(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技用装置に表示される第1遊技情報及びマーカを撮影可能な撮影手段と、前記第1遊技情報と共に前記マーカから特定可能な遊技情報である第2遊技情報を表示可能な表示手段と、を備える端末装置と通信可能な情報処理装置において、
前記表示手段において前記第1遊技情報と共に前記第2遊技情報を表示させるために、前記マーカから特定される前記第2遊技情報を前記端末装置に送信可能な送信手段を備えた
ことを特徴とする情報処理装置。
遊技用装置に表示される第1遊技情報及びマーカを撮影可能な撮影手段と、前記第1遊技情報と共に前記マーカから特定可能な遊技情報である第2遊技情報を表示可能な表示手段と、を備える端末装置と通信可能な情報処理装置を構成するコンピュータを、
前記表示手段において前記第1遊技情報と共に前記第2遊技情報を表示させるために、前記マーカから特定される前記第2遊技情報を前記端末装置に送信可能な送信手段として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技情報提供システム及び情報処理装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0008】
本実施形態の遊技情報提供システム1は、
図1に示すように、複数の遊技機10が設置される遊技場(ホール)に備えられる、台間機20、呼出ランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、管理装置60、アクセスポイント70、端末装置80、及びサーバ装置90等によって構成されている。
遊技機10と、台間機20と、呼出ランプ30と、台コンピュータ40と、島コンピュータ50と、管理装置60と、アクセスポイント70と、サーバ装置90とは、ローカル・エリア・ネットワーク(以下、LAN140という)を介して通信可能に接続され、端末装置80は、アクセスポイント70により提供される無線LAN回線110を介してLAN140上のサーバ装置90と通信可能に接続される。
【0009】
このように構成された本実施形態の遊技情報システムでは、遊技場の所定箇所に付されたマーカを、遊技者又は遊技場の店員が携行する端末装置80に備えるカメラで撮影することにより、その撮影画像にマーカの付された装置、場所に関連する遊技情報が合成表示されて遊技情報が提供されるようになっている。
以下、遊技情報提供システム1の各装置の構成について詳細に説明する。
【0010】
遊技機10は、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール機、雀球機などの遊技球やメダル等の遊技媒体を用いて遊技を行う各種の遊技機から構成されている。
これらの遊技機10からは、大当り状態を示す大当り信号、大当りの抽選確率が通常遊技状態よりアップする確率変動遊技状態、及び/又は、図柄の変動時間が通常遊技状態より短縮する時間短縮遊技状態を示す確変・時短信号、遊技機10への遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技機10からの遊技媒体の払出数を示すセーフ信号、1ゲームごとに出力されるスタート信号などの遊技信号が出力される。
これらの遊技信号は呼出ランプ30及び台コンピュータ40に入力される。
【0011】
台間機20は、例えば、遊技機10ごとに設けられる遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置からなり、現金、貯玉会員カード、ICコインなどが投入されることによって、投入金額に応じた遊技媒体の貸出しを行うとともに、遊技媒体の貸出数又は貸出金額を示す売上信号が出力され台コンピュータ40に入力される。
【0012】
呼出ランプ30は、遊技機10の上方などに設置され、
図4(a)に示すように、電球やLEDなどのランプ類を有する電飾表示部と、液晶表示器などの表示手段を有するデータ表示部31とを備え、パチンコ機、スロットマシンなどの遊技機10から出力される大当り信号、ボーナス信号、確変・時短信号などの遊技機の状態を示す遊技信号に基づいて大当りやボーナスなどの当り状態や確変・時短状態をランプ類の発光態様により報知したり、大当り信号及びスタート信号の入力回数に基づいて当り状態の発生回数(大当り回数)や当り状態になるまでに費やしたスタート回数(ゲーム回数)をデータ表示部31に表示したりする。
また、グラフ表示領域301には、大当り信号、ボーナス信号間のスタート回数を、例えば、100ゲームを1つのマーク(本実施形態では、四角形)とした棒グラフで表すとともに、これを当り状態の発生順に並べた、当り間スタート回数の履歴を表示する。
【0013】
台コンピュータ40は、遊技機10ごと等に設けられる情報処理装置であって、遊技機10及び台間機20から入力される遊技信号、売上信号を収集するとともに、遊技機10ごとの遊技情報(例えば、アウト数、セーフ数、スタート回数、大当り回数、売上金額などの所定時間ごとの累計値)を集計する。
この集計した遊技情報は、所定の周期ごと、又は、島コンピュータ50からの要求に応じて島コンピュータ50に送信される。
【0014】
島コンピュータ50は、複数の台コンピュータ40と接続される上位の情報処理装置であって、台コンピュータ40から入力される遊技情報を、遊技機10ごとに蓄積・記憶するとともに、遊技機島(複数の台コンピュータ40に対応する遊技機10全体を示す単位)ごとに遊技情報を集計する。
この遊技情報は、所定の周期ごと、又は、管理装置60からの要求に応じて管理装置60に送信される。
【0015】
管理装置60は、複数の島コンピュータ50と接続される上位の情報処理装置であって、島コンピュータ50から送信される遊技情報を、遊技機10及び遊技機島ごとに蓄積・記憶するとともに、遊技場全体の遊技情報を集計する、いわゆるホールコンピュータである。
また、管理装置60は、マーカに対応する遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段として動作し、例えば、スタート回数、大当り回数、アウト数とセーフ数との比率を示すベース(通常遊技状態の通常ベース及び確変・時短遊技状態の確ベース)、大当り中の獲得遊技媒体数を示す大当り出玉(T1Y)、セーフ数累計値とアウト数累計値との差から求められる獲得遊技媒体数、獲得遊技媒体数を遊技媒体を収容する玉箱の数に換算した玉箱数、遊技の仕方を示す遊技方法、遊技機の性能を示す遊技説明、パチンコ機の営業日ごとの釘調整データ、スロットマシンの営業日ごとの設定確率データを遊技機10ごとに記憶するとともに、これらを遊技機島単位(通路を挟んで対向する遊技機島単位を含む)で集計(合計)したものを記憶している。また、遊技場における景品交換所、トイレ、遊技機10など設備の設置レイアウトを示すレイアウト情報、設置している遊技機10の機種名、現在の作業状況を含む店員に関する店員情報などの様々な遊技情報を記憶している。
これらの遊技情報は、常に最新の値に更新されながら、サーバ装置90からの要求信号に基づいてサーバ装置90に送信される。
【0016】
アクセスポイント70は、遊技場内に一又は複数設置され、自ら発する電波が一定強度を満たす領域内にある端末装置80に対し、無線LAN回線110を介してLAN140と接続することでネットワーク上に存在するサーバ装置90との通信を可能とする中継通信装置ある。
具体的には、アクセスポイント70は、遊技者や遊技場の店員の携行する端末装置80とサーバ装置90とを無線LAN回線110を介して通信可能に接続するように動作し、
図2(a)に示すように、端末装置80との無線接続を行う無線通信部71と、サーバ装置90等との有線接続を行う通信部72と、所定のメモリを備える記憶部73と、CPU,ROM,RAM等を有しコンピュータとして動作する制御部74と、を備え、不図示のアンテナから特定周波数の電波を常に発信することにより、制御部74がこの電波を検知した端末装置80からSSID(Service Set Identifier)とともに接続要求を受信すると、そのSSIDの照合を行い、照合の一致により端末装置80との接続を行うようになっている。
【0017】
端末装置80は、スマートフォンの他、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の通信端末からなる。
