(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記工程標章明示手段は、第1のユーザと第2のユーザとの間で前記タスクの登録が成立した場合、第1のユーザの標章と第2のユーザの標章とを並べて、1組の標章として表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の工程管理サーバ。
時系列の複数の工程からなる1つ以上のタスクについて、ユーザの端末との間の確認要求と確認応答とからなる前記工程を進行させる工程管理サーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記工程毎に、前記端末へ確認要求メッセージを送信し、当該端末から確認応答メッセージを受信するまでの待ち時間を記録する待ち時間記録手段と、
前記工程毎に、待ち時間の統計値を算出する統計値算出手段と、
前記工程毎に、統計値の所定範囲毎に異なる標章を割り当てる標章割当手段と、
複数の各工程の標章を並べた工程標章を、少なくとも当該ユーザの端末へ明示する工程標章明示手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする工程管理サーバ用のプログラム。
時系列の複数の工程からなる1つ以上のタスクについて、ユーザの端末との間の確認要求と確認応答とからなる前記工程を進行させる端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記工程毎に、前記端末へ確認要求メッセージを送信し、当該端末から確認応答メッセージを受信するまでの待ち時間を記録する待ち時間記録手段と、
前記工程毎に、待ち時間の統計値を算出する統計値算出手段と、
前記工程毎に、統計値の所定範囲毎に異なる標章を割り当てる標章割当手段と、
複数の各工程の標章を並べた工程標章を、少なくとも当該ユーザの端末へ明示する工程標章明示手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする端末用のプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の発明者らは、タスク(業務プロセス)に含まれる各工程の業務を、第1のユーザと第2のユーザとの間で進行させる「人的資源管理システム用の工程管理サーバ」を開発している。これは、例えば人材紹介業や旅行業などのサービス業に用途がある。
工程管理サーバは、タスクに関するユーザ(業務依頼主と業務請負人)毎に、様々な情報(日時、場所、内容)について「確認要求メッセージ」を送信し、これに対する「確認応答メッセージ」を受信することを繰り返す。これによって、各ユーザは、工程管理サーバを仲介して、相手方が認知していることを確認し合いながら、各工程の業務を進行させていく。
【0007】
このような工程進行の中で、確認要求を直ぐに認知しない若しくは認知できない、又は、直ぐに確認応答メッセージを返信しない若しくは返信できない、とするユーザも多い。確認要求メッセージを送信した工程管理サーバは、ユーザからの確認応答メッセージの返信を待ち続けるか、リマインダとしての確認要求メッセージを再度送信することとなる。
【0008】
また、確認要求メッセージを受信してから確認応答メッセージを返信するまでに要する時間(待ち時間)は、そのユーザの性格や職場環境によって大きく異なる。確認要求メッセージの受信を認知した際に、確認応答メッセージを直ぐに返信するユーザもいれば、確認要求メッセージの受信を認知しても、確認応答を直ぐに返信せず、数日後に返信するユーザもいる。このように、ユーザの確認行動は、ユーザ毎に大きく異なる。
【0009】
更に、ユーザ自身が、確認要求メッセージを受信してから確認応答メッセージの返信が遅いことを認識していない場合も多い。特に、ユーザ自らの確認行動の遅さが、タスク全体の進行の遅延に影響していることさえも認識していない場合が多い。
【0010】
一番の問題は、確認要求メッセージを受信した際に、数日後に確認応答メッセージを返信するようなユーザほど、確認応答メッセージを直ぐに返信するユーザと比較して、タスクの内容を十分に認識せず、後日、重大なトラブルを発生させる確率が高いということにある。即ち、重大なトラブルの裏には、確認応答を直ぐに返信しようとしないという、そのユーザ自身の性格や職場環境に大きく依存したユーザの確認行動があると考えられる。
【0011】
尚、前述した特許文献1及び2によれば、業務フローをシステム的に管理しようとするものであって、各工程で発生する正常又は異常に関する多様な情報が、それら工程の間を結ぶリンクの中で表示されるに過ぎない。即ち、ユーザの確認行動を対象としたものではない。
【0012】
これに対し、本願の発明者らは、ユーザの確認行動が、タスクにおける工程の進捗の中で、ユーザ自身や、他のユーザ、工程管理のオペレータに認識されれば、そのユーザの確認行動に注意を向けることができるのではないか、と考えた。
【0013】
そこで、本発明は、ユーザの確認行動を認識することができる工程管理サーバ、端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、時系列の複数の工程からなる1つ以上のタスクについて、ユーザの端末との間の確認要求と確認応答とからなる工程を進行させる工程管理サーバであって、
工程毎に、端末へ確認要求メッセージを送信し、当該端末から確認応答メッセージを受信するまでの待ち時間を記録する待ち時間記録手段と、
工程毎に、待ち時間の統計値を算出する統計値算出手段と、
工程毎に、統計値の所定範囲毎に異なる標章を割り当てる標章割当手段と、
複数の各工程の標章を並べた工程標章を、少なくとも当該ユーザの端末へ明示する工程標章明示手段と
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の工程管理サーバにおける他の実施形態によれば、
工程標章は、複数の各工程の標章を、時系列に一定方向へ並べたものである
ことも好ましい。
【0016】
本発明の工程管理サーバにおける他の実施形態によれば、
標章とは、人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音であり、
標章割当手段は、待ち時間が長い統計値が含まれる所定範囲ほど、人が要注意をイメージする標章を割り当てることも好ましい。
【0017】
本発明の工程管理サーバにおける他の実施形態によれば、標章が色である場合、
工程標章は、各工程に対応する一定形状の複数の標章を一方向に連結させ、各工程の一定形状の色を当該標章に割り当てられた色で塗りつぶしたものであり、又は、
工程標章は、各工程に対応する扇形状の複数の標章を円周方向に連結させ、各工程の扇形状の色を当該標章に割り当てられた色で塗りつぶされたものである
ことも好ましい。
【0018】
本発明の工程管理サーバにおける他の実施形態によれば、
統計値とは、平均値、最頻値(モード)、中央値(メジアン)、分散、標準偏差、共分散、相関係数、最大値又は最小値である
ことも好ましい。
【0019】
本発明の工程管理サーバにおける他の実施形態によれば、
ユーザ毎に所持された端末との間で、
待ち時間記録手段は、ユーザ毎に、各タスクの各工程について待ち時間を記録し、
統計値算出手段は、ユーザ毎に、同一種類の各工程について、複数のタスクにおける待ち時間の統計値を算出し、
標章割当手段は、ユーザ毎に、各工程に標章を割り当て、
工程標章明示手段は、工程標章を、他のユーザによって所持された端末へ明示することも好ましい。
【0020】
本発明の工程管理サーバにおける他の実施形態によれば、
工程標章明示手段は、ユーザ同士でタスクの登録が成立した場合、両ユーザの工程標章を並べて1組の工程標章として表示することも好ましい。
【0021】
本発明の工程管理サーバにおける他の実施形態によれば、
統計値算出手段は、直近から遡って所定期間に含まれるタスクのみについて、統計値を算出することも好ましい。
【0022】
本発明の工程管理サーバにおける他の実施形態によれば、
確認要求メッセージは、確認応答のURL(Uniform Resouece Locator)が記述されたメッセージであり、
確認応答メッセージは、端末に明示されたURLに対するユーザ操作によって送信されるページ要求であることも好ましい。
【0023】
本発明の工程管理サーバにおける他の実施形態によれば、
各タスクの各工程について「異議」が生じたか否かを更に記録する異議記録手段を更に有し、
標章割当手段は、異議が生じた工程について、当該標章が属する所定範囲よりも、次に後続する所定範囲の標章を割り当てる
ことも好ましい。
【0024】
本発明によれば、時系列の複数の工程からなる1つ以上のタスクについて、ユーザの端末との間の確認要求と確認応答とからなる工程を進行させる工程管理サーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
工程毎に、端末へ確認要求メッセージを送信し、当該端末から確認応答メッセージを受信するまでの待ち時間を記録する待ち時間記録手段と、
工程毎に、待ち時間の統計値を算出する統計値算出手段と、
工程毎に、統計値の所定範囲毎に異なる標章を割り当てる標章割当手段と、
複数の各工程の標章を並べた工程標章を、少なくとも当該ユーザの端末へ明示する工程標章明示手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、時系列の複数の工程からなる1つ以上のタスクについて、ユーザの端末との間の確認要求と確認応答とからなる工程を進行させる端末であって、
工程毎に、端末へ確認要求メッセージを送信し、当該端末から確認応答メッセージを受信するまでの待ち時間を記録する待ち時間記録手段と、
工程毎に、待ち時間の統計値を算出する統計値算出手段と、
工程毎に、統計値の所定範囲毎に異なる標章を割り当てる標章割当手段と、
複数の各工程の標章を並べた工程標章を、少なくとも当該ユーザの端末へ明示する工程標章明示手段と
を有することを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、時系列の複数の工程からなる1つ以上のタスクについて、ユーザの端末との間の確認要求と確認応答とからなる工程を進行させる端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
工程毎に、端末へ確認要求メッセージを送信し、当該端末から確認応答メッセージを受信するまでの待ち時間を記録する待ち時間記録手段と、
工程毎に、待ち時間の統計値を算出する統計値算出手段と、
工程毎に、統計値の所定範囲毎に異なる標章を割り当てる標章割当手段と、
複数の各工程の標章を並べた工程標章を、少なくとも当該ユーザの端末へ明示する工程標章明示手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の工程管理サーバ、端末及びプログラムによれば、ユーザの確認行動を認識することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
図1は、タスクに対して複数の工程が進行するシーケンス図である。
【0031】
工程管理サーバ1は、インターネット及びアクセスネットワーク(携帯電話網)を介して、ユーザによって所持される端末2A及び2Bと通信する。
図1によれば、端末2Aは、例えば業務依頼主のユーザAが操作するものであり、端末2Bは、例えば業務請負人のユーザBが操作するものである。
【0032】
また、工程管理サーバ1は、タスク毎に、時系列の複数の工程を管理する。工程管理サーバ1は、端末2A及び2Bへ確認要求メッセージを送信し、確認応答メッセージを受信することによって工程を進行させる。
「タスク」とは、業務プロセスを意味し、1つ以上の工程から構成される。
「工程」とは、タスクの中で、工程管理サーバ1が端末2へ確認要求メッセージを送信し、その端末2から確認応答メッセージを受信するシーケンスを意味する。
「確認要求メッセージ」とは、工程管理サーバ1が端末2へ送信するメッセージであって、ユーザにタスクの内容の確認を要求するものである。このメッセージには、確認応答のURL(Uniform Resouece Locator)が記述されている。
「確認応答メッセージ」とは、端末2が工程管理サーバ1へ返信するものであり、確認要求メッセージに記述されたタスクの内容を確認したことを意味するものである。確認応答メッセージは、確認要求メッセージに明示されたURLに対するユーザ操作によって送信されるページ要求であってもよい。
尚、URLに対するユーザ操作としては、例えば、タッチパネルディスプレイに表示されたURLに対する指先のタップ操作や、ディスプレイに表示されたURLに対するマウスポインタのクリック操作がある。
【0033】
図1によれば、業務依頼主であるユーザAが、端末2Aを用いて工程管理サーバ1へ、あるタスクを依頼したとする。
一方で、業務請負人であるユーザBが、端末2Bを用いて工程管理サーバ1へ、そのタスクを請負ったとする。
ここでは、タスクの登録から業務当日まで3つの工程を有する。
【0034】
(S1)工程管理サーバ1は、登録時のタスクの内容が記述された確認要求メッセージを、ユーザA及びユーザBの両方へ送信する。確認要求メッセージには、確認応答メッセージの返信に相当するページのURLが記述されている。
ユーザAは、確認要求メッセージのタスクの内容を直ぐに確認し、URLをクリック操作することによって、端末2Aから工程管理サーバ1へ確認応答メッセージを返信したとする。工程管理サーバ1は、ユーザAから確認応答メッセージを受信した旨を、ユーザBへ通知する。
一方で、ユーザBは、確認要求メッセージのタスクの内容を直ぐに確認せず、面倒に思っていたとする。このとき、ユーザAとしては、ユーザBの確認応答の通知が遅いことを気にしていたとする。例えば3日後、ユーザBは、確認要求メッセージのタスクの内容を確認し、URLをタップ操作することによって、端末2Bから工程管理サーバ1へ確認応答メッセージを返信したとする。工程管理サーバ1は、ユーザBから確認応答メッセージを受信した旨を、ユーザAへ通知する。ユーザAは、ユーザBから確認応答メッセージが返信された旨の通知を受信することよって、安堵することとなる。
【0035】
(S2)工程管理サーバ1は、例えば業務当日の1週間前に、タスクの内容が記述された確認要求メッセージを、ユーザA及びユーザBの両方へ送信する。
ユーザBは、確認要求メッセージのタスクの内容を直ぐに確認し、URLをタップ操作することによって、端末2Bから工程管理サーバ1へ確認応答メッセージを返信したとする。工程管理サーバ1は、ユーザBから確認応答メッセージを受信した旨を、ユーザAへ通知する。
一方で、ユーザAは、確認要求メッセージのタスクの内容を直ぐに認知したが、忙しく思い、直ぐにURLをタップしなかったとする。このとき、ユーザBとしては、ユーザAの確認応答の通知が遅いことを気にしていたとする。例えば2日後、ユーザAは、確認要求メッセージに記述されたURLをクリック操作することによって、端末2Aから工程管理サーバ1へ確認応答メッセージを返信したとする。工程管理サーバ1は、ユーザAから確認応答メッセージを受信した旨を、ユーザBへ通知する。ユーザBは、ユーザAから確認応答メッセージが返信された旨の通知を受信することよって、安堵することとなる。
【0036】
(S3)工程管理サーバ1は、業務前日に、タスクの内容が記述された確認要求メッセージを、ユーザA及びユーザBの両方へ送信する。
ユーザAは、確認要求メッセージのタスクの内容を直ぐに確認し、URLをクリック操作することによって、端末2Aから工程管理サーバ1へ確認応答メッセージを返信したとする。工程管理サーバ1は、ユーザAから確認応答メッセージを受信した旨を、ユーザBへ通知する。
一方で、ユーザBは、確認要求メッセージのタスクの内容を直ぐに認知したが、面倒に思って、URLをタップ操作しなかったとする。ユーザBとしては、仕事をしっかりやればいいと、勝手に思い込んでいたとする。このとき、ユーザAとしては、ユーザBの前日の確認応答の通知が無いこと気にしていたとする。業務当日に、ユーザAは、ユーザBの確認応答の通知が無いために混乱している時に、ユーザBは、タスクのとおりの時刻に業務の場所に来たとする。ユーザAとしては、ユーザBの連絡のルーズさに振り回されることとなる。
【0037】
図1のシーケンスのようなシーケンスは、一般的なユーザの確認行動である。このようなシーケンスに対して、本発明の工程管理サーバ1は、ユーザの確認行動を可視化することができる。
【0038】
尚、
図1のシーケンスによれば、「確認要求」及び「確認応答」並びに「通知」は、メッセージやメールに限られず、例えばユーザがログインしたマイページ上に表示されるものであってもよい。即ち、業務依頼主と業務請負人との間で、タスクの内容を確認するために、Webサーバのマイページ上で、確認要求及び確認応答がやりとりされるものであってもよい。後述する本発明の特徴的な工程標章も、そのマイページに表示される。
【0039】
図2は、本発明における工程管理サーバの機能構成図である。
【0040】
図2によれば、工程管理サーバ1は、タスク工程管理部100と、確認要求送信部101と、確認応答受信部102と、待ち時間記録部11と、統計値算出部12と、標章割当部13と、工程標章明示部14と、異議記録部15とを有する。これら機能構成部は、工程管理サーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0041】
タスク工程管理部100は、タスク(業務プロセス)毎に、業務の日時及び内容と、各工程でユーザに確認する日時及び内容とが蓄積されている。
確認要求送信部101は、タスク工程管理部100におけるユーザへの確認日時に、そのユーザのアドレスへ「確認要求メッセージ」を送信し、その送信タイミングを、待ち時間記録部11へ通知する。
確認応答受信部102は、ユーザから「確認応答メッセージ」を受信した際に、その受信タイミングを、待ち時間記録部11へ通知する。
【0042】
[待ち時間記録部11]
待ち時間記録部11は、工程毎に、端末2へ確認要求メッセージを送信し、当該端末2から確認応答メッセージを受信するまでの「待ち時間」を記録する。待ち時間記録部11は、ユーザ毎に、各タスクにおける1つ以上の工程について待ち時間を記録する。それら待ち時間は、統計値算出部12へ出力される。
【0043】
図3は、本発明における工程毎の待ち時間を記録する説明図である。
【0044】
図3によれば、
図1のユーザBに対するシーケンスと同じものである。工程管理サーバ1は、タスク毎に、各工程(
図3では3工程)で、「待ち時間」を記録する。工程管理サーバ1は、業務依頼主及び業務請負人の全てのユーザについて、タスク毎に、各工程の待ち時間を記録する。
【0045】
[統計値算出部12]
統計値算出部12は、工程毎に、待ち時間の統計値を算出する。算出した統計値は、標章割当部13へ出力する。
ここで、「統計値」とは、平均値、最頻値(モード)、中央値(メジアン)、分散、標準偏差、共分散、相関係数、最大値又は最小値であってもよい。
統計値算出部12は、ユーザ毎に、同一種類の各工程について、複数のタスクにおける待ち時間の統計値を算出する。ユーザ毎の各工程における待ち時間の統計値は、標章割当部13へ出力される。
【0046】
また、統計値算出部12は、直近から遡って所定期間(例えば1ヶ月)に含まれるタスクのみについて、統計値を算出することも好ましい。これによって、ユーザの過去1ヶ月における確認行動のみを評価することができる。ユーザ自身が、確認応答を迅速に対応するように改めた場合、少なくとも1ヶ月後には、待ち時間に関する統計値も改善されることとなる。
【0047】
尚、以下の実施形態の中では、統計値は、待ち時間の「平均値」であるとして説明する。
【0048】
図4は、本発明における統計値算出部、標章割当部及び工程標章割当部の処理を表す説明図である。
【0049】
ユーザBについて、例えば複数のタスクにおける工程1(第1の確認応答)の平均待ち時間は、1.5日である。また、複数のタスクにおける工程2(第2の確認応答)の平均待ち時間は、4日である。更に、複数のタスクにおける工程3(第3の確認応答)の平均待ち時間は、18時間である。
【0050】
[標章割当部13]
標章割当部13は、工程毎に、統計値の所定範囲毎に異なる標章を割り当てる。
【0051】
ここで、「標章」とは、人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音をいう。
標章割当部13は、平均待ち時間が長く(待ち時間の統計値が大きい又は小さい)なるほど、人が要注意をイメージする標章を割り当てる。
【0052】
図4によれば、平均待ち時間(待ち時間の統計値)における時間経過の所定範囲毎に区分されている。ここでは、「1日以下」「3日以下」「4日以上」に区分されている。そして、標章は、平均待ち時間の所定範囲に応じて、例えば以下のように3つにランク付けして表される。
[平均待ち時間] [短い] [中程度] [長い]
[標章(文字)] (^o^) (^_^;) (>_<)
[標章(図形)] (☆☆☆) (☆☆−) (☆−−)
[標章(記号)] ◎ ○ △
[標章(色彩)] 青 黄 赤
[標章(音)] ピンポン ピー ブー
標章割当部13は、ユーザ毎に、各工程に標章を割り当て、それら標章を、工程標章明示部14へ出力する。
【0053】
ユーザBについて、工程1(第1の確認応答)の平均待ち時間は、1.5日であるために「3日以下」の所定範囲に該当する。その場合、ユーザBの工程1には、例えば以下の標章が割り当てられる。
[標章(文字)] (^_^;)
[標章(図形)] (☆☆−)
[標章(記号)] ○
[標章(色彩)] 黄
[標章(音)] ピー
【0054】
ユーザBについて、工程2(第2の確認応答)の平均待ち時間は、4日であるために「4日以上」の所定範囲に該当する。その場合、ユーザBの工程2には、例えば以下の標章が割り当てられる。
[標章(文字)] (>_<)
[標章(図形)] (☆−−)
[標章(記号)] △
[標章(色彩)] 赤
[標章(音)] ブー
【0055】
ユーザBについて、工程3(第3の確認応答)の平均待ち時間は、18時間であるために「1日以下」の所定範囲に該当する。その場合、ユーザBの工程3には、例えば以下の標章が割り当てられる。
[標章(文字)] (^o^)
[標章(図形)] (☆☆☆)
[標章(記号)] ◎
[標章(色彩)] 青
[標章(音)] ピンポン
【0056】
[工程標章明示部14]
工程標章明示部14は、複数の各工程の標章を並べた工程標章を、少なくとも当該ユーザの端末2へ明示する。工程標章は、複数の各工程の標章を、時系列に一定方向へ並べたものである。これによって、工程標章を一見しただけで、ユーザ自らの確認行動を視認することができる。
【0057】
図4によれば、ユーザBの工程標章は、例えば以下のように表される。
[標章(文字)] (^_^;)(>_<)(^o^)
[標章(図形)] (☆☆−)(☆−−) (☆☆☆)
[標章(記号)] [○][△][◎]
[標章(色彩)] [黄][赤][青]
[標章(音)] ピー・ブー・ピンポン
ユーザBは、自らの工程標章を一見することによって、「工程2(第2の応答確認)について、注意して早めに確認応答を返信しよう」と思うこととなる。
【0058】
図5は、本発明の工程管理サーバにおけるユーザ毎の工程標章を明示した説明図である。
【0059】
図5によれば、ユーザA、B、Cについて、各工程の平均待ち時間から、工程標章が決定されている。
ここで、工程標章は、各工程に対応する一定形状(長方形)の複数の標章を一方向に連結させ、各工程の一定形状の色を当該標章に割り当てられた色で塗りつぶしたものであってもよい。勿論、長方形に限らず、信号のような3個の○印で明示されてもよい。
また、工程標章は、各工程に対応する扇形状の複数の標章を円周方向に連結させ、各工程の扇形状の色を当該標章に割り当てられた色で塗りつぶされたものであってもよい。
【0060】
図5によれば、ユーザAの工程標章は、長方形の帯について、左から右へ[黄][黄][青]で明示されている。また、文字で表示される場合、(^_^;)(^_^;)(^o^)で明示されてもよい。更に、記号で表示される場合、[○][○][◎]で明示されてもよい。
ユーザBの工程標章は、長方形の帯について、左から右へ[赤][黄][赤]で明示されている。また、文字で表示される場合、(>_<)(^_^;)(>_<)で明示されてもよい。更に、記号で表示される場合、[△][○][△]で明示されてもよい。
ユーザCの工程標章は、長方形の帯について、左から右へ[青][青][青]で明示されている。また、文字で表示される場合、(^o^)(^o^)(^o^)で明示されてもよい。更に、記号で表示される場合、[◎][◎][◎]で明示されてもよい。
【0061】
図6は、ユーザの端末に表示されたユーザ毎の工程標章を表す説明図である。
【0062】
工程標章明示部14は、当該ユーザの工程標章を、他のユーザによって所持される端末2へも明示することも好ましい。
図6によれば、その端末を操作するユーザの工程標章だけでなく、他のユーザの工程商標も表示される。各ユーザは、工程標章を一見しただけで、自ら及び他のユーザの確認行動を認識することができる。例えば業務依頼又は業務請負に対するユーザを選択する場合、各ユーザの工程標章に応じて選択することもできる。これによって、各ユーザの確認行動に注意を向けることができる。
【0063】
図7は、タスクの登録が成立したユーザ同士の工程標章を組み合わせた説明図である。
【0064】
工程標章明示部14は、ユーザ同士でタスクの登録が成立した場合、両ユーザの工程標章を並べて1組の工程標章として表示することも好ましい。例えば、業務依頼主と業務請負人との間で、相手方のユーザが、どの程度の確認行動をしているか、を一見して視認させることができる。
【0065】
図7によれば、1組の工程標章は、文字「M」を構成しており、左半分に依頼主のユーザの工程標章が明示され、右半分に請負人のユーザの工程標章が明示される。この「M」を一見しただけで、タスクの登録が成立したユーザ同士が、どのような確認行動をしているか、を認知することができる。
【0066】
[異議記録部15]
異議記録部15は、各タスクの各工程について「異議」が生じたか否かを更に記録する。異議とは、例えばユーザからのトラブルやクレームの発生をいい、いずれかの工程で異議が発生したかを記録する。
この場合、標章割当部13は、異議が生じた工程について、当該標章が属する所定範囲よりも、次に後続する所定範囲の標章を割り当てる。例えば標章が「青」である工程について、異議が生じた場合、「黄」を割り当てる。これによって、単なるユーザの確認行動のみならず、ユーザ自ら及び/又は他のユーザが注意すべき工程を視認することができる。
【0067】
図8は、本発明における端末の機能構成図である。
【0068】
図8によれば、工程管理端末3は、ユーザが所持するスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータのようなものである。そして、工程管理端末3に搭載されたコンピュータを、
図2の工程管理サーバ1と同様に機能させるプログラムを実行することによって実現する。工程管理端末3のディスプレイに、本発明の工程標章が明示されることによって、ユーザ自らの確認行動を視認することができる。
【0069】
以上、詳細に説明したように、本発明の工程管理サーバ、端末及びプログラムによれば、ユーザの確認行動を可視化することができる。
【0070】
本発明によれば、具体的には、以下のような事例を想定することができる。
業務依頼主 :企業健診を業とする医療機関(医療従事者を募集)
工程管理サーバ:人材紹介業者
業務請負人 :医療従事者(例えば医師、看護師、臨床検査技師など)
この事例の場合、人材紹介業者は、業務登録後、医療機関と医療従事者の双方を業務当日まで導かなければならない。このとき、医療機関と医療従事者の双方が、業務を確実に遂行するために、業務内容(日時や場所)を確認させながら、業務当日を迎える必要がある。
しかしながら、医療機関や医療従事者いずれも、人材紹介業者が確認要求のメールやメッセージを通知しても、その内容を認知したか否かの確認応答を直ぐに返信しない場合も多い。このような場合、人材紹介業者や他方のユーザは、業務の進捗状況が気になってします。
そこで、本発明のようなユーザの日常的な確認行動を「工程標章」として明示することによって、そのユーザ自ら反省することができる。また、一方のユーザの工程標章を、他方のユーザ及び人材紹介業者が認知することによって、一方のユーザの日常的な確認行動を認知することできる。特に、本発明の工程標章は、複数の工程における確認行動の進捗を、一見して視認することができるという特徴がある。
【0071】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【解決手段】工程管理サーバは、ユーザによって所持される端末との間で、確認要求と確認応答とをやりとりしながら工程を進行させる。工程管理サーバは、端末へ確認要求メッセージを送信し、当該端末から確認応答メッセージを受信するまでの待ち時間を記録する待ち時間記録手段と、待ち時間の統計値を算出する統計値算出手段と、統計値の所定範囲毎に異なる標章を割り当てる標章割当手段と、標章を、少なくとも当該ユーザの端末へ明示する工程標章明示手段とを有する。標章とは、人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音である。標章割当手段は、待ち時間が長い統計値が含まれる所定範囲ほど、人が要注意をイメージする標章を割り当てる。