技術は、既知の成功している技術に基づく。組換えDNAを細胞に導入するための手段は、中でも、マイクロインジェクション、DEAE−デキストランにより媒介されるトランスフェクション、リポフェクタミン(Gibco社、MD,USA)および/またはセルフェクチン(Gibco社、MD,USA)の使用等によるリポソームにより媒介されるトランスフェクション、PEG−媒介DNA取り込み、電気穿孔、およびDNA被覆タングステンもしくは金粒子(Agracetus Inc.、WI,USA)の使用等によるマイクロ粒子暴露を含む。
【0207】
タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、使用される細胞型に依存して様々な培地中で培養され得る。Ham’s Fl0(Sigma社)、Minimal Essential Medium((MEM)、(Sigma社)、RPMl−1640(Sigma社)、およびダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma社)等の市販の培地が、哺乳動物細胞の培養に好適である。本明細書において議論される他の細胞型を培養するための培地は、当該技術分野において既知である。
【0208】
タンパク質の単離:
タンパク質を単離するための方法は、当該技術分野において既知であり、および/または本明細書に記載されている。
【0209】
タンパク質が培養培地中に分泌される場合、そのような発現系からの上清を、まず市販のタンパク質濃縮フィルタ、例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットを使用して濃縮することができる。上述のステップのいずれかにおいて、タンパク質分解を阻害するために、PMSF等のプロテアーゼ阻害剤が含まれてもよく、また偶発的な汚染物の増殖を防止するために、抗生物質が含まれてもよい。代替的または付加的に、連続遠心分離を使用して、タンパク質を発現する細胞から上清を濾過および/または分離することができる。
【0210】
細胞から調製されたタンパク質は、例えば、イオン交換、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、親和性クロマトグラフィー(例えば、タンパク質A親和性クロマトグラフィーもしくはタンパク質Gクロマトグラフィー)、または上記の任意の組み合わせを使用して精製され得る。これらの方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、WO99/57134またはEd Harlow and David Lane(editors)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,(1988)に記載されている。
【0211】
また、当業者は、精製または検出を促進するためのタグ、例えば、ポリ−ヒスチジンタグ、例えばヘキサ−ヒスチジンタグ、またはインフルエンザウイルス血球凝集素(HA)タグ、またはシミアンウイルス5(V5)タグ、またはFLAGタグ、またはグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)タグを含むようにタンパク質を修飾することができることを認識するであろう。得られたタンパク質は、次いで、親和性精製等の当該技術分野において既知の方法を使用して精製される。例えば、ヘキサ−hisタグを含むタンパク質は、タンパク質を含む試料を、固体または半固体支持体上に固定化されたヘキサ−hisタグに特異的に結合するニッケル−ニトリロ三酢酸(Ni−NTA)と接触させ、試料を洗浄して未結合タンパク質を除去し、その後結合タンパク質を溶出することにより精製される。代替的に、または加えて、親和性精製方法において、タグに結合するリガンドまたは抗体が使用される。
【0212】
タンパク質活性の分析:
G−CSFRおよびその変異体への結合:
本明細書における開示から、当業者には、本開示のいくつかのタンパク質がhG−CSFRのリガンド結合ドメインおよびhG−CSFRのリガンド結合ドメインの特定の変異形態(例えば、ある特定の点変異を有さない、もしくは有する配列番号1)に結合し、ならびに/またはヒトおよびカニクイザルG−CSFRの両方に結合することが明らかである。タンパク質への結合を評価するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えばScopes(In:Protein purification:principles and practice,Third Edition,Springer Verlag,1994)に記載されている通りである。そのような方法は、一般に、タンパク質を標識化すること、およびそれを固定化抗原に接触させることを含む。洗浄して非特異的結合タンパク質を除去した後、標識の量、および結果として結合タンパク質が検出される。当然ながら、タンパク質が固定化され、抗原が標識化されてもよい。パニング型のアッセイが使用されてもよい。代替的または付加的に、表面プラズモン共鳴アッセイが使用されてもよい。
【0213】
また、上述のアッセイは、hG−CSFRまたはそのリガンド結合ドメイン(例えば、配列番号1)またはその変異形態に対するタンパク質の結合のレベルを検出するために使用されてもよい。
【0214】
一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の167位のリジンがアラニンで置換された、および/または配列番号1の168位のヒスチジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1への結合と実質的に同じレベル(例えば、10%または5%または1%以内)で結合する。
【0215】
一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の287位のアルギニンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約100倍、または150倍、または160倍、または200倍低いレベルで結合する。一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の287位のアルギニンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約160倍低いレベルで結合する。
【0216】
一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の237位のヒスチジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約20倍、または40倍、または50倍、または60倍低いレベルで結合する。一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の237位のヒスチジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約50倍低いレベルで結合する。
【0217】
一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の198位のメチオニンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約20倍、または40倍、または60倍、または70倍低いレベルで結合する。一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の198位のメチオニンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約40倍低いレベルで結合する。
【0218】
一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の172位のチロシンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約20倍、または30倍、または40倍低いレベルで結合する。一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の172位のチロシンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約40倍低いレベルで結合する。
【0219】
一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の171位のロイシンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約100倍、または120倍、または130倍、または140倍低いレベルで結合する。一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の171位のロイシンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約140倍低いレベルで結合する。
【0220】
一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の111位のロイシンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約20倍、または40倍、または60倍、または70倍低いレベルで結合する。一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の111位のロイシンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも少なくとも約60倍低いレベルで結合する。
【0221】
一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の168位のヒスチジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも多くとも5倍、または4倍、または3倍、または2倍、または1倍低いレベルで結合する。
【0222】
一例において、本開示のタンパク質は、配列番号1の167位のリジンがアラニンで置換された配列番号1のポリペプチドに、配列番号1のポリペプチドへの結合よりも多くとも5倍、または4倍、または3倍、または2倍、または1倍低いレベルで結合する。
【0223】
結合のレベルは、バイオセンサを使用して都合よく決定される。
【0224】
本開示は、上記特性の任意の組み合わせを企図する。一例において、本明細書に記載されるタンパク質は、前述の7つの段落に記載の結合特性の全てを有する。
【0225】
エピトープマッピング:
別の例において、本明細書に記載されるタンパク質によって結合されるエピトープがマッピングされる。エピトープマッピング方法は、当業者に明らかである。例えば、対象エピトープを含むhG−CSFR配列またはその領域に及ぶ一連の重複ペプチド、例えば10〜15アミノ酸を含むペプチドが生成される。次いで、タンパク質を各ペプチドに接触させ、それが結合するペプチド(複数を含む)が決定される。これにより、タンパク質が結合するエピトープを含むペプチド(複数を含む)の決定が可能となる。複数の不連続ペプチドがタンパク質によって結合される場合、タンパク質は、立体構造エピトープに結合し得る。
【0226】
代替的に、または加えて、hG−CSFR内のアミノ酸残基は、例えばアラニン系統的変異導入法により変異され、タンパク質結合を低減または防止する突然変異が決定される。タンパク質の結合を低減または防止する任意の突然変異は、タンパク質によって結合されるエピトープ内に存在し得る。
【0227】
さらなる方法が本明細書において例示されるが、hG−CSFRまたはその領域を本開示の固定化タンパク質に結合させること、および得られた複合体をプロテアーゼで分解させることを含む。次いで、固定化タンパク質に結合した状態のままであるペプチドが単離され、例えば質量分析法を使用して分析され、その配列が決定される。
【0228】
さらなる方法は、hG−CSFRまたはその領域における水素を重陽子に変換すること、および得られたタンパク質を本開示の固定化タンパク質に結合させることを含む。次いで、重陽子が再び水素に変換され、hG−CSFRまたはその領域が単離され、酵素で分解され、例えば質量分析法を使用して分析され、本明細書に記載されるタンパク質の結合により水素への変換から保護されている重陽子を含むそれらの領域が同定される。
【0229】
任意選択的に、hG−CSFRまたはそのエピトープのタンパク質の解離定数(Kd)が決定される。hG−CSFR結合タンパク質の「Kd」または「Kd値」は、一例において、放射性標識化または蛍光標識化hG−CSFR結合アッセイにより測定される。このアッセイは、非標識化hG−CSFRの滴定シリーズの存在下で、タンパク質を最低限の濃度の標識化G−CSFRと平衡化させる。洗浄して未結合hG−CSFRを除去した後、タンパク質のKdを示す標識の量が決定される。
【0230】
別の例によれば、KdまたはKd値は、表面プラズモン共鳴アッセイを使用して、例えば固定化hG−CSFRまたはその領域を用いたBIAcore表面プラズモン共鳴(BIAcore,Inc.、Piscataway,NJ)を使用して測定される。
【0231】
いくつかの例において、C1.2またはC1.2Gと同様のKdまたはそれより高いKdを有するタンパク質が選択されるが、これは、それらがhG−CSFRへの結合において競合し得るためである。
【0232】
競合的結合の決定:
モノクローナル抗体C1.2またはC1.2Gの結合を競合的に阻害するタンパク質を決定するためのアッセイは、当業者に明らかである。例えば、C1.2またはC1.2Gは、検出可能な標識、例えば、蛍光標識または放射性標識にコンジュゲートされる。次いで、標識化抗体および試験タンパク質を、hG−CSFRもしくはその領域(例えば、配列番号1を含むポリペプチド)、またはそれを発現する細胞と混合および接触させる。次いで、標識化C1.2またはC1.2Gのレベルが決定され、タンパク質の非存在下で標識化抗体をhG−CSFR、領域または細胞と接触させた時に決定されたレベルと比較される。タンパク質の非存在下と比較して、標識化C1.2またはC1.2Gのレベルが試験タンパク質の存在下で低減した場合、タンパク質は、hG−CSFRへのC1.2またはC1.2Gの結合を競合的に阻害するとみなされる。
【0233】
任意選択的に、試験タンパク質は、C1.2またはC1.2Gへの異なる標識にコンジュゲートされる。この代替の標識化は、hG−CSFRもしくはその領域または細胞への試験タンパク質の結合のレベルの検出を可能とする。
【0234】
別の例において、タンパク質は、hG−CSFR、領域または細胞をC1.2またはC1.2Gと接触させる前に、hG−CSFRもしくはその領域(例えば、配列番号1を含むポリペプチド)、またはそれを発現する細胞に結合させられる。タンパク質の非存在下と比較して、タンパク質の存在下での結合したC1.2またはC1.2Gの量の低減は、タンパク質が、hG−CSFRに結合するC1.2またはC1.2Gを競合的に阻害することを示す。また、標識化タンパク質を使用して、またC1.2またはC1.2Gを最初にG−CSFRに結合させて、相互的なアッセイを行うこともできる。この場合、C1.2またはC1.2Gの非存在下と比較して、C1.2またはC1.2Gの存在下でのhG−CSFRに結合した標識化タンパク質の低減された量は、タンパク質がhG−CSFRへのC1.2またはC1.2Gの結合を競合的に阻害することを示す。
【0235】
上記アッセイのいずれも、例えば本明細書に記載のように、C1.2またはC1.2Gが結合するhG−CSFRおよび/または配列番号1および/またはhG−CSFRのリガンド結合領域の変異形態を用いて行うことができる。
【0236】
中和の決定:
本開示のいくつかの例において、タンパク質は、hG−CSFRのシグナル伝達を中和することができる。
【0237】
種々のアッセイが、受容体を介したリガンドのシグナル伝達を中和するタンパク質の能力を評価するための分野において既知である。
【0238】
一例において、タンパク質は、hG−CSFRへのG−CSFの結合を低減または防止する。これらのアッセイは、本明細書に記載のように、標識化G−CSFおよび/または標識化タンパク質を使用して競合的結合アッセイとして行うことができる。
【0239】
別の例において、タンパク質は、CD34
+骨髄細胞がG−CSFの存在下で培養される場合、CFU−Gの形成を低減する。そのようなアッセイにおいて、CD34
+骨髄細胞は、G−CSFの存在下で半固体細胞培養培地中(例えば、約10ng/mlの細胞培養培地)、また任意選択的に、試験タンパク質の存在下または非存在下で幹細胞因子(例えば、約10ng/mlの細胞培養培地)中にて培養される。顆粒球クローン(CFU−G)が形成するのに十分な時間の後、クローンまたはコロニーの数が決定される。タンパク質の非存在下と比較したタンパク質の存在下でのコロニーの数の低減は、タンパク質がG−CSFのシグナル伝達を低減することを示す。複数の濃度のタンパク質を試験することにより、IC
50、すなわちCFU−G形成の最大阻害の50%が生じる濃度が決定される。一例において、IC
50は、0.2nM以下、例えば0.1nM以下、例えば0.09nM以下、または0.08nM以下、または0.07nM以下、または0.06nM以下、または0.05nM以下である。一例において、IC
50は、0.04nM以下である。別の例において、IC
50は、0.02nM以下である。上記IC
50は、本明細書に記載の任意のCFU−Gアッセイに関連する。
【0240】
さらなる例において、タンパク質は、G−CSFの存在下で培養されるhG−CSFRを発現する細胞(例えば、BaF3細胞)の増殖を低減する。細胞は、G−CSFの存在下(例えば、0.5ng/ml)、および試験タンパク質の存在下または非存在下で培養される。細胞増殖を評価するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、MTT還元およびチミジン組込みを含む。タンパク質の非存在下で観察されるレベルと比較して増殖レベルを低減するタンパク質は、G−CSFのシグナル伝達を中和するとみなされる。複数の濃度のタンパク質を試験することにより、IC
50、すなわち細胞増殖の最大阻害の50%が生じる濃度が決定される。一例において、IC
50は、6nM以下、例えば5.9nM以下である。別の例において、IC
50は、2nM以下、または1nM以下、または0.7nM、または細胞、または0.6nM以下、または0.5nM以下である。上記IC
50は、本明細書に記載の任意の細胞増殖アッセイに関連する。
【0241】
さらなる例において、タンパク質は、G−CSF投与後に造血幹細胞および/または内皮前駆細胞の動員をin vivoで低減し、および/または、例えばG−CSF投与後に(しかしながら、これは必須ではない)好中球の数をin vivoで低減する。例えば、タンパク質は、任意選択的に、G−CSFまたはその修飾形態(例えば、ペグ化G−CSFもしくはフィルグラスチム)の投与前、投与時または投与後に、対象に投与される。造血幹細胞(例えば、CD34および/もしくはThy1を発現する)ならびに/または内皮前駆細胞(例えば、CD34およびVEGFR2を発現する)ならびに/または好中球(形態学的に同定され、および/または、例えば、CD10、CD14、CD31および/もしくはCD88を発現する)の数が評価される。タンパク質の非存在下で観察されるレベルと比較して細胞(複数を含む)のレベルを低減するタンパク質は、G−CSFのシグナル伝達を中和するとみなされる。一例において、タンパク質は、好中球減少症を誘発することなく好中球を低減する。
【0242】
G−CSFのシグナル伝達の中和を評価するための他の方法が、本開示により企図される。
【0243】
エフェクター機能の決定:
本明細書において議論されるように、本開示のいくつかのタンパク質は、エフェクター機能を低減した。ADCC活性を評価するための方法は、当該技術分野において既知である。
【0244】
一例において、ADCC活性のレベルは、
51Cr放出アッセイ、ユーロピウム放出アッセイまたは
35S放出アッセイを使用して評価される。これらのアッセイのそれぞれにおいて、G−CSFRを発現する細胞は、列挙された化合物のうちの1つ以上と共に、化合物が細胞により取り込まれるのに十分な時間および条件下で培養される。
35S放出アッセイの場合、hG−CSFRを発現する細胞は、
35S標識化メチオニンおよび/またはシステインと共に、標識化アミノ酸が新たに合成されたタンパク質中に組み込まれるのに十分な時間培養される。次いで、細胞は、タンパク質の存在下または非存在下で、ならびに免疫エフェクター細胞、例えば末梢血単核細胞(PBMC)および/またはNK細胞の存在下で培養される。次いで、細胞培養培地中の
51Cr、ユーロピウムおよび/または
35Sの量が検出され、タンパク質の非存在下と比較してタンパク質の存在下において変化がほとんどない、もしくは全くないこと(または、ヒトIgG1のFcを含む抗hG−CSFR抗体の存在下で観察されるレベルと比較して化合物のレベルが低減されていること)は、タンパク質がエフェクター機能を低減したことを示す。タンパク質により誘発されるADCCのレベルの評価のためのアッセイを開示している例示的な出版物としては、Hellstrom,et al.Proc.Natl Acad.Sci.USA 83:7059−7063,1986およびBruggemann,et al.,J.Exp.Med.166:1351−1361,1987が挙げられる。
【0245】
タンパク質により誘発されるADCCのレベルを評価するための他のアッセイは、フローサイトメトリーのためのACTI(商標)非放射性細胞毒性アッセイ(CellTechnology,Inc.CA,USA)またはCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞毒性アッセイ(Promega社、WI,USA)を含む。
【0246】
タンパク質がC1qに結合することができ、またCDCを誘発し得ることを確認するために、C1q結合アッセイが行われてもよい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイが行われてもよい(例えば、Gazzano−Santoro et al,J.Immunol.Methods 202:163,1996を参照されたい)。
【0247】
半減期の決定:
本開示により包含されるいくつかのタンパク質は、改善された半減期を有し、例えば、修飾されていないタンパク質と比較してその半減期を延長するように修飾される。改善された半減期を有するタンパク質を決定するための方法は、当業者に明らかである。例えば、新生児型Fc受容体(FcRn)に結合するタンパク質の能力が評価される。この点において、FcRnに対する増加した結合親和性は、分子の血清半減期を増加した(例えば、Kim et al.,Eur J Immunol.,24:2429,1994を参照されたい)。
【0248】
また、本開示のタンパク質の半減期は、例えば、Kim et al,Eur J of Immunol 24:542,1994により説明される方法に従って、薬物動態試験により測定することができる。この方法によれば、放射性標識化タンパク質がマウスに静脈注射され、その血漿濃度が時間の関数として定期的に、例えば注射後3分〜72時間の時点で測定される。このようにして得られたクリアランス曲線は、二相性である、すなわちアルファ相およびベータ相を有するはずである。タンパク質のin vivo半減期の決定のために、ベータ相におけるクリアランス速度が計算され、野生型または非修飾タンパク質のクリアランス速度と比較される。
【0249】
治療有効性の評価:
治療有効性を評価するためのアッセイは、タンパク質による中和の決定に関連して上述されている。
【0250】
別の例において、状態を治療するためのタンパク質の有効性は、in vivoアッセイを使用して評価される。
【0251】
例えば、タンパク質は、関節炎の動物モデルにおいて試験される。例示的モデルとしては、マウスのSKG系統(Sakaguchi et al.,Nature,426:454−460)、ラットII型コラーゲン関節炎モデル、マウスII型コラーゲン関節炎モデル、またはいくつかの種における抗原誘発関節炎モデル(Bendele J Musculoskel Neuron Interact;1(4):377−385,2001)が挙げられる。これらのアッセイにおいて、関節炎が誘発され、関節炎の1つ以上の症状、例えば、関節の炎症および/または関節液中の炎症のマーカーを低減するタンパク質の能力が評価される。関節炎の症状を低減するタンパク質は、この状態またはG−CSFによって媒介される状態(例えば、G−CSF媒介炎症性状態)の治療に有用であるとみなされる。
【0252】
タンパク質はまた、または代替的に、例えば非ヒト哺乳動物(例えば、マウス等のげっ歯類)が煙草の煙に暴露されるCOPDのモデルにおいて試験することができる。暴露後、哺乳動物にタンパク質が投与され、肺炎症のレベルおよび/または肺中の好中球の数が、標準的技法を用いて評価または推定される。肺炎症および/または好中球の数を低減するタンパク質は、肺炎症またはCOPDまたはG−CSFによって媒介される状態(例えば、G−CSF媒介炎症性肺状態等のG−CSF媒介炎症性状態)の治療に有用であるとみなされる。
【0253】
本明細書に記載のタンパク質はまた、炎症性神経疾患のin vivoモデルにおいて試験することができる。例示的なモデルとしてはEAEモデルが挙げられ、マウスまたはラットが髄鞘タンパク質またはそれから得られたペプチド(例えば、MOG、MBPまたはPLP)で免疫化され、タンパク質に対して免疫応答が生成されて、それによりMSのモデルが誘発される。代替的に、髄鞘タンパク質と免疫反応性であるT細胞をマウスまたはラットに導入して、EAEを誘発してもよい。例示的なEAEモデルは、例えばTsunoda and Fujinami,J Neuropathol Exp Neurol.55:673−686,1996において検討されている。
【0254】
MSの他のモデルは、髄鞘タンパク質、例えば、MOG、MBPまたはPLPに特異的なT細胞受容体を発現する形質転換動物を含む。例示的なモデルは、例えば、Bettelli et al.,JEM 197:1073−1081,2003;Illes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,101:11749−11754,2004;もしくはRossi et al.,J.Biomolecular Screening,12:481−489,2007に記載されており、または、例えばJackson Laboratories USAから市販されている(例えば、MOGと反応する形質転換T細胞受容体を有するマウス2D2)。
【0255】
さらなる例において、いずれかの例による本明細書に記載されるタンパク質は、ブドウ膜炎のモデルにおいて試験される。ブドウ膜炎のモデルは、非ヒト哺乳動物を、網膜アレスチン、リカバリンもしくはロドプシン等のタンパク質で免疫化することにより、または細菌内毒素を眼に投与することにより誘発されるものを含む。ブドウ膜炎の例示的なモデルは、例えば、Caspi,Drug Discovery Today,3:3−9,2006に記載されている。
【0256】
本開示のタンパク質はまた、血管新生のモデル、例えば、Iris Pharma Incの眼の血管新生のモデル、もしくはアルギン酸塩カプセル化腫瘍細胞モデルにおいて、および/または、対象における癌細胞の転移する能力を評価することにより試験することができる。
【0257】
治療される状態:
本開示は、対象においてG−CSFにより引き起こされる、または悪化させられる任意の条件の治療または予防を企図する。一例において、状態は、自己免疫性または炎症性状態である。
【0258】
一例において、炎症性または自己免疫性状態は、関節の炎症性状態、例えば炎症性関節炎、関節リウマチまたは特発性関節炎、例えば若年性特発性関節炎である。一例において、状態は、関節リウマチである。
【0259】
一例において、炎症性または自己免疫性状態は、眼の炎症性状態である。例えば、状態は、ブドウ膜炎である。
【0260】
一例において、炎症性または自己免疫性状態は、肺の炎症性状態、例えば好中球浸潤に関連した肺疾患、例えばCOPDである。一例において、状態は、COPDである。
【0261】
一例において、炎症性または自己免疫性状態は、神経の炎症性状態、例えばデビック病、脳におけるウイルス感染または多発性硬化症である。一例において、状態は、慢性進行性多発性硬化症または再発寛解型多発性硬化症.を含む多発性硬化症である。
【0262】
別の例において、状態は、癌(その血管新生を含む)またはその転移である。
【0263】
一例において、対象は、状態を治療するために使用される別の化合物による治療に耐性を有する、十分に反応しない、または不適切である。例えば、自己免疫性または炎症性状態に罹患する対象は、コルチコステロイド、および/または免疫抑制剤、および/またはシクロホスファミド、および/またはメトトレキセート、および/または抗TNF抗体もしくは可溶性TNF受容体、および/または抗CD20抗体、および/または抗IL6抗体、および/または抗CD22抗体による治療に耐性を有する、十分に反応しない、または不適切である。
【0264】
組成物:
いくつかの例において、本明細書に記載のタンパク質は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、吸着により、吸収により、局所的に、経直腸的に、経鼻的に、頬内に、経膣的に、心室内に、従来の非毒性の薬学的に許容される担体を含有する投薬製剤としての埋め込み型容器から、または任意の他の従来の投薬形態により投与することができる。本明細書において使用される場合、用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、心室内、胸骨内、および頭蓋内注射または注入技法を含む。
【0265】
タンパク質を対象への投与に好適な形態(例えば薬学的組成物)に調製するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences (18th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1990)およびU.S.Pharmacopeia:National Formulary(Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1984)に記載されるような方法を含む。
【0266】
本開示の薬学的組成物は、非経口投与、例えば静脈内投与、あるいは体腔または器官もしくは関節の内腔への投与に特に有用である。投与用組成物は、一般に、薬学的に許容される担体、例えば水性担体に溶解したタンパク質の溶液を含む。様々な水性担体、例えば緩衝生理食塩水等を使用することができる。組成物は、生理学的状態に近似するために必要とされるような薬学的に許容される補助物質、例えばpH調整および緩衝剤、毒性調整剤等、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等を含有してもよい。これらの製剤中の本開示のタンパク質の濃度は、広く変動することができ、選択される特定の投与形態および患者の必要性に従い、主に流体体積、粘度、体重等に基づいて選択される。例示的な担体は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミンを含む。混合油およびオレイン酸エチル等の非水性ビヒクルもまた使用され得る。リポソームも担体として使用され得る。ビヒクルは、等張性および化学的安定性を高める微量の添加剤、例えば、緩衝液および保存料を含有してもよい。
【0267】
製剤化後、本開示のタンパク質は、投薬製剤に適合する様式で、および治療上/予防上効果的であるような量で投与される。製剤は、上述の注射溶液の種類等の様々な投薬形態で容易に投与されるが、他の薬学的に許容される形態、例えば、錠剤、ピル、カプセル剤、または他の経口投与用固形物、坐剤、ペッサリー、点鼻液またはスプレー、エアロゾル、吸入剤、リポソーム形態等もまた企図される。薬学的な「持続放出」カプセルまたは組成物も使用され得る。持続放出製剤は、一般に、長期間にわたり一定の薬物レベルを提供するように設計され、本開示の化合物を送達するために使用され得る。
【0268】
WO2002/080967は、例えば喘息の治療のための、抗体を含む組成物およびエアロゾル化された組成物を投与するための方法を記載しており、これもまた本開示のタンパク質の投与に好適である。
【0269】
併用療法:
一例において、本開示のタンパク質は、組み合わされた、もしくは追加的な治療ステップとして、または治療製剤の追加的構成成分として、本明細書に記載の疾患または状態を治療するために有用な別の化合物と併用して投与される。
【0270】
例えば、他の化合物は、抗炎症化合物である。代替的または付加的に、他の化合物は免疫抑制剤である。代替的または付加的に、他の化合物はコルチコステロイド、例えばプレドニゾンおよび/またはプレドニゾロンである。代替的または付加的に、他の化合物はメトトレキセートである。代替的または付加的に、他の化合物はシクロホスファミドである。代替的または付加的に、他の化合物はミコフェノール酸モフェチルである。代替的または付加的に、他の化合物は抗CD20抗体(例えば、リツキシマブまたはオファツムマブ)である。代替的または付加的に、他の化合物は抗CD22抗体(例えばエプラツズマブ)である。代替的または付加的に、他の化合物は抗TNF抗体(例えば、インフリキシマブもしくはアダリムマブもしくはゴリムマブ)または可溶性TNF受容体(例えばエタネルセプト)である。代替的または付加的に、他の化合物はCTLA−4拮抗薬(例えば、アバタセプト、CTLA4−Ig)である。代替的または付加的に、他の化合物は抗IL−6抗体である。代替的または付加的に、他の化合物はBLys拮抗薬、例えば抗BLys抗体(例えばベリムマブ)である。
【0271】
別の例において、他の化合物は、化学療法薬または癌治療に使用される他の薬物である。
【0272】
別の例において、本明細書に記載されるタンパク質は、癌の治療のための放射線療法の前または後に投与される。
【0273】
投与の用量およびタイミング:
本開示のタンパク質の好適な用量は、具体的なタンパク質、治療される状態および/または治療されている対象に依存して変動する。例えば、準最適用量で開始し、用量を増加的に変更して最適または有用な用量を決定することにより好適な用量を決定することは、熟練した医師の能力の範囲内である。代替的に、治療/予防に適切な用量を決定するために、細胞培養アッセイまたは動物試験からのデータが使用され、好適な用量は、毒性をほとんど、または全く有さない活性化合物のED
50を含む血中濃度の範囲内である。用量は、使用される投薬形態、および利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動し得る。治療上/予防上効果的な用量は、まず細胞培養アッセイから推定され得る。用量は、動物モデルにおいて、細胞培養において決定されるようなIC
50(すなわち、症状の最大阻害の半分を達成する化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように調剤され得る。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定され得る。
【0274】
いくつかの例において、本開示の方法は、予防上または治療上有効な量の本明細書に記載されるタンパク質を投与することを含む。
【0275】
用語「治療上有効な量」は、治療を必要とする対象に投与された場合、対象の予後および/もしくは状態を改善する、ならびに/または、本明細書に記載の臨床状態の1つ以上の症状を、その状態の臨床的診断もしくは臨床的特性として観察および認められるレベルを下回るレベルまで低減もしくは阻害する量である。対象に投与される量は、治療される状態の具体的特徴、治療されている状態の種類および段階、投与形態、ならびに対象の特徴、例えば全体的な健康状態、他の疾患、年齢、性別、遺伝子型、および体重等に依存する。当業者は、これらおよび他の因子に依存して適切な用量を決定することができる。したがって、この用語は、本開示を特定の量、例えばタンパク質(複数を含む)の重さまたは量に限定するように解釈されるべきではなく、むしろ、本開示は、対象において上述の結果を達成するために十分なタンパク質(複数を含む)の任意の量を包含する。一例において、タンパク質の治療上効果的な量は、好中球減少症を誘発しない。
【0276】
本明細書において使用される場合、用語「予防上効果的な量」は、臨床状態の1つ以上の検出可能な症状の発生を予防または阻害または遅延させるために十分な量のタンパク質を意味するように解釈されるべきである。当業者は、そのような量が、例えば、投与される特定のタンパク質(複数を含む)、および/または具体的な対象、および/または状態の種類もしくは重傷度もしくはレベル、および/またはその状態になりやすい傾向(遺伝的もしくはその他)に依存して変動することを認識するであろう。したがって、この用語は、本開示を特定の量、例えばタンパク質(複数を含む)の重さまたは量に限定するように解釈されるべきではなく、むしろ、本開示は、対象において上述の結果を達成するために十分なタンパク質(複数を含む)の任意の量を包含する。一例において、タンパク質の予防上効果的な量は、好中球減少症を誘発しない。
【0277】
本明細書に記載のタンパク質のin vivo投与の場合、通常の用量は、1日当たり約10ng/kg〜約100mg/kg(個人の体重)またはそれ以上まで変動し得る。例示的な用量およびその範囲は、本明細書に記載される。数日以上にわたる反復投与の場合、治療される疾患または障害の重傷度に依存して、治療は、症状の所望の抑制が達成されるまで持続され得る。
【0278】
いくつかの例において、タンパク質は、約1mg/kg〜約30mg/kg、例えば約1mg/kg〜約10mg/kg、または約1mg/kg、または約2mg/kg、または5mg/kgの初期(または負荷)用量で投与される。次いで、タンパク質は、約0.01mg/kg〜約2mg/kg、例えば約0.05mg/kg〜約1mg/kg、例えば約0.1mg/kg〜約1mg/kg、例えば約0.1mg/kg、または0.5mg/kg、または1mg/kgのより低い維持容量で投与され得る。維持用量は、7〜30日毎に、例えば10〜15日毎に、例えば10日、または11日、または12日、または13日、または14日、または15日毎に投与され得る。
【0279】
いくつかの例において、タンパク質は、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、例えば約0.05mg/kg〜約30mg/kg、例えば約0.1mg/kg〜約20mg/kg、例えば約0.1mg/kg〜約10mg/kg、例えば約0.1mg/kg〜約2mg/kgの用量で投与される。例えば、タンパク質は、約0.01mg/kg〜約5mg/kg、例えば約0.1mg/kg〜約2mg/kg、例えば約0.2mg/kg、または0.3mg/kg、または0.5mg/kg、または1mg/kg、または1.5mg/kg(例えば、より高い負荷用量もしくはより低い維持容量なしに)の用量で投与される。いくつかの例において、複数の用量が投与され、例えば7〜30日毎、例えば10〜22日毎、例えば10〜15日毎、例えば10日、または11日、または12日、または13日、または14日、または15日、または16日、または17日、または18日、または19日、または20日、または21日、または22日毎に投与される。例えば、タンパク質は、7日毎、または14日毎、または21日毎に投与される。
【0280】
いくつかの例において、治療を開始する時点で、哺乳動物に、連続7日以内、または連続6日以内、または連続5日以内、または連続4日以内でタンパク質が投与される。
【0281】
治療に十分に反応しない哺乳動物の場合、1週間に複数の用量が投与されてもよい。代替的に、または加えて、増加する容量が投与されてもよい。
【0282】
別の例において、有害な反応を経験している哺乳動物の場合、初期(または負荷)用量を、1週間で複数の日数にわたり、または複数の連続する日数にわたり分割してもよい。
【0283】
本開示の方法によるタンパク質の投与は、例えば、受容者の生理学的状態、投与の目的が治療もしくは予防であるか、または当業者に既知である他の因子に依存して、連続的または断続的であってもよい。タンパク質の投与は、事前に選択された期間にわたり実質的に連続的であってもよく、または、例えば状態の進行中もしくは進行後における一連の隔てられた用量であってもよい。
【0284】
方法:
G−CSFRのIgおよびCRHドメインは、リガンド結合および受容体の二量体化に関与する(Layton et al.,J.Biol Chem,272:29735−29741,1997およびFukunaga et al,EMBO J.10:2855−2865 1991)。受容体のこれらの部分を含むG−CSFRの可溶性形態(C末端ポリヒスチジンタグまたはFc配列のいずれかを有する)は、受容体の種々の研究において使用されており、受容体の78位、163位、および228位における遊離システインの突然変異は、リガンド結合に影響することなく可溶性受容体ポリペプチドの発現および単離を補助する(Mine et al.,Biochem.,43:2458−2464,2004)。本研究において、突然変異C78A、C163SおよびC228Sを有するhG−CSFRのアミノ酸25〜335を含む受容体の可溶性形態が一般に使用され(例えば配列番号1)、システイン突然変異を有するcynoG−CSFRの対応するセグメントが、カニクイザル受容体に対する研究に一般に使用された。配列番号1の可溶性受容体の種々の点変異もまた利用されている。hG−CSFR−Fcへの言及は、C末端ポリヒスチジンタグがFc配列と置き換えられた配列番号1のポリペプチドを意味する。cynoG−CSFR−Fcは、Fc配列がそのC末端に結合したcynoG−CSFRの対応するセグメントを意味する。いくつかの場合において、野生型受容体の対応する細胞外ドメインが使用されており、これらの場合においてはそのことに特に留意されたい。本発明者は、抗体およびその抗原結合部位(例えば、Fab)を含むタンパク質が、野生型hG−CSFポリペプチドおよびこれらの変異タンパク質に極めて類似した親和性で結合することを示した。したがって、変異タンパク質を使用した研究は、野生型hG−CSFRを使用した研究のモデルである。
【0285】
ファージディスプレイライブラリからのFabの同定:
ファージディスプレイライブラリを、G−CSFリガンドの添加後に溶出したhG−CSFRに結合するクローンについてスクリーニングした。Fabを、hG−CSFRに結合するその能力、完全なG−CSF結合、およびカニクイザルG−CSFR交差反応性について評価し、いくつかのクローンがIgG4抗体として再フォーマットされた。次いで、G−CSFの存在下でCFU−G形成を阻害するための、hG−CSFRで安定にトランスフェクトされたBaF3細胞株におけるG−CSF媒介増殖の中性化(以下に記載)により、効能を試験した。
【0286】
IgG発現のための哺乳動物発現ベクター構築:
標準的分子生物学的技術を用いて、軽鎖全体(可変および定常ドメイン)ならびに重鎖の可変領域を、選択されたファージ由来Fabコンストラクトからクローニングすることにより、哺乳動物発現ベクターを構築した。
【0287】
細胞培養および一過性トランスフェクション:
無血清懸濁液適応293−T細胞を、Genechoice Inc.から入手した。ペニシリン/ストレプトマイシン/ファンギゾン(fungizone)試薬(Invitrogen社)を添加したFreeStyle(商標)Expression Medium(Invitrogen社)中で細胞を培養した。トランスフェクションの前に、加湿したインキュベータ内で細胞を8%CO
2の雰囲気で37℃に維持した。
【0288】
293fectinトランスフェクション試薬(Invitrogen社)を使用して、製造者の指示に従い、293−T細胞を使用した哺乳動物発現ベクターの一過性トランスフェクションを行った。5日間のインキュベーション後、細胞培養の上清を、2500rpmでの遠心分離により採取し、次いで0.45μMフィルタ(Nalgene社)に通過させてから、IgG精製の標準的方法を用いて精製した。
【0289】
対照抗体:
マウスモノクローナル抗体711、744および774(Layton et al.,Growth Factors,14:117−130,1997)を対照マウス抗体として使用した。
【0290】
Fabの親和性測定:
G−CSFRまたはG−CSFR−Fcに対するFabの親和性を測定するために、Fabを大腸菌において発現させ、親和性をBiacore 2000を使用して測定した。
【0291】
mAbの結合反応速度の測定:
抗ヒト(ヤギ抗ヒトIgG(ガンマ)マウス吸着、Invitrogen社、カタログ番号H10500)または抗マウスFc特異的抗体(Jackson Immuno Research Labs inc.カタログ番号515−005−071)を、アミンカップリング化学を使用してCM−5センサ表面上に化学的に固定化した。
【0292】
次いで、固定化抗体を使用して、溶液からの抗hG−CSFR mAbを捕捉した。次いで、可溶性hG−CSFRタンパク質(方法の項に記載の通り)を、種々の濃度で捕捉されたmAb上に注入した。mAbsを0.3μg/mlで180秒間捕捉した。0、1.25、2.5、5、10、20および40nMの可溶性hG−CSFR(2回)を、10分間注入し、解離を30分間監視した。参照フローセル(mAbは捕捉されていないが、それ以外は同一に処理されている)からの反応を差し引いた。次いで、ブランク注入からの反応を、得られたセンサグラムから差し引いた。
【0293】
最終的な補正された反応を、物質移動制限の項を含めて、非線形回帰を用いて1:1の反応速度を説明するモデルにフィッティングした。捕捉されたmAbのレベルの若干の偏差を考慮するために、Rmax値を局所的にフィッティングした。平衡解離定数(KD)を決定した。
【0294】
Fab C1.2、5D11、711および744の反応速度分析:
Fab断片をパパイン分解により生成したが、パパイン分解キット(Sigma社、USA)を使用して、指示に従い、3mgの抗体を事前に活性化されたパパインで40分間分解(1:500)させた。得られたFabを、タンパク質A精製(mAbSelect、GE社、Sweden)を用いて、残留Fcおよび未分解抗体から吸着により精製した。
【0295】
Biacore 2000(GE社、Sweden)を使用して、Fab抗体(0.1mg/mlのBSA中100nM〜0.39nM)の2倍希釈を用い、30μl/分の流量でFabの2回のバイオセンサ分析を行った。対照固定化ブランク、固定化cynoG−CSFR−Fc、固定化ヒトG−CSFR−Fcおよび固定化ヒトG−CSFRを含有する各フローセルに対して、結合(100μl)を監視した。NHS/EDCカップリングキットを使用して、製造者の指示(Biacore GE社、Sweden)に従い、受容体タンパク質(20mM酢酸ナトリウム(pH4.5)中1ml当たり20μg)をCM5チップに事前に固定化した。標的固定化値は、cynoG−CSFR−Fc、hG−CSFR−FcおよびhG−CSFRに対し、それぞれ700、700および500共鳴単位に設定した。チップ固定化は、50mMエタノールアミン(pH8.0)でクエンチした。50mMリン酸を使用した残りの複合体の脱着の前に、表面結合の解離を1000秒間監視した。次いで、参照結合を対照チャネルから差し引き、Biacore 2000上でbiaevaluationソフトウェアを用いて反応速度を生成した。
【0296】
Biacore 2000を使用して、抗体(0.1mg/mlのBSA中312nM〜2.4nM)の2倍希釈を用い、30ul/分の流量でIgG4フォーマットにおける抗体c1.2および5D11の2回のバイオセンサ分析を行った。対照固定化ブランク、固定化cynoG−CSFR−Fc、固定化hG−CSFR−Fcおよび固定化hG−CSFRを含有する各フローセルに対して、結合(100μl)を監視した。NHS/EDCカップリングキットを使用して、製造者の指示(Biacore GE社、Sweden)に従い、受容体タンパク質(20mM酢酸ナトリウム(pH4.5)中1ml当たり20μg)をCM5チップに事前に固定化した。標的固定化値は、cynoG−CSFR−Fc、hG−CSFR−FcおよびhG−CSFRに対し、それぞれ700、700および500共鳴単位に設定した。チップ固定化は、50mMエタノールアミン(pH8.0)でクエンチした。50mMリン酸を使用した残りの複合体の脱着の前に、表面結合の解離を1000秒間監視した。次いで、参照結合を対照チャネルから差し引き、Biacore 2000上でbiaevaluationソフトウェアを用いて反応速度を生成した。
【0297】
親和性成熟C1.2G抗体のBIAcore mAb反応速度:
抗ヒト(ヤギ抗ヒトIgG(ガンマ)マウス吸着、Invitrogen社、カタログ番号H10500)を、アミンカップリング化学を使用してCM−5センサ表面上に化学的に固定化し、次いで、1mg/mlで3分間C1.2G親和性成熟抗hG−CSFR mAbを捕捉するために使用した。次いで、可溶性hG−CSFRを、0、10および40nMで捕捉されたmAb上に注入した。可溶性hG−CSFRを5分間注入し、解離を30分間監視した。参照フローセル(mAbは捕捉されていないが、それ以外は同一に処理されている)からの反応を差し引いた。次いで、ブランク注入からの反応を、得られたセンサグラムから差し引いた。
【0298】
最終的な補正された反応を、物質移動制限の項を含めて、非線形回帰を用いて1:1の反応速度を説明するモデルにフィッティングした。捕捉されたmAbのレベルの若干の偏差を説明するために、Rmax値を局所的にフィッティングした。会合速度(ka)、解離速度(kd)および平衡解離定数(K
D)を決定した。
【0299】
hG−CSFR/BaF3増殖バイオアッセイ−MTT還元:
hG−CSFRを発現するBaF3細胞を、Ludwig Institute Melbourneから入手した。抗hG−CSFR抗体によるG−CSF媒介増殖を評価するために、抗体の連続希釈物を、96ウェルプレートにおいて、5%FCSおよび0.5ng/mlのhGCSFを含むDME培地中の2×10
4細胞/ウェルに添加し、37℃、10%CO
2で48時間インキュベートした。細胞増殖をMTT還元により決定し、490nMでの吸光度により測定した。
【0300】
hG−CSFR/BaF3増殖バイオアッセイ−3H−チミジン組込み:
ヒトG−CSFRを発現するように操作され、ヒトG−CSFに応答して増殖するBAF/3細胞を使用して、G−CSFの活性を中和する種々のモノクローナル抗体の能力を測定した。96ウェルプレートにおいて、RPMI/105FCS中、10ng/mLのヒトG−CSFおよび増加する濃度の種々の抗G−CSFRモノクローナル抗体の存在下で、細胞を1×10
4細胞で37℃で48時間播種した。培養の最後の6時間の間、細胞に
3H−チミジンをパルス注入してから、ガラス繊維フィルタ上に採取し、DNA中に組み込まれた放射性チミジンのレベルを、液体シンチレーションカウンティングにより決定した。
【0301】
ヒトCFU−G前駆細胞バイオアッセイ:
CD34
+骨髄細胞を、10ng/ml幹細胞因子、10ng/mlのhG−CSFおよび滴定濃度の試験抗体の存在下で、半固体培地中でインキュベートした。14日間の培養後、CFU−Gを計数した。
【0302】
エピトープ比較−競合結合:
本実験のこの設計は、2抗体が同時に単一分子に結合することができるためには、それらの2抗体のエピトープが異なっていなければならないということを前提に構築される。
【0303】
表面固定化抗体により、配列番号1の可溶性G−CSFRを溶液から捕捉した。次いで、第2の抗体を複合体上に注入した。参照フローセル(可溶性hG−CSFRは捕捉されていないが、それ以外は同一に処理されている)からの反応を差し引いた。第2の抗体の結合は2抗体のエピトープが異なることを示す。
【0304】
抗体結合段階の終わりに測定された反応を、hG−CSFR捕捉段階の終わりの反応で除し、捕捉されたhG−CSFRの量に関して抗体結合レベルを補正した。次いで、これらの捕捉補正された反応を使用して、他の抗体の存在下における各抗体のhG−CSFRへの結合を比較した。
【0305】
抗体C1.2、5D11、711および744を、アミンカップリング化学を使用してCM−5センサ表面上に化学的に固定化した。可溶性hG−CSFRを100nMで180秒間捕捉した。次いで、抗体のそれぞれを、100nMで180秒間捕捉されたhG−CSFR上に2回注入した。緩衝液のみのブランク注入も行った。
【0306】
C1.2G、711、744および774のエピトープマッピング:
配列番号1の一連のアラニン点変異を生成し、HEK293細胞において発現させ、次いで精製した。抗体C1.2、744および774に対するこれらの変異体の結合親和性を測定し、配列番号1の結合親和性と比較した。突然変異が配列番号1の親和性からの2倍を超える親和性の変化をもたらす場合、その残基は、結合相互作用に寄与するとみなされ、したがってエピトープの中またはその近くに存在し得る。突然変異によりもたらされた任意の大きな構造的変化を説明するために、C1.2、744および774とは別個の異なるエピトープを有する第3のmAb(711)が対照として含まれた。
【0307】
抗ヒト(ヤギ抗ヒトIgG(ガンマ)マウス吸着、Invitrogen社、カタログ番号H10500)または抗マウスFc特異的抗体(Jackson Immuno Research Labs inc.カタログ番号515−005−071)を、アミンカップリング化学を使用してCM−5センサ表面上に化学的に固定化した。次いで、固定化抗体を使用して、溶液からの抗hG−CSFR mAbを捕捉した。次いで、野生型hG−CSFRリガンド結合ドメイン(配列番号1)および各アラニン点変異体を、種々の濃度で捕捉されたmAbs上に注入した。参照フローセル(mAbは捕捉されていないが、それ以外は同一に処理されている)からの反応を差し引いた。次いで、ブランク注入からの反応を、得られたセンサグラムから差し引いた。
【0308】
最終的な補正された反応を、物質移動制限の項を含めて、非線形回帰を用いて1:1の反応速度を説明するモデルにフィッティングした。捕捉されたmAbのレベルの若干の偏差を説明するために、Rmax値を局所的にフィッティングした。会合速度(ka)、解離速度(kd)および平衡解離定数(KD)を決定した。
【0309】
C1.2生殖系列mAbを0.3ug/mlで180秒間、711を1μg/mlで180秒間、ならびに744および774を5μg/mlで180秒間捕捉した。
【0310】
C1.2および744の反応速度においては、野生型hG−CSFRおよび各ala変異体を0、2、10、50および250nMで300秒間注入し、解離をさらに1800秒間監視した。
【0311】
抗体774の反応速度においては、野生型hG−CSFRおよび各ala変異体を0、2、10、50および250nMで300秒間注入し、解離をさらに600秒間監視した。
【0312】
抗体711の反応速度においては、野生型hG−CSFRおよび各ala変異体を0および100nMで180秒間注入し、解離をさらに180秒間監視した。
【0313】
実施例1(完全ヒト抗hG−CSFR抗体は、G−CSFのシグナル伝達の有効な阻害剤である):
上述の親和性測定およびBaF3増殖アッセイを使用して、抗体711および744を、hG−CSFRおよびG−CSF中和アッセイへの親和性について評価した。抗体711は、抗体744よりも大きい親和性でhG−CSFR−Fc融合物(方法において議論されたように配列番号1に基づく)に結合することが判明した(それぞれ0.86nMおよび8.7nMのK
D)。上述のMTTに基づくバイオアッセイを使用して、抗体711はまた、抗体744よりも有効にG−CSF媒介細胞増殖を阻害することが判明した(それぞれ8.8nMおよび2.4nMのIC
50(nM G−CSF))。
【0314】
3H−チミジン組込みアッセイを使用して、抗体711は、10.1μg/mlのIC
50でG−CSF媒介細胞増殖を阻害することが判明し、抗体774は、37.4μg/mlのIC
50でG−CSF媒介細胞増殖を阻害することが判明し、抗体744のIC
50は特定不可能であった(
図1を参照されたい)。
【0315】
ファージディスプレイライブラリから単離されたヒト抗体(抗体C1.2および5D11)ならびにマウスモノクローナル抗体711を、上述のバイオアッセイを使用して、BaF3細胞のG−CSF媒介増殖を阻害するそれらの能力について評価した。結果は、抗体C1.2が0.5nMのIC
50でBaF3増殖を阻害し、抗体5D11が5.9nMのIC
50で増殖を阻害し、711が3.4nMのIC
50で増殖を阻害することを示した。
【0316】
また、抗体を、上述のようにG−CSFの存在下でのCD34
+骨髄細胞によるCFU−G形成を低減または阻害するその能力について評価した。結果は、抗体C1.2が0.016nMのIC
50でCFU−G形成を阻害し、抗体5D11が0.039nMのIC
50でCFU−G形成を阻害し、711が0.411nMのIC
50でCFU−G形成を阻害することを示した。
【0317】
これらのアッセイに基づき、ヒト抗体C1.2および5D11は、CFU−G形成の阻害において711よりも有効であり、C1.2は両方のバイオアッセイにおいて最も有効な抗体である。
【0318】
実施例2(ヒトG−CSFRおよびカニクイザルG−CSFRに対する抗体の親和性):
5D11およびC1.2のFabおよびIgG4形態ならびに711および744のFabの親和性もまた評価し、hG−CSFR(配列番号1)、hG−CSFR−FcおよびカニクイザルG−CSFR−Fc(方法において議論されるように配列番号1に基づく)のリガンド結合ドメインに対するそれらの親和性を決定した。これらのアッセイにおいて、G−CSFRの領域を固定化し、示された抗体または断片の固定化ポリペプチドへの結合を、一般的方法(「Fab C1.2、5D11、711および744の反応速度分析」という表題の項)においてより詳細に説明されるように決定した。結果を表1に示す。
【表1】
【0319】
これらのデータは、5D11およびC1.2がhG−CSFRに対する高い親和性を有すること、ならびに、これらの親和性はFabが完全IgG4抗体として発現されると改善されることを示している。さらに、5D11またはC1.2のhG−CSFRおよびcynoG−CSFRに対する親和性が類似している。C1.2は、hG−CSFRに対して5D11よりも高い親和性を有する。
【0320】
抗体711のFabは、0.86nMのhG−CSFR−Fcに対する親和性、および1.8μMのcynoG−CSFRに対する親和性を有することが示された。抗体744のFabは、8.7nMのhG−CSFR−Fcに対する親和性、および>10μMのcynoG−CSFRに対する親和性を有することが示された。したがって、これらのFabは、hG−CSFRに対して有するものよりもはるかに低い、cynoG−CSFRに対する親和性を有する。
【0321】
また、相互的なアッセイを行った(すなわち、抗体を固定化し、野生型h−GCSFRまたは野生型cynoG−CSFRの固定化抗体への結合を、一般的方法(「mAbの結合反応速度の測定」という表題の項)に従い決定した。代表的な結果を表2に示す。
【表2】
【0322】
これらのデータは、C1.2Gおよび5D11が、711、744および774よりも高い親和性で野生型cynoG−CSFRに結合することを示している。さらに、野生型hG−CSFRおよび野生型cynoG−CSFRに対するC1.2Gの親和性は互いの約3倍以内であり、野生型hG−CSFRおよび野生型cynoG−CSFRに対する5D11の親和性は互いの約13倍以内である。
【0323】
実施例3(C1.2の生殖系列化):
潜在的免疫原性を最小限化するために、C1.2の可変領域フレームワークを、最も近いヒト生殖系列フレームワークと一致するように変更した。これは、重鎖のフレームワークにおける単一の変更および軽鎖における5つの変更を必要とし、配列番号4に記載の配列を有するV
Hおよび配列番号5に記載の配列を有するV
Lをもたらした。G−CSFRに対する生殖系列化抗体(C1.2G)の親和性は、C1.2(k
a 9.54×10
4±5.5×10
3;k
d 1.31×10
−4±2.6×10
−6;K
D 1.37±0.07(N=8))と類似していた。BaF3細胞の細胞表面上に発現したhG−CSFRに対するC1.2Gの親和性は、257pMであることが示された。
【0324】
上述の
3H−チミジン組込みアッセイを使用して、抗体C1.2Gは、0.8μg/mlのIC
50でG−CSF媒介細胞増殖を阻害することが判明した(
図1)。
【0325】
この抗体の安定化IgG4への再フォーマットは、配列番号64に記載の配列を有する重鎖および配列番号65に記載の配列を有する軽鎖を含む抗体を生成した。
【0326】
CHO細胞内で発現すると、抗体のリジン変種が観察され、すなわち、重鎖の一方または両方がC末端リジン残基を欠失していた(すなわち、このようにして配列番号64に記載の配列を含む)。
【0327】
実施例4(エピトープマッピング):
競合結合:
公開されているデータは、mAb711およびmAb744がhG−CSFRの異なるドメインに結合することを示している。競合結合実験は、mAb744ではなくmAb711が、C1.2Abの結合に続いてhG−CSFRに結合することができることを示したが、これは、C1.2が、mAb744と同様の受容体の領域であるがmAb711の領域とは異なる領域に結合することを示唆している。
【0328】
C1.2結合に関与するペプチドを同定するためのエピトープ切断:
エピトープ切断に続く質量分析を使用して、C1.2の結合に関与するhG−CSFRの4つのペプチドを同定した。この方法において、hG−CSFRタンパク質は、まず固定化C1.2抗体に結合し、次いで、タンパク質分解酵素により分解される。次いで、結合したペプチドがMALDIおよびエレクトロスプレー質量分析により同定される。この手法により同定された4つのペプチドは、hG−CSFR(配列番号1)の111〜115、170〜176、218〜234および/または286〜300位にマッピングされる。
【0329】
hG−CSFR領域変異体へのC1.2およびmAb744の結合:
公開されているデータ(Tamada et al Proc Natl Acad Sci USA.103:3135−3140,2006;Aritomi et al Acta Crystallogr D Biol Crystallogr;56:751−753 1999)は、hG−CSFR上の表面残基を同定している。エピトープ切断実験により同定された4つのペプチド内に位置する複数のこれらの残基をアラニンで置換し、hG−CSFRの領域の得られた変異形態を発現させ精製した。これらの変異体のそれぞれに対するC1.2およびmAb744の結合を評価し、結合に関与する主要な残基を同定した。結果を
図2Aに示す。残基K167およびH168のアラニン置換は、mAb744による結合の完全な損失をもたらし、一方C1.2の結合は影響されなかった。対照的に、残基R287のアラニン置換は、C1.2による結合の完全な損失をもたらし、mAb744結合には影響しなかった。C1.2の結合を大幅に低減した他の残基は、L111、L171、Y172、M198およびH237であった。MAb744は、野生型受容体の親和性と同様の親和性でこれらの変異体に結合した。
【0330】
mAb774と共に同じ抗体を用いて上記アッセイを繰り返した。
図2Bに示されるように、残基K167、H168およびL169におけるアラニン置換は、mAb774による結合の完全な損失をもたらし、一方C1.2の結合は影響されなかった。mAb744と同様に、残基L111、Y172、H237およびR287のアラニン置換は、mAb774結合にほとんど、または全く影響しなかった。
【0331】
実施例5(C1.2Gの親和性成熟):
C1.2GのHCDR3および/またはLCDR3における残基を変異体化し、hG−CSFRに結合したFabについてスクリーニングすることにより、親和性成熟を行った。変異抗体のライブラリを、いくつかのパニングラウンドにわたり一定の濃度で、または減少する濃度で、ビオチニル化hG−CSFR−Fc組換えタンパク質を使用してパニングした。
【0332】
パニングの終了時に、それぞれの濃縮ライブラリから複数のファージクローンを選択し、配列決定した。次いで、配列に基づき固有のクローンを選択し、(「mAbの結合反応速度の測定」という表題の項における一般的方法に従う)Biacoreを使用したhG−CSFRに対する結合、およびいくつかの場合においては、BaF3細胞のG−CSF媒介増殖を阻害する能力の分析のために、完全ヒトIgG4/カッパ抗体に再フォーマットした。親C1.2G mAbと比較して改善された親和性を有する再フォーマットされた抗体を表3に列挙する。
【表3】
【0333】
実施例6(C1.2Gは、好中球減少症を誘発することなく好中球レベルを低減する):
カニクイザルに、ペグ化G−CSFを投与し、12時間後にC1.2G(10mg/kg)を投与した。
図3に示されるように、C1.2は、対照動物と比較して好中球のレベルを大幅に低減したが、好中球減少症を誘発しなかった。
【0334】
G−CSFの投与の2時間前に、カニクイザルに0.1mg/kg〜10mg/kgのC1.2Gを投薬する同様の実験もまた、対照動物と比較して好中球のレベルを低減したが、好中球減少症を誘発しなかった。