端末装置80は、一般的な通信動作(通話回線接続、インターネット接続)を行う他、サーバ装置90にアクセスポイント70を介してアクセスする動作や、アクセスしたサーバ装置90から送信される遊技情報を表示する動作等を行う。
具体的には、端末装置80は、
図2(b)に示すように、アクセスポイント70との接続を介してサーバ装置90との通信を行う無線LAN通信部81と、カメラ82と、画像処理部83と、カメラ82による撮影画像とサーバ装置90から送信される遊技情報(画像情報)を表示する液晶表示器等からなる表示部84と、自己に付された固有の端末識別情報等を記憶する記憶部85と、CPU,ROM,RAM等を有しコンピュータとして動作する制御部86と、を備え、制御部86が、これら各部を制御することにより、以下のような特徴的な動作を行う。
【0018】
制御部86は、無線LAN通信部81を通信手段として動作させることで、アクセスポイント70を介してサーバ装置90との間で通信を行わせる。
無線LAN通信部81は、例えば、WiFi(WiFi ALLIANCEによって無線LAN機器間の相互接続性を認証された規格)に対応したモジュールであって、図示しないアンテナ、CPU、メモリを有し、自動通信アプリをバックグラウンドで動作させておくことによって、カメラ82で撮影した撮影画像をサーバ装置90に送信するとともに、撮影画像に含まれるマーカ画像に対応する遊技情報(画像情報)をサーバ装置90から受信する。また、撮影画像をサーバ装置90に送信する際には、MACアドレス、メールアドレス等の固有の端末識別情報を付して送信する。
【0019】
さらに、制御部86は、画像処理部83を合成表示手段として動作させることで、サーバ装置90から送信される遊技情報(画像情報)を、カメラ82で撮影した撮影画像に含まれるマーカ画像の大きさ及び配置に応じた表示位置(表示部84の表示領域)に重ねて表示させる。
これは、制御部86が撮影画像に含まれるマーカ画像から撮影画像中におけるマーカの大きさ及び配置(後述の角度変位も含む概念)を識別するとともに、遊技情報(画像情報)を、その遊技情報を合成表示するときのマーカとの相対的な大小関係及び位置関係を示す相対情報(後述するサーバ装置90から送信される情報)を参照しながら、識別したマーカの大きさ及び配置に合わせて表示することで実現される。
【0020】
また、制御部86は、表示部84を選択手段として動作させることもできる。
例えば、表示部84をタッチ操作可能なタッチパネルで構成することにより、制御部86は、表示部84を撮影画像、動画、テキスト、テンキー等を表示させる表示手段として動作させるだけでなく、指やタッチペンで画面上の表示に触れることにより入力(例えば、通信操作、文字入力操作、選択操作等)を受け付ける入力手段として動作させる。
これにより、後述するように閲覧要求可能な複数の遊技情報の項目名が表示部84に一覧表示され、閲覧を希望する一又は二以上の項目名を選択操作することで、サーバ装置90から希望する遊技情報が送信されるようになっている。
【0021】
サーバ装置90は、マーカに対応する遊技情報を端末装置80に送信する情報処理装置の一例であり、端末装置80から送信されるマーカに対応する遊技情報を管理装置60から取得して端末装置80に送信する。
具体的には、サーバ装置90は、
図2(c)に示すように、管理装置60、端末装置80等との通信を行う通信部91(送信手段)と、管理装置60から取得した遊技情報を画像情報に変換する遊技情報画像変換部92と、ハードディスクなどのメモリを有する記憶部93と、CPU,ROM,RAM等を備えコンピュータとして動作する制御部94とを備えている。
【0022】
記憶部93は、マーカに対応する遊技情報を管理装置60に要求するため、及びこの要求に応じて取得した遊技情報を端末装置80に送信するために、以下のような複数のデータを記憶している。
例えば、店員の携行する端末装置80の端末識別情報、マーカの種類と遊技情報の種類との対応関係を示す対応関係データ、画像処理プログラム、画像データ等を記憶する。
【0023】
図3は、対応関係データを示す図表であり、このようにマーカには、一種類のマーカに一の遊技情報が対応付けられているマーカ(以下、通常マーカという)と、一種類のマーカに複数の遊技情報が対応付けられているマーカとがある。
一種類のマーカに複数の遊技情報が対応付けられているマーカは、識別マーカ、選択マーカ、及び角度変位マーカがある。
識別マーカは、端末装置80の端末識別情報に応じて提供する遊技情報を変える機能を有するマーカであり、店員に係る端末識別情報には、店員用遊技情報が対応付けられ、それ以外の端末識別情報には、遊技者用遊技情報が対応付けてある。
選択マーカは、閲覧を希望する遊技情報を選択させる機能を有するマーカであり、選択可能な複数の遊技情報の項目名が対応付けてある。
角度変位マーカは、撮影画像中のマーカの角度変位に応じて提供する遊技情報を変える機能を有するマーカであり、角度変位に応じて複数の遊技情報が対応付けてある。
また、識別マーカ、選択マーカ、及び角度変位マーカはそれぞれ単独ではなく組み合わせることもでき、例えば、マーカm4は、角度変位マーカと選択マーカ双方の機能を有し、異なる角度変位それぞれに応じて複数の遊技情報が選択できるようになっている。
【0024】
また、記憶部93には、このようなマーカに対応する遊技情報の種類のみならず、遊技媒体を収容する玉箱の外観を示すイラストデータなどの画像データが記憶されている。
さらに、記憶部93には、マーカ画像を含む撮影画像のサンプル撮影画像、マーカに対応する遊技情報を撮影画像に合成表示させるときの指標となるマーカと遊技情報との相対的な大小関係及び位置関係を示す相対情報がマーカの種類ごとに記憶されている。
このような構成からなるサーバ装置90は、制御部94が、各部を制御することにより、以下のような特徴的な動作を行う。
【0025】
制御部94は、マーカ識別手段として動作することにより、端末装置80から送信される撮影画像の中からマーカを識別する。
例えば、マーカとしては、正方形の中に複数種類からなる白黒パターンが描かれたARToolKit(Augmented Reality Tool:拡張現実アプリケーション作業を支援するC言語のライブラリ)、QRコード(登録商標)などの二次元コードが用いられ、制御部94が撮影画像中から正方形及び白黒パターンを画像処理等により抽出することで、マーカを識別するとともにマーカの種類を特定する。
これにより、マーカの種類が特定されれば、上記の対応関係データに基づいて対応する遊技情報の種類が特定されることになる。
【0026】
また、制御部94は、特定したマーカの種類が角度変位マーカであるときには、撮影画像中におけるそのマーカの角度変位を識別する。
マーカの角度変位とは、撮影画像中においてマーカを正面視したときの角度変位のことであり、例えば、正方形の中の白黒パターンの配置関係から、又はマーカの外形を長方形とすることで撮影画像中のマーカの辺の長さの違い等から、撮影画像中におけるマーカの角度変位を識別することもできる。
上記の対応関係データでは、角度変位マーカを0度、90度、180度、270度などの複数の角度に回転させたときに、それぞれ種類の異なるマーカとして定義しておくとともに、それぞれの角度変位に応じて異なる種類の遊技情報を対応付けてある。
これにより、撮影画像中のマーカの種類が角度変位マーカであること及びその角度変位を識別することで、同じ表示態様のマーカでも角度変位ごとに異なる種類のマーカとして捉えることができ、上記の対応関係データに基づいて対応する遊技情報の種類を特定することができる。
このように撮影画像中のマーカの角度変位が識別されれば、カメラ82の向きも定まることになり、そうすると、カメラ82で撮影している撮影方向、すなわち撮影対象も自ずと定まることから、カメラ82の向きに対応する遊技情報とは、まさに撮影対象に関連する遊技情報となる。
なお、このようなマーカ識別手段としての機能を、端末装置80に設けることもできる。これにより、端末装置80が撮影画像の中からマーカを識別してマーカの種類を特定するとともに、特定したマーカの種類に対応する遊技情報を直接サーバ装置90又は管理装置60に要求することもできる。
【0027】
制御部94は、遊技情報抽出手段として動作することにより、識別されたマーカに対応する遊技情報を抽出する。
例えば、制御部94は、撮影画像の中からマーカを識別することでマーカの種類を特定すると、対応関係データに基づいて特定したマーカの種類に対応する遊技情報を管理装置60に要求する。これにより、管理装置60が要求された遊技情報を自ら記憶する遊技情報から抽出して、サーバ装置90に送信することで、特定されたマーカの種類に対応する遊技情報が抽出されることになる。
例えば、特定したマーカの種類が角度変位マーカであるときには、その撮影画像の角度変位に応じた遊技情報が抽出される。
【0028】
また、特定したマーカの種類が選択マーカであるときには、一の選択マーカに対応する複数の遊技情報の項目名が特定される。
選択マーカは、対応関係データにおいて、選択可能な複数の遊技情報が定義されていることから、特定されたマーカが選択マーカであるときには、対応関係データに基づいて、その選択マーカに対応する複数の遊技情報の項目名が特定されることになる。
これにより、特定された複数の項目名を制御部94が遊技情報として端末装置80に送信することで、端末装置80が表示部84に項目名を一覧表示させることができ、遊技者や店員がタッチパネルを操作して項目名の一覧から希望する一又は二以上の項目名を選択することができる。さらに、選択された項目名をサーバ装置90に送信することで、制御部94は、選択された項目名に対応する遊技情報を管理装置60から取得することができる。
これにより、特定されたマーカが選択マーカであるときには、選択操作が途中で介在されるものの、識別されたマーカに対応する遊技情報が抽出されることになる。
【0029】
また、制御部94は、特定したマーカの種類が識別マーカであるときには、端末装置80から送信される端末識別情報に基づいて、端末識別情報に対応する遊技情報を抽出、すなわち遊技者に係る端末識別情報と店員係る端末識別情報とでは異なる遊技情報を抽出することもできる。
端末装置80は、カメラ82で撮影した撮影画像をサーバ装置90に送信するときにMACアドレス、メールアドレス等の固有の端末識別情報を送信する。
また、記憶部93には、店員の携行する端末装置80の端末識別情報が記憶されるとともに、識別マーカに対応する遊技情報は、対応関係データにおいて、遊技者及び店員の双方が閲覧可能な遊技者用遊技情報と、店員のみ閲覧可能な店員用遊技情報とに分けて記憶されている。
そこで、制御部94は、特定したマーカの種類が識別マーカであるときには、端末装置80から受信した端末識別情報が記憶部93に記憶した店員の端末識別情報か否かの比較・照合を行い、店員の端末識別情報と判定したときには、店員用遊技情報を管理装置60に要求し、店員以外の端末識別情報と判定したときには、遊技者用遊技情報を管理装置60に要求することにより、遊技者に係る端末識別情報と店員係る端末識別情報とでは異なる遊技情報を抽出するようになっている。
これにより、例えば、管理装置60で記憶する、パチンコ機ならば個々の遊技機10の釘調整データ、スロットマシンならば個々の遊技機10の確率設定データなどは、遊技者に知らせたくない遊技情報でありながら、店員としては、不正行為者により不正に出玉が窃取されていないかどうかを見極める観点から、実際の出玉状況が釘調整データ又は確率設定データと合致しているか否かを確認する必要があるため、このような釘調整データ、確率設定データなどの遊技者に知られたくない遊技情報を店員のみに提供することができる。
【0030】
また、制御部94は、遊技情報画像変換部92を情報変換手段として動作させ、抽出された遊技情報を表示部84に表示可能な画像情報に変換する。
例えば、制御部94は、管理装置60からマーカの種類に対応する遊技情報としてテキストデータを受信すると、このテキストデータを、例えばVRAMとして構成された遊技情報画像変換部92に展開することにより、ビットマップデータに変換することで、遊技情報を画像情報に変換する。
また、管理装置60からマーカの種類に対応する遊技情報として遊技機10ごとの獲得遊技媒体数に応じた玉箱数を受信すると、記憶部93に記憶されている玉箱の外観を示すイラストデータ(玉箱画像情報)を読み出して遊技情報画像変換部92に展開することで、遊技情報を画像情報に変換する。
【0031】
制御部94は、通信部91を送信手段として動作させ、このように画像情報に変換された遊技情報を端末装置80に送信する。
ところが、端末装置80では、単に遊技情報(画像情報)を受信しても、表示部84のどの表示位置にどの位の大きさで遊技情報(画像情報)を表示すればよいのか判別することができない。
そこで、制御部94は、画像情報に変換された遊技情報を端末装置80に送信する際に、記憶部93に記憶するマーカごとの相対情報を送信する。
相対情報は、マーカと遊技情報(画像情報)との相対的な大小関係及び位置関係を示す情報となっているため、端末装置80が撮影画像中のマーカの大きさ及び撮影画像中におけるマーカの配置を画像処理等により識別することにより、送信された相対情報を参照しながら、画像情報を表示部84のどの位置にどの位の大きさで表示すればよいのか判別することができる。
具体的には、端末装置80は、撮影画像中に占めるマーカの大きさ及び撮影画像中におけるマーカの配置を画像処理等により識別するとともに、相対情報を参照して、識別したマーカの大きさ及び位置が、相対情報の示すマーカと遊技情報の相対的な大小関係及び位置関係と相似の関係が成立するように、遊技情報(画像情報)を拡縮するとともに表示位置を調整する。
これにより、表示部84において、送信された遊技情報(画像情報)が最適な大きさ及び表示位置に表示されることになる。
【0032】
また、制御部94は、表示位置補正手段として動作し、端末装置80の合成表示手段(画像処理部83)が撮影画像に玉箱画像情報(玉箱の外観を示すイラストデータ)を合成表示させるときに遊技機10ごとの玉箱画像情報の表示が重なる場合、重なった玉箱画像情報の表示位置をそれぞれの玉箱画像情報が識別可能な程度にずらすようになっている。
【0033】
記憶部93には、マーカ画像を含む撮影画像のサンプル撮影画像として、複数の遊技機10が並んで配置された遊技場の通路を示すサンプル撮影画像が記憶されている(例えば、
図9(a)参照)。また、このサンプル撮影画像には、マーカの位置を示すマーカ位置座標、遊技機10ごとの設置位置を示す設置位置座標、その設置位置座標に対応する遊技機10ごとの玉箱の表示位置を示す玉箱表示位置座標が付されている。
また、端末装置80から送信された撮影画像中のマーカが通路に配置された複数の遊技機10それぞれの玉箱数を示す遊技情報を要求しているものとすると、制御部94は、複数の遊技機10それぞれの玉箱数を管理装置60から取得するとともに、記憶部93に記憶されている玉箱の外観を示す玉箱画像情報(イラストデータ)を読み出して各玉箱数に対応する数の玉箱画像情報を遊技情報画像変換部92(例えば、VRAM)に展開することで、遊技情報を画像情報に変換する。このときには、上記の玉箱表示位置座標を参照しながら遊技情報画像変換部92に展開する。
【0034】
ところが、玉箱画像情報を玉箱表示位置座標に対応する位置に展開したときに、遊技機10同士の玉箱画像情報が重なってしまう場合がある。例えば、ある遊技機10で大量の遊技媒体が獲得された場合、玉箱画像情報としては、一の玉箱の外観を示すイラストデータを何段にも積み重ねた玉箱画像情報が表示されることになる。そうすると、他の遊技機10の玉箱画像情報がその何段にも積み重ねた玉箱画像情報に遮られることもある。
そこで、制御部94は、各遊技機10の玉箱画像情報を玉箱表示位置座標に対応する位置に展開するにあたり、遊技機10同士の玉箱画像情報の表示領域が重なる場合、それぞれの玉箱画像情報が識別可能な程度にずらすようになっている。
これは、例えば、遊技情報画像変換部92(例えば、VRAM)において、制御部94がイラストデータ(玉箱画像情報)のVRAM領域における重複の有無を判定し、上下、左右等のずらす方向を規定した優先順位に従って、重複しないように玉箱画像情報を移動することで実現できる。
このように表示位置の補正の有無にかかわらず遊技情報画像変換部92に展開された複数の遊技機10の玉箱画像情報は、マーカと遊技情報(画像情報)との相対的な大小関係及び位置関係を示す相対情報とともに端末装置80に送信され、端末装置80の表示部84には、重なることのない玉箱画像情報が表示されることになる(
図9(b)参照)。
【0035】
以上のような管理装置60、端末装置80、サーバ装置90の特徴的な動作により、マーカを含む実像の撮影が開始されてから、このマーカに対応する遊技情報が端末装置80の表示部84に合成表示される具体例について、
図4〜
図10を参照しながら説明する。
【0036】
例えば、
図4は、マーカm1の付された呼出ランプ30をカメラ82で撮影したときに合成表示される遊技情報を説明するための説明図である。
図4(a)は、呼出ランプ30の正面図であり、呼出ランプ30そのものの実像を示す図である。この呼出ランプ30には、マーカm1が付されている。
このマーカm1に対応する遊技情報は、マーカの種類と遊技情報の種類との対応関係を示す対応関係データにおいて定義されており(
図3中の遊技者参照)、例えば、呼出ランプ30に併設される遊技機10(例えば、スロットマシン)に関する遊技情報であって、グラフ表示領域301に表示される各棒グラフに対応する当り(例えば、ボーナス)間スタート回数となっている。すなわち、マーカm1には、当該遊技機10を特定可能な情報(例えば、遊技台番号)と、当り間スタート回数を特定可能な情報が包含されている。
【0037】
そこで、マーカm1を含む呼出ランプ30の実像をカメラ82で撮影すると、この撮影画像s1がサーバ装置90に送信され、サーバ装置90において撮影画像s1中のマーカがマーカm1と特定される。これにより、対応関係データに基づいてマーカm1に対応する遊技情報である当り間スタート回数が特定され、サーバ装置90は管理装置60から遊技情報として該当する遊技機10の当り間スタート回数を取得することになる。
さらに、サーバ装置90は、当り間スタート回数を画像情報g1に変換するとともに(
図4(b)上段の図)、変換した画像情報g1と、マーカm1と画像情報g1との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とを端末装置80に送信する。
端末装置80は、撮影画像s1中のマーカm1の大きさ及び位置を識別するとともに、サーバ装置90から送信された画像情報g1を、相対情報を参照しながら、表示部84に表示する。これにより、
図4(b)に示すように、グラフ表示領域301に表示される各棒グラフと整合のとれた位置に、画像情報g1が合成表示されることになる。
画像情報g1は、例えば、スロットマシンのボーナス信号間のスタート回数を数値で表したものである。前述したように、グラフ表示領域301に表示される各棒グラフは、100ゲームを1つのマーク(本実施形態では、四角形)で表したものであり、100ゲーム未満のゲーム数を表すことができないグラフとなっている。
そこで、棒グラフ表示を補完すべく、画像情報g1を合成表示することにより、100ゲーム未満のゲーム数が明確となり、詳細な遊技情報を得ることができる。
例えば、スロットマシンの場合、ボーナス後の所定のゲーム回数内に再びボーナスが発生しやすい高確率状態に遷移する仕様を有するものがあり、そのゲーム回数は100ゲーム単位とは限らないことから、遊技者等が遊技機10の過去の連チャンの挙動を正確に把握するためには、詳細なボーナス信号間のスタート回数が必要となる。つまり、数値化されたボーナス信号間のスタート回数である画像情報g1は、遊技機10の仕様に精通した遊技者にとって貴重な遊技情報として提供されることになる。
このように遊技情報を合成表示することにより、グラフ表示領域301の物理的な大きさなどの制約等を補完しながら遊技情報を提供することができる。
【0038】
図5(a)は、マーカm1の付された呼出ランプ30をカメラ82で撮影したときに合成表示される遊技情報を説明するための説明図であって、特に、端末識別情報の違いに応じて異なる遊技情報が合成表示されるときの説明図である。
このマーカm1に対応する遊技情報は、マーカの種類と遊技情報の種類との対応関係を示す対応関係データにおいて定義されているとともに、端末装置80の端末識別情報に応じて異なる遊技情報が定義されている。
すなわち、マーカm1は識別マーカであり(
図3参照)、遊技者の端末識別情報では、上述したように、グラフ表示領域301に表示される各棒グラフに対応する当り間スタート回数が定義され、一方、店員の端末識別情報では、スタート回数、アウト数とセーフ数との比率を示すベース(通常遊技状態のベースを示す通常ベース、確変・時短遊技状態のベースを示す確ベース)、大当り中の獲得遊技媒体数を示す大当り出玉(T1Y)のそれぞれの平均値が定義されている。
【0039】
マーカm1を含む呼出ランプ30の実像がカメラ82で撮影され、この撮影画像s1がサーバ装置90に送信される際に、端末装置80の端末識別情報が送信されると、サーバ装置90において撮影画像s1中のマーカがマーカm1と特定されるとともに、予め記憶した店員の端末識別情報と送信された端末識別情報とが比較される。
この比較により、送信された端末識別情報が店員の端末識別情報でないと判定されると、遊技者用遊技情報として前述の当り間スタート回数が特定され、送信された端末識別情報が店員の端末識別情報であると判定されると、店員用遊技情報として上記の各平均値が特定されることになる。
送信された端末識別情報が店員の端末識別情報であって、各平均値が特定されると、サーバ装置90は管理装置60から遊技情報として各平均値を取得するとともに、各平均値を画像情報g2,g3に変換し、変換した画像情報g2,g3と、マーカm1と画像情報g2,g3との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とを端末装置80に送信する。
これにより、
図5(a)に示すように、画像情報g2,g3が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
このように店員の端末装置80の端末識別情報を記憶するとともに、遊技情報を店員用遊技情報と遊技者用遊技情報に分けて記憶することにより、遊技者に知られたくない遊技情報を店員のみに提供することができる。
特に、画像情報g2,g3の示す遊技情報は、スタート回数、アウト数とセーフ数との比率を示すベース(通常遊技状態のベースを示す通常ベース、確変・時短遊技状態のベースを示す確ベース)、大当り中の獲得遊技媒体数を示す大当り出玉(T1Y)のそれぞれの平均値であり、パチンコ機に植設された遊技釘の調整に必要な釘調整データであることから、呼出ランプ30に併設される遊技機10をパチンコ機とした場合、例えば、遊技場の閉店後において、店員は、紙等に印刷された釘調整データ(平均値)を持ち歩くことなく、自ら携行する端末装置80でこれらの釘調整データを視認しながら当該遊技機10の遊技釘を調整することができるので大変便利である。
【0040】
図5(b)、(c)は、マーカm2が付された呼出ランプ30をカメラ82で撮影したときに合成表示される遊技情報を説明するための説明図であって、特に、複数の遊技情報の項目名が合成表示されるとともに、これらの項目名の中から選択された項目名の遊技情報が合成表示されるときの説明図である。
マーカm2は、選択マーカであり(
図3参照)、対応関係データにおいて、複数の遊技情報の項目名と対応付けられており、例えば、複数の遊技情報の項目名として、スタート(回数)、ベース(通常遊技状態の通常ベースを示すベース、確変・時短遊技状態のベースを示す確ベース)、大当り出玉(T1Y)が対応付けられている。
【0041】
マーカm2を含む呼出ランプ30の実像がカメラ82で撮影され、この撮影画像s2がサーバ装置90に送信されると、サーバ装置90において撮影画像s2中のマーカがマーカm2と特定される。これにより、対応関係データに基づいてマーカm2に対応する複数の遊技情報の項目名が特定される。
また、記憶部93には、遊技情報の項目名を示すテキストデータが記憶されており、特定された複数の遊技情報の項目名がテキストデータから画像情報に変換され、変換した画像情報g4と、マーカm2と画像情報g4との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とを端末装置80に送信する。
これにより、
図5(b)に示すように、画像情報g4が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示され、複数の項目名が表示部84に一覧表示される。
【0042】
端末装置80において、合成表示された画像情報g4がタッチ操作され、複数の項目名から一又は二以上の項目名が選択されると、選択された項目名がサーバ装置90に送信される。サーバ装置90は、選択された項目名に対応する遊技情報を管理装置60から取得する。例えば、選択された項目名としてスタート回数を取得すると、これを画像情報g5に変換するとともに、変換した画像情報g5と、マーカm2と画像情報g5との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とを端末装置80に送信する。
これにより、
図5(c)に示すように、画像情報g5(スタート回数)が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
このように遊技者の選択操作を介して閲覧を希望する遊技情報を提供することで、一のマーカに複数の遊技情報を対応付けることができることから、マーカの付された箇所に関連する遊技情報が多種類に亘るような場合に好適である。
【0043】
図6は、マーカm3の付された遊技機10であってパチンコ機P1をカメラ82で撮影したときに合成表示される遊技情報を説明するための説明図である。
図6(a)は、パチンコ機P1の正面図であり、パチンコ機P1そのものの実像を示す図である。このパチンコ機P1には、マーカm3が付されている。
このマーカm3に対応する遊技情報は、対応関係データにおいて定義されており(
図3中の遊技者参照)、例えば、パチンコ機P1の遊技の仕方を示す遊技方法となっている。
【0044】
これにより、マーカm3を含むパチンコ機P1の実像がカメラ82で撮影され、この撮影画像s3がサーバ装置90に送信されると、サーバ装置90において撮影画像s3中のマーカがマーカm3と特定され、対応関係データに基づいてマーカm3に対応する遊技情報であるパチンコ機P1の遊技方法が特定され、サーバ装置90は管理装置60から遊技情報として遊技方法を取得する。
さらに、サーバ装置90は、遊技方法を画像情報g6(矢印),g7(ここを狙え)に変換するとともに、変換した画像情報g6,g7と、マーカm3と画像情報g6,g7との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とを端末装置80に送信する。
これにより、
図6(b)に示すように、画像情報g6,g7が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
これらの画像情報g6,g7により、遊技者は当該パチンコ機P1での遊技の仕方を認識することができ、迷うことなくプレイすることができる。
なお、遊技方法に限らず、パチンコ機P1の性能(大当り確率等)、演出の説明などを表した遊技説明を合成表示させることもできる。
【0045】
図7は、マーカm3の付されたパチンコ機P2をカメラ82で撮影したときに合成表示される遊技情報を説明するための説明図であって、特に、端末識別情報の違いに応じて異なる遊技情報が合成表示されるときの説明図である。
図7(a)は、パチンコ機P2そのものの実像を示す図であって、遊技釘のレイアウトを識別可能な正面図となっている。このパチンコ機P2には、
図6(a)と同様、マーカm3が付されている。
このマーカm3は、識別マーカであり(
図3参照)、対応関係データにおいて、端末装置80の端末識別情報に応じて異なる遊技情報が定義されている。
例えば、遊技者の端末識別情報では、上述したようにパチンコ機P2の遊技の仕方を示す遊技方法が定義され、一方、店員の端末識別情報では、パチンコ機P2に植設された遊技釘の営業日ごとの開け締めを示す釘調整データが定義されている。
【0046】
マーカm3を含むパチンコ機P2の実像がカメラ82で撮影され、この撮影画像s4がサーバ装置90に送信される際に、端末装置80の端末識別情報が送信されると、サーバ装置90において撮影画像s4中のマーカがマーカm3(識別マーカ)と特定されるとともに、予め記憶した店員の端末識別情報と送信された端末識別情報とが比較・照合される。
この比較・照合により、送信された端末識別情報が店員の端末識別情報でないと判定されると、遊技者用遊技情報として遊技方法が特定され、送信された端末識別情報が店員の端末識別情報であると判定されると、店員用遊技情報として釘調整データが特定されることになる。
送信された端末識別情報が店員の端末識別情報であって、釘調整データが特定されると、サーバ装置90は管理装置60から遊技情報として釘調整データを取得するとともに、釘調整データを画像情報g8〜g12に変換するとともに、変換した画像情報g8〜g12と、マーカm3と画像情報g8〜g12との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とを端末装置80に送信する。
これにより、
図7(b)に示すように、画像情報g8〜g12が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
この画像情報g8〜g12は、前々日、前日、本日などの各営業日ごとの遊技釘の開け締めを示すもので、例えば、画像情報g8は、開け締めの表示態様を示す遊技情報、画像情報g9は、本日のスタート回数,ベース,大当り出玉(T1Y)などの平均値を示す遊技情報、画像情報g10は、遊技釘Aの開け締めの履歴を示す遊技情報、画像情報g11は、遊技釘Bの開け締めの履歴を示す遊技情報、画像情報g12は、遊技釘Cの開け締めの履歴を示す遊技情報となっている。
これにより、遊技場の閉店後において、店員は、紙等に印刷された釘調整データを持ち歩くことなく、自ら携行する端末装置80でこれらの釘調整データを視認しながら当該遊技機10の遊技釘を調整することができる。
【0047】
図8は、マーカm4,m5の付された遊技場の通路y1をカメラ82で撮影したときに合成表示される遊技情報を説明するための説明図であって、特に、複数の遊技情報の項目名が合成表示されるとともに、これらの項目名の中から選択された項目名の遊技情報が合成表示されるときの説明図である。
図8(a)は、遊技場の通路y1をD方向からB方向に向かって見たときの斜視図であり(同図中の矢印参照)、遊技場の通路y1そのものの実像を示す図である。この遊技場の通路y1のフロア(床)には、マーカm4,m5が付されている。なお、マーカm4,m5は、フロアに限らず天井に付すこともできる。
これらのマーカm4,m5は、それぞれ単独で異なる遊技情報と対応付けることもできるし、同じ遊技情報と対応付けることもできる。また、マーカm4,m5を一のマーカとみなしこれらの組合せで一の遊技情報と対応付けることもできる。さらに、上記それぞれの場合において、複数の遊技情報の項目名と対応付けることもできる。ここでは、マーカm4のみについて取り上げ、これを複数の遊技情報の項目名と対応付けた選択マーカとした場合で説明する。
【0048】
例えば、マーカm4に対応する遊技情報の項目名は、当該マーカm4の付された通路(B−D)に直交する通路(A−C)に設置された遊技機10の機種名と、遊技状況となっている。
マーカm4を含む通路(B−D)の実像がカメラ82で撮影され、この撮影画像s5がサーバ装置90に送信されると、サーバ装置90において撮影画像s5中のマーカがマーカm4と特定される。これにより、対応関係データに基づいてマーカm4に対応する複数の遊技情報の項目名として、機種名と遊技状況が特定される(
図3中の角度変位0度参照)。
特定されたこれらの項目名は画像情報に変換され、変換した画像情報と、マーカm4と画像情報との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とが端末装置80に送信される。
端末装置80において、特に図示しないが機種名と遊技状況の項目名が合成表示されるとともに、閲覧を希望する項目名の画像情報がタッチ操作されると、選択された項目名がサーバ装置90に送信される。サーバ装置90は、選択された項目名に対応する遊技情報を管理装置60から取得する。
【0049】
例えば、選択された項目名として機種名を取得すると、これを画像情報g13,g14に変換するとともに、変換した画像情報g13,g14と、マーカm4と画像情報g13,g14との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とを端末装置80に送信する。
これにより、
図8(b)に示すように、画像情報g13,g14が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
この例では、画像情報g13(「機種A」)は、A方向の通路に設置された遊技機10の機種名(機種A)、画像情報g14(「機種B」)は、C方向の通路に設置された遊技機10の機種名(機種B)を示す遊技情報となっている。なお、設置された遊技機10の機種名の代わりに、遊技機10の番号(例えば、画像情報g13:1〜20番台、画像情報g14:21〜40番台など)を合成表示することもできる。
【0050】
一方、端末装置80において、遊技状況が選択されると、
図8(c)に示すように、画像情報g15,g16が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
画像情報g15(「機種Aコーナー5番台8連チャン中」)は、A方向の通路に設置された遊技機10の遊技状況であって、例えば、ある遊技機10(5番台)の確率変動の連続回数(8連チャン)を示す遊技情報となっており、画像情報g16(「機種Bコーナー空き台あり」)は、C方向の通路に設置された遊技機10の遊技状況であって、例えば、設置された遊技機10の中に、遊技者のプレイしていない空き台があることを報知する内容の遊技情報となっている。
なお、端末装置80において、機種名と遊技状況の二つの項目名が選択されると、画像情報g13〜g16が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。このとき、画像情報g13〜g16の表示位置が重なる場合には、サーバ装置90において、玉箱画像情報のときと同様に、画像情報g13〜g16の表示位置が補正され(ずらされ)、端末装置80の表示部には、重なることのない画像情報g13〜g16が表示されることになる。
【0051】
図9は、マーカm4の付された遊技場の通路y2をカメラ82で撮影したときに合成表示される遊技情報を説明するための説明図であって、特に、マーカm4の角度変位を識別して、カメラ82の向きに対応する遊技情報を提供するときの説明図である。
図9(a)は、遊技場の通路y1をC方向からA方向に向かって見たときの斜視図であり(
図8(a)中の矢印参照)、遊技場の通路y2そのものの実像を示す図である。この遊技場の通路y2のフロア(床)には、
図8(a)と同様に、マーカm4が付されている。
マーカm4は、角度変位マーカであり(
図3参照)、その表示態様は
図8(a)中のマーカm4と同様であるものの、撮影する方向により異なるマーカとして識別される。
具体的には、マーカm4を、C方向からA方向に向かって見たときと、D方向からB方向に向かって見たときでは、異なるマーカとして識別する。
これは、例えば、本実施形態のマーカm4は、B−D方向を長辺とする長方形からなる外形を有していることから、カメラ82でマーカm4を撮影したときの撮影画像中の縦辺と横辺の長さ比の違いから、撮影画像中の横辺が縦辺よりも長いときには、マーカm4をC方向からA方向に向かって見たときの撮影画像と判定でき、撮影画像中の横辺が縦辺よりも短いときには、マーカm4をD方向からB方向に向かって見たとき撮影画像を判別することができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、C方向からA方向に向かって見たマーカm4に複数の遊技情報の項目名を対応付けてある(
図3中の角度変位90度参照)。
例えば、C方向からA方向に向かって見たマーカm4に対応する複数の遊技情報の項目名には、A方向の通路に設置された複数の遊技機10の遊技状況として、各遊技機で獲得された玉箱数、複数の遊技機10の大当り回数の合計があり、遊技場における景品交換所、トイレ、遊技機10など遊技場設備の設置レイアウトを示すレイアウト情報として、当該マーカm4の付された通路(A−C)に直交する通路(B−D)に設置された遊技場設備名がある。
マーカm4を含むA方向の通路の実像がカメラ82で撮影され、この撮影画像s6がサーバ装置90に送信されると、サーバ装置90において撮影画像s6中のマーカがC方向からA方向に向かって見たマーカm4(
図3中の角度変位90度のマーカm4)と特定される。これにより、対応関係データに基づいてC方向からA方向に向かって見たマーカm4に対応する遊技情報の項目名として、玉箱数、大当り回数の合計、及び遊技場設備名が特定される。
特定されたこれらの項目名は画像情報に変換され、変換した画像情報と、マーカm4と画像情報との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とが端末装置80に送信される。
端末装置80において、特に図示しないが、玉箱数、大当り回数の合計、及び遊技場設備名の項目名が合成表示されるとともに、閲覧を希望する項目名の画像情報がタッチ操作されると、選択された項目名がサーバ装置90に送信される。サーバ装置90は、選択された項目名に対応する遊技情報を管理装置60から取得する。
【0053】
例えば、選択された項目名として玉箱数を取得すると、これを玉箱画像情報g17〜g22に変換するとともに、変換した玉箱画像情報g17〜g22と、マーカm4と画像情報g17〜g22との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とを端末装置80に送信する。各玉箱画像情報g17〜g22は、それぞれの表示領域が重ならないように補正され、補正されたものが一塊の画像情報として送信される。
これにより、
図9(b)に示すように、玉箱画像情報g17〜g22が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
玉箱画像情報g17〜g22は、重ならないように補正されながらも、A方向の通路y2に設置された複数の遊技機10それぞれに対応する位置に表示されているので、どの遊技機10がどの程度の玉箱を所持しているのかが一目で認識できるようになっている。
なお、このような玉箱画像の表示は、獲得した遊技媒体を、玉箱に収容することなく遊技機ごとに備える計数装置で計数して管理する各台計数遊技情報提供システムを採用する遊技場に適している。
【0054】
一方、端末装置80において、遊技場設備名が選択されると、
図9(c)に示すように、画像情報g23,g24が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
この例では、画像情報g23(「景品交換所は左です」)は、通路y1のD方向に設置された遊技場設備であって景品交換所を示す遊技情報であり、画像情報g24(「トイレは右です」)は、通路y1のB方向に設置された遊技場設備であって、トイレを示す遊技情報となっている。
これにより、これらの遊技情報の示す案内に従って移動することにより、目的地にたどり着くことができる。
【0055】
また、端末装置80において、大当り回数の合計が選択されると、
図9(d)に示すように、画像情報g25が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
画像情報g25(「このコーナーの合計大当り回数は85回です」)は、A方向の通路y2に設置された各遊技機10(通路を挟んで対向する遊技機)の大当り回数の合計(例えば、85回)であることから、A方向の通路y2に設置された遊技機10の出玉状況を一目で把握することができる。
【0056】
図10は、マーカm6の付された店員tをカメラ82で撮影したときに合成表示される遊技情報を説明するための説明図である。
図10(a)は、店員tの側面図であり、店員tそのものの実像を示す図である。この店員tには、マーカm6が付されてある。
このマーカm6は、通常マーカであり(
図3参照)、対応関係データにおいて一対一で定義されており、例えば、店員tの現在の作業状況などの店員に関する店員情報となっている。
【0057】
これにより、マーカm6を含む店員tの実像がカメラ82で撮影され、この撮影画像s7がサーバ装置90に送信されると、サーバ装置90において撮影画像s7中のマーカがマーカm6と特定され、対応関係データに基づいてマーカm6に対応する遊技情報である店員tの店員情報が特定され、サーバ装置90は管理装置60から遊技情報として店員tの店員情報を取得する。
さらに、サーバ装置90は、店員情報を画像情報g26,g27に変換するとともに、変換した画像情報g26,g27と、マーカm6と画像情報g26,g27との相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とを端末装置80に送信する。
これにより、
図10(b)に示すように、画像情報g26,g27が相対情報に基づいて最適な位置に合成表示されることになる。
この例では、画像情報g26(「店員Aです。御用がありましたらお気軽に声をかけて下さい。」)は、店員tの自己紹介を示す店員情報、画像情報g27(「350番台呼び出し対応中」)は、店員tの現在の作業状況を示す店員情報であり、店員の作業状況等を一目で把握することができる遊技情報となっている。
なお、作業状況は、店員が作業の実行又は作業予定ごとに、店員の携行する端末装置80、インカム等を介して管理装置60に送信するようになっている。
また、現在の作業状況と同時に、「次の呼び出し対応は何番台です。」等の作業予定を表示することもできる。これにより、店員を呼び出した遊技者が手持ちの端末装置80で店員を撮影したときに、自分の待ち順を確認することができる。
【0058】
以上説明したように、管理装置60、端末装置80、サーバ装置90の特徴的な動作により、撮影されたマーカに対応する遊技情報が端末装置80の表示部84に合成表示され、マーカの付された装置、場所に関連する遊技情報が提供されることになる。
このような特徴的な動作は、管理装置60、端末装置80、サーバ装置90が、以下に示す
図11〜
図14のフローチャートに従って相互に情報のやり取りを行うことで実現される。
【0059】
図11(a)は、マーカに対応する遊技情報の提供にあたり、端末装置80とサーバ装置90との間で通信を確立するための設定処理を示すフローチャートである。
この設定処理のフローチャートでは、まず、端末装置80は、所定のインターネットサイトを介して撮影画像からマーカの大きさ及び配置を識別するためのプログラム、相対情報に基づいて合成表示を行う合成表示プログラム、双方向通信を行うサーバ装置90を特定可能なIPアドレス、サーバ装置90との双方向通信を行うための通信プログラム等を含むアプリケーションプログラム(アプリ)をダウンロードするとともにインストールを行い、サーバ装置90との間で通信を確立するための初期設定を行う(S1)。
次いで、端末装置80は、アプリを起動し、自らの端末識別情報をサーバ装置90に送信する(S2)。サーバ装置90は、送信された端末識別情報を一時的に記憶し(S3)、登録の完了を示す登録完了情報を端末装置80に送信する(S4)。
端末装置80は、その登録完了情報を受信すると、登録完了画面を表示部84に表示し、登録の完了を示す登録完了報知を行う(S5)。これにより、以後、マーカ画像を含むカメラ82で撮影された撮影画像の送信及びマーカに対応する遊技情報(画像情報)の受信を行うことができる。なお、店員の端末情報は、サーバ装置80に備えるマウス、キーボード等の入力手段を介した入力によりサーバ装置90に予め記憶されるか、又は、S2において端末装置80から送信される端末識別情報に店員を識別可能な識別子を付して記憶されるようになっている。
【0060】
図11(b)は、マーカの撮影が開始されてから、このマーカに対応する遊技情報が合成表示されるまでに、端末装置とサーバ装置と管理装置との間で行われる情報のやり取りを示すフローチャートであって、マーカに対応する遊技情報が一義的に定まる(通常マーカの)場合(例えば、
図10の例に対応)のフローチャートである。
【0061】
端末装置80がカメラ82を介してマーカ(例えば、マーカm6)を含む実像の撮影を開始すると(S10)、その撮影画像がサーバ装置90に送信される(S11)。
サーバ装置90は、撮影画像からマーカを識別するとともにマーカの種類を通常マーカと特定し、対応関係データに基づいて特定した通常マーカに対応する遊技情報を特定する。そして、特定した遊技情報を管理装置60に要求する(S12)。
管理装置60は、要求された遊技情報を抽出し(S13)、その遊技情報をサーバ装置90に送信する(S14)。
サーバ装置90は、送信された遊技情報を画像情報に変換する(S15)。この際に画像情報が複数あるときには画像情報同士が重ならないように補正する。その後、画像情報をマーカとの相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とともに端末装置80に送信する(S16)。
端末装置80は、撮影画像中のマーカの大きさ及び配置を識別しながら、相対情報を参照して、受信した画像情報(例えば、
図10中のg26,g27)を撮影画像(例えば、
図10中のs7)に合成表示させる(S17)。
これにより、マーカ(通常マーカ、例えば、マーカm6)に対応する遊技情報が提供されることになる。
【0062】
図12は、マーカの撮影が開始されてから、このマーカに対応する遊技情報が合成表示されるまでに、端末装置とサーバ装置と管理装置との間で行われる情報のやり取りを示すフローチャートであって、端末装置80の端末識別情報に応じて異なる遊技情報が提供される(識別マーカの)場合(例えば、
図6、
図7の例に対応)のフローチャートである。
【0063】
端末装置80がカメラ82を介してマーカ(例えば、マーカm3)を含む実像の撮影を開始すると(S20)、その撮影画像がサーバ装置90に送信される(S21)。
サーバ装置90は、撮影画像からマーカを識別するとともにマーカの種類を識別マーカと特定する。また、撮影画像とともに送信される端末識別情報が予め記憶されている店員の端末情報か否かの判定を行う(S22)。
送信された端末識別情報が店員の端末情報であると判定すると(S22−YES)、対応関係データに基づいて特定した識別マーカに対応する店員用遊技情報を管理装置60に要求する(S23)。
管理装置60は、要求された店員用遊技情報を抽出し(S24)、その店員用遊技情報をサーバ装置90に送信する(S25)。
サーバ装置90は、送信された店員用遊技情報を画像情報に変換する(S26)。その後、画像情報(例えば、
図7(b)中のg8〜g12)をマーカとの相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とともに端末装置80に送信する(S27)。
一方、店員の端末識別情報でないと判定すると(S22−NO)、対応関係データに基づいて特定した識別マーカに対応する遊技者用遊技情報を管理装置60に要求する(S28)。
管理装置60は、要求された遊技者用遊技情報を抽出し(S29)、その遊技者用遊技情報をサーバ装置90に送信する(S30)。
サーバ装置90は、送信された遊技者用遊技情報を画像情報に変換する(S31)。その後、画像情報(例えば、
図6(b)中のg6,g7)をマーカとの相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とともに端末装置80に送信する(S27)。
端末装置80は、撮影画像中のマーカの大きさ及び配置を識別しながら、相対情報を参照して、受信した画像情報を撮影画像に合成表示させる(S32)。
これにより、マーカ(識別マーカ、例えば、マーカm3)に対応しつつも端末識別情報に応じた遊技情報が提供されることになる。
【0064】
図13は、マーカの撮影が開始されてから、このマーカに対応する遊技情報が合成表示されるまでに、端末装置とサーバ装置と管理装置との間で行われる情報のやり取りを示すフローチャートであって、複数の遊技情報の項目名が合成表示されるとともに、これらの項目名の中から選択された項目名の遊技情報が合成表示される(選択マーカの)場合(例えば、
図5(b),(c)の例に対応)のフローチャートである。
【0065】
端末装置80がカメラ82を介してマーカ(例えば、マーカm2)を含む実像の撮影を開始すると(S40)、その撮影画像がサーバ装置90に送信される(S41)。
サーバ装置90は、撮影画像からマーカを識別するとともにマーカの種類を選択マーカと特定する。対応関係データに基づいてこの選択マーカに対応付けられた複数の遊技情報の項目名を画像情報に変換し(S42)、この画像情報を相対情報とともに端末装置80に送信する(S43)。
端末装置80は、撮影画像中のマーカの大きさ及び配置を識別しながら、相対情報を参照して、受信した画像情報(遊技情報の項目名、例えば、
図5(b)中のg4)を撮影画像に合成表示させる(S44)。
タッチパネルを介して閲覧を希望する一又は二以上の遊技情報の項目名(例えば、スタート)が選択されると、選択された遊技情報の項目名がサーバ装置90に送信される(S45)。
サーバ装置90は、選択された遊技情報を管理装置60に要求する(S46)。
管理装置60は、要求された遊技情報を抽出し(S47)、その遊技情報をサーバ装置90に送信する(S48)。
サーバ装置90は、送信された遊技情報を画像情報(例えば、
図5(c)中のg5)に変換し(S49)、その後、画像情報をマーカとの相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とともに端末装置80に送信する(S50)。
端末装置80は、撮影画像中のマーカの大きさ及び配置を識別しながら、相対情報を参照して、受信した画像情報(例えば、
図5(c)中のg5)を撮影画像(例えば、
図5(c)中のs2)に合成表示させる(S51)。
これにより、マーカに対応する遊技情報でありながら選択された項目名に対応する遊技情報が提供されることになる。
【0066】
図14(a)は、マーカの撮影が開始されてから、このマーカに対応する遊技情報が合成表示されるまでに、端末装置とサーバ装置と管理装置との間で行われる情報のやり取りを示すフローチャートであって、マーカの撮影方向に応じた遊技情報が合成表示される(角度変位マーカの)場合(例えば、
図9の例に対応)のフローチャートである。
【0067】
端末装置80がカメラ82を介してマーカ(例えば、マーカm4)を含む実像の撮影を開始すると(S60)、その撮影画像がサーバ装置90に送信される(S61)。
サーバ装置90は、撮影画像からマーカを識別するとともにマーカの種類を角度変位マーカと特定する。さらに角度変位マーカの撮影画像中における撮影方向すなわち角度変位を識別し、対応関係データに基づいてこの識別した角度変位に対応する遊技情報を特定する。そして、この遊技情報の送信を管理装置60に要求する(S62)。
管理装置60は、要求された遊技情報を抽出し(S63)、その遊技情報をサーバ装置90に送信する(S64)。
サーバ装置90は、送信された遊技情報を画像情報(例えば、
図9(d)中のg25)に変換し(S65)、その後、画像情報をマーカとの相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とともに端末装置80に送信する(S66)。
端末装置80は、撮影画像中のマーカの大きさ及び配置を識別しながら、相対情報を参照して、受信した画像情報(例えば、
図9(d)中のg25)を撮影画像(例えば、
図9(d)中のs6)に合成表示させる(S67)。
これにより、マーカ(角度変位マーカ、例えば、マーカm4)の角度変位に対応する遊技情報が提供されることになる。
【0068】
図14(b)は、マーカの撮影が開始されてから、このマーカに対応する遊技情報が合成表示されるまでに、端末装置とサーバ装置と管理装置との間で行われる情報のやり取りを示すフローチャートであって、画像情報が重ならないように補正する場合(例えば、
図9(b)の例に対応)のフローチャートである。
【0069】
端末装置80がカメラ82を介してマーカ(例えば、マーカm4)を含む実像の撮影を開始すると(S71)、その撮影画像がサーバ装置90に送信される(S72)。
サーバ装置90は、撮影画像からマーカを識別するとともにマーカの種類を特定し、対応関係データに基づいて特定したマーカに対応する遊技情報として複数の遊技機10の玉箱数を特定する。そして、玉箱数を管理装置60に要求する(S73)。
管理装置60は、要求された玉箱数を抽出し(S74)、その遊技情報をサーバ装置90に送信する(S75)。
サーバ装置90は、送信された玉箱数を玉箱画像情報(例えば、
図9(b)中のg17〜g22)に変換する(S76)。
この際に玉箱画像情報同士が重なるか否かの判定を行い(S77)、重なるときには(S77−YES)、玉箱画像情報それぞれの表示領域が重ならないように補正し(S78)、補正した玉箱画像情報をマーカとの相対的な大小関係及び位置関係を特定可能な相対情報とともに端末装置80に送信する(S79)。一方、重ならないときには(S77−NO)、補正することなく玉箱画像情報を相対情報とともに端末装置80に送信する(S79)。
端末装置80は、撮影画像中のマーカの大きさ及び配置を識別しながら、相対情報を参照して、受信した玉箱画像情報(例えば、
図9(b)中のg17〜g22)を撮影画像(例えば、
図9(b)中のs6)に合成表示させる(S80)。
これにより、マーカ(例えば、マーカm4)に対応する遊技情報であって玉箱数を示す遊技情報が重なって表示されることなく提供されることになる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態の遊技情報提供システム1によれば、マーカの付された場所、装置等に関連する遊技情報を遊技者及び店員の携行する端末装置に写し出される画像に重ねて表示することができるため、物体が有する物理的な制約に捉われることなく、遊技情報を提供することができる。
ところが、従来の遊技情報提供装置では、提供可能な情報量に限界があった。
例えば、呼出ランプや、特許文献1の遊技情報表示装置では、遊技情報を表示する表示器の大きさなどの物理的な制約、遊技情報を記憶する記憶容量の制約、人の目で認識可能な文字の大きさに限界があるため表示可能な文字数の制約など、様々な制約を有することから、提供可能な情報量も制限されることになる。
また、このような遊技情報提供装置は、遊技者のみならず、遊技場内を巡回する店員も閲覧するときもあり、この際には、遊技者に見せたくない遊技情報もある。
例えば、パチンコ機ならば個々の遊技機の釘調整設定状況、スロットマシンならば個々の遊技機の確率設定状況などは、遊技者に知らせたくない遊技情報でありながら、店員としては、不正行為者により不正に出玉が窃取されていないかどうかを見極める観点から、実際の出玉状況が釘調整設定状況又は確率設定状況と合致しているか否かを確認する必要があるため、釘調整設定状況又は確率設定状況がこのような遊技情報提供装置から確認できれば大変便利である。
そうすると、遊技情報提供装置は、遊技者による閲覧か店員による閲覧かを何らかの手段を講じて区別する機能を備える必要があるので、多機能化による負荷がますます掛かることになり、開発コスト、製造コストのみならず販売価格も上昇することになる。
また、遊技機に関する遊技情報に限らず、遊技場で行われるイベントなどのサービスに関する遊技情報、遊技場内における遊技機、トイレ、景品交換所等の設置設備の案内に関する遊技情報においても、イベントの更新、遊技機の新台入れ替え、改装等ごとにポスター、のぼり旗、案内表示板等の表示手段を取り替える必要があり、このような取替え費用が遊技場経営の負担となっていた。
また、近年の携帯電話や通信インフラの技術発展を背景に、携帯電話回線やWiFi(Wireless Fidelity)と称される無線通信回線にそれぞれ対応可能な通信インターフェースを備え、多彩なアプリケーションを利用可能なスマートフォン等の通信端末装置の普及が広がりをみせており、利用者の場所を問わず容易にインターネット等にアクセスすることができる環境が整いつつある。
このため、このような通信端末装置を利用することによって、遊技者がどこからでも遊技情報を閲覧することができる利便性の高いサービスの提供が求められていた。
本発明は、このような従来の問題を解決するために提案されたもので、従来の遊技情報提供装置が提供し切れなかった遊技情報を補足的に提供したり、遊技情報提供装置に何ら識別機能を持たせることなく遊技者と店員を識別してそれぞれに応じた遊技情報を提供したり、ポスター、のぼり旗、案内表示板等の表示手段を取り替えることなく、遊技場のイベント、レイアウト等の案内に係る遊技情報を提供できる遊技情報提供システム及び情報処理装置の提供を目的とする。
【0071】
以上、本発明の遊技情報提供システム及び情報処理装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技情報提供システム及び情報処理装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0072】
例えば、本実施形態では、端末装置80を、スマートフォン等の通信端末としたが、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などの装着タイプの通信端末を用いることもできる。
また、所定のインターネットサイトから情報提供に係るアプリケーションプログラム(アプリ)をダウンロードしたが、双方向通信を行うサーバ装置90を特定可能なIPアドレスをマーカに含めることで、サーバ装置90からダウンロードすることもできる。
また、本実施形態では、遊技情報を管理装置60に蓄積・記憶したがサーバ装置60自身に蓄積・記憶し、これを端末装置80に送信することもできる。
また、サーバ装置60は、管理装置60からのみならず、台コンピュータ40、島コンピュータ50から遊技情報を取得することもできる。
また、選択マーカを遊技機10の複数の機種名と対応付け、選択された機種名の遊技機の設置場所を示す矢印等の画像情報を撮影画像に合成表示させることで、遊技を希望する遊技機の設置場所を案内することもできる。
【0073】
また、本実施形態では、マーカ識別手段、遊技情報抽出手段、情報変換手段、及び表示位置補正手段をサーバ装置90に設けたが、全て又は一部を端末装置80に設けてもよい